JP2000061674A - ガス絶縁開閉装置の製造方法 - Google Patents

ガス絶縁開閉装置の製造方法

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JP2000061674A
JP2000061674A JP10233347A JP23334798A JP2000061674A JP 2000061674 A JP2000061674 A JP 2000061674A JP 10233347 A JP10233347 A JP 10233347A JP 23334798 A JP23334798 A JP 23334798A JP 2000061674 A JP2000061674 A JP 2000061674A
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cutting
gas
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groove
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JP10233347A
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Masaki Tamura
雅貴 田村
Seiichiro Kimura
盛一郎 木村
Yoshinobu Makino
吉延 牧野
Yoshiyuki Onouchi
善之 小野内
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケガキ、切断、溶接の各工程にわたってレー
ザ加工技術を利用することにより、製造コストを低減さ
せて生産性の向上を図る。 【解決手段】 ケガキ工程、切断工程及び溶接工程の全
体にわたり、一台のレーザ加工機の加工ヘッド7からの
レーザ光8を用いてレーザ加工を実施する。また、レー
ザ切断加工を実施する際、加工ヘッド7を開先角度に合
わせて傾け、且つ加工ヘッド7のねらい位置が所望の加
工線上に存在するように、加工ヘッド7の移動方向を制
限する。さらに、レーザ溶接加工を実施するに際して
は、溶接開先内部に溶接ワイヤ及びシールドガスを供給
し、V形開先、U形開先もしくは片側V形開先と片側U
形開先との組合わせのいずれか1つを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス絶縁開閉装置
における鉄タンクの製造方法に係り、特に、製造プロセ
ス全般にレーザ加工技術を用いたガス絶縁開閉装置の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、ガス絶縁開閉装置には絶縁ガ
スの封入容器として鉄タンクが設けられている。この鉄
タンクの構成を図13に示す。鉄タンクのサイズや形状
はガス絶縁開閉装置本体の仕様に合わせて様々である
が、主たる構成は主胴パイプ1、分岐パイプ2及びフラ
ンジ3である。通常、鉄タンクは、主胴パイプ1の両端
面にフランジ3が取付けられ、主胴パイプ1胴部の数箇
所に分岐パイプ2が接合されて構成される。
【0003】このような鉄タンクの製造方法の従来例に
ついて、図14のブロック図を参照して具体的に説明す
る。ここでは、鉄タンクの製造プロセスを、主胴パイプ
1のケガキ工程、分岐パイプ2及びフランジ3を取付け
るために主胴パイプ1を切断する工程、分岐パイプ2及
びフランジ3と主胴パイプ1とを溶接する工程、仕上げ
及び検査を行う最終的な工程に大別して説明する。な
お、図14の符号STはステップ番号を示すものであ
る。
【0004】ケガキ工程まで まず、主胴パイプ1の素材となる板状部材をガス切断ま
たはプラズマ切断し(ステップ1)、ベンディングマシ
ーンで板曲げを行う(ステップ2)。その後、合わせ・
仮付けを実施して(ステップ3)、サブマージ溶接(S
AW)により縦継ぎ溶接を行いパイプ状にして主胴パイ
プ1を得る(ステップ4)。続いて、溶接による変形を
矯正するためにパイプ径の修正を行い(ステップ5)、
さらに、主胴パイプ1の中心線出しと端面寸法のケガキ
