JP2000113456A - ディスク状情報記録媒体及びその記録再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高品質で信頼性が高い多数回書換記録が可能
なディスク状情報記録媒体を提供する。 【解決手段】 光学的にユーザ情報の書換記録が可能な
相変化型光ディスク１であって、書換回数データを記録
するための書き換えカウント部２Ａと、初回記録及び書
換記録時に最適なレーザパワーの値を記録するためのリ
ードイン領域２とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、光学的に情報の記
録再生を最適な値のレーザパワーにより行うことが可能
なディスク状情報記録媒体及びその記録再生装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】光学的に情報の記録再生が可能なディス
ク状情報記録媒体における書換回数による記録信号の劣
化（記録層を構成する記録媒体の劣化）を防止し書換回
数の向上を目的とし、記録時のレーザパワー値を最適な
レーザパワー値に再設定する光情報記録再生装置として
次のものがあった。即ち、試し書き領域（テスト記録領
域）を設けたディスク状情報記録媒体に、試し書きを行
うことにより再生信号のエラー率の変化から最適記録レ
ーザパワー値を求め再設定し記録再生するものや、試し
書き領域を設けたディスク状情報記録媒体に試し書きを
行うことにより再生信号のアシンメトリの変化から最適
記録レーザパワー値を求め再設定し記録再生するもの
や、複数の試し書き領域を使用しある記録パワーにおけ
る最大記録回数から最適記録レーザパワー値を求め再設
定し記録再生を行うものなどがこれまでにあった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述したような従来技
術ではディスク状情報記録媒体に必ず試し書き領域（テ
スト記録領域）が必要で、試し書きで得られた記録信号
から何らかの手段により最適記録レーザパワーを求め出
して記録再生を行っている。

【０００４】ところで、高密度記録を考えた際には、デ
ィスク状情報記録媒体にこのような試し書きのためのエ
リアを設けては、ユーザ記録容量の面で不利となり、ま
た装置に関してもディスク内の試し書き領域において試
し書きによって得られた記録信号の変化から何らかの手
段によって最適記録レーザパワーを求め出さなければな
らないため、記録におけるシーケンス及び装置の構成も
自ずと複雑になってしまう問題がある。

【０００５】本発明は、ユーザ記録容量の低下につなが
る試し書き領域を設けずに、比較的簡単な構成の装置及
び記録シーケンスによって、初回及び書換記録時に最適
なレーザパワーで記録を可能とし、高品質で信頼性の高
い初回及び書換記録が可能なディスク状情報記録媒体及
びその記録再生装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、本発明は、下記（１）、（２）のディスク状情
報記録媒体及びその記録再生装置を提供する。

【０００７】（１）図1に示すように、光学的に（ユー
ザ）情報の書換記録が可能なディスク状情報記録媒体
（相変化型光ディスク）１であって、書換回数データを
記録するための第1のエリア（書き換えカウント部）２
Ａと、初回記録及び書換記録時に最適なレーザパワー値
のデータを記録するための第２のエリア（リードイン領
域）２とを備えたことを特徴とするディスク状情報記録
媒体。

【０００８】（２） 図２に示すように、請求項１記載
のディスク状情報記録媒体（相変化型光ディスク）１に
情報の書換記録及び再生を行う記録再生装置であって、
情報の書換記録を行う度に書換回数データを累進記録
（１づつインクリメント）する書換回数記録手段（ＣＰ
Ｕ）１５と、この書換回数データが所定の回数に達する
と、書換記録時に最適な値にレーザパワーを設定し直す
レーザパワー設定変更手段（半導体レーザ制御回路）１
６とを具備することを特徴とするディスク状情報記録媒
体記録再生装置。

【０００９】

【発明の実施の態様】以下、図１から図３を参照しなが
ら、本発明のディスク状情報記録媒体及びその記録再生
装置の一実施例について説明する。

【００１０】図１は、本発明のディスク状情報記録媒体
の一実施例である相変化型光ディスクのフォーマットの
一例を示す図である。図１（Ａ）において、相変化型光
ディスク１は、内周から外周に向かって、リードイン領
域２、ユーザ記録エリアであるデータ記録エリア３、リ
ードアウト領域（図示せず）から構成される。このデー
タ記録エリア３内の各トラック３Ａは、図１（Ｂ）に示
すように、多数のデータブロック（「ブロック１」、
「ブロック２」、「ブロック３」、…、「ブロックｎ−
１」、「ブロックｎ」 ｎは正数）から構成されてい
る。この多数のデータブロックはセクタに対応して形成
されている。各データブロックは書き換えカウント部及
びデータ部からそれぞれ構成されている。例えば「ブロ
ック２」の場合は、その先頭に配置された書き換えカウ
ント部２Ａ、この次に配置されたデータ部２Ｂから構成
されている。この書き換えカウント部はデータ記録エリ
ア３内の各トラックを構成するデータブロックに全て備
えられてある。

