JP2000088147A - 難燃性電線管 - Google Patents
難燃性電線管Info
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- JP2000088147A JP2000088147A JP10264677A JP26467798A JP2000088147A JP 2000088147 A JP2000088147 A JP 2000088147A JP 10264677 A JP10264677 A JP 10264677A JP 26467798 A JP26467798 A JP 26467798A JP 2000088147 A JP2000088147 A JP 2000088147A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 機械的強度と高度な難燃性を達成した、エン
ジニアリングプラスチックからなる難燃性電線管を提供
する。 【解決手段】 非ハロゲン系難燃剤によって酸素指数を
28以上に高めたエンジニアリングプラスチックからな
り、肉厚0.5〜3mmである難燃性電線管を提供す
る。
ジニアリングプラスチックからなる難燃性電線管を提供
する。 【解決手段】 非ハロゲン系難燃剤によって酸素指数を
28以上に高めたエンジニアリングプラスチックからな
り、肉厚0.5〜3mmである難燃性電線管を提供す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエンジニアリングプ
ラスチックからなり、非ハロゲン系難燃剤を用いた難燃
性電線管に関する。
ラスチックからなり、非ハロゲン系難燃剤を用いた難燃
性電線管に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、とう道、トンネル、建築物内の空
間をより効率よく利用するために電線、ケーブルをより
高密度に布設することが提案されている。このようにケ
ーブルの布設密度を高めるためには、最小限の間隔を確
保するために電線管に収容することが望ましい。ところ
で、このようにとう道内等で用いる電線管には、地中に
埋設する電線管よりも高度な難燃性が必要である。その
目安としては、JIS C3521に規定された通信ケ
ーブル用難燃シース燃焼性試験で十分な難燃性能を発揮
するものであることが好ましい。従来は難燃性を付与し
た合成樹脂製電線管として、ハロゲン系難燃剤を配合し
た樹脂や難燃性の高いポリ塩化ビニル樹脂製の難燃性電
線管が使用されてきた。
間をより効率よく利用するために電線、ケーブルをより
高密度に布設することが提案されている。このようにケ
ーブルの布設密度を高めるためには、最小限の間隔を確
保するために電線管に収容することが望ましい。ところ
で、このようにとう道内等で用いる電線管には、地中に
埋設する電線管よりも高度な難燃性が必要である。その
目安としては、JIS C3521に規定された通信ケ
ーブル用難燃シース燃焼性試験で十分な難燃性能を発揮
するものであることが好ましい。従来は難燃性を付与し
た合成樹脂製電線管として、ハロゲン系難燃剤を配合し
た樹脂や難燃性の高いポリ塩化ビニル樹脂製の難燃性電
線管が使用されてきた。
【0003】しかしながら、難燃剤としてハロゲン系難
燃剤を用いたり、ポリ塩化ビニル樹脂を使用した電線管
は、燃焼時に発生するガスの毒性の問題や埋め立てや焼
却など最終処分過程での安全性という観点から問題があ
るので、近年ではノンハロゲン難燃樹脂材料からなる難
燃性電線管の要求が増えている。ノンハロゲン難燃樹脂
材料としては水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム
などの金属水和物を配合したポリオレフィン系樹脂が挙
げられるが、高度な難燃性能を得るためには金属水和物
を大量に配合しなければならず、引っ張り強度等の機械
的強度が劣るという欠点があり、配管場所によっては電
線管の材料として使用することができない。
燃剤を用いたり、ポリ塩化ビニル樹脂を使用した電線管
は、燃焼時に発生するガスの毒性の問題や埋め立てや焼
却など最終処分過程での安全性という観点から問題があ
るので、近年ではノンハロゲン難燃樹脂材料からなる難
燃性電線管の要求が増えている。ノンハロゲン難燃樹脂
材料としては水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム
などの金属水和物を配合したポリオレフィン系樹脂が挙
