JP2000049523A - チルト角広範囲可変型空中線 - Google Patents
チルト角広範囲可変型空中線Info
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- JP2000049523A JP2000049523A JP10215060A JP21506098A JP2000049523A JP 2000049523 A JP2000049523 A JP 2000049523A JP 10215060 A JP10215060 A JP 10215060A JP 21506098 A JP21506098 A JP 21506098A JP 2000049523 A JP2000049523 A JP 2000049523A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 広範囲にチルト角を可変可能とし、チルト角
が変化した場合でも空中線利得を一定に保ち、基地局及
び移動機の送信電力が低減可能なチルト角広範囲可変型
空中線を提供する。 【解決手段】 給電端子7から入力された高周波信号は
分配器1によって複数の素子6−1〜6−8に分配され
る。分配器1の後段に挿入された位相調整部2は複数の
素子6−1〜6−8に給電される各高周波信号の位相を
個々に調整し、空中線5−1〜5−8のチルト角を調整
可能とする。空中線5−1〜5−8のチルト角を調整す
るに際して発生する空中線利得の低下は位相調整部2の
後段に挿入した増幅部3によって補償され、一定の空中
線利得が保持される。
が変化した場合でも空中線利得を一定に保ち、基地局及
び移動機の送信電力が低減可能なチルト角広範囲可変型
空中線を提供する。 【解決手段】 給電端子7から入力された高周波信号は
分配器1によって複数の素子6−1〜6−8に分配され
る。分配器1の後段に挿入された位相調整部2は複数の
素子6−1〜6−8に給電される各高周波信号の位相を
個々に調整し、空中線5−1〜5−8のチルト角を調整
可能とする。空中線5−1〜5−8のチルト角を調整す
るに際して発生する空中線利得の低下は位相調整部2の
後段に挿入した増幅部3によって補償され、一定の空中
線利得が保持される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はチルト角広範囲可変
型空中線に関し、特に携帯・自動車電話システムに用い
られる空中線に関する。
型空中線に関し、特に携帯・自動車電話システムに用い
られる空中線に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の空中線としては、特開昭
64−004122号公報に開示されたものや特開平5
−37222号公報に開示されたものがある。特開昭6
4−004122号公報に開示されたものでは固定利得
空中線と可変利得増幅器とを一体構造となし、空中線利
得を可変することによって空中線や減衰器、及び増幅器
の交換を行うことなく、空中線利得の調整を可能とし、
中継局等への過入力を防止している。
64−004122号公報に開示されたものや特開平5
−37222号公報に開示されたものがある。特開昭6
4−004122号公報に開示されたものでは固定利得
空中線と可変利得増幅器とを一体構造となし、空中線利
得を可変することによって空中線や減衰器、及び増幅器
の交換を行うことなく、空中線利得の調整を可能とし、
中継局等への過入力を防止している。
【0003】また、特開平5−37222号公報に開示
されたものでは高周波信号を複数の素子に分配するため
の分配器の後段に位相調整器を介挿し、素子に給電され
る各高周波信号の位相を位相調整器によって個々に調整
することができるように構成し、位相調整器が制御信号
入力端子に入力される制御信号に基づいて位相調整を行
うように構成している。
されたものでは高周波信号を複数の素子に分配するため
の分配器の後段に位相調整器を介挿し、素子に給電され
る各高周波信号の位相を位相調整器によって個々に調整
することができるように構成し、位相調整器が制御信号
