JP2000111754A - 光結合素子および光伝送システム - Google Patents

光結合素子および光伝送システム

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JP2000111754A
JP2000111754A JP10286432A JP28643298A JP2000111754A JP 2000111754 A JP2000111754 A JP 2000111754A JP 10286432 A JP10286432 A JP 10286432A JP 28643298 A JP28643298 A JP 28643298A JP 2000111754 A JP2000111754 A JP 2000111754A
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signal light
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optical transmission
incident
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JP10286432A
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English (en)
Inventor
Takekazu Shiotani
剛和 塩谷
Masanori Hirota
匡紀 廣田
Shinya Kyozuka
信也 経塚
Tsutomu Hamada
勉 浜田
Junji Okada
純二 岡田
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】所定の伝播角度範囲内の伝播角度で伝播してく
る信号光を効率よく集光して受光素子等の光学素子に出
射するとともに、所定の伝播角度範囲外の伝播角度で伝
播してくる信号光は光学素子に向けて出射せず、かつ小
型化が図られた光結合素子と、 その光結合素子を用いた
光伝送システムを提供する。 【解決手段】光結合素子2に、入射面3に対し角度βだ
け傾いた面であって、矢印1に対し所定の伝播角度範囲
内で入射面3に入射した信号光を入射面3側に反射し
て、その入射面3と共同して信号光を入射面3との間隔
が開いた方向に導く出射面5を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、 自由空間を含む光
伝送媒体と光学素子とを光学的に結合する光結合素子、
および光伝送システムに関する。
【0002】
【従来の技術】信号処理装置の処理能力の向上にともな
い、 電気配線に比べ高速な信号伝送を可能とする光伝送
システムが注目されている。 最近では、 並列処理技術や
ネットワーク技術、 モバイルコンピュータの発展によ
り、 複数の信号処理装置相互間や、 信号処理装置内の複
数の処理回路相互間、 または相対的に移動する信号処理
装置間を信号伝送するための多対多の光伝送システムが
検討されている。
【0003】従来提案された多対多の光伝送システムの
うち、特開平5−206948号公報には、 自由空間を
用いた光空間伝送システムの例が開示されている。この
光空間伝送システムは、同一空間に設置された複数のデ
ータ端末それぞれに信号光を送受信するターミナルユニ
ットを設けるとともに、天井に任意の方向に信号光を反
射する反射板を複数有する反射部を設け、その反射部を
介して複数のデータ端末のターミナルユニット間での信
号光の伝送を行っているが、このシステムでは、ターミ
ナルユニットと反射部の距離が離れているため、ターミ
ナルユニットの取付角度や反射板の取付角度がわずかで
もずれると、ターミナルユニットから送信された信号光
が、反射板の配置位置からずれた方向に伝送されたり、
反射板で反射しターミナルユニットに向かって伝播する
信号光の伝播角度が、ターミナルユニットが受信可能な
信号光の伝播角度の範囲からずれてしまい、信号光を送
受信できなくなる問題がある。このため、データ端末の
位置調整や角度調整を高精度に行わなくてはならず作業
が困難であり、データ端末を簡易に移動させることがで
きない問題がある。また、ターミナルユニットから出射
される信号光は、そのターミナルユニットから反射部に
向かう方向に対し広がりながらその反射部に向けて伝送
されるため、その反射部に到達した信号光のほとんどは
ターミナルユニット以外の部分に向けて反射され、ター
ミナルユニットで受信できる信号光の光量が少なくな
る。このため、伝送損失が大きく低消費電力化が難しい
問題がある。また、受信する信号光のS/N比が低下し
て誤り率が増大し、信号光の高速な伝送が困難になる問
題がある。
【0004】特開平9−16257号公報には、 走行す
る搬送台車と地上局との間で信号光を送受信する無人搬
送台車運行システムの例が開示されている。このシステ
ムでは、地上局に、信号光を送信する送信部を備えてい
る。この送信部から送信される信号光は広がりながら進
行するものであり、この送信部により、走行する搬送台
車に信号光が伝送される。このシステムでは、送信部か
ら送信される信号光は広がりながら進行するため、受信
部が受信できる信号光の光量が少なく、低消費電力化や
信号光の高速伝送が困難という問題がある。また、搬送
台車が走行することによりその搬送台車と地上局との相
対的な位置関係が変化するため、受信部に向かって伝播
する信号光の伝播角度が広範囲にわたっても信号光が受
信されるように、受信可能な信号光の伝播角度範囲が広
い受信部を備える必要がある。ところが、受信部を突出
させることにより、その受信部が受信可能な信号光の伝
播角度範囲を必要以上に広くすると、不必要なノイズ光
も受信してしまい、信号のS/N比が低下して誤り率が
増大してしまう恐れがある。
【0005】特開平9−270751号公報には、 信号
光を伝送する導波路を備えた光バスの例が開示されてい
る。この光バスは、 信号光の入射を担う入射部と、信号
光の出射を担う出射部と、入射部から入射した信号光を
拡散して出射部へ伝播する層状の導波路とを備えたもの
であり、この光バスでは、任意の入射部から、任意の出
射部へ信号光を伝播できる。従って、この光バスの入射
部に対向する位置に発光素子が配置されるとともに、そ
の光バスの出射部と対向する位置に受光素子が配置され
るように、発光素子および受光素子が搭載された回路基
板を光バスの周囲に取り付けることにより、多対多の信
号の伝送を行うことができる。また、 この光バスは、回
路基板の取り付けに高精度な光軸合わせを必要とせず、
回路基板の取付数や取付位置を自由に変えることがで
き、温度変化や振動などにも強い特長を有している。と
ころが、この光バスは、信号光の大半を、受光素子が配
置された位置からずれた位置に向けて伝播してしまうた
め、 低消費電力化や信号光の高速伝送が困難になるとい
う問題がある。また、回路基板の取付数や取付位置によ
って、ある1枚の回路基板に搭載された受光素子と、他
の回路基板それぞれに搭載された発光素子それぞれとの
相対的な位置関係が変化するため、受光素子は、異なる
伝播角度で伝播してくる信号光を受光できなければなら
ず、受信できる信号光の伝播角度範囲が広いことが要求
される。ところが、例えば、受光素子の受光面を直接出
射部に取り付けることにより、その受光素子が受信可能
な信号光の伝播角度範囲を必要以上に広くすると、不必
要なノイズ光も受光してしまう恐れがある。
【0006】以上のように、多対多の光伝送システムの
受光部には、所定の伝播角度範囲内の伝播角度で伝播し
てくる信号光を効率よく受光するとともに、その所定の
伝播角度範囲からずれた伝播角度で伝播してくる信号光
は受光しないような性質が要求される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の性質が満たされ
るように、従来より、多種多数のレンズを用いた多群多
数枚構成の集光レンズが検討されているが、サイズ、 重
量ともに大きくなってしまい、 また、レンズ間の光軸合
わせを精度よく行なわなければならなず、 取り付けが難
しくなってしまう問題がある。
【0008】特開平9−93196号公報には、 複数の
受光素子と複数の発光素子とを備えるとともに、各受光
素子の信号光の受信レベルを検出する検出手段を備え、
受信レベルの最も高い受光素子とその受光素子の指向に
対応する発光素子とを選んで信号光を送受信する光空間
伝送装置が開示されているが、この装置では、受光素
子、発光素子、これら素子の駆動手段、および検出手段