げられるが、高度な難燃性能を得るためには金属水和物
を大量に配合しなければならず、引っ張り強度等の機械
的強度が劣るという欠点があり、配管場所によっては電
線管の材料として使用することができない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、エンジニアリン
グプラスチックに難燃剤を配合した難燃エンジニアリン
グプラスチック材料からなる電線管は、耐熱性、機械的
強度ともに優れており、さらに高度な難燃性が求められ
る場所に配管するための電線管として期待されている。
グプラスチックに難燃剤を配合した難燃エンジニアリン
グプラスチック材料からなる電線管は、耐熱性、機械的
強度ともに優れており、さらに高度な難燃性が求められ
る場所に配管するための電線管として期待されている。
【0005】本発明者らはより高度な難燃性能を有する
エンジニアリングプラスチック製の電線管を開発するた
めに、通常電線管に適用される試験よりも条件が厳しい
JIS C3521の通信ケーブル用難燃シース燃焼性
試験に準拠した試験を採用した。
エンジニアリングプラスチック製の電線管を開発するた
めに、通常電線管に適用される試験よりも条件が厳しい
JIS C3521の通信ケーブル用難燃シース燃焼性
試験に準拠した試験を採用した。
【0006】本発明者らがJIS C3521の燃焼性
試験に準拠して、種々の電線管について、実際に電線管
にケーブルを収容した状態で垂直に設置しバーナーの炎
を20分間接炎させて最大燃焼長を測定する試験を実施
したところエンジニアリングプラスチックは燃焼時に溶
融した樹脂が垂れ落ちやすく、垂れ落ちた樹脂が中に収
容されているケーブルに付着する。この垂れ落ちた樹脂
は炭化するまで燃焼が持続するため、その間に上方へ燃
焼部分が広がっていきやすいということ、また、同じ材
質であっても電線管の種類によって最大燃焼長が大きく
異なることがわかった。
試験に準拠して、種々の電線管について、実際に電線管
にケーブルを収容した状態で垂直に設置しバーナーの炎
を20分間接炎させて最大燃焼長を測定する試験を実施
したところエンジニアリングプラスチックは燃焼時に溶
融した樹脂が垂れ落ちやすく、垂れ落ちた樹脂が中に収
容されているケーブルに付着する。この垂れ落ちた樹脂
は炭化するまで燃焼が持続するため、その間に上方へ燃
焼部分が広がっていきやすいということ、また、同じ材
質であっても電線管の種類によって最大燃焼長が大きく
異なることがわかった。
【0007】さらに検討した結果、本発明者らは電線管
の肉厚と最大燃焼長とが密接に関わっていることを突き
止め、上記した厳しい条件で燃焼試験を行った時にも最
大燃焼長の小さな、優れた難燃性と十分な機械的強度と
を併せ持つ、ノンハロゲン難燃エンジニアリングプラス
チック材料からなる難燃性電線管を発明するに至った。
の肉厚と最大燃焼長とが密接に関わっていることを突き
止め、上記した厳しい条件で燃焼試験を行った時にも最
大燃焼長の小さな、優れた難燃性と十分な機械的強度と
を併せ持つ、ノンハロゲン難燃エンジニアリングプラス
チック材料からなる難燃性電線管を発明するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明においては、非ハ
ロゲン系難燃剤によって酸素指数を28以上に高めたエ
ンジニアリングプラスチックからなり、肉厚0.5〜3
mmであることを特徴とする難燃性電線管が提供され
る。
ロゲン系難燃剤によって酸素指数を28以上に高めたエ
ンジニアリングプラスチックからなり、肉厚0.5〜3
mmであることを特徴とする難燃性電線管が提供され
る。
【0009】また、非ハロゲン系難燃剤によって酸素指
数を28以上に高めたエンジニアリングプラスチックか
らなる最外層と、該最外層の内側に最外層よりも摩擦係
数の小さな潤滑層とを備え、肉厚が0.5〜3mmであ
ることを特徴とする難燃性電線管が提供される。前記潤
滑層の肉厚を0.03mm以上とすると、電線管に電線
・ケーブルを挿通する際、作業性の観点で好ましい。
数を28以上に高めたエンジニアリングプラスチックか
らなる最外層と、該最外層の内側に最外層よりも摩擦係
数の小さな潤滑層とを備え、肉厚が0.5〜3mmであ
ることを特徴とする難燃性電線管が提供される。前記潤
滑層の肉厚を0.03mm以上とすると、電線管に電線
・ケーブルを挿通する際、作業性の観点で好ましい。
【0010】前記潤滑層はポリオレフィン系樹脂を主成
分とするポリオレフィン系樹脂材料により形成するとよ
い。また、多層構造の電線管とする時にはエンジニアリ
