JP2000114886A - Mos逆相増幅回路およびそれを用いたrfフロントエンド回路 - Google Patents

Mos逆相増幅回路およびそれを用いたrfフロントエンド回路

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JP2000114886A
JP2000114886A JP10275672A JP27567298A JP2000114886A JP 2000114886 A JP2000114886 A JP 2000114886A JP 10275672 A JP10275672 A JP 10275672A JP 27567298 A JP27567298 A JP 27567298A JP 2000114886 A JP2000114886 A JP 2000114886A
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mos
voltage
mos transistor
mosfet
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Katsuharu Kimura
克治 木村
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NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な線形性と広い周波数帯域が得られ、且
つ動作条件に拘わらず所定の電圧利得が得られる共に、
半導体集積回路上に好適に実現されるMOS逆相増幅回
路を提供する。 【解決手段】 ソース接地されたMOSトランジスタM
1には、ゲートに定電圧VBが印加されたMOSトラン
ジスタM2がカスコード接続される。MOSトランジス
タM1のゲートには、バイアス電圧VGと入力信号vi
含む電圧が印加される。MOSトランジスタM1にバイ
アス電圧VGに対応する定電流が流れ、この定電流によ
りMOSトランジスタM1は駆動される。MOSトラン
ジスタM2はMOSトランジスタM1の負荷として動作
し、MOSトランジスタM1のドレインに出力電圧が生
成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体集積回路上に
好適に実現できる増幅回路およびRF(Radio Frequenc
y)フロントエンド回路に関し、さらに言えば、線形動
作すると共に広い周波数帯域を持つMOS逆相増幅回路
およびそれを用いたRFフロントエンド回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のMOS逆相増幅回路の例を図6に
示す。この回路は、グレイ、メイヤー(P. R. Gray and
R. G Meyer)による「アナログ集積回路の解析と設計
(Analysis and Design of Analog Integrated Circuit
s)」と題された著書(ニューヨーク:ジョン・ワイリ
ー・アンド・サンズ社(New York: John Wiley and Son
s,Inc.)刊行、1993年、第3版、312−316
頁)に記載されたものである。
【0003】図6の従来のMOS逆相増幅回路は、2つ
のnチャネル電界効果型トランジスタ(Metal-Oxide-Se
miconductor Field-Effect Transistor、MOSFE
T)(以下、MOSトランジスタという)M101,M
102を備えている。
【0004】MOSトランジスタM101のソースは接
地線に接続され、ゲート−接地線間に入力電圧Viが入
力される。MOSトランジスタM102のドレインとゲ
ートは電源電圧線(電圧値:VDD)にそれぞれ接続さ
れ、ソースはMOSトランジスタM101のドレインの
接続されている。そして、MOSトランジスタM102
がMOSトランジスタM101の負荷として動作し、M
OSトランジスタM101のドレインと接地線との間に
出力電圧VOが生成される。
【0005】上記従来のMOS逆相増幅回路は、次のよ
うに動作する。
【0006】一般に、基板効果とチャネル長変調を無視
すると、MOSトランジスタのドレイン電流IDは、ピ
ンチ領域、線形領域および飽和領域の3つの動作領域に
おいて次の数式(1a),(1b),(1c)でそれぞ
れ表される。
【0007】
【数1】
【0008】ここで、βはトランスコンダクタンス・パ
ラメータであり、β=μ(COX/2)(W/L)で定義
される。ただし、μはキャリアの実効モビリティであ
り、C OXは単位面積当たりのゲート酸化膜容量であり、
W、Lはそれぞれ、ゲート幅、ゲート長であり、VTH
スレッショルド電圧である。
【0009】図6において、MOSトランジスタM10
1,M102がいずれも飽和領域で動作している場合、
それらのMOSトランジスタM101,M102のドレ
イン電流とゲート−ソース間電圧との間に上記数式(1
c)がそれぞれに成立する。そして、MOSトランジス
タM101,M102のドレイン電流は互いに等しくな
るので、図6のMOS逆相増幅回路の電圧利得はMOS
トランジスタM101のトランスコンダクタンスgm1
M102のトランスコンダクタンスgm2の比で与えられ
る。すなわち、MOSトランジスタM101のゲート幅
(W)とゲート長(L)の比を(W/L)1とし、MO
SトランジスタM102のゲート幅(W)とゲート長
(L)の比を(W/L)2とすると、電圧利得AVは次の
数式(2)で表される。
【0010】
【数2】
【0011】
【発明が解決しようとする課題】近年、MOS型半導体
プロセスの微細化が進むにつれ、ギガヘルツ(GHz)
帯域のRFフロントエンド回路を周波数特性のよいMO
Sトランジスタの利用により実現する試みがなされてい
