JP2000100548A - 電気加熱体、電気加熱体の製造方法、電気加熱体製造用転写紙及び電気加熱装置 - Google Patents

電気加熱体、電気加熱体の製造方法、電気加熱体製造用転写紙及び電気加熱装置

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JP2000100548A
JP2000100548A JP28350398A JP28350398A JP2000100548A JP 2000100548 A JP2000100548 A JP 2000100548A JP 28350398 A JP28350398 A JP 28350398A JP 28350398 A JP28350398 A JP 28350398A JP 2000100548 A JP2000100548 A JP 2000100548A
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Japan
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painting
layer
heat
electric heating
resistant
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JP28350398A
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English (en)
Inventor
Yukio Kodama
幸雄 児玉
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Original Assignee
KYOTO CERAMIC ART KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面に立体絵柄の絵付けを形成してなる窯業
製品の新規な用途として、陶磁器板その他の耐熱性セラ
ミック基板表面に積層形成された複数の耐熱性絵付け層
を誘導加熱又は抵抗加熱のための発熱材とする電気加熱
体を提供すること。 【解決手段】 複層陶磁器板9表面に第1絵付け層3
a、第2絵付け層5a、第3絵付け層6a、第4絵付け
層7a及び第5絵付け層8aが順次積層形成され、それ
らの内の第2耐熱性絵付け層〜第5耐熱性絵付け層は、
導電性粉末として銀粉をその配合割合が下層から上層に
向かって漸増するように含有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陶磁器板その他の
耐熱性セラミック基板表面に積層形成された複数の耐熱
性絵付け層を誘導加熱又は抵抗加熱のための発熱材とす
る電気加熱体、電気加熱体の製造方法、電気加熱体製造
用転写紙及び電気加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者は、特開平5−301496号
公報、特開平6−92089号公報及び特開平6−34
5567号公報に開示されるように、陶磁器その他の窯
業製品表面に転写紙を用いて複数の絵付け材料層を積層
形成すると共に焼成することにより、窯業製品表面に複
数の絵付け層からなる精密で安定した立体絵柄の絵付け
を形成し得ることを先に提案した。
【0003】前記窯業製品表面に形成された立体絵柄の
絵付けは、装飾性に優れるのみならず、高温で焼成され
ているために耐熱性及び高温下の品質安定性にも優れる
ものであるが、該窯業製品についてその立体絵柄の絵付
けの前記熱的特性を活かした新規な用途については未だ
報告されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】即ち、本発明の課題
は、表面に立体絵柄の絵付けを形成してなる窯業製品の
新規な用途として、陶磁器板その他の耐熱性セラミック
基板表面に積層形成された複数の耐熱性絵付け層を誘導
