JP2000094559A - 耐火性複合建材 - Google Patents

耐火性複合建材

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JP2000094559A
JP2000094559A JP10265115A JP26511598A JP2000094559A JP 2000094559 A JP2000094559 A JP 2000094559A JP 10265115 A JP10265115 A JP 10265115A JP 26511598 A JP26511598 A JP 26511598A JP 2000094559 A JP2000094559 A JP 2000094559A
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JP10265115A
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Kichiya Matsuno
吉弥 松野
Tetsuji Ogawa
哲司 小川
Kenji Sato
健司 佐藤
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Ibiden Co Ltd
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Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性,加工性,釘打ち性,耐水性を維持し
つつ,耐衝撃性,表面強度を向上させ,また,表面の塗
布性をより改善した耐火性複合建材を提供する。 【解決手段】 板状体3の少なくとも一方の面に,熱硬
化性樹脂1および無機質繊維2からなる補強層4を設け
ている。板状体は,例えば,軽量骨材又は,無機発泡体
および結合剤からなる。板状体3は,無機発泡体および
結合剤からなる芯層30の両面もしくは片面に鉱物質繊
維および結合剤からなる外層31が形成されていること
が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本願発明は,建築材料に関するものであっ
て,耐熱性,加工性,釘打ち性,耐水性を維持しつつ,
表面強度を向上させた耐火性複合建材に関する。
【0002】
【従来技術】一般に,天井材,壁材に用いられる不燃又
は準不燃の規格を満たす材料としては,石膏ボードが使
用されている。石膏ボードは,耐熱性,加工性に優れる
が,は耐水性に劣る。このため,石膏ボードに代わる材
料として特開平7−9617号公報や特開平7−197
591号公報に記載されているように,無機発泡体,有
機質繊維および結合剤からなる芯層の両面もしくは片面
に鉱物質繊維,有機質繊維および結合剤からなる外層が
形成された板状体が提案されている。
【0003】
【解決しようとする課題】ところが,このような板状体
は,脆くかつ表面の強度が低く,化粧単板などを貼付し
ても耐衝撃性がないため,割れたり,表面にキズなどが
生じやすいという問題が見られた。また,実際に塗装を
行うと板状体は多孔質であるため,表面の凹凸が反映し
てつやが生じないという問題も知見された。
【0004】本願発明は,このような板状体のもつ未解
決の課題を克服し,耐熱性,加工性,釘打ち性,耐水性
を維持しつつ,耐衝撃性,表面強度を向上させ,また,
表面の塗布性をより改善した耐火性複合建材を提案する
ことを目的とする。
【課題の解決手段】
【0005】本願に係る第1発明は,軽量骨材からなる
板状体の少なくとも一方の面に,熱硬化性樹脂および無
機質繊維からなる補強層を設けていることを特徴とする
耐火性複合建材である。
【0006】第1の発明において最も注目すべきこと
は,軽量骨材からなる板状体の少なくとも一方の面に,
熱硬化性樹脂及び無機質繊維からなる補強層を設けてい
ることである。
【0007】軽量骨材自体は,脆く表面が多孔質である
ため,塗装が困難であり,また,化粧単板などを貼付し
ても,衝撃などで割れたり,表面に凹みなどのキズが発
生しやすい。そこで,第1発明の耐火性複合建材では,
軽量骨材からなる板状体の少なくとも一方の面に熱硬化
性樹脂および無機質繊維からなる補強層を設けている。
これにより,耐火性複合建材の表面は熱硬化性樹脂が含
浸されて完全に緻密化し,塗装によるつや出しが可能と
なる。また,軽量骨材自体の強度を高くすることが可能