ングプラスチックからなる最外層の肉厚を管全体の60
%以上とすると難燃性、機械的強度の観点から好まし
い。
分とするポリオレフィン系樹脂材料により形成するとよ
い。また、多層構造の電線管とする時にはエンジニアリ
ングプラスチックからなる最外層の肉厚を管全体の60
%以上とすると難燃性、機械的強度の観点から好まし
い。
【0011】エンジニアリングプラスチックとしては変
性ポリフェニレンエーテルを好適に用いることができ
る。
性ポリフェニレンエーテルを好適に用いることができ
る。
【0012】難燃性電線管の構成層の外周および/また
は内周に波付部を有する波付管とすると可撓性の点で好
ましい。
は内周に波付部を有する波付管とすると可撓性の点で好
ましい。
【0013】本発明の難燃性電線管は酸素指数28以上
のシースを有するケーブルの保護管として用いると効果
的である。
のシースを有するケーブルの保護管として用いると効果
的である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の難燃性電線管は、エンジ
ニアリングプラスチックに非ハロゲン系の難燃剤を配合
したエンジニアリングプラスチック材料を管状に成形し
てなるもので、酸素指数28以上、肉厚0.5〜3mm
であることを必須とする。
ニアリングプラスチックに非ハロゲン系の難燃剤を配合
したエンジニアリングプラスチック材料を管状に成形し
てなるもので、酸素指数28以上、肉厚0.5〜3mm
であることを必須とする。
【0015】エンジニアリングプラスチックとしては、
例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエ
ーテル、ポリアリレート、ポリカーボネート等が挙げら
れ、特に変性ポリフェニレンエーテルを用いると難燃
性、機械的強度、耐熱性および成形性の点で好ましい。
例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエ
ーテル、ポリアリレート、ポリカーボネート等が挙げら
れ、特に変性ポリフェニレンエーテルを用いると難燃
性、機械的強度、耐熱性および成形性の点で好ましい。
【0016】非ハロゲン系の難燃剤としては、リン酸エ
ステル系難燃剤(例えばトリフェニルホスフェート)な
どが挙げられ、エンジニアリングプラスチックの種類や
得ようとする電線管の特性に応じて選択する。
ステル系難燃剤(例えばトリフェニルホスフェート)な
どが挙げられ、エンジニアリングプラスチックの種類や
得ようとする電線管の特性に応じて選択する。
【0017】難燃剤の配合量はエンジニアリングプラス
チックや難燃剤の種類によって調整するが、電線管の酸
素指数が28未満では難燃性が不十分となるので、28
以上となるようにする。
チックや難燃剤の種類によって調整するが、電線管の酸
素指数が28未満では難燃性が不十分となるので、28
以上となるようにする。
【0018】本発明の電線管は、その肉厚を0.5〜3
mmとする。上述したように、電線管にケーブルを収容
した状態で燃焼試験を行うと、接炎部分から電線管を構
成する樹脂が順次内部に向かって溶融し、燃焼しながら
樹脂は収容されているケーブルに付着し、さらに炭化す
るまで燃焼し続ける。電線管の肉厚が3mmを越える
と、例え電線管の酸素指数が28以上であっても、溶融
してケーブルに付着する樹脂の量が多いため、樹脂が炭
化するまでの所要時間も長く、その結果燃焼部分がさら
に上方に拡大していってしまう。電線管の肉厚を3mm
以下とすれば、溶融してケーブルに付着する樹脂の量が
少ないため、樹脂は素早く炭化する。また、流れ落ちる
樹脂の量も少ないために接炎部分と燃焼部分とが速やか
に分離して、上方の燃焼部分もまもなく自消するので、
ケーブルの燃焼長は短くてすむのである。したがって、
肉厚の小さな電線管ほど燃焼長が小さく難燃性能が優れ
るということになるが、肉厚が0.5mm未満になると
引っ張り強度、圧縮強度等の機械的強度が不十分となる
ので肉厚は0.5mm以上とする。
mmとする。上述したように、電線管にケーブルを収容
した状態で燃焼試験を行うと、接炎部分から電線管を構
成する樹脂が順次内部に向かって溶融し、燃焼しながら
樹脂は収容されているケーブルに付着し、さらに炭化す
るまで燃焼し続ける。電線管の肉厚が3mmを越える
と、例え電線管の酸素指数が28以上であっても、溶融
してケーブルに付着する樹脂の量が多いため、樹脂が炭
化するまでの所要時間も長く、その結果燃焼部分がさら