が必要となり、装置が高コストで大型になってしまう問
題がある。また、受光素子の受光効率を向上させるため
に受光素子に集光レンズを取り付けると、集光性は向上
するものの、今度は逆に、受光素子に向かう信号光のう
ち、その受光素子で受光される信号光の伝播角度の範囲
が狭くなるという問題がある。
【0009】特開平7−261028号公報には、 入射
面を成す下面から出射面を成す上面に向かうにつれてす
ぼまった形状の透明体の側面にミラー反射面を設け、 そ
の透明体の入射面から信号光を入射し、その入射した信
号光をミラー反射面で反射させることにより、その入射
した信号光をその透明体の出射面に集光する集光装置が
開示されているが、この集光装置では、 ミラー反射面で
反射された信号光が出射面から離れる方向に曲げられ、
再度入射面に戻ってしまう信号光が多く、透明体に入射
した信号光を効率よくその透明体の出射面に集光するこ
とができない問題がある。また、ミラー反射面で反射を
繰り返して入射面に戻った信号光は、その入射面から出
射してノイズ光となってしまう問題がある。 さらに、出
射面から出射した信号光も出射面から拡散するように出
射してしまうため、 透明体の出射面に対向するように受
光素子を配置しても、その受光素子の受光効率が低いと
いう問題がある。 また、上記のミラー反射面は、例えば
金属薄膜などにより形成されるが、金属薄膜は光を吸収
してしまうため、 信号光の反射損失が発生する問題があ
る。
【0010】特開平7−171143号公報には、 ブロ
ック状の透明部材を有する集光器を備えた画像読取装置
が開示されている。 このブロック状の透明部材は、底面
中央に光を透過するスリットが形成されるとともに、両
端部に向かうにしたがって高さが高くなっており、この
透明部材にはミラー反射面が設けられている。この画像
読取装置では、スリットから入射した光はそのミラー反
射面で繰り返し反射され、その反射により、光の進行方
向は透明部材の両端部に向かう方向に曲げられるが、 ス
リットから光を入射しているため、透明部材に入射する
光量が少なく、さらにミラー反射面で反射を繰り返すた
びに反射損失が発生するとともにスリットから光が漏れ
てしまうため、 スリットから入射した信号光を効率よく
透明部材の両端部に集光することができない問題があ
る。 また、スリットから入射した信号光のうち、強度が
最も大きい、透明部材の高さ方向の信号光は、透明部材
の両端方向に広がる光よりも反射を繰り返さなければ、
その透明部材の両端部に達することができず損失が大き
くなる。従って、透明部材の両端部に到達できる信号光
の伝播角度の範囲が事実上狭くなってしまう問題があ
る。 本発明は、 上記事情に鑑み、 所定の伝播角度範囲
内の伝播角度で伝播してくる信号光を効率よく集光して
受光素子等の光学素子に出射するとともに、所定の伝播
角度範囲外の伝播角度で伝播してくる信号光は光学素子
に向けて出射せず、かつ小型化が図られた光結合素子
と、 その光結合素子を用いた光伝送システムを提供する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の光結合素
子は、自由空間を含む光伝送媒体と光学素子とを光学的
に結合する光結合素子において、上記光伝送媒体を伝播
してきた信号光が入射し一旦入射した後戻ってきた信号
光を反射する第1の面と、その第1の面に対し斜面を成
す、その第1の面から入射した信号光をその第1の面側
に反射して、その第1の面と共同して信号光をその第1
の面との間隔が開いた方向に導く第2の面と、その方向
に導かれた信号光を上記光学素子に向けて出射する第3
の面とを有する、上記光伝送媒体の屈折率よりも大きな
屈折率をもつ第1の光透過体を備えたことを特徴とす
る。
【0012】本発明の第2の光結合素子は、自由空間を
含む光伝送媒体と光学素子とを光学的に結合する光結合
素子において、上記光伝送媒体を伝播してきた信号光が
入射し一旦入射した後戻ってきた信号光を反射する第1
の面と、その第1の面に対し斜面を成す、その第1の面
から入射した信号光をその第1の面側に反射して、その
第1の面と共同して信号光をその第1の面との間隔が開
いた方向に導く第2の面と、その方向に導かれた信号光
を上記光学素子に向けて出射する第3の面とを有する、
上記光伝送媒体の屈折率よりも大きな屈折率をもつ第1
の光透過体を備えた光結合部を備え、上記第3の面が全
体として1つであって、上記光結合部が、上記第1の面
を内向きにしてその第3の面から離れるに従ってより広
く開いた線対称あるいは回転対称に形成されてなること
を特徴とする。
【0013】本発明の第1の光伝送システムは、自由空
間を含む光伝送媒体を伝播してきた信号光が入射し一旦
入射した後戻ってきた信号光を反射する第1の面、その
第1の面に対し斜面を成す、その第1の面から入射した
信号光をその第1の面側に反射して、その第1の面と共
同して信号光をその第1の面との間隔が開いた方向に導
く第2の面、およびその方向に導かれた信号光を出射す
る第3の面を有する、上記光伝送媒体の屈折率よりも大
きな屈折率をもつ第1の光透過体を備えた光結合素子
と、上記第1の光透過体の第3面に接する光学素子とを
具備したことを特徴とする。
【0014】本発明の第2の光伝送システムは、自由空
間を含む光伝送媒体中に信号光を発光する発光素子、上
記光伝送媒体中を伝播してきた信号光を受光する受光素
子、および、上記光伝送媒体と上記受光素子とを光学的
に結合する光結合素子を備えた光伝送システムにおい
て、上記光結合素子が、上記光伝送媒体を伝播してきた
信号光が入射し一旦入射した後戻ってきた信号光を反射
する第1の面と、その第1の面に対し斜面を成す、その
第1の面から入射した信号光をその第1の面側に反射し
て、その第1の面と共同して信号光をその第1の面との
間隔が開いた方向に導く第2の面と、その方向に導かれ
た信号光を上記光学素子に向けて出射する第3の面とを
有する、上記光伝送媒体の屈折率よりも大きな屈折率を
もつ光透過体を備えたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0016】図1〜図4は、本発明の第1の光結合素子
の基本原理を、その第1の光結合素子の第1実施形態を
用いて説明する原理説明図である。
【0017】図1〜図4には、信号光が伝播する自由空
間内に配置された、空気よりも大きい光屈折率を有する
光透過体からなる光結合素子2と、信号光を受光する受
光素子6が示されている。この光結合素子2は、入射面
3、反射面4、および出射面5を備えている。入射面3
は、自由空間を伝播してきた信号光を光結合素子2内部
に入射するととともに、一旦光結合素子2内部に入射し
た後入射面3に戻ってきた信号光を光結合素子2内部に
向けて反射する面である。反射面4は、入射面3に対し
角度βだけ傾いた面であって、矢印1に対し所定の伝播
角度範囲内で入射面3に入射した信号光を入射面3側に
反射して、その入射面3と共同して信号光を入射面3と
の間隔が開いた方向に導く(出射面5に向けて導く)面
である。出射面5は、入射面3と反射面4との間隔が開
いた方向に導かれた信号光を受光素子6に向けて出射す
る面である。また、この光結合素子2は、入射面3が、
矢印1に対して、角度βよりも大きい角度αだけ傾斜す
る位置に配置されている。
【0018】このように構成された光結合素子2に向け
て、さまざまな伝播角度で信号光を伝播した。
【0019】図1は、矢印1の方向と同一方向から光結
合素子に光が入射する様子を示す図であり、図2、図3
は、それぞれ、矢印1に対し伝播角度θ=θ1、θ2で光
結合素子に光が入射する様子を示す図であり、図4は、
矢印1に対して伝播角度θ=θ3で光結合素子に光が入
射する様子を示す図である。
【0020】図1においては、矢印1と同じ方向から信
号光7A,7B,7Cが伝播してくる。この信号光7
A,7B,7Cは矢印1に対して角度αで傾斜する入射
面3に到達し、空気よりも光屈折率が大きい光結合素子
2内に入射する。光結合素子2内に入射した信号光7
A,7B,7Cは入射面3に対し角度βだけ傾いた反射
面4に到達する。入射面3が矢印1に対して傾斜する角
度αと、入射面3と反射面4とのなす角度βは、矢印1
に対し所定の伝播角度範囲内の伝播角度で入射面3に入
射し反射面4に向かって伝播する信号光が、その反射面
4で全反射するように設定されている。信号光7A,7
B,7Cは矢印1と同一方向(伝播角度θ=0°)から
入射面3に入射する信号光であり、入射面3に入射し反
射面4に向かって伝播する信号光7A,7B,7Cは、
その反射面4で全反射し、入射面3と反射面4との間隔
が開いた方向に伝播角度を傾けて入射面3側に戻る。そ