【００１１】前記リードイン領域２は、初回記録（イニ
シャル記録）及び書換記録時に最適なレーザパワー値の
情報を書き込んだ（記録した）エリアが設けられてい
る。このエリアは現在のところ未定義領域である。この
エリアに記録される書換回数に対応した最適なレーザパ
ワーの値は、相変化型光ディスク１を構成する記録媒体
（記録層を構成する記録媒体）及び基板等の記録書き換
え特性を前もって調べた結果から、ディスク生産の際の
イニシャライズ、ディスクフォーマット時、もしくはデ
ィスクのエラー検査時に前もって、書換回数を書き込ん
でおくことを前提とする。例えば、書換回数が増すにつ
れて記録媒体の感度が変わる。このために、書換回数が
増すにつれて記録媒体の記録感度が良くなれば、記録レ
ーザパワーを下げて最適記録する。一方、書換回数が増
すにつれて記録媒体の記録感度が悪くなれば、記録レー
ザパワーを上げて最適記録するのである。

【００１２】また、各データブロック内の書き換えカウ
ント部２Ａは情報の書換回数を記録するためのエリアで
ある。こうして、各データブロック内のデータ部２Ｂに
書き込むデータの書換時に、書き換えカウント部２Ａに
も書換回数を累進して（１づつ増加させて）書き込むこ
とができるものとなる。そして、この書換回数がリード
イン領域２に予め書き込んである多数の書換回数の一つ
に達すると、後述する図２に示す記録再生装置の半導体
レーザ制御回路１６において記録レーザパワーを、この
書換回数に対応した最適な値にレーザパワーを変更する
ことにより、最適レーザパワーでの書換記録を可能とす
るのである。ここでは、記録回数の累計が所定の書換回
数に達すると、予めディスクに記録されている所定のレ
ーザパワーの値に校正されるのである。実際に、ＤＶＤ
−ＲＡＭでは、書換回数が数万回に達すると、記録媒体
の感度が変化することが確かめられた。このために、書
換回数が数万回に達すると、記録レーザパワーを最適に
して記録することが考えられたのである。

【００１３】前述したのは、各データブロックの先頭に
配置されている書き換えカウント部に書換回数のデータ
が記録されることに付いて述べたが、これに限ることな
く、各ブロックの最後尾部分に設けられていても良い。
さらに、この書き換えカウント部は各ブロック内の先頭
あるいは最後尾に設けられているが、これに限定される
ことなく、リードイン領域２の別な未定義領域（空き領
域）にこの書き換えカウント部を設けてもよい。一方、
記録に最適なレーザパワーの値の情報を書き込むための
エリアは必ずしもリードイン領域２でなくとも、ディス
ク１の未利用領域（空き領域）などに設けても良い。

【００１４】図２は、本発明のディスク状情報記録媒体
記録再生装置の一実施を示す機能ブロック図である。図
２において、１は図1に示した相変化型光ディスク、１
１はレーザビーム、１２は光ピックアップ、１３は半導
体レーザ、１４は受光素子を示す。１５はＣＰＵ、１６
は半導体レーザ制御回路、１７は半導体レーザ駆動回
路、１８はサーボ回路系、１９は増幅器、２０は２値化
回路を示し、２１は前記したＣＰＵ１５、半導体レーザ
制御回路１６、半導体レーザ駆動回路１７、サーボ回路
系１８、増幅器１９、２値化回路２０を備えた回路系、
２２は２値化信号の出力のデジタル信号を示す。２３は
記録するデータ信号を示す。こうして、本発明のディス
ク状情報記録媒体記録再生装置は、光ピックアップ１
２、半導体レーザ１３、受光素子１４、回路系２１から
構成される。

【００１５】本発明のディスク状情報記録媒体記録再生
装置は、図１に示した相変化型光ディスク１に情報の書
換記録及び再生を行う記録再生装置である。そして、情
報の書換記録を行う度に書換回数データを累進記録する
書換回数記録手段であるＣＰＵ１５と、この書換回数デ
ータが所定の回数に達すると、この書換記録時に最適な
値にレーザパワーを設定し直すレーザパワー設定変更手
段である半導体レーザ制御回路１６とを具備している。