線を入れる(ステップ6)。
【0005】切断工程 次に、ガス切断またはプラズマ切断により主胴パイプ1
端面を切断し(ステップ7)、グラインダ作業により開
先を形成させて仕上げる(ステップ8)。また、主胴パ
イプ1の胴部に対してガス切断またはプラズマ切断を行
い、分岐パイプ2を挿入するための穴を開ける(ステッ
プ9)。この穴部分に対してもグラインダ仕上げを行
い、開先を形成される(ステップ10)。
【0006】溶接工程 一方、分岐パイプ2及びフランジ3は機械加工により製
作する(ステップ11,12)。分岐パイプ2を主胴パ
イプ1胴部の挿入穴に合わせて仮付けし(ステップ1
3)、TIG溶接またはMAG溶接により両者を溶接す
る(ステップ14)。また、フランジ3を主胴パイプ1
の端面に合わせて仮付けし(ステップ15)、MAG溶
接にて両者を溶接する(ステップ16)。このようにし
て主胴パイプ1に分岐パイプ2及びフランジ3を取付け
た後、主胴パイプ1に座・脚などの部品を合わせて仮付
けし(ステップ17)、MAG溶接にて溶接する(ステ
ップ18)。
【0007】最終工程 機械加工により最終仕上げを実施し(ステップ19)、
仕上げ・手入れ(ステップ20)、検査(ステップ2
1)、水圧テスト(ステップ22)を行って、ガス絶縁
開閉装置の鉄タンクに供する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のガス
絶縁開閉装置の製造方法には次のような問題点があっ
た。切断工程で使用されるガス切断やプラズマ切断、及
び溶接工程にて用いられるTIG溶接やMAG溶接とい
った工法は、いずれも入熱量が大きく、加工後の変形が
大きかった。特に、溶接変形は顕著であり、変形を矯正
するための作業が面倒であった。しかも、ガス切断・プ
ラズマ切断やMAG溶接では、ヒュームが多く発生し、
その除去作業を行わなくてはならなかった。すなわち、
従来の加工方法では熱変形に対する矯正作業やヒューム
除去作業が必要なので作業工数が多くなり、作業員の負
担が大きかった。これにより、製造コストが増大し、生
産性が低下した。
【0009】以上のような従来の製造法の欠点を補うた
めに、例えばレーザ光を利用したガス絶縁開閉装置の製
造方法が特開平8−1360号公報で開示されている。
しかし、この発明は、異種材、特に炭素鋼とオーステナ
イト系ステンレス鋼とのレーザ溶接に用いる溶接材料に
係わるものであり、レーザ光を用いて溶接変形を低減す
る効果を強調しているに過ぎない。つまり、従来では溶
接工程に限定してレーザ光を利用する技術は提案されて
いるものの、鉄タンクの製造プロセス全体を通じてレー
ザ加工技術をトータルに利用することは行われていなか
った。
【0010】本発明は、このような状況を鑑みて提案さ
れたものであり、その主たる目的は、ケガキ、切断、溶
接の各工程にわたってレーザ加工技術を利用することに
より、製造コストを低減させて生産性の向上を図るガス
絶縁開閉装置の製造方法を提案することにある。
【0011】また本発明の他の目的は、レーザ切断にお
ける製造コストの低減及び切断精度の向上を図ることに
ある。さらに本発明の他の目的は、レーザ溶接における
いっそうの高品質化を図ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、レーザ加工機の加工ヘッドから
照射されるレーザ光を用いて、主胴パイプ及び分岐パイ
プにケガキ線を入れるケガキ工程と、主胴パイプに対す
る切断工程と、主胴パイプに対する溶接工程とを実施す
ることに特徴がある。
【0013】以上のような請求項1の発明では、ケガキ
工程においてレーザ光を用いて鉄タンクの主胴パイプ及
び分岐パイプのケガキを行う。このため、機械加工並み
の精度を持つことができ、ケガキ工程以降の切断工程ま
たは溶接工程に対して十分な精度を確保できる。また、
レーザ光による切断加工を行うので、手作業であるグラ
インダ仕上げが不要である。さらに、レーザ光による切
断加工及び溶接加工では、入熱量が小さく加工後の変形
が少ないため、変形を矯正する作業が不要である。しか
も、ヒュームの発生を抑えることができるので面倒なヒ
ューム除去作業が必要ない。これにより作業工数を削減