加熱又は抵抗加熱のための発熱材とする電気加熱体、電
気加熱体の製造方法、電気加熱体製造用転写紙及び電気
加熱装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1に
記載の電気加熱体は、耐熱性セラミック基板と、該耐熱
性セラミック基板表面に焼成により一体的に積層形成さ
れた複数の耐熱性絵付け層とからなり、少なくとも一つ
の耐熱性絵付け層が、発熱材として誘導加熱又は抵抗加
熱可能に導電性粉末を含有することを特徴としている。
【0006】導電性粉末を含有する耐熱性絵付け層は電
気抵抗の大きな導体を構成し、交番磁束の通過により渦
電流を生じると共にそれによりジュール熱を生じて誘導
加熱され、或は通電によりジュール熱を生じて抵抗加熱
される。導電性粉末の種類及び配合割合については、耐
熱性絵付け層に所要の誘導加熱又は抵抗加熱が生じるよ
うに選択される。前記導電性粉末として、誘導加熱の場
合は例えば金粉、銀粉等が好適に使用され、また抵抗加
熱の場合は例えば黒鉛粉等が使用可能である。
【0007】また、前記耐熱性セラミック基板には、最
下層の耐熱性絵付け層との融着性、密着性に優れた表面
特性を有すると共に耐熱性絵付け層の誘導加熱又は抵抗
加熱を阻害しないものの中から、強度や力学的特性に優
れ、熱疲労を起しにくく熱衝撃にも耐え得るものを選択
することが好ましく、例えば、特開平6−144914
号、特開平7−52118〜52121号、特開平8−
225359〜225362号等の公開公報に開示され
るように、陶磁器原料粉末、繊維材料、ガラス転移点が
10℃以下の熱可塑性有機質材料等を含むスラリーを抄
造してなるシート状成形体を複数積層し、加圧一体化し
て焼成したものの中から適宜選択することができる。
【0008】耐熱性セラミック基板とそれに隣接する最
下層の耐熱性絵付け層、及び隣接する耐熱性絵付け層ど
うしは、それらの各間に剥離のない安定した融着を得る
ために、両者の材質及び熱膨張率その他の物性において
互いに近似させることが好ましい。前記両者の材質及び
熱膨張率等の調整は、使用するフリット及び導電性粉末
等の種類及び組成の選択やそれらの配合割合の調節によ
り行なうことができる。この点において、例えば、請求
項2に記載のように、隣接する複数の耐熱性絵付け層
が、導電性粉末をその配合割合が下層から上層に向かっ
て漸増するように含有するものであってもよく、その場
合に、耐熱性セラミック基板に隣接或は近接する耐熱性
絵付け層について導電性粉末の配合割合が0であっても
よい。耐熱性セラミック基板上により精密で安定した立
体絵柄の絵付けを形成すると共により優れた電気加熱体
を得るために、各耐熱性絵付け層の合計厚さは、250
〜3000μm、特に300〜2000μmの範囲に保
持されることが好ましく、また耐熱性絵付け層は3層以
上積層することが好ましい。
【0009】請求項1及び2に記載の前記電気加熱体を
製造する方法は、請求項3に記載のように、耐熱性セラ
ミック基板表面に複数の絵付け材料層を積層形成し、乾
燥後、焼成して、該耐熱性セラミック基板表面に複数の
耐熱性絵付け層を一体的に積層形成するに際して、少な
くとも一つの絵付け材料層に、焼成後に得られる耐熱性
絵付け層において発熱材として誘導加熱又は抵抗加熱可
能に、導電性粉末を配合したことを特徴としている。前
記絵付け材料層には、フリット、導電性粉末及び印刷用
メジウムとしての樹脂その他が適宜の配合割合で含まれ
る。耐熱性セラミック基板表面への絵付け材料層の積層
形成には、例えば転写、スクリーン印刷、刷毛塗り、吹
き付け等が使用されるが、精密で安定した立体絵柄の絵
付けを得る点では転写法及びスクリーン印刷法が優れて
いる。既述の請求項2に記載の電気加熱体を製造するた
めに、請求項4に記載のように、隣接する複数の絵付け
材料層に導電性粉末をその配合割合が下層から上層に向
かって漸増するように配合する方法が採用される。
【0010】請求項3及び4に記載の前記電気加熱体の