の後、信号光7A,7B,7Cのうち信号光7Aは直接
に出射面5から出射し、信号光7Bは、入射面3で全反
射して出射面5から出射し、信号光7Cは、入射面3と
反射面4と間で全反射を繰り返しながら出射面5から出
射する。つまり、入射面3に入射した信号光7A,7
B,7Cは、入射面3と反射面4との間隔が開いた方向
に導かれ、出射面5から出射する。信号光7A,7B,
7Cが入射面3と反射面4との間隔が開いた方向に導か
れることにより、信号光7A,7B,7Cは、出射面5
に集光され、自由空間を伝播していた時(入射面3に入
射する前)よりも密度をあげて出射面5から出射されて
受光素子6で受光される。
【0021】図2では、信号光8A,8B,8Cは、矢
印1に対し伝播角度θ1で入射面3に向かって伝播す
る。信号光7A,7B,7C(図1参照)と同様に、信
号光8A,8B,8Cも入射面3から光結合素子2内に
入射し、反射面4に到達する。入射面3が矢印1に対し
て傾斜する角度αと、入射面3と反射面4とのなす角度
βは、上述したように、矢印1に対し所定の伝播角度範
囲内の伝播角度で入射面3に入射し反射面4に向かって
伝播する信号光が、その反射面4で全反射するように設
定されている。信号光8A,8B,8Cの伝播角度θ1
は、上記の所定の伝播角度範囲内に含まれる角度であ
る。従って、反射面4に到達した信号光8A,8B,8
Cは、その反射面4で全反射して入射面3側に戻され、
入射面3と反射面4との間で全反射を繰り返して出射面
5から出射し、受光素子6で受光される。つまり、入射
面3に入射した信号光8A,8B,8Cは、出射面5に
集光されてその出射面5から出射し受光素子6で受光さ
れる。
【0022】図3では、信号光9A,9B,9Cは、矢
印1に対し伝播角度θ2で入射面3に向かって伝播す
る。信号光7A,7B,7C(図1参照)と同様に、信
号光9A,9B,9Cも入射面3から光結合素子2内に
入射する。光結合素子2内に入射した信号光9A,9
B,9Cのうち信号光9Aは、直接出射面5から出射し
受光素子6で受光される。一方、信号光9B,9Cは、
反射面4に到達する。信号光9A,9B,9Cの伝播角
度θ2は、図2における伝播角度θ1と同様に、上記の所
定の伝播角度範囲内に含まれる角度である。従って、信
号光9B,9Cは、その反射面4で全反射して入射面3
側に戻され、信号光9Bは出射面5から出射し、一方、
信号光9Cはその入射面3で一旦全反射して出射面5か
ら出射し受光素子6で受光される。つまり、入射面3に
入射した信号光9A,9B,9Cは、出射面5に集光さ
れてその出射面5から出射し受光素子6で受光される。
【0023】図4では、ノイズ光10が、矢印1に対し
伝播角度θ3で入射面3に向かって伝播する。入射面3
に到達したノイズ光10は、光結合素子2内に入射し反
射面4に到達する。ノイズ光10の伝播角度θ3は、図
2,図3における伝播角度θ1,θ2とは異なり、上記の
所定の伝播角度範囲外の角度である。従って、反射面4
に到達したノイズ光10はその反射面4を透過し、受光
素子6から離れる方向に進行する。
【0024】図1〜図4を参照しながら説明したよう
に、矢印1に対し所定の伝播角度範囲内の伝播角度θ=
0°,θ1,θ2で入射面3に入射した信号光(図1,図
2,図3参照)は出射面5に集光されてその出射面5か
ら出射し、所定の伝播角度範囲外の伝播角度θ3で入射
面3に入射したノイズ光(図4参照)は出射面5には伝
播されず反射面4から出射される。従って、受光素子6
で受光させたい光(つまり、図4に示すノイズ光10で
はなく、図1〜図3に示す信号光)を反射面に5に向け
て集光し受光素子6で受光させることができる。
【0025】また、この光結合素子2では、矢印1に対
し所定の伝播角度範囲内の伝播角度で入射面3に入射し
反射面4に向かって伝播する信号光は、反射面4で全反
射する、もしくは、反射面4と入射面3との間を交互に
全反射することにより、出射面5に集光される。従っ
て、この光結合素子2に入射した信号光を出射面5に導
くための集光素子は不要であり、光結合素子2自体の小
型化が図られている。
【0026】次に、本発明の第2の光伝送システムの原
理について説明する。
【0027】図5〜図7は、本発明の第2の光伝送シス
テムの基本原理について、その第2の光伝送システムの
第1実施形態を用いて説明する原理説明図である。
【0028】図5は、本発明の第2の光伝送システムの
第1実施形態を示す斜視図、図6は、その光伝送システ
ムに備えられた、本発明の第2実施形態の第1の光結合
素子の拡大平面図である。
【0029】この光伝送システム10は、図5に示すよ
うに、光伝送体11を備えている。ここでは、光伝送体
11として、ポリメチルメタクリレート(光屈折率1.
49)からなる、63.5mm角、厚さ1mmの透明な
シート状の光伝送体が用いられている。この光伝送体1
1の一方の端面には透過性の光拡散板12が配置され、
反対側の端面には光結合素子15が配置されている。ま
た、この光伝送システム10は、光拡散板12に対向す
る位置に、その光拡散板12に沿って移動自在に配置さ
れた半導体レーザ13と、光結合素子15に対向する位
置に固定された、1mm角の受光面積を有する光センサ
16とを備えている。
【0030】光結合素子15は第1の光透過体20と第
2の光透過体23とを備えている。これら第1,第2の
光透過体20,23のうちの一方の第1の光透過体20
は、図1〜図4に示す光透過体2と同一構造を有してい
る。ここでは、第1の光透過体20は、厚さ1mmの楔
形状に形成されており、図6に示すように、入射面1
7、反射面18、および出射面19を有している。入射
面17、反射面18、および出射面19の長さは、それ
ぞれ、10mm、10mm、長さ1mmである。また、
第2の光透過体23は、厚さ1mmの三角形形状に形成
されており、図6に示すように、入射面21と、出射面
22とを有している。この入射面21は、光伝送体11
を伝播してきた信号光が入射される面であり、出射面2
2は、その入射面21から入射した信号光を第1の光透
過体20の入射面17に向けて出射する面である。この
入射面21および出射面22の長さは、それぞれ、9m
mおよび10mmである。第1の光透過体20の材料に
は高屈折率ガラス(光屈折率1.80)を用い、第2の
光透過体23の材料にはポリメチルメタクリレート(光
屈折率1.49)を用いている。また、第1の光透過体
20の入射面17は、光学用接着剤(光屈折率1.4
9)で、第2の光透過体23の出射面22に接着されて
いる。また、第1の光透過体20の入射面17と反射面
18とのなす角度βはβ=5.7°であり、第1の光透
過体20の入射面17と、光伝送体11の端面11aに
垂直な矢印1とのなす角度αはα=37°になるように
設定されている。
【0031】以下に、図5に示す光伝送システム10を
用いて行った実験について説明する。
【0032】上記のように構成された光伝送システム1
0が備えている半導体レーザ13を光拡散板12の一方
の端側に対向する位置に配置して信号光14を照射し
(このときの半導体レーザ13および信号光14を破線
で示す)、その半導体レーザ13を光拡散板12に沿っ
てその光拡散板12の他方の端側に移動させた(このと
きの半導体レーザ13および信号光14を実線で示
す)。半導体レーザ13から照射された信号光14は、
光拡散板12で光伝送体11内に向けて拡散され、その
光伝送体11内を伝播する。光伝送体11内を伝播する
信号光141は、矢印1に対しさまざまな伝播角度θで
光結合素子15に入射し、光センサ16で受光される。
このときの光センサ16で受光される光の強度を、信号
光141の伝播角度θごとに測定した。また、図5に示
す光伝送システム10から光結合素子15が取り除か
れ、さらに光センサ16が光伝送体16の端面11aに
直接配置された光伝送システムを構成し、図5に示す光
伝送システム10と同様に、半導体レーザ13を光拡散
板12に沿って移動させながら、その半導体レーザ13
から信号光14を照射し、光センサ16で受光される光
の強度を、信号光141の伝播角度θごとに測定した。
【0033】図7は、その測定結果を示すグラフであ
る。
【0034】グラフの横軸は信号光141の伝播角度θ
であり、縦軸は光センサ16で受光される光の相対受光
量である。▲は、図5に示す光伝送システム10におけ
る光センサ16の相対受光量の実測値であり、□は、光
センサ16が光伝送体11の端面11aに直接配置され
た光伝送システムにおける光センサ16の相対受光量の
実測値である。また、実線は、図5に示す光伝送システ
ム10において、光センサ16の相対受光量の光線追跡
