JP2000095292A - 管状部材の支持構造および管状部材の固定方法 - Google Patents

管状部材の支持構造および管状部材の固定方法

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JP2000095292A
JP2000095292A JP10267994A JP26799498A JP2000095292A JP 2000095292 A JP2000095292 A JP 2000095292A JP 10267994 A JP10267994 A JP 10267994A JP 26799498 A JP26799498 A JP 26799498A JP 2000095292 A JP2000095292 A JP 2000095292A
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Takeshi Harima
武 播磨
Hiroshi Yoshimoto
弘志 吉元
Tetsuji Hiramitsu
徹至 平光
Yoshio Ogawa
義夫 小川
Takashi Izumi
孝志 和泉
Kunitoshi Sasaki
邦俊 佐々木
Hiroshi Takagi
浩 高木
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Pfizer Japan Inc
Pfizer Pharmaceuticals LLC
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Niigata Engineering Co Ltd
Pfizer Pharmaceuticals KK
Pfizer Pharmaceuticals LLC
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    • F28F9/00Casings; Header boxes; Auxiliary supports for elements; Auxiliary members within casings
    • F28F9/007Auxiliary supports for elements
    • F28F9/013Auxiliary supports for elements for tubes or tube-assemblies
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケージ型コイルやスパイラル型コイル等の各
種の管状部材に適用した場合においても、容器と管状部
材との間に生じる熱伸縮に起因した相対変位を確実に吸
収することが出来、しかも耐腐食性、滅菌性および洗浄
性に優れる管状部材の支持構造および当該管状部材の容
器への固定方法を提供する。 【解決手段】 容器内壁3に一端部が固定された横棒状
部8aの他端部に縦棒状部8bが形成されたスライドエ
キスパンションサポート8と、管状部材2aの外周面に
一端部が固定され、容器内壁3に向けて上記固定部と容
器1の中心とを結ぶ仮想線に対して傾斜する方向に延出
するとともに先端部に形成された貫通孔10にスライド
エキスパンションサポートの縦棒状部8bが相対変位自
在に挿通されたエキスパンションスペーサ9とを備えた
エキスパンション支持体5を、容器の内壁に沿って複数
設けることにより管状部材2aを容器内壁に支持し、か
つ一のレベルにおいて管状部材の下方への変位を阻止す
る係止手段14を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、培養装置、化学プ
ラント等に使用される各種の容器内部において、コイル
等の管状部材を支持するための支持構造および当該管状
部材の上記容器内部への固定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、培養装置、化学プラント
等に使用される培養槽、発酵槽、反応容器、タンク、ド
ラム類等の各種容器の内部には、熱媒や冷媒などが通る
コイル等の容器の内部を冷却または加熱する流体が流れ
る各種の管状部材が配管されている。図12および図1
3は、従来のこの種の容器内部におけるコイル(管状部
材)の支持構造を示すものである。
【0003】図12および図13に示すように、この容
器内部におけるコイルの支持構造は、容器51の内壁5
2に沿って複数本のコイル55が上下に複数配され、こ
れらコイル55の上下端がリング状の共通ヘッダ(図示
を略す。)に接続されるとともに、各共通ヘッダからの
パイプが容器壁を貫いて外部連通する、いわゆるケージ
(cage)型コイルを支持するためのものであり、上記内
壁52に円周方向に間隔をおいて容器中心に向けて突設
した複数のリブ52aに、ボルトおよびナットによって
リング状の支持プレート53を固定し、この支持プレー
ト53に、各コイル55をUボルト54aおよびナット
54bで締め付けて支持したものである。
【0004】また、図14および図15は、従来の他の
ケージ型コイルの支持構造を示すもので、容器51の内
壁52に同様にして一対の支持プレート56、57を円
周方向に設け、これら支持プレート56,57間に形成
された貫通孔にコイル55を挟み込んで、支持プレート
56,57同士をボルト58aおよびナット58bで締
めつけることにより、上記コイル55を支持したもので
ある。
【0005】ところで、上記コイル55は、いずれも内
部に冷媒や熱媒が流されて容器51内を冷却あるいは加
熱するものであるため、当該コイル55と容器51の内
壁52との間には、熱伸縮量の差異が発生する。したが
って、上述した従来のコイルの支持構造にあっては、コ
イル55をUボルト54aや支持プレート56、57で
コイル55を締付けているために、コイル55が熱膨張
や熱収縮をした際に、上記Uボルト54aや支持プレー
ト56,57との間に摺動が生じて、コイル55自体が
傷ついたり、あるいはコイル55や容器51に歪みを生
じて変形をきたす虞がある。しかも、これらコイルの支
持構造にあっては、ボルトやナット類を多く用いている
ために、化学プラント等で腐食性の高い流体を扱う場合
にあっては、これらボルト、ナット等およびその露出ね
じ部が液溜まりとなって腐食が生じやすく、また特に培
養装置等においては、当該ねじ部に内容物が強固に付着
して、洗浄性や滅菌性が悪化するといった問題点があ
る。
【0006】この問題点を一部解決したものとして、実
