JP2000061448A - 水処理用薬品の濃度管理方法 - Google Patents

水処理用薬品の濃度管理方法

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JP2000061448A
JP2000061448A JP11155821A JP15582199A JP2000061448A JP 2000061448 A JP2000061448 A JP 2000061448A JP 11155821 A JP11155821 A JP 11155821A JP 15582199 A JP15582199 A JP 15582199A JP 2000061448 A JP2000061448 A JP 2000061448A
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concentration
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acid
water treatment
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Makoto Horiike
誠 堀池
Toshiharu Wake
敏治 和気
Atsushi Udagawa
淳 宇田川
Shoji Kawai
昭治 河井
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Teramecs Co Ltd
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Organo Corp
Teramecs Co Ltd
Japan Organo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 水処理用薬品と共にトレーサーとして特定の
色素を水中に添加し、水中の色素濃度を光学的に検出し
て、水中に添加した水処理用薬品の濃度を容易且つ迅速
に良い精度で測定する水処理用薬品の濃度管理方法を提
供する。 【解決手段】 水処理用薬品の既知量と共にトレーサー
として水溶性で耐光性のある色素の既知量を開放系冷却
水等の水中に添加し、水中の該色素の濃度を該色素の吸
収のある少なくとも1波長を含む2以上の波長における
測定によって、好ましくは吸光光度法で光学的に検出
し、該水処理用薬品の既知量に比例する色素の検出濃度
から上記水中に存在する水処理用薬品の濃度を定量する
ことにより、水中に添加した該水処理用薬品の濃度を管
理する。トレーサーの色素としては、ブリリアントブル
ーFCFやアシッドレッド等の食品用などの色素を用い
るのが環境保護の観点から好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷却水系等の循環
水系の水中の水処理用薬品(水処理薬剤、水系添加薬
剤)の濃度管理方法に関するものであり、詳しくは、水
処理用薬品と共にトレーサーとして色素を添加し、該色
素を望ましくは吸光光度分析により検出、定量する方法
によって、安定的かつ効率的な水処理用薬品の濃度管理
を行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、あらゆる産業において工
業用水は重要な役割を果しており、循環水系で用いられ
ることも多く、多用される循環水系にはボイラー水系や
開放系や閉鎖系の冷却水系などがある。これらの循環水
系の水処理には、腐食、スケール、スライム等の水に起
因する障害を防ぐために種々の水処理用薬品(薬剤)が
使用されている。一般に、冷却水系等の循環水系で使用
される水処理薬剤には、防食剤、分散剤、スケール防止
剤、殺菌剤、スライム防除剤(バイオファウリング抑制
剤)などがある。
【0003】これらの各種の薬剤の効果による適切な水
処理を行い、これらの薬剤の有する効果を持続させるた