シミュレーションによる値であり、破線は、光センサ1
6が光伝送体11の端面11aに直接配置された光伝送
システムにおいて、光センサ16の相対受光量の光線追
跡シミュレーションによる値である。ここでは、相対受
光量の実測値、光線追跡シミュレーションによる値は、
いずれも、光センサ16が光伝送体11の端面11aに
直接配置された光伝送システムにおいて、信号光の伝播
角度θがθ=0°のときの光センサの受光量の光線追跡
シミュレーションによる値を1として表している。
【0035】図7から、光センサ16の相対受光量の実
測値は、光線追跡シミュレーションによる値とほぼ一致
していることがわかる。また、光センサ16が光伝送体
11の端面11aに直接配置された光伝送システムで
は、光の伝播角度θが変化しても相対受光量はほぼ一定
であり、一様に信号光が受光されているが、図5に示す
光伝送システム10では、伝播角度θが−5°から15
°の範囲にある信号光が効率よく受光されていることが
わかる(以下、光結合素子を備えたある光伝送システム
において、所定の伝播角度範囲にある信号光が、その所
定の伝播角度範囲外の信号光よりも効率よく受光される
ことを、光結合素子が指向性を有すると呼ぶ)。つま
り、この光伝送システム10では、−5°から15°の
範囲内の伝播角度θで光結合素子15に向かって伝播す
る信号光の大部分は、その光結合素子15が備えている
第2の光透過体23を経由して、第1の光透過体20の
入射面17(図6参照)からその第1の光透過体20の
内部に入射し、入射面17および反射面18により出射
面19に向けて集光され光センサ16で受光される。一
方、−5°から15°の範囲外の伝播角度θで光結合素
子15に向かって伝播する信号光の大部分は、仮に、第
2の光透過体23を経由して第1の光透過体20内部に
入射しても、出射面19には導かれずに第1の光透過体
20の反射面18から出射される。従って、光結合素子
15は、−5°から15°の範囲内の伝播角度θで伝播
する信号光に対し指向性を有している。
【0036】また、図5に示す光伝送システム10を用
いることにより、伝播角度θがθ=0°において相対受
光量が約2倍になっていることがわかる(以下、光結合
素子を備えたある光伝送システムにおける所定の伝播角
度範囲で伝播する信号光の受光量が、光結合素子を備え
ていない他の光伝送システムにおける所定の伝播角度範
囲で伝播する信号光の受光量よりも大きいことを、光結
合素子が集光性を有すると呼ぶ)。
【0037】また、この光伝送システム10が備えてい
る光結合素子15は、光透過体として、第1の光透過体
20の他に、第2の光透過体23を備えている。このよ
うに、第2の光透過体23を備え、その第2の光透過体
23の頂角γを調整すると、その第2の光透過体23
に、第1の光透過体20を接着することにより、その第
1の光透過体20の入射面を、光伝送体11の端面11
aに対して所望の角度をなす位置に配置することができ
る。また、第2の光透過体23を備えると、その第2の
光透過体23の屈折率に応じて、光結合素子15に向け
て光伝送体11内を伝播する信号光のうちの、第1の光
透過体20の出射面19に導かれる信号光の伝播角度θ
の範囲を調整することができる。
【0038】図8は、本発明の第3実施形態の第1の光
結合素子を用いて構成された、複数の回路基板間の光伝
送を行う本発明の第2実施形態の第2の光伝送システム
を示す概略構成図、図9は、図8に示す光伝送システム
をA−A'方向からみた断面図である。
【0039】図8に示すように、光伝送システム150
を構成する支持基板100上には、光伝送層111とク
ラッド層112が交互に積層されてなる光伝送体110
が固定されている。 また、 その支持基板100上には、
複数の基板用コネクタ120が固定され、 各基板用コネ
クタ120それぞれには、 回路基板130A, 130
B, 130C, 130Dそれぞれが着脱自在に装着され
ている(図9参照)。尚、図9において、基板用コネク
タ120は図示省略されており、4枚の回路基板130
A, 130B, 130C, 130Dのうちの回路基板1
30Cは、基板用コネクタ120から外された状態で示
されている。また、回路基板130A, 130B, 13
0C, 130Dそれぞれに搭載される部品は、互いに同
じであるため、互いに同一の部品には同一番号を付して
示す。また、回路基板130A, 130B, 130C,
130Dそれぞれに搭載される部品には、それぞれ添字
A,B,C,Dを付して示し、回路基板130A, 13
0B, 130C, 130Dに搭載される部品の説明にあ
たっては、回路基板130A, 130B, 130C,1
30Dそれぞれに搭載される部品が互いに同じであるた
め、代表して添字Dが付される部品について説明する。
【0040】回路基板130Dの端縁には、光伝送体1
10が備えている4層の光伝送層111に対応させて4
つの送受信器132Dが搭載されている。図9には、4
つの送受信器132Dのうちの1つの送受信器132D
が示されている。これら送受信器132Dは、信号光を
光伝送層111に向けて送信するとともにその光伝送層
111から出射した信号光を受光するものである。ま
た、回路基板130Dには、送受信器132Dが送信す
る信号光に担持させる信号を生成するとともに、その送
受信器132Dが受光する信号光が担持する信号に基づ
く信号処理を行なう電子回路131Dが搭載されてい
る。 図10は、図8、図9に示す光伝送システムが備
えている、添字Dが付されている回路基板の、光結合素
子が搭載された部分の断面図である。
【0041】回路基板130Dに搭載された送受信器1
32Dは、回路基板130Dの表側に設けられた、波長
650nmの赤色可視光を発光するレーザダイオード1
33Dと、回路基板130Dの裏側に設けられた、波長
650nmの赤色可視光に対し感光をもち0.5mm角
の受光面積を有するフォトダイオード134Dから構成
される。レーザダイオード133Dの前面には透過性の
光拡散体135Dが搭載され、フォトダイオード134
Dの前面には光結合素子200Dが搭載されている。回
路基板130Dが基板用コネクタ120(図8参照)に
装着されると、その回路基板130Dに搭載された光拡
散体135Dおよび光結合素子200Dは、光伝送層1
11の端面111aに当接した状態に配置される。
【0042】光拡散体135Dは、レーザダイオード1
33Dから発せられた光を光伝送層111に向けて拡散
するものである。ここでは、光拡散体135Dとして、
ポリメチルメタクリレートの中に、そのポリメチルメタ
クリレートとは異なる光屈折率を有するポリスチレン
(光屈折率1.59)を微粒子状に分散させたものを用
いている。ポリスチレンの分散状態を調整することによ
り、レーザダイオード133Dから発せられた光が光拡
散体135Dで拡散されるときの強度分布を調整するこ
とができる。ここでは、光拡散体135Dが大気中に光
をほぼ完全拡散できるように、ポリスチレンの分散状態
が調整されている。尚、レーザダイオード133Dが発
光する光を所望の強度分布に拡散することができるので
あれば、光拡散体135Dの代わりに、単体のレンズや
マイクロレンズアレイなどを用いてもよい。
【0043】光結合素子200Dは、互いに接着された
第1の光透過体204Dおよび第2の光透過体208D
を備えている。第1の光透過体204Dは、厚さ0.5
mmの楔形状に形成されており、入射面201、反射面
202、および出射面203を有している。また、第2
の光透過体208Dは、厚さ0.5mmの三角形形状に
形成されており、入射面205、反射面206、および
出射面207を有している。尚、第1の光透過体204
Dの入射面201、反射面202、および出射面20
3、第2の光透過体208Dの入射面205、反射面2
06、および出射面207については、添字Dは付さず
に番号のみを付し、以後、他の回路基板130A, 13
0B, 130Cそれぞれが有する第1,第2の光透過体
204A,208A;204B,208B;204C,
208Cについても、入射面、反射面、および出射面に
は、添字A,B,Cは付さずに、第1,第2の光透過体
204D,208Dそれぞれの入射面、反射面、および
出射面に付された番号と同一番号のみを付して示す。第
1,第2の光透過体204D,208Dの入射面20
1,205、反射面202,206、および出射面20
3,207は、鏡面状の滑らかな平面に形成されてい
る。第1の光透過体204Dの材料には光伝送層111
の光屈折率よりも大きい光屈折率を有する高屈折率ガラ
ス(光屈折率1.80)が用いられ、第2の光透過体2