製造方法に好適に使用される電気加熱体製造用転写紙
は、請求項5に記載のように、台紙と、該台紙表面に貼
着剤を介して積層形成された複数の絵付け材料層と、該
絵付け材料層を台紙上に保持するカバーコート層とから
なり、少なくとも一つの絵付け材料層が、焼成後に得ら
れる耐熱性絵付け層において発熱材として誘導加熱又は
抵抗加熱可能に、導電性粉末を含有することを特徴とし
ている。前記カバーコート層は、各絵付け材料層を薄い
被膜で確実に台紙上に保持するために、既述の特開平6
−92089号公報にも記載されるように、最上層の絵
付け材料層と最下位の絵付け材料層の間、特に最下位の
絵付け材料層の上面に配置することが好ましい。請求項
4に記載の前記電気加熱体の製造方法には、請求項6に
記載のように、隣接する複数の絵付け材料層が、導電性
粉末をその配合割合が下層から上層に向かって漸増する
ように含有する電気加熱体製造用転写紙が好適に用いら
れる。
【0011】さらに本発明では、請求項7に記載のよう
に、既述の請求項1又は2記載の電気加熱体と、該電気
加熱体の発熱材部分にジュール熱を発生させる電気エネ
ルギー供給装置とからなる電気加熱装置を提供すること
ができる。前記電気加熱体が誘導加熱対応の場合はその
発熱材部分に所要の交番磁束を与える電気エネルギー供
給装置が使用され、また前記電気加熱体が抵抗加熱対応
の場合はその発熱材部分に所要の電流を与える電気エネ
ルギー供給装置が使用される。
【0012】
〔実施例1〕
(転写紙製造工程)酸化鉛、硼酸及びシリカ等を主成分
とする融点850℃の耐熱性フリット(三河セラミック
ス製)100gにアクリル系印刷用メジウム(互応化学
工業製「OS1000」)40gを配合すると共に十分
混練し、得られたペーストを、転写紙用台紙(丸繁紙工
製)上に貼着剤としての水溶性糊剤を介して、多重環状
パターン(半径5mmの中実円の周囲に線幅9mm、線
間1.5mmで7重の円環を同心円状に描いたもの)の
図形に製版された厚さ100μmの型(中沼アートスク
リーン製)を用いてスキージにてスクリーン印刷し、最
下位の第1絵付け材料層を形成した。
【0013】次に、アクリル系転写用カバーコート樹脂
(互応化学工業製「L0176CY」)を、第1絵付け
材料層上にそれを越える広さで、厚さ100μmの型を
用いてスキージにてスクリーン印刷し、カバーコート層
を形成した。
【0014】さらに、酸化鉛、硼酸及びシリカ等を主成
分とする融点880℃の耐熱性フリット(三河セラミッ
クス製)80g、耐火度向上成分としてアルミナ2g、
誘導加熱のための導電性粉末原料として銀ペースト(大
研化学工業製「1719T)18gにアクリル系印刷用
メジウム40gを配合すると共に十分混練し、得られた
ペーストを、第1絵付け材料層上にカバーコート層を介
して、厚さ300μmの型(中沼アートスクリーン製)
を精密な版合せの下に用いてスキージにてスクリーン印
刷し、第2絵付け材料層を形成した。
【0015】続いて、酸化鉛、硼酸及びシリカ等を主成
分とする融点900℃の耐熱性フリット60g、アルミ
ナ4g、銀ペースト36gにアクリル系印刷用メジウム
40gを配合すると共に十分混練し、得られたペースト
を、第2絵付け材料層上に、前記と同じ型を精密な版合
せの下に用いてスキージにてスクリーン印刷し、第3絵
付け材料層を形成した。
【0016】次に、酸化鉛、硼酸及びシリカ等を主成分
とする融点930℃の耐熱性フリット40g、アルミナ
6g、銀ペースト54gにアクリル系印刷用メジウム4
0gを配合すると共に十分混練し、得られたペースト
を、第3絵付け材料層上に、前記と同じ型を精密な版合
せの下に用いてスキージにてスクリーン印刷し、第4絵
付け材料層を形成した。
【0017】最後に、前記の融点930℃の耐熱性フリ
ット20g、アルミナ8g、銀ペースト72gにアクリ
ル系印刷用メジウム40gを配合すると共に十分混練
し、得られたペーストを、第4絵付け材料層上に、前記