に上方に拡大していってしまう。電線管の肉厚を3mm
以下とすれば、溶融してケーブルに付着する樹脂の量が
少ないため、樹脂は素早く炭化する。また、流れ落ちる
樹脂の量も少ないために接炎部分と燃焼部分とが速やか
に分離して、上方の燃焼部分もまもなく自消するので、
ケーブルの燃焼長は短くてすむのである。したがって、
肉厚の小さな電線管ほど燃焼長が小さく難燃性能が優れ
るということになるが、肉厚が0.5mm未満になると
引っ張り強度、圧縮強度等の機械的強度が不十分となる
ので肉厚は0.5mm以上とする。
【0019】また、非ハロゲン系難燃剤を配合したエン
ジニアリングプラスチックからなる最外層と、該外層の
内側に該外層よりも摩擦係数の小さな潤滑層とを備え
た、2層構造の電線管としてもよい。電線管の内周面の
摩擦係数が大きい場合には、通線時に電線・ケーブルに
大きな張力がかかり、また、配管が長距離にわたる場合
には通線作業が困難な場合があるが、潤滑層を設けるこ
とで通線作業が容易になるという利点がある。潤滑層は
最も内側に設けるとよい。
ジニアリングプラスチックからなる最外層と、該外層の
内側に該外層よりも摩擦係数の小さな潤滑層とを備え
た、2層構造の電線管としてもよい。電線管の内周面の
摩擦係数が大きい場合には、通線時に電線・ケーブルに
大きな張力がかかり、また、配管が長距離にわたる場合
には通線作業が困難な場合があるが、潤滑層を設けるこ
とで通線作業が容易になるという利点がある。潤滑層は
最も内側に設けるとよい。
【0020】潤滑層としては摩擦係数の比較的小さな、
高密度ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂を主成
分とするポリオレフィン系樹脂材料が好適に用いられ、
適宜脂肪酸類やシリコーン系滑剤を配合してもよい。潤
滑層の肉厚は0.03mm以上とすると安定した潤滑性
能が得られる。ただし、電線管の機械的強度、難燃性を
考慮すると、複数層からなる電線管の場合には非ハロゲ
ン系難燃剤を配合したエンジニアリングプラスチックか
らなる最外層の肉厚は全体の60%以上、さらに好まし
くは70%以上とするのが好ましい。
高密度ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂を主成
分とするポリオレフィン系樹脂材料が好適に用いられ、
適宜脂肪酸類やシリコーン系滑剤を配合してもよい。潤
滑層の肉厚は0.03mm以上とすると安定した潤滑性
能が得られる。ただし、電線管の機械的強度、難燃性を
考慮すると、複数層からなる電線管の場合には非ハロゲ
ン系難燃剤を配合したエンジニアリングプラスチックか
らなる最外層の肉厚は全体の60%以上、さらに好まし
くは70%以上とするのが好ましい。
【0021】また、電線管の構成層の内周面および/ま
たは外周面に管軸方向に沿って螺旋状あるいは管軸対称
に波形を形成した波付管とすると、可撓性が向上し施工
性に優れた電線管となる。なお、波付管の肉厚が一定で
ない場合には複数箇所で肉厚を測定して算出した平均肉
厚を管の肉厚とする。
たは外周面に管軸方向に沿って螺旋状あるいは管軸対称
に波形を形成した波付管とすると、可撓性が向上し施工
性に優れた電線管となる。なお、波付管の肉厚が一定で
ない場合には複数箇所で肉厚を測定して算出した平均肉
厚を管の肉厚とする。
【0022】2層構造の電線管としては、例えば、非ハ
ロゲン系難燃剤を配合したエンジニアリングプラスチッ
クからなる最外層に波付部を設け、内側の潤滑層を直管
とする内面平滑波付管(ダブルウォール管)が挙げられ
る。このような構成の電線管では最外層とその内側の潤
滑層との間に空隙部分が存在するが、本発明における管
の肉厚は空隙部分を除外した樹脂部分の厚みとする。
ロゲン系難燃剤を配合したエンジニアリングプラスチッ
クからなる最外層に波付部を設け、内側の潤滑層を直管
とする内面平滑波付管(ダブルウォール管)が挙げられ
る。このような構成の電線管では最外層とその内側の潤
滑層との間に空隙部分が存在するが、本発明における管
の肉厚は空隙部分を除外した樹脂部分の厚みとする。
【0023】本発明の難燃性電線管を酸素指数28以上
のシースを有する電線・ケーブルの保護管に用いれば、
JIS C3521の燃焼試験で2400mmの電線管
を試料とした時の最大燃焼長を1800mm以下に抑え
ることができる、優れた難燃効果を達成することができ
る。
のシースを有する電線・ケーブルの保護管に用いれば、
JIS C3521の燃焼試験で2400mmの電線管
を試料とした時の最大燃焼長を1800mm以下に抑え