る。このRFフロントエンド回路に使用される増幅回路
は、広い周波数帯域を持つだけでなく、優れた線形性を
有していなければならない。しかし、もともとMOSト
ランジスタのゲート電圧とドレイン電流の関係は線形で
ないため、増幅回路の線形性を向上させ、歪みを少なく
することは一般的に容易でない。よって、十分な線形性
が得られないという問題がある。また、抵抗器などの受
動素子を負荷として用いた場合、周波数帯域が狭くなる
という問題がある。さらに、増幅回路の電圧利得はバイ
アス電圧や駆動電流など動作条件により変動するので、
所定の電圧利得が得られないという問題がある。
【0012】図6の従来のMOS逆相増幅回路は、MO
Sトランジスタを負荷として動作させているので、周波
数帯域を広げることができる。しかし、この回路は元来
ディジタル回路のインバータであり、単に入力電圧Vi
を反転しているに過ぎないので、最適な動作は期待でき
ない。よって、線形性が必ずしも十分でないという問題
がある。
【0013】そこで、本発明の目的は、良好な線形性と
広い周波数帯域が得られると共に、半導体集積回路上に
好適に実現されるMOS逆相増幅回路を提供することに
ある。
【0014】本発明の他の目的は、動作条件に拘わらず
所定の電圧利得が得られるMOS逆相増幅回路を提供す
ることにある。
【0015】本発明のさらに他の目的は、歪み特性を改
善できるRFフロントエンド回路を提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】(1) 本発明の第1の
MOS逆相増幅回路は、ソース接地された第1MOSト
ランジスタと、ゲートに定電圧が印加され且つ前記第1
MOSトランジスタにカスコード接続された、前記第1
MOSトランジスタの負荷として動作する第2MOSト
ランジスタとを備え、前記第1MOSトランジスタのゲ
ートにバイアス電圧および入力信号を含む電圧が印加さ
れ、前記第1MOSトランジスタは前記バイアス電圧に
応じて流れる定電流で駆動され、前記入力信号に比例す
る成分を含む出力電圧は前記第1MOSトランジスタの
ドレインから取り出されることを特徴とする。
【0017】(2) 本発明の第1のMOS逆相増幅回
路では、ソース接地された第1MOSトランジスタに第
2MOSトランジスタがカスコード接続される。第1M
OSトランジスタのゲートにバイアス電圧および入力信
号を含む電圧が印加され、第1MOSトランジスタはバ
イアス電圧に応じて流れる定電流で駆動される。第2M
OSトランジスタのゲートには定電圧が印加される。そ
して、第2MOSトランジスタが第1MOSトランジス
タの負荷として動作し、第1MOSトランジスタのドレ
インに出力電圧が生成される。
【0018】このように、第1MOSトランジスタが定
電流で駆動されるので、最適な動作が可能となる。そし
て、負荷として動作する第2MOSトランジスタの持つ
非線形性が第1MOSトランジスタの非線形性を相殺す
るので、優れた線形性が得られる。また、第2MOSト
ランジスタを負荷としたことにより、広い周波数帯域を
得ることができる。
【0019】さらに、第1MOSトランジスタに負荷と
して動作する第2MOSトランジスタをカスコード接続
しているので、当該MOS逆相増幅回路の電圧利得は第
1および第2のMOSトランジスタのそれぞれのトラン
スコンダクタンスの比に対応する。このため、動作条件
に拘わらず所定の電圧利得を得ることができる。
【0020】(3) 本発明の第1のMOS逆相増幅回
路の好ましい例では、前記第1MOSトランジスタのゲ
ート幅(W)とゲート長(L)の比(W/L)が前記第
2MOSトランジスタのゲート幅(W)とゲート長
(L)の比(W/L)より大きく設定される。この場
合、当該逆相増幅回路の電圧利得の絶対値を1より大き
くできる利点がある。
【0021】本発明の第1のMOS逆相増幅回路の他の
好ましい例では、前記バイアス電圧を供給するバイアス
回路をさらに備えており、そのバイアス回路はダイオー
ド接続され且つ定電流で駆動される第3MOSトランジ
スタを含んで構成されていて、前記第3MOSトランジ
スタのゲートに前記バイアス電圧が生成される。この場
合、動作点をより一層安定させることができると共に、
バイアス回路が簡単になる利点がある。
【0022】(4) 本発明の第2のMOS逆相増幅回
路は、ソース接地された第1MOSトランジスタと、ゲ
ートに定電圧が印加された第2MOSトランジスタと、
ダイオード接続された第3のMOSトランジスタとを備
え、前記第1、第2および第3のMOSトランジスタの
それぞれはカスコード接続され、前記第2および第3の
MOSトランジスタのそれぞれは前記第1MOSトラン
ジスタの負荷として動作し、前記第1MOSトランジス
タのゲートにバイアス電圧および入力信号を含む電圧が
印加され、前記第1MOSトランジスタは前記バイアス
電圧に応じて流れる定電流で駆動され、前記入力信号に
比例する成分を含む出力電圧は前記第1MOSトランジ
スタのドレインから取り出されることを特徴とする。
【0023】(5) 本発明の第2のMOS逆相増幅回
路では、ソース接地された第1MOSトランジスタに第
2および第3のMOSトランジスタがカスコード接続さ
れる。第1MOSトランジスタのゲートにバイアス電圧
および入力信号を含む電圧が印加され、第1MOSトラ
ンジスタはバイアス電圧に応じて流れる定電流で駆動さ
れる。第2MOSトランジスタには定電圧が印加され
る。第3MOSトランジスタはダイオード接続される。
そして、第2および第3のMOSトランジスタが第1M
OSトランジスタの負荷として動作し、第1MOSトラ
ンジスタのドレインに出力電圧が生成される。
【0024】このように、第1MOSトランジスタが定
電流で駆動されるので、最適な動作が可能となる。そし
て、負荷として動作する第2および第3のMOSトラン
