JP2000077737A - 圧電変換素子及びその製造方法並びに圧電変換素子を使用したアクチエ−タ - Google Patents

圧電変換素子及びその製造方法並びに圧電変換素子を使用したアクチエ−タ

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JP2000077737A
JP2000077737A JP25464298A JP25464298A JP2000077737A JP 2000077737 A JP2000077737 A JP 2000077737A JP 25464298 A JP25464298 A JP 25464298A JP 25464298 A JP25464298 A JP 25464298A JP 2000077737 A JP2000077737 A JP 2000077737A
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Koji Katsuragi
廣治 葛城
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造が容易な積層型の圧電変換素子及び圧電
変換素子の製造方法並びにその圧電変換素子を使用した
アクチエ−タを提供する。 【解決手段】 2枚の薄板状の圧電素子11及び12の
表面にそれぞれ電極11a及び12aを形成し、第1の
圧電素子11の表面電極11aの上に第2の圧電素子1
2を積層し、この積層体を中軸13に巻付けて筒状に構
成する。筒状に構成された圧電素子を焼成し、電極11
a及び12aにリ−ド線を接続して所定の直流高電圧を
印加して分極させ、圧電変換素子10が完成する。中軸
としては焼成済みの圧電セラミックスなどを使用するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、圧電変換素子及
びその製造方法、並びにその製造方法により製造された
圧電変換素子を使用したアクチエ−タに関する。
【0002】
【従来の技術】圧電変換素子を使用したアクチエ−タ
は、供給される電気エネルギを駆動力に変換する変換効
率が高く、小型軽量でありながら発生する駆動力が大き
く、また、駆動力を容易に制御できるため、カメラ、計
測機器、その他の精密機械の被駆動部材の駆動や位置決
めに利用されるようになつてきた。
【0003】このようなアクチエ−タで使用される駆動
源である圧電変換素子には、単位の圧電素子を複数枚積
層して構成したものがある。これは、単位の圧電素子に
発生する厚み方向の変位をできるだけ大きくして取り出
すためである。
【0004】図11の(a)は、前記した単位の圧電素
子を複数枚積層して構成した圧電変換素子の構成の外観
を示す斜視図で、圧電変換素子100は、厚さが100
μm程度の単位の圧電素子101の表面に電極102を
設けてこれを複数枚積層して接着し、各単位の圧電素子
101の間の電極102を1枚置きに図11の(b)に
示すように結線103、104して正極及び負極とした
ものである。正極及び負極に電圧を印加するときは厚み
方向に伸縮して変位が発生するから、発生した変位を適
宜の手段で被駆動部材に伝達することで被駆動部材の駆
動や位置決めを行うことができる。
【0005】前記した、従来の単位の圧電素子を複数枚
積層して構成した圧電変換素子は、単位素子それぞれの
表面に電極を設ける工程、積層して接着する工程、各層
の電極を結線する工程という繁雑な作業を経て製造され
るので、コストの高いものであつた。
【0006】その他の形状の圧電変換素子としては、単
層の中空円筒状に形成した圧電変換素子がある。図12
は単層の中空円筒状の圧電変換素子の構成の一例を示す
断面図で、単層の中空円筒状の圧電変換素子114の表
面には電極116及び電極117が形成されており、中
空円筒の内面には電極118が形成されている。
【0007】中空円筒状の圧電変換素子114は、基台
111の左右に設けた支持部材112、113により支
持されており、中空円筒状の圧電変換素子114にはス
ライダ115が適当な摩擦力で摩擦結合している。な
お、113aは圧電変換素子114の一端に嵌合する嵌
合部を備えたプラグで、プラグ113aを支持部材11
3にねじ込むことで、圧電変換素子114を基台111
に固定支持することができる。
【0008】この構成において、電極116と電極11