入力端子に入力される制御信号に基づいて位相調整を行
うように構成している。
【0004】この場合、位相調整器を制御して各素子に
給電される高周波信号の位相を調整することで、空中線
のチルト角の調整が可能となる。また、位相調整器は遠
隔地から入力される制御信号によって位相調整が可能と
なる。
給電される高周波信号の位相を調整することで、空中線
のチルト角の調整が可能となる。また、位相調整器は遠
隔地から入力される制御信号によって位相調整が可能と
なる。
【0005】したがって、位相調整器を制御して各素子
に給電される高周波信号の位相を調整することで、空中
線のチルト角の調整が可能となるので、空中線の設置後
でもチルト角を容易に調整することができ、最適なサー
ビスエリアを確保することができる。また、遠隔地から
制御信号を入力させて空中線のチルト角を調整すること
で、現場での調整作業を不要とし、空中線の管理を容易
に行えるようにしている。
に給電される高周波信号の位相を調整することで、空中
線のチルト角の調整が可能となるので、空中線の設置後
でもチルト角を容易に調整することができ、最適なサー
ビスエリアを確保することができる。また、遠隔地から
制御信号を入力させて空中線のチルト角を調整すること
で、現場での調整作業を不要とし、空中線の管理を容易
に行えるようにしている。
【0006】このチルト角可変型空中線では、例えばチ
ルト角を伏角方向(垂直を0°とした場合に地面に向け
て傾ける方向)に可変する場合、複数ある素子の最上段
にある素子に給電される高周波信号の位相を基準として
順次位相を遅らせて各素子に供給する必要があり、最下
段の素子に供給する位相が最も遅れた位相となるように
位相調整器を調整している。また、仰角方向(垂直を0
°とした場合に空に向けて傾ける方向)に可変する場
合、上述した調整とは逆の位相関係となるように位相調
整器を調整している。
ルト角を伏角方向(垂直を0°とした場合に地面に向け
て傾ける方向)に可変する場合、複数ある素子の最上段
にある素子に給電される高周波信号の位相を基準として
順次位相を遅らせて各素子に供給する必要があり、最下
段の素子に供給する位相が最も遅れた位相となるように
位相調整器を調整している。また、仰角方向(垂直を0
°とした場合に空に向けて傾ける方向)に可変する場
合、上述した調整とは逆の位相関係となるように位相調
整器を調整している。
【0007】上記の位相調整において、各素子に供給さ
れる高周波信号のレベルが低下し、空中線利得が低下す
ることとなる。低下した利得分を補償し、一定の利得を
維持するために増幅器が位相調整器の後段または前段に
挿入されている。
れる高周波信号のレベルが低下し、空中線利得が低下す
ることとなる。低下した利得分を補償し、一定の利得を
維持するために増幅器が位相調整器の後段または前段に
挿入されている。
【0008】電気的にビームチルトを行うには空中線を
構成する素子を上下2つの素子群に分け、下段の素子群
の励振電流の位相を上段の素子群の励振電流の位相より
も遅らせる必要がある。
構成する素子を上下2つの素子群に分け、下段の素子群
の励振電流の位相を上段の素子群の励振電流の位相より
も遅らせる必要がある。
【0009】図4において、所望のチルト角をθtと
し、θtが小さくかつ上段及び下段の素子群の垂直指向
性が0°〜θt°で同じ大きさとみなされる場合には、
上段の素子群(素子6−1〜6−6)を励振する電流I
0及び下段の素子群(素子6−7〜6−12)を励振す
る電流I0e−jδvの位相差δvとθtとの関係は、 δv=(2πSc/λ)sinθt という近似式で示される。ここで、Scは上段の素子群
及び下段の素子群の中心距離[=(N/2)・S]、λ
は波長、Nは素子段数、Sは素子間の距離を夫々示して
いる。
し、θtが小さくかつ上段及び下段の素子群の垂直指向
性が0°〜θt°で同じ大きさとみなされる場合には、
上段の素子群(素子6−1〜6−6)を励振する電流I
0及び下段の素子群(素子6−7〜6−12)を励振す
る電流I0e−jδvの位相差δvとθtとの関係は、 δv=(2πSc/λ)sinθt という近似式で示される。ここで、Scは上段の素子群