ジスタの持つ非線形性が第1MOSトランジスタの非線
形性を相殺するので、優れた線形性が得られる。また、
第2および第3のMOSトランジスタを負荷としたこと
により、広い周波数帯域を得ることができる。
【0025】さらに、第1MOSトランジスタに負荷と
して動作する第2MOSトランジスタをカスコード接続
しているので、当該MOS逆相増幅回路の電圧利得は第
1および第2のMOSトランジスタのそれぞれのトラン
スコンダクタンスの比に対応し、且つ、第1および第3
のMOSトランジスタのそれぞれのトランスコンダクタ
ンスの比に対応する。このため、動作条件に拘わらず所
定の電圧利得を得ることができる。
【0026】(6) 本発明の第2のMOS逆相増幅回
路の好ましい例では、前記第1、第2および第3のMO
Sトランジスタのそれぞれのゲート幅(W)とゲート長
(L)の比(W/L)が等しく設定される。この場合、
MOS逆相増幅回路の形成が簡単になる利点がある。
【0027】本発明の第2のMOS逆相増幅回路の他の
好ましい例では、前記バイアス電圧を供給するバイアス
回路をさらに備えており、そのバイアス回路はダイオー
ド接続され且つ定電流で駆動される第4MOSトランジ
スタを含んで構成されていて、前記第4MOSトランジ
スタのゲートに前記バイアス電圧が生成される。この場
合、動作点をより一層安定させることができると共に、
バイアス回路が簡単になる利点がある。
【0028】(7) 本発明のRFフロントエンド回路
は、RF信号を入力信号とする、上記(1)、(3)、
(4)または(6)に記載のMOS逆相増幅回路の構成
を持つ第1MOS逆相増幅回路と、局部発振器が生成す
るローカル信号を入力信号とする、上記(1)、
(3)、(4)または(6)に記載のMOS逆相増幅回
路の構成を持つ第2MOS逆相増幅回路と、前記第1お
よび第2のMOS逆相増幅回路のそれぞれの出力電圧が
供給され、前記RF信号をローカル信号に応じて周波数
変換した中間周波信号を出力するミキサ回路とを備える
ことを特徴とする。
【0029】(8) 本発明のRFフロントエンド回路
では、上記(1)、(3)、(4)または(6)に記載
のMOS逆相増幅回路の構成を持つ第1および第2のM
OS逆相増幅回路とミキサ回路とを備えている。第1お
よび第2のMOS逆相増幅回路にRF信号およびローカ
ル信号がそれぞれ入力され、ミキサ回路に第1および第
2のMOS逆相増幅回路の出力信号が入力される。ミキ
サ回路は、RF信号をローカル信号に応じて周波数変換
した中間周波信号を出力する。
【0030】よって、RF信号およびローカル信号は、
線形性に優れた第1および第2のMOS逆相増幅回路で
増幅され、歪みの少ない信号がミキサ回路に入力され
る。したがって、歪み特性を改善することができる。
【0031】(9) 本発明のRFフロントエンド回路
の好ましい例では、前記ミキサ回路は、ソース接地され
たデュアルゲート型MOSトランジスタと、前記デュア
ルゲート型MOSトランジスタにカスコード接続され且
つ前記デュアルゲート型MOSトランジスタの負荷とし
て動作する他のMOSトランジスタとを含んで構成され
ており、前記デュアルゲート型MOSトランジスタの一
方のゲートに前記第1MOS逆相増幅回路の出力電圧が
供給され、前記デュアルゲート型MOSトランジスタの
他方のゲートに前記第2MOS逆相増幅回路の出力電圧
が供給され、前記中間周波信号を含む電圧は前記デュア
ルゲート型MOSトランジスタのドレインに生成され
る。
【0032】この場合、ミキサ回路の線形性が高まる。
したがって、歪み特性をさらに改善できる利点がある。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施の形
態を添付図面を参照しながら具体的に説明する。
【0034】(第1実施形態)図1は、本発明の第1実
施形態のMOS逆相増幅回路を示す。図1の回路は、本
発明のMOS逆相増幅回路の基本回路を示すものであ
る。
【0035】図1のMOS逆相増幅回路は、ソース接地
されたnチャネルMOSトランジスタM1と、MOSト
ランジスタM1にカスコード接続されたnチャネルMO
SトランジスタM2とを含んで構成される。MOSトラ
ンジスタM1とM2のゲート幅(W)とゲート長(L)
の比(W/L)は、それぞれ(W/L)1と(W/L)2
((W/L)1と(W/L)2は定数)である。定数(W
/L)1は、定数(W/L)2より大きく設定される。
【0036】MOSトランジスタM1のゲートは、入力
信号viを生成する信号源1に接続され、さらにバイア
ス電圧VGを生成する定電圧源2を介して接地される。
MOSトランジスタM2のドレインは電源電圧線(電圧
値:VDD)に接続され、ゲートは定電圧源(電圧値:V
B)を介して接地される。
【0037】MOSトランジスタM1のゲートには、入
力信号viとバイアス電圧VGが重畳された電圧が印加さ
れる。MOSトランジスタM2のゲートには、定電圧V
Bが印加される。そして、MOSトランジスタM2がM
OSトランジスタM1の負荷として動作し、MOSトラ
ンジスタM1のドレインから出力電圧VOが取り出され
る。
【0038】次に、図1のMOS逆相増幅回路の動作に
ついて説明する。
【0039】MOSトランジスタM1,M2はいずれも
飽和状態で動作していると仮定すると、MOSトランジ
スタM1,M2のドレイン電流ID1,ID2は次の数式
(3a),(3b)で表される。
【0040】
【数3】
【0041】ここで、β1,β2はトランスコンダクタン
ス・パラメータであり、β1=μ(COX/2)(W/
L)1,β2=μ(COX/2)(W/L)2で定義され
る。ただし、μはキャリアの実効モビリティであり、C
OXは単位面積当たりのゲート酸化膜容量であり、VTH
スレッショルド電圧である。
【0042】ここで、MOSトランジスタM1とM2は