ることができる、優れた難燃効果を達成することができ
る。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に
説明する。 (実施例1〜5)(比較例1〜4) ベース樹脂としてポリフェニレンエーテル(表中PP
E)を用い、リン酸エステル系難燃剤を配合した難燃樹
脂材料を用いて、表1に示す酸素指数および平均肉厚で
内径50mmの電線管を製造した。
説明する。 (実施例1〜5)(比較例1〜4) ベース樹脂としてポリフェニレンエーテル(表中PP
E)を用い、リン酸エステル系難燃剤を配合した難燃樹
脂材料を用いて、表1に示す酸素指数および平均肉厚で
内径50mmの電線管を製造した。
【0025】(比較例5、6)ベース樹脂として低密度
ポリエチレン(表中LDPE)を用い、水酸化マグネシ
ウムおよびリンを配合した難燃樹脂材料を用いて、表1
に示す酸素指数および平均肉厚の電線管を製造した。
ポリエチレン(表中LDPE)を用い、水酸化マグネシ
ウムおよびリンを配合した難燃樹脂材料を用いて、表1
に示す酸素指数および平均肉厚の電線管を製造した。
【0026】得られた実施例1〜5および比較例1〜6
の電線管について、引張強度、圧縮強度、最大燃焼長を
以下の試験方法で測定した。 (1)引張試験 得られた電線管から切り取った長さ300mmの試料を
23℃±2℃に2時間以上保った後、両端を把持し、管
軸方向に50mm/分の速度で引張り、破断までの最大
引張張力を測定する。
の電線管について、引張強度、圧縮強度、最大燃焼長を
以下の試験方法で測定した。 (1)引張試験 得られた電線管から切り取った長さ300mmの試料を
23℃±2℃に2時間以上保った後、両端を把持し、管
軸方向に50mm/分の速度で引張り、破断までの最大
引張張力を測定する。
【0027】(2)圧縮試験 得られた電線管から切り取った長さ100mmの試料を
23±2℃に2時間以上保った後、試料の中央を70×
70mm角の平板で、管軸方向と直角に10mm/分の
速度で、圧縮荷重を加え、試料の外径が50%になった
時の圧縮荷重を測定する。引張強度が4000N以上、
圧縮強度が500N以上であれば機械的強度は十分と言
える。
23±2℃に2時間以上保った後、試料の中央を70×
70mm角の平板で、管軸方向と直角に10mm/分の
速度で、圧縮荷重を加え、試料の外径が50%になった
時の圧縮荷重を測定する。引張強度が4000N以上、
圧縮強度が500N以上であれば機械的強度は十分と言
える。
【0028】(3)燃焼性試験 得られた電線管から切り取った長さ2400mmの試料
の中に、外径φ25mmの表1に示す種類のケーブルを
1本入れ、JIS C3521に準拠して燃焼性試験を
行い、最大燃焼長を測定する。最大燃焼長が1800m
m未満であれば難燃性十分と言える。結果を表1に示
す。
の中に、外径φ25mmの表1に示す種類のケーブルを
1本入れ、JIS C3521に準拠して燃焼性試験を
行い、最大燃焼長を測定する。最大燃焼長が1800m
m未満であれば難燃性十分と言える。結果を表1に示
す。
【0029】
【表1】
【0030】表1に示すように、実施例1〜5の電線管
は非ハロゲン系難燃剤を配合したエンジニアリングプラ
スチックからなり、酸素指数28以上、肉厚0.5〜3
mmであるので引張強度および圧縮強度などの機械的強
度とともに優れた難燃性を有する電線管となっている。
実施例3、4、5は同一の酸素指数の異なるケーブルを
収容して燃焼性試験を行ったものであるが、酸素指数2
8以上のシースを有するケーブルを収容した実施例3で
は実施例4、5に比べて最大燃焼長が著しく短くなって
いる。それに対して、比較例1の電線管は実施例と同様
の樹脂材料を用いているにもかかわらず管の肉厚が大き
すぎるため、難燃性に劣るものとなった。比較例2の電
線管は管の肉厚が小さすぎるために、引張強度、圧縮強
度が小さく、機械的強度に劣るものとなった。比較例
3、4の電線管は酸素指数が28未満であるために難燃
性に劣るものとなった。比較例5、6の電線管は酸素指
数および肉厚は本発明の規定の範囲であるが、エンジニ
アリングプラスチックを用いていないため引張強度や圧
縮強度などの機械的強度が劣っていたり難燃性が劣るも
のとなった。
は非ハロゲン系難燃剤を配合したエンジニアリングプラ
スチックからなり、酸素指数28以上、肉厚0.5〜3
mmであるので引張強度および圧縮強度などの機械的強
度とともに優れた難燃性を有する電線管となっている。
実施例3、4、5は同一の酸素指数の異なるケーブルを