と同じ型を精密な版合せの下に用いてスキージにてスク
リーン印刷し、最上位の第5絵付け材料層を形成し、電
気加熱体製造用転写紙を得た。なお、前記最上位の第5
絵付け材料層上に、必要に応じてさらに保護材料層を積
層してもよい。
【0018】図1は本発明の実施例1に係る電気加熱体
製造用転写紙の一部断面を示す側面図であり、電気加熱
体製造用転写紙Pにおいて、転写紙用台紙1上に、貼着
剤としての水溶性糊剤2を介して多重環状パターンから
なる最下位の第1絵付け材料層3が積層され、該第1絵
付け材料層3上にそれを越える広さでカバーコート層4
が積層され、該カバーコート層4上に、第2絵付け材料
層5、第3絵付け材料層6、第4絵付け材料層7及び第
5絵付け材料層8が順次積層形成され、それらの内の第
2耐熱性絵付け材料層5から第5耐熱性絵付け材料層8
は、導電性粉末として銀粉をその配合割合が下層から上
層に向かって漸増するように含有している。
【0019】(転写及び焼成工程)前記工程で得られた
電気加熱体製造用転写紙を水に浸漬して台紙を分離、除
去した後、耐熱性セラミック基板としての20cm角の
複層陶磁器板(東レ製「9594」)の表面に貼着し、
これについて、乾燥後、電気炉(中外エンジニアリング
製「N150」)にて900℃で酸化焼成したところ、
該複層陶磁器板表面に、第1絵付け層から第5絵付け層
が一体的に積層形成されると共に精密で安定した厚さ1
100〜1200μmの立体絵柄の絵付けを有する電気
加熱体が得られた。
【0020】図2は本発明の実施例1に係る電気加熱体
の焼成前における一部断面を示す側面図であり、複層陶
磁器板9表面に、第1絵付け材料層3、カバーコート層
4、第2絵付け材料層5、第3絵付け材料層6、第4絵
付け材料層7及び第5絵付け材料層8が順次積層形成さ
れている。
【0021】図3は本発明の実施例1に係る電気加熱体
及びそれを用いた電気加熱装置の一部断面を示す側面図
あり、該電気加熱体Qにおいて、複層陶磁器板9表面に
第1絵付け層3a、第2絵付け層5a、第3絵付け層6
a、第4絵付け層7a及び第5絵付け層8aが順次積層
形成され、それらの内の第2耐熱性絵付け層から第5耐
熱性絵付け層は、導電性粉末として銀粉をその配合割合
が下層から上層に向かって漸増するように含有してい
る。
【0022】(発熱試験)前記工程で得られた電気加熱
体に電気エネルギー供給装置としての誘電装置(ハイデ
ック製試験装置、200ボルト(シングル)、周波数6
0ヘルツ、出力25000kW)を組み合わせて交番磁
束を与えたところ、出力15%、1分経過後で150℃
の発熱が得られた。
【0023】図3においては、電気加熱体Qの下方に、
内部に誘導加熱コイルを含む電気エネルギー供給装置と
しての誘電装置Rが設置されている。
【0024】〔実施例2〕 (絵付け工程)酸化鉛、硼酸及びシリカ等を主成分とす
る融点850℃の耐熱性フリット(三河セラミックス
製)100gにアクリル系印刷用メジウム(互応化学工
業製「OS1000」)40gを配合すると共に十分混
練し、得られたペーストを、実施例1に用いたものと同
様の複層陶磁器板上に、実施例1と同様の多重環状パタ
ーン(半径5mmの中実円の周囲に線幅9mm、線間
1.5mmで7重の円環を同心円状に描いたもの)の図
形に製版された厚さ100μmの型(中沼アートスクリ
ーン製)を用いてスキージにてスクリーン印刷し、最下
位の第1絵付け材料層を形成した。
【0025】さらに、酸化鉛、硼酸及びシリカ等を主成
分とする融点880℃の耐熱性フリット(三河セラミッ
クス製)80g、耐火度向上成分としてアルミナ2g、
誘導加熱のための導電性粉末原料として銀ペースト(大
研化学工業製「1719T)18gにアクリル系印刷用
メジウム40gを配合すると共に十分混練し、得られた
ペーストを、第1絵付け材料層上に、厚さ300μmの
型(中沼アートスクリーン製)を精密な版合せの下に用
いてスキージにてスクリーン印刷し、第2絵付け材料層
を形成した。
【0026】続いて、酸化鉛、硼酸及びシリカ等を主成