となる。さらに,板状体に補強層を設けても,軽量骨材
自体の本来の性質,耐熱性,加工性,釘打ち性,耐水性
を低下させない。このため,石膏を芯材に使用した場合
に比べて,耐水性にも優れるのである。それゆえ,本発
明では,キッチンや水廻りおよび耐衝撃性が要求される
壁材に最適である。
【0008】また,第1発明の耐熱性複合建材は,熱硬
化性樹脂および無機質繊維からなる補強層,並びに板状
体からなるため,加工性に優れている。しかも高強度の
補強層を,板状体の表面に形成して,引っ張りの力が加
わった場合でも破壊が起きないようにしている。また,
表面に局所的に圧力が加わっても凹みや窪みが生じな
い。
【0009】上記補強層は,少なくとも板状体の裏面側
(室内側の反対側)に形成されていることが好ましい。
表面側からの圧力に対して高い強度を得るためである。
また,補強層は,板状体の片面のみ,あるいは板状体の
両面に形成されていてもよい。また,補強層に含まれて
いる熱硬化性樹脂は,熱可塑性樹脂と異なり,耐火性に
優れ,高温化でも軟化しないため,補強層としての機能
が失われない。さらに,第1発明の耐火性複合建材は,
軽量骨材,熱硬化性樹脂および無機質繊維から構成され
るため,軽量で加工性に優れている。
【0010】上記板状体は,軽量骨材からなる。軽量骨
材としては,例えば,後述する無機発泡体及び結合剤を
用いることができる。また,コンクリート,モルタルな
どの骨材の質量軽減目的で用いる,普通の岩石よりも比
重の小さい材料を用いることもでき,その具体例として
は,パーライト,シラスバルーンなどがある。
【0011】また,上記板状体は,有機質繊維を有する
ことが好ましい。これにより,耐火性複合建材の曲げ強
度が向上する。有機質繊維としては,具体的には,麻,
大麻,ジュート等の靱皮繊維,ザイサル麻,マニラ麻,
ニュージーランド麻などの葉繊維が挙げられ,合繊繊維
としてはポリエステル,ナイロン,アクリル繊維があ
る。このほか,パルプなどを使用してもよい。
【0012】板状体における有機質繊維の含有量は,1
〜25重量%が望ましい。1重量%未満の場合は板状体
が脆くなり,25重量%を超える場合は耐熱性が低下し
てしまうからである。
【0013】望ましい板状体の態様として,上記板状体
を構成する軽量骨材は,無機発泡体及び結合剤からな
り,かつ上記板状体は,該軽量骨材の他に有機質繊維を
含み,上記板状体は,無機発泡体45〜95重量%,有
機質繊維1〜25重量%,及び結合剤1〜35重量%か
らなるものがある。これにより,耐火性複合建材の曲げ
強度が向上する。また,板状体の寸法安定性,耐熱性,
加工性,釘打ち性及び耐水性が更に向上する。
【0014】また,板状体は,更に,水酸化アルミニウ
ム,水酸化マグネシウムなどの難燃化剤を添加してもよ
い。
【0015】補強層に含まれている熱硬化性樹脂は,フ
ェノール樹脂,メラミン樹脂,エポキシ樹脂,ポリイミ
ド樹脂,尿素樹脂などがよい。
【0016】補強層に含まれている無機質繊維として
は,ガラス繊維,ロックウール,セラミックファイバー
が望ましい。低価格で耐熱性,強度に優れるからであ
る。無機質繊維は,非連続の繊維がマット状に成形され
ていてもよく,また,連続長繊維を3〜7cmに切断し
てマット状にしたもの(チョップドストランドマッ
ト),水で分散させシート状にすきあげる,あるいは連
続長繊維を渦巻き状に積層しマット状にしたもの,さら
には連続長繊維を織りあげたものでもよい。上記補強層
は,ガラス繊維のシートに熱硬化性樹脂を含浸させ硬化
してなることが好ましい。これにより,耐火性複合建材
の強度が更に向上する。
【0017】補強層に含まれる熱硬化性樹脂の含有量
は,10重量%〜65重量%であることが望ましい。こ
の理由は,この範囲では,充分な剛性,耐衝撃性などが
得られ,かつ高い耐火性を維持できるからである。
【0018】上記補強層の厚さは,0.2mm〜3.5
mmが望ましい。この理由は,この範囲では,充分な剛
性,耐衝撃性などが得られ,かつ高い加工性を維持でき
るからである。
【0019】また,上記補強層には,水酸化アルミニウ
ム,水酸化マグネシウムなどの難燃化剤,ならびにシリ
カゾル,アルミナゾル,水ガラスなど一般に使用される
無機質の結合剤を添加してもよい。
【0020】また,耐火性複合建材の表面または裏面の
いずれか一方もしくは両方には,化粧層が設けられてい
ることが好ましい。補強層の上に塗装や化粧板,化粧単