及び下段の素子群の中心距離[=(N/2)・S]、λ
は波長、Nは素子段数、Sは素子間の距離を夫々示して
いる。
【0010】また、図4(a)において、1は給電端
子、10,11は分配部、12は合成ビームパターン、
lは給電線の長さ、図4(b)において、Aは下段の素
子群の基準点、Bは上段の素子群の基準点、Pは測定点
を夫々示している。
子、10,11は分配部、12は合成ビームパターン、
lは給電線の長さ、図4(b)において、Aは下段の素
子群の基準点、Bは上段の素子群の基準点、Pは測定点
を夫々示している。
【0011】次に、等間隔均一直線アレイ給電における
チルト角制御方法について図5を参照して説明する。こ
のチルト角制御方法では、まず等価位相面に直交する方
向に最大放射がなされ、同軸給電線14内の伝搬波長
(λg)が各素子6−1〜6−5の間隔(S)と同一
(S=λg)であれば、各素子6−1〜6−5の放射位
相は等価的に等位相となり、等価位相面は垂直になって
水平方向に最大放射される(チルト角0°の状態)。
チルト角制御方法について図5を参照して説明する。こ
のチルト角制御方法では、まず等価位相面に直交する方
向に最大放射がなされ、同軸給電線14内の伝搬波長
(λg)が各素子6−1〜6−5の間隔(S)と同一
(S=λg)であれば、各素子6−1〜6−5の放射位
相は等価的に等位相となり、等価位相面は垂直になって
水平方向に最大放射される(チルト角0°の状態)。
【0012】各素子6−1〜6−5の間隔(S)を伝搬
波長(λg)よりわずかに長くさせる(S>λg)と、
各素子6−1〜6−5毎に位相差δだけ遅れる(−δ)
ことによって、等価位相面に傾斜をきたすため、上向き
のチルトとなる。
波長(λg)よりわずかに長くさせる(S>λg)と、
各素子6−1〜6−5毎に位相差δだけ遅れる(−δ)
ことによって、等価位相面に傾斜をきたすため、上向き
のチルトとなる。
【0013】逆に、各素子6−1〜6−5の間隔(S)
を伝搬波長(λg)より短くさせる(S<λg)場合
も、上記と同一の理由によって下向きチルトとなる(図
5は下向きチルトの場合を示す)。
を伝搬波長(λg)より短くさせる(S<λg)場合
も、上記と同一の理由によって下向きチルトとなる(図
5は下向きチルトの場合を示す)。
【0014】図5において、各素子6−1〜6−5を励
振する電流は夫々I,Iejδ,Iej2δ,Ie
j3δ,Iej4δであり、#1〜#5は各素子6−1
〜6−5の基準点、13は給電源を夫々示し、r1〜r
5は放射方向を示している。
振する電流は夫々I,Iejδ,Iej2δ,Ie
j3δ,Iej4δであり、#1〜#5は各素子6−1
〜6−5の基準点、13は給電源を夫々示し、r1〜r
5は放射方向を示している。
【0015】また、素子間に位相差をつけた給電におけ
るチルト角制御方法について図6を参照して説明する。
このチルト角制御方法では、空中線と同様の基準となる
チルト角になるように各素子6−1〜6−5の間隔
(S)に対応する給電線14,15の長さを選定する
(位相差δの決定)。
るチルト角制御方法について図6を参照して説明する。
このチルト角制御方法では、空中線と同様の基準となる
チルト角になるように各素子6−1〜6−5の間隔
(S)に対応する給電線14,15の長さを選定する
(位相差δの決定)。
【0016】基準となるチルト角において素子群“A”
の等位相面及び素子群“B”の等位相面と、素子群
“A”の位相(φ1)及び素子群“B”の位相(φ2)
による等価位相面の各傾斜とが一致するように位相φ
1,φ2を選定する。その後に、基準となるチルト角に
対して位相φ1,φ2を調整することで、チルト角を微
調整する。
の等位相面及び素子群“B”の等位相面と、素子群
“A”の位相(φ1)及び素子群“B”の位相(φ2)
による等価位相面の各傾斜とが一致するように位相φ
1,φ2を選定する。その後に、基準となるチルト角に
対して位相φ1,φ2を調整することで、チルト角を微
調整する。
【0017】図6において、各素子6−1〜6−5を励
