JP2000111325A - レーザ干渉計を使用した回転角度測定における初期設定入射角測定方法 - Google Patents

レーザ干渉計を使用した回転角度測定における初期設定入射角測定方法

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JP2000111325A
JP2000111325A JP10280084A JP28008498A JP2000111325A JP 2000111325 A JP2000111325 A JP 2000111325A JP 10280084 A JP10280084 A JP 10280084A JP 28008498 A JP28008498 A JP 28008498A JP 2000111325 A JP2000111325 A JP 2000111325A
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rotation
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Toru Shimizu
徹 清水
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Tokyo Seimitsu Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ干渉計を利用して回転量を測定する場
合のレーザビームの反射ユニットへの入射角を測定し
て、角度測定の精度を向上する。 【解決手段】 ビーム干渉合成ユニット2をテーブル20
の回転に対して独立である部分に固定し、角度検出用反
射手段5をテーブルに固定されたテーブルの回転軸を中
心として回転する角度回転機構10に取り付けて、レーザ
ビームの角度検出用反射手段5へ初期設定入射角で入射
するように設定した後、テーブル20を1/N回転した時
のレーザ干渉計における光路長の差の変化を測定して記
憶し、角度回転機構10を逆方向に回転した時の光路長の
差の変化を測定して記憶する操作を、テーブル20が正確
に1回転するまで繰り返し、測定した光路長の差の変化
から初期設定入射角を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分割した2つのレ
ーザビームを2個の反射鏡(コーナーキューブ)を有す
る反射ユニットで反射させ、戻ってきた2つのレーザビ
ームをビーム干渉合成ユニット(以下、干渉ユニット)
で干渉させ、干渉ユニットと反射ユニットとの相対角度
の変化を測定できるレーザ干渉計を使用して、工作機械
などの精密回転テーブルの回転角度を測定する方法に関
し、特にこのようなレーザ干渉計を利用した回転角度測
定方法において干渉ユニットと反射ユニットの初期設定
入射角度を測定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マシニングセンタなどの工作機械は、被
加工物を載置するテーブルを有する。テーブルの回転角
度は加工精度に直接影響するため、テーブルの回転角度
は高い精度が要求される。マシニングセンタは大型化と
高精度化が図られており、大型のマシニングセンタでは
テーブルの直径が数mにもなり、角度割り出しの分解能
は数秒にもなる。マシニングセンタにおける角度割り出
しは、円板状のスケールを利用しており、テーブルが大
きくなりスケールの直径が大きくなれば角度割り出しの
分解能を小さくすることが可能である。しかし、実際に
製作したテーブルの角度割り出し精度がどのようである
か検証する必要がある。
【0003】本出願人は、このような要求に答えるた
め、特願平8−225458号及びこの出願に基づいて
優先権を主張した特願平9−185208号において、
レーザ干渉計を使用して高精度でテーブルの回転角度を
測定する方法を開示している。図1は、上記の特許出願
に開示されているレーザ干渉計を使用してテーブルの回
転角度を測定する方法を説明する図である。
【0004】図1に示すように、マシニングセンタのテ
ーブル20にその回転中心を一致させて角度回転機構1
0を固定する。角度回転機構10にはエンコーダなどの
回転量を検出する手段が設けられている。角度回転機構
10の上には、2個のコーナーキューブ3、4を並列に
配置した回転角測定用の反射ユニット5が固定されてお
り、テーブル20から独立した部分に干渉ユニット1が
固定されている。干渉ユニット1では、光ファイバ8を
介してレーザ光源(図示せず)から供給されたレーザビ
ームをレンズ6で平行ビームにした後、ビームスプリッ
タ2で2つのビームに分割し、反射ユニット5に向かっ
て平行に出射する。1方のビームはコーナーキューブ3