板などの化粧層を設けることになるので,耐衝撃性が向
上して,凹みなどのキズが生じにくくなり,化粧面がキ
ズにより歪んで意匠性を低下させることがない。
【0021】化粧層としては,耐火性複合建材表面の装
飾を目的として使われる層状体をいい,色と表面の模様
が要素である。化粧層としては,一般に樹脂シートと支
持材料とを組み合わせたものがある。
【0022】次に,板状体に補強層を設けて,第1発明
の耐火性複合建材を製造する方法を説明する。 無機,有機バインダなどを含浸させた無機質繊維を予
めシート状,マット状,板状など各種の形状に成形し,
ここに熱硬化性樹脂組成物を含浸,乾燥,硬化させて補
強シートとし,この補強シートを接着剤を介して板状体
に貼付する方法がある。
【0023】また,無機質繊維のマットに樹脂組成物
を含浸,乾燥した後,加熱プレスし,熱硬化性樹脂を硬
化せしめて成形して補強シートとし,これを接着剤を介
して板状体に貼付する方法でもよい。あるいは,無機
質繊維のマットに樹脂組成物を含浸,乾燥させて補強シ
ートとし,これを板状体に積層し,加熱プレスし,熱硬
化性樹脂を硬化せしめて成形する方法でもよい。また,
板状体に熱硬化性樹脂を塗布しておき,ここに補強シー
トを載置し,加熱プレスする方法でもよい。
【0024】さらに,ガラス繊維,ロックウール,セ
ラミックファイバーの繊維表面にフェノール樹脂などの
熱硬化性樹脂をBステージでコーティングしておき,多
孔質無機芯材に積層して加熱プレスする方法も採用でき
る。繊維表面に熱硬化性樹脂をBステージでコーティン
グしておく方法では,含浸した樹脂との密着性が向上
し,また繊維同士を接着しやすく,また樹脂の含浸率を
改善できるため有利である。
【0025】このようなコーティングの方法としては,
ガラス繊維,ロックウール,セラミックファイバーの原
料溶融物をノズルから流出させて,ブローイング法ある
いは遠心法により,繊維化し,この繊維化と同時にフェ
ノール樹脂などの熱硬化性樹脂の溶液を吹きつけて集綿
するのである。
【0026】なお,ガラス繊維,ロックウール,セラミ
ックファイバーを使用する場合は,シランカップリング
剤をコーティングしておくとよい。補強層を設ける場合
の加熱温度は,80〜250℃,圧力は,50〜100
kg/cm2 が望ましい。
【0027】このようにして得られた耐火性複合建材の
表面,裏面には,必要に応じて塗装を施したり,化粧
板,化粧単板を接着剤等で貼りつけて化粧層を形成する
ことができる。塗装は,各種顔料,インクなどを印刷,
吹きつけすることにより行う。また,化粧板は,フェノ
ール樹脂含浸コア層,メラミン樹脂含浸パターン層,メ
ラミン樹脂含浸オーバーレイ層からなる3層構造の化粧
板やメラミン樹脂含浸バッカー層,フェノール樹脂含浸
コア層,メラニン樹脂含浸パターン層,メラミン樹脂含
浸オーバーレイ層からなる4層構造の化粧板を使用でき
る。特にコア層としてフェノール樹脂含浸コア層を持つ
化粧板の場合は,表面強度が著しく高くなるため,床材
などへの応用できる。また,化粧単板としては,例え
ば,スギ,ヒノキ等の高級木材を使用できる。
【0028】本願に係る第2発明は,無機発泡体および
結合剤からなる板状体の少なくとも一方の面に,熱硬化
性樹脂および無機質繊維からなる補強層を設けているこ
とを特徴とする耐火性複合建材である。
【0029】第2発明は,板状体が無機発泡体及び結合
剤からなる点で,上記第1発明と相違する。第2発明で
使用される板状体は,無機発泡体および結合剤からなる
ため,寸法安定性,耐熱性,加工性,釘打ち性,及び耐
水性に優れている。
【0030】また,板状体の少なくとも片面に上記補強
層を設けているため,上記第1発明の場合と同様に,上
記板状体の性質を保持しつつ板状体の強度が向上する。
そのため,第2発明は,第1発明と同様に,壁材に最適
である。更に,補強層は,第1発明と同様に少なくとも
板状体の裏面側(室内側の反対側)に形成されているこ
とが好ましく,また熱硬化性樹脂を含むため耐火性,加
工性にも優れている。
【0031】上記無機発泡体としては,パーライト,シ
ラス発泡体,シリカフラワー,ガラス発泡体などがあ
り,これらは単独または組み合わせて使用できる。無機
発泡体は,粒径40〜300μmのものを使用でき,粒
径130〜170μmのものが最大強度となる。
【0032】板状体は,無機発泡体を互いに結合させる
ため,結合剤が添加されている。結合剤は,有機結合
