JP2000095198A - 温度コントロールベースプレート及びその制御方法 - Google Patents

温度コントロールベースプレート及びその制御方法

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JP2000095198A
JP2000095198A JP10267133A JP26713398A JP2000095198A JP 2000095198 A JP2000095198 A JP 2000095198A JP 10267133 A JP10267133 A JP 10267133A JP 26713398 A JP26713398 A JP 26713398A JP 2000095198 A JP2000095198 A JP 2000095198A
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heater
refrigerant
temperature
plate
base plate
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JP10267133A
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Hiroshi Matsuda
洋 松田
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
Original Assignee
Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境破壊のおそれのない液化窒素を冷媒とし
て用いた場合においても、設備が大型化することなく、
温度分布を小さくすることができる温度コントロールベ
ースプレート及びその温度制御方法を提供する。 【解決手段】 温度コントロールベースプレート10
を、複数のベースプレート12,14,15を積層して
形成する。複数のベースプレートは、試験体11と接
し、かつ、ヒーター16を備えたヒータープレート12
と、冷媒配管13を設けた冷媒プレート14と、ヒータ
ープレート12と冷媒プレート14との間に積層される
熱緩衝プレート15とを含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温度コントロール
ベースプレート及びその制御方法に関し、詳しくは、小
型の宇宙環境試験装置に用いられる温度コントロールベ
ースプレートに関し、特に、複数のプレートを積層さ
せ、試験体が設置される側の面内温度分布を小さくでき
る温度コントロールベースプレート及びその制御方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】小型の宇宙環境試験装置は、人工衛星に
使用する部品レベルの試験体の熱真空環境試験に用いら
れ、試験体には、任意の温度環境を提供する必要があ
る。この温度環境を提供するために、温度コントロール
ベースプレート(以下、ベースプレートと記す)が使用
されている。試験体である衛星部品は、ベースプレート
の表側の面に設置され、このベースプレートの温度を変
化させることで、各種の温度環境を試験体に与えるよう
にしている。
【0003】このベースプレートの温度コントロール
は、加熱源としては電気ヒーターを用い、冷却源として
は冷凍機で発生した冷流体や液化窒素等の冷媒を用いて
行っている。温度コントロール範囲の低温側の下限仕様
値が−70℃までの場合は、冷媒として冷凍機で生成し
た低温フロンを使用することが多く、それより低い場合
は液化窒素が使用されている。勿論、−70℃までの場
合でも液化窒素を使用することは可能であるが、高圧ガ
ス保安法による制約や完全無人運転が難しいなどの理由
から敬遠され、一般的にはフロン冷凍機が使用されてい
る。一方、高温側の温度コントロール範囲は+100〜
150℃が仕様値とされることが多く、加熱源としては
一般的にヒーターが用いられている。
【0004】図7及び図8は、従来のベースプレートの
一構造例を示すもので、図7は側面図、図8は背面図で
ある。ベースプレート1は、試験体2を設置する面1a
とは反対側の面1bに、棒状のヒーター3と、冷媒が流
れる冷媒配管4とを取付けたものであって、ベースプレ
ート1の材料としては、熱伝導度が大きく、かつ、冷媒
配管4との接合性が良好な材料、例えば銅が多く用いら
れている。通常、冷媒配管4はロウ付けにより、ヒータ