8で構成される第1電極部、電極117と電極118で
構成される第2電極部を、共に予め半径方向に同方向に
分極させておき、この状態で第1電極部及び第2電極部
に互いに逆極性の鋸歯状波パルスを印加すると、鋸歯状
波パルスの緩やかな立上り部分では、第1電極部では伸
び変位が、第2電極部では縮み変位が発生し、スライダ
115を矢印a方向に移動することができる。また、鋸
歯状波パルスの急速な立下り部分では、第1電極部では
急速な縮み変位が、第2電極部では急速な伸び変位が発
生するが、スライダ115は慣性により中空円筒状の圧
電素子114との間の摩擦結合に打ち勝つてその表面を
滑り移動しない。スライダ115の移動を適宜の手段で
被駆動部材に伝達することで被駆動部材の駆動や位置決
めを行うことができる。
【0009】中空円筒状の圧電変換素子は、比較的機械
的強度が高いという特徴があるにしても、発生する変位
を大きくするには電界強度を高める必要がある。従つ
て、圧電変換素子に印加する電圧に制約がある場合に
は、圧電変換素子の厚みを薄くして電界強度を高めなけ
ればならない。即ち、発生する変位を大きくしようとす
ると圧電変換素子の機械的強度が低下するという不都合
があつた。
【0010】この対策として、電極が形成された薄板状
の第1の圧電素子と電極が形成された薄板状の第2の圧
電素子とを積層して構成した積層体を、筒状に巻き取る
ことにより形成された圧電変換素子が、本出願人により
提案されている(特願平10−119901号参照)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、電極が形成さ
れた2枚の薄板状の圧電素子を積層した積層体を中空筒
状に巻いた構成のものは、熱処理により圧電素子が変形
するなどの不都合があり、また、完成した圧電変換素子
をアクチエ−タの駆動軸などの機構部材に接着等により
固定する場合も、圧電変換素子の端部が中空筒であるた
め、十分な取付面積を得ることができず、安定した取り
付けが困難であるなどの不都合があつた。この発明は、
上記課題を解決することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は上記課題を解
決するもので、請求項1の発明は、表面に電極が形成さ
れたPZT(PbZrO3 ・PbTiO3 )を主成分と
する圧電セラミックスからなる薄板状の圧電素子を、中
軸の回りに巻き付けて筒状に構成したことを特徴とする
圧電変換素子である。
【0013】そして、前記薄板状の圧電素子は、表面に
電極が形成された第1及び第2の圧電素子を積層した積
層体で構成するとよい。
【0014】また、前記中軸は、中空軸又は中実軸であ
り、前記第1及び第2の圧電素子と同一材料で形成され
た焼成済みの中軸とするとよい。また、高融点材料で形
成された中軸であつてもよい。
【0015】請求項6の発明は、薄板状に形成されたP
ZT(PbZrO3 ・PbTiO3)を主成分とする圧
電セラミックスからなる第1及び第2の圧電素子の表面
に電極を形成する工程と、該第1の圧電素子の電極形成
面と第2の圧電素子の電極非形成面が対向するように積
層して中軸の回りに巻き付けて筒状体に形成する工程
と、形成した筒状体を所定の温度で焼成する工程と、焼
成した筒状体の電極間に所定の電圧を印加して分極させ
る工程とを含むことを特徴とする圧電変換素子の製造方
法である。
【0016】請求項7の発明は、表面に電極が形成され
たPZT(PbZrO3 ・PbTiO3 )を主成分とす
る圧電セラミックスからなる薄板状の圧電素子を中軸の
回りに巻き付けて筒状に構成した圧電変換素子と、前記
圧電変換素子の一端に固定された駆動部材と、前記駆動
部材に摩擦結合した移動部材とを備え、前記圧電変換素
子に鋸歯状波駆動パルスを印加することにより生ずる伸
縮変位を圧電変換素子に固定された駆動部材に伝達して
速度の異なる往復振動を発生させ、駆動部材に摩擦結合
した移動部材を所定の方向に移動させることを特徴とす
る圧電変換素子を使用したアクチエ−タである。
【0017】そして、前記駆動部材は、前記圧電変換素
子の中軸に固定するとよい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を説
明する。
【0019】図1乃至図3は、この発明の第1の実施の
形態の圧電変換素子の構成及び製造過程を説明する図