振する電流は夫々Iejφ1,Iej(φ1+δ),I
ejφ2,Iej(φ2+δ),Iej(φ2+2δ)
であり、#1〜#5は各素子6−1〜6−5の基準点、
13,16は給電源を夫々示している。
振する電流は夫々Iejφ1,Iej(φ1+δ),I
ejφ2,Iej(φ2+δ),Iej(φ2+2δ)
であり、#1〜#5は各素子6−1〜6−5の基準点、
13,16は給電源を夫々示している。
【0018】従来の技術では、高周波信号を複数の素子
に分配するための分配器の後段に位相調整器を介挿し、
位相調整器を制御して各素子に給電される高周波信号の
位相を調整することで空中線のチルト角の調整を可能と
している。しかしながら、一般にチルト角を変更するこ
とは空中線利得の低下をもたらすこととなる。
に分配するための分配器の後段に位相調整器を介挿し、
位相調整器を制御して各素子に給電される高周波信号の
位相を調整することで空中線のチルト角の調整を可能と
している。しかしながら、一般にチルト角を変更するこ
とは空中線利得の低下をもたらすこととなる。
【0019】一例として、図7に12段スーパーターン
スタイルアンテカにおける励振電流の位相差δvとチル
ト角θt及び電力利得低下率との関係を示す。但し、図
7は上段の素子群及び下段の素子群を同位相、同振幅の
電流で励振した場合の電力利得を100%とし、励振電
流の位相差に対する電力利得の低下率を示したものであ
る。
スタイルアンテカにおける励振電流の位相差δvとチル
ト角θt及び電力利得低下率との関係を示す。但し、図
7は上段の素子群及び下段の素子群を同位相、同振幅の
電流で励振した場合の電力利得を100%とし、励振電
流の位相差に対する電力利得の低下率を示したものであ
る。
【0020】また、図8に携帯・自動車電話システム用
チルト角可変型空中線におけるチルト角及び空中線利得
の関係を示す。チルト角2.5°における空中線利得を
基準(0dB)として相対利得を示したものである。チ
ルト角可変範囲の最大5°に可変した場合、約1dB空
中線利得が低下することとなる。このまま、チルト角を
10°まで変化させると、2dB以上の空中線利得の低
下が発生することとなる。
チルト角可変型空中線におけるチルト角及び空中線利得
の関係を示す。チルト角2.5°における空中線利得を
基準(0dB)として相対利得を示したものである。チ
ルト角可変範囲の最大5°に可変した場合、約1dB空
中線利得が低下することとなる。このまま、チルト角を
10°まで変化させると、2dB以上の空中線利得の低
下が発生することとなる。
【0021】特に、携帯・自動車電話システムにおいて
はシステム運用上、加入者増大に伴う増局を必要とし、
同じ周波数を互いに干渉が問題とならない程度離れたセ
ル同士で繰返して使用(リユース)することによって、
周波数利用効率を高めるとともに、小セル化によって送
信電力を低減することが重要となっている。
はシステム運用上、加入者増大に伴う増局を必要とし、
同じ周波数を互いに干渉が問題とならない程度離れたセ
ル同士で繰返して使用(リユース)することによって、
周波数利用効率を高めるとともに、小セル化によって送
信電力を低減することが重要となっている。
【0022】図9に携帯・自動車電話システムにおける
サービスエリア概念図を示す。携帯・自動車電話のサー
ビスを提供するエリアをサービスエリアという。無線基
地局がカバーするエリアを無線ゾーンといい、サービス
エリアは無線ゾーンによって覆われたエリアである。ま
た、複数の無線ゾーンによる周波数繰返し単位をクラス
タという。
サービスエリア概念図を示す。携帯・自動車電話のサー
ビスを提供するエリアをサービスエリアという。無線基
地局がカバーするエリアを無線ゾーンといい、サービス
エリアは無線ゾーンによって覆われたエリアである。ま
た、複数の無線ゾーンによる周波数繰返し単位をクラス
タという。
【0023】携帯・自動車電話システムが開発された当
初は、1つの基地局のカバーエリアを大きくし、少ない
無線基地局でサービスを提供する大ゾーン方式となって
いる。しかしながら、利用者の増大に伴って収容能力が