分とする融点900℃の耐熱性フリット60g、アルミ
ナ4g、銀ペースト36gにアクリル系印刷用メジウム
40gを配合すると共に十分混練し、得られたペースト
を、第2絵付け材料層上に、前記と同じ型を精密な版合
せの下に用いてスキージにてスクリーン印刷し、第3絵
付け材料層を形成した。
【0027】次に、酸化鉛、硼酸及びシリカ等を主成分
とする融点930℃の耐熱性フリット40g、アルミナ
6g、銀ペースト54gにアクリル系印刷用メジウム4
0gを配合すると共に十分混練し、得られたペースト
を、第3絵付け材料層上に、前記と同じ型を精密な版合
せの下に用いてスキージにてスクリーン印刷し、第4絵
付け材料層を形成した。
【0028】最後に、前記の融点930℃の耐熱性フリ
ット20g、アルミナ8g、銀ペースト72gにアクリ
ル系印刷用メジウム40gを配合すると共に十分混練
し、得られたペーストを、第4絵付け材料層上に、前記
と同じ型を精密な版合せの下に用いてスキージにてスク
リーン印刷し、最上位の第5絵付け材料層を形成した。
なお、前記最上位の第5絵付け材料層上に、必要に応じ
てさらに保護材料層が積層してもよい。
【0029】(焼成工程)前記工程で得られた、表面に
第1絵付け材料層から第5絵付け材料層を有する複層陶
磁器板について、乾燥後、電気炉(中外エンジニアリン
グ製「N150」)にて900℃で酸化焼成したとこ
ろ、該複層陶磁器板表面に、第1絵付け層から第5絵付
け層が一体的に積層形成されると共に精密で安定した厚
さ1100〜1200μmの立体絵柄の絵付けを有する
電気加熱体が得られた。
【0030】図4は本発明の実施例2に係る電気加熱体
の焼成前における一部断面を示す側面図であり、複層陶
磁器板9表面に、第1絵付け材料層3、第2絵付け材料
層5、第3絵付け材料層6、第4絵付け材料層7及び第
5絵付け材料層8が順次積層形成され、それらの内の第
2絵付け材料層5から第5絵付け材料層8は、導電性粉
末として銀ペーストをその配合割合が下層から上層に向
かって漸増するように含有している。なお、焼成後の電
気加熱体の断面構成は、図3の実施例1に示すものと同
様である。
【0031】(発熱試験)前記工程で得られた電気加熱
体について、実施例1と同様の条件で交番磁束を与えた
ところ、出力15%、1分経過後で150℃の発熱が得
られた。
【0032】〔実施例3〕 (転写紙製造工程)融点1000〜1100℃の耐熱性
フリット(独デグサ製「デグサ10115」)100g
にアクリル系印刷用メジウム(互応化学工業製「OS1
000」)40gを配合すると共に十分混練し、得られ
たペーストを、転写紙用台紙1(丸繁紙工製)上に貼着
剤としての水溶性糊剤を介して、実施例1における多重
環状パターンを直径方向に架橋してなる多重環状架橋パ
ターン(半径5mmの中実円の周囲に線幅9mm、線間
1.5mmで7重の円環を同心円状に描き、且つ該中実
円と周囲の7円環を直径方向に線幅9mmの直線で架橋
したもの)の図形に製版された厚さ100μmの型(中
沼アートスクリーン製)を用いてスキージにてスクリー
ン印刷し、最下位の第1絵付け材料層を形成した。
【0033】次に、アクリル系転写用カバーコート樹脂
(互応化学工業製「L0176CY」)を、第1絵付け
材料層上にそれを越える広さで、厚さ100μmの型を
用いてスキージにてスクリーン印刷し、カバーコート層
を形成した。
【0034】さらに、前記耐熱性フリット78g、有機
粉末フェノール樹脂(昭和高分子製「砥石用ショウノー
ルBRP−5417」)2g、抵抗加熱のための導電性
粉末として黒鉛粉末(ナカライテック製、純度97%)
20gにアクリル系印刷用メジウム40gを配合すると
共に十分混練し、得られたペーストを、第1絵付け材料
層上にカバーコート層を介して、厚さ300μmの型
(中沼アートスクリーン製)を精密な版合せの下に用い
てスキージにてスクリーン印刷し、第2絵付け材料層を
形成した。なお、前記有機粉末フェノール樹脂は、80