でき、作業員の負担を軽減できる。しかも、レーザ切断
加工及びレーザ溶接加工は、ガス切断・プラズマ切断、
及びTIG溶接・MAG溶接に比べて格段に加工速度が
速く、スピーディな製造が可能である。
【0014】このように請求項1の発明においては、ケ
ガキ工程、切断工程及び溶接工程の全体にわたって、ほ
ぼ一台のレーザ加工機を用いてレーザ加工を実施するこ
とができる。したがって、高精度且つ高速で、低コスト
のガス絶縁開閉装置の鉄タンクを製造できる。
【0015】請求項2〜4の発明は、請求項1の発明に
おいて、レーザ切断加工を実施する切断工程に改良を加
えた方法であり、次のような特徴を有している。請求項
2の発明は、加工ヘッドを開先角度に合わせて傾けてい
る。このような請求項2の発明では、加工ヘッドの傾き
を開先角度に合わせることにより、レーザ切断加工を行
うと同時に開先加工を実施できる。したがって、作業工
数を大幅に低減でき、低コスト化をいっそう進めること
ができる。
【0016】請求項3の発明は、加工ヘッドのねらい位
置が所望の加工線上に存在するように、加工ヘッドの移
動方向を制限している。この請求項3の発明では、加工
ヘッドの移動方向を制限して加工ヘッドのねらい位置を
常に所望の加工線上に存在させるので、主胴パイプの実
際の外形線と図面上の外形線とが異なっていても、切断
線が蛇行することがない。したがって、切断面の凹凸を
防止でき、切断精度を高めることができる。
【0017】さらに、請求項4の発明は、レーザ切断条
件を連続的または断続的に変化させている。この請求項
4の発明においては切断線上の加工点によって切断角度
が変化する場合でも、レーザ切断条件を変化させること
により切断角度の変化に簡単に対応でき、切断面の品質
を高めることができる。
【0018】請求項5〜8の発明は、請求項1の発明に
おいて、レーザ溶接加工を実施する溶接工程に改良を加
えた方法で、次の点に特徴がある。請求項5の発明で
は、溶接開先内部に溶接ワイヤ及びシールドガスを供給
し、V形開先、U形開先もしくは片側V形開先と片側U
形開先との組合わせのいずれか1つを用いて溶接開先を
実施している。このような請求項5の発明によれば、主
胴パイプ、分岐パイプあるいはフランジが厚板であると
き、厚板同士の溶接を高品位で実現することができる。
【0019】請求項6の発明の特徴は、溶接開先幅以下
の外径を有する溶接チップを用いて溶接開先内部に溶接
ワイヤを供給する点にある。この請求項6の発明では、
開先幅以下の外径を有する溶接チップを用いることによ
り、開先幅を小さくでき、且つ積層数や溶接ワイヤの供
給量を減らすことができる。これによりレーザ溶接施工
の安定性を高めると同時に、さらなる製造コストの低減
に寄与できる。
【0020】請求項7の発明は、溶接開先内部に対して
溶接ワイヤを垂直に供給し、この溶接ワイヤに加工ヘッ
ドからレーザ光を斜めから照射している。以上の請求項
7の発明では、溶接ワイヤを含む加工ヘッドの周辺を、
コンパクトにまとめることができ、構成の簡略化が容易
である。
【0021】請求項8の発明は、加工ヘッド内に加工ヘ
ッドの動作とは独立して動作する集光レンズを組込み、
加工ヘッド動作用の基準位置とは別に集光レンズ用基準
位置を設け、この集光レンズ用基準位置に基づいて集光
レンズを動かし、加工ヘッドから照射されるレーザ光の
溶接線の倣いを実施している。このような請求項8の発
明では、加工ヘッド動作用の基準位置とは別に設けた基
準位置に合わせて集光レンズを動かすだけで、レーザ光
の溶接線の倣いを正確に実施できる。
【0022】
【発明の実施の形態】(1)代表的な実施の形態 以下、本発明の実施の形態の一例について、図面を参照
して詳細に説明する。まず、代表的な実施の形態に係る
ガス絶縁開閉装置の鉄タンクの製造方法の手順について
図1を用いて述べる。
【0023】ケガキ工程まで 主胴パイプ1の素材となる板状部材を切断する場合、レ
ーザ切断を実施する(ステップ31)。そして、ベンデ
ィングマシーンで板曲げ(ステップ32)の後、合わせ
及び仮付けを実施する(ステップ33)。このとき、仮
付け加工はレーザ光を用いて実施する。さらに、縦継ぎ