開平5−22395号公報に記載された容器内部におけ
るコイルの支持構造が知られている。このコイルの支持
構造は、図16に示すように、容器61の内壁62に沿
って、コイル63が容器61と略同軸をなすようにスパ
イラル状に配設されたスパイラル(spiral)型コイルの
支持構造であり、コイル63の外周側部に上下方向に延
在するサポートプレート64を溶接し、このサポートプ
レート64と容器61の内壁62との間に、サポートプ
レート64を内壁62から離間させつつ容器61内部に
支持する弾性変形可能なエキスパンションプレート6
5,66を設けたものである。
【0007】このようなコイルの支持構造にあっては、
コイル63と容器61との間に生じる熱膨張量の差によ
って、コイル63に固定されているサポートプレート6
4が内壁62対して容器61の軸方向および径方向に相
対変位した場合においても、エキスパンションプレート
64が弾性変形することにより、当該変位を吸収するこ
とができるとされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この容
器内部におけるコイルの支持構造にあっては、スパイラ
ル型コイル63全体の熱膨張・熱収縮変位を上下二つの
エキスパンションプレート65,66の弾性変形で吸収
するようにしているので、例えば高さが十数メートルの
大型のスパイラル型コイルを容器内に支持する場合に
は、熱膨張・熱収縮に起因する全相対変位量が大きくな
って、到底これを吸収することができず、この結果エキ
スパンションプレート65,66が破断したり、あるい
はコイル63や容器61に有害な歪みが生じるといった
問題点がある。したがって、このコイルの支持構造は、
小型のスパイラル型コイルには適用することができるも
のの、大型のスパイラル型コイルには適用することが困
難である。
【0009】また、上記コイルの支持構造は、もっぱら
スパイラル(spiral)型コイル用のものであるが、仮に
この支持構造を横向きにして前述したケージ型コイルに
適用した場合においても、複数本のコイル63がサポー
トプレート64に接合されているために、各コイルの軸
線方向、すなわちケージ型コイルにおける上下方向のコ
イルの熱膨張・熱収縮による相対変位には弾性変形する
ことが出来ず、よってケージ型コイルには適用すること
が出来ないという問題点がある。
【0010】本発明は、かかる従来の各種コイルの支持
構造が有する課題を有効に解決すべくなされたもので、
ケージ型コイルやスパイラル型コイル等の各種の管状部
材に適用した場合においても、容器と上記管状部材との
間に生じる熱伸縮に起因した相対変位を確実に吸収する
ことが出来、しかも耐腐食性、滅菌性および洗浄性に優
れる管状部材の支持構造および当該管状部材の固定方法
を提供するとを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
に係る管状部材の支持構造は、容器の内壁に沿って配設
され、上記容器の内部を冷却または加熱する流体が流れ
る管状部材を上記容器内壁に支持する支持構造であっ
て、上記容器内壁に一端部が固定された横棒状部の他端
部に縦棒状部が形成されたスライドエキスパンションサ
ポートと、上記管状部材の外周面に一端部が固定され、
上記容器内壁に向けて当該固定部と上記容器の中心とを
結ぶ仮想線に対して傾斜する方向に延出するとともに当
該延出部の上記管状部材よりも内壁側に形成された貫通
孔に上記スライドエキスパンションサポートの縦棒状部
が相対変位自在に挿通されたエキスパンションスペーサ
とを備えたエキスパンション支持体を、上記容器の内壁
に沿って複数設けることにより上記管状部材を上記容器
内壁に支持し、かつ一のレベルにおいて上記管状部材の
下方への変位を阻止する係止手段を設けてなることを特
徴とするものである。
【0012】ここで、請求項2に記載の発明は、上記ス
ライドエキスパンションサポートが、一つの上記縦棒状
部と一つの横棒状部のみから形成されていることを特徴
とするものであり、他方、請求項3に記載の発明は、上
記スライドエキスパンションサポートが、上記縦棒状部
の端部にさらに他の横棒状部が形成され、これら上下の
横棒状部の端部が、それぞれ上記容器内壁に固定されて
いることを特徴とするものである。
【0013】また、請求項4に記載の発明は、請求項1
〜3のいずれかに記載の管状部材が、容器内壁に沿って
複数本配設され、かつ隣接する上記管状部材間には、曲
線部または屈曲部を有し互いの間隔を保持するスペーサ
が介装されていることを特徴とするものである。
【0014】さらに、請求項5に記載の発明は、請求項
1〜4のいずれかに記載の係止手段が、上記容器内壁に
一端部が固定された横棒状部の他端部に縦棒状部が形成
されたスライドエキスパンションサポートと、上記管状
部材の外周面に一端部が固定され、上記容器内壁に向け
て当該固定部と上記容器の中心とを結ぶ仮想線に対して
傾斜する方向に延出するとともに当該延出部の上記管状
部材よりも内壁側に形成された貫通孔に該スライドエキ
スパンションサポートの縦棒状部が相対変位自在に挿通
されたエキスパンションスペーサとを備え、上記容器の
内周方向に沿って複数配設されたエキスパンション支持
体における各スライドエキスパンションサポートに、一
のレベルに固定されて、上記エキスパンションスペーサ
の下方への変位を阻止するストッパであることを特徴と
するものである。
【0015】ここで、請求項6に記載の発明は、上記ス
トッパが設けられたスライドエキスパンションサポート
は、上記縦棒状部の両端部に横棒状部が形成され、これ
ら上下の横棒状部の端部が、それぞれ上記容器内壁に固
定されていることを特徴とするものである。また、請求
項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の
エキスパンションスペーサが、上記管状部材と上記スラ
イドエキスパンションサポートの間で屈曲部または曲線
部を有することを特徴とするものである。
【0016】さらに、請求項8に記載の発明は、請求項
1〜7のいずれかに記載の発明において、上記スライド
エキスパンションサポートが、一対の上記管状部材間に
設けられ、かつエキスパンションスペーサは、それぞれ
両方の上記管状部材の外周面に各端部が固定されて上記
容器内壁に向けて延出された内壁延出部の先端部に上記
縦棒状部が挿通される貫通孔が形成されていることを特
徴とするものである。
【0017】また、請求項9に記載の発明は、請求項1