で、図1は圧電変換素子の外観を示す斜視図、図2は図
1に示す圧電変換素子の断面図、図3はその製造過程に
ある圧電変換素子の斜視図である。
【0020】図1及び図2に示すように、圧電変換素子
10は、表面にそれぞれ電極11a及び12aが形成さ
れた薄板状の第1の圧電素子11と第2の圧電素子12
を、第1の圧電素子11の電極形成面に第2の圧電素子
12の電極非形成面を対向して積層し、この積層体を中
軸13の回りに巻き付けて円筒状に構成したものであ
る。
【0021】なお、図2では、中軸と巻き付けた圧電素
子の端部との間に空間があるが、これは説明のために圧
電素子の厚みを拡大して示してあるからであり、実際に
は圧電素子は後述するように厚みの極めて薄い薄板状で
あるから、中軸と巻き付けた圧電素子の端部との間には
殆ど空間はない。
【0022】図1に示すように、第1の圧電素子11と
第2の圧電素子12を積層するとき、下側に位置する第
1の圧電素子11の素子の電極11aの端部を露出させ
るため、上側に位置する第2の圧電素子12の端部には
切り欠き部12bが形成されており、下側の素子11の
電極11aにリ−ド線を接続することができるように構
成されている。
【0023】次に、その製造工程を説明する。まず、圧
電素子11及び12の材料としては、PZT(PbZr
3 ・PbTiO3 )を主成分とする圧電セラミックス
を使用する。このセラミックス粉体を溶剤、分散剤、バ
インダ、可塑剤等と混合し、ブレ−ド等を使用して均一
な平面に作成して一定の厚さ、例えば20〜100μm
の厚さに引き伸ばす。溶剤を蒸発させて乾燥すると、グ
リ−ンシ−トと呼ばれる柔軟性のあるシ−トを得ること
ができる。
【0024】次に、このグリ−ンシ−ト(圧電素子)の
表面に、スクリ−ン印刷等の手段で、ペ−スト状の電極
材料、例えばPt系、Ag−Pd系の電極材料を1〜数
μmの厚さに印刷し、電極11a及び12aを形成す
る。
【0025】電極が印刷形成された圧電素子を所定の大
きさに切断し、電極11aが形成された第1の圧電素子
11の上に電極12aが形成された第2の圧電素子12
を積層して貼り合わせる。このとき、第1の圧電素子1
1の電極形成面の上に第2の圧電素子12の電極非形成
面を対向して積層する。また、第2の圧電素子12の隅
には切り欠き部12bを形成しておく。
【0026】次に、図3に示すように、焼成済みの圧電
セラミックス、例えばPZT主成分とする圧電セラミッ
クスの円筒を用意し、この円筒を中軸13として先に積
層したシ−ト状の圧電素子11及び12を巻き付け、筒
状体に形成する。
【0027】次に、前記筒状体を所定の温度条件で焼成
し、電極11a及び12aにリ−ド線を接続して所定の
直流高電圧を印加して分極させると、圧電変換素子10
が完成する。
【0028】焼成する温度条件は、例えば、図4に示す
ように、5時間程度かけて500℃まで序々に温度を高
め、500℃で一定時間焼成した後、最初から9時間後
に1200℃まで序々に温度を高める。さらに、120
0℃で約0.3時間焼成した後、6時間程度かけて常温
まで冷却する。
【0029】分極の方向はシ−ト状の圧電素子の厚み方
向とし、例えば、60℃の環境において、電極11a及
び12aの間に1.5kV/mmの電圧を20分間印加
して分極させる。圧電素子を分極させることで、圧電素
子11及び12に円筒軸の方向に変位を発生させること
ができる。
【0030】また、上記した中軸13は、圧電セラミッ
クスの円筒に限られるものではなく、他のセラミックス
の円筒でもよく、また、炭素やモリブデン、タングステ
ンなど高融点材料の円筒を使用することもできる。
【0031】次に、上記した圧電変換素子を使用したア
クチエ−タの構成を、図5、図6及び図7を参照して説
明する。
【0032】図5はアクチエ−タの構成を示す断面図で
ある。図5において、14は基台、15、16、17は
支持ブロツク、18は駆動軸で、駆動軸18は、圧電変
換素子10に発生する軸方向の変位により軸方向(矢印
a方向、及びこれと反対方向)に変位可能に支持ブロツ
ク16と支持ブロツク17により移動自在に支持されて
いる。
【0033】10は、前記した製造方法により製造され
た筒状の圧電変換素子である。圧電変換素子10の一端
は支持ブロツク15に接着固定され、他端は駆動軸18
の一端に接着固定される。
【0034】なお、符号24は緩やかな立上がり部と急
