JP2000056089A - 硝酸塩アスファルト混合廃棄物の処理方法 - Google Patents

硝酸塩アスファルト混合廃棄物の処理方法

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JP2000056089A
JP2000056089A JP10227846A JP22784698A JP2000056089A JP 2000056089 A JP2000056089 A JP 2000056089A JP 10227846 A JP10227846 A JP 10227846A JP 22784698 A JP22784698 A JP 22784698A JP 2000056089 A JP2000056089 A JP 2000056089A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】可燃性である硝酸塩アスファルト混合廃棄物
を、耐火性,耐浸出性で減容された安定化固化体にす
る。 【解決手段】硝酸塩とアスファルトを非酸化性雰囲気中
で硝酸塩の分解温度以下で加熱して硝酸塩とアスファル
トの一部を分解せしめ、さらに、炭酸塩の融点以下で炭
化して放射性炭素を固定した炭素質固化体とする。ま
た、炭素質物の粉末をオゾンを含む酸素中で加熱して脱
炭して無機化された炭酸塩とし、添加物を加え、又は、
他の再処理廃棄物を原料としてNaZr2312と同結
晶構造を有する単一相鉱物を合成し、圧粉焼結して固化
体とする。処理前の硝酸塩アスファルト混合物を、45
%に減容された難燃性炭素質固化体又は鉱物質固化体
に、或いは再処理廃棄物を74%含んだ鉱物質固化体に
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硝酸塩アスファル
ト混合廃棄物の処理方法に係り、特に、使用済燃料の再
処理の工程で発生する、主として硝酸ナトリウムを成分
とする濃縮廃液をアスファルトと混練して水分を蒸発さ
せて生成した硝酸塩アスファルト混合廃棄物をより熱的
に安定で、減容された廃棄物形態とすることに好適な硝
酸塩アスファルト混合廃棄物の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術としては、文献「動力炉・核
燃料開発事業団東海事業所再処理工場技術開発部試験運
転第2課:再処理工場の運転,11.2アスファルト
固化技術開発施設:動燃技報,No.55,pp.64−
66,1985.9」に記載のように、再処理施設から
発生する低放射性廃液とアスファルトを加熱混合,脱水
し、安定なアスファルト固化体としてドラム缶に充填す
る方法が知られている。この方法は、 (1) アスファルトが安価である。
【0003】(2) プロセスが比較的簡単である。
【0004】(3) 水に対する固化体中の放射性物質
の浸出性が低い。
【0005】の様な利点を持っている。
【0006】公開された情報「http:/www.pnc.go.jp/ke
nkyu/dbase/asf/a2.html」によれば処理廃液は、主要化
学成分として硝酸ナトリウムと炭酸ナトリウムを含む濃
縮廃液で、塩/アスファルト混合比は40/60〜50
/50wt%である。ドラム缶に充填されたアスファル
ト固化体はアスファルト固化体貯蔵施設において貯蔵さ
れていた。しかしながら、一旦固化,貯蔵されたアスフ
ァルト固化体を再び何らかの方法で熱的に安定で、減容
された廃棄物形態に処理する従来の技術については公知
ではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】請求項1の発明は、可
燃性の硝酸塩アスファルト混合廃棄物を耐火性に優れた
非酸化性の塩と炭素を主成分とするコークス状物質の難
燃性で減容された混合廃棄物に転化することが目的であ
る。
【0008】請求項2の発明は、酸化剤としての硝酸成
分と還元剤となっているアスファルト揮発成分の相互反
応を比較的低い温度から開始させ、高温になってからの
急激で多量の発泡を伴うような反応を抑制させることが
目的である。
【0009】請求項3の発明は、請求項2の発明の効果
を最適とすることが目的である。
【0010】請求項4の発明は、酸化剤としての硝酸成
分と還元剤となっているアスファルト揮発成分の相互反
応による発泡に起因して反応容器から溶融物が溢れださ
ないようにすることが目的である。
【0011】請求項5の発明は、融点の高い炭酸塩を生
成させて、熔融相の生成を防いで硝酸成分とアスファル
ト揮発成分との相互反応を進行させ、既に存在している
炭酸塩の分解を抑制することが目的である。
【0012】請求項6の発明は、請求項1の発明に関連
し、二次廃棄物の発生を減少することが目的である。
【0013】請求項7の発明は、難燃性となった炭素を
主成分とするコークス状物質を主として炭酸ガスに酸化
分解せしめ、残留無機物を主として炭酸塩として分離す