めには、任意の位置、時間等におけるこれらの薬剤濃度
を正確に把握し、適切な濃度管理を行うことが必要であ
る。
【0004】ところが、薬剤の種類によっては、水中の
濃度の測定が不可能なものもあり、また、比色法や比濁
法やその他の定量法で測定ができたとしても、その操作
が煩雑であったり、操作に長時間を要するため、プラン
トの運転管理上実用的で無い場合がある。そのため、水
処理用薬品としてそれ自身の濃度の測定が不可能あるい
は困難な薬剤を用いた場合の濃度管理方法として、簡単
に濃度測定できる物質をトレーサーとして用いることが
行われている。このトレーサーを用いる方法によれば、
それ自身の濃度の測定が不可能な薬剤、あるいは困難な
薬剤であっても、その水中における濃度を迅速に測定す
ることが可能となる。これまで、水処理用薬品の濃度を
トレーサーを用いて測定する従来方法には、臭素トレー
サー法、リチウムトレーサー法、蛍光トレーサー法、色
素トレーサー法などがある。このうち、色素トレーサー
法としては、特公平8−14536号公報に開示される
方法があり、この方法では、色素トレーサーとして水溶
性で光分解性のある染料であるフルオレセインなどを用
いる。
【0005】トレーサーとして用いられるこれらの物質
は、一般に、次に挙げるような多くの条件を満足するこ
とが望まれる。(1)工業用水中に存在しないか、ある
いはその存在量が無視できるほど微量であること、
(2)化学的に安定であること、(3)微生物の作用で
容易に分解しないこと、(4)公害防止上の観点から実
質的に無害であること、(5)対象の工業用水中の溶存
塩類と反応して、不溶性物質やスケールを生じないこ
と、(6)水系の配管材料等の金属材料に対する腐食性
がないこと、(7)溶存塩類による妨害を受けること無
く定量分析が可能なこと、(8)分析が正確にかつ迅速
に行なえることなどである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】水処理用薬品の濃度を
測定する従来方法のうち、比色法、比濁法、臭素トレー
サー法、リチウムトレーサー法等は、現場での測定が困
難であったり、測定時間が長かったり、測定に大掛かり
な装置が必要であったりなどの理由で、試料水をサンプ
リングしてから測定結果を得るまでに長時間を要すると
いう欠点がある。
【0007】一方、色素トレーサー法は、現場で即時的
且つ簡易に測定できるといった利点を持つ濃度測定法な
ので、この方法を用いれば水処理用薬品の濃度管理を容
易に行うことができる。
【0008】しかしながら、ボイラー水や冷却水等の循
環水(特に開放系の冷却水)中において、色素は、光、
熱、pHなどの影響下で変色したり、褪色するものが多
いという欠点がある。例えば、上記特公平8−1453
6号公報の従来の色素トレーサー法における色素トレー
サーとして提案されているフルオレセインは、例えば、
開放系冷却水系においては光等の影響により容易に褪色
するので、経時的な測定において、トレーサー濃度が、
水処理用薬品濃度に関係無く減少してしまい、水処理用
薬品濃度に換算できなくなるという欠点がある。
【0009】また、トレーサー以外の水処理用薬品を含
むボイラー水や冷却水等の循環水自体が、スラッジ等の
汚れによる影響により、程度の差こそあれ着色している
ので、その妨害を考慮に入れた測定を行わなければなら
ない。
【0010】本発明は、上記従来技術の問題点を解決
し、従来の色素トレーサー法では正確な濃度測定が不可
能ないし困難な水処理用薬品を、色素トレーサー法によ
り容易且つ迅速に、より精度良く測定することができる
水処理用薬品の濃度管理方法を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のために成
された本発明の水処理用薬品の濃度管理方法は、トレー
サーとして水溶性で耐光性のある色素を用い、該色素の
吸収のある少なくとも1波長を含む2以上の波長におけ