剤,例えばエポキシ樹脂,ポリビニルアルコール樹脂,
フェノール樹脂等の合成樹脂,澱粉,スターチ等が挙げ
られる。結合剤の添加量は,1〜35重量%であること
が望ましい。結合剤の量が少なすぎる場合は,強度低下
を招き,多すぎる場合は寸法変化率が大きくなるからで
ある。
【0033】上記無機発泡体の組成比は,板状体内にお
いて,45〜95重量%であることが望ましい。この理
由は,45重量%未満の場合,比重が大きくなてしま
い,95重量%を越えると均一な層状にならず,補強層
や外層を形成しにくいからである。
【0034】第2発明における上記板状体は,上記第1
発明の板状体と同様に,有機質繊維を有することが好ま
しい。これにより,耐火性複合建材の曲げ強度が向上す
る。有機質繊維の種類及び含有量は,第1発明の場合と
同様であることが好ましい。
【0035】特に,上記板状体は,上記無機発泡体及び
結合剤に加えて,有機質繊維を含み,上記板状体は,無
機発泡体45〜95重量%,有機質繊維1〜25重量
%,及び結合剤1〜35重量%からなることが好まし
い。これにより,耐火性複合建材の曲げ強度が向上す
る。また,板状体の寸法安定性,耐熱性,加工性,釘打
ち性及び耐水性が更に向上する。
【0036】また,板状体には,更に,水酸化アルミニ
ウム,水酸化マグネシウムなどの難燃化剤を添加しても
よい。その他,第2発明における補強層については,第
1発明と同様である。また,第2発明の耐火性複合建材
にも,上記第1,第2発明と同様に化粧層を設けること
ができる。
【0037】第2発明における板状体は,次のように製
造する。無機発泡体および結合剤,必要に応じて有機質
繊維を水中に分散させて水性スラリーとし,湿式抄造し
てシートを得る。このシートを加熱しながら圧締し,板
状体に成形する。
【0038】第2発明における板状体の少なくとも一方
の面には,第1発明と同様の方法により補強層を形成す
ることができ,また,塗装を施してもよい。
【0039】本願に係る第3発明は,無機発泡体および
結合剤からなる芯層の両面もしくは片面に鉱物質繊維お
よび結合剤からなる外層が形成された板状体の少なくと
も一方の面に,熱硬化性樹脂および無機質繊維からなる
補強層を設けていることを特徴とする耐火性複合建材で
ある。
【0040】第3発明は,板状体が芯層と外層とからな
る点で,上記第1,第2発明と相違する。即ち,第3発
明における板状体は,第2発明の板状体を芯層とし,そ
の少なくとも片面に鉱物質繊維および結合剤からなる外
層を形成している。かかる第3発明の板状体は,第1,
第2発明よりも更に,表面の平坦性が改善されており補
強層を形成しやすく,また,補強層の熱硬化性樹脂の一
部が含浸されて一体化されるため,高強度である。
【0041】その他,第3発明の耐火性複合建材におい
ても,板状体の芯層は,無機発泡体および結合剤からな
るため,寸法安定性,耐熱性,加工性,釘打ち性,及び
耐水性に優れている。また,板状体の少なくとも片面に
上記補強層を設けているため,上記第1発明の場合と同
様に,上記板状体の性質を保持しつつ板状体の強度が向
上する。そのため,第3発明は,第1発明と同様に,壁
材に最適である。更に,補強層は,第1発明と同様に少
なくとも板状体の裏面側(室内側の反対側)に形成され
ていることが好ましく,また熱硬化性樹脂を含むため耐
火性,加工性にも優れている。
【0042】鉱物質繊維は,ロックウール,スラグウー
ル,ミネラルウール,ガラス繊維などを使用できる。ま
た,鉱物質繊維に無機繊維を加えてもよい。無機繊維と
しては,ゾノトライト,ワラストナイト,セピオライト
等の天然繊維がある。上記鉱物質繊維と上記無機繊維を
併用してもよい。無機繊維の市販品としては,繊維長3
00μm,繊維径6μm,アスペクト比30のワラスト
ナイト(商品名 ダイケンファイバーナイト 種類H
G),あるいは,繊維長400μm,繊維径13μm,
アスペクト比30のワラストナイト(商品名 ダイケン
ファイバーナイト 種類RG)が挙げられる。
【0043】上記外層における鉱物質繊維の組成比は,
20〜60重量%であることが望ましい。20重量%未
満では,表面強度が低下してしまい,補強層自体が剥が
れやすくなり,60重量%を越えると硬度が低下するか
らである。外層における結合剤の添加量は,1〜35重
量%であることが望ましい。1重量%未満の場合は耐火
性複合建材の強度低下を招き,35重量%を超える場合
は寸法変化率が大きくなるからである。