ー3は金属バンド5により、それぞれベースプレート1
に固定されている。
【0005】このようなベースプレートの温度制御方法
としては、ベースプレート1に設けられた温度検出手段
からの検出温度と、あらかじめ設定された設定温度とに
基づいて制御信号を発する温度調節計からの一つの出力
信号でヒーター出力と冷媒流量調節弁の開度とを制御す
る、いわゆるスプリットタイプ型の制御方法が採用され
ている。すなわち、検出温度が設定温度より高いときは
冷媒調節弁の開度を増大させて冷媒量を増量するととも
にヒーター出力を減少し、逆に、検出温度が設定温度よ
り低くなれば、冷媒流量を減量するとともにヒーター出
力を増加するといった制御が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】宇宙環境を模擬した試
験を行う場合、試験体によっては、ベースプレート面内
の温度分布が小さい状態での試験が要求されることがあ
る。ここでいう「温度分布」とは、ベースプレート面内
における最高温度と最低温度との差である。ベースプレ
ートに供給される冷媒は、フロン冷凍機を用いた場合
も、液化窒素を用いた場合も、ベースプレート入口部4
aにおけるその供給温度は、調節温度範囲の下限値より
低い状態となるので、入口部近傍が最も低い温度とな
り、ベースプレートを通過する間にヒーターや試験体の
熱負荷によって加温されて出口部4bの近傍が最も高い
温度となる。
【0007】このように、冷媒の流れに従って温度勾配
が発生するが、ベースプレートの材質を熱伝導度の大き
い銅としているので、熱緩衝効果によって表面での温度
分布は幾分かは小さくなる。ここで言う「熱緩衝効果」
とは、ベースプレート1の裏面1bで熱源(寒冷源)か
ら受けた熱の伝わり方が、表面1aまでの厚さ方向(図
7において垂直方向)への伝熱量に比べ、それと直角な
方向(図7において水平方向)への伝熱量の割合が大き
くなるということである。すなわち、冷媒配管4のよう
に、流れ方向に温度勾配を有する場合、冷媒配管4の入
口部4aと出口部4bとの間に温度差が生じるが、ベー
スプレート1における水平方向の伝熱が促進されること
で、ベースプレート1の表面1aにおける温度差が小さ
くなるという現象である。
【0008】しかし、それでも、ベースプレート1の表
面1aにおける温度分布は、数十度といった大きな値と
なるのが普通である。この温度分布を小さくする方法と
して、熱緩衝効果を持たせるようにベースプレート1の
板厚を大きくする方法があるが、この場合、ベースプレ
ート1の厚さが増し、これに伴って重量が増すので、真
空容器やベースプレート用の架台に不必要な強度を要し
たり、ベースプレートの着脱作業性が悪くなるといった
問題がある。特に、比重の大きい銅を用いているので、
厚さを増すということは現実的ではない。
【0009】また、冷凍機としてはフロン冷凍機が用い
られてきたが、環境破壊問題が騒がれる現在では使用が
敬遠される傾向にある。フロンの代替冷媒として液化窒
素が考えられるが、その沸点は大気圧下で−196℃で
あり、調節温度との温度差がフロン冷凍機の場合よりも
かなり大きくなるため、温度分布はより発生しやすくな
る。
【0010】温度分布を小さくする別の方法として、所
定温度(設定温度に近い温度)の冷媒を外部(真空容器
の外)で多量に作り、これをベースプレートに充分な量
を供給する方法がある。ここで、交換熱量をQ、冷媒流
量をW、冷媒の比熱をC、出入口の温度差をΔTとする
と、「Q=W×C×ΔT」という式が成り立つ。
【0011】この式から、出入口の温度差(ΔT)を小
さくするためには、冷媒流量(W)を増大すればよいこ
とがわかる。したがって、所定温度の冷媒を大量に製造
し、大量に冷媒配管に供給することによってベースプレ
ートの温度分布を小さくすることが可能ではあるが、そ
のためには、所定温度の冷媒を作るための冷凍機や熱交
換器やヒーター等が大きくなることが避けられず、設備
が大型化し、設置場所やコスト等に問題がある。
【0012】さらに、一つの制御信号で加熱源(ヒータ
ー)と冷却源(冷媒)とを同時に制御するスプリット型
の制御方法では、熱負荷の変動に伴って冷媒の流量が変
動するから、微少な温度調節が難しいという問題があっ
た。
【0013】このように、従来技術では、ベースプレー
トの表側の面内温度分布が大きくなり、また、面内温度
分布を小さくするためには設備が大型化し、さらに、微
少な温度調節が困難という問題があった。
【0014】そこで本発明は、環境破壊のおそれのない