る測定によって水中の該色素の濃度を光学的に検出する
ことを特徴とするものである。即ち、本発明は、水処理
用薬品と共にトレーサーとして水溶性で耐光性のある色
素を水中に添加し、前記色素の吸収のある少なくとも1
波長を含む2以上の波長における測定によって水中の前
記色素の濃度を光学的に検出することにより、水中に添
加した前記水処理用薬品の濃度管理を行うことを特徴と
する水処理用薬品の濃度管理方法を提供するものであ
る。
【0012】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
よれば、水処理用薬品の既知量と共に水溶性で耐光性の
ある色素の既知量を冷却水系等の循環水系中の水に加え
ておき、該循環水系中の該色素の濃度を光学的に検出
し、該水処理用薬品の既知量に比例する色素の検出濃度
から上記水中に存在する水処理用薬品の濃度を定量する
ことにより、該冷却水系中の水中に存在する水処理用薬
品濃度の検出を行うことができ、水処理用薬品の濃度管
理を行うことができる。
【0013】即ち、本発明に使用する色素は、工業用水
中に通常存在せず、また、化学的安定性の指標ともなり
得る耐光性があることから、容易に褪色せず、化学的に
安定であり、微生物の影響も受けず、その使用濃度にお
いて実質的に無害であり、その有する化学的な性質から
スケール障害の原因とはならない。
【0014】色素の濃度の光学的検出は、吸光光度法に
より行うのが操作の簡便性の点から好ましい。色素の濃
度の光学的検出は、上記色素の吸収のある少なくとも1
波長を含む2以上の波長における測定によって行う。本
発明者等は、上記循環水系の水中におけるスラッジ等の
汚れ或いは粒子による妨害は、特定の波長を吸収するも
のでは無く、光の散乱に起因するものであることを見出
した。色素の吸収のある1波長における色素の吸光度を
測定しても色素の濃度を光学的に検出することができる
ことは勿論であるが、本発明では、上述の知見に基づい
て、色素の光学的な検出法において、色素の吸収のある
少なくとも1波長を含む2以上の波長において測定する
こととして、簡易且つ効率的な検出を可能としたもの
で、これを効率的な吸光光度測定法として利用すること
もできるのが本発明の一つの特徴である。
【0015】一般に、色素溶液の濃度測定においては、
吸光度の大きな特定の吸収波長(望ましくは色素の最大
吸収波長)における吸光度を測定することで色素濃度を
測定する。しかし、吸光度は様々な要因で変動する。例
えば、色素のみ入っていない溶液(以下、「ブランク溶
液」と略す)による吸収、浮遊物等による溶液の懸濁に
伴う光散乱、吸光度測定セルの汚れ等によって見掛けの
吸光度は増大する。これらを補正する目的で、色素溶液
と同時にブランク溶液を測定すること、清浄な吸光度測
定セルを用いることなどが求められる。
【0016】ところで、本発明の方法においては、ブラ
ンク溶液による吸収が無視できるような波長に吸収を有
する色素を用いることから、浮遊物等による溶液の懸濁
に伴う光散乱の効果及び吸光度測定セルの汚れのみを考
慮すれば良い。更に、本発明者等の見出したところによ
れば、上記循環水系の水中におけるスラッジ等の汚れや
粒子による妨害は、特定の波長の吸収としてでは無く、
本発明において大きな波長依存性の無い見掛けの吸光度
の増大として検出される。従って、色素の吸収波長(以
下、「測定波長」と略す)における吸光度を測定すると
共に、色素による吸収が相対的に少ないか、殆ど無いか
或いは実質的に無い波長(以下、「参照波長」と略す)
における吸光度も測定し、色素の測定波長における吸光
度から差し引くことで、光散乱による見掛けの吸光度の
変動を相殺・補正できる。また、吸光度測定セルの汚れ
等による変動も同様に相殺・補正できる。更に、必要に
応じて測定波長及び/又は参照波長を複数とすること
で、より正確な測定を行うことができる。
【0017】つまり、本発明の方法によればブランク測