ドレイン電流を共有しているので、ドレイン電流ID1
D2は互いに等しくなる。すなわち、次の数式(4)が
成立する。
【0043】
【数4】
【0044】したがって、上記数式(3a),(3
b),(4)より、出力電圧VOは、次の数式(5)で
表される。
【0045】
【数5】
【0046】ただし、VDとvOは直流電圧成分と交流電
圧成分であり、次の数式(6a),(6b)で与えられ
る。
【0047】
【数6】
【0048】また、当該MOS逆相増幅回路の電圧利得
Vは、MOSトランジスタM1のトランスコンダクタ
ンスgm1とMOSトランジスタM2のトランスコンダク
タンスgm2の比で与えられ、次の数式(7)で表され
る。
【0049】
【数7】
【0050】ここで、MOSトランジスタM1にはバイ
アス電圧VGに応じた定電流が流れ、この定電流がMO
SトランジスタM1の駆動電流IDOとなる。そして、駆
動電流ID0により、MOSトランジスタM1はバイアス
される。駆動電流ID0は、無信号時(すなわち、vi
0)にMOSトランジスタM1(およびM2)に流れる
ドレイン電流ID1(=ID2)に相当する。したがって、
駆動電流ID0は、次の数式(8)で表される。
【0051】
【数8】
【0052】上記数式(5)より、出力電圧VOが直流
電圧成分VDと交流信号成分vOを含むことが分かる。こ
れは、当該MOS逆相増幅回路の動作点が直流電圧成分
Dで与えられ、最適な動作が可能であることを意味す
る。そして、負荷として動作するMOSトランジスタM
2の持つ非線形性がMOSトランジスタM1の非線形性
を相殺するので、優れた線形性が得られる。さらに、M
OSトランジスタM2を負荷としたことにより、広い周
波数帯域を得ることができる。
【0053】上記数式(7)より、当該MOS逆相増幅
回路の電圧利得AVは、2つのMOSトランジスタM
1,M2のゲート幅(W)とゲート長(L)の比(W/
L)、すなわち定数(W/L)1,(W/L)2により決
定され、それらの比((W/L)1/(W/L)2)の平
方根(ルート)に等しくなることが分かる。これは、定
数(W/L)1,(W/L)2の値を変えることにより所
望の電圧利得AVが得られることを意味する。そして、
電圧利得AVは、バイアス電圧VGや駆動電流IOに依存
することがなく、一定の値となり得る。この定数(W/
L)1,(W/L)2は半導体集積回路の製造過程で使用
されるマスク寸法で決定されるので、任意の値に設定す
ることが可能である。
【0054】なお、以上の動作は、上記数式(4)が示
すように、MOSトランジスタM1,M2のドレイン電
流ID1,ID2が等しい場合の動作である。図1のMOS
逆相増幅回路に他の回路が縦属接続され、しかもその回
路の入力側に向かって直流電流が流れる場合には、その
直流電流がMOSトランジスタM2を介して供給される
ことになるので、MOSトランジスタM2のドレイン電
流ID2がMOSトランジスタM1のドレイン電流ID1
り大きくなる。その場合、当該MOS逆相増幅回路の線
形性が幾分劣化する。
【0055】また、上記数式(7)より分かるように、
MOSトランジスタM1とM2のゲート幅(W)とゲー
ト長(L)の比(W/L)を等しくすると(すなわち、
(W/L)1=(W/L)2とすると)電圧利得AV=−
1となり、単なるインバータの動作となる。この場合、
出力電圧VOにスレッショルド電圧が現れない。しか
し、本実施形態では、定数(W/L)1の値を定数(W
/L)2よりも大きく設定しているので、電圧利得AV
絶対値が1以上となり、増幅回路として動作する。
【0056】(第2実施形態)図2は、本発明の第2実
施形態のMOS逆相増幅回路を示す。図2の回路は、図
1のMOS逆相増幅回路をRFフロントエンド回路のR
F増幅器として用いる場合の具体的な回路例を示すもの
である。
【0057】図2のMOS逆相増幅回路は、ソース接地
されたnチャネルMOSトランジスタM1と、MOSト
ランジスタM1にカスコード接続されたnチャネルMO
SトランジスタM2と、バイアス回路6とを含んで構成
される。
【0058】MOSトランジスタM1のゲートには、信
号源1の生成する入力信号vi(ここでは、RF信号V
RF)が信号入力用コンデンサCinを介して入力され
る。コンデンサCinは、信号源1とMOSトランジス
タM1のゲートの間を直流的に遮断する。MOSトラン
ジスタM2のドレインとゲートは、電源電圧線(電圧
値:VDD)にそれぞれ接続される。MOSトランジスタ
M2のゲートには、定電圧VBとして電圧VDDが印加さ
れる。MOSトランジスタM1とM2のゲート幅(W)
とゲート長(L)の比(W/L)は、それぞれ(W/
L)1と(W/L)2((W/L)1と(W/L)2は定
数)である。定数(W/L)1は、定数(W/L)2より
大きく設定される。
【0059】バイアス回路6は、ダイオード接続された
MOSトランジスタM3と定電流源5(電流値:IB
とを含んで形成される。MOSトランジスタM3のドレ
インは定電流源(電流値:IB)を介して電源電圧線
(電圧値:VDD)に接続され、ソースは接地される。M
OSトランジスタM3のゲート幅(W)とゲート長
(L)の比(W/L)は、(W/L)3((W/L)3
定数)である。
【0060】MOSトランジスタM3は定電流源5の生
成する定電流IBにより駆動される。
【0061】MOSトランジスタM3のゲートは、抵抗
器Rinを介してMOSトランジスタM1のゲートに接
続されると共に、抵抗器Rinと並列に接続されたコン
デンサCpを介して接地される。抵抗器Rinとコンデ
ンサCpは、MOSトランジスタM1,M3のゲート間
を交流的に遮断する。MOSトランジスタM1のゲート
には、MOSトランジスタM3のゲートに生成されるバ
イアス電圧VGが印加される。
【0062】図2のMOS逆相増幅回路の動作は、第1