溶接を行う場合にもレーザ溶接を行い、主胴パイプ1を
得る(ステップ34)。図2はレーザ加工機へのセッテ
ィング状態を示す。センタリング治具4を用いて主胴パ
イプ1の主軸を作り、主軸を軸受け5にセットする。そ
して、センタリング治具4の主軸を回転テーブル6にセ
ットし、セッティングを完了させる。
【0024】続いて、溶接による変形を矯正するために
径修正を行い(ステップ35)、さらに、レーザ光を用
いて中心線出しと端面寸法のケガキ線を入れる(ステッ
プ36:いわゆるレーザケガキ)。下記の表1にケガキ
線を入れるためのレーザ加工条件を示す。レーザ加工機
によるケガキ線は機械加工並みであり、以降の切断工程
または溶接工程に対して十分な精度を発揮することがで
きる。
【0025】
【表1】 以上のように本実施の形態では、ケガキ工程までの段階
で、単にレーザケガキだけではなく、主胴パイプ1を作
製する際にもレーザ光による切断、仮付け及び溶接を行
っている。また、分岐パイプ2を作製する場合も、パイ
プの切断(ステップ37)及びフランジとの溶接(ステ
ップ38)に際して、それぞれレーザ切断及びレーザ溶
接を採用している。但し、フランジは従来と同じく機械
加工により作製している(ステップ39)。
【0026】切断工程 次に、レーザ切断により開先形成を兼ねて主胴パイプ1
端面の切断を実施する(ステップ40)。また、レーザ
切断により開先形成を兼ねて分岐パイプ2を挿入するた
めの穴を主胴パイプ1胴部に切断する(ステップ4
1)。このようにレーザ切断加工を行う本実施の形態で
は、従来例に比べて、加工後の変形の矯正、手作業であ
るグラインダ仕上げ、ヒュームの除去といった作業が不
要である。したがって、作業工数を大幅に削減でき、作
業員の負担を軽くすることができる。
【0027】ここで図3〜図6を参照して切断工程につ
いて詳しく述べる。まず図3を用いて、レーザ光を用い
た主胴パイプ1端面の切断時の状況を模式的に説明す
る。本実施の形態ではレーザ加工機の加工ヘッド7の傾
きを開先角度に合わせて傾けて切断加工を実施する[…
請求項2に対応]。より具体的には、開先角度が片側10
〜30°であるV形開先を形作るため、加工ヘッド7の傾
きはその角度を維持したまま、レーザ光8を照射し、主
胴パイプ1を回転させる。この切断加工では、ルートフ
ェイスなしのV形開先ができる。このような方法によれ
ば、主胴パイプ1端面の切断と溶接用の開先加工とを同
時に行うことができる。このときの切断条件を表2に示
す。
【0028】
【表2】 なお、ルートフェイスが必要な切断加工を実施する場合
は、先に主胴パイプ1に対して垂直に切断し、その後で
上記同様に斜め切断を実施してもよい。反対に、まず斜
め切断を行い、続いて垂直切断を行うといった順序で切
断すると、加工後の精度があまり良くない。
【0029】また、本実施の形態では加工ヘッド7のね
らい位置が所望の加工線上に存在するように、加工ヘッ
ド7の移動方向を制限している[…請求項3に対応]。
詳しくは、図4(a)に示すように、加工ヘッド7の移
動方向を、図中の矢印Z方向に制限し、加工ヘッド7の
ねらい位置が主胴パイプ1の長手方向と垂直な加工線上
に存在するようにしている。
【0030】通常、主胴パイプ1の外形寸法や形状には
若干のずれがあり、このため主胴パイプ1の実際の外形
寸法と図面上の寸法とは多少ともずれているのが普通で
ある(図4(b)参照)。そこで従来では、加工ヘッド
7と主胴パイプ1表面との間の距離(ギャップ)を一定
にすべく、加工ヘッド7は図中のG軸方向に移動しなが
ら高さ倣いを実施している。しかしこの方法では、図4
(c)に示すように、加工ヘッド7のねらい位置と実際
の加工点は大きくずれることになり、切断線が蛇行して
切断面に凹凸が生じることになる。
【0031】このような従来の高さ倣いに対して、本実
施の形態では加工ヘッド7の移動方向を矢印Z方向に制
限しつつ、高さ倣いを行っている。これにより、加工ヘ
ッド7のねらい位置は常に実際の加工線上に存在するの
で、切断線が蛇行することがなく、切断面の凹凸をなく
して切断精度を高めることができる。
【0032】ところで、本実施の形態ではレーザ切断条