収容して燃焼性試験を行ったものであるが、酸素指数2
8以上のシースを有するケーブルを収容した実施例3で
は実施例4、5に比べて最大燃焼長が著しく短くなって
いる。それに対して、比較例1の電線管は実施例と同様
の樹脂材料を用いているにもかかわらず管の肉厚が大き
すぎるため、難燃性に劣るものとなった。比較例2の電
線管は管の肉厚が小さすぎるために、引張強度、圧縮強
度が小さく、機械的強度に劣るものとなった。比較例
3、4の電線管は酸素指数が28未満であるために難燃
性に劣るものとなった。比較例5、6の電線管は酸素指
数および肉厚は本発明の規定の範囲であるが、エンジニ
アリングプラスチックを用いていないため引張強度や圧
縮強度などの機械的強度が劣っていたり難燃性が劣るも
のとなった。
【0031】(実施例6〜12)(比較例7、8) 外層の形成材料として実施例2に示す樹脂にリン酸エス
テル系難燃剤を配合した材料を用い、内層の形成材料と
して高密度ポリエチレン100重量部に対してシリコー
ン系滑剤3重量部を配合した材料を用い、表2に示す平
均肉厚の2層電線管を製造した。
テル系難燃剤を配合した材料を用い、内層の形成材料と
して高密度ポリエチレン100重量部に対してシリコー
ン系滑剤3重量部を配合した材料を用い、表2に示す平
均肉厚の2層電線管を製造した。
【0032】(比較例9)外層の形成材料として高密度
ポリエチレンに水酸化マグネシウムおよびリンを配合し
た材料を用い、内層の形成材料として高密度ポリエチレ
ン100重量部に対してシリコーン系滑剤3重量部を配
合した材料を用い、表2に示す平均肉厚の電線管を製造
した。
ポリエチレンに水酸化マグネシウムおよびリンを配合し
た材料を用い、内層の形成材料として高密度ポリエチレ
ン100重量部に対してシリコーン系滑剤3重量部を配
合した材料を用い、表2に示す平均肉厚の電線管を製造
した。
【0033】得られた実施例6〜12および比較例7〜
9の電線管について、上記に示した試験方法で引張強度
および最大燃焼長を測定した。さらに、参考のため単層
からなる実施例2も加えて、下記に示す試験方法で通線
張力を測定し、通線のしやすさを評価した。
9の電線管について、上記に示した試験方法で引張強度
および最大燃焼長を測定した。さらに、参考のため単層
からなる実施例2も加えて、下記に示す試験方法で通線
張力を測定し、通線のしやすさを評価した。
【0034】(4)通線張力測定 得られた電線管から切り取った長さ200mの試料をほ
ぼ直線になるように設置し、その中に、外径φ18mm
のケーブルを電動ウィンチを用いて引き込み、その時の
最大張力を測定する。通線張力は400N以下、特に3
00N以下であれば通線作業性に優れるといえる。結果
を表2に示す。
ぼ直線になるように設置し、その中に、外径φ18mm
のケーブルを電動ウィンチを用いて引き込み、その時の
最大張力を測定する。通線張力は400N以下、特に3
00N以下であれば通線作業性に優れるといえる。結果
を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】表2に示すように外層の内側に潤滑層を設
けた実施例6〜12の電線管は、潤滑層のない実施例2
の電線管に比べて通線張力が小さく、通線作業性に優れ
るものとなっている。特に、潤滑層の肉厚が0.03m
m以上の実施例6〜11の電線管は通線張力が小さく、
潤滑層の肉厚が0.03mm以上で管全体の肉厚に占め
る割合が40%未満である実施例6〜10の電線管は通
線張力および機械的強度、難燃性ともに特に優れるもの
となっている。一方、比較例7〜9の電線管は潤滑層を
有するため通線張力は小さいものの管全体の肉厚が不適
当であったり、管の外層材料としてエンジニアリングプ
ラスチックを使用していないために引張強度が小さかっ
たり、難燃性に劣るものとなった。
けた実施例6〜12の電線管は、潤滑層のない実施例2
の電線管に比べて通線張力が小さく、通線作業性に優れ
るものとなっている。特に、潤滑層の肉厚が0.03m
m以上の実施例6〜11の電線管は通線張力が小さく、
潤滑層の肉厚が0.03mm以上で管全体の肉厚に占め
る割合が40%未満である実施例6〜10の電線管は通
線張力および機械的強度、難燃性ともに特に優れるもの
となっている。一方、比較例7〜9の電線管は潤滑層を
有するため通線張力は小さいものの管全体の肉厚が不適
当であったり、管の外層材料としてエンジニアリングプ
ラスチックを使用していないために引張強度が小さかっ
たり、難燃性に劣るものとなった。