に、他方のビームはコーナーキューブ4に入射し、そこ
で逆反射されて再びビームスプリッタ2に入射して合成
される。合成されたレーザビームはレンズ7で光ファイ
バ9の端面に収束されて、光検出器(図示せず)に導か
れ電気信号に変換される。合成された2つのレーザビー
ムは相互に干渉し干渉縞を生じるが、干渉縞の強度は2
つのレーザビームの光路差がレーザビームの波長の整数
倍の時にもっとも大きくなり、光路差が波長の整数倍と
1/2異なる時にもっとも小さくなる。そのため、テー
ブル20又は角度回転機構10のいずれかが回転して、
ビームスプリッタ2から出射される2つのレーザビーム
に対する反射ユニット5に対する入射角が変化すると、
2つのレーザビームの光路差が変化し、それに応じて干
渉縞が変化する。従って、干渉縞の変化を検出すれば相
対角度の変化、すなわち回転角度が検出できる。具体的
には、2個のコーナーキューブ3、4の配列距離に回転
角を乗じた長さの2倍が光路差の変化であり、干渉縞の
変化量を検出すれば、角度測定用反射ユニット5の回転
角が測定できる。実際には、干渉縞のピークを検出する
だけでなく、その途中の位相も検出するので、レーザ干
渉計では0.01μmの変化が測定できる。
【0005】なお、図1の例では、テーブル20上に角
度回転機構10を設け、角度回転機構10に反射ユニッ
ト5を、テーブル20から独立した部分に干渉ユニット
1が固定されていたが、角度回転機構10をその回転軸
がテーブル20の回転軸に一致するようにテーブル20
から独立して保持し、角度回転機構10に反射ユニット
5を、テーブル20に干渉ユニット1を固定するように
してもよい。
【0006】上記のような干渉計を利用した角度測定方
法では、測定できる角度範囲が限られており、例えば干
渉ユニット1から出射されるレーザビームが反射ユニッ
ト5に垂直に入射するに対して、±10°の範囲が測定
可能範囲である。これでは、テーブルの1回転の回転量
を測定することはできないため、上記の特願平8−22
5458号及び特願平9−185208号では、図2に
示すように、ビームスプリッタ2と反射ユニット5を測
定可能範囲の一方の端に近い状態にセットし、他方の端
に近い状態になるようにテーブル20を単位量ずつ回転
させながらレーザ干渉計で回転角度を測定する。次に、
角度回転機構10で逆方向に回転させて測定可能範囲の
一方の端に近い状態に戻し、上記と同様の操作を繰り返
すことにより、1回転に渡る回転精度を測定する。実際
には、干渉ユニット1(ビームスプリッタ2)と反射ユ
ニット5を、目視でレーザビームが反射ユニット5に垂
直に入射するようにセットし、その状態から、例えば、
テーブル20又は角度回転機構10を反時計回りに10
°回転して測定可能範囲の一方の端に近い状態にしてか
ら、テーブル20を時計回りに単位量ずつ20°だけ回
転しながらレーザ干渉計で回転量を測定し、次に角度回
転機構10を反時計回りに20°回転して再び測定可能
範囲の一方の端に近い状態にする。このような操作をテ
ーブル20が1回転するまで、すなわち18回繰り返
す。なお、干渉ユニット1と反射ユニット5を目視でレ
ーザビームが反射ユニット5に垂直に入射するようにセ
ットした後、テーブル20を時計回りに10°だけ回転
し、角度回転機構10を反時計回りに10°回転する操
作を繰り返してもよいが、その場合にはこのような操作
を36回繰り返すことになる。いずれにしても、レーザ
ビームが反射ユニット5に所定入射角で入射するように
セットした後、テーブル20を回転しながらレーザ測長
器で回転角度を測定し、所定角度回転した時点で角度回
転機構10により元の角度位置に戻す操作を繰り返すこ
とになる。このような最初に設定するレーザビームの反
射ユニット5への所定入射角を初期設定入射角というこ
とにする。上記の例では、この初期設定入射角がゼロ度
であるといえる。
【0007】レーザ干渉計による回転角度の測定では、
光路長の変化は回転角θの正弦Sinθに比例する。従
って、レーザビームの反射ユニットに対する入射角が小
さい範囲では、回転角に対して光路長の変化はほぼ比例
するとみなせるが、入射角が大きくなると比例せず、比
例するとして計算すると誤差を生じる。例えば、入射角
が0°の場合と10°の場合では約1.6%の誤差が生
じる。そのため、高精度の測定を行うには、入射角の変
化が狭くなるように測定可能範囲を狭くすることが望ま
しいが、その場合には1回転の測定を行うのに、上記の
テーブルの回転と角度回転機構による戻しの繰り返し回
数を増加させる必要があり操作が煩雑であり、測定時間
も長くなるという問題がある。
【0008】そこで、角度に応じて補正を行うようにし
ている。これであれば、測定可能範囲を広げることがで