【0044】上記外層における鉱物質繊維の組成比は,
20〜60重量%であり,さらに芯層における無機発泡
体の組成比は,45〜95重量%であることが好まし
い。これにより,耐火性複合建材の比重が軽く優れた強
度になる。
【0045】上記板状体は,有機質繊維を有することが
好ましい。これにより,耐火性複合建材の曲げ強度が向
上する。板状体は芯層と外層とからなるが,有機質繊維
はいずれの層に含まれていてもよい。有機質繊維が芯層
に含まれている場合には,芯層における有機質繊維の含
有量は,1〜25重量%であることが好ましい。1重量
%未満の場合には芯層が脆くなり,25重量%を超える
場合には芯層の耐熱性が低下してしまうからである。ま
た,有機質繊維が外層に含まれている場合にも,有機質
繊維の含有量は,同様に,1〜25重量%であることが
好ましい。更に,有機質繊維が芯層及び外層の双方に含
まれている場合にも,芯層及び外層における有機質繊維
の含有量は,同様に,1〜25重量%であることが好ま
しい。
【0046】上記芯層は上記無機発泡体及び結合剤に加
えて有機質繊維を含み,かつ上記外層は上記鉱物質繊維
及び結合剤に加えて有機質繊維を含み,上記芯層は,無
機発泡体45〜95重量%,有機質繊維1〜25重量
%,及び結合剤1〜35重量%からなり,上記外層は,
鉱物質繊維20〜60重量%,有機質繊維1〜25重量
%,及び結合剤1〜35重量%からなることが好まし
い。これにより,耐火性複合建材の曲げ強度,耐熱性,
寸法安定性,加工性,釘打ち性及び耐水性が向上する
(表1参照)。
【0047】芯層を構成する無機発泡体及び結合剤,並
びに補強層については,上記第1,第2発明と同様であ
る。また,第3発明の耐火性複合建材にも,上記第1,
第2発明と同様に化粧層を設けることができる。
【0048】第3発明における板状体は,次の方法によ
り製造される。無機発泡体および結合剤,必要に応じて
有機質繊維を水中に分散させて水性スラリーとし,湿式
抄造して芯層シートを得る。鉱物質繊維および結合剤,
必要に応じて有機質繊維を水中に分散させて水性スラリ
ーとし,これを湿式抄造して外層シートを得る。外層シ
ートと芯層シートを積層し,加熱しながら圧締し,板状
体に成形する。加熱温度は,80〜200℃,圧力は1
〜20kg/cm2 である。板状体の市販品は,大建工
業製のダイライトF,ダイライトJなどが挙げられる。
【0049】第3発明における板状体の少なくとも一方
の面には,第1発明と同様の方法により補強層を形成す
ることができ,また,塗装を施してもよい。
【0050】上記第1〜第3発明の耐火性複合建材は,
いずれも,壁材,床材,間仕切り材,天井材,家具,ド
ア,外装材などに用いることができる。
【0051】
【発明の実施の形態】実施形態例1 本発明の実施形態に係る耐火性複合建材について,図1
を用いて説明する。本例の耐火性複合建材は,板状体3
の表面側に,熱硬化性樹脂1および無機質繊維2からな
る補強層4を設けている。板状体3は,無機発泡体およ
び結合剤からなる芯層30の両面に,鉱物質繊維および
結合剤からなる外層31を形成したものである。
【0052】次に,上記耐火性複合床材の製造方法につ
いて説明する。 (1)下記の組成を持つ芯層および外層からなる厚さ6
mmの板状体(大建工業製 ダイライトF)を用意し
た。 外層成分 ・ロックウール粒状綿・・・・・54重量% ・水酸化アルミニウム・・・・・40重量% ・有機系結合剤(澱粉 フェノール樹脂)・・・6重量
【0053】芯層成分 ・シラスバルーン・・・・・・・94重量% ・有機系結合剤(澱粉 フェノール樹脂)・・・6重量
【0054】(2)シート状ガラス繊維に硬化剤を添加
したフェノール樹脂溶液を含浸(含浸量 固形分換算5
%)した後,80℃の温度にて20分間乾燥させて,補
強シートを得た。さらに,フェノール樹脂を板状体の表
面と裏面に塗布して80℃の温度にて20分間乾燥させ
た。
【0055】(3)補強シートを板状体の表面,裏面に
載置し,80℃の温度にて,圧力7kg/cm2 で20
分間プレスし,厚さ7mmの耐火性複合建材を得た。 (4)この耐火性複合建材の表面に厚さ0.2mmの杉
板の化粧単板を酢酸ビニル接着剤を介して貼付した。
【0056】実施形態例2 本例の耐火性複合建材は,板状体に有機質繊維が含まれ
ている点が,実施形態例1と相違する。本例の板状体
は,芯層とその両面に設けた外層とからなる,厚み6m