0℃以上での焼成時に接着剤としての機能を有し、また
焼成後は導電性を生じるものである。
【0035】続いて、前記耐熱性フリット56g、有機
粉末フェノール樹脂4g、黒鉛粉末40gにアクリル系
印刷用メジウム40gを配合すると共に十分混練し、得
られたペーストを、第2絵付け材料層上に、前記と同じ
型を精密な版合せの下に用いてスキージにてスクリーン
印刷し、第3絵付け材料層を形成した。
【0036】次に、前記耐熱性フリット34g、有機粉
末フェノール樹脂6g、黒鉛粉末60gにアクリル系印
刷用メジウム40gを配合すると共に十分混練し、得ら
れたペーストを、第3絵付け材料層上に、前記と同じ型
を精密な版合せの下に用いてスキージにてスクリーン印
刷し、第4絵付け材料層を形成した。
【0037】次に、前記耐熱性フリット12g、有機粉
末フェノール樹脂8g、黒鉛粉末80gにアクリル系印
刷用メジウム40gを配合すると共に十分混練し、得ら
れたペーストを、第4絵付け材料層上に、前記と同じ型
を精密な版合せの下に用いてスキージにてスクリーン印
刷し、第5絵付け材料層を形成した。
【0038】続いて、前記耐熱性フリット0g、有機粉
末フェノール樹脂10g、黒鉛粉末80gにアクリル系
印刷用メジウム40gを配合すると共に十分混練し、得
られたペーストを、第5絵付け材料層上に、前記と同じ
型を精密な版合せの下に用いてスキージにてスクリーン
印刷し、第6絵付け材料層を形成し、さらに前記工程を
繰り返して最上位の第7絵付け材料層を形成し、電気加
熱体製造用転写紙を得た。なお、前記最上位の第7絵付
け材料層上に、必要に応じてさらに保護材料層を積層し
てもよい。
【0039】(転写及び焼成工程)前記工程で得られた
電気加熱体製造用転写紙を水に浸漬して台紙を分離、除
去した後、耐熱性セラミック基板としての20cm角の
複層陶磁器板(東レ製「9594」)の表面に貼着し、
これについて、乾燥後、窒素置換還元焼成用電気炉(京
都市工業試験場所有)にて1000℃で還元焼成したと
ころ、該複層陶磁器板表面に7層の絵付け層が一体的に
積層形成されると共に精密で安定した厚さ1700〜1
800μmの立体絵柄の絵付けを有する電気加熱体が得
られた。
【0040】前記電気加熱体においては、複層陶磁器板
表面に、第1絵付け層から第7絵付け層が順次積層形成
され、それらの内の第2耐熱性絵付け層から第6耐熱性
絵付け層は、導電性粉末として黒鉛粉末をその配合割合
が下層から上層に向かって漸増するように含有し、第6
絵付け層と第7絵付け層とは黒鉛粉末を同等の配合割合
で含有している。
【0041】(発熱試験)前記工程で得られた電気加熱
体について立体絵付けの中心部と最外周部との間の電気
抵抗値を測定したところ、10オームを示した。前記電
気加熱体に電気エネルギー供給装置としての通電装置
(京都府中小企業総合センター所有)を組み合わせて交
流20ボルトの電流を前記両端に与えたところ、2分経
過後に100℃の発熱が得られた。
【0042】図5は本発明の実施例3に係る電気加熱装
置及びそれを用いた電気加熱装置の一部断面を示す側面
図であり、実施例3に係る電気加熱体Qに、電気エネル
ギー供給装置としての通電装置Sが配線11で接続され
ている。前記電気加熱体Qにおいて、複層陶磁器板9表
面に、第1絵付け層3a、第2絵付け層5a、第3絵付
け層6a、第4絵付け層7a、第5絵付け層8a、第6
絵付け層9a及び第7絵付け層10aが順次積層形成さ
れている。
【0043】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されるので、
表面に立体絵柄の絵付けを形成してなる窯業製品の新規
な用途として、陶磁器板その他の耐熱性セラミック基板
表面に積層形成された複数の耐熱性絵付け層を誘導加熱
又は抵抗加熱のための発熱材とする電気加熱体、電気加
熱体の製造方法、電気加熱体製造用転写紙及び電気加熱
体を用いた電気加熱装置を提供することができる。請求