08Dの材料には、第1の光透過体204Dの屈折率よ
りも低い屈折率を有するポリメチルメタクリレート(光
屈折率1.49)が用いられている。第1の光透過体2
04Dの入射面201と、第2の光透過体208Dの出
射面207とは、光学用接着剤(光屈折率1.49)で
接着されている。第1の光透過体204Dは、入射面2
01と反射面202とのなす角度βがβ=5.7°にな
るように形成されており、その第1の光透過体204D
の入射面201と、光伝送体111の端面111aに垂
直な矢印1とのなす角度αはα=20°になるように設
定されている。また、第1の光透過体204Dの出射面
203の長さは0.5mmであり、第2の光透過体20
8Dの入射面205の長さは1.7mmである。
【0044】図8に戻って説明を続ける。
【0045】支持基板100上には、 電源ラインや電気
信号伝送用の電気的配線101が設けられており、 各回
路基板130A, 130B, 130C, 130Dを各基
板用コネクタ120に装着すると、各回路基板130
A, 130B, 130C, 130Dに搭載された電子回
路131A, 131B, 131C, 131D(図9参
照)は、各基板用コネクタ120を経由して、 電気的配
線101と電気的に接続される。
【0046】光伝送体110が備えている光伝送層11
1は、信号光の伝送を担う層であり、 この実施形態で
は、 光透過率の高い、 一層当り厚さ0.5mmのポリメ
チルメタクリレート(光屈折率1.49)が用いられて
いる。 尚、 ポリメチルメタクリレートの代わりに、 ポリ
スチレン、 ポリカーボネイト等のプラスチック材料を用
いることも可能であり、 あるいは、 石英系ガラス材料を
用いることも可能である。
【0047】また、 クラッド層112は、光伝送層11
1内の光が層の厚さ方向に洩れるのを抑える作用をなす
層であり、 この実施形態では、 ポリメチルメタクリレー
トの光屈折率よりも低い光屈折率を有する含フッ素ポリ
マ(光屈折率1.34)が用いられている。 尚、 光伝送
層111に用いられる材料の光屈折率よりも低い光屈折
率を有する材料ならば、含フッ素ポリマの代わりに他の
材料を用いてもよい。
【0048】尚、 この実施形態では、上述したように、
第1の光透過体204D(図10参照)の材料として高
屈折率ガラスを用いているが、光伝送層111に用いら
れる材料の光屈折率よりも高い光屈折率を有する材料で
あれば高屈折率ガラス以外の材料を用いてもよい。ま
た、第2の光透過体208Dの材料としてポリメチルメ
タクリレートを用いているが、第1の光透過体204D
に用いられる材料の光屈折率よりも低い光屈折率を有す
る材料であれば、ポリメチルメタクリレート以外の材料
を用いてもよい。
【0049】次に、ある回路基板から別の回路基板に信
号光が伝送される様子について、図9、図10を参照し
ながら説明する。
【0050】回路基板130Aに搭載されたレーザダイ
オード133A(図9参照)から、信号を担持したパル
ス状の信号光が発せられる。発せられた信号光は、光拡
散体135Aで拡散されながらその光拡散体135Aを
透過し、光伝送層111の端面111aに直交する方向
が最大強度となる分布で、その光伝送層111に入射す
る。入射した信号光300は、光伝送層111内に拡散
されて拡がり、この拡散された信号光300のうちの一
部の信号光300aは、図10に示すように、回路基板
130Dが配置された方向に伝播する。この信号光30
0aは、光伝送層111の端面111aから出射し、第
2の光透過体208Dの入射面205を透過してその第
2の光透過体208D内部に入射する。その入射した信
号光300aは、反射面206で反射された後もしくは
直接に、第2の光透過体208Dの出射面207および
第1の光透過体204Dの入射面201を透過すること
により、第2の光透過体208Dから第1の光透過体2
04Dに導かれる。第1の光透過体204Dに導かれた
信号光300aは、その第1の光透過体204Dの入射
面201と反射面202との間で全反射しながら、第2
の光透過体208Dの入射面205よりも面積が小さい
出射面203に向けて集光され、その出射面203から
出射される。出射面203から出射した信号光300a
は、フォトダイオード134Dで受光される。
【0051】同様に、他の回路基板130B, 130C
のレーザダイオード133B, 133Cから発せられ光
拡散体135B,135Cで拡散した信号光301,3
02の一部も、光結合素子200Dで集光されてフォト
ダイオード134Dで受光される。また、逆に、回路基
板130Dのレーザダイオード133Dから発せられた
信号光303の一部は、他の回路基板130A,130
B, 130Cの光結合素子200A,200B, 200
Cそれぞれで集光されて、フォトダイオード134A,
134B, 134Cで受光される。また、この光伝送シ
ステム150は、フォトダイオード134A,134
B, 134C,134Dが受光する信号光がどのレーザ
ダイオード133A,133B, 133C,133Dか
ら発せられた信号光であるかを識別できるように、各回
路基板130A,130B, 130C,130Dに搭載
された電子回路131A,131B, 131C,131
Dは、レーザダイオード133A,133B, 133
C,133Dから発せられる信号光300,301,3
02,303それぞれの出射のタイミングを制御してい
る。
【0052】このように構成された光伝送システム15
0は光結合素子200A,200B,200C,200
Dを備えている。従って、各光結合素子200A,20
0B,200C,200Dに向かって光伝送層111を
伝播する信号光のうち、矢印1(図10参照)に対し所
定の伝播角度範囲内の伝播角度θで各第2の光透過体2
08A,208B,208C,208Dの入射面205
に入射した信号光の大部分は、各第2の光透過体208
A,208B,208C,208Dを経由して各第1の
光透過体204A,204B,204C,204Dに入
射し、入射面201および反射面202により出射面2
03(図10参照)に導かれるが、所定の伝播角度範囲
外の伝播角度θで各第2の光透過体208A,208
B,208C,208Dの入射面205に入射した信号
光の大部分は、仮に、各第2の光透過体208A,20
8B,208C,208Dを経由して各第1の光透過体
204A,204B,204C,204Dの入射面20
1に入射しても、出射面203には導かれずに反射面2
02から出射される。従って、光伝送層111の端面1
11bにおける反射や、光伝送層111の外部からその
光伝送層111内に侵入することにより発生する、矢印
1に対し所定の伝播角度範囲外の伝播角度θで各第2の
光透過体208A,208B,208C,208Dに入
射するノイズ光400は、ほとんど各第1の光透過体2
04A,204B,204C,204Dの出射面203
には導かれず、矢印1に対し所定の伝播角度範囲内の伝
播角度θで各第2の光透過体208A,208B,20
8C,208Dに入射する信号光が効率よく各第1の光
透過体204A,204B,204C,204Dの出射
面203に導かれる。
【0053】また、この光伝送システム150が備えて
いる光結合素子200A,200B,200C,200
Dは、ぞれぞれ、光透過体として、第1の光透過体20
4A,204B,204C,204Dの他に、第2の光
透過体208A,208B,208C,208Dを備え
ている。従って、第1の光透過体204A,204B,
204C,204Dの入射面201を、光伝送層111
の端面111aに対して所望の角度をなす位置に配置す
ることができ、さらに、第2の光透過体208A,20
8B,208C,208Dの屈折率を調整することによ
り、光結合素子200A,200B,200C,200
Dそれぞれに向けて光伝送層111内を伝播する信号光
のうちの、第1の光透過体204A,204B,204
C,204Dの出射面203に導かれる信号光の伝播角
度θの範囲を調整することができる。
【0054】以下、この光伝送システム150について
行った光線追跡シミュレーションについて説明する。
【0055】この光伝送システム150が備えている4
つの回路基板130A,130B,130C,130D
のうちの回路基板130Dに搭載されているフォトダイ
オード134Dで受光される光の強度を、光線追跡シミ
ュレーションにより、矢印1(図10参照)に対する信
号光の伝播角度θごとに求めた。また、この光伝送シス
テム150が備えている回路基板130Dから光結合素
子200Dが取り除かれ、さらにフォトダイオード13
