JP2000066251A - 2次元光偏向素子 - Google Patents
2次元光偏向素子Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】レーザービーム伝搬方向の素子の長さを短くす
る。 【解決手段】光透過媒質12の側面には、加熱用電極1
5、16が形成され、加熱用電極15、16には、パル
ス電流を印加するパルス電源17、18が接続されてい
る。光透過媒質12の加熱用電極15、16が形成され
た側面と対向する側面にはヒートシンク19、20が形
成されている。光透過媒質12の出射側には球面状反射
面が形成されている。反射面への入射レーザビームは偏
向角が大きくなるに従って、入射点における球面状反射
面の接線方向に近づき、入射角及び反射角が大きく変化
するので、球面状反射面で反射された反射レーザビーム
の偏向角の大きさが屈折率勾配のみならず球面状反射面
の曲率にも依存し、偏向角の大きさを大きくした2次元
走査を行なうことができる。
る。 【解決手段】光透過媒質12の側面には、加熱用電極1
5、16が形成され、加熱用電極15、16には、パル
ス電流を印加するパルス電源17、18が接続されてい
る。光透過媒質12の加熱用電極15、16が形成され
た側面と対向する側面にはヒートシンク19、20が形
成されている。光透過媒質12の出射側には球面状反射
面が形成されている。反射面への入射レーザビームは偏
向角が大きくなるに従って、入射点における球面状反射
面の接線方向に近づき、入射角及び反射角が大きく変化
するので、球面状反射面で反射された反射レーザビーム
の偏向角の大きさが屈折率勾配のみならず球面状反射面
の曲率にも依存し、偏向角の大きさを大きくした2次元
走査を行なうことができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2次元光偏向素子
に係り、特に、加熱されることにより屈折率勾配が発生
する熱光学効果を備えた光透過媒質を用いて2次元走査
する2次元光偏向素子に関する。
に係り、特に、加熱されることにより屈折率勾配が発生
する熱光学効果を備えた光透過媒質を用いて2次元走査
する2次元光偏向素子に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】特開昭
58−97027号公報には、弾性表面波によって導波
光を偏向する第1の偏向手段と、加熱によって導波光を
偏向する第2の偏向手段とを同一薄膜光導波路に導波光
の伝搬方向に沿って形成して2次元走査する薄膜型2次
元光偏向器が記載されている。
58−97027号公報には、弾性表面波によって導波
光を偏向する第1の偏向手段と、加熱によって導波光を
偏向する第2の偏向手段とを同一薄膜光導波路に導波光
の伝搬方向に沿って形成して2次元走査する薄膜型2次
元光偏向器が記載されている。
【0003】また、特開昭58−147715号公報に
は、アルカリハライド、Al2 O3またはBeOの結晶
体の1つの面を加熱することによりレーザ光を偏向する
偏向手段を備え、加熱面に平行に入射したレーザ光を入
射方向と異なった方向に偏向する光偏向素子をレーザ光
の伝搬方向に2つ配置して2次元走査する光偏向器が記
載されている。
は、アルカリハライド、Al2 O3またはBeOの結晶
体の1つの面を加熱することによりレーザ光を偏向する
偏向手段を備え、加熱面に平行に入射したレーザ光を入
射方向と異なった方向に偏向する光偏向素子をレーザ光
の伝搬方向に2つ配置して2次元走査する光偏向器が記
載されている。
【0004】しかしながら、上記従来の光偏向器は、い
ずれも光の伝搬方向に直列に光偏手段を配置しているた
め、光偏向器の光の伝搬方向の長さが長くなる、という
問題があった。なお、従来の光偏向素子を2つ配置する
技術では、素子の組み立てに光軸調整等が必要になり、
コストが高くなると共に入射効率が悪くなる、という問
題がある。
ずれも光の伝搬方向に直列に光偏手段を配置しているた
め、光偏向器の光の伝搬方向の長さが長くなる、という
問題があった。なお、従来の光偏向素子を2つ配置する
技術では、素子の組み立てに光軸調整等が必要になり、
コストが高くなると共に入射効率が悪くなる、という問
題がある。
【0005】また、従来の光偏向器では、バルク素子で
構成されているため、熱容量(体積)が大きく、加熱後