ることが目的である。
【0014】請求項8の発明は、主として炭酸塩からな
る可溶性の無機物を不溶性の無機結晶鉱物質として耐熱
性,耐浸出性を与えることが目的である。
【0015】請求項9の発明は、請求項8の発明に関連
し、無機成分の耐熱性,耐浸出性物質化のために添加さ
れる元素が他の再処理廃棄物等に由来することにより全
再処理廃棄物量を低減することが目的である。
【0016】請求項10の発明は、請求項7の発明に関
連し、アスファルトの乾溜生成物を酸化分解するために
最適な装置を提供することが目的である。
【0017】請求項11の発明は、請求項10の発明に
関連し、廃ガスの発生を低減することが目的である。
【0018】請求項12の発明は、加熱手段のエネルギ
ー効率を高めることが目的である。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の特徴
は、本来可燃性である硝酸塩アスファルト混合物を酸素
を含まない雰囲気中で徐々に温度を高めることによっ
て、酸化剤としての硝酸成分と還元剤となっているアス
ファルト揮発成分を制御できる状態で反応させて双方を
分解除去し、非酸化性の塩と炭素を主成分とする難燃性
のコークス状物質の混合物とすることにある。
【0020】請求項2の発明の特徴は、酸化剤としての
硝酸成分と還元剤となっているアスファルト揮発成分の
相互反応を比較的低い温度から開始させるために亜硝酸
塩を添加し、高温になってからの急激で多量の発泡を伴
うような反応を抑制することにある。
【0021】請求項3の発明の特報は、請求項4の発明
に関連し、亜硝酸塩の添加量を最適とすることにある。
【0022】請求項4の発明の特徴は、酸化剤としての
硝酸成分と還元剤となっているアスファルト揮発成分の
相互反応による発泡に起因して反応容器から溶融物が溢
れださないように容器の開口面積を大きくすることにあ
る。
【0023】請求項5の発明の特徴は、雰囲気中の炭酸
ガス濃度を高めて硝酸成分の分解生成物が溶融性となら
ないように炭酸塩に転化しやすくし、炭酸塩の分解を抑
制することにある。
【0024】請求項6の発明の特徴は、請求項1の発明
に関連し、アスファルト成分の乾溜凝縮油分を乾溜生成
物の成形助材として利用することにある。
【0025】請求項7の発明の特徴は、難燃性となった
炭素を主成分とするコークス状物質を主として炭酸ガス
に酸化分解せしめ、主として炭酸塩からなる残留無機物
とすることにある。
【0026】請求項8の発明の特徴は、主として炭酸塩
からなる可溶性の無機物を不溶性であり、さらに、構成
元素が多種,多様の元素と置換して固定する結晶鉱物質
とすることにある。
【0027】請求項9の発明の特徴は、請求項8の発明
に関連し、無機成分の不溶性物質化のために添加される
元素が雑固体廃棄物焼却灰,核燃料集合体金属廃棄物,
廃溶媒に含まれる燐酸等の無機性廃棄物に由来するもの
とすることにある。
【0028】請求項10の発明の特徴は、請求項7の発
明に関連し、アスファルトの乾溜生成物を酸化分解する
ために最適な方法を提供することにある。
【0029】請求項11の発明の特徴は、請求項10の
発明に関連し、アスファルトの乾溜生成物の酸化分解し
て発生するガスを除いた後に酸素又は酸素とオゾンを富
化して酸化装置に還流することにある。
【0030】請求項12の発明の特徴は、酸化剤として
の硝酸成分と還元剤となっているアスファルト揮発成分
の相互反応を進行させ、コークス状顆粒体の酸化反応を
進行させ、燐酸ジルコニウム・ナトリウム同構造物質の
合成を進行させ、かつ、焼結するための加熱手段をマイ
クロ波加熱法とすることにある。
【0031】
【発明の実施の形態】代表的な硝酸塩アスファルト混合
廃棄物は、硝酸ナトリウムを主成分とする塩類の45重
量%と、アスファルト55重量%からなる。アスファル
トは原油中に含まれる最も重質な成分で、その構造は複
雑な(芳香族)多環構造を有する高分子化合物である。
一般に、アスファルトは、n−ヘプタン可溶成分とn−
ヘプタン不溶成分(アスファルテン)からなり、前者は
さらに飽和脂肪成分,ナフテン芳香族成分,極性芳香族
成分に分類される。
【0032】代表的なアスファルトの重量組成は、飽和
脂肪成分25%,ナフテン芳香族成分35%,極性芳香
族成分15%,アスファルテン25%である。代表的な
アスファルトの元素組成は炭素89.5%,水素10.5
%であり、飽和脂肪族成分の平均元素重量組成は炭素8
5%,水素15%、その他の芳香族成分の平均元素重量
組成は炭素91%,水素9%である。
【0033】従って、代表的な硝酸塩アスファルト混合
廃棄物の1kgには、硝酸ナトリウム0.45kg(5.29
g−mol),飽和脂肪族成分0.138kg(C:9.7g−
mol,H:20.6g−mol)及び芳香族成分0.412kg
(C:31.3g−mol,H:37.1g−mol)を含むこ
とになる。