大きく、効率のよい小ゾーン方式へと変わってきてい
る。
初は、1つの基地局のカバーエリアを大きくし、少ない
無線基地局でサービスを提供する大ゾーン方式となって
いる。しかしながら、利用者の増大に伴って収容能力が
大きく、効率のよい小ゾーン方式へと変わってきてい
る。
【0024】小ゾーン方式はカバーエリアの形が細胞
(セル:Cell)のつながり(セルラー:Cellu
lar)に似ているので、別名セル方式またはセルラ方
式と呼ばれている。
(セル:Cell)のつながり(セルラー:Cellu
lar)に似ているので、別名セル方式またはセルラ方
式と呼ばれている。
【0025】図10に7セル/3セクタ構成におけるセ
ルスプリットを示す。セルスプリットとは加入者容量増
大のための増局方法である。既存の局の周波数配置に影
響がなく、隣接チャネルが隣接セクタに配置されないよ
うに増局するためには、図10(b)に示すような中央
の局のA局の周りに6局を追加していき、Aのセルを小
さくする。
ルスプリットを示す。セルスプリットとは加入者容量増
大のための増局方法である。既存の局の周波数配置に影
響がなく、隣接チャネルが隣接セクタに配置されないよ
うに増局するためには、図10(b)に示すような中央
の局のA局の周りに6局を追加していき、Aのセルを小
さくする。
【0026】現在の携帯・自動車電話システムにおける
セルはその半径が数km〜1km程度である。しかしな
がら、今日の携帯・自動車電話システムに対する需要は
著しく、とりわけ都市中心部では特に加入者が集中する
(トラヒック密度が高い)ことに対応し、また周辺部に
比べて高い建物が密集することによる電波伝搬条件の悪
化を考慮し、セルの大きさを半径100m台のより小さ
なセル(マイクロセル化)することによってシステム容
量を高めることが必要となってきている。
セルはその半径が数km〜1km程度である。しかしな
がら、今日の携帯・自動車電話システムに対する需要は
著しく、とりわけ都市中心部では特に加入者が集中する
(トラヒック密度が高い)ことに対応し、また周辺部に
比べて高い建物が密集することによる電波伝搬条件の悪
化を考慮し、セルの大きさを半径100m台のより小さ
なセル(マイクロセル化)することによってシステム容
量を高めることが必要となってきている。
【0027】図11の空中線のチルト角と電界強度との
関係を示す概念図によって無線ゾーン(セル)の可変に
ついて説明する。本来、建物の高さや密集度及び山等の
地形の影響を受けることによって、電波伝搬条件が変化
し、電界強度の分布は一定でなくなってくるが、図11
では理想的な無線ゾーン(セル)と仮定して示してあ
る。
関係を示す概念図によって無線ゾーン(セル)の可変に
ついて説明する。本来、建物の高さや密集度及び山等の
地形の影響を受けることによって、電波伝搬条件が変化
し、電界強度の分布は一定でなくなってくるが、図11
では理想的な無線ゾーン(セル)と仮定して示してあ
る。
【0028】例えば、無線基地局のチルト角2°の時、
無線ゾーン(セル)の外縁部における電界強度は51d
BμVとなり、無線基地局との距離が近付くにつれて電
界強度は強くなってくる。これがチルト角5°の場合、
無線ゾーン(セル)の外縁部における電界強度は60d
BμVとなる。
無線ゾーン(セル)の外縁部における電界強度は51d
BμVとなり、無線基地局との距離が近付くにつれて電
界強度は強くなってくる。これがチルト角5°の場合、
無線ゾーン(セル)の外縁部における電界強度は60d
BμVとなる。
【0029】このように、チルト角を深くかけることに
よって、無線ゾーン(セル)を小さなセル(マイクロセ
ル化)として形成して周波数の利用効率を高めるととも
に、送信電力の低減が可能となる。
よって、無線ゾーン(セル)を小さなセル(マイクロセ
ル化)として形成して周波数の利用効率を高めるととも
に、送信電力の低減が可能となる。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の空中線
では、特開昭64−004122号公報に開示されたも