から温度勾配が発生するまでに数秒程度の時間が必要
で、動作速度が遅い、という問題があった。
構成されているため、熱容量(体積)が大きく、加熱後
から温度勾配が発生するまでに数秒程度の時間が必要
で、動作速度が遅い、という問題があった。
【0006】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたもので、素子組み立て時の光軸調整等が不要で、か
つ光の伝搬方向の長さを短くすることができる2次元光
偏向素子を提供することを目的とする。
れたもので、素子組み立て時の光軸調整等が不要で、か
つ光の伝搬方向の長さを短くすることができる2次元光
偏向素子を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、加熱されることにより屈折率勾配が発生
する光透過媒質と、前記光透過媒質の少なくとも一部分
を加熱して該光透過媒質内の第1の方向に屈折率勾配を
発生させる第1の加熱手段と、前記光透過媒質を加熱し
て該光透過媒質内の前記第1の加熱手段によって屈折率
勾配が発生される部位に前記第1の方向と交差する第2
の方向に屈折率勾配を発生させる第2の加熱手段と、を
含んで構成したものである。
に、本発明は、加熱されることにより屈折率勾配が発生
する光透過媒質と、前記光透過媒質の少なくとも一部分
を加熱して該光透過媒質内の第1の方向に屈折率勾配を
発生させる第1の加熱手段と、前記光透過媒質を加熱し
て該光透過媒質内の前記第1の加熱手段によって屈折率
勾配が発生される部位に前記第1の方向と交差する第2
の方向に屈折率勾配を発生させる第2の加熱手段と、を
含んで構成したものである。
【0008】本発明によれば、光透過媒質の少なくとも
一部分を加熱すると光透過媒質の内部に温度勾配が発生
し、この温度勾配により屈折率勾配が発生し、光透過媒
質に入射された光ビームは屈折率勾配によって偏向され
る。本発明では、光透過媒質内の第1の方向に屈折率勾
配を発生させる第1の加熱手段と、光透過媒質内の第1
の方向と交差する第2の方向に屈折率勾配を発生させる
第2の加熱手段とが設けられているため、2次元走査を
行なうことができる。また、第1の加熱手段によって屈
折率勾配を発生させる部位と第2の加熱手段によって屈
折率勾配を発生させる部位とが同一部位であるため、2
次元光偏向素子の光伝搬方向の長さを短くすることがで
きる。
一部分を加熱すると光透過媒質の内部に温度勾配が発生
し、この温度勾配により屈折率勾配が発生し、光透過媒
質に入射された光ビームは屈折率勾配によって偏向され
る。本発明では、光透過媒質内の第1の方向に屈折率勾
配を発生させる第1の加熱手段と、光透過媒質内の第1
の方向と交差する第2の方向に屈折率勾配を発生させる
第2の加熱手段とが設けられているため、2次元走査を
行なうことができる。また、第1の加熱手段によって屈
折率勾配を発生させる部位と第2の加熱手段によって屈
折率勾配を発生させる部位とが同一部位であるため、2
次元光偏向素子の光伝搬方向の長さを短くすることがで
きる。
【0009】本発明の2次元光偏向素子の光透過媒質の
光出射側には、光反射手段を設けることができる。これ
によって、光透過媒質内で偏向された光ビームは、光透
過媒質の光出射側に設けられた光反射手段によって反射
される。
光出射側には、光反射手段を設けることができる。これ
によって、光透過媒質内で偏向された光ビームは、光透
過媒質の光出射側に設けられた光反射手段によって反射
される。
【0010】この光反射手段は、平面状の反射面、また
は光透過媒質の内側方向に凸の曲面を含む反射面で構成
することができる。平面状の反射面を用いる場合には、
偏向角の大きさが屈折率にのみ依存するので、偏向角の
大きさは高々数度程度であるが、偏向された光ビームが
反射面で反射されるため、光ビームの反射方向は光透過
媒質への入射方向から大きく変化させることができる。
は光透過媒質の内側方向に凸の曲面を含む反射面で構成
することができる。平面状の反射面を用いる場合には、
偏向角の大きさが屈折率にのみ依存するので、偏向角の
大きさは高々数度程度であるが、偏向された光ビームが
反射面で反射されるため、光ビームの反射方向は光透過
媒質への入射方向から大きく変化させることができる。
【0011】一方、曲面からなる反射面を用いる場合に
は、反射面への入射光ビームの方向が反射面の入射点に
おける接線方向に近づくに従ってまたは接線方向から遠