【0034】請求項1,請求項2,請求項3,請求項4
及び請求項5の発明の作用は、硝酸塩アスファルト混合
廃棄物の熱分解特性に基づいている。
【0035】アスファルト自体の軟化点は約85℃であ
るが、硝酸塩アスファルト混合廃棄物は約175℃で熔
融して容器に充填されている。硝酸塩アスファルト混合
廃棄物は200℃になると発熱反応が始まり、約300
℃(NaNO3融点306.8℃)ではアスファルトの分
解生成物の揮発による発泡層が50mm程度になり定常化
するが、380℃付近(NaNO3 分解温度380℃)
では激しい発熱反応を起こして暴走反応状態になると言
われる。アスファルト自体は300℃では熱分解しない
ことから、約300℃における熱分解は硝酸ナトリウム
との反応に依存しているものである。
【0036】硝酸塩による酸化反応は、温度が硝酸ナト
リウムの分解温度近くまで高くなり、硝酸の還元生成物
である亜硝酸イオンが一定濃度以上にまで蓄積すると急
激に進行して制御が困難になる。従って、最初から亜硝
酸イオンが存在していれば低い温度でも硝酸による酸化
反応が進行し急激な反応を避け制御することができる。
亜硝酸ナトリウム(NaNO2 の融点271℃,分解点
320℃)を添加することによって、硝酸ナトリウムの
分解温度より低い温度の270℃〜320℃において定
常的に高い反応速度を与えることができる。経験的に必
要な亜硝酸量は硝酸量の1〜5%である。
【0037】一般に、硝酸イオンは以下の反応に従って
1g−molのNO3 -は1g−molの酸素と等価の酸化性を
示す。
【0038】2NO3 - −2e → NO+NO2+2O 代表的な硝酸塩アスファルト混合廃棄物の1kgに含まれ
る硝酸ナトリウム0.45kg(5.29g−mol)が飽和脂肪
族成分と優先的に反応するものとすれば、飽和脂肪族成
分を炭酸ガスと水に酸化するために必要な酸素当量(2
9.7g−mol)に比較して17.8%に相当するため、
飽和脂肪族成分のうち24.5gは硝酸ナトリウムとの
反応で分解する。しかし、実際に反応生成物は炭酸ガス
と水のみではなく、炭水化物の蒸気を含む可能性があ
り、より多量の飽和脂肪族成分が分解するものと考えら
れる。
【0039】硝酸塩アスファルト混合物が非酸化性雰囲
気中で700℃程度まで加熱されれば少なくとも硝酸イ
オンとの反応に関与する飽和脂肪族成分の17.8% を
除いて分子量の小さい炭化水素に熱分解されて凝縮物と
なる。一方、芳香族成分は熱分解過程において、700
℃までは主としてCH4 を発生しながら重合し、より高
温では水素を発生しながら重合して行く。700℃まで
の加熱では芳香族成分の25%が揮発した場合に、水素
含有量は9%から3.62% に低下し、残留するコーク
ス状の物質は炭素含有量が96.38% になる。さらに
炭酸ナトリウムの融点である851℃まで加熱すると、
水素含有量は1.86% に低下して、コークス状物質の
量は0.304kgとなり、炭素含有量は98.14%にな
る。結果的に、アスファルト成分の4%が硝酸イオンと
の反応によって炭酸ガスと水になり、41%が何らかの
炭化水素又は水素となって揮発し、55%がコークス状
物質となって残留する。
【0040】一方、硝酸ナトリウム(NaNO3;融点
306.8℃)5.29g−molが炭化水素と反応してN
Oxの5.29g−molに分解し、生成する炭酸ガス及び
水と定量的に反応すると、炭酸ナトリウム(Na2
3;融点851℃)1.83g−molと水酸化ナトリウ
ム(NaOH融点318.4℃)1.64g−molを生成
する。雰囲気中に過剰の炭酸ガスが存在すれば硝酸ナト
リウムの反応生成物は全て炭酸ナトリウムに転化する。
従って、当初の硝酸塩アスファルト混合廃棄物の1kgに
含まれる硝酸ナトリウム0.45kg(5.29g−mol)
とアスファルト0.55kgは、炭酸ナトリウム0.281
kg(2.65g−mol)とコークス状乾留生成物0.304
kgで、合計して0.585kgになる。
【0041】原料アスファルトの比重は1.04であ
り、硝酸ナトリウム(比重=2.261)との混合物の比
重は1.58であり、炭酸ナトリウム(sg=2.53
2)を含んだコークス状乾留生成物(比重=2.15)
の嵩比重は1.2であり、コークス状乾留生成物を破砕
して生成した粒径が30mesh以下の顆粒体の充填比
重は1.5(69.7%)である。顆粒体の重量あたりに
5%のアスファルトを添加して熱間で混合した後に加圧
成形すると成形体の比重は1.8になり、非酸化雰囲気
中で851℃まで徐々に温度を高めて焼結すれば重量は
2.3% 減少し、比重は1.8である。当初、重量が1k
gであり、容積が0.633リットルであった硝酸塩アス
ファルト混合廃棄物は、最終的に重量が0.60kgで、
容積が0.333リットルに減量する。
【0042】コークス状顆粒体の成型体化は型込め圧縮
成型,押しだし成型,ブリケット成型等の通常炭素製品
の製造に利用される技術を用いることができる。