項1及び2に記載の発明は前記電気加熱体を与え、請求
項3及び4に記載の発明は前記電気加熱体の製造方法を
与え、請求項5及び6に記載の発明は前記電気加熱体製
造用転写紙を与え、また請求項7に記載の発明は前記電
気加熱装置を与える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る電気加熱体製造用転写
紙の一部断面を示す側面図である。
【図2】本発明の実施例1に係る電気加熱体の焼成前に
おける一部断面を示す側面図である。
【図3】本発明の実施例1に係る電気加熱体及びそれを
用いた電気加熱装置の一部断面を示す側面図である。
【図4】本発明の実施例2に係る電気加熱体の焼成前に
おける一部断面を示す側面図である。
【図5】本発明の実施例3に係る電気加熱装置及びそれ
を用いた電気加熱装置の一部断面を示す側面図である。
【符号の説明】
3a 第1絵付け層 5a 第2絵付け層 6a 第3絵付け層 7a 第4絵付け層 8a 第5絵付け層 9 複層陶磁器板

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性セラミック基板と、該耐熱性セラ
    ミック基板表面に焼成により一体的に積層形成された複
    数の耐熱性絵付け層とからなり、少なくとも一つの耐熱
    性絵付け層が、発熱材として誘導加熱又は抵抗加熱可能
    に導電性粉末を含有することを特徴とする電気加熱体。
  2. 【請求項2】 隣接する複数の耐熱性絵付け層が、導電
    性粉末をその配合割合が下層から上層に向かって漸増す
    るように含有する請求項1記載の電気加熱体。
  3. 【請求項3】 耐熱性セラミック基板表面に複数の絵付
    け材料層を積層形成し、乾燥後、焼成して、該耐熱性セ
    ラミック基板表面に複数の耐熱性絵付け層を一体的に積
    層形成するに際して、少なくとも一つの絵付け材料層
    に、焼成後に得られる耐熱性絵付け層において発熱材と
    して誘導加熱又は抵抗加熱可能に、導電性粉末を配合し
    たことを特徴とする電気加熱体の製造方法。
  4. 【請求項4】 隣接する複数の絵付け材料層に導電性粉
    末をその配合割合が下層から上層に向かって漸増するよ
    うに配合した請求項3記載の電気加熱体の製造方法。
  5. 【請求項5】 台紙と、該台紙表面に貼着剤を介して積
    層形成された複数の絵付け材料層と、該絵付け材料層を
    台紙上に保持するカバーコート層とからなり、少なくと
    も一つの絵付け材料層が、焼成後に得られる耐熱性絵付
    け層において発熱材として誘導加熱又は抵抗加熱可能
    に、導電性粉末を含有することを特徴とする電気加熱体
    製造用転写紙。
  6. 【請求項6】 隣接する複数の絵付け材料層が、導電性
    粉末をその配合割合が下層から上層に向かって漸増する
    ように含有する請求項5記載の電気加熱体製造用転写
    紙。
  7. 【請求項7】 請求項1又は2記載の電気加熱体と、該
    電気加熱体の発熱材部分にジュール熱を発生させる電気
    エネルギー供給装置とからなる電気加熱装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100643187B1 (ko) * 2004-07-28 2006-11-10 이동형 유도가열을 위한 전사지와 이의 제조 방법 및 이들을이용한 인덕션 용기
JP2009259784A (ja) * 2008-04-16 2009-11-05 Kiju Im 発熱板材及びその製造方法
US8263905B2 (en) 2008-04-16 2012-09-11 Kiju Im Heat generation sheet and method of fabricating the same

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