ざかるに従って、入射角及び反射角が大きく変化するの
で、反射面で反射された光ビームの偏向角の大きさが光
透過媒質の屈折率勾配のみならず反射面の形状にも依存
し、偏向方向だけでなく偏向角の大きさ自体を大きくす
ることができる。このような光透過媒質の内側方向に凸
の曲面を含む反射面は、球面、非球面のいずれでもよ
い。
は、反射面への入射光ビームの方向が反射面の入射点に
おける接線方向に近づくに従ってまたは接線方向から遠
ざかるに従って、入射角及び反射角が大きく変化するの
で、反射面で反射された光ビームの偏向角の大きさが光
透過媒質の屈折率勾配のみならず反射面の形状にも依存
し、偏向方向だけでなく偏向角の大きさ自体を大きくす
ることができる。このような光透過媒質の内側方向に凸
の曲面を含む反射面は、球面、非球面のいずれでもよ
い。
【0012】反射面への入射光ビームが臨界角以上の入
射角で入射するように平面状反射面の傾き、曲面状反射
面の形状を定めれば反射面で全反射させることができる
が、反射面に反射膜を蒸着すれば、反射面の傾き及び形
状は任意に定めることができる。
射角で入射するように平面状反射面の傾き、曲面状反射
面の形状を定めれば反射面で全反射させることができる
が、反射面に反射膜を蒸着すれば、反射面の傾き及び形
状は任意に定めることができる。
【0013】また、第1の加熱手段および第2の加熱手
段の各々は、光透過媒質に形成された電極と、電極にパ
ルス電流を印加する印加手段と、を含んで構成すること
ができる。このようにパルス電流を印加することで、屈
折率勾配が急激に発生するので、光ビームを高速に偏向
させることができる。
段の各々は、光透過媒質に形成された電極と、電極にパ
ルス電流を印加する印加手段と、を含んで構成すること
ができる。このようにパルス電流を印加することで、屈
折率勾配が急激に発生するので、光ビームを高速に偏向
させることができる。
【0014】本発明では、第1の加熱手段によって加熱
される部分と対向する部分、及び第2の加熱手段によっ
て加熱される部分と対向する部分の少なくとも一方の部
分を冷却する冷却手段を更に設けることができる。この
冷却手段は、ペルチェ素子等の冷却作用を持った素子、
または放熱によって冷却する放熱板等のヒートシンクで
構成することができる。冷却手段を設けることにより、
温度勾配、従って屈折率勾配を大きくして偏向角を大き
くすることができる。冷却手段は、第1の加熱手段及び
第2の加熱手段の各々に対応させて設けてもよいが、2
次元走査のいずれか一方にのみ大きな偏向角が必要な場
合には、第1の加熱手段及び第2の加熱手段のいずれか
一方に対応させて冷却手段を設ければよい。
される部分と対向する部分、及び第2の加熱手段によっ
て加熱される部分と対向する部分の少なくとも一方の部
分を冷却する冷却手段を更に設けることができる。この
冷却手段は、ペルチェ素子等の冷却作用を持った素子、
または放熱によって冷却する放熱板等のヒートシンクで
構成することができる。冷却手段を設けることにより、
温度勾配、従って屈折率勾配を大きくして偏向角を大き
くすることができる。冷却手段は、第1の加熱手段及び
第2の加熱手段の各々に対応させて設けてもよいが、2
次元走査のいずれか一方にのみ大きな偏向角が必要な場
合には、第1の加熱手段及び第2の加熱手段のいずれか
一方に対応させて冷却手段を設ければよい。
【0015】本発明の2次元光偏向素子は、微小光学系
で構成するのが好ましい。微小光学系で構成することに
より、熱の伝導が高速になるため、動作速度を高速にす
ることができる。
で構成するのが好ましい。微小光学系で構成することに
より、熱の伝導が高速になるため、動作速度を高速にす
ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
施の形態を詳細に説明する。
【0017】第1の実施の形態の2次元光偏向素子は、
図1及び図2に示すように、加熱されることにより屈折
率勾配が発生する光透過媒質12を備えている。本実施
の形態の光透過媒質としては、従来検討されていた無機
材料(ソーダガラスや光学結晶)よりも温度係数が1桁
以上大きな高分子材料(例えば、ポリイミド)を使用し
ている。
図1及び図2に示すように、加熱されることにより屈折
率勾配が発生する光透過媒質12を備えている。本実施
の形態の光透過媒質としては、従来検討されていた無機