【0043】請求項7の発明の作用は、炭酸ナトリウム
を含んだコークス状乾留生成物の比較的低温の加熱酸素
中において酸化分解特性に基づいている。炭酸ナトリウ
ムを含んだコークス状乾留生成物を破砕して生成した顆
粒体容器にいれて酸素に触れさせて、徐々に加熱温度を
高め、温度が300℃を超え500℃以下において炭素
成分が酸化してまず重量が増加し、続いて酸化炭素ガス
を生成して徐々に重量が減少する。酸素にオゾンが含ま
れるとより低温でも同様の酸化反応が進行する。ただ
し、オゾンの濃度が高いと爆発の可能性があるので、オ
ゾンの濃度は5%以下とする必要がある。炭素成分の酸
化による重量増加が最大値に達するまでに温度が高すぎ
ると反応熱が蓄積して着火し、容器内の顆粒体が全て燃
焼する。顆粒体は赤熱し一酸化炭素ガスが燃焼して炎を
発生し、無機分が飛散する可能性がある。炭素成分の酸
化による重量増加が最大値に達したら温度を高めて着火
することなく酸化炭素ガス化反応を早めることができ
る。炎が発生しなければ無機分が飛散することはない。
硝酸塩アスファルト混合廃棄物には放射性炭素を含む炭
酸塩を含有していることがある。炭酸塩は温度が謂分解
点に達しなくても融点を超えるナトリウム塩を生成しや
すい物質と反応して分解する可能性がある。本発明で
は、温度を炭酸塩の融点以下に保つことによって炭酸塩
の分解を防止し、放射性炭素の遊離を防止することがで
きる。最終的に、炭酸成分を除く炭素成分は全てガスと
なって失われ、当初、重量が1kgであり、容積が0.6
33 リットルであった硝酸塩アスファルト混合廃棄物
は、重量が0.281kg の炭酸ナトリウムとなる。
【0044】請求項8及び請求項9の発明の作用は、請
求項7の発明によって生成した無機物が汚染物質を含む
炭酸ナトリウムを水に不溶性の物質に転化するものであ
る。燐酸ジルコニウム・ナトリウム(NZPと略記する)
は分子式がNaZr2312(分子量:490.34g)
であり、ZrO68面体が6個のPO44面体と酸素原子
を共有して結合し各々のPO44面体が4個のZrO6
面体と酸素原子を共有して結合して、基本構成単位が
(Zr2312 - )であるリボン構造を構成し、リボン
構造がPO44 面体で結合されて三次元結晶構造となっ
ている。結晶構造式は一般的にM′M″3[AIV 2][X
V 3]O12と表され、A位置をZrイオンが占め、X位置
をPイオンが占める。リボン構造内に空孔M′があり、
Naイオンが配位する。隣接するリボン構造の間に別の
空孔M″があるが、NZPにおいては満たされていな
い。
【0045】M′,A,X等の各位置は、多様な異原子
価イオンで置換されても結晶構造が変わらない特徴があ
る。M′位置は最も大きな陽イオンが、X位置は最も小
さな陽イオンが、A位置は中間の大きさの陽イオンがそ
れぞれほぼ選択的に置換する。一般にNZPの構成原子
が置換されても構造が変化しない物質を[NZP]と表
記する。
【0046】M′位置:Na+,Rb+,Cs+,Ag+
Mg2+,Ca2+,Sr2+,Ba2+,Zn2+,Cd2+,P
2+ A位置:Ti4+,Cr3+,Fe3+,Co2+,Ni2+,Y
3+,Zr4+,Tc4+,Ru4+,Rh3+,In3+,L
3+,Ce4+,Pr3+,Nd3+,Pm3+,Sm3+,E
3+,Gd3+,U4+,Np4+,Pu4+,Am3+,Cm3+ X位置:Al3+,Si4+,P5+,As5+,Se6+,Mo
6+,Sn4+,Sb5+,Te4+ M′位置で多価の原子価状態のイオンは当量分のNaと
置換する。M″位置はA又はX位置に置換したイオンの
電荷を補償するため、当量分の1価のアルカリ金属が配
位する。
【0047】廃棄物の主成分であるナトリウムイオンで
[NZP]を合成すると、他の構成元素を選択すること
により、[NZP]の1分子あたりにNaを4原子まで
固定することが可能である。汚染成分として含まれる核
分裂生成物元素の殆ど全ては[NZP]内で元素を置換
して固定される。また、[NZP]は広範な元素の組み
合わせで合成が可能である。基本的な化合物がNa,Z
r,Pで構成されるにも関わらず、特にZrはより安価
で原子量が小さいチタン又は鉄に置き換えて合成するこ
とが望ましい。燐は必須元素であるが、より多量のNa
を固定する目的で必要に応じて硅素に置き換える場合が
ある。
【0048】再処理廃棄物に含まれる核分裂生成物元
素,MA元素,腐食生成物元素,プロセス薬品構成元素
等は陰イオンとなって存在するものを除き全て[NZ
P]の構成元素を置換して固定される。
【0049】[NZP]を合成するための添加元素は他
の再処理廃棄物から供給することができる。例えば、ジ
ルカロイ(ハル、チャンネルボックス)に含まれるZ
r,Fe,Sn,ステンレス鋼(エンドピース)に含ま
れるFe,Cr,Ni、ニッケル合金(スペーサ)に含
まれるNi,Fe、雑固体焼却灰に含まれるCa,A
l,Si,Zn,燐酸塩(廃溶媒)等である。