【００１６】次に、本発明のディスク状情報記録媒体記
録再生装置の記録再生動作について説明する。

【００１７】「再生動作」ユーザの再生操作によってＣ
ＰＵ１５から再生命令が半導体レーザ制御回路１６へ送
出されると、半導体レーザ制御回路１６は所定の再生レ
ーザパワー値のデータを半導体レーザ駆動回路１７へ送
出する。これに応じて、半導体レーザ駆動回路１７は半
導体レーザ１３を点灯させてレーザビーム１１を出射す
る。光ピックアップ１２内で集光されたレーザビーム１
１は相変化型光ディスク１に照射される。こうして、相
変化型光ディスク１の再生すべきトラックに照射された
戻り光は光ピックアップ１２で読み取られ、受光素子１
４で光電変換され、増幅器１９で増幅され、そして２値
化回路２０で２値化されることによって、再生デジタル
信号２２として図示せぬ再生処理回路へ出力される。ま
た、再生時の駆動系のサーボ制御においては、ＣＰＵ１
５はサーボ用信号を光ピックアップ１２へ供給すべくサ
ーボ回路系１８に対して再生制御信号を送出する。こう
して、ディスク１再生時のフォーカスサーボ及びトラッ
キングサーボが行われる。またこの他にもサーボ回路系
１８ではディスク１の回転制御や光ピックアップ１２の
ディスク１の内外周への送り制御なども行っている。

【００１８】「記録動作」ユーザの記録操作によってＣ
ＰＵ１５から記録命令が半導体レーザ制御回路１６へ送
出されると、半導体レーザ制御回路１６は当該記録に最
適なレーザパワー値のデータを半導体レーザ駆動回路１
７へ送出する。また、半導体レーザ駆動回路１７にはマ
ルチパルス化された記録データ２３が供給されている。
半導体レーザ駆動回路１７は、最適なレーザパワー値で
記録データ２３をマルチパルス化して変調して、半導体
レーザ１３を点灯及び変調させたレーザビーム１１を出
射する。光ピックアップ１２内で集光されたレーザビー
ム１１は相変化型光ディスク１に照射される。こうし
て、相変化型光ディスク１に情報を記録している。ま
た、記録時の駆動系のサーボ制御においては、再生時の
ときと同様に、ＣＰＵ１５はサーボ用信号を光ピックア
ップ１２へ供給すべくサーボ回路系１８に対して記録制
御信号を送出する。こうして、ディスク１記録時のフォ
ーカスサーボ及びトラッキングサーボが行われる。また
この他にもサーボ回路系１８ではディスク１の回転制御
や光ピックアップ１２のディスク１の内外周への送り制
御なども行っている。この「記録動作」は次に述べるよ
うに、「イニシャル記録（初回記録）」及び「複数回記
録（書換記録）」の内容を含むものである。

【００１９】図３は、前述したディスク状情報記録媒体
記録再生装置の書換記録時における処理の流れを示すフ
ローチャートである。この処理はＣＰＵ１５が行う。図
３において、「ＳＴＡＲＴ」から「フロー＃１」〜「フ
ロー＃５」、そして「ＥＮＤ」へと記録書き換え時にお
ける主要な処理の流れを示している。ここでは、説明の
都合上、書換回数データは書き換えカウント部２Ａに、
初回記録及び書換記録時に最適なレーザパワー値のデー
タはリードイン領域２にそれぞれ記録されている場合に
ついて説明するが、これに限ることなく、書換回数デー
タはリードイン領域２の別な未定義領域（空き領域）に
この書き換えカウント部を設けても良く、一方、記録に
最適なレーザパワーの値のデータは必ずしもリードイン
領域２でなくとも、これ以外のディスク１の未利用領域
（空き領域）などに設けても良い。

【００２０】「イニシャル記録（初回記録）」 （１） ＣＰＵ１５は光ピックアップ１２を駆動して、
これからイニシャル記録に使おうとするデータ領域内の
トラックのデータブロック、即ち、イニシャル記録に使
用されるデータブロック内のデータ部２Ｂに隣接する書
き換えカウント部２Ａに記録されてある書換回数データ
を読み出す（＃１）。 （２） ＣＰＵ１５は光ピックアップ１２から読み出さ
れた信号を検知して、未記録状態を示す書換回数「０
回」のデータを検知する。そして、半導体レーザ制御回
路１６に対して、書換回数「０回」、即ちイニシャル記
録に最適な記録レーザパワー値を出力する旨の制御信号
を出力する（＃２）。 （３） 半導体レーザ制御回路１６は、このイニシャル
記録に最適な記録レーザパワー値を半導体レーザ駆動回
路１７に出力する（＃３）。 （４） 光ピックアップ１２はこの記録レーザパワー値
にレーザビームを前記したデータ部２Ｂに順次照射し
て、ここに記録データ２３に応じた情報を記録する（＃
４）。 （５） 前記（４）の動作と並行して、このデータ部２
Ｂに隣接する書き換えカウント部２Ａの書換回数のデー
タを「０回」から「１回」に更新記録する。こうして、
イニシャル記録（初回記録）を最適な状態で行うことが
できる。