材料(ソーダガラスや光学結晶)よりも温度係数が1桁
以上大きな高分子材料(例えば、ポリイミド)を使用し
ている。
【0018】光透過媒質12は、4角柱状の本体部分1
2Aと本体部分12Aに連続する略くさび状の光出射部
分12Bとで、傾斜面を備えた先鋭な角柱状に形成され
ている。光出射部分12Bの傾斜面には、入射レーザビ
ームが透過する平面状の透過面14A、及び全反射によ
ってレーザビームを反射する光透過媒質の内側方向に凸
の球面状反射面14Bが形成されている。この球面状反
射面14Bに反射膜を蒸着してもよい。
2Aと本体部分12Aに連続する略くさび状の光出射部
分12Bとで、傾斜面を備えた先鋭な角柱状に形成され
ている。光出射部分12Bの傾斜面には、入射レーザビ
ームが透過する平面状の透過面14A、及び全反射によ
ってレーザビームを反射する光透過媒質の内側方向に凸
の球面状反射面14Bが形成されている。この球面状反
射面14Bに反射膜を蒸着してもよい。
【0019】光透過媒質12の本体部分12Aの隣り合
う側面、すなわち直交する側面の各々には、真空蒸着等
の方法によって加熱用電極15、16が形成されてい
る。この加熱用電極15、16の各々には、加熱用電極
15、16の各々にパルス電流を印加するパルス電源1
7、18が接続されている。なお、加熱用電極15とパ
ルス電源17との組、及び加熱用電極16とパルス電源
18との組の一方の組が第1の加熱手段に相当し、他方
の組が第2の加熱手段に相当する。
う側面、すなわち直交する側面の各々には、真空蒸着等
の方法によって加熱用電極15、16が形成されてい
る。この加熱用電極15、16の各々には、加熱用電極
15、16の各々にパルス電流を印加するパルス電源1
7、18が接続されている。なお、加熱用電極15とパ
ルス電源17との組、及び加熱用電極16とパルス電源
18との組の一方の組が第1の加熱手段に相当し、他方
の組が第2の加熱手段に相当する。
【0020】光透過媒質12の加熱用電極15が形成さ
れた側面と対向する側面には冷却用のヒートシンク19
が形成され、光透過媒質12の加熱用電極16が形成さ
れた側面と対向する側面には冷却用のヒートシンク20
が形成されている。
れた側面と対向する側面には冷却用のヒートシンク19
が形成され、光透過媒質12の加熱用電極16が形成さ
れた側面と対向する側面には冷却用のヒートシンク20
が形成されている。
【0021】光透過媒質12の本体部分12Aの底面の
サイズは、0.5mm×0.5mm程度であり、長手方
向のサイズは10mm程度であり、このようなサイズに
形成することによって微小光学系が構成されている。
サイズは、0.5mm×0.5mm程度であり、長手方
向のサイズは10mm程度であり、このようなサイズに
形成することによって微小光学系が構成されている。
【0022】本実施の形態の2次元光偏向素子が上記の
ように微小光学系で構成されているため、2次元光偏向
素子に入射するレーザビームは、直径が100μm程度
の極めて細い平行光が使用される。
ように微小光学系で構成されているため、2次元光偏向
素子に入射するレーザビームは、直径が100μm程度
の極めて細い平行光が使用される。
【0023】本実施の形態の2次元光偏向素子では、レ
ーザビームを光透過媒質12の底面から入射し、加熱用
電極16にパルス電流を印加すると、電極が発熱する。
この熱により光透過媒質12中の第1の方向(加熱用電
極16からヒートシンク20に向かう方向)に温度勾配
が発生し、この温度勾配に対応した屈折率勾配が生じ
る。入射されたレーザビームは、光透過媒質12を伝搬
する間に第1の方向に偏向され、パルス電流印加前のレ
ーザビームの入射方向に対して偏向角θ偏向した方向に
伝搬する。そして、球面状反射面14Bでヒートシンク
20が形成された側面方向に反射される。
ーザビームを光透過媒質12の底面から入射し、加熱用
電極16にパルス電流を印加すると、電極が発熱する。
この熱により光透過媒質12中の第1の方向(加熱用電
極16からヒートシンク20に向かう方向)に温度勾配
が発生し、この温度勾配に対応した屈折率勾配が生じ
る。入射されたレーザビームは、光透過媒質12を伝搬
する間に第1の方向に偏向され、パルス電流印加前のレ
ーザビームの入射方向に対して偏向角θ偏向した方向に
伝搬する。そして、球面状反射面14Bでヒートシンク
20が形成された側面方向に反射される。