実施形態のMOS逆相増幅回路の動作と基本的に同じで
ある。すなわち、抵抗器RinとコンデンサCinの接
続点でバイアス電圧VGと入力信号viが重畳され、その
重畳された電圧がMOSトランジスタM1のゲートに印
加される。MOSトランジスタM2はMOSトランジス
タM1の負荷として動作し、MOSトランジスタM1の
ドレインから出力電圧VOが取り出される。この出力電
圧VOは上記数式(5)で表される。よって、図1の本
発明の第1実施形態のMOS逆相増幅回路と同様に、最
適な動作が可能となり、優れた線形性および広い周波数
帯域を得ることができる。同時に、電圧利得AVは、一
定の値となり、定数(W/L)1,(W/L)2の値を変
えることにより任意の値に設定することが可能となる。
【0063】図2のMOS逆相増幅回路において、抵抗
器Rinの抵抗値がMOSトランジスタM1のゲートの
入力インピーダンスに対して十分に小さいと仮定する
と、MOSトランジスタM1とM3がカレントミラー回
路を構成すると見なすことができる。このカレントミラ
ー回路により、MOSトランジスタM1には、MOSト
ランジスタM3を駆動する定電流IBに対して((W/
L)1/(W/L)3)倍の駆動電流ID0が流れる。これ
は、MOSトランジスタM1の駆動電流ID0が定電流源
5からMOSトランジスタM3を介して供給されること
を意味する。そして、MOSトランジスタM1は駆動電
流ID0によりバイアスされる。この場合、動作をより一
層安定させることができ、しかもバイアス回路の構成が
簡単になる。
【0064】(第3実施形態)図3は、本発明の第3実
施形態のRFフロントエンド回路を示す。この回路は、
本発明の第1実施形態のMOS逆相増幅回路をRF増幅
器とLO増幅回路に用いた場合の具体例を示すものであ
る。
【0065】図3のRFフロントエンド回路は、希望波
を選択する帯域通過フィルタ(BandPass Filter、BP
F)12と、RF信号を増幅するRF増幅回路31と、
局部発振器(Local Oscillator、LO)として動作する
信号源13と、信号源13の出力するローカル信号を増
幅するLO増幅回路32と、RF増幅回路31およびL
O増幅回路32のそれぞれの出力電圧を混合するミキサ
回路33と、ミキサ回路33の出力電圧に含まれる中間
周波(Intermediate Frequency、IF)信号を抽出する
帯域通過フィルタ14とを備えている。
【0066】帯域通過フィルタ12の入力端子は当該フ
ロントエンド回路の外部のアンテナ(Antenna、AN
T)11に接続されている。帯域通過フィルタ12は、
アンテナ11から供給される受信波に含まれるRF信号
RFを抽出して出力する。
【0067】RF増幅回路31は、ソース接地されたn
チャネルMOSトランジスタM11と、MOSトランジ
スタM11にカスコード接続されたnチャネルMOSト
ランジスタM12と、バイアス回路34とを含んで構成
される。
【0068】MOSトランジスタM11のゲートには、
帯域通過フィルタ12から出力されるRF信号VRFが信
号入力用コンデンサCin1を介して入力される。コン
デンサCin1は、帯域通過フィルタ12とMOSトラ
ンジスタM11のゲートの間を直流的に遮断する。MO
SトランジスタM12のドレインは、電源電圧線(電圧
値:VDD)に接続されている。MOSトランジスタM1
1とM12のゲート幅(W)とゲート長(L)の比(W
/L)は、それぞれ(W/L)11と(W/L) 12((W
/L)11と(W/L)12は定数、ただし(W/L)11
(W/L)12)である。
【0069】バイアス回路34は、ダイオード接続され
たMOSトランジスタM15と3つのバイアス電圧生成
用抵抗器Rb1,Rb2,Rb3とを含んで形成され
る。MOSトランジスタM15のドレインは直列に接続
された抵抗器Rb1,Rb2,Rb3を介して電源電圧
線(電圧値:VDD)に接続され、ソースは接地されてい
る。抵抗器Rb1,Rb2,Rb3の生成する電圧降下
により、MOSトランジスタM15は定電流で駆動され
る。MOSトランジスタM15のゲート幅(W)とゲー
ト長(L)の比(W/L)は、(W/L)15((W/
L)15は定数)である。
【0070】MOSトランジスタM15のゲートは、バ
イアス電圧入力用抵抗器Rin1を介してMOSトラン
ジスタM11のゲートに接続されると共に、抵抗器Ri
n1と並列に接続されたコンデンサCpを介して接地さ
れる。抵抗器Rin1とコンデンサCpは、MOSトラ
ンジスタM11,M15のゲート間を交流的に遮断す
る。MOSトランジスタM11のベースには、MOSト
ランジスタM15のベースに生成されるバイアス電圧V
Gが印加される。MOSトランジスタM12のベースに
は、抵抗器Rb2,Rb3の接続点からその接続点に生
成される定電圧V B1が供給される。
【0071】LO増幅回路32は、ソース接地されたn
チャネルMOSトランジスタM13と、MOSトランジ
スタM13にカスコード接続されたnチャネルMOSト
ランジスタM14と、RF増幅回路と共通のバイアス回
路34とを含んで構成される。
【0072】MOSトランジスタM13のゲートには、
信号源13からローカル信号VLOが信号入力用コンデン
サCin2を介して入力される。コンデンサCin2
は、信号源13とMOSトランジスタM13のゲートの
間を直流的に遮断する。MOSトランジスタM14のド
レインは電源電圧線(電圧値:VDD)に接続され、ゲー
トは抵抗器Rb1とRb2の接続点に接続されている。
MOSトランジスタM13とM14のゲート幅(W)と
ゲート長(L)の比(W/L)は、それぞれ(W/L)
13と(W/L)14((W/L)13と(W/L)14は定
数、ただし(W/L)13>(W/L)14)である。
【0073】MOSトランジスタM13のゲートは、バ
イアス電圧入力用抵抗器Rin2を介してMOSトラン