速な立下がり部、或いは急速な立上がり部と緩やかな立
下がり部を有する鋸歯状波パルスを発生する駆動パルス
発生回路を示し、駆動パルス発生回路24は、圧電変換
素子10の電極11aと12aとの間に駆動パルスを供
給し、圧電変換素子10を駆動するものである。
【0035】図6は、圧電変換素子10と駆動軸18と
の接合部分の構成を示す断面図である。図に示すよう
に、駆動軸18の中心の細径部分18aを中軸13の内
側に嵌合し、駆動軸18の端面と圧電変換素子10の端
面とを接着剤18bにより接合する。この構成により駆
動軸18と圧電変換素子10とは中軸13を介して正確
な位置決めをした上で接合することができ、作業効率を
高めることができる。
【0036】19はスライダで、スライダ19と駆動軸
18とは適当な摩擦力で摩擦結合している。図7は、ス
ライダ19と駆動軸18との摩擦結合部の構成を示す断
面図で、スライダ19には駆動軸18が貫通しており、
スライダ19の駆動軸18が貫通している下部には、開
口部19aが形成され、駆動軸18の下半分が露出して
いる。また、この開口部19aには駆動軸18の下半分
に当接するパツド20が嵌挿され、パツド20は板ばね
21により押し上げられていて、駆動軸18とスライダ
19及びパツド20は板ばね21の付勢力Fにより圧接
され、適当な摩擦力で摩擦結合している。また、スライ
ダ19には、図示しないテ−ブル等の被駆動部材が結合
されているものとする。
【0037】その動作を説明する。圧電変換素子10の
電極11aと12aを駆動パルス発生回路24に接続
し、電極11aと12aの間に数10kHzの鋸歯状波
駆動パルスを印加すると、圧電変換素子10には軸方向
に伸縮変位が生じるので、圧電変換素子10に結合した
駆動軸18には軸方向に速度の異なる往復振動が発生す
る。これにより駆動軸18に摩擦結合したスライダ19
は、駆動軸18上を滑りながら駆動軸の往復振動の非対
称性により速度の遅い振動方向に移動し、スライダに結
合されたテ−ブル等の被駆動部材を移動させることがで
きる。
【0038】以上説明した圧電変換素子は、PZTを主
成分とする圧電セラミックスを材料とした圧電素子の表
面に電極を形成し、この薄板状の第1の圧電素子及び第
2の圧電素子を中軸の回りに巻き付けて筒状に構成した
ものである。中軸があるため、圧電変換素子に発生する
変位量が影響を受けるか否かを実験により確かめたとこ
ろ、影響は小さいことが確かめられた。また、中軸は、
中実軸よりも中空軸のほうが影響を受けることが少ない
ことも確かめられた。
【0039】更に、圧電素子を積層して筒状に構成する
とき、中軸の回りに巻き付けることで、緩み無く巻上げ
ることができ、また、巻上げ作業を自動化しやすくな
る。
【0040】さらに、中軸として焼成済みの圧電セラミ
ックスを使用するときは、焼成により圧電素子に発生す
る収縮を巻き締めに利用できるので、圧電素子積層体を
緩みの無い筒状に形成することができる。焼成作業の際
に中軸が無い場合は、圧電素子に発生する収縮のため、
焼成された圧電素子積層体に歪みが生じ、また、巻上げ
た積層体が緩んだり変形することが確かめられた。
【0041】なお、中軸としては、上記した焼成済みの
圧電セラミックスや炭素やモリブデン、タングステンな
ど高融点材料の円筒のほか、1000℃以下で蒸発する
材料の中軸を利用することもできるが、材料の選定によ
つては蒸発時の圧力により変形する可能性もある。10
00℃以下で蒸発する材料としては、自然界に存在する
繊維材料が適当である。
【0042】次に、圧電変換素子の第2の実施の形態に
ついて説明する。第2の実施の形態では、第1の実施の
形態で説明した圧電セラミックスを材料としたグリ−ン
シ−ト(圧電素子)の表面に電極を形成するとき、圧電
変換素子の仕上り形状である筒状体の軸方向両端部に電
極の無い絶縁部が形成されるように電極を形成したもの
である。
【0043】図8は、第2の実施の形態の圧電変換素子
の構成を示す斜視図であつて、第1の実施の形態の構成
と同一部分には同一符号を付してある。図8において、
第1の圧電素子11と第2の圧電素子12は、それぞれ
その表面に電極11a及び12aが形成される。このと
き、シ−トを巻上げて筒状体を形成したとき、その筒状
体の軸方向両端部に電極の形成されていない絶縁部3
1、及び32が形成されるように電極11a及び12a
を形成する。