【0050】請求項10の発明の作用は、温度上昇速度
と最高温度をそれぞれ制御しながら行う回分式マッフル
炉、水平方向温度分布と最高温度をそれぞれ制御しなが
ら一定速度で炉内を水平方向に移動させて行う連続トン
ネル炉又は回転傾斜管状トンネル炉、あるいは、高さ方
向温度分布と最高温度をそれぞれ制御しながら連続的又
は回分的に炉内に装荷して重力移動させるサイロ状炉な
どいずれを用いてもよい。トンネル炉又はサイロ状炉に
おいて、酸素又はオゾンを含んだ酸素の供給は酸化反応
生成物の取り出し側から行うことが好ましい。
【0051】請求項11の発明の作用は、加熱炉の排出
ガスに酸素を富化して循環することにより、放射性物質
を含むガスを循環系統内に閉じ込め管理を容易にするこ
とができる。
【0052】請求項12,13及び14の発明の作用
は、被加熱物体自身が発熱体となることが特徴であるマ
イクロ波加熱であることによる。通常の加熱方法は主と
して熱伝導を利用するため、被加熱物体の温度分布が均
一になりにくく、ホットスポットを発生し、局所的に反
応が発生する可能性がある。一方、マイクロ波加熱法で
は被加熱物体の温度分布がより均一になり、局部的反応
も起こり難い。
【0053】マイクロ波加熱は温度を高めることによっ
て化学反応を促進する現象だけでなく、粒子間の固相拡
散反応,焼結反応をエネルギー効率的に進行させる効果
がある。マイクロ波加熱法は、保守が必要なマイクロ波
発生源を生体遮蔽外に設置して、導波管によって生体遮
蔽内に導き容器内の放射性物質を熱処理するために適し
ている。
【0054】〔実施例1〕本発明の好適な一実施例であ
る硝酸塩アスファルト混合廃棄物の処理方法を、硝酸塩
アスファルト混合廃棄物装置を示す図1を用いて説明す
る。硝酸塩アスファルト混合物の処理を行う耐熱金属製
のマッフル炉1は、耐熱金属製の容器2を内蔵する。容
器2は、開口面積が0.2m2,深さが15cmである。予
め流動化されて、亜硝酸ナトリウム1%を含む硝酸塩ア
スファルト混合物が、容器2内に深さ7.5cm まで充填
されている。この硝酸塩アスファルト混合物の装荷容積
は15リットルであり、装荷量は23kgである。3はガ
スの循環系、4は炭酸ガス供給系、5は酸素供給系(オ
ゾン発生装置を含む)、6は油分凝縮器、7は吸着塔、
8は気体凝縮器、9は油分取り出し口、10は洗浄水取
り出し口、11は吸着塔洗浄液供給口である。吸着塔7
はゼオライト系吸着材を充填している。
【0055】炭酸ガス供給系4から供給された炭酸ガス
は、循環ガスとして、マッフル炉1,油分凝縮器6,吸
着塔7,気体凝縮器8及びマッフル炉1と循環する。こ
の状態で、マッフル炉1内の温度を270℃から380
℃にまで徐々に高めて、容器2内で硝酸塩アスファルト
混合物の組成物である硝酸塩と炭化水素の反応を進行さ
せる。硝酸塩アスファルト混合物に含まれている油分
は、その加熱により揮発し、油分凝縮器6で凝縮され
る。凝縮された油分は、油分取り出し口9から装置外に
取り出される。マッフル炉1内での熱分解で発生したN
Oxは、吸着塔7内のゼオライト系吸着材に吸着されて
除去される。気体凝縮器8は、循環ガスを凝縮してこれ
に含まれる水分等を除去する。揮発物及び水分を含まな
い循環ガスが、気体凝縮器8からマッフル炉1に戻され
る。
【0056】揮発物が発生しなくなってからマッフル炉
1の温度を850℃まで高めて、容器2内の物質を加熱
する。この加熱終了後、マッフル炉温度が室温に戻って
から容器2内に残留した13.45kg のコークス状物質
を、マッフル炉1から取り出す。このコークス状物質
は、破砕機(図示せず)で30mesh以下に粉砕されて顆
粒体にされる。
【0057】顆粒体は、アスファルトを5%添加された
状態で約120℃に加熱される。この加熱状態で顆粒体
とアスファルトは混合される。その後、この混合物は、
冷却された後に、内径30cmの金型中で杵により0.3t
on/cm2 の圧力で圧縮成型され、高さ11cmの円柱形の
成型体にされた。この成型体の嵩比重は1.8 であっ
た。成型体は、容器2に載せられてマッフル炉1内に入
れられ、不活性雰囲気(炭酸ガス雰囲気)中で8時間で
最終的に850℃にまで徐々に温度を高めて焼結され
た。この焼結体はマッフル炉1から取り出される。焼結
体は、重量が13.8kg,直径が28.5cm,高さが10.5
cm、及び嵩密度が2.06 であった。処理前に15リッ
トルであった硝酸塩アスファルト混合物容積が、本実施
例の処理により6.7リットルに減容された。
【0058】マッフル炉1から焼結体を取り出した後
に、酸化工程の処理が実行される。酸化工程において
は、酸素供給系5からオゾンを含む酸素が上記処理装置
内に供給される。ゼオライト系吸着材に吸着されたNO
xは酸素及びオゾンの作用でNO2に酸化される。洗浄液
供給口11から吸着塔7内に供給される供給液で吸着材
を洗浄することにより、NO2 は硝酸として回収され