件を連続的または断続的に変化させている[…請求項4
に対応]。この方法は鞍型加工と呼ばれる主胴パイプ1
の穴あけ加工時に特に有効である。鞍型加工とは、主胴
パイプ1の胴部に分岐パイプ2を斜めに挿入するように
穴を開ける切断加工である。図5に示す具体例では主胴
パイプ1と分岐パイプ2が15°で交わり、且つその開先
角度を30°としている。この場合、図6のグラフに示す
ごとく、切断角度が分岐パイプ2挿入用の穴を1周切断
する間に、5 °から45°まで連続して変化するようにな
っている。
【0033】そのため、本実施の形態では上記の切断角
度に合わせてレーザ切断条件を連続的または断続的に変
化させ、これに対応している。このとき、切断条件を2
条件に分け、切断角度の小さい部分では高速で、切断角
度の大きい部分では低速で加工することにより、穴全周
を加工することができる。さらに、切断角度の大きい部
分の分割数を増やすことにより、穴全周の加工を速くす
ることが可能である。
【0034】溶接工程 続いて、溶接工程について説明する。切断工程の終了
後、まず主胴パイプ1と分岐パイプ2との合わせを行い
(ステップ42)、両者をレーザ光を用いて溶接する
(ステップ43)。次に、主胴パイプ1とフランジ3と
の合わせを行い(ステップ44)、両者をレーザ光を用
いて溶接する(ステップ45)。このようにして主胴パ
イプ1に分岐パイプ2及びフランジ3を取付けた後、主
胴パイプ1に座・脚などの部品を合わせて仮付けし(ス
テップ46)、レーザ溶接する(ステップ47)。な
お、以下の最終工程は図14にて説明した従来例と同じ
手順であるため、説明は省略する。
【0035】ここで、図7〜図11を参照して溶接工程
について詳しく述べる。まず図7及び図8に基づいて、
主胴パイプ1端面へのフランジ3の溶接時の状況を説明
する。図7は溶接開先の断面図、図8は図7の縦断面図
である。本実施の形態ではレーザ光8を照射して溶接工
程を実施する際、溶接開先9内部に溶接チップ11を通
して溶接ワイヤ10を供給すると共に、加工ヘッド7先
端に取付けた溶接ノズル12を通して不活性ガスあるい
はN2からなるシールドガス13を供給して、V形開先を
実施している[…請求項5に対応]。このときの溶接条
件を以下の表3に示す。
【0036】
【表3】 また、積層数は厚板溶接を可能とすべく1層または多層
にし、φ0.4〜1.6mmのフィラワイヤを用いるこ
とにする。なお、溶接開先9は図7に示したV形開先以
外にも、図9の(a)に示すようなU形開先、もしくは
(b)に示すような片側V形開先と片側U形開先との組
合わせであっても構わない。
【0037】また、本実施の形態における溶接チップ1
1は先端の外径寸法rが溶接開先9の幅以下の外径寸法
Rを有するように構成されている[…請求項6対応/図
10参照]。そのため、小さい開先幅で溶接開先9内部
に溶接ワイヤ10を供給でき、積層数や溶接ワイヤ10
の供給量を減らすことができる。これによりレーザ溶接
施工時の安定性が高まり、製造コストの低減に寄与でき
る。
【0038】ところで、レーザ溶接は溶接部の幅が狭
く、レーザ光8がわずかでもずれると目違いが生じ易
い。そこで本実施の形態では次のような方法をとってい
る[…請求項8に対応]。すなわち、図11に示すよう
に、加工ヘッド7内に加工ヘッド7の動作とは独立して
動作する集光レンズ15を組込み、加工ヘッド7の動き
とは別に、位置の基準となる対象物を設けている。ここ
では、位置基準となる対象物として、フランジ3の端面
に設置された溶接線倣いセンサ14を設置し、この溶接
線倣いセンサ14に合わせて集光レンズ15だけを動か
してレーザ光8の溶接線の倣いを実施している。したが
って、集光レンズ15の中心軸上にある焦点の位置が実
際の溶接線に合致し、目違いが生じることがなく、レー
ザ光8の溶接線の倣いを加工機並みの精度で実施するこ
とができる。
【0039】以上説明したように、本実施の形態はケガ
キ工程、切断工程及び溶接工程といった製造プロセス全
体にわたって、共通のレーザ加工機によりトータルにレ
ーザ加工技術を実施している[…請求項1に対応]。レ
ーザ加工は、高精度であるだけではなく、従来のガス切