のの場合、主として携帯移動用または可搬仮設移動用に
用いられるマイクロ波空中線であり、移動中継時の送信
機と受信機との間の距離や伝送路の状態変化による受信
レベルの変化に対して受信不能や過入力を防止するため
に可変利得増幅器を固定利得空中線と一体構造に組合わ
せたものであり、受信系についてのみ適用している。し
たがって、上記のような携帯・自動車電話システムに用
いられる空中線には適用することができない。
では、特開昭64−004122号公報に開示されたも
のの場合、主として携帯移動用または可搬仮設移動用に
用いられるマイクロ波空中線であり、移動中継時の送信
機と受信機との間の距離や伝送路の状態変化による受信
レベルの変化に対して受信不能や過入力を防止するため
に可変利得増幅器を固定利得空中線と一体構造に組合わ
せたものであり、受信系についてのみ適用している。し
たがって、上記のような携帯・自動車電話システムに用
いられる空中線には適用することができない。
【0031】また、特開平5−37222号公報に開示
されたものの場合、分配器の後段に挿入する位相調整器
の性能にもよるが、チルト角可変範囲が±4°程度であ
り、チルト角固定の空中線に対して利得が2dB程度低
下している。ここで、チルト角可変範囲を広げようとし
た場合、さらなる利得の低下が発生する。したがって、
チルト角を可変する際に空中線利得が一定でなく、サー
ビスエリアにおける通話品質に影響を与えることとな
る。
されたものの場合、分配器の後段に挿入する位相調整器
の性能にもよるが、チルト角可変範囲が±4°程度であ
り、チルト角固定の空中線に対して利得が2dB程度低
下している。ここで、チルト角可変範囲を広げようとし
た場合、さらなる利得の低下が発生する。したがって、
チルト角を可変する際に空中線利得が一定でなく、サー
ビスエリアにおける通話品質に影響を与えることとな
る。
【0032】一方、無線ゾーン(セル)を小さなセル
(マイクロセル化)として形成するためにチルト角を深
くかけることは、図7及び図8に示すように、空中線利
得の低下を伴うこととなる。
(マイクロセル化)として形成するためにチルト角を深
くかけることは、図7及び図8に示すように、空中線利
得の低下を伴うこととなる。
【0033】したがって、従来のチルト角可変型空中線
において、位相調整器を制御して連続的に無線ゾーン
(セル)の大きさを可変させる場合、可変させるチルト
角に応じて発生する空中線利得の低下分の損失によって
電界強度が弱くなることとなる。電界強度が弱くなると
いうことは、見掛け上無線ゾーン(セル)の大きさが広
がるということになる。
において、位相調整器を制御して連続的に無線ゾーン
(セル)の大きさを可変させる場合、可変させるチルト
角に応じて発生する空中線利得の低下分の損失によって
電界強度が弱くなることとなる。電界強度が弱くなると
いうことは、見掛け上無線ゾーン(セル)の大きさが広
がるということになる。
【0034】このことは位相調整器を制御して適正な無
線ゾーン(セル)を形成する際に、空中線利得の低下分
の損失を考慮して補正が必要となる。この補正はさらに
チルト角を制御して行うこととなり、制御が複雑になっ
てしまう。
線ゾーン(セル)を形成する際に、空中線利得の低下分
の損失を考慮して補正が必要となる。この補正はさらに
チルト角を制御して行うこととなり、制御が複雑になっ
てしまう。
【0035】特に、携帯・自動車電話システムは、図9
に示すように、複数の無線ゾーン(セル)の組合せによ
って構成されているため、システム設計として基地局設
置場所を事前に検討するシミュレーションにおいて、可
変パラメータとして取り扱う場合、また実際のシステム
運用において隣接する複数のチルト角可変型空中線をシ
ステム全体として有機的かつ効率よく制御する必要があ
る。携帯・自動車電話システムにおけるサービスエリア
の可変制御方法については、特開平9−298766号
公報等に開示されている。
に示すように、複数の無線ゾーン(セル)の組合せによ
って構成されているため、システム設計として基地局設
置場所を事前に検討するシミュレーションにおいて、可