〜8のいずれかに記載の発明において、上記エキスパン
ションスペーサの貫通孔と、上記スライドエキスパンシ
ョンサポートの縦棒状部とが、互いに線接触するように
形成されていることを特徴とするものである。
【0018】次いで、請求項10に記載の本発明に係る
管状部材の固定方法は、先ず複数の管状部材からなるユ
ニットを組み立てるとともに、所定位置の上記管状部材
の外周に、外側に向けてその固定部と上記ユニットの中
心とを結ぶ仮想線に対して傾斜する方向に延出させて、
エキスパンションスペーサを固定し、次いで少なくとも
一端側に鏡板が取り付けられていない状態の容器本体
に、上記ユニットを挿入して位置決めした後に、上記エ
キスパンションスペーサの上記延出部の容器内壁側に形
成された貫通孔に、横棒状部の他端部に縦棒状部が形成
されたスライドエキスパンションサポートの当該縦棒状
部を挿入し、そのスライドエキスパンションサポートの
横棒状部の端部を上記容器内壁に固定することを特徴と
するものである。
【0019】この際に、請求項11に記載の発明は、少
なくとも一端側に鏡板が取り付けられていない状態の容
器本体の内壁に、予め当板を溶接し、この当板に上記ス
ライドエキスパンションサポートの横棒状部の端部を接
合することを特徴とするものである。
【0020】請求項1〜9のいずれかに記載の管状部材
の支持構造によれば、容器および/または管状部材が熱
膨張あるいは熱収縮することによって、管状部材が相対
変位した際に、同一レベルに設けられた係止手段を基点
とする上記管状部材の上下方向の変位動については、こ
れより上方のエキスパンション支持体におけるスライド
エキスパンションサポートの縦棒状部に沿って、管状部
材に固定されているエキスパンションスペーサが相対変
位することにより吸収される。一方、管状部材の容器径
方向への変位動は、エキスパンションスペーサによる弾
性変形と、スライドエキスパンションサポートの横棒状
部から縦棒状部へと連なる屈曲部の弾性変形により吸収
される。これにより、上記管状部材や容器に歪みを生ず
ることがない。
【0021】また、この管状部材の支持構造において
は、管状部材を支持するためにボルトやナット類を必要
としない簡易な構造であるために、固形物や液の溜まり
が生じて腐食の原因や洗浄性や滅菌性の悪化等を招くこ
とがなく、耐腐食性および洗浄性にも優れる。ここで、
スライドエキスパンションサポートの形状としては、例
えば請求項2に記載の発明のように、横棒状部と縦棒状
部とのみからなる略L字状に形成した場合には、縦棒状
部の一端部が自由端部となるために、弾性能が高く、よ
って当該スライドエキスパンションサポートの弾性変形
により、管状部材の熱膨張・熱収縮による容器径方向の
変位を円滑に吸収することができる。
【0022】他方、上記スライドエキスパンションサポ
ートを、請求項3に記載の発明のように、上記縦棒状部
の端部にさらに横棒状部が形成された略コ字状に形成す
れば、全体としての強度が向上するとともに、コの字状
構造の弾性変形により、管状部材の熱膨張・熱収縮によ
る容器径方向の変位を吸収することができる。また、請
求項4記載の発明のように、隣接する管状部材間に曲線
部または屈曲部を有するスペーサを設ければ、このスペ
ーサによって、管状部材の間隔を維持して全体の形状が
保持されるとともに、当該管状部材の熱膨張・熱収縮に
よる容器径方向の変位が、上記スペーサの弾性変形によ
り吸収される。
【0023】さらに、上記係止手段の態様としては、管
状部材を同一レベルにおいて容器の内壁に固定支持体に
よって直接固定してもよく、あるいは上記請求項5また
は6に記載の発明のように、一のレベルに配設されたエ
キスパンション支持体のスライドエキスパンションサポ
ートに、エキスパンションスペーサの下方への変位を阻
止するストッパを設けて管状部材を固定するようにして
もよい。この際、特に請求項6に記載の発明によれば、
略コ字状に形成されたスライドエキスパンションサポー
トの縦棒状部に上記ストッパを固定すれば、大きな荷重
の管状部材であってもこれを安定的に支持することが可
能になる。
【0024】また、エキスパンションスペーサの形状に
関しては、容器内壁に向けて当該固定部と上記容器の中
心とを結ぶ仮想線に対して傾斜する方向に延出するよう
に形成することにより、管状部材の径方向における変形
能を確保することができ、請求項7に記載の発明のよう
に、屈曲部または曲線部を形成すれば、より好適であ
る。例えば、管状部材とスライドエキスパンションサポ
ートとの間で屈曲された略L字状に形成すれば、当該略
L字状の構造の弾性変形によって管状部材の熱膨張・熱
収縮による容器径方向の変位を吸収することができ、よ
ってスパイラルコイルなどのような、容器内壁に沿って
同軸的にスパイラル状に配設された管状部材の支持に適
した構造となる。
【0025】さらに、ケージ型のコイルのような上下方
向に複数本配設されている管状部材を支持する場合に
は、請求項8に記載の発明のように、上記管状部材の間
にスライドエキスパンションサポートを配設し、上記エ
キスパンションスペーサとして、縦棒状部が挿通される
部分を中心として隣接する両方の管状部材の外周面に至
るV字状またはU字状に形成すれば、当該V字状または
U字状の広がり方向または狭まる方向への弾性変形によ
って、管状部材の熱膨張・熱収縮による容器径方向の変
位を吸収することができる。特に、この種のケージ型の
管状部材においては、V字状またはU字状のエキスパン
ションスペーサによって、管状部材の熱膨張・熱収縮に
よる容器周方向の変位も吸収することができるため好適
である。
【0026】また、請求項9記載の発明によれば、エキ
スパンションスペーサの貫通孔とスライドエキスパンシ
ョンサポートの縦棒状部との接触が線接触となるので、
洗浄液や水蒸気がスライドサポートの貫通孔内を流通し
やくなり、洗浄性や滅菌性が向上する。
【0027】次いで、請求項10記載の管状部材の固定
方法によれば、管状部材のユニットを組み立てるととも
に、予めエキスパンションスペーサを上記管状部材の外
周に固定し、これを容器本体に挿入しているので、管状
部材自体を狭い容器内で組立てる必要がなく、作業の効
率が向上する。また、容器内でエキスパンション支持体
を形成する作業は、それぞれのエキスパンションスペー
サの貫通孔にスライドエキスパンションサポートの縦棒
状部を挿入して位置決め後に、スライドエキスパンショ
ンサポートの横棒状部を容器内壁に溶接するだけで完了