4Dが光伝送層111の端面111aに直接配置された
光伝送システムを構成し、その光伝送層111の端面1
11aに直接配置されたフォトダイオード134Dで受
光される光の強度を、光線追跡シミュレーションによ
り、信号光の伝播角度θごとに求めた。
【0056】図11は、その光線追跡シミュレーション
結果を示すグラフである。
【0057】グラフの横軸は信号光の伝播角度θであ
り、縦軸はフォトダイオード134Dで受光される信号
光の相対受光量である。実線は、図8,図9に示す光伝
送システム150におけるフォトダイオード134Dの
相対受光量であり、破線は、フォトダイオード134D
が光伝送層111の端面111aに直接配置された光伝
送システムにおけるフォトダイオード134Dの相対受
光量である。ここでは、相対受光量は、フォトダイオー
ド134Dが光伝送層111の端面111aに直接配置
された光伝送システムにおいて、信号光の伝播角度θが
θ=0°のときのそのフォトダイオード134Dの受光
量を1としている。
【0058】図11から、フォトダイオード134Dが
光伝送層111の端面111aに直接配置された光伝送
システムでは、信号光の伝播角度θが変化しても相対受
光量はほぼ変わらず、一様に信号光が受光されている
が、光伝送システム150(図8参照)では、伝播角度
θが−10°から10°の範囲にある信号光が効率よく
受光されており、指向性を有することがわかる。また、
光伝送システム150を用いることにより、伝播角度θ
がθ=−10°付近においては、相対受光量が約3倍に
なっており集光性を有することがわかる。
【0059】次に、本発明の第4実施形態の第1の光結
合素子を用いて構成された、本発明の第3実施形態の第
2の光伝送システムについて説明する。その第3実施形
態の光伝送システムは、第2実施形態の第2の光伝送シ
ステム150(図8参照)が備えている光結合素子20
0A,200B,200C,200Dとは異なる構成の
光結合素子を備えている以外は、第2実施形態の光伝送
システム150と同じ構成であるため、この相違点のみ
について図12を参照しながら説明する。
【0060】図12は、第3実施形態の第2の光伝送シ
ステムが備えている回路基板の、光結合素子が搭載され
た部分の断面図であり、4つの回路基板のうち、代表し
て1枚の回路基板について示してある。
【0061】回路基板130Dに搭載されている光結合
素子210Dは、第1の光透過体214Dと第2の光透
過体218Dとの間に、その第2の光透過体218Dの
屈折率よりも小さな屈折率をもつ光透過層219を備え
ている。この光透過層219の材料には含フッ素ポリマ
(光屈折率1.34)を用いている。また、第1の光透
過体214Dの出射面213の長さは0.5mm、第2
の光透過体218Dの入射面215の長さは3.0mm
になるように形成され、第1の光透過体214Dの入射
面211と、光伝送層111の端面111aに垂直な矢
印1とのなす角度αはα=37°になるように設定され
ている。第1,第2の光透過体214D,218Dの入
射面211,215、反射面212,216、および出
射面213,217は、鏡面状の滑らかな平面に形成さ
れている。また、この回路基板130D以外の残りの3
枚の回路基板にも、光結合素子210Dと同一構造の光
結合素子が搭載されている。
【0062】尚、 ここでは、光透過層219の材料とし
て含フッ素ポリマを用いているが、第2の光透過体21
8Dの光屈折率よりも低い光屈折率を有する材料なら
ば、含フッ素ポリマ以外の材料を用いてもよい。
【0063】このように構成された第3実施形態の第2
の光伝送システムと、その第3実施形態の第2の光伝送
システムが備えている回路基板130Dから光結合素子
210Dが取り除かれ、さらにフォトダイオード134
Dが光伝送層111の端面111aに直接配置された構
成の光伝送システムとの2つの光伝送システムについ
て、第2実施形態の光伝送システム150(図8参照)
について行った光線追跡シミュレーションと同様のシミ
ュレーションを行った。
【0064】図13は、その光線追跡シミュレーション
結果を示すグラフである。
【0065】この図13から、フォトダイオード134
Dが光伝送層111の端面111aに直接配置された光
伝送システムでは、信号光の伝播角度θが変化しても相
対受光量はほぼ変わらず、一様に信号光が受光されてい
るが、この第3実施形態の第2の光伝送システムでは、
伝播角度θが−10°から10°の範囲にある信号光が
効率よく受光されており、指向性を有することがわか
る。また、この第3実施形態の第2の光伝送システムを
用いることにより、伝播角度θがθ=0°においては相
対受光量が約3倍になっており集光性を有することがわ
かる。
【0066】この第3実施形態の第2の光伝送システム
は、第1の光透過体214Dと第2の光透過体218D
との間に、その第2の光透過体218Dの屈折率よりも
小さな屈折率をもつ光透過層219を備えている。この
光透過層219を備えることにより、第1の光透過体2
14Dの入射面211と矢印1とのなす角度αを、第2
実施形態の第2の光伝送システム150(図10参照)
よりも大きく設定することができ、光結合素子の集光性
がさらに向上する。
【0067】次に、本発明の第1実施形態の第2の光結
合素子を用いて構成された、本発明の第4実施形態の第
2の光伝送システムについて説明する。この第4実施形
態の第2の光伝送システムは、第2実施形態の第2の光
伝送システム150(図8参照)が備えている光結合素
子とは異なる構成の光結合素子を備えている以外は、そ
の光伝送システム150と同じ構成であるため、この相
違点のみについて図14を参照しながら説明する。
【0068】図14は、第4実施形態の第2の光伝送シ
ステムが備えている回路基板の、光結合素子が搭載され
た部分の断面図であり、4つの回路基板のうち、代表し
て1枚の回路基板について示してある。
【0069】光結合素子220Dは同一形状の2つの第
1の光透過体224Dと、1つの第2の光透過体227
Dを備えている。この2つの第1の光透過体224D
は、いずれも厚さ0.5mmの楔形状に形成されてお
り、入射面221、反射面222、および出射面223
を有している。入射面221は、光伝送層111および
第2の光透過体227Dを伝播してきた信号光を第1の
光透過体224D内部に入射するととともに、一旦第1
の光透過体224D内部に入射した後入射面221に戻
ってきた信号光をその第1の光透過体224D内部に向
けて反射する面である。反射面222は、入射面221
に対し角度βだけ傾いた面であって、矢印1に対し所定
の伝播角度範囲内で入射面221に入射した信号光を入
射面221側に反射して、その入射面221と共同して
信号光を入射面221との間隔が開いた方向に導く(出
射面223に向けて導く)面である。出射面223は、
入射面221と反射面222との間隔が開いた方向に導
かれた信号光をフォトダイオード134Dに向けて出射
する面である。 また、光結合素子220Dは2つの第
1の光透過体224Dの他に、上記のように第2の光透
過体227Dを1つ備えている。この第2の光透過体2
27Dは、2つの第1の光透過体224Dの入射面22
1に囲まれた領域に、その入射面221に接触した出射
面226と、光伝送層111を伝播してきた信号光が入
射される入射面225とを有しその入射面225から入
射した信号光を出射面226に伝送する、第1の光透過
体224Dの屈折率よりも小さな屈折率を持つ光透過体
である。具体的には以下のとおりである。
【0070】第2の光透過体227Dは、厚さ0.5m
mの三角形形状に形成されており、入射面225と、2
つの出射面226とを有している。2つの第1の光透過
体224Dの入射面221、反射面222、および出射
面223、第2の光透過体227Dの入射面225およ
び2つの出射面226は、鏡面状の滑らかな平面に形成
されている。2つの第1の光透過体224Dの入射面2
21それぞれは、第2の光透過体227Dの2つの出射
面226それぞれに接着されている。このように構成さ
れた光結合素子220Dでは、2つの第1の光透過体2
24Dの出射面223それぞれを合わせた面が、全体と
して1つの出射面を形成しており、さらに、この光結合
素子220Dは、2つの第1の光透過体224Dの入射
面221を内向きにして出射面223から離れるに従っ
てより広く開いた線対称に形成されている。
【0071】第1の光透過体224Dの材料には光伝送
層111の光屈折率よりも高い光屈折率を有する高屈折
率ガラス(光屈折率1.80)、第2の光透過体227
Dの材料にはポリメチルメタクリレート(光屈折率1.