【0024】図3に示すように、球面状反射面14B
は、点Oを中心とする球面で形成されているため、球面
状反射面14Bへの入射レーザビームLIは、偏向角θ
が大きくなるに従って入射点における球面状反射面の接
線方向に近づき、入射角及び反射角が大きくなる。この
ように、球面状反射面14Bで反射された反射レーザビ
ームの偏向角の大きさが、光透過媒質の屈折率勾配のみ
ならず球面状反射面14Bの曲率にも依存するため、偏
向方向が光透過媒質への入射方向に対して大きく変化す
るだけでなく、偏向角の大きさ自体が出射角φで示すよ
うに大きくなる。この偏向によって、X方向の走査を行
なうことができる。
は、点Oを中心とする球面で形成されているため、球面
状反射面14Bへの入射レーザビームLIは、偏向角θ
が大きくなるに従って入射点における球面状反射面の接
線方向に近づき、入射角及び反射角が大きくなる。この
ように、球面状反射面14Bで反射された反射レーザビ
ームの偏向角の大きさが、光透過媒質の屈折率勾配のみ
ならず球面状反射面14Bの曲率にも依存するため、偏
向方向が光透過媒質への入射方向に対して大きく変化す
るだけでなく、偏向角の大きさ自体が出射角φで示すよ
うに大きくなる。この偏向によって、X方向の走査を行
なうことができる。
【0025】また、加熱電極15にパルス電流を印加す
ると、上記で説明したのと同様に、加熱電源16によっ
て屈折率勾配が発生された部位と同一部位に上記第1の
方向と直交する第2の方向に屈折率勾配が発生するの
で、光透過媒質12を伝搬するレーザビームは第2の方
向に偏向され、Y方向の走査を行なうことができる。
ると、上記で説明したのと同様に、加熱電源16によっ
て屈折率勾配が発生された部位と同一部位に上記第1の
方向と直交する第2の方向に屈折率勾配が発生するの
で、光透過媒質12を伝搬するレーザビームは第2の方
向に偏向され、Y方向の走査を行なうことができる。
【0026】光透過媒質中に発生する温度勾配は、時間
によって変化するため、X方向及びY方向の出射角φは
時間の関数となる。このため、反射面の形状はその出射
角の時間変化を調節するように設計されている。
によって変化するため、X方向及びY方向の出射角φは
時間の関数となる。このため、反射面の形状はその出射
角の時間変化を調節するように設計されている。
【0027】なお、上記の実施の形態では、冷却手段と
してヒートシンクを用いた例について説明したが、ペル
チェ素子等の冷却作用を持った素子を光透過媒質の側面
に形成して冷却するようにしても良く、この場合更に温
度制御を行なうようにしてもよい。また、冷却手段は設
けないようにしてもよい。
してヒートシンクを用いた例について説明したが、ペル
チェ素子等の冷却作用を持った素子を光透過媒質の側面
に形成して冷却するようにしても良く、この場合更に温
度制御を行なうようにしてもよい。また、冷却手段は設
けないようにしてもよい。
【0028】上記では、反射面を球面状に形成した例に
ついて説明したが、非球面状または平面状に形成するよ
うにしてもよい。
ついて説明したが、非球面状または平面状に形成するよ
うにしてもよい。
【0029】次に、本発明の第2の実施の形態につて説
明する。この実施の形態は、図4に示すように、4角柱
状の光透過媒質24を用い、直交する2つの側面の各々
に、加熱用電極25、26を形成し、加熱用電極25、
26の各々にパルス電流を印加するパルス電源27、2
8を接続したものである。本実施の形態においても、上
記の反射面を備えた実施の形態と同様にX方向及びY方
向の2次元走査を行なうことができる。なお、本実施の
形態では反射面を設けていないので、偏向角は高々数度
程度で反射面を備えた第1の実施の形態より小さくな
る。また、本実施の形態では、冷却手段を設けない例に
ついて説明したが、第1の実施の形態と同様に、冷却手
段を設けてもよい。
明する。この実施の形態は、図4に示すように、4角柱
状の光透過媒質24を用い、直交する2つの側面の各々
に、加熱用電極25、26を形成し、加熱用電極25、
26の各々にパルス電流を印加するパルス電源27、2
8を接続したものである。本実施の形態においても、上
記の反射面を備えた実施の形態と同様にX方向及びY方
向の2次元走査を行なうことができる。なお、本実施の
形態では反射面を設けていないので、偏向角は高々数度
程度で反射面を備えた第1の実施の形態より小さくな