するために、従来の支持構造と比較して、狭い容器内で
の作業量を大幅に削減することが可能となる。
【0028】この際に、請求項11記載の発明によれ
ば、管状部材のユニットを挿入する前の容器本体の内壁
に、スライドエキスパンションサポートを接合するため
の当板を溶接しているので、狭い容器内であっても障害
物のない状態で容易に当板を溶接することができ、能率
が向上するとともに、構造的にはスライドエキスパンシ
ョンサポートから容器に作用する応力を緩和することが
できる。
【0029】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)図1〜図5は、
本発明の管状部材の支持構造を、容器1の内部に、冷媒
または熱媒が循環供給されるケージ型のコイルユニット
2を支持するための支持構造に適用した第1の実施形態
を示すものである。上記コイルユニット2は、容器1の
内壁3に沿って複数本のコイル(管状部材)2aが上下
に複数配され、これらコイル2aの上下端がリング状の
共通ヘッダ2bに接続されるように構成されたものであ
り、その各共通ヘッダ2bからはパイプ4が容器壁を貫
いて外部連通する側壁外側のノズル18に接続するよう
になっている。そして、このコイルユニット2は、コイ
ル2aが上段および中段に設けられたエキスパンション
支持体5と、下段に設けられたエキスパンション支持体
6との三段において内壁3に支承されることにより、容
器1に支持されている。
【0030】上記エキスパンション支持体5は、図3に
示すように、容器1の内壁3に溶接された当板7に一端
部が固定されたスライドエキスパンションサポート8
と、コイル2aの外周面に一端部が接合され、容器1の
内壁3に向けて容器1の中心とその接合部とを結ぶ仮想
線に対して傾斜する方向に延出するエキスパンションス
ペーサ9とから概略構成されたものである。このスライ
ドエキスパンションサポート8は、一対のコイル2a間
に位置するように配設された丸棒部材であり、当板7か
ら略水平方向に延びる横棒状部8aと、この横棒状部8
aの先端部が下方に屈曲されて略鉛直方向に向く縦棒状
部8bとが形成されている。他方、エキスパンションス
ペーサ9は、所定の弾性と強度を有する金属板によって
成形されたもので、両方のコイル2aの外周面から縦棒
状部8bに向けて延出するV字状またはU字状に形成さ
れている。そして、このV字状またはU字状の先端部に
スライドサポート受け9aが一体的に接合されている。
【0031】このスライドサポート受け9aは、略水平
方向に突出する板状部材であり、その中心部には、略鉛
直方向の貫通孔10が穿設されている。そして、この貫
通孔10に、スライドエキスパンションサポート8の縦
棒状部8bが上下方向に相対変位自在に挿通されてい
る。ここで、貫通孔10は、図5に示すように、貫通方
向の中央部分が両端部分より内方に突出し、該突出部分
が上記縦棒状部8bの外径よりも僅かに大径となるよう
に形成されており、これにより貫通孔10の内壁が、縦
棒状部8bの外周面と線接触するようになっている。そ
して、このエキスパンション支持体5が設けられていな
いコイル2a間には、互いを円周方向に連結する円弧板
状のコイルスペーサ11が設けられている。
【0032】また、図4は、下段に設けられたエキスパ
ンション支持体6を示すもので、このエキスパンション
支持体6においては、コイルユニット2の全重量を支持
するするために、エキスパンションスライドサポート1
2、エキスパンションスペーサ13、およびストッパ
(係止手段)14とから構成されている。すなわち、ス
ライドエキスパンションサポート12は、同様に一対の
コイル2a間に配設されており、当板7から略水平方向
に延びる横棒状部12aと、この横棒状部12aの先端
部が下方に屈曲されて屈曲されて略鉛直方向に向く縦棒
状部12bと、さらにこの縦棒状部12bの下端部から
内壁3側に延出して端部が当板7に接合された横棒状部
12aとによって、全体として略コ字状に形成されてい
る。
【0033】また、エキスパンションスペーサ13は、
上記エキスパンションスペーサ9と略同形状に両方のコ
イル2aの外周面から縦棒状部8bに向けて延出するV
字状またはU字状に形成されている。そして、このエキ
スパンションスペーサ13においては、その先端部に略
円筒状の厚肉のスライドサポート受け13aが一体的に
接合されている。なお、このスライドサポート受け13
aに穿設された略鉛直方向の貫通孔15についても、図
5に示したものと同様に、貫通方向の中央部分が両端部
分より内方に突出して形成されることにより、当該貫通
孔15の内壁と縦棒状部12bの外周面とが、互いに線
接触するようになっている。
【0034】さらに、それぞれのスライドエキスパンシ
ョンサポート12の縦棒状部12bには、スライドサポ
ート受け13aの下方への変位を係止する上記ストッパ
14がそれぞれ同一レベルで一体的に接合されている。
そして、これらエキスパンション支持体5,6は、本実
施形態においてはそれぞれ容器1の円周方向に向けて等
間隔をおいた4個所に同一レベルで配設されている。
【0035】以上の構成からなるコイルの支持構造によ
れば、コイルユニット2内に冷媒または熱媒が流される
ことにより、コイルユニット2が熱膨張あるいは熱収縮
する結果、容器1に対して相対変位した際に、同一レベ
ルに設けられたストッパ14を基点とするコイル2aの
上下方向の変位動については、これより上方のエキスパ
ンション支持体5におけるスライドエキスパンションサ
ポート8の縦棒状部8bに沿って、コイル2aに固定さ
れているエキスパンションスペーサ9が上下方向に相対
変位することにより吸収される。また、コイル2aの容
器1の径方向への変位動は、エキスパンションスペーサ
9のV字形またはU字形が広がる方向または狭まる方向
へ弾性変形するとともに、スライドエキスパンションサ
ポート8の横棒状部8aから縦棒状部8bへと連なる屈
曲部が弾性変形することにより吸収される。この結果、
空の状態から内部に冷媒または熱媒が流れることによっ
て、コイル2aの熱膨張・熱収縮の変化量が大きくなっ
た場合においても、当該コイル2aや容器1に歪みを生
ずることがない。
【0036】また、このコイルの支持構造においては、
コイル2aを支持するために従来のもののようにボルト
やナット類を必要としないうえに、エキスパンションス
ペーサ9、13の貫通孔10、15とスライドエキスパ
ンションサポート8,12の縦棒状部8b、13bとの
接触が線接触となるので、洗浄液や水蒸気がスライドサ