定をおこなう必要が無く、更に参照波長における吸光度
を監視することで、吸光度測定セルの汚れ度合いを監視
することもできるので、光学的検出の実施がより簡便
で、しかもより正確となる。
【0018】また、色素の濃度の光学的検出における測
定波長は、好ましくは400nm〜800nm、より好
ましくは550nm〜800nmである。即ち、本発明
者等は、一般的な冷却水系等の循環水系の水(防食剤、
分散剤、スケール防止剤、殺菌剤、スライム防除剤等の
各種の水処理薬剤を含んでいるのが通常である)につい
て広範な調査を実施した結果、これらの水、望ましくは
その濾過後の試料水が400nm〜800nmの可視光
に関しては吸光度が小さく、特に550nm〜800n
mの波長においては殆ど吸収が無いか、有ったとしても
経時変動が殆ど無いことを見出した。更に、本発明者等
は、上記循環水系の水中におけるスラッジ等の汚れ或い
は粒子による妨害は、上述の様に、特定の波長を吸収す
るものでは無く、光の散乱に起因するものであり、上記
の波長領域において大きな波長依存性が無いことをも見
出した。従って、上記の波長の範囲内に吸収波長(好ま
しくは最大吸収波長)を有する色素をトレーサーとして
用いれば、冷却水等の循環水の汚れ等による着色の妨害
を殆ど受けずに、色素濃度を吸光光度法にて簡便に測定
することができるので好都合である。
【0019】また、多数の色素のうち、冷却水系等の各
種循環水系の環境下において、光、熱、pHなどの影響
を可及的に受けないものが色素トレーサーとして望まし
く、特に開放冷却水系等の開放循環水系においては、光
の影響を可及的に受けないものを色素トレーサーとしな
ければならない。これらの点にも鑑み、本発明では水溶
性で耐光性のある色素を用いる。色素の耐光性として
は、色素と共に各種水処理用薬品を含んだ実際の循環水
の循環水系における滞留時間(例えば、冷却水系では通
常は1〜3日)等を最大限考慮して1週間循環水系に循
環させたとして、色素の光学的検出濃度の低下が約30
%以下であるのが好ましく、約10%以下であるのがよ
り好ましい。但し、この耐光性の基準は、循環水に含ま
れている水処理用薬品の種類や循環水系の各種条件によ
り大きく異なってくるので、使用できる色素の種類もこ
れらに左右される。
【0020】加えて、色素の官能基ができるだけ簡素で
あることが望ましい。つまり、色素に水溶性を持たせる
ための官能基(スルホン酸基など)以外は、官能基は少
ない方が、それだけ循環水系で起こり得る色素の配管等
への吸着反応や化学反応を抑制することができる。
【0021】また、色素は、使用後に環境に放出された
後、環境に害を及ぼさないことが望まれ、かかる観点か
らは、食品用色素、化粧品用色素、医薬品用色素として
用いられているような色素類が好ましいが、使用濃度等
との関連においては、必ずしもこれらに限定されない。
【0022】以上のことを考慮に入れると、本発明にお
いて、例えば、「ブリリアントブルーFCF(C.I.
Acid Blue 9)〔食品用、化粧品用、医薬
品用色素〕」、「アシッドレッド(C.I. Acid
Red 52)〔食品用、化粧品用、医薬品用色
素〕」、「パテントブルーNA(C.I. Acid
Blue 5)〔化粧品用、外用医薬品用色素〕」、
「ライトグリーンSF黄(C.I. Acid Gre
en 5)〔化粧品用、外用医薬品用色素〕」、「アリ
ザリンシアニングリーンF(C.I. Acid Gr
een 25)〔化粧品用、外用医薬品用色素〕」、
「ナフトールグリーンB(C.I. AcidGree
n 1)〔粘膜以外に使用する化粧品用、外用医薬品用
色素〕」、「ギネアグリーンB(C.I. Acid
Green 3)〔粘膜以外に使用する化粧品用、外用
医薬品用色素〕」、「シー・アイ・アシッドグリーン9
(C.I. Acid Green 9)」、「シー・
アイ・アシッドブルー1(C.I. Acid Blu
e 1)」、「シー・アイ・アシッドブルー7(C.