る。この硝酸は、洗浄液取り出し口10から取り出され
る。
【0059】本実施例により以下の効果が得られる。
【0060】(1)難燃性の硝酸塩アスファルト混合廃
棄物を、減容された炭素質廃棄物固化体に転化できる。
【0061】(2)硝酸塩アスファルト混合廃棄物に炭
酸塩として含まれていた放射性炭素を、炭素質廃棄物固
化体中に保存できる。
【0062】〔実施例2〕実施例1で生成したコークス
状顆粒体を容器2に装荷し、図1に示す装置においてマ
ッフル炉1内に入れる。顆粒体の充填容積は9リットル
であり、充填深さは4.5cm であった。オゾンを5%以
下含んだ酸素(酸素供給系5から供給)を循環ガスとし
てマッフル炉温度を300℃に保ち酸化反応を進行させ
た。24時間かけて温度を500℃に高めた後に最終的
に850℃で8時間酸化してから室温まで冷却した。容
器2中には6.5kg(61.33g−mol)の主として炭酸
ナトリウムからなる無機化された物質が残留した。
【0063】無機化残留物に、TiO2(81.77g−m
ol),SiO2(81.77g−mol)を添加して湿式粉砕
して十分均一化し、攪拌しながらH3PO4(40.88
g−mol)を添加して炭酸塩を分解し、90℃に保持して
水分を蒸発させて乾燥した。乾燥体を約100meshに粉
砕し、アルミナるつぼにいれて空気中で700℃におい
て4時間加熱した。生成した粉末の重量は18.15kg
であり、元素組成はNa3Ti2PSi212であり、X
線回折分析の結果NaZr2312 と同構造体の単一
鉱物相であることがわかった。粉末の真比重は3.3で
あった。
【0064】粉末に結合材として少量のビニールアルコ
ール水溶液を添加し、乾燥してから内径30cmの金型中
で杵により0.3ton/cm2の圧力で圧縮成型し高さ10.
7cmの円柱形成型体とした。成型体の嵩比重は2.4 で
あった。成型体を容器2に載せてマッフル炉1内に戻
し、空気雰囲気中で8時間で最終的に1000℃にまで
徐々に温度を高めて焼結した。焼結体は、重量が18.
1kg,直径が28.5cm,高さが10.2cm、嵩密度が
2.78であった。処理前の硝酸塩アスファルト混合物
容積が15リットルであったものが、本実施例により
6.5 リットルに減容された。
【0065】本実施例によって実施例1と同様な効果が
得られた。
【0066】〔実施例3〕 (具体例1)実施例1で生成したコークス状顆粒体を容
器2に装荷し、図1の装置においてマッフル炉1内に戻
した。顆粒体の充填容積は9リットルであり、充填深さ
は4.5cm であった。酸素を循環ガスとして用いてマッ
フル炉温度を300℃に保ち酸化反応を進行させた。2
4時間かけて温度を500℃に高めた後に最終的に85
0℃で8時間酸化してから室温まで冷却した。容器2中
には6.5kg(61.33g−mol)の炭酸ナトリウムからな
る無機化された物質が残留した。
【0067】硝酸塩アスファルト混合廃棄物の他にも、
再処理工場では燃料集合体構成金属廃棄物並びに雑固体
焼却灰等の廃棄物が発生する。それぞれの内訳は、以下
の通りである。
【0068】(a)燃料集合体構成金属廃棄物 Zr 11.69kg 128.15g−mol Fe 1.03kg 18.44g−mol Cr 0.29kg 5.57g−mol Ni 0.33kg 5.62g−mol Sn 0.18kg 1.52g−mol 合計 13.52kg (b)雑固体焼却灰 CaO 2.04kg 36.31g−mol SiO2 0.81kg 12.26g−mol Al23 0.57kg 5.59g−mol Fe23 0.20kg 1.25g−mol ZnO 0.17kg 0.99g−mol MgO 0.12kg 2.98g−mol 合計 3.91kg 硝酸塩アスファルト混合物を処理して残留した炭酸ナト
リウム,燃料集合体構成金属廃棄物から生成した酸化物
及び雑固体焼却灰の酸化物に添加物として3.01kgのSi
2を加えて混合し、最後に16.52kgのH3PO4を添
加して燐酸ジルコニウム・ナトリウムの同構造体であ
り、下記の組成式を有する単一相の鉱物(分子量=50
5.53g)の40.79kgを合成した。
【0069】Na1.52Ca0.45Zn0.01Mg0.04[Zr
1.58Fe0.26Cr0.07Ni0.07Sn0.02]Si0.15Al
0.14(P2.09Si0.62)O12 この固化体は、当初の硝酸塩アスファルト混合廃棄物量
(23kg)と比較して177%に増量しているが、再処
理廃棄物を利用して廃棄物自体を固体化しているもの
で、固化体重量を占める本来の廃棄物の重量比率は5
8.7% である。廃溶媒に含まれる燐酸分もこの合成に
利用できる。
【0070】本具体例によって以下の効果が得られる。
本具体例も実施例1で得られる効果を生じる。
【0071】(1)従来は個別に固化処理されていた再
処理廃棄物を利用して硝酸塩アスファルト混合物廃棄物
を、耐熱性,耐浸出性の一体化された廃棄物固化体に転