ポートの貫通孔内を流通し易くなり、よって固形物や液
の溜まりが生じて腐食の原因や洗浄性や滅菌性の悪化等
を招くことがないために、耐腐食性および洗浄性にも優
れる。
【0037】加えて、下段のエキスパンション支持体6
においては、スライドエキスパンションサポート12を
略コ字状に形成しているので、ストッパ14を介して作
用するコイルユニット2のほぼ全重量を安定的に支持す
ることができるとともに、コの字状構造の弾性変形によ
り、コイル2aの熱膨張・熱収縮による容器径方向の変
位を吸収することができる。
【0038】次に、図6に基づいて、本発明に係る管状
部材の固定方法を、以上の構成からなるコイル2aの支
持構造を有する容器1内に取り付ける場合に適用した一
実施形態について説明する。先ず、図中(a)に示すよ
うに、容器1の頭部鏡板20と底部鏡板21(図ではス
カート付き底部鏡板)および筒状の容器本体22とを別
体に製作する。これと並行して、(b)に示すように、
上記容器の外において、容器内壁に沿って上下に複数配
されるコイル2aと、これらコイル2aの上下端で接続
されるリング状の共通ヘッダ2bとで形成されるケージ
型の上記コイルユニット2を組み立てる。この際に、コ
イルユニット2のコイル2a間に、コイルスペーサ11
を接合するとともに、所定位置のコイル2aに、スライ
ドサポート受け9a、13aが接合されたエキスパンシ
ョンスペーサ9、13を取り付ける。このようにして、
コイルユニット2の組立が完了した後に、当該コイルユ
ニット2について、その耐圧テストおよび気密テストを
行う。
【0039】他方、容器1については、容器本体22の
内壁3の所定位置に、当板7を溶接しておく。次に、
(c)に示すように、容器本体22内に、上記コイルユ
ニット2を挿入し、治具を用いて容器本体22に対する
位置決めを行なった後に、所定位置に固定する。この際
に、容器本体22には、予め頭部鏡板20または底部鏡
板21のいずれか一方を先行して取付けておいてもよ
い。そして、この状態において、スライドサポート受け
9a、13aの貫通孔10,15に、それぞれスライド
エキスパンションサポート8、12を挿入し、位置決め
した後に、これらスライドエキスパンションサポート
8,12を当板7に溶接する。また、スライドエキスパ
ンションサポート12については、その縦棒状部12b
に、ストッパー14が円周方向に同一レベルとなるよう
に固定する。
【0040】このようにして、上記コイルユニット2を
支持するためのすべてのエキスパンション支持体5,6
を取り付けた後に、コイルユニット2の位置決めに用い
ていた治具を取り外す。次いで、コイルユニット2の共
通ヘッダ2bと、側壁外側のノズル18との間にパイプ
4を溶接により取付ける。その際に、この状態において
未だ取り付けられていない頭部鏡板20および/または
底部鏡板21等に外側ノズル18があるのであれば、
(d)に示すように、未だ取り付けられていない頭部鏡
板20および/または底部鏡板21等を取りつけて、容
器本体22を閉じた後に、マンホールから内部に入っ
て、最終的に取り付けた頭部鏡板20および/または底
部鏡板21の外側ノズル18と、コイルユニット1との
間のパイプ4を取付ける。以上のようにして、容器1の
組立が完了した後に、(e)に示すように、最終的に当
該容器1の耐圧テスト、気密テストを行う。
【0041】このように、上記構成からなる管状部材の
固定方法によれば、コイルユニット2を組み立てるとと
もに、予めコイル2aの外周にコイルスペーサ11およ
びエキスパンションスペーサ9,13を固定し、これを
容器本体22に挿入しているので、コイルユニット2等
を狭い容器1の内で組立てる必要がなく、作業の効率が
向上する。また、容器1内でエキスパンション支持体
5,6を形成する作業は、それぞれのエキスパンション
スペーサ9,13の貫通孔10、15に、スライドエキ
スパンションサポート8,12の縦棒状部8b、13b
を挿入して位置決め後に、スライドエキスパンションサ
ポート8、12の横棒状部8a、12aを容器1の内壁
3に予め接合した当板7に溶接するのみで完了するため
に、従来の支持構造と比較して、狭い容器1内での作業
量を大幅に削減することができる。
【0042】特に、コイルユニット2を容器本体22内
に挿入する前に、容器本体22の内壁3に、上記当板7
を溶接しているので、狭い容器内であっても障害物のな
い状態で容易に当板7を溶接することができ、能率が向
上するとともに、構造的には、当板7によってスライド
エキスパンションサポート8,12から容器1に作用す
る応力を緩和することができる。
【0043】(実施の形態2)図7は、本発明に係る管
状部材の支持構造を、荷重が重く比較的温度差が小さい
ケージ型コイルユニット30の支持構造に適用した第2
の実施形態を示すもので、図1〜図5に示したものと同
一構成部分については、同一符号を付してその説明を簡
略化する。このコイルの支持構造においては、上下方向
の4個所に、コイル30aを容器1の内壁3に支持する
同様のエキスパンション支持体(図示を略す)が設けら
れており、さらに最下段となる共通ヘッダ30bと容器
1の内壁3との間には、両端部がそれぞれ内壁3および
共通ヘッダ30bの外周面に接合された固定支持体(係
止手段)31が配設されている。この固定支持体31
は、円周方向に等間隔をおいた複数箇所に、互いに同一
レベルとなるように設けられている。
【0044】したがって、このコイルの支持構造によっ
ても、第1の実施形態に示したものと同様の作用効果が
得られるほか、さらに最下段に位置する共通ヘッダ30
bと容器1の内壁3との間に、コイルユニット30を直
接容器1の内壁3に固定する固定支持体31を介装して
いるので、荷重が重いコイルユニット30に対しても、
その全重量を安定的に支持することができる。
【0045】(実施の形態3)図8は、本発明に係る管
状部材の支持構造の第3の実施形態における要部を示す
ものであり、同様に図1〜図5に示したものと同一構成
部分に付いては、同一符号を用いて、図示およびその説
明を省略する。このコイルの支持構造においては、コイ
ル2aを上下方向に近接した2個所において支持するエ
キスパンション支持体35が用いられている。すなわ
ち、このエキスパンション支持体35は、エキスパンシ
ョンスライドサポート36と、2組の上記エキスパンシ
ョンスペーサ9とから構成されている。
【0046】上記スライドエキスパンションサポート3
6は、コイル2aを支持すべき上下方向の2個所に跨る