ジスタM15のゲートに接続される。抵抗器Rin2と
コンデンサCpは、MOSトランジスタM13,M15
のゲート間を交流的に遮断する。MOSトランジスタM
13のベースには、MOSトランジスタM15のゲート
に生成されるバイアス電圧VGが印加される。MOSト
ランジスタM14のゲートには、抵抗器Rb1,Rb2
の接続点からその接続点に生成される定電圧V B2が供給
される。
【0074】ミキサ回路33は、ソース接地されたデュ
アルゲート型nチャネルMOSトランジスタM16と、
MOSトランジスタM16にカスコード接続されたnチ
ャネルMOSトランジスタM17とを含んで構成され
る。
【0075】MOSトランジスタM16の一方のゲート
G1はMOSトランジスタM11のドレインに接続さ
れ、他方のゲートG2はMOSトランジスタM13のド
レインに接続されている。MOSトランジスタM16の
ゲートG1にMOSトランジスタM11のドレインに生
成されるRF増幅回路31の出力電圧VO1が供給され、
ゲートG2にMOSトランジスタM13のドレインに生
成されるLO増幅回路32の出力電圧VO2が供給され
る。MOSトランジスタM16のドレインは、信号出力
用コンデンサCoutを介して帯域通過フィルタ14の
入力端子に接続される。コンデンサCoutは、MOS
トランジスタM16のドレインと帯域通過フィルタ14
の入力端子の間を直流的に遮断する。
【0076】MOSトランジスタM17のドレインとゲ
ートは電源電圧線(電圧値:VDD)のそれぞれに接続さ
れる。MOSトランジスタM17のゲートには、定電圧
として電圧VDDが印加される。
【0077】帯域通過フィルタ14は、ミキサ回路33
の出力電圧に含まれるIF信号を抽出し、当該フロント
エンド回路の出力端子IFoutからIF信号を出力す
る。
【0078】次に、図3のRFフロントエンド回路の動
作について説明する。
【0079】RF増幅回路31とLO増幅回路32の動
作は、本発明の第1実施形態のMOS逆相増幅回路の動
作と基本的に同じである。すなわち、RF増幅回路31
では、抵抗器Rin1とコンデンサCin1の接続点で
バイアス電圧VGと入力信号VRFが重畳され、その重畳
された電圧がMOSトランジスタM11のゲートに印加
される。MOSトランジスタM12はMOSトランジス
タM11の負荷として動作し、MOSトランジスタM1
1のドレインに出力電圧VO1が生成される。
【0080】LO増幅回路32では、抵抗器Rin2と
コンデンサCin2の接続点でバイアス電圧VGと入力
信号VLOが重畳され、その重畳された電圧がMOSトラ
ンジスタM13のゲートに印加される。MOSトランジ
スタM14はMOSトランジスタM13の負荷として動
作し、MOSトランジスタM13のドレインに出力電圧
O2が生成される。
【0081】よって、RF増幅回路31とLO増幅回路
32のそれぞれにおいて、本発明の第1実施形態のMO
S逆相増幅回路と同様に、最適な動作が可能となり、優
れた線形性および広い周波数帯域を得ることができる。
同時に、RF増幅回路31およびLO増幅回路32の電
圧利得は一定の値となる。そして、定数(W/L)11
(W/L)12の値を変えることによりRF増幅回路31
の電圧利得を任意の値に設定することができ、定数(W
/L)13,(W/L)14の値を変えることによりLO増
幅回路32の電圧利得を任意の値に設定することが可能
となる。
【0082】他方、図4に示すように、ミキサ回路33
を構成するソース接地されたデュアルゲート型MOSト
ランジスタM16(図4(a))は、2つのシングルゲ
ートMOSトランジスタM16A,M16B(図4
(b))をカスコード接続した回路として等価的に表現
できる。すなわち、MOSトランジスタM16A,M1
6BのそれぞれのゲートG1,G2がMOSトランジス
タM16のゲートG1,G2に相当し、MOSトランジ
スタM16BのドレインDがMOSトランジスタM16
のドレインDに相当し、MOSトランジスタM16Aの
ソースSがMOSトランジスタM16のソースSに相当
する。この場合、MOSトランジスタM16A,M16
Bに流れる電流は等しく、しかもその電流は2つのゲー
トG1,G2のそれぞれに供給される2つの電圧の積に
対して二乗特性を持つ。
【0083】図3のRFフロントエンド回路において、
MOSトランジスタM16のゲートG1,G2はMOS
トランジスタM11,M13のドレインに直結されてい
るので、ゲートG1,G2に出力電圧VO1,VO2に含ま
れる直流電圧成分が印加される。換言すると、バイアス
回路31で生成されるバイアス電圧VG,VB1,VB2
応じた電圧がMOSトランジスタM2,M4を介してゲ
ートG1,G2に供給される。そして、MOSトランジ
スタM17がMOSトランジスタM16の負荷として動
作し、RF増幅回路31とLO増幅回路32の出力電圧
O1,VO2を混合した混合電圧VMIXがMOSトランジ
スタM16のドレインに生成される。この混合電圧V
MIXは、出力電圧VO1,VO2の交流電圧成分の積を含ん
でいる。したがって、混合電圧VMIXの交流電圧成分を
帯域通過フィルタ14で帯域制限して出力することによ
り、RF信号VRFをローカル信号VLOに応じて周波数変
換した中間周波信号IF信号が抽出される。
【0084】ここで、MOSトランジスタM16とM1
7の電圧−電流(V−I)特性を上記数式(1c)で表
される二乗特性に近づければ、ミキサ回路の線形性が高
まる。
【0085】上述の通り、図3のRFフロントエンド回
路では、線形性に優れたRF増幅回路31、LO増幅回
路32およびミキサ回路33により構成されるので、2
次歪みや3次歪みが抑制され、それらの歪みに起因する
相互変調歪み特性を改善できる。
【0086】(第4実施形態)図5は、本発明の第4実