変パラメータとして取り扱う場合、また実際のシステム
運用において隣接する複数のチルト角可変型空中線をシ
ステム全体として有機的かつ効率よく制御する必要があ
る。携帯・自動車電話システムにおけるサービスエリア
の可変制御方法については、特開平9−298766号
公報等に開示されている。
【0036】そこで、本発明の目的は上記の問題点を解
消し、広範囲にチルト角を可変することができ、チルト
角が変化した場合でも空中線利得を一定に保つことがで
きるとともに、基地局及び移動機の送信電力を低減する
ことができるチルト角広範囲可変型空中線を提供するこ
とにある。
消し、広範囲にチルト角を可変することができ、チルト
角が変化した場合でも空中線利得を一定に保つことがで
きるとともに、基地局及び移動機の送信電力を低減する
ことができるチルト角広範囲可変型空中線を提供するこ
とにある。
【0037】
【課題を解決するための手段】本発明によるチルト角広
範囲可変型空中線は、高周波信号を空間に放射する複数
の素子に給電される各高周波信号の位相を位相調整器で
調整して空中線のチルト角を可変させるチルト角広範囲
可変型空中線であって、前記位相調整器の後段及び前段
のいずれか一方に配設されかつ前記空中線のチルト角の
可変時に発生する空中線利得の低下を補償する増幅器を
備えている。
範囲可変型空中線は、高周波信号を空間に放射する複数
の素子に給電される各高周波信号の位相を位相調整器で
調整して空中線のチルト角を可変させるチルト角広範囲
可変型空中線であって、前記位相調整器の後段及び前段
のいずれか一方に配設されかつ前記空中線のチルト角の
可変時に発生する空中線利得の低下を補償する増幅器を
備えている。
【0038】すなわち、本発明のチルト角広範囲可変型
空中線は、チルト角可変型空中線において素子に給電さ
れる各高周波信号の位相を調整する位相調整器の後段ま
たは前段に増幅器を挿入し、チルト角を大きく可変させ
る場合に発生する空中線利得の低下を補償し、一定の利
得に維持している。
空中線は、チルト角可変型空中線において素子に給電さ
れる各高周波信号の位相を調整する位相調整器の後段ま
たは前段に増幅器を挿入し、チルト角を大きく可変させ
る場合に発生する空中線利得の低下を補償し、一定の利
得に維持している。
【0039】より具体的には、チルト角可変型空中線に
おいて素子に給電される各高周波信号の位相を調整する
位相調整器の後段または前段に送信/受信帯域をカバー
する増幅器を挿入し、送信系(移動機から見て下り側)
及び受信系(移動機から見て上り側)の高周波信号の増
幅を行い、チルト角を大きく可変する場合に発生する空
中線利得の低下を補償している。
おいて素子に給電される各高周波信号の位相を調整する
位相調整器の後段または前段に送信/受信帯域をカバー
する増幅器を挿入し、送信系(移動機から見て下り側)
及び受信系(移動機から見て上り側)の高周波信号の増
幅を行い、チルト角を大きく可変する場合に発生する空
中線利得の低下を補償している。
【0040】これによって、従来のチルト角可変型空中
線に対してより広範囲にチルト角を可変することが可能
となり、柔軟にかつ迅速に、しかも簡単にサービスエリ
アの設定が可能となる。
線に対してより広範囲にチルト角を可変することが可能
となり、柔軟にかつ迅速に、しかも簡単にサービスエリ
アの設定が可能となる。
【0041】また、空中線利得がチルト角に応じて変化
することなく、一定に維持することが可能となるので、
無線基地局及び移動機の送信電力を低く押さえることが
可能となる。特に、チルト角を深く設定してサービスエ
リアを絞った場合、送信電力の低減が可能となるので、
移動機のバッテリの消費が抑えられ、移動機の長時間の
使用が可能となる。
することなく、一定に維持することが可能となるので、
無線基地局及び移動機の送信電力を低く押さえることが
可能となる。特に、チルト角を深く設定してサービスエ
リアを絞った場合、送信電力の低減が可能となるので、
移動機のバッテリの消費が抑えられ、移動機の長時間の
使用が可能となる。
【0042】さらに、受信帯域の高周波信号を増幅する