長さ寸法の縦棒状部36bと、この縦棒状部36bの上
下端部から、それぞれ略水平方向に延出する横棒状部3
6aとからなる略コ字状に形成されており、各横棒状部
36aの先端部が内壁3に接合された当板7に溶接され
ている。そして、このスライドエキスパンションサポー
ト36の縦棒状部36bに、コイル2aの上下方向2個
所に取り付けられたエキスパンションスペーサ9のスラ
イドサポート受け9aが挿通されている。さらに、上記
縦棒状部36bには、スライドサポート受け9aを係止
するためのストッパ14が固定されている。
【0047】このようなコイルの支持構造によれば、上
述した第1および第2の実施形態と同様の作用効果が得
られるうえ、さらに一のスライドエキスパンションサポ
ート36によって、コイル2aの上下2個所を支持する
ことが可能になり、かつ各エキスパンションサポート9
における下方への変位を一定のレベルで係止することが
できる。
【0048】(実施の形態4)さらに、図9は、本発明
に係る管状部材の支持構造を、容器1内にスパイラルコ
イル(管状部材)40を支持する場合に適用した第4の
実施形態を示すものである。このスパイラルコイル40
は、容器1の内壁3に沿って同軸的にスパイラル状に配
設されたものであり、上下方向に略等間隔をおいた複数
箇所(図では3個所)において、一のエキスパンション
支持体41によって容器1の内壁3に支持されている。
このエキスパンション支持体41は、一のスライドエキ
スパンションサポート42と、3組のエキスパンション
スペーサ43,44とから構成されている。
【0049】上記スライドエキスパンションサポート4
2は、スパイラルコイル40を支持すべき上下方向の3
個所に跨る長さ寸法の縦棒状部42bと、この縦棒状部
42bの上下端部から、それぞれ略水平方向に延出する
横棒状部42aとからなる略コ字状に形成されており、
各横棒状部42aの先端部が内壁3に接合された当板7
に溶接されている。そして、上2段のスパイラルコイル
40に、それぞれエキスパンションサポート43が取り
付けられ、最下段のスパイラルコイル40にエキスパン
ションサポート44が取り付けられている。上記エキス
パンションサポート43は、スパイラルコイル40とス
ライドエキスパンションサポート42との間で屈曲され
た略L字状に形成されており、一端部がスパイラルコイ
ル40の外周面に接合されている。また、他端部には、
スライドサポート受け43aが一体的に接合され、この
スライドサポート受け43aに穿設された貫通孔45
に、上記縦棒状部42bが挿通されている。
【0050】他方、エキスパンションサポート44は、
エキスパンションサポート42を間に挟むコイル40の
2個所に一端部が接合された2つの略L形部からなり、
これら略L形部の他端部間にスライドサポート受け44
aが接合されることにより、全体としてU字状またはコ
字状に形成されている。そして、このスライドサポート
受け44aの貫通孔46に、上記縦棒状部42bが挿通
されている。また、この縦棒状部42bには、スライド
サポート受け44aの下方への変位を阻止するストッパ
(係止手段)47が固定されている。なお、これらのス
ライドサポート受け43a、44aに穿設された貫通孔
45、46についても、図5に示したものと同様に、貫
通方向の中央部分が両端部分より内方に突出して形成さ
れることにより、当該貫通孔45、46と縦棒状部42
bの外周面とが線接触するようになっている。さらに、
上下方向に隣接するスパイラルコイル40間には、コイ
ルスペーサ48が介装されている。
【0051】以上の構成からなるスパイラルコイル40
の支持構造にあっては、当該スパイラルコイル40内に
冷媒または熱媒が流されることにより、スパイラルコイ
ル40が熱膨張あるいは熱収縮して容器1に対して相対
変位した際に、同一レベルに設けられたストッパ47を
基点とするスパイラルコイル40の上下方向の変位動に
ついては、これより上方のエキスパンション支持体41
におけるスライドエキスパンションサポート42の縦棒
状部42bに沿って、スパイラルコイル40に固定され
ているエキスパンションスペーサ43が上下方向に相対
変位することにより吸収される。また、スパイラルコイ
ル40の容器1の径方向への変位動は、略L字状のエキ
スパンションスペーサ43およびU字状またはコ字状の
エキスパンションスペーサ44による弾性変形と、さら
にスライドエキスパンションサポート42の縦棒状部4
2bにおける弾性変形とにより吸収される。
【0052】したがって、上記スパイラルコイル40の
支持に適用した本実施形態においても、空の状態から内
部に冷媒または熱媒が流れて、スパイラルコイル40の
熱膨張・熱収縮の変化量が大きくなった場合において
も、これによって生じる相対変位を吸収することがで
き、よって当該スパイラルコイル40や容器1に歪みを
生ずることがない。加えて、第1ないし第3の実施形態
に示したものと同様に、支持するために従来のもののよ
うにボルトやナット類を必要としないうえに、エキスパ
ンションスペーサ43,44の貫通孔45,46と縦棒
状部42bとの接触が線接触となるので、洗浄液や水蒸
気がスライドサポートの貫通孔内を流通しやくなるため
に、固形物や液の溜まりが生じて腐食の原因や洗浄性や
滅菌性の悪化等を招くことがなく、耐腐食性および洗浄
性にも優れるといった効果も得られる。
【0053】なお、上述した各実施の形態においては、
本発明を冷媒または熱媒が流れるコイルの支持構造に適
用した場合に付いてのみ説明したが、これに限定される
ものではなく、各種の容器内に配設される様々な種類の
管状部材の支持および当該支持構造を有する容器の組立
に適用することが可能である。また、それぞれのエキス
パンション支持体5,6,35,41において、そのエ
キスパンションスペーサ9,13,43,44の先端部
に、別途貫通孔10,15,45,46が穿設されたス
ライドサポート受け9a、13a、43a、44aを一
体的に接合しているが、これに限らず、パイプを利用し
たり、上記エキスパンションスペーサの先端部を肉厚に
形成して直接貫通孔を穿設してもよい。
【0054】さらに、図5に示したように、上記エキス
パンションスペーサの貫通孔10,15,45,46の
貫通方向中央部を両端部分より内方に突出させることに
より、上記縦棒状部8b、12b、36b、42bと
が、互いに線接触するようにしたが、これに限らず、貫
通孔の一端部分が内方に突出させてもよく、さらには例