mの大建工業製のダイライトJである。
【0057】外層成分 ・ロックウール粒状綿・・・・・・・・・・・50重量
% ・炭酸カルシウム(CaCO)・・・・・・・37重
量% ・有機系結合剤(澱粉 フェノール樹脂)・・・8重量
% ・有機質繊維(パルプ)・・・・・・・・・・・5重量
【0058】芯層成分 ・シラスバルーン・・・・・・・87重量% ・有機系結合剤(澱粉 フェノール樹脂)・・・8重量
% ・有機質繊維(パルプ)・・・・・・・・・・・5重量
【0059】上記板状体の両面に実施形態例1と同様の
方法により補強層及び化粧単板を形成して,本例の耐火
性複合建材が得られる。
【0060】(比較例1)実施例の板状体(大建工業製
ダイライトF)の表面に,厚さ0.2mmの杉板の化
粧単板を酢酸ビニル接着剤を介して貼付した。
【0061】(比較例2)市販の石膏ボード(厚さ9.
5mm)に厚さ0.5mmの杉板の化粧単板を酢酸ビニ
ル接着剤を介して貼付した。
【0062】(実験例)次に,上記実施形態例1,2及
び比較例1,2で得られた化粧単板付き耐火性複合建材
について,耐衝撃性試験及び耐水性試験を行い,試験後
の性状について比較検討した。それぞれの試験方法は,
以下の条件であった。 ・耐水性:乾燥時の曲げ強度と24時間静水中にて吸水
させた状態での曲げ強度をJIS A 6901に規定
される方法に準じて測定した。 ・耐衝撃性:JIS A 1421に準拠し,530g
の鋼球を1mの高さから落下させ,耐火性複合建材の表
面の凹直径及び裏面の亀裂の長さなどを測定した。 この試験結果を表1に示した。
【0063】
【表1】
【0064】実施形態例3 本例の耐火性複合建材は,図2に示すごとく,板状体3
の表面側に補強層4を設けている。板状体3及び補強層
4の構成は,実施例1と同様である。本例においては,
板状体3の片側面にだけ補強層4を設けているが,この
場合にも実施例1のように両面に補強層を設けた場合と
同様に,優れた表面強度,加工性,耐火性及び耐水性を
発揮できる。また,本例では,補強層4は,板状体3の
裏面側(室内側の反対側)に形成されているため,表面
側からの圧力に対して高い強度が得られる。
【0065】実施形態例4 本例の耐火性複合建材は,図3に示すごとく,板状体3
5が,無機発泡体,結合剤及び有機質繊維からなる点
が,上記実施形態例1と相違する。板状体35は,実施
形態例1の芯層成分と同様の組成からなる。板状体35
の両面には,補強層4が設けられている。その他は,実
施形態例1と同様である。本例においても,実施形態例
1と同様の効果を得ることができる。
【0066】
【0067】
【発明の効果】本発明の耐火性複合建材は,上記のごと
く,軽量であり,加工性,耐火性,耐水性に優れる。こ
のため,キッチンや水廻りの壁材,床材に使用できる。
また,表面強度に優れるため,衝撃があっても表面の意
匠性が損なわれることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1の耐火性複合建材の断面説明図。
【図2】実施形態例3の耐火性複合建材の断面説明図。
【図3】実施形態例4の耐火性複合建材の断面説明図。
【符号の説明】
1...熱硬化性樹脂, 2...無機質繊維, 3,35...板状体, 30...芯層, 31...外層, 4...補強層,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 健司 岐阜県揖斐郡揖斐川町北方1−1 イビデ ン株式会社内 Fターム(参考) 2E001 DE01 GA03 GA06 GA24 HA32 HA33 JA14 JA28 JC07 JD04 4F100 AA00B AA00C AA19 AC00A AC02 AC10 AG00A AH00A AK01B AK01C AK22G AK33B AK33H AK36B AK49B AK53B AP01 AR00A BA02 BA03 BA04 BA05 BA07 BA08 BA10B BA10C BA10D BA10E CA24A CB00 DG00C DG01A DG01B DH00A DH02A DJ01A EC15A EC15H GB07 HB00D HB00E JB07 JB12B JB12C JJ03 JK01 JK10 JL01 JL03A

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軽量骨材からなる板状体の少なくとも一