49)を用いている。第1の光透過体224Dは、入射
面221と反射面222とのなす角度βがβ=4.1°
になるように形成されており、その第1の光透過体22
4Dの入射面221と、光伝送層111の端面に垂直な
矢印1とのなす角度αはα=15.1°になるように設
定されている。また、第1の光透過体224Dの出射面
223の長さは0.5mm、第2の光透過体227Dの
入射面225の長さは3.0mmになるように形成され
ている。
【0072】このように構成された光結合素子220D
を備えた第4実施形態の第2の光伝送システムと、その
第4実施形態の第2の光伝送システムが備えている回路
基板から光結合素子220Dが取り除かれ、さらにフォ
トダイオード134Dが光伝送体の端面に直接配置され
た構成の光伝送システムとの2つの光伝送システムにつ
いて、第2実施形態の光伝送システム150(図8参
照)について行った光線追跡シミュレーションと同様の
シミュレーションを行った。
【0073】図15は、その光線追跡シミュレーション
結果を示すグラフである。
【0074】この図15から、フォトダイオード134
Dが光伝送層111の端面111aに直接配置された光
伝送システムでは、信号光の伝播角度θが変化しても相
対受光量はほぼ変わらず、一様に信号光が受光されてい
るが、この第4実施形態に示す第2の光伝送システムで
は、伝播角度θが−10°から10°の範囲にある信号
光が効率よく受光されており、指向性を有することがわ
かる。また、伝播角度θが−10°から10°の範囲に
おいては、相対受光量が約2倍になっており、均一に集
光性を有することがわかる。
【0075】この第4実施形態の第2の光伝送システム
が備えている光結合素子220Dは、2つの第1の光透
過体224Dの入射面221を内向きにして出射面22
3から離れるに従ってより広く開いた線対称に形成され
ている。このように線対称に光結合素子を構成すること
により、図15に示すように、所定の伝播角度の範囲に
おいて伝播角度θ=0°を中心とした均一な集光性が得
られる。
【0076】次に、本発明の第2実施形態の第2の光結
合素子を用いて構成された、本発明の一実施形態の第1
の光伝送システムについて説明する。この第1の光伝送
システムについては、本発明の第4実施形態の第2の光
伝送システム(図14参照)との相違点のみについて図
16を参照しながら説明する。
【0077】図16は、本発明の一実施形態の第1の光
伝送システムが備えている回路基板の、光結合素子が搭
載された部分の断面図であり、4つの回路基板のうち、
代表して1枚の回路基板について示してある。
【0078】光結合素子230Dは、第1の光透過体2
24Dと、第2の光透過体227Dとの他に、2つの第
1の光透過体224Dの出射面223(図14参照)と
フォトダイオード134Dの受光面との間の空間を充填
するように形成された光透過体238を備えている。こ
こでは、この光透過体238の材料として高屈折率の光
学接着剤(光屈折率1.60)が用いられている。
【0079】このように構成された一実施形態の第1の
光伝送システムと、その一実施形態の第1の光伝送シス
テムが備えている回路基板から光結合素子が取り除か
れ、さらにフォトダイオード134Dが光伝送層111
の端面111aに直接配置された構成の光伝送システム
との2つの光伝送システムについて、第2実施形態の第
2の光伝送システム150(図8参照)について行った
光線追跡シミュレーションと同様のシミュレーションを
行った。
【0080】図17は、その光線追跡シミュレーション
結果を示すグラフである。
【0081】この図17から、フォトダイオード134
Dが光伝送層111の端面111aに直接配置された光
伝送システムでは、信号光の伝播角度θが変化しても相
対受光量はほぼ変わらず、一様に信号光が受光されてい
るが、この一実施形態の第1の光伝送システムでは、伝
播角度θが−10°から10°の範囲にある信号光が効
率よく受光されており、指向性を有することがわかる。
また、この一実施形態の第1の光伝送システムを用いる
ことにより、伝播角度θが−10°から10°の範囲に
おいては、相対受光量が約4倍になっており、均一に集
光性を有することがわかる。
【0082】この光結合素子230D(図16参照)
は、光透過体238の、フォトダイオード134Dの受
光面と接触する面が、2つの第1の光透過体224Dに
よりフォトダイオード134Dの受光面に向けて伝送さ
れた信号光をその受光面に出射する出射面を形成してい
る。ここで、図14と図16とを比較すると、図14で
は、光結合素子220Dの出射面(2つの第1の光透過
体224Dの出射面223)は、第1の光透過体224
Dよりも屈折率の小さい空気を介在させてフォトダイオ
ード134Dの受光面と対向している。従って、第1の
光透過体224Dの出射面223まで伝送されてもその
出射面223で反射する信号光がある。このように、信
号光が出射面223で反射してしまうとその信号光はフ
ォトダイオード134Dでは受光されず、この信号光の
分だけ受光効率が低下するが、図16に示すように、光
結合素子230Dの出射面をフォトダイオード134D
の受光面に接触させることにより、出射面に到達した信
号光をその出射面で反射しにくくすることができ、フォ
トダイオード134Dの受光効率をさらに向上させるこ
とができる。
【0083】次に、本発明の第3実施形態の第2の光結
合素子を用いて構成された、本発明の第5実施形態の第
2の光伝送システムについて説明する。
【0084】図18は、本発明の第5実施形態の第2の
光伝送システムを示す概略構成図である。
【0085】自由空間内に、空間光伝送をおこなうため
の送信器501と受信器502とが装着された複数の端
末500が配置されている。天井503には、送信器5
01が自由空間中に送信した信号光を、複数の端末50
0に向けて反射拡散する拡散板504が備えられてい
る。送信器501には波長850nmの赤外光を発光す
る発光ダイオードが用いられ、拡散板504にはポリマ
ーベースの中に光屈折率が異なる別の材料の微粒子を分
散させた拡散板が用いられている。
【0086】図19は、図18に示す光伝送システムが
備えている受信器を示す拡大図である。
【0087】受信器502は、波長850nmの赤外光
に対し感光を有するフォトダイオード505と、光結合
素子509とを備えている。この光結合素子509は、
内側が円錐状にくり抜かれたくり抜き部510を有する
回転対称構造の光透過体からなり、くり抜き部510の
内側の面に入射面506、外側の面に反射面507が設
けられ、下面に出射面508が設けられている。光結合
素子509の材料にはポリメチルメタクリレート(光屈
折率1.49)を用いている。また、この光結合素子5
09は、入射面506と反射面507とのなす角度はβ
である。
【0088】この光結合素子509は、入射面506を
内向きにして出射面508から離れるに従ってより広く
開いた回転対称に形成されている。
【0089】以下に、送信器501から発せられた信号
光が受信器502で受信される様子について説明する。
端末500に装着した送信器501から信号を担持し
たパルス状の信号光300が拡散板504に向けて発せ
られる。信号光300は拡散板504で反射拡散され、
他の端末500に向けて広がりながら進み、各受信器5
02に到達する。信号光300は、各受信器502が備
える光結合素子509の入射面506を透過し、透過し
た信号光300は、入射面506と反射面507との間
で反射されながら出射面508の方向に導かれる。出射
面508に導かれた信号光は、その出射面から出射し、
フォトダイオード505で受光される。
【0090】同様に、他の端末500から発せられる信
号光も、上記と同様にして伝送することができる。
【0091】図18に示す光伝送システムが備えている
光結合素子509は回転対称に形成されている。光結合
素子をこのような回転対称に形成することにより、図1
4、図16に示す線対称の光結合素子220D,230
Dと同様に、伝播角度θ=0°を中心とした左右対称の
受光特性が得られる。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
所定の伝播角度範囲内の伝播角度で伝播してくる信号光
を効率よく集光して受光素子等の光学素子に出射すると
ともに、所定の伝播角度範囲外の伝播角度で伝播してく
る信号光は光学素子に向けて出射せず、かつ小型化が図
られた光結合素子と、 その光結合素子を用いた光伝送シ
ステムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】矢印1の方向と同一方向から光結合素子に光が
入射する様子を示す図である。
【図2】矢印1に対して伝播角度θ1で光結合素子に光
が入射する様子を示す図である。
【図3】矢印1に対して伝播角度θ2で光結合素子に光
が入射する様子を示す図である。
【図4】矢印1に対して伝播角度θ3で光結合素子に光
が入射する様子を示す図である。