えば図10に示すように、縦棒状部25よりも貫通孔2
6を大径に形成して、互いに線接触するようにしたり、
あるいは図11に示すように、貫通孔27を大径に形成
するとともに、縦棒状部28を含むスライドエキスパン
ションサポート自体として角棒状のものを用いることに
より、互いに線接触するようにしても同様の効果を得る
ことができる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜9のい
ずれかに記載の管状部材の支持構造によれば、容器およ
び/または管状部材が熱膨張あるいは熱収縮することに
よって、管状部材が相対変位した際に、同一レベルに設
けられた係止手段を基点とする上記管状部材の上下方向
の変位動を、スライドエキスパンションサポートの縦棒
状部に沿ってエキスパンションスペーサが相対変位する
ことにより吸収し、かつ管状部材の容器径方向への変位
動を、エキスパンションスペーサによる弾性変形と、ス
ライドエキスパンションサポートの弾性変形により吸収
することができるために、ケージ型コイルやスパイラル
型コイル等の各種の管状部材に適用した場合において
も、当該管状部材や容器に歪みを生ずることがなく、し
かも管状部材を支持するためにボルトやナット類を必要
としないために、固形物や液の溜まりが生じて腐食の原
因や洗浄性や滅菌性の悪化等を招くことがなく、耐腐食
性および洗浄性にも優れるといった優れた効果が得られ
る。
【0056】ここで、特に請求項2に記載の発明によれ
ば、縦棒状部の一端部が自由端部となる結果、弾性能が
高くなり、よって当該スライドエキスパンションサポー
トの弾性変形により、管状部材の熱膨張・熱収縮による
容器径方向の変位を円滑に吸収することができ、請求項
3に記載の発明によれば、全体としての強度が向上する
とともに、コの字状構造の弾性変形により、管状部材の
熱膨張・熱収縮による容器径方向の変位を吸収すること
ができる。
【0057】さらに、請求項4記載の発明によれば、ス
ペーサによって、管状部材の間隔を維持して全体の形状
が保持されるとともに、当該管状部材の熱膨張・熱収縮
による容器径方向の変位が、上記スペーサの弾性変形に
より吸収され、また請求項6に記載の発明によれば、略
コ字状に形成されたスライドエキスパンションサポート
の縦棒状部に上記ストッパを固定することにより、大き
な荷重の管状部材であってもこれを安定的に支持するこ
とが可能になる。
【0058】また、請求項7に記載の発明によれば、屈
曲部または曲線部によって管状部材の径方向における変
形能を確保することができ、スパイラルコイルなどのよ
うな、容器内壁に沿って同軸的にスパイラル状に配設さ
れた管状部材の支持に適した構造になるとともに、さら
に請求項8に記載の発明によれば、ケージ型のコイルの
ような上下方向に複数本配設されている管状部材を支持
する場合に、V字状またはU字状をなすエキスパンショ
ンスペーサの広がり方向または狭まる方向への弾性変形
によって、管状部材の熱膨張・熱収縮による容器径方向
の変位を吸収することができるといった効果が得られ
る。
【0059】また、請求項9記載の発明によれば、エキ
スパンションスペーサの貫通孔とスライドエキスパンシ
ョンサポートの縦棒状部との接触が線接触となるので、
洗浄液や水蒸気がスライドサポートの貫通孔内を流通し
やくなり、洗浄性や滅菌性が向上する。
【0060】そして、請求項10または11に記載の管
状部材の固定方法によれば、管状部材のユニットを組み
立てる際に、予めエキスパンションスペーサを上記管状
部材の外周に固定して、これを容器本体に挿入している
ので、管状部材自体を狭い容器内で組立てる必要がなく
作業の効率が向上するとともに、容器内におけるエキス
パンション支持体の組立作業も極めて容易であるため
に、従来の支持構造と比較して、狭い容器内での作業量
を大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の管状部材の支持構造の第1実施形態を
示す縦断面図である。
【図2】図1の横断面図である。
【図3】図1の上方のエキスパンション支持体を示す斜
視図である。
【図4】図1の最下段のエキスパンション支持体を示す
斜視図である。
【図5】図3のスライドサポート受けの貫通孔部分を示
す縦断面図である。
【図6】本発明の管状部材の固定方法の一実施形態を説
明するための工程図である。
【図7】本発明の管状部材の支持構造の第2実施形態を
示す要部の縦断面図である。
【図8】本発明の管状部材の支持構造の第3実施形態を
示す要部の縦断面図である。
【図9】本発明の管状部材の支持構造の第4実施形態を
示す要部の縦断面図である。
【図10】スライドサポート受けの貫通孔部分の変形例
を示す縦断面図である。
【図11】スライドサポート受けの貫通孔部分の他の変
形例を示す縦断面図である。
【図12】従来のケージ型コイルの支持構造を示す横断
面図である。
【図13】図12のXIII−XIII線視図である。
【図14】従来の他のケージ型コイルの支持構造を示す
横断面図である。
【図15】図14のXV−XV線視図である。
【図16】従来のスパイラルコイルの支持構造を示す斜
視図である。
【符号の説明】
1 容器 2,30 ケージ型のコイルユニット 2a、30a コイル(管状部材) 3 内壁 5,6,35,41 エキスパンション支持体 7 当板 8、12、36、42 スライドエキスパンションサポ
ート 8a、12a、36a、42a 横棒状部 8b、12b、25,28、36b、42b 縦棒状部 9,13,43,44 エキスパンションスペーサ 9a,13a,43a,44a スライドサポート受け 10,15,26,27、45,46 貫通孔 11、48 コイルスペーサ 14,47 ストッパ(係止手段) 20 頭部鏡板 21 底部鏡板 22 容器本体 31 固定支持体(係止手段) 40 スパイラルコイル(管状部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉元 弘志 愛知県知多郡武豊町字5号地2番地 ファ イザー製薬株式会社名古屋工場 (72)発明者 平光 徹至 愛知県知多郡武豊町字5号地2番地 ファ イザー製薬株式会社名古屋工場 (72)発明者 小川 義夫 横浜市磯子区新磯子町27番地1号 株式会 社新潟鉄工所横浜工場 (72)発明者 和泉 孝志 横浜市磯子区新磯子町27番地1号 株式会 社新潟鉄工所横浜工場 (72)発明者 佐々木 邦俊 横浜市磯子区新磯子町27番地1号 株式会 社新潟鉄工所横浜工場 (72)発明者 高木 浩 東京都大田区蒲田本町1丁目9番3号 株 式会社新潟鉄工所エンジニアリングセンタ ー Fターム(参考) 3E070 AA03 AB01 AB09 DA01 EA01 EA04 EB02 KB02 KC01 RA01 VA30 4B029 AA02 BB01 CC01 DD01 DF01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器の内壁に沿って配設され、上記容器