【0037】
【発明の効果】本発明の難燃性電線管は、ノンハロゲン
難燃エンジニアリングプラスチックからなる材料からな
り、肉厚が0.5〜3mmに限定されているため、機械
的強度と高度な難燃性を併せ持つものである。また、内
側に潤滑層を設けた難燃性電線管は電線・ケーブルの通
線作業が容易となる。
難燃エンジニアリングプラスチックからなる材料からな
り、肉厚が0.5〜3mmに限定されているため、機械
的強度と高度な難燃性を併せ持つものである。また、内
側に潤滑層を設けた難燃性電線管は電線・ケーブルの通
線作業が容易となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H111 BA15 BA34 CB03 CB29 DA11 DB23 4F100 AH02H AH10H AK03B AK05 AK31A AK54A AL06A AR00B BA02 CA08A DA11 GB07 GB46 GB90 JB20A JJ07 JK01 JK16B JL01 YY00 YY00A YY00B
Claims (8)
- 【請求項1】 非ハロゲン系難燃剤によって酸素指数を
28以上に高めたエンジニアリングプラスチックからな
り、肉厚0.5〜3mmであることを特徴とする難燃性
電線管。 - 【請求項2】 非ハロゲン系難燃剤によって酸素指数を
28以上に高めたエンジニアリングプラスチックからな
る最外層を備え、肉厚が0.5〜3mmであることを特
徴とする難燃性電線管。 - 【請求項3】 前記最外層の内側に最外層よりも摩擦係
数の小さな潤滑層を有することを特徴とする請求項2に
記載の難燃性電線管。 - 【請求項4】 前記潤滑層がポリオレフィン系樹脂材料
からなることを特徴とする請求項2に記載の難燃性電線
管。 - 【請求項5】 前記潤滑層が0.03mm以上であるこ
とを特徴とする請求項3または4に記載の難燃性電線
管。 - 【請求項6】 前記外層の肉厚が管全体の肉厚の60%
以上であることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに
記載の難燃性電線管。 - 【請求項7】 前記エンジニアリングプラスチックが変
性ポリフェニレンエーテルであることを特徴とする請求
項1〜6のいずれかに記載の難燃性電線管。 - 【請求項8】 酸素指数28以上のシースを有する電線
・ケーブルの保護管に用いることを特徴とする請求項1
〜7のいずれかに記載の難燃性電線管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10264677A JP2000088147A (ja) | 1998-09-18 | 1998-09-18 | 難燃性電線管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10264677A JP2000088147A (ja) | 1998-09-18 | 1998-09-18 | 難燃性電線管 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000088147A true JP2000088147A (ja) | 2000-03-31 |
Family
ID=17406677
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10264677A Pending JP2000088147A (ja) | 1998-09-18 | 1998-09-18 | 難燃性電線管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000088147A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004285201A (ja) * | 2003-03-20 | 2004-10-14 | Ge Plastics Japan Ltd | 接着剤 |
-
1998
- 1998-09-18 JP JP10264677A patent/JP2000088147A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004285201A (ja) * | 2003-03-20 | 2004-10-14 | Ge Plastics Japan Ltd | 接着剤 |
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