【0044】次に、上記のように電極が形成された第1
の圧電素子11と第2の圧電素子12を、第1の圧電素
子11の電極形成面に第2の圧電素子12の電極非形成
面を対向して積層し、この積層体を中軸13の回りに巻
き付けて筒状に構成し、所定の温度条件で焼成し、電極
11a及び12aにリ−ド線を接続して所定の直流高電
圧を印加して分極させ、圧電変換素子10を完成する。
これ等の工程は、先に説明した第1の実施の形態の圧電
変換素子と変わらない。
【0045】また、圧電素子の材料も、第1の実施の形
態のものと同じくPZT(PbZrO3 ・PbTi
3 )を主成分とする圧電セラミックスを使用する。
【0046】この構成の圧電変換素子は、筒状に形成さ
れた圧電変換素子の筒状端部に電極が露出しないから電
極が短絡するおそれが無く、電極短絡の防止のため端部
に絶縁材料を塗布して絶縁層を形成するなどの処理を必
要としない。
【0047】次に、圧電変換素子の第3の実施の形態に
ついて説明する。第3の実施の形態は、圧電セラミック
スを材料とした圧電素子の表裏両面に電極を形成し、こ
の圧電素子を絶縁体シ−トと重ねて中軸に巻き付けて筒
状に構成したものである。
【0048】図9及び図10は第3の実施の形態の圧電
変換素子の構成を示すもので、図9は筒状に構成する前
の素子の斜視図、図10は中軸の回りに巻き付けて筒状
に構成した状態を示す斜視図である。図9及び図10に
おいて、41は圧電セラミックスを材料とした圧電素
子、42及び43はそれぞれ圧電素子42の表面及び裏
面に形成された電極を示す。また、44は絶縁体シ−
ト、45は中軸である。
【0049】その製造工程を説明する。まず、第1の実
施の形態と同じく、PZT(PbZrO3 ・PbTiO
3 )を主成分とする圧電セラミックスの粉体を溶剤、分
散剤、バインダ、可塑剤等と混合し、ブレ−ド等を使用
して均一な平面に作成して一定の厚さ、例えば20〜1
00μmの厚さに引き伸ばす。溶剤を蒸発させて乾燥
し、グリ−ンシ−トと呼ばれる柔軟性のあるシ−トを得
る。
【0050】次に、このグリ−ンシ−ト(圧電素子)の
表裏両面に、スクリ−ン印刷等の手段で、ペ−スト状の
電極材料、例えばPt系、Ag−Pd系の電極材料を1
〜数μmの厚さに印刷し、電極42及び43を形成す
る。
【0051】電極42、43が印刷形成された圧電素子
41を所定の大きさに切断し、裏面の電極43の下側に
絶縁体シ−ト44を配置して重ね合わせる。焼成済みの
圧電セラミックス、例えばPZT主成分とする圧電セラ
ミックスの円筒を用意し、この円筒を中軸45として、
圧電素子41及びこれに重ね合わせられた絶縁体シ−ト
44を一体として巻き付け、筒状体に形成する。
【0052】次に、前記筒状体を所定の温度条件で焼成
し、電極42及び43にリ−ド線を接続して所定の直流
高電圧を印加して分極させると、圧電変換素子40が完
成する。
【0053】第3の実施の形態の圧電変換素子は、圧電
素子41の表裏両面に電極を形成するからグリ−ンシ−
トを2枚必要とせず、作業工程を簡略にできる。
【0054】なお、第2及び第3の実施の形態の圧電変
換素子を使用したアクチエ−タは、第1の実施の形態の
圧電変換素子を使用したアクチエ−タと同様に構成する
ことができるので、ここでは説明を省略する。
【0055】
【発明の効果】以上説明したとおり、請求項1の発明に
係る圧電変換素子は、電極が形成された薄板状の圧電素
子を中軸の回りに巻き付けて筒状に構成したことを特徴
とする圧電変換素子である。薄板状の圧電素子を中軸の
回りに巻き付けて筒状に構成することにより巻上げが容
易となり、特に、中軸として焼成済みの圧電セラミック
スなどを使用するときは、焼成時の圧電素子の収縮を巻
き締めに利用することができるから、巻上げ緩みが無く
なり、巻上げ作業の自動化も容易となる。
【0056】また、この圧電変換素子を使用したアクチ
エ−タを製作する場合も、圧電変換素子と駆動軸とを接
着固定するときに、中軸を介して正確な位置決めがなさ
れた上で接着固定することができるので、十分な取付面
積を確保して安定して強固に接着できるばかりでなく、
接着作業を効率的に行うことができる。
【0057】また、請求項6の発明に係る圧電変換素子
の製造方法によれば、薄板状の圧電素子を緩み無く巻上
げることができ、巻上げ作業の自動化が可能で、圧電変
換素子の製造が容易となり、価格の安い圧電変換素子を
提供することができる。