    の内部を冷却または加熱する流体が流れる管状部材を上
    記容器内壁に支持する支持構造であって、上記容器内壁
    に一端部が固定された横棒状部の他端部に縦棒状部が形
    成されたスライドエキスパンションサポートと、上記管
    状部材の外周面に一端部が固定され、上記容器内壁に向
    けて当該固定部と上記容器の中心とを結ぶ仮想線に対し
    て傾斜する方向に延出するとともに当該延出部の上記管
    状部材よりも内壁側に形成された貫通孔に上記スライド
    エキスパンションサポートの縦棒状部が相対変位自在に
    挿通されたエキスパンションスペーサとを備えたエキス
    パンション支持体を、上記容器の内壁に沿って複数設け
    ることにより上記管状部材を上記容器内壁に支持し、か
    つ一のレベルにおいて上記管状部材の下方への変位を阻
    止する係止手段を設けてなることを特徴とする管状部材
    の支持構造。
  2. 【請求項2】 上記スライドエキスパンションサポート
    は、一つの上記縦棒状部と一つの横棒状部のみから形成
    されていることを特徴とする請求項1に記載の管状部材
    の支持構造。
  3. 【請求項3】 上記スライドエキスパンションサポート
    は、上記縦棒状部の端部にさらに他の横棒状部が形成さ
    れ、これら上下の横棒状部の端部が、それぞれ上記容器
    内壁に固定されていることを特徴とする請求項1に記載
    の管状部材の支持構造。
  4. 【請求項4】 上記管状部材は、上記容器内壁に沿って
    複数本配設され、かつ隣接する上記管状部材間には、曲
    線部または屈曲部を有し互いの間隔を保持するスペーサ
    が介装されていることを特徴とする請求項1ないし3の
    いずれかに記載の管状部材の支持構造。
  5. 【請求項5】 上記係止手段は、上記容器内壁に一端部
    が固定された横棒状部の他端部に縦棒状部が形成された
    スライドエキスパンションサポートと、上記管状部材の
    外周面に一端部が固定され、上記容器内壁に向けて当該
    固定部と上記容器の中心とを結ぶ仮想線に対して傾斜す
    る方向に延出するとともに当該延出部の上記管状部材よ
    りも内壁側に形成された貫通孔に該スライドエキスパン
    ションサポートの縦棒状部が相対変位自在に挿通された
    エキスパンションスペーサとを備え、上記容器の内周方
    向に沿って複数配設されたエキスパンション支持体にお
    ける各スライドエキスパンションサポートに、一のレベ
    ルに固定されて、上記エキスパンションスペーサの下方
    への変位を阻止するストッパであることを特徴とする請
    求項1ないし4のいずれかに記載の管状部材の支持構
    造。
  6. 【請求項6】 上記ストッパが設けられたスライドエキ
    スパンションサポートは、上記縦棒状部の両端部に横棒
    状部が形成され、これら上下の横棒状部の端部が、それ
    ぞれ上記容器内壁に固定されていることを特徴とする請
    求項5に記載の管状部材の支持構造。
  7. 【請求項7】 上記エキスパンションスペーサは、上記
    管状部材と上記スライドエキスパンションサポートの間
    で屈曲部または曲線部を有することを特徴とする請求項
    1ないし6のいずれかに記載の管状部材の支持構造。
  8. 【請求項8】 上記スライドエキスパンションサポート
    は、一対の上記管状部材間に設けられ、かつエキスパン
    ションスペーサは、それぞれ両方の上記管状部材の外周
    面に各端部が固定されて上記容器内壁に向けて延出され
    た内壁延出部の先端部に上記縦棒状部が挿通される貫通
    孔が形成されていることを特徴とする請求項1ないし7
    のいずれかに記載の管状部材の支持構造。
  9. 【請求項9】 上記エキスパンションスペーサの貫通孔
    と、上記スライドエキスパンションサポートの縦棒状部
    とが、互いに線接触するように形成されていることを特
    徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の管状部材
    の支持構造。
  10. 【請求項10】 先ず複数の管状部材からなるユニット
    を組み立てるとともに、所定位置の上記管状部材の外周
    に、外側に向けてその固定部と上記ユニットの中心とを
    結ぶ仮想線に対して傾斜する方向に延出させて、エキス
    パンションスペーサを固定し、 次いで少なくとも一端側に鏡板が取り付けられていない
    状態の容器本体に、上記ユニットを挿入して位置決めし
    た後に、 上記エキスパンションスペーサの上記延出部の容器内壁
    側に形成された貫通孔に、横棒状部の他端部に縦棒状部
    が形成されたスライドエキスパンションサポートの当該
    縦棒状部を挿入し、そのスライドエキスパンションサポ
    ートの横棒状部の端部を上記容器内壁に固定することを
    特徴とする管状部材の固定方法。
  11. 【請求項11】 少なくとも一端側に鏡板が取り付けら
    れていない状態の容器本体の内壁に、予め当板を溶接
    し、この当板に上記スライドエキスパンションサポート
    の横棒状部の端部を接合することを特徴とする請求項1
    0に記載の管状部材の固定方法。
JP10267994A 1998-09-22 1998-09-22 管状部材の支持構造および管状部材の固定方法 Pending JP2000095292A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010136670A (ja) * 2008-12-11 2010-06-24 Metawater Co Ltd メタン発酵槽
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