化できる。
【0072】(具体例2)具体例1の場合と異なり、硝
酸塩アスファルト混合廃棄物の発生量が他の廃棄物と比
較して多い場合に、硝酸塩アスファルト混合物の処理に
よって発生する無機化された残留物である炭酸ナトリウ
ムを最大限に含有した固化体として、燃料集合体構成金
属廃棄物の6.85kgから生成した酸化物と雑固体焼却
灰の2.70kgの混合物に添加物として2.41kgのSi
2 を加えて混合し、最後に4.82kgのH3PO4を添
加して燐酸ジルコニウム・ナトリウムの同構造体であ
り、下記の組成式を有する単一相の鉱物(分子量=53
2.30g)の21.76kgを合成した。
【0073】Na3.00Ca0.45Zn0.01Mg0.04[Zr
1.58Fe0.26Cr0.07Ni0.07Sn0.02]Si0.15Al
0.14(P0.61Si2.10)O12 この固化体は、当初の硝酸塩アスファルト混合廃棄物量
(23kg)と比較して94.6% に減量しているにすぎ
ないが、再処理廃棄物を利用して廃棄物自体を固体化し
ているもので、固化体重量を占める本来の廃棄物の重量
比率は73.7%である。廃溶媒に含まれる燐酸分もこ
の合成に利用できる。
【0074】本具体例によって以下の効果を得ることが
できる。本具体例も、実施例1で生じる効果を得ること
ができる。
【0075】(1)従来は個別に固化処理されていた再
処理廃棄物を利用して硝酸塩アスファルト混合物廃棄物
を、耐熱性,耐浸出性の一層減量された廃棄物固化体に
転化できる。
【0076】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、本来可燃性危
険物である硝酸塩とアスファルトの混合物を難燃性のコ
ークス状物質の固化体とし、処理前の硝酸塩アスファル
ト混合物の容積を45%に低減できる。
【0077】請求項2の発明によれば、硝酸塩とアスフ
ァルトの反応速度を制御可能とし、爆発的な反応を防止
できる。
【0078】請求項3の発明によれば、請求項2の発明
の効果を最適化できる。
【0079】請求項4の発明によれば、硝酸塩とアスフ
ァルトの反応による発泡で熔融物が容器から溢れださな
いように制御できる。
【0080】請求項5の発明によれば、硝酸塩とアスフ
ァルトの反応生成物がより融点の高い炭酸塩となる手段
を与え、塩類が熔融して反応を阻害しないようにでき、
さらに、炭酸塩として固定されている放射性炭素の放出
を抑制できる。
【0081】請求項6の発明によれば、コークス状顆粒
体の成型剤としてアスファルトの乾留凝縮油分を利用す
ることにより二次廃棄物の発生を抑制できる。
【0082】請求項7の発明によれば、コークス状顆粒
体を酸化炭素ガスと水に分解して無機化された塩類のみ
を分離できる。
【0083】請求項8の発明によれば、無機化された塩
類を耐熱性で耐浸出性の結晶鉱物化し、処理前の硝酸塩
アスファルト混合物の容積を45%に低減できる。
【0084】請求項9の発明によれば、無機化された塩
類を他の再処理廃棄物と混合し、最少の添加物により耐
熱性で耐浸出性の結晶鉱物化し、処理前の全廃棄物を7
3.7%含有する固化体にできる。
【0085】請求項10の発明によれば、コークス状顆
粒体の酸化による脱炭素化を工業的に行う手段を提供で
きる。
【0086】請求項11の発明によれば、酸素を含んだ
ガスを再循環することにより放射能を含んだガスの管理
を容易にできる。
【0087】請求項12,13及び14の発明によれ
ば、全ての熱処理工程においてマイクロ波加熱を適用す
ることにより、エネルギー消費の節約に加えて、加熱工
程の制御を容易とし、加熱装置の保守を容易とすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施例である硝酸塩アスファ
ルト混合廃棄物の処理方法を適用する硝酸塩アスファル
ト混合廃棄物装置の構成図である。
【符号の説明】
1…マッフル炉、2…容器、3…ガス循環系、4…炭酸
ガス供給系、5…酸素供給系(オゾン発生装置)、6…
油分凝縮器、7…吸着塔、8…気体凝縮器、9…油分取
り出し口、10…洗浄水取り出し口、11…吸着塔洗浄
液供給口。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硝酸塩を混合したアスファルトの廃棄物固
    化物を酸素を含まない雰囲気中で、硝酸塩の融点と分解
    点の間の温度に保持して、硝酸塩とアスファルトの組成
    有機物を反応せしめて揮発性生成物として除去し、引き
    続いて硝酸塩の分解温度以上の温度でアスファルト中の
    揮発成分を乾留して除去して、ナトリウム塩を含む減容
    されたコークス状の物質とし、前記コークス状の物質を
    破砕して顆粒体とし、顆粒体に少量のアスファルトを成
    形助材として熱間で混合した後に型込め圧縮成型又は押
    し出し成型、あるいはブリケット成型し、成型体を加熱