液化窒素を冷媒として用いた場合においても、設備が大
型化することなく、温度分布を小さくすることができる
温度コントロールベースプレート及びその温度制御方法
を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の温度コントロールベースプレートは、宇宙
環境試験装置内に設置して試験体に任意の温度環境を提
供する温度コントロールベースプレートにおいて、該温
度コントロールベースプレートを、複数のベースプレー
トを積層して形成したことを特徴としている。
【0016】さらに、本発明の温度コントロールベース
プレートは、前記複数のベースプレートが、2以上のプ
レートに熱伝導度の同じ材料からなる2以上のプレー
ト、又は、熱伝導度の異なる材料からなる2以上のプレ
ートにより形成されていること、また、少なくともヒー
ター熱を受ける部分と冷媒熱を受ける部分とを有し、該
ヒーター熱を受ける部分と冷媒熱を受ける部分とが別の
プレートで形成されていることを特徴としている。
【0017】特に、前記複数のベースプレートが、前記
試験体と接し、かつ、ヒーターを備えたヒータープレー
トと、冷媒配管を設けた冷媒プレートと、前記ヒーター
プレートと前記冷媒プレートとの間に設けられた熱緩衝
効果を有する熱緩衝プレートとを含んでいることを特徴
とし、さらに、熱緩衝プレートが、前記ヒータープレー
ト及び/又は前記冷媒プレートよりも熱伝導度の小さい
材料で形成されていること、ヒータープレートが、試験
体と接する面と反対側の面にヒーター取付け用の溝を有
し、該溝内にヒーターが取付けられていること、冷媒プ
レートに取付けられる冷媒配管の冷媒導入側と冷媒導出
側とが、冷媒同士が熱交換可能な状態で隣接して並列に
配置されていることを特徴としている。
【0018】また、本発明の温度コントロールベースプ
レートの制御方法は、ヒーターを取付けたヒータープレ
ートと、冷媒を流す冷媒配管を取付けた冷媒プレートと
を含む複数のベースプレートを積層して構成され、宇宙
環境試験装置内に設置して試験体に任意の温度を提供す
る温度コントロールベースプレートの温度を制御する方
法であって、前記ヒーターの制御と前記冷媒量の制御と
を、それぞれ別々の制御信号で行うことを特徴とし、特
に、前記ヒーターの制御信号が、前記ヒータープレート
に取付けられた温度検出手段からの検出信号と、あらか
じめ設定された設定温度とを比較してその結果に基づい
て前記ヒーターの出力を制御する温度制御信号であり、
前記冷媒量の制御信号が、前記設定温度に応じて前記冷
媒配管に設けられた弁の開度を制御する弁開度信号であ
ることを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】図1乃至図4は、本発明の温度コ
ントロールベースプレートの一形態例を示すもので、図
1は側面図、図2は背面図、図3はヒータープレートの
背面図、図4はヒータープレートの要部断面図である。
【0020】この温度コントロールベースプレート10
は、試験体11を設置する表面側のヒータープレート1
2と、裏面に冷媒配管13が取付けられた冷媒プレート
14と、両プレート12,14の間に積層された熱緩衝
プレート15との三層構造に形成されている。
【0021】図3及び図4に示すように、前記ヒーター
プレート12の背面(試験体11と接する面の反対側の
面)には、ヒーター16の外径と略同じ幅のヒーター溝
17が設けられており、ヒーター16は、このヒーター
溝17内に埋め込まれた状態で取付けられている。これ
により、ヒーター16とヒータープレート12との接触
面積を大きくすることができ、伝熱効率を向上できると
ともに、ヒーター16の非接触部分の面積を相対的に小
さくできるから、ヒーター16の表面温度が低く抑えら
れ、温度コントロール精度を高めることができる。この
ヒータープレート12の材質としては、熱伝導度が大き
くて軽量であるものが好ましく、特にアルミニウムが好
適である。なお、ヒーター16は、温調制御を容易に行
えるので、複数本を並列あるいは直列に接続するように
してもよい。
【0022】冷媒配管13は、冷媒プレート14の裏面
(ベースプレート10において試験体11と接する面の
反対側の面)に、金属バンド18や従来と同様のロウ付
け、あるいはこれらの併用により取付けられており、そ
の冷媒導入側13aと冷媒導出側13bとは、配管内を
流れる冷媒同士が熱交換可能なように隣接して並列に配
置されている。すなわち、熱負荷を与えられて温度上昇