る。また、本実施の形態では、冷却手段を設けない例に
ついて説明したが、第1の実施の形態と同様に、冷却手
段を設けてもよい。
【0030】上記各実施の形態では、4角柱状の光透過
媒質を用いた例につて説明したが、光透過媒質は、直交
する2つの平面、または任意の角度で交差する2つの平
面を備えた立体であれば5角柱等種々の形状の光透過媒
質を用いることができる。
媒質を用いた例につて説明したが、光透過媒質は、直交
する2つの平面、または任意の角度で交差する2つの平
面を備えた立体であれば5角柱等種々の形状の光透過媒
質を用いることができる。
【0031】なお、偏向動作に伴うビーム形状の歪みを
整えるために、2次元光偏向素子の出射側に出射光ビー
ム形整用のレンズを設けてもよい。また、レンズ効果を
有する構造を2次元光偏向素子に一体化させたものでも
よい。
整えるために、2次元光偏向素子の出射側に出射光ビー
ム形整用のレンズを設けてもよい。また、レンズ効果を
有する構造を2次元光偏向素子に一体化させたものでも
よい。
【0032】上記各実施の形態の2次元光偏向素子は、
図5に示すように、集積化することができる。図5
(1)は、第1の実施の形態の2次元光偏向素子を集積
化した例を示すものであり、基板30上には先鋭でかつ
断面形状が略5角形状の光透過媒質32が反射面を上方
に向けて形成されており、頂角に対応する部分を挟む直
交する平面の各々には加熱用電極34、36が蒸着され
ている。図5(2)は、第2の実施の形態の2次元光偏
向素子を集積化した例を示すものであり、図5(1)と
対応する部分に同一符号を付して説明を省略する。
図5に示すように、集積化することができる。図5
(1)は、第1の実施の形態の2次元光偏向素子を集積
化した例を示すものであり、基板30上には先鋭でかつ
断面形状が略5角形状の光透過媒質32が反射面を上方
に向けて形成されており、頂角に対応する部分を挟む直
交する平面の各々には加熱用電極34、36が蒸着され
ている。図5(2)は、第2の実施の形態の2次元光偏
向素子を集積化した例を示すものであり、図5(1)と
対応する部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0033】本発明の2次元光偏向素子は、レーザレー
ダの走査光学系、POSのスキャナ(1次元、2次元バ
ーコードリーダ)、レーザビームプリンタの光学系等に
利用することができる。
ダの走査光学系、POSのスキャナ(1次元、2次元バ
ーコードリーダ)、レーザビームプリンタの光学系等に
利用することができる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
単一の光透過媒質を用い、光透過媒質の同一部位を第1
の加熱手段と第2の加熱手段とで屈折率勾配を発生させ
て2次元走査しているため、素子の組み立て時の光軸調
整等が不要になると共に2次元光偏向素子の光伝搬方向
の長さを短くすることができる、という効果が得られ
る。
単一の光透過媒質を用い、光透過媒質の同一部位を第1
の加熱手段と第2の加熱手段とで屈折率勾配を発生させ
て2次元走査しているため、素子の組み立て時の光軸調
整等が不要になると共に2次元光偏向素子の光伝搬方向
の長さを短くすることができる、という効果が得られ
る。
【0035】光透過媒質の光出射側に反射手段を設ける
ことにより、光反射手段によって偏向された光が反射さ
れるため、偏向方向を入射方向から大きく変化させるこ
とができる、という効果が得られる。
ことにより、光反射手段によって偏向された光が反射さ
れるため、偏向方向を入射方向から大きく変化させるこ
とができる、という効果が得られる。
【0036】また、反射手段を光透過媒質の内側方向に
凸の曲面を含む反射面で形成することにより、小型の素
子で大きな偏向角を得ることができる、という効果が得
られる。
凸の曲面を含む反射面で形成することにより、小型の素
子で大きな偏向角を得ることができる、という効果が得
られる。
【0037】パルス電流を印加することによって加熱す
れば、屈折率勾配が急激に発生するので、光ビームを高
速に偏向させることができる、という効果が得られる。
れば、屈折率勾配が急激に発生するので、光ビームを高
速に偏向させることができる、という効果が得られる。
【0038】加熱手段によって加熱される部分と対向す
る部分を冷却する冷却手段を設ければ、温度勾配、従っ