    して成形助材の揮発分を除去してなることを特徴とする
    硝酸塩アスファルト混合廃棄物の処理方法。
  2. 【請求項2】前記硝酸塩を混合したアスファルトの廃棄
    物を加熱して液状化し、亜硝酸塩を添加し、撹拌してか
    ら酸素を含まない雰囲気中で徐々に温度を高め、硝酸塩
    とアスファルトの組成有機物の反応を、比較的低温から
    円滑に進行させてから硝酸塩の融点より高いが硝酸塩の
    分解点より低い温度に保持して高温になってからの急激
    な反応を抑制する請求項1の硝酸塩アスファルト混合廃
    棄物の処理方法。
  3. 【請求項3】前記亜硝酸塩の添加量が前記硝酸塩の存在
    量と比較して1%乃至5%である請求項2の硝酸塩アス
    ファルト混合廃棄物の処理方法。
  4. 【請求項4】前記硝酸塩を混合したアスファルトの廃棄
    物を硝酸塩の融点より低い温度に保持して行う硝酸塩と
    アスファルトの組成有機物との反応が、発泡して容積が
    膨張するアスファルト熔融物が溢れださないような深さ
    と開口面積を有する容器を用いて行われる請求項1の硝
    酸塩アスファルト混合廃棄物固化体の安定無機化処理方
    法。
  5. 【請求項5】前記酸素を含まない雰囲気が炭酸ガス又は
    炭酸ガスと不活性気体の混合物であり、硝酸塩の分解生
    成物が炭酸塩に転化させる請求項1の硝酸塩アスファル
    ト混合廃棄物の処理方法。
  6. 【請求項6】前記結合剤が前記アスファルト中の揮発成
    分の乾溜凝縮油である請求項1の特徴とする硝酸塩アス
    ファルト混合廃棄物の処理方法。
  7. 【請求項7】前記顆粒体を炭酸塩の融点を超えない温度
    に加熱し、酸素又はオゾンを含んだ酸素を触れさせ、着
    火することなしにコークス状物質を酸化炭素ガスと水等
    に酸化分解せしめ、主として炭酸塩からなる残留無機物
    とする請求項1の硝酸塩アスファルト混合廃棄物の処理
    方法。
  8. 【請求項8】前記残留無機物に必要な成分元素を酸化物
    又は熱分解性塩として添加し、混合物を粉砕しながら成
    分が均一に分散した水スラリーとなし、スラリーを撹拌
    しながら必要量の燐酸を混合し、スラリーの水分を水の
    沸点以下に加熱して蒸発して乾燥した粉末とし、粉末を
    700℃乃至1000℃に焼成して空間群が の記号で示される対称性を有する三次元結晶構造を有す
    る燐酸ジルコニウム・ナトリウム(NaZr2(PO4)3
    の同結晶構造物質とし、さらに必要に応じて焼成粉末を
    冷間圧縮成型後に高温で焼結し、又は高温熱間圧縮成型
    して高密度の固化体とする請求項7の硝酸塩アスファル
    ト混合廃棄物の処理方法。
  9. 【請求項9】前記残留無機成分に前記酸化物又は前記塩
    として添加する前記元素を含む化合物が雑固体廃棄物の
    焼却灰,核燃料集合体金属廃棄物,廃溶媒等に由来する
    ものを含むものである請求項8の硝酸塩アスファルト混
    合廃棄物の処理方法。
  10. 【請求項10】前記コークス状物質の顆粒体を酸素又は
    オゾンを含んだ酸素に触れさせながら着火することなし
    に行う加熱が、温度上昇速度と最高温度をそれぞれ制御
    しながら行うバッチ炉,水平方向温度分布と最高温度を
    それぞれ制御しながら一定速度で炉内を水平方向に移動
    させて行う連続トンネル炉,回転傾斜管状トンネル炉、
    あるいは、高さ方向温度分布と最高温度をそれぞれ制御
    しながら炉内を重力移動させて行うサイロ状炉等の加熱
    炉で行われる請求項8の硝酸塩アスファルト混合廃棄物
    の処理方法。
  11. 【請求項11】前記加熱炉に供給される酸素又はオゾン
    を含んだ酸素が、加熱炉の排出ガスから炭酸ガス,水等
    の凝縮性気体を除去した後に酸素及び酸素とオゾンを添
    加したものである請求項10の硝酸塩アスファルト混合
    廃棄物の処理方法。
  12. 【請求項12】前記硝酸塩を混合したアスファルトの廃
    棄物固化物を設定された温度に保持すること、および成
    型体の焼結が、マイクロ波加熱で行われる請求項1の硝
    酸塩アスファルト混合廃棄物の処理方法。
  13. 【請求項13】前記顆粒体を設定された温度に保持する
    こと、および成型体の焼結が、マイクロ波加熱で行われ
    る請求項7の硝酸塩アスファルト混合廃棄物の処理方
    法。
  14. 【請求項14】前記混合粉末を設定された温度に保持す
    ること、および成型体の焼結が、マイクロ波加熱で行わ
    れる請求項8の硝酸塩アスファルト混合廃棄物の処理方
    法。
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