【００２１】「複数回記録（書換記録）」 （１） ＣＰＵ１５は光ピックアップ１２を駆動して、
これから書換記録に使おうとするデータ領域内のトラッ
クのデータブロック、即ち、イニシャル記録に使用され
るデータブロック内のデータ部２Ｂに隣接する書き換え
カウント部２Ａに記録されてある書換回数データを読み
出す（＃１）。 （２） ＣＰＵ１５は光ピックアップ１２から読み出さ
れた信号を検知して、書換回数のデータを検知する。例
えば、ここで書換回数がｎであるとする。そして書換回
数ｎに最適なレベルのレーザパワー値が書き込まれてい
るときはそれを読み込む。もし、書換回数ｎの記録に最
適なレベルのレーザパワー値が書き込まれていないとき
は、以前（直前）に設定された最適記録レーザパワー値
とする。こうして、ＣＰＵ１５は半導体レーザ制御回路
１６に対して、書換回数ｎの記録に最適な記録レーザパ
ワー値を出力する旨の制御信号を出力する（＃２）。 （３） 半導体レーザ制御回路１６は、この書換記録に
最適な記録レーザパワー値を半導体レーザ駆動回路１７
に出力する（＃３）。 （４） 光ピックアップ１２はこの記録レーザパワー値
にレーザビームを前記したデータ部２Ｂに順次照射し
て、ここに記録データ２３に応じた情報を記録する（＃
４）。 （５） 前記（４）の動作と並行して、このデータ部２
Ｂに隣接する書き換えカウント部２Ａの書換回数のデー
タを「ｎ回」から「ｎ＋１回」に更新記録する。こうし
て、複数回記録（書換記録）を最適な状態で行うことが
できる。

【００２２】以上の構成において記録及び再生を行うこ
とにより、オーバーライト繰り返し時において高品質及
び信頼性の高い記録を行うことが可能で、書換回数を向
上させることができる。また、上記したのは書換回数を
カウントするのは各データブロックの書き換えカウント
部２Ａであったが、本発明はこれに限定されること無
く、リードイン領域２の書換回数を書き込む領域に、各
データブロックの書換回数をカウントしたデータを書き
込むように構成しても良い。

【００２３】

【発明の効果】上述した校正を有する本発明のディスク
状情報記録媒体及びその記録再生装置は、書換回数デー
タを記録するための第1のエリアと、初回記録及び書換
記録時に最適なレーザパワー値データを記録するための
第2のエリアとを備えたディスク状情報記録媒体を用い
ることにより、記録時に、第1のエリアに記録されてい
る書換回数データを参照して、第2のエリアに記録され
ているこの書換回数に対応した記録に最適なレーザパワ
ー値のデータを前もって検知できるから、最適な記録状
態で情報を多数回にわたって書換記録することができ、
また、書換記録時において高品質及び信頼性の高い記録
を行うことが可能で、書換回数を向上させることができ
る。さらに、従来のように試し書き（テスト記録）によ
り最適レーザパワーを求めレーザパワー値の設定変更を
行わずに済むため、比較的簡単な構成の装置となり、か
つディスク状情報記録媒体に試し書きのためのエリアを
設ける必要が無くなるため、その分情報記録容量を増や
すことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のディスク状情報記録媒体の一実施例で
ある相変化型光ディスクのフォーマットの一例を示す図
である。

【図２】本発明のディスク状情報記録媒体記録再生装置
の一実施を示す機能ブロック図である。

【図３】本発明のディスク状情報記録媒体記録再生装置
の書換記録時における処理の流れを示すフローチャート
である。

【符号の説明】

１ 相変化型光ディスク（ディスク状情報記録媒体） ２ リードイン領域（第2のエリア） ２Ａ 書き換えカウント部（第1のエリア） １５ ＣＰＵ（書換回数記録手段） １６ 半導体レーザ制御回路

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】光学的に情報の書換記録が可能なディスク
   状情報記録媒体であって、 書換回数データを記録するための第1のエリアと、 初回記録及び書換記録時に最適なレーザパワー値のデー
   タを記録するための第２のエリアとを備えたことを特徴
   とするディスク状情報記録媒体。
2. 【請求項２】請求項１記載のディスク状情報記録媒体に
   情報の書換記録及び再生を行う記録再生装置であって、 情報の書換記録を行う度に書換回数データを累進記録す
   る書換回数記録手段と、 この書換回数データが所定の回数に達すると、この書換
   記録時に最適な値にレーザパワーを設定し直すレーザパ
   ワー設定変更手段とを具備することを特徴とするディス
   ク状情報記録媒体記録再生装置。