断・プラズマ切断、及びTIG溶接・MAG溶接に比べ
て格段に加工速度が速い。しかも、レーザ切断加工は開
先加工を兼ねることができ、グラインダ仕上げを省くこ
とができる。また、入熱量が低く、加工後の変形が小さ
いため、変形を矯正する必要がない。さらに、ヒューム
の発生を抑制できるため、作業工数を大幅に削減でき、
作業員の負担を軽減できる。これにより、鉄タンクの製
造コストを低減させることができ、ガス絶縁開閉装置の
生産性を向上させることができた。
【0040】(2)他の実施の形態 なお、本発明は、以上のような実施の形態に限定される
ものではなく、例えば、請求項7に対応する実施の形態
として、図12に示すものがある。この実施の形態で
は、溶接開先9内部に対し溶接チップ11を介して溶接
ワイヤ10を垂直に供給すると共に、集光レンズ15の
下側にプリズム16を設置して溶接ワイヤ10に加工ヘ
ッド7からレーザ光8を斜めから照射している。
【0041】この実施の形態では、溶接チップ11を含
む加工ヘッド7の周辺をコンパクトにまとめることがで
き、細い開先の溶接に適している。また、レーザ溶接の
安定性を向上させることができる。さらに、上述した本
実施の形態では溶接ワイヤ10を溶接移動方向の前方で
溶融させていたが、図11に示した実施の形態では溶接
ワイヤ10を開先内部に対し垂直に供給するので、溶接
時の移動方向に合わせて加工ヘッド7全体を回転させる
必要がなく、作業性をいっそう高めることができる。ま
た、ケガキ、切断、溶接のすべての工程にわたってレー
ザ加工技術だけを利用するのではなく、切断工程にガス
切断またはプラズマ切断を併用したり、溶接工程にアー
ク溶接を併用することも可能である。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のガス絶縁
開閉装置の製造方法においては、レーザ光を用いて、鉄
タンクの主胴パイプ及び分岐パイプのケガキ、主胴パイ
プに対する切断、及び主胴パイプに対する溶接を実施す
ることにより、ガス絶縁開閉装置の鉄タンクの製造プロ
セスをほぼ一台のレーザ加工機で行ない、且つその加工
速度は従来の工法より速く、しかも変形矯正やヒューム
除去といった面倒な作業などを省くことができるので、
製造コストの大幅な低減が可能であり、生産性を向上さ
せることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施の形態に係る製造方法の
手順の一例を示すブロック図
【図2】レーザ加工機にセットする前の段取りを説明す
るための斜視図
【図3】レーザ光を用いた主胴パイプ1端面の切断時の
状況を説明するための側面図
【図4】(a)は加工ヘッド7の高さ倣いで移動する方
向を制限する方法を説明するための側面図、(b)は主
胴パイプ1の実際の外形寸法と図面上の寸法とがずれて
いる状態を示す側面図、(c)は従来の加工ヘッド7の
高さ倣いを示す側面図
【図5】鞍型加工を施した主胴パイプ1及び分岐パイプ
2の一部側面図
【図6】分岐パイプ2を挿入するための主胴パイプ1の
穴の各位置における切断角度の変化を示すグラフ
【図7】レーザ光を用いた主胴パイプ1とフランジ3と
の溶接時の状況を説明するための溶接開先の断面図
【図8】図7の縦断面図
【図9】(a)はU形開先、(b)は片側V形開先と片
側U形開先との組合わせを示す溶接開先の断面図
【図10】代表的な実施の形態に係る溶接チップ11の
側面図
【図11】代表的な実施の形態に係る溶接線倣いを説明
するための機構図
【図12】本発明の他の実施の形態に係る溶接チップ1
1を含む加工ヘッド7周辺の機構図
【図13】ガス絶縁開閉装置の鉄タンクの構成図
【図14】従来のガス絶縁開閉装置の鉄タンクの製造手
順の一例を示すブロック図
【符号の説明】