施形態のMOS逆相増幅回路を示す。図5の回路は、図
1のMOS逆相増幅回路の負荷として動作するMOSト
ランジスタを多段化したものに相当する。
【0087】図5のMOS逆相増幅回路は、ソース接地
されたnチャネルMOSトランジスタM1と、n個のn
チャネルMOSトランジスタM22−1,M22−2,
・・・,M22−nとを備えている。MOSトランジス
タM1のゲート幅(W)とゲート長(L)の比(W/
L)は、(W/L)1((W/L)1は定数)である。M
OSトランジスタM22−1,M22−2,・・・,M
22−nのゲート幅(W)とゲート長(L)の比(W/
L)は、それぞれ(W/L)2((W/L)2は定数)で
ある。
【0088】MOSトランジスタM1およびMOSトラ
ンジスタM22−1,M22−2,・・・,M22−n
は、それぞれカスコード接続されている。MOSトラン
ジスタM22−2,・・・,M22−nはダイオード接
続されている。
【0089】MOSトランジスタM1のゲートは、入力
信号viを供給する信号源1に接続され、さらにバイア
ス電圧VGを生成する定電圧源2を介して接地される。
MOSトランジスタM22−1のドレインは電源電圧線
(電圧値:VDD)に接続され、ゲートは定電圧源(電圧
値:VB)を介して接地される。
【0090】MOSトランジスタM1のゲートには、入
力信号Viとバイアス電圧VGが重畳された電圧が印加
される。そして、MOSトランジスタM22−1,M2
2−2,・・・,M22−nがMOSトランジスタM1
の負荷として動作し、MOSトランジスタM1のドレイ
ンから出力電圧VOが取り出される。
【0091】次に、図5のMOS逆相増幅回路の動作に
ついて説明する。
【0092】MOSトランジスタM1およびM22−
1,M22−2,・・・,M22−nはいずれも飽和状
態で動作していると仮定する。MOSトランジスタM1
のドレイン電流ID1は次の数式(9)で表される。
【0093】
【数9】
【0094】MOSトランジスタM22−1,M22−
2,・・・,M22−nのドレイン電流ID22-1,I
D22-2・・・,ID22-nはいずれも等しくなるので、ドレ
イン電流ID22-1,ID22-2・・・,ID22-nは次の数式
(10)で表される。
【0095】
【数10】
【0096】ここで、MOSトランジスタM1およびM
22−1,M22−2,・・・,M22−nはドレイン
電流を共有しているので、次の数式(11)が成立す
る。
【0097】
【数11】
【0098】したがって、上記数式(9),(10),
(11)より、出力電圧VOは、次の数式(12)で表
される。
【0099】
【数12】
【0100】ただし、VDとvOは直流電圧成分と交流電
圧成分であり、次の数式(13a),(13b)で与え
られる。
【0101】
【数13】
【0102】また、上記数式(12)における負荷とし
て動作するMOSトランジスタ1個当たりの電圧利得A
Vは、MOSトランジスタM1のトランスコンダクタン
スgm 1とMOSトランジスタM22−1,M22−2,
・・・,M22−nのトランスコンダクタンスgm2の比
で与えられ、次の数式(14)で表される。
【0103】
【数14】
【0104】上記数式(12)より、出力電圧VOが直
流電圧成分VDと交流信号成分vOを含むことが分かる。
そして、上記数式(6b),(13b)より、当該MO
S逆相増幅回路の電圧利得AV’が第1実施形態のMO
S逆相増幅回路の電圧利得AVに対してn倍に高められ
ていることが理解される。この場合、負荷として動作す
るMOSトランジスタの段数を増加させたことにより、
高い電源電圧が必要となる。
【0105】図5のMOS逆相増幅回路においても、本
発明の第1実施形態の逆相増幅回路と同様の効果が得ら
れる。すなわち、動作点が直流電圧成分VDで与えら
れ、最適な動作が可能である。そして、負荷として動作
するMOSトランジスタM22−1,M22−2,・・
・,M22−nの持つ非線形性がMOSトランジスタM
1の非線形性を相殺するので、優れた線形性が得られ
る。さらに、MOSトランジスタM22−1,M22−
2,・・・,M22−nを負荷としたことにより、広い
周波数帯域を得ることができる。定数(W/L)1
(W/L)2の値やダイオード接続されたMOSトラン
ジスタM22−2,・・・,M22−nの個数を変える
ことにより、所望の電圧利得AV’が得られる。そし
て、電圧利得AV’は、バイアス電圧VGや駆動電流IO
に依存することがなく、一定の値となり得る。
【0106】図5のMOS逆相増幅回路において、MO
SトランジスタM1およびM22−1,M22−2,・
・・,M22−nのゲート幅(W)とゲート長(L)の
比(W/L)を等しく(すなわち、(W/L)1=(W
/L)2)すると、電圧利得A V=−1となるので、電圧
利得がnのMOS逆相増幅回路が得られる。この場合、
MOS逆相増幅回路を同一のMOSトランジスタで構成
できるので、回路の形成が簡単になる利点がある。
【0107】なお、図5のMOS逆相増幅回路に図2の
MOS逆相増幅回路と同じバイアス回路を付加すること
も無論可能である。その場合、本発明の第2実施形態の
MOS逆相増幅回路と同様の効果が得られる。
【0108】また、図3のRFフロントエンド回路にお
いて、RF増幅回路とLO増幅回路に図5のMOS逆相
増幅回路を用いることもできる。その場合にも、本発明
の第3実施形態のRFフロントエンド回路と同様の効果
が得られる。
【0109】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の第1および
第2のMOS逆相増幅回路によれば、良好な線形性と広
い周波数帯域が得られ、且つ動作条件に拘わらず所定の
電圧利得が得られると共に、半導体集積回路上に好適に
実現することができる。
【0110】また、本発明のRFフロントエンド回路に