した導出側の高温の冷媒と、導入側の低温の冷媒とを熱
交換させることにより、この部分の面内温度分布をより
小さくすることができる。この冷媒プレート14の材質
としては、熱伝導度の大きなもの、特に銅が好適であ
る。
【0023】また、熱緩衝プレート15は、冷媒プレー
ト14が冷媒から受けた冷熱を平均化してヒータープレ
ート12に伝達するため、必要に応じて設けられるもの
であって、ベースプレート10の厚さ方向(垂直方向)
への伝熱に少し抵抗を加えることで、これと直角な方向
(水平方向)への伝熱量の比率を上げる熱緩衝効果を利
用してヒータープレート12に達する熱の温度差を小さ
くし、これにより、ベースプレート10の面内温度分布
をより小さくするようにしている。この熱緩衝プレート
15の材質としては、ヒータープレート12や冷媒プレ
ート14に用いるアルミニウムや銅より熱伝導度が小さ
いものが好適であり、試験体11の試験仕様に合わせて
選択することができる。例えば、ある温度から別の温度
への移行速度を大きくする必要がある場合には、薄目の
ステンレス板を選択すればよく、また、冷却速度が遅く
てもよい場合には厚手のステンレス板や、熱伝導度のさ
らに小さい金属や金属以外の材質を選択することができ
る。
【0024】これらの各プレートは、ボルト等の締付け
手段や締結手段で一体化することができるが、ボルト等
には、熱伝導度の小さい材質を選定し、ここからの伝熱
を極力抑えることが望ましく、例えば、FRP製のボル
トを使用して締付け一体化することが最適である。
【0025】このように、ベースプレート10を複数の
プレートを積層して形成することにより、全体の熱緩衝
効果を大きくすることができるので、試験体11に接す
る面の面内温度分布を小さくできるとともに、ヒーター
16と冷媒配管13とを別のプレートに取付けて高温部
分と低温部分とが同一プレートに存在しないようにする
ことにより、一つのプレートにおいてヒーター近傍が高
温になり、冷媒配管近傍が低温になるという温度分布を
生じることが無いので、これらの相乗効果で、ベースプ
レート10の面内温度分布を格段に小さくすることがで
きる。
【0026】なお、ヒータープレート12と冷媒プレー
ト14との位置関係を逆転させることもできるが、制御
性の面から、ヒータープレート12を試験体11側にす
ることが好ましい。すなわち、ヒーター16は、その長
さに関係無く、長さ方向に対して均等に発熱させること
ができ、温度差がほとんど発生しないので、ヒーター1
6を単独でヒータープレート12に取付けることによ
り、容易に均一な温度分布を得ることができる。
【0027】したがって、冷媒プレート14では、設定
温度に応じた一定流量の冷媒を常時冷媒配管13に流す
ことによって一定の低温状態を作り出すとともに、ヒー
タープレート12においてヒーター16の出力制御を行
うことにより、試験体11と接する面を容易にかつ確実
に所定の温度にすることができる。
【0028】図5は、本発明方法の一形態例を示すもの
で、上述のように形成して真空容器20内に設置された
ベースプレート10の温度制御を行う制御系の一例を示
す説明図である。本形態例に示す制御方法は、制御手段
として一般的な温度調節計21を使用した場合であっ
て、ヒータープレート12に設けられた温度検出手段
(TI)22と、AC電源23とヒーター16との間に
設けられたサイリスタ24と、液体窒素貯槽25から冷
媒配管13に供給する冷媒(液化窒素)量を調節する冷
媒流量調節弁26と、温度調節計21からの信号によっ
て冷媒流量調節弁26の開度を制御するシーケンサー2
7とにより構成されている。
【0029】まず、温度調節計21からは、現在の設定
温度がアナログ信号でシーケンサー27に送られ、シー
ケンサー27は、これを受けて、あらかじめ入力された
プログラムに従って冷媒流量調節弁開度調節用の制御信
号を出す。これにより、冷媒流量調節弁26が、その時
の設定温度において一定開度になるように調節され、冷
媒配管13に一定量の液化窒素が供給されることによっ
て冷媒プレート14が略一定の温度に維持される。
【0030】さらに、温度調節計21は、温度検出手段
22からの検出信号を入力値として受け入れ、あらかじ
め入力された設定値と比較した結果に基づき、ヒーター
出力制御手段であるサイリスタ24に制御信号を出力し
てヒーター出力を制御する。これにより、ヒータープレ
ート12が所定の温度に調節された状態になる。すなわ
ち、熱負荷に応じてヒーター出力を調節するだけで温度