1…主胴パイプ 2…分岐パイプ 3…フランジ 4…センタリング治具 5…軸受け 6…回転テーブル 7…加工ヘッド 8…レーザ光 9…溶接開先 10…溶接ワイヤ 11…溶接チップ 12…溶接ノズル 13…シールドガス 14…溶接線倣いセンサ 15…集光レンズ 16…プリズム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧野 吉延 神奈川県横浜市鶴見区末広町二丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 小野内 善之 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 Fターム(参考) 4E068 AA05 AD00 AE00 BA06 BE03 BG00 CA08 CA10 CA11 CD13 CJ01 DA02 DA06 DA15 DB01 5G017 GG01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端面にフランジを有する主胴パイプと、
    この主胴パイプの胴部に挿入される分岐パイプとからな
    るガス絶縁開閉装置の鉄タンクを製造する方法であっ
    て、前記主胴パイプ及び前記分岐パイプにケガキ線を入
    れるケガキ工程と、前記主胴パイプに対して切断加工を
    行う切断工程と、前記主胴パイプに対して溶接加工を行
    う溶接工程とを含むガス絶縁開閉装置の製造方法におい
    て、 レーザ加工機の加工ヘッドから照射されるレーザ光を用
    いて、前記ケガキ工程、前記切断工程及び前記溶接工程
    を実施することを特徴とするガス絶縁開閉装置の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記切断工程において、前記加工ヘッド
    を開先角度に合わせて傾けることを特徴とする請求項1
    記載のガス絶縁開閉装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記切断工程において、前記加工ヘッド
    のねらい位置が所望の加工線上に存在するように、前記
    加工ヘッドの移動方向を制限することを特徴とする請求
    項1または2記載のガス絶縁開閉装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記切断工程において、レーザ切断条件
    を連続的または断続的に変化させることを特徴とする請
    求項1、2または3記載のガス絶縁開閉装置の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記溶接工程において、溶接開先内部に
    溶接ワイヤ及びシールドガスを供給し、V形開先、U形
    開先もしくは片側V形開先と片側U形開先との組合わせ
    のいずれか1つを用いて溶接開先を実施することを特徴
    とする請求項1、2、3または4記載のガス絶縁開閉装
    置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記溶接工程において、溶接開先幅以下
    の外径を有する溶接チップを用いて溶接開先内部に溶接
    ワイヤを供給することを特徴とする請求項1、2、3、
    4または5記載のガス絶縁開閉装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記溶接工程において、溶接開先内部に
    対して溶接ワイヤを垂直に供給し、この溶接ワイヤに前
    記加工ヘッドからレーザ光を斜めから照射することを特
    徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載のガス
    絶縁開閉装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記加工ヘッド内に加工ヘッドの動作と
    は独立して動作する集光レンズを組込み、加工ヘッド動
    作用の基準位置とは別に集光レンズ用基準位置を設け、
    前記溶接工程において前記集光レンズ用基準位置に基づ
    いて前記集光レンズを動かし、前記加工ヘッドから照射
    されるレーザ光の溶接線の倣いを実施することを特徴と
    する請求項1、2、3、4、5、6または7記載のガス
    絶縁開閉装置の製造方法。
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