て屈折率勾配を大きくして偏向角を大きくすることがで
きる、という効果が得られる。
る部分を冷却する冷却手段を設ければ、温度勾配、従っ
て屈折率勾配を大きくして偏向角を大きくすることがで
きる、という効果が得られる。
【0039】2次元光偏向素子を微小光学系で構成すれ
ば、熱の伝導が高速になるため、動作速度を高速にする
ことができる、という効果が得られる。
ば、熱の伝導が高速になるため、動作速度を高速にする
ことができる、という効果が得られる。
【図1】本発明の第1の実施の形態の斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の側面図である。
【図3】本発明の実施の形態の2次元光偏向素子の球面
状反射面での反射状態を説明するための球面状反射面の
拡大図である。
状反射面での反射状態を説明するための球面状反射面の
拡大図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態の斜視図である。
【図5】(1)は上記第1の実施の形態の2次元光偏向
素子を集積化した例を示す斜視図、(2)は上記第2の
実施の形態の2次元光偏向素子を集積化した例を示す斜
視図である。
素子を集積化した例を示す斜視図、(2)は上記第2の
実施の形態の2次元光偏向素子を集積化した例を示す斜
視図である。
12 光透過媒質 15、16 加熱電極 17、18 パルス電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 博 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 2K002 AB06 AB08 BA13 CA06 EA02 EB09 EB11 GA10 HA11
Claims (2)
- 【請求項1】加熱されることにより屈折率勾配が発生す
る光透過媒質と、 前記光透過媒質の少なくとも一部分を加熱して該光透過
媒質内の第1の方向に屈折率勾配を発生させる第1の加
熱手段と、 前記光透過媒質を加熱して該光透過媒質内の前記第1の
加熱手段によって屈折率勾配が発生される部位に前記第
1の方向と交差する第2の方向に屈折率勾配を発生させ
る第2の加熱手段と、 を含む2次元光偏向素子。 - 【請求項2】前記光透過媒質の光出射側に光反射手段を
設けた請求項1の2次元光偏向素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10234686A JP2000066251A (ja) | 1998-08-20 | 1998-08-20 | 2次元光偏向素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10234686A JP2000066251A (ja) | 1998-08-20 | 1998-08-20 | 2次元光偏向素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000066251A true JP2000066251A (ja) | 2000-03-03 |
Family
ID=16974855
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10234686A Pending JP2000066251A (ja) | 1998-08-20 | 1998-08-20 | 2次元光偏向素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000066251A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2017191684A1 (ja) * | 2016-05-06 | 2019-03-22 | オリンパス株式会社 | 2次元光偏向器 |
-
1998
- 1998-08-20 JP JP10234686A patent/JP2000066251A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2017191684A1 (ja) * | 2016-05-06 | 2019-03-22 | オリンパス株式会社 | 2次元光偏向器 |
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