    方の面に,熱硬化性樹脂および無機質繊維からなる補強
    層を設けていることを特徴とする耐火性複合建材。
  2. 【請求項2】 無機発泡体および結合剤からなる板状体
    の少なくとも一方の面に,熱硬化性樹脂および無機質繊
    維からなる補強層を設けていることを特徴とする耐火性
    複合建材。
  3. 【請求項3】 無機発泡体および結合剤からなる芯層の
    両面もしくは片面に鉱物質繊維および結合剤からなる外
    層が形成された板状体の少なくとも一方の面に,熱硬化
    性樹脂および無機質繊維からなる補強層を設けているこ
    とを特徴とする耐火性複合建材。
  4. 【請求項4】 請求項2において,上記板状体における
    無機発泡体の組成比は,45〜95重量%であることを
    特徴とする耐火性複合建材。
  5. 【請求項5】 請求項3において,上記外層における鉱
    物質繊維の組成比は,20〜60重量%であり,さらに
    芯層における無機発泡体の組成比は,45〜95重量%
    であることを特徴とする耐火性複合建材。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項において,
    上記板状体は,有機質繊維を有することを特徴とする耐
    火性複合建材。
  7. 【請求項7】 請求項1において,上記板状体を構成す
    る軽量骨材は,無機発泡体及び結合剤からなり,かつ上
    記板状体は,該軽量骨材の他に有機質繊維を含み,上記
    板状体は,無機発泡体45〜95重量%,有機質繊維1
    〜25重量%,及び結合剤1〜35重量%からなること
    を特徴とする耐火性複合建材。
  8. 【請求項8】 請求項2において,上記板状体は,上記
    無機発泡体及び結合剤に加えて,有機質繊維を含み,上
    記板状体は,無機発泡体45〜95重量%,有機質繊維
    1〜25重量%,及び結合剤1〜35重量%からなるこ
    とを特徴とする耐火性複合建材。
  9. 【請求項9】 請求項3において,上記芯層は上記無機
    発泡体及び結合剤に加えて有機質繊維を含み,かつ上記
    外層は上記鉱物質繊維及び結合剤に加えて有機質繊維を
    含み,上記芯層は,無機発泡体45〜95重量%,有機
    質繊維1〜25重量%,及び結合剤1〜35重量%から
    なり,上記外層は,鉱物質繊維20〜60重量%,有機
    質繊維1〜25重量%,及び結合剤1〜35重量%から
    なることを特徴とする耐火性複合建材。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項におい
    て,上記熱硬化性樹脂は,エポキシ樹脂,フェノール樹
    脂,メラミン樹脂,尿素樹脂及びポリイミド樹脂の群か
    ら選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする
    耐火性複合建材。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1項におい
    て,上記補強層は,ガラス繊維のシートに熱硬化性樹脂
    を含浸させ硬化してなることを特徴とする耐火性複合建
    材。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1項におい
    て,上記耐火性複合建材は,その表面または裏面のいず
    れか一方もしくは両方に化粧層を設けていることを特徴
    とする耐火性複合建材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013018153A (ja) * 2011-07-08 2013-01-31 F Consultant:Kk 積層体
CN117025002A (zh) * 2023-08-07 2023-11-10 山东科尚家居用品有限公司 一种防火阻燃复合板材及其制备方法

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JP2013018153A (ja) * 2011-07-08 2013-01-31 F Consultant:Kk 積層体
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