I.Acid Blue 7)」等の酸性染料、「シー
・アイ・ダイレクトブルー86(C.I. Direc
t Blue 86)」等の直接染料、「シー・アイ・
ベイシックブルー3(C.I. Basic Blue
3)」等の塩基性染料などを好適に用いることがで
き、これらは単独でも組み合わせても用いることができ
るが、単独で用いるのが簡便性の上では好ましい。これ
らの色素の中で、水系中での褪色が少なく且つ極めて低
濃度で光学的検出が可能な点で、ブリリアントブルーF
CFとアシッドレッドが特に好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】ブリリアントブルーFCFは、食
用青色1号として食品添加物等として多用されている最
大吸収波長628nmの発色性の強い色素であり、ま
た、アシッドレッドは、食用赤色106号として食品添
加物等として多用されている最大吸収波長565nmの
発色性の強い色素であり、これらは耐光性、耐熱牲、耐
還元性、耐酸性、耐アルカリ性に優れた安定な色素であ
るので、色素トレーサーとして特に好ましい。これらを
例として本発明をより詳しく説明するが、本発明がこれ
らに限定されないのは言うまでもない。
【0024】ブリリアントブルーFCF及び/又はアッ
ドレッドを色素トレーサーとして水処理用薬品の添加量
に比例して添加する。添加方法としては、色素トレーサ
ーと水処理用薬品を別々に一定の割合で水に添加する方
法と、色素トレーサーを予め一定割合で水処理用薬品に
配合しておき、水処理用薬品と色素トレーサーを同時に
水に添加する方法がある。
【0025】ブリリアントブルーFCFもアシッドレッ
ドも発色性が強いために冷却水等の循環水中の濃度は、
0.01〜0.5mg/L(リットル)程度の極微量で
色素トレーサーとして十分に機能する。しかも、このよ
うな濃度範囲において、色素濃度に対する吸光度の検量
線は直線性を示す。
【0026】水処理用薬品濃度算出法としては、前もっ
て水系に対しての水処理用薬品の添加量と色素トレーサ
ーの添加量との比率を既知の係数(色素による薬品濃度
換算係数)として把握しておけば、例えば、適当な採取
位置、時間で、吸光光度計等を使用して水中の色素トレ
ーサーの濃度を光学的に検出して、その値に係数を乗じ
ることにより、水処理用薬品濃度を算出することができ
る。この算出値に応じて、必要になった水処理用薬品と
色素トレーサーの水への添加量を算出することができ
る。
【0027】本発明による2波長以上測定において、吸
光光度法のトレーサーとしてブリリアントブルーFCF
を用いる場合は、例えば、ブリリアントブルーFCFの
最大吸収波長である628nm前後の1波長(測定波
長)と、ブリリアントブルーFCFによる吸収が無く、
しかも水の汚れによる吸収の影響が実質的に無い波長
(参照波長)として730nm前後の2波長で吸光度を
測定し、その差をトレーサーであるブリリアントブルー
FCFによる吸光度として色素濃度を求め、水処理用薬
品の濃度管理を行うことができる。また、アシッドレッ
ドを用いる場合は、例えば、アシッドレッドの最大吸収
波長である565nm前後の1波長(測定波長)と、ア
シッドレッドのによる吸収が小さく、しかも水の汚れに
よる吸収の影響が実質的に無い波長(参照波長)として
660nm前後の2波長で吸光度を測定し、他は上述と
同様とする。
【0028】
【実施例】以下、実施例で本発明をより具体的に説明す
るが、本発明は、実施例に限定されるものでは無い。な
お、以下の実施例で、ブリリアントブルーFCFの濃度
測定は測定波長628nm、参照波長730nmの2波
長測定の吸光光度法で行い、アシッドレッドの濃度測定
は測定波長565nm、参照波長660nmの2波長測
定の吸光光度法で行った。
【0029】実施例1 ブリリアントブルーFCF及びアシッドレッドを色素と
して用い、これらの色素の安定性を確認するために、ブ
リリアントブルーFCF及びアシッドレッドの各水溶液
中における光、熱、pH、鉄の影響をビーカーテストで
調ベた。
【0030】〔光の影響〕ブリリアントブルーFCF、
アシッドレッドおよび比較用のフルオレセインの濃度が
それぞれ0.1mg/L(リットル、以下同様)になる
ように純水で希釈して調製した試料溶液を日光の当る場