【図5】本発明の第2の光伝送システムの第1実施形態
を示す斜視図である。
【図6】図5に示す光伝送システムに備えられた、本発
明の第2実施形態の第1の光結合素子の拡大平面図であ
る。
【図7】測定結果を示すグラフである。
【図8】本発明の第3実施形態の第1の光結合素子を用
いて構成された、複数の回路基板間の光伝送を行う本発
明の第2実施形態の第2の光伝送システムを示す概略構
成図である。
【図9】図8に示す光伝送システム150をA−A'方
向からみた断面図である。
【図10】図8、図9に示す第2実施形態の第2の光伝
送システムが備えている、添字Dが付されている回路基
板の、光結合素子が搭載された部分の断面図である。
【図11】光線追跡シミュレーション結果を示すグラフ
である。
【図12】第3実施形態の第2の光伝送システムが備え
ている回路基板の、光結合素子が搭載された部分の断面
図である。
【図13】光線追跡シミュレーション結果を示すグラフ
である。
【図14】第4実施形態の第2の光伝送システムが備え
ている回路基板の、光結合素子が搭載された部分の断面
図である。
【図15】光線追跡シミュレーション結果を示すグラフ
である。
【図16】本発明の一実施形態の第1の光伝送システム
が備えている回路基板の、光結合素子が搭載された部分
の断面図である。
【図17】光線追跡シミュレーション結果を示すグラフ
である。
【図18】本発明の第5実施形態の第2の光伝送システ
ムを示す概略構成図である。
【図19】図18に示す光伝送システムが備えている受
信器を示す拡大図である。
【符号の説明】
1 矢印 2,200D,210D,509 光結合素子 3,17,21,201,205,506 入射面 4,18,202,206,507 反射面 5,19,22,203,207,508 出射面 7A,7B,7C,8A,8B,8C,9A,9B,9
C,300,301,302,303 信号光 10 ノイズ光 10 光伝送システム150 11 光伝送体 12 光拡散板 13 半導体レーザ 15 光結合素子 16 光センサ 20,23,204D,208D 光透過体 100 支持基板 101 電気的配線 110 光伝送体 111 光伝送層 112 クラッド層 120 基板用コネクタ 130A, 130B, 130C, 130D 回路基板 131A, 131B, 131C, 131D 電子回路 132D 送受信器 133D レーザダイオード 134D,505 フォトダイオード 135D 光拡散体 500 端末 501 送信器 502 受信器 503 天井 504 拡散板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04B 10/22 (72)発明者 経塚 信也 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい 富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者 浜田 勉 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい 富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者 岡田 純二 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい 富士ゼロックス株式会社内 Fターム(参考) 2H037 AA01 BA11 CA32 CA38 CA40 5K002 AA01 AA03 AA07 BA02 BA13 BA21 BA31 CA02 FA03 GA06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自由空間を含む光伝送媒体と光学素子と
    を光学的に結合する光結合素子において、 前記光伝送媒体を伝播してきた信号光が入射し一旦入射
    した後戻ってきた信号光を反射する第1の面と、該第1
    の面に対し斜面を成す、該第1の面から入射した信号光
    を該第1の面側に反射して、該第1の面と共同して信号
    光を該第1の面との間隔が開いた方向に導く第2の面
    と、該方向に導かれた信号光を前記光学素子に向けて出
    射する第3の面とを有する、前記光伝送媒体の屈折率よ
    りも大きな屈折率をもつ第1の光透過体を備えたことを
    特徴とする光結合素子。
  2. 【請求項2】 前記第1の面に接触もしくは近接した出
    射面と、自由空間を含む光伝送媒体を伝播してきた信号
    光が入射される入射面とを有し、該入射面から入射した
    信号光を前記出射面に向けて伝送する、前記第1の光透
    過体の屈折率よりも小さな屈折率をもつ第2の光透過体
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の光結合素子。
  3. 【請求項3】 前記第1の光透過体と前記第2の光透過
    体との間に、前記第2の光透過体の屈折率よりも小さな
    屈折率をもつ層状の第3の光透過体を備えたことを特徴
    とする請求項2記載の光結合素子。
  4. 【請求項4】 自由空間を含む光伝送媒体と光学素子と
    を光学的に結合する光結合素子において、 前記光伝送媒体を伝播してきた信号光が入射し一旦入射
    した後戻ってきた信号光を反射する第1の面と、該第1
    の面に対し斜面を成す、該第1の面から入射した信号光
    を該第1の面側に反射して、該第1の面と共同して信号
    光を該第1の面との間隔が開いた方向に導く第2の面
    と、該方向に導かれた信号光を前記光学素子に向けて出
    射する第3の面とを有する、前記光伝送媒体の屈折率よ
    りも大きな屈折率をもつ第1の光透過体を備えた光結合
    部を備え、 前記第3の面が全体として1つであって、 前記光結合部が、前記第1の面を内向きにして該第3の
    面から離れるに従ってより広く開いた線対称あるいは回
    転対称に形成されてなることを特徴とする光結合素子。
  5. 【請求項5】 前記第1の面に囲まれた領域に、該第1
    の面に接触もしくは近接した出射面と、自由空間を含む
    光伝送媒体を伝播してきた信号光が入射される入射面と
    を有し該入射面から入射した信号光を前記出射面に伝送
    する、前記第1の光透過体の屈折率よりも小さな屈折率
    を持つ第2の光透過体を備えたことを特徴とする請求項
    4記載の光結合素子。
  6. 【請求項6】 自由空間を含む光伝送媒体を伝播してき
    た信号光が入射し一旦入射した後戻ってきた信号光を反
    射する第1の面、該第1の面に対し斜面を成す、該第1
    の面から入射した信号光を該第1の面側に反射して、該
    第1の面と共同して信号光を該第1の面との間隔が開い
    た方向に導く第2の面、および該方向に導かれた信号光
    を出射する第3の面を有する、前記光伝送媒体の屈折率
    よりも大きな屈折率をもつ第1の光透過体を備えた光結
    合素子と、前記第1の光透過体の第3面に接する光学素
    子とを具備したことを特徴とする光伝送システム。
  7. 【請求項7】 自由空間を含む光伝送媒体中に信号光を
    発光する発光素子、前記光伝送媒体中を伝播してきた信
    号光を受光する受光素子、および、前記光伝送媒体と前
    記受光素子とを光学的に結合する光結合素子を備えた光
    伝送システムにおいて、 前記光結合素子が、前記光伝送媒体を伝播してきた信号
    光が入射し一旦入射した後戻ってきた信号光を反射する
    第1の面と、該第1の面に対し斜面を成す、該第1の面
    から入射した信号光を該第1の面側に反射して、該第1
    の面と共同して信号光を該第1の面との間隔が開いた方
    向に導く第2の面と、該方向に導かれた信号光を前記光
    学素子に向けて出射する第3の面とを有する、前記光伝
    送媒体の屈折率よりも大きな屈折率をもつ光透過体を備
    えたことを特徴とする光伝送システム。
  8. 【請求項8】 前記受光素子を複数備えるとともに、こ
    れら複数の受光素子それぞれに対応して、前記光伝送媒
    体と前記複数の受光素子それぞれとを光学的に結合する
    光結合素子を複数備え、 前記発光素子が前記光伝送媒体中に発光した信号光を、
    前記複数の光結合素子全体に向けて拡散する拡散体を備
    えたことを特徴とする請求項7記載の光伝送システム。
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US6934429B2 (en) 2001-11-01 2005-08-23 Nec Corporation Optical waveguide board and optical module

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