【0058】さらに、請求項7の発明に係る圧電変換素
子を使用したアクチエ−タは、圧電変換素子と駆動軸と
の接着固定部が、中軸を介して正確な位置決めされて強
固に接着固定されており、信頼性の高いアクチエ−タを
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の圧電変換素子の外観を示す
斜視図。
【図2】図1に示す圧電変換素子の断面図。
【図3】図1に示す圧電変換素子の製造過程を示す斜視
図。
【図4】圧電変換素子の焼成温度条件の一例を示す図。
【図5】圧電変換素子を使用したアクチエ−タの構成を
示す断面図。
【図6】圧電変換素子と駆動軸との接合部分の構成を示
す断面図。
【図7】アクチエ−タのスライダと駆動軸との摩擦結合
部の構成を示す断面図。
【図8】第2の実施の形態の圧電変換素子の構成を示す
斜視図。
【図9】第3の実施の形態の圧電変換素子の筒状に構成
する前の斜視図。
【図10】第3の実施の形態の圧電変換素子の筒状に構
成された状態の斜視図。
【図11】従来の単位素子を複数枚積層した圧電変換素
子の構成を説明する図。
【図12】従来の単層の中空円筒状の圧電変換素子の構
成の一例を示す断面図。
【符号の説明】
10 圧電変換素子 11、12 圧電素子 11a、12a 電極 13 中軸 14 基台 15、16、17 支持ブロツク 18 駆動軸 18a (駆動軸の)細径部分 18b 接着剤 19 スライダ 20 パッド 31、32 絶縁部 40 圧電変換素子 41 圧電素子 42、43 電極 44 絶縁体シ−ト 45 中軸

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に電極が形成されたPZT(PbZ
    rO3 ・PbTiO3 )を主成分とする圧電セラミック
    スからなる薄板状の圧電素子を、中軸の回りに巻き付け
    て筒状に構成したことを特徴とする圧電変換素子。
  2. 【請求項2】 前記薄板状の圧電素子は、表面に電極が
    形成された第1及び第2の圧電素子を積層した積層体で
    あることを特徴とする請求項1記載の圧電変換素子。
  3. 【請求項3】 前記中軸は、中空軸又は中実軸であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の圧電変換素子。
  4. 【請求項4】 前記中軸は、前記第1及び第2の圧電素
    子と同一材料で形成された焼成済みの中軸であることを
    特徴とする請求項1記載の圧電変換素子。
  5. 【請求項5】 前記中軸は、高融点材料で形成された中
    軸であることを特徴とする請求項1記載の圧電変換素
    子。
  6. 【請求項6】 薄板状に形成されたPZT(PbZrO
    3 ・PbTiO3 )を主成分とする圧電セラミックスか
    らなる第1及び第2の圧電素子の表面に電極を形成する
    工程と、 該第1の圧電素子の電極形成面と第2の圧電素子の電極
    非形成面が対向するように積層して中軸の回りに巻き付
    けて筒状体に形成する工程と、 形成した筒状体を所定の温度で焼成する工程と、 焼成した筒状体の電極間に所定の電圧を印加して分極さ
    せる工程とを含むことを特徴とする圧電変換素子の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 表面に電極が形成されたPZT(PbZ
    rO3 ・PbTiO3 )を主成分とする圧電セラミック
    スからなる薄板状の圧電素子を中軸の回りに巻き付けて
    筒状に構成した圧電変換素子と、 前記圧電変換素子の一端に固定された駆動部材と、 前記駆動部材に摩擦結合した移動部材とを備え、 前記圧電変換素子に鋸歯状波駆動パルスを印加すること
    により生ずる伸縮変位を圧電変換素子に固定された駆動
    部材に伝達して速度の異なる往復振動を発生させ、駆動
    部材に摩擦結合した移動部材を所定の方向に移動させる
    ことを特徴とする圧電変換素子を使用したアクチエ−
    タ。
  8. 【請求項8】 前記駆動部材は、前記圧電変換素子の中
    軸に固定されることを特徴とする請求項7記載の圧電変
    換素子を使用したアクチエ−タ。
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