所に放置して光安定性を試験した。実験方法は、それぞ
れの色素濃度を経時的に測定し、試料溶液調製直後に測
定した各色素の検出濃度をそれぞれ100%としたとき
の検出濃度百分率(%)を比較して行った。実験期間
は、冷却水系の滞留時間等を考慮に入れて1週間とし
た。フルオレセインの濃度測定は、吸光光度法で行い、
その測定波長は490nmであった。
【0031】試験の結果、表1に示すように、日光によ
って、フルオレセインが時間と共に急速に褪色して行く
のに対し、ブリリアントブルーFCF及びアシッドレッ
ドは殆ど褪色することは無く安定性が保たれていること
が確認された。
【0032】
【表1】
【0033】〔熱の影響〕ブリリアントブルーFCF及
びアシッドレッドの濃度がそれぞれ0.1mg/Lにな
るように純水で希釈して調製した試料溶液を3分割し、
水温をそれぞれ0℃、25℃、50℃に維持して試料溶
液の熱安定性を試験した。実験方法は、各色素について
それぞれの場合の色素濃度を経時的に測定し、試料溶液
調製直後に測定した検出濃度を100%としたときの検
出濃度百分率(%)を比較して行った。実験期間は、冷
却水系の滞留時間等を考慮に入れて1週間とした。
【0034】試験の結果、表2と表3に示すように、ブ
リリアントブルーFCF(表2)及びアシッドレッド
(表3)は0〜50℃の範囲において熱による影響を殆
ど受けないことが確認された。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】〔pHの影響〕ブリリアントブルーFCF
及びアシッドレッドの濃度がそれぞれ0.1mg/Lで
且つpHが4、7、11になるように、色素に純水と酸
(塩酸)あるいは純水とアルカリ(水酸化ナトリウム)
を加えて調製した試料溶液の安定性を試験した。実験方
法は、各色素についてそれぞれの場合の色素濃度を経時
的に測定し、試料溶液調製直後に測定した検出濃度を1
00%としたときの検出濃度百分率(%)を比較して行
った。実験期間は、冷却水系の滞留時間等を考慮に入れ
て1週間とした。
【0038】試験の結果、表4と表5に示すように、ブ
リリアントブルーFCF(表4)及びアシッドレッド
(表5)は上記のpHの範囲(pH=4〜11)では殆
ど影響されないことが確認された。
【0039】
【表4】
【0040】
【表5】
【0041】〔鉄の影響〕水酸化ナトリウムを適量加え
てpH8.5に調整した戸田工業用水に、ブリリアント
ブルーFCFとアシッドレッドの各色素および水処理用
薬品のHEDP(1−ヒドロキシエチリデン−1,1−
ジスルホン酸)を前者の濃度が0.1mg/L、後者の
濃度が3mg/Lになるように適量注入し、得られた試
料溶液を撹拌させた状態で、軟鋼(SS400)のテス
トピース(2.0×20×80mm)を2枚浸漬させ
て、色素の吸光度の変化を試験した。実験方法は、色素
濃度を経時的に測定し、試料溶液調製直後に測定した検
出濃度を100%としたときの検出濃度百分率(%)を
比較して行った。実験期間は、冷却水系の滞留時間等を
考慮に入れて1週間とした。
【0042】試験の結果、表6に示すように、ブリリア
ントブルーFCF及びアシッドレッドは、水処理用薬品
存在下においては、鉄による影響は殆ど無いことが確認
された。
【0043】
【表6】
【0044】実施例2 本発明に係る色素が色素トレーサーとして使用可能であ
ることを確認するために、開放循環冷却水系で試験を実
施した。
【0045】開放循環冷却水系の運転条件は次の通りで
ある。 水質:戸田工業用水 保有水量:2トン 循環水量:1トン/min 熱交換器の冷却水入口水温:25℃ 熱交換器の冷却水出口水温:35℃ なお、蒸発水量および飛散水相当分を戸田工業用水で補
給した。
【0046】冷却水系に一定の量の臭化物イオンを配合
した水処理用薬品と共に、ブリリアントブルーFCFと
アシッドレッドの各色素をそれそれの濃度が0.1mg
/Lになるように添加して、冷却水を循環させた。そし
て、臭化物イオン濃度、色素濃度を経時的に測定し、添
加直後に測定した両者の検出濃度をそれぞれ100%と
したときの検出濃度百分率(%)を比較した。なお、臭
化物イオン濃度はイオンクロマトグラフ法により求め