きる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記の補正を行うに
は、初期設定入射角を正確に設定又は測定する必要があ
る。しかし、上記のように、現状では干渉ユニット1と
反射ユニット5を初期設定入射角がゼロになるように目
視で合わせており、初期設定入射角を正確に設定又は測
定するよい方法がないのが現状である。そのため、実際
の初期設定入射角は所定角度ではなく、これが測定に誤
差を生じさせる。いま、図3に示すように、初期設定入
射角が角度αであると、上記のようにテーブルを単位量
ずつ回転しながらレーザ干渉計で回転量を測定した場合
の入射角の変化範囲が、図4に示すようにずれることに
なる。すなわち、初期設定入射角をゼロ度として、入射
角を−aから+aまで変化させるつもりが、実際には−
a−αから+a−αまで変化することになる。このよう
なずれがあると、測定精度が低下する。そのため、高精
度な測定を行うには初期設定入射角を測定してゼロ度に
設定するか、補正できるようにすることが必要である。
【0010】初期設定入射角を測定するため、初期設定
入射角から両方向にテーブルの目盛りで所定角度回転し
た時のレーザ干渉計における2つのレーザビームの光路
長の変化の差から、初期設定入射角を算出することも考
えられるが、これから測定しようとするテーブルの目盛
りを使用すること自体に問題があり、テーブルの目盛り
の誤差が直接影響することになり、正確な測定が行えな
い。
【0011】本発明は、レーザ干渉計の初期設定入射角
を測定できるようにすることで、レーザ干渉計を使用し
た回転角度の測定方法の測定精度を向上することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を実現するた
め、本発明のレーザ干渉計を使用した回転角度測定にお
ける初期入射角測定方法は、テーブルが1回転したこと
は正確に測定できることを利用して、テーブルを所定角
回転し、角度回転機構で戻す時の2つのレーザビームの
光路長の差の変化を測定する操作を、テーブルが正確に
1回転するまで繰り返し、測定した光路長の差の変化か
ら初期設定入射角を算出する。
【0013】すなわち、本発明のレーザ干渉計を使用し
た回転角度測定における初期入射角測定方法は、ビーム
干渉合成ユニットと、該ビーム干渉合成ユニットから出
射された第1及び第2のレーザビームが入射され、入射
した前記第1及び第2のレーザビームを逆方向に反射す
る第1と第2の反射手段を備える角度検出用反射手段と
で構成されるレーザ干渉計を使用した回転角度測定にお
ける初期入射角測定方法であって、ビーム干渉合成ユニ
ットをテーブルの回転に対して独立である部分に固定
し、角度検出用反射手段をテーブルに固定されたテーブ
ルの回転軸を中心として回転する角度回転機構に取り付
けて、第1及び第2のレーザビームが角度検出用反射手
段へ初期設定入射角で入射するように設定した後、テー
ブルを1/N回転した時のレーザ干渉計における第1及
び第2のレーザビームの光路長の差の変化を測定して記
憶し、角度回転機構を逆方向に1/N回転した時のレー
ザ干渉計における第1及び第2のレーザビームの光路長
の差の変化を測定して記憶する操作を、テーブルが正確
に1回転するまで繰り返し、測定した前記光路長の差の
変化から初期設定入射角を算出することを特徴とする。
【0014】テーブルの目盛りには誤差があるため、テ
ーブルを正確に1/N回転させることはできない。しか
し、テーブルが1回転したことは目盛りを合わせればよ
いので、非常に正確に測定することが可能である。そこ
で、テーブルと角度回転機構を回転した時の第1及び第
2のレーザビームの光路長の差の変化から、初期設定入
射角を含む各回のテーブルの回転角度を算出する式が得
られ、これらの式によるN回の回転角度の合計が360
度であるという式が成り立つ。この式を解くことによ
り、初期設定入射角を算出することができる。一般に、
この式は算術的に解くとこはできず、この式が満たされ
るように初期設定入射角を収束させる演算を繰り返すこ
とにより解くことができる。
【0015】また、簡易的には、1/N回転毎の測定し
た光路長の差の変化のN回分の平均値を算出し、1/N
回転毎の回転角度が360°/Nであるとした時の光路
長の差の変化がこの平均値であるとして、初期設定入射
角を算出してもよい。なお、角度回転機構を、テーブル
の回転に対して独立で、回転軸がテーブルの回転軸に一
致するように配置し、ビーム干渉合成ユニットをテーブ
ルに、角度検出用反射手段を角度回転機構に取り付ける
ように配置してもよい。
【0016】また、上記のようにして初期設定入射角が
測定された時には、回転角度測定を行う場合に、初期設