よれば、歪み特性を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のMOS逆相増幅回路を
示す回路図である。
【図2】本発明の第2実施形態のMOS逆相増幅回路を
示す回路図である。
【図3】本発明の第3実施形態のRFフロントエンド回
路を示す回路図である。
【図4】本発明の第3実施形態のRFフロントエンド回
路を構成するデュアルゲートMOSトランジスタとその
等価回路を示す図である。
【図5】本発明の第4実施形態のMOS逆相増幅回路を
示す回路図である。
【図6】従来のMOS逆相増幅回路を示す回路図であ
る。
【符号の説明】
M1、M2、M3 MOSトランジスタ M11、M12、M13、M14、M15 MOSトラ
ンジスタ M16、M16A、M16B、M17 MOSトランジ
スタ M22−1、M22−2、・・・M22−n MOSト
ランジスタ Cin、Cin1、Cin2 コンデンサ Cp、Cout コンデンサ Rin、Rin1、Rin2 抵抗器 Rb1、Rb2、Rb3 抵抗器 1 信号源 2、3 定電圧源 5 定電流源 6 バイアス回路 11 アンテナ 12 帯域通過フィルタ 13 信号源 14 帯域通過フィルタ 31 RF増幅回路 32 LO増幅回路 33 ミキサ回路 34 バイアス回路

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソース接地された第1MOSFETと、 ゲートに定電圧が印加され且つ前記第1MOSFETに
    カスコード接続された、前記第1MOSFETの負荷と
    して動作する第2MOSFETとを備え、 前記第1MOSFETのゲートにバイアス電圧および入
    力信号を含む電圧が印加され、 前記第1MOSFETは前記バイアス電圧に応じて流れ
    る定電流で駆動され、 前記入力信号に比例する成分を含む出力電圧は前記第1
    MOSFETのドレインから取り出されることを特徴と
    するMOS逆相増幅回路。
  2. 【請求項2】 前記第1MOSFETのゲート幅(W)
    とゲート長(L)の比(W/L)が前記第2MOSFE
    Tのゲート幅(W)とゲート長(L)の比(W/L)よ
    り大きく設定される請求項1に記載のMOS逆相増幅回
    路。
  3. 【請求項3】 前記バイアス電圧を供給するバイアス回
    路をさらに備えており、そのバイアス回路はダイオード
    接続され且つ定電流で駆動される第3MOSFETを含
    んで構成されていて、前記第3MOSFETのゲートに
    前記バイアス電圧が生成される請求項1または2に記載
    のMOS逆相増幅回路。
  4. 【請求項4】 ソース接地された第1MOSFETと、 ゲートに定電圧が印加された第2MOSFETと、 ダイオード接続された第3のMOSFETとを備え、 前記第1、第2および第3のMOSFETのそれぞれは
    カスコード接続され、 前記第2および第3のMOSFETのそれぞれは前記第
    1MOSFETの負荷として動作し、 前記第1MOSFETのゲートにバイアス電圧および入
    力信号を含む電圧が印加され、 前記第1MOSFETは前記バイアス電圧に応じて流れ
    る定電流で駆動され、 前記入力信号に比例する成分を含む出力電圧は前記第1
    MOSFETのドレインから取り出されることを特徴と
    するMOS逆相増幅回路。
  5. 【請求項5】 前記第1、第2および第3のMOSFE
    Tのそれぞれのゲート幅(W)とゲート長(L)の比
    (W/L)が等しく設定される請求項4に記載のMOS
    逆相増幅回路。
  6. 【請求項6】 前記バイアス電圧を供給するバイアス回
    路をさらに備えており、そのバイアス回路はダイオード
    接続され且つ定電流で駆動される第4MOSFETを含
    んで構成されていて、前記第4MOSFETのゲートに
    前記バイアス電圧が生成される請求項4または5に記載
    のMOS逆相増幅回路。
  7. 【請求項7】 RF信号を入力信号とする、請求項1〜
    6のいずれかに記載の構成を持つ第1MOS逆相増幅回
    路と、 局部発振器が生成するローカル信号を入力信号とする、
    請求項1〜6のいずれかに記載の構成を持つ第2MOS
    逆相増幅回路と、 前記第1および第2のMOS逆相増幅回路のそれぞれの
    出力電圧が供給され、前記RF信号をローカル信号に応
    じて周波数変換した中間周波信号を出力するミキサ回路
    とを備えることを特徴とするRFフロントエンド回路。
  8. 【請求項8】 前記ミキサ回路は、ソース接地されたデ
    ュアルゲート型MOSFETと、前記デュアルゲート型
    MOSFETにカスコード接続され且つ前記デュアルゲ
    ート型MOSFETの負荷として動作する他のMOSF
    ETとを含んで構成されており、 前記デュアルゲート型MOSFETの一方のゲートに前
    記第1MOS逆相増幅回路の出力電圧が供給され、 前記デュアルゲート型MOSFETの他方のゲートに前
    記第2MOS逆相増幅回路の出力電圧が供給され、 前記中間周波信号を含む電圧は前記デュアルゲート型M
    OSFETのドレインに生成される請求項7に記載のR
    Fフロントエンド回路。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017520978A (ja) * 2014-05-21 2017-07-27 クゥアルコム・インコーポレイテッドQualcomm Incorporated コモンモード補償を用いた差動モード帯域幅拡張技法

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