た。各水処理用薬品の配合表を表7と表8に示す。表7
と表8において、ディクエスト2010は日本モンサン
ト(株)販売のヒドロキシエチレンジホスホン酸、ACU
MER2000はローム・アンド・ハース社製のスルホ
ン化アクリレート共重合物、ケーソンWTはローム・ア
ンド・ハース社製のイソチアゾロン系殺菌剤である。
【0047】
【表7】
【0048】
【表8】
【0049】その結果、表9に示すように、臭化物イオ
ン濃度とブリリアントブルーFCF濃度の挙動も臭化物
イオン濃度とアシッドレッドの濃度の挙動も、よく一致
することが明らかになった。この結果から、本発明の方
法が色素トレーサー法として、従来の臭素トレーサー法
と同じく使用できることが確認された。
【0050】
【表9】
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、色素トレーサーを使用
する冷却水系等の循環水系における水処理用薬品濃度管
理方法において、従来の色素トレーサー法では正確な濃
度測定が困難であった光などの影響の及ぶ水系において
も、水系に添加した水処理用薬品の濃度を容易かつ迅速
にしかも精度良く測定することができ、適正な水系添加
水処理用薬品の濃度管理を行うことが可能となる。な
お、循環水系として、代表的なものとして開放系の冷却
水系(水冷却塔)を中心に説明してきたが、本発明の方
法は、閉鎖系の冷却水系、ボイラー、エバポレーティブ
コンデンサーなどにも利用することができるのは勿論で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和気 敏治 東京都江東区新砂1丁目2番8号 オルガ ノ株式会社内 (72)発明者 宇田川 淳 東京都江東区新砂1丁目2番8号 オルガ ノ株式会社内 (72)発明者 河井 昭治 京都府宇治市平尾台2丁目8番4号

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水処理用薬品と共にトレーサーとして水
    溶性で耐光性のある色素を水中に添加し、前記色素の吸
    収のある少なくとも1波長を含む2以上の波長における
    測定によって水中の前記色素の濃度を光学的に検出する
    ことにより、水中に添加した前記水処理用薬品の濃度管
    理を行うことを特徴とする水処理用薬品の濃度管理方
    法。
  2. 【請求項2】 前記色素の濃度の光学的検出を吸光光度
    法により行うことを特徴とする請求項1に記載の水処理
    用薬品の濃度管理方法。
  3. 【請求項3】 前記色素の濃度の光学的検出における測
    定波長が400nm〜800nm、好ましくは550n
    m〜800nmであることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の水処理用薬品の濃度管理方法。
  4. 【請求項4】 前記色素が、ブリリアントブルーFCF
    (C.I. Acid Blue 9)、アシッドレッ
    ド(C.I. Acid Red 52)、パテントブ
    ルーNA(C.I. Acid Blue 5)、ライ
    トグリーンSF黄(C.I. Acid Green
    5)、アリザリンシアニングリーンF(C.I. Ac
    id Green 25)、ナフトールグリーンB
    (C.I.Acid Green 1)、ギネアグリー
    ンB(C.I. Acid Green 3)、シー・
    アイ・アシッドグリーン9(C.I. Acid Gr
    een 9)、シー・アイ・アシッドブルー1(C.
    I. Acid Blue1)、シー・アイ・アシッド
    ブルー7(C.I. Acid Blue 7)、シー
    ・アイ・ダイレクトブルー86(C.I. Direc
    t Blue 86)、及び、シー・アイ・ベイシック
    ブルー3(C.I. Basic Blue3)からな
    る群から選ばれる少なくとも1種の色素を含むことを特
    徴とする請求項1から3のいずれかに記載の水処理用薬
    品の濃度管理方法。
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