定入射角を変化させて所定の値とした後測定を行うよう
にしても、測定した初期設定入射角に基づいて測定した
回転角度を補正を行うようにしてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図1に示す工作機
械のテーブルの回転精度を測定する場合に適用した実施
例を説明する。テーブル20と角度回転機構10は、パ
ルスモータで駆動され、脱調などは生じないので、1回
転に相当するパルスを印加すれば、正確に1回転するこ
とが可能である。2個のコーナーキューブ3、4間の実
効的な距離は2Bで、2つのレーザビームがコーナーキ
ューブ3、4に垂直に入射する状態から反射ユニット5
が角度φ回転した時には、2つのレーザビームの光路長
の差は4B×Sinφだけ変化する。2つのレーザビー
ムがコーナーキューブ3、4に垂直に入射する状態を、
入射角ゼロの状態とする。
【0018】図5は、本発明の実施例における、初期設
定入射角αと、テーブル20と角度回転機構10の回転
に伴う一方のコーナーキューブの変位を示す図である。
この変位の4倍が2つのレーザビームの光路長の差の変
化に相当する。図示のように、初期設定入射角をαに設
定する。この状態でレーザ測長器の光路長の差を示すカ
ウント値をゼロに設定する。この状態から、テーブルが
10°回転するようにパルスモータを駆動する。この回
転に応じてコーナーキューブはQ1変位し、カウント値
が4Q1に相当する値だけ変化する。従って、この回転
により実際に回転した角度θ1は、図6のように表され
る。
【0019】次に、角度回転機構10で反射ユニット5
を逆方向に10°回転する。角度回転機構10のパルス
モータの分解能は十分に小さくないので、初期設定入射
角がαの位置、すなわち、カウント値がゼロの位置に戻
すことはできず、カウント値がR1の位置まで戻るとす
る。この場合はR1は負の値である。この状態から、テ
ーブルが10°回転するようにパルスモータを駆動す
る。この回転に応じてカウント値は一旦ゼロに戻った
後、4Q2に相当する値まで変化する。従って、この回
転により実際に回転した角度θ2は、図6のように表さ
れる。
【0020】次に、角度回転機構10で反射ユニット5
を逆方向に10°回転する。同様にカウント値がゼロの
位置に戻すことはできず、ゼロの手前のカウント値がR
2の位置まで戻るとする。この場合はR1は正の値であ
る。この状態から、テーブルが10°回転するようにパ
ルスモータを駆動する。この回転に応じてカウント値は
4Q3に相当する値まで変化する。従って、この回転に
より実際に回転した角度θ3は、図6のように表され
る。
【0021】以上のような、テーブルの回転を36回行
うと、テーブルは正確に1回転し、最初の状態に戻る。
上記のようにして、各回転における回転角θ1〜θ36
の和は正確に360°である。すなわち、θ1+θ2+
…+θ36=360°である。Q1〜Q36とR1〜R
35は、レーザ測長器で測定した正確な値であり、この
式の変数は初期設定入射角αに対応する偏差Pだけであ
る。この式は、算術的には解けないが、偏差Pの値を、
この式を満たすように収束するように変化させれば、求
めることが可能である。このようにして、偏差P、すな
わち初期設定入射角αを算出することが可能である。
【0022】図7は、実施例における処理動作を示すフ
ローチャートである。ステップ101では、目視で干渉
ユニット1からのレーザビームが反射ユニット10に垂
直に入射するように設定する。この時の誤差が初期設定
入射角αである。ステップ102では、レーザ測長値の
カウント値をゼロに設定する。ステップ103では、テ
ーブル20が10°回転するようにパルスモータを駆動
し、その時のカウント値を記憶する。ステップ104で
は、角度回転機構10により逆方向に10°だけ回転
し、カウント値を記憶する。ステップ105でテーブル
20と角度回転機構10が1回転したか判定し、1回転
していなければステップ103に戻り、1回転するまで
ステップ103から105を36回繰り返す。
【0023】ステップ106では、ステップ103とス
テップ104で記憶したカウント値から図6の回転角度
の式を作成し、上記の初期設定入射角αに対応する偏差
Pを収束するように変化させて、この式を満たす値を算
出する。以上のようにして、初期設定入射角αが求まる
ので、初期設定入射角を変化させて所定の値、例えばゼ
ロに設定する。その後、テーブルを回転しながらレーザ
測長器で実際の回転角度を補正しながら測定し、テーブ
ルの回転誤差を測定する。また、初期設定入射角を所定
の値、例えばゼロに設定せずに、測定した初期設定入射
角の分だけ角度を補正するようにしてもよい。このよう