調節を行うようにしている。
【0031】図6は、本発明方法の他の形態例を示すも
ので、制御系にコンピューター28を用いたものであ
る。このようにコンピューター28を使用し、各設定温
度に対して冷媒流量調節弁26の開度をあらかじめプロ
グラミングしておくことにより、設定温度への移行をよ
り迅速に行えるとともに、所定温度の保持をより確実に
行うことができる。
【0032】すなわち、本発明方法は、ヒーター出力を
制御する信号と冷媒量を制御する信号とを別々の信号と
し、冷媒はその時の設定温度において一定量となるよう
な制御として冷媒プレート14を一定の低温状態に保持
し、試験体11の熱負荷変動による微少な温度変化に対
してはヒーター16の出力を制御することで行うことに
より、従来のようなスプリット型制御で冷媒流量を変化
させて制御する方法に比較して、ベースプレート10の
面内温度分布をより小さくすることができる。
【0033】
【実施例】前記形態例に示す構造で、幅400mm,長
さ500mmのベースプレートを作成した。その仕様と
して、温度コントロール範囲は−100℃〜+100
℃、温度移行速度は毎分2℃以上とした。ヒータープレ
ートは厚さ10mmのアルミニウム板で、熱緩衝プレー
トは厚さ2mmのステンレス板で、冷媒プレートは厚さ
20mmの銅板で、それぞれ形成するとともに、ヒータ
ープレートに設けた雌ねじ穴に、熱緩衝用プレート及び
冷媒プレートに設けた挿通孔を通してFRP製のボルト
をねじ込み、各プレートを一体化した。
【0034】ヒーターには、直径4mm,長さ約8mで
容量が1500Wのシーズ型ヒーターを使用し、ヒータ
ープレートの裏面に設けた幅4mm,深さ6mmのヒー
ター溝内に埋め込んだ。冷媒配管には外径14mm、内
径12mmの銅製パイプを使用し、冷媒プレートの裏面
に金属バンドで固定した後、真空ロウ付けを行った。冷
媒には液化窒素を使用した。また、冷媒流量調節弁に
は、Cv値が0.25のものを使用した。
【0035】ここで、上述のようなベースプレートの熱
バランスは次式であらわされる。すなわち、 Q1=Q2+Q3+Q4 Q1:冷媒の取去る熱量 Q2:試験体の熱負荷 Q3:ヒーター出力 Q4:ヒートロス この式において、試験体が無い場合のヒーター出力Q
3′は、試験体の熱負荷Q2を補わなければならないの
で、「Q3′=Q2+Q3」で表すことができる。
【0036】実際に試験体を設置した場合の試験(実際
の装置)においては、ヒーターが働く状態、即ちQ3≧
0であれば、設定温度でのコントロールは可能であり、
「Q3=0」という限界状態を想定すれば、「Q3′=
Q2」となる。
【0037】すなわち、試験体が無い場合の実験でヒー
ター出力Q3′を測定し、その測定結果が試験体の熱負
荷Q2より大であれば、試験体のある場合(実際の装
置)の効果を確認することができる。
【0038】効果の確認実験では、各設定温度に対して
冷媒量を変化させ、各冷媒量において、ベースプレート
の試験体側の温度を略設定温度に維持するために必要な
ヒーター出力を求め、各設定温度において、ベースプレ
ートの温度分布が4℃となるときのヒーター出力を求め
た。このとき、冷媒量を少なくすれば寒冷量が減るので
ヒーター出力も小さくなり、両者の関係によって温度分
布にも影響が出る。
【0039】その結果、設定温度が−95℃の場合、ヒ
ーター出力が約260Wのときに温度分布が4℃とな
り、以下、設定温度が−50℃の場合は約360W,同
様に0℃で約360W,+50℃で約460W,+95
℃で約440Wという結果が得られた。
【0040】そして、上述の400×500mm程度の
サイズのベースプレートを使用する場合の試験体の熱負
荷(Q2)は、最大でも200W程度であるから、上述
の実験結果のヒーター出力値(Q3′)は、最大の熱負
荷に対して十分に余裕のある数値であるといえる。すな
わち、最もヒーター出力値が小さい−95℃の場合でも
60Wの余裕があるので、ヒーター出力を調節すること
により、温度分布が4℃の範囲内で温度制御が可能なこ
とがわかる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の温度コン
トロールベースプレートによれば、環境破壊のおそれの
ない液化窒素を冷媒として用いた場合においても、設備
が大型化することなく、温度分布を小さくできる温度コ
ントロールベースプレートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の温度コントロールベースプレートの