に、初期設定入射角による誤差が除かれるので、広い角
度範囲に渡って高精度の回転角度の測定が可能になる。
【0024】上記の実施例では、1回転を10°ずつ3
6回分回転することにより実現したが、20°ずつ18
回分の回転で実現することも可能である。その場合に
は、レーザビームが反射ユニット10に垂直に入射する
ように設定した後、テーブルを10°だけ回転した位置
から測定を開始する。また、上記の実施例では、角度回
転機構を回転軸がテーブルの回転軸に一致するようにテ
ーブル上に配置したが、角度回転機構を、テーブルの回
転に対して独立で、回転軸がテーブルの回転軸に一致す
るように配置し、ビーム干渉合成ユニットをテーブル
に、角度検出用反射手段を角度回転機構に取り付けるよ
うに配置した場合にも、同様に本発明が適用可能であ
る。
【0025】上記の実施例では、図6の回転角度の式を
作成し、初期設定入射角αに対応する偏差Pを収束する
ように変化させて、この式を満たす値を算出したが、こ
の処理はかなりの計算量が必要である。そこで、簡易に
初期設定入射角αを算出する方法について説明する。図
5に示した初期設定入射角α、回転角度θ、カウント値
Q、Rの間には、図8に示すような関係が成り立つ。r
1〜r35はカウント値R1〜R35に対応する角度で
ある。例えば、10°から20°の式を分解すると、
(1)のような式になる。ここで、カウント値r1は、
角度回転機構10の分解能により決まる値である。この
分解能は、パルスモータのパルス数や角度回転機構10
の減速率で決まる値でかなり小さな値にすることが可能
である。従ってCosr1は1であるとみなすことがで
きる。従って、10°から20°の式は(2)のような
式になる。0°から10°の式を除く他の式について
も、同様の変形が行える。
【0026】図8の式を上記のように変形した上で、す
べて加算すると、図10のような式が得られる。ここ
で、対象となる工作機械の回転精度を考慮すれば、θ1
〜θ36にはそれほどの差を生じることはないので、C
os(θn+α)−Cosαをすべて同じ値Tであると
みなすことができる。従って、図8のSinr1〜Si
nr35に関係する部分は式(4)のようになる。r1
〜r35は次のr36で1回転してゼロに戻るので、r
1〜r35の和はゼロである。従って、式(4)の値は
ゼロである。よって、図10の式は、図11の式(5)
のようになる。
【0027】いま、θ1〜θ36を10°とその差Δθ
1〜Δθ36で表すと、図11の式(5)は図12の
(6)式になる。上記のように、対象となる工作機械の
回転精度を考慮すれば、Δθ1〜Δθ36は十分に小さ
いと見なせるので、例えば、最初の式は、式(7)のよ
うに表せる。これを式(6)のすべての項に適用すれ
ば、式(6)は式(8)のようになる。ここで、テーブ
ルは正確に1回転するので、Δθ1〜Δθ36の和はゼ
ロであり、式(8)は式(9)のようになる。この式
(9)は、初期設定入射角αに対して10°回転した時
のカウント値が、カウント値Q1〜Q36の和を36で
除したカウント値、すなわちカウント値の平均で表され
ることを示している。この式であれば、カウント値の平
均から初期設定入射角αを容易に算出することができ
る。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
レーザ干渉計を利用して回転量を測定する場合、従来目
視で合わせていたレーザビームの反射ユニットへの入射
角が正確に測定できるため、測定精度を向上されること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザ干渉計を利用した工作機械の回転テーブ
ルの回転精度を測定する構成を示す図である。
【図2】レーザ干渉計の測定可能範囲を越えて回転量を
測定する方法を説明する図である。
【図3】レーザ干渉計で回転角度を測定する時の初期設
定入射角角を説明する図である。
【図4】レーザ干渉計で回転角度を測定する時の初期設
定入射角の影響を説明する図である。
【図5】本発明の実施例における回転状態の変化を示す
図である。
【図6】実施例による各回の回転角度を算出する式と、
算出した回転角度の和が360°に等しいことを示す図
である。
【図7】本発明の実施例における初期設定入射角を測定
する処理を示すフローチャートである。
【図8】実施例による初期設定入射角、各回の回転角
度、戻り角度とカウント値の関係を示す図である。
【図9】図8の関係から戻り角度を除去する過程を説明
する図である。
【図10】図8の関係から戻り角度を除去する過程を説
明する図である。
【図11】図8の関係から戻り角度を除去する過程とそ
の結果を示す図である。
【図12】図8の関係から戻り角度を除去した関係か
ら、更にカウント値の平均と初期設定入射角の関係を導
く過程を説明する図である。
【符号の説明】
1…ビーム干渉合成ユニット 2…ビームスプリッタ 3、4…コーナーキューブ 5…反射ユニット 10…角度回転ユニット 20…テーブル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビーム干渉合成ユニット(2)と、該ビ
    ーム干渉合成ユニット(2)から出射された第1及び第
    2のレーザビームが入射され、入射した前記第1及び第
    2のレーザビームを逆方向に反射する第1と第2の反射
    手段(3,4)を備える角度検出用反射手段(5)とで
    構成されるレーザ干渉計を使用した回転角度測定におけ
    る初期設定入射角測定方法であって、 前記ビーム干渉合成ユニット(2)をテーブル(20)
    の回転に対して独立である部分に固定し、前記角度検出
    用反射手段(5)をテーブルに固定された前記テーブル
    の回転軸を中心として回転する角度回転機構(10)に
    取り付けて、前記第1及び第2のレーザビームが前記角
    度検出用反射手段(5)へ初期設定入射角で入射するよ
    うに設定した後、前記テーブル(20)を1/N回転し
    た時の前記レーザ干渉計における前記第1及び第2のレ
    ーザビームの光路長の差の変化を測定して記憶し、前記
    角度回転機構(10)を逆方向に前記1/N回転した時
    の前記レーザ干渉計における前記第1及び第2のレーザ
    ビームの光路長の差の変化を測定して記憶する操作を、
    前記テーブル(20)が正確に1回転するまで繰り返
    し、測定した前記光路長の差の変化から前記初期設定入
    射角を算出することを特徴とするレーザ干渉計を使用し
    た回転角度測定における初期設定入射角測定方法。
  2. 【請求項2】 ビーム干渉合成ユニット(2)と、該ビ
    ーム干渉合成ユニット(2)から出射された第1及び第
    2のレーザビームが入射され、入射した前記第1及び第
    2のレーザビームを逆方向に反射する第1と第2の反射
    手段(3,4)を備える角度検出用反射手段(5)とで
    構成されるレーザ干渉計を使用した回転角度測定におけ
    る初期設定入射角測定方法であって、 前記角度検出用反射手段(5)をテーブル(20)の回
    転に対して独立で前記テーブルの回転軸を中心として回
    転する角度回転機構(10)に取り付け、前記ビーム干
    渉合成ユニット(2)を前記テーブルに固定し、前記第
    1及び第2のレーザビームが前記角度検出用反射手段
    (5)へ初期設定入射角で入射するように設定した後、
    前記テーブル(20)を1/N回転した時の前記レーザ
    干渉計における前記第1及び第2のレーザビームの光路
    長の差の変化を測定して記憶し、前記角度回転機構(1
    0)を逆方向に前記1/N回転した時の前記レーザ干渉
    計における前記第1及び第2のレーザビームの光路長の
    差の変化を測定して記憶する操作を、前記テーブル(2
    0)が正確に1回転するまで繰り返し、測定した前記光
    路長の差の変化から前記初期設定入射角を算出すること
    を特徴とするレーザ干渉計を使用した回転角度測定にお
    ける初期設定入射角測定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のレーザ干渉計を
    使用した回転角度測定における初期設定入射角測定方法
    であって、 前記初期設定入射角は、前記1/N回転毎の測定した前
    記光路長の差の変化から前記1/N回転毎の回転角度を
    算出し、すべての1/N回転の回転角度の和が360°
    となる式において、前記初期設定入射角を変化させて、
    当該式を満たす値を算出することにより行うレーザ干渉
    計を使用した回転角度測定における初期設定入射角測定
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載のレーザ干渉計を
    使用した回転角度測定における初期設定入射角測定方法
    であって、 前記初期設定入射角を、前記1/N回転毎の測定した前
    記光路長の差の変化のN回分の平均値を算出し、前記1
    /N回転毎の回転角度が360°/Nであるとした時の
    前記光路長の差の変化が前記平均値であるとして算出す
    るレーザ干渉計を使用した回転角度測定における初期設
    定入射角測定方法。
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