一形態例を示す側面図である。
【図2】 同じく背面図である。
【図3】 ヒータープレートの背面図である。
【図4】 ヒータープレートの要部の断面図である。
【図5】 本発明の温度コントロールベースプレートの
制御方法の一形態例を示す説明図である。
【図6】 本発明の制御方法の他の形態例を示す説明図
である。
【図7】 従来の温度コントロールベースプレートの一
例を示す側面図である。
【図8】 同じく背面図である。
【符号の説明】
10…温度コントロールベースプレート、11…試験
体、12…ヒータープレート、13…冷媒配管、13a
…冷媒導入側、13b…冷媒導出側、14…冷媒プレー
ト、15…熱緩衝プレート、16…ヒーター、17…ヒ
ーター溝、18…金属バンド、20…真空容器、21…
温度調節計、22…温度検出手段、23…AC電源、2
4…サイリスタ、25…液体窒素貯槽、26…冷媒流量
調節弁、27…シーケンサー、28…コンピューター

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 宇宙環境試験装置内に設置して試験体に
    任意の温度環境を提供する温度コントロールベースプレ
    ートにおいて、該温度コントロールベースプレートを、
    複数のベースプレートを積層して形成したことを特徴と
    する温度コントロールベースプレート。
  2. 【請求項2】 前記複数のベースプレートは、2以上の
    プレートに熱伝導度の同じ材料からなる2以上のプレー
    ト、又は、熱伝導度の異なる材料からなる2以上のプレ
    ートにより形成されていることを特徴とする請求項1記
    載の温度コントロールベースプレート。
  3. 【請求項3】 前記複数のベースプレートは、少なくと
    もヒーター熱を受ける部分と冷媒熱を受ける部分とを有
    し、該ヒーター熱を受ける部分と冷媒熱を受ける部分と
    が別のプレートで形成されていることを特徴とする請求
    項1記載の温度コントロールベースプレート。
  4. 【請求項4】 前記複数のベースプレートは、前記試験
    体と接し、かつ、ヒーターを備えたヒータープレート
    と、冷媒配管を設けた冷媒プレートと、前記ヒータープ
    レートと前記冷媒プレートとの間に設けられた熱緩衝効
    果を有する熱緩衝プレートとを含んでいることを特徴と
    する請求項1記載の温度コントロールベースプレート。
  5. 【請求項5】 前記熱緩衝プレートは、前記ヒータープ
    レート及び/又は前記冷媒プレートよりも熱伝導度の小
    さい材料で形成されていることを特徴とする請求項4記
    載の温度コントロールベースプレート。
  6. 【請求項6】 前記ヒータープレートは、前記試験体と
    接する面と反対側の面にヒーター取付け用の溝を有し、
    該溝内にヒーターが取付けられていることを特徴とする
    請求項4又は5記載の温度コントロールベースプレー
    ト。
  7. 【請求項7】 前記冷媒プレートに取付けられる冷媒配
    管は、その冷媒導入側と冷媒導出側とが、冷媒同士が熱
    交換可能な状態で隣接して並列に配置されていることを
    特徴とする請求項4又は5記載の温度コントロールベー
    スプレート。
  8. 【請求項8】 ヒーターを取付けたヒータープレート
    と、冷媒を流す冷媒配管を取付けた冷媒プレートとを含
    む複数のベースプレートを積層して構成され、宇宙環境
    試験装置内に設置して試験体に任意の温度を提供する温
    度コントロールベースプレートの温度を制御する方法で
    あって、前記ヒーターの制御と前記冷媒量の制御とを、
    それぞれ別々の制御信号で行うことを特徴とする温度コ
    ントロールベースプレートの温度制御方法。
  9. 【請求項9】 前記ヒーターの制御信号が、前記ヒータ
    ープレートに取付けられた温度検出手段からの検出信号
    と、あらかじめ設定された設定温度とを比較し、その結
    果に基づいて前記ヒーターの出力を制御する温度制御信
    号であり、前記冷媒量の制御信号が、前記設定温度に応
    じて前記冷媒配管に設けられた弁の開度を制御する弁開
    度信号であることを特徴とする請求項8記載の温度コン
    トロールベースプレートの温度制御方法。
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