ための増幅器の利得を高く設定することで、無線基地局
及び移動機の送信出力の差による無線基地局受信系(無
線区間の上り側)のレベルの不平衡を改善するために設
置される、いわゆる「塔頂アンプ」と呼ばれる機能も有
することが可能となる。
ための増幅器の利得を高く設定することで、無線基地局
及び移動機の送信出力の差による無線基地局受信系(無
線区間の上り側)のレベルの不平衡を改善するために設
置される、いわゆる「塔頂アンプ」と呼ばれる機能も有
することが可能となる。
【0043】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例について図
面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例による
チルト角広範囲可変型空中線の構成を示すブロック図で
ある。図において、本発明の一実施例によるチルト角広
範囲可変型空中線は分配部1と、位相調整部2と、増幅
部3と、接続ケーブル4と、空中線5−1〜5−8と、
素子6−1〜6−8と、給電端子7と、監視制御信号入
出力端子8とを備えている。
面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例による
チルト角広範囲可変型空中線の構成を示すブロック図で
ある。図において、本発明の一実施例によるチルト角広
範囲可変型空中線は分配部1と、位相調整部2と、増幅
部3と、接続ケーブル4と、空中線5−1〜5−8と、
素子6−1〜6−8と、給電端子7と、監視制御信号入
出力端子8とを備えている。
【0044】図1においては、増幅部3を位相調整部2
の後段に挿入しているが、増幅部3を位相調整部2の前
段に挿入しても、後段に挿入した場合と同様の機能が得
られるので、これに限定されない。
の後段に挿入しているが、増幅部3を位相調整部2の前
段に挿入しても、後段に挿入した場合と同様の機能が得
られるので、これに限定されない。
【0045】高周波信号は給電端子7から入力され、入
力された高周波信号は分配器1によって複数の素子6−
1〜6−8に分配される。分配器1の後段に挿入された
位相調整部2は複数の素子6−1〜6−8に給電される
各高周波信号の位相を個々に調整し、空中線5−1〜5
−8のチルト角を調整可能とする。
力された高周波信号は分配器1によって複数の素子6−
1〜6−8に分配される。分配器1の後段に挿入された
位相調整部2は複数の素子6−1〜6−8に給電される
各高周波信号の位相を個々に調整し、空中線5−1〜5
−8のチルト角を調整可能とする。
【0046】また、空中線5−1〜5−8のチルト角を
調整するに際して発生する空中線利得の低下は位相調整
部2の後段に挿入した増幅部3によって補償され、一定
の空中線利得が保持されるようになっている。
調整するに際して発生する空中線利得の低下は位相調整
部2の後段に挿入した増幅部3によって補償され、一定
の空中線利得が保持されるようになっている。
【0047】接続ケーブル4は各部に高周波信号を接続
するためのものであり、複数の素子6−1〜6−8は高
周波信号を空間に放射するためのものである。上記の説
明においては送信系(図示せぬ移動機から見て下り側)
について述べたが、受信系の(移動機から見て上り側)
の場合には送信系とは逆の流れとなる。
するためのものであり、複数の素子6−1〜6−8は高
周波信号を空間に放射するためのものである。上記の説
明においては送信系(図示せぬ移動機から見て下り側)
について述べたが、受信系の(移動機から見て上り側)
の場合には送信系とは逆の流れとなる。
【0048】位相調整部2はアンテナ設置場所あるいは
遠隔地から監視制御信号入出力端子8に入力される制御
信号に基づいて位相調整が可能とされる。また、位相調
整部2及び増幅部3の動作状態に関する監視情報も監視
制御信号入出力端子8によってアンテナ設置場所あるい
は遠隔地に出力される。
遠隔地から監視制御信号入出力端子8に入力される制御
信号に基づいて位相調整が可能とされる。また、位相調
整部2及び増幅部3の動作状態に関する監視情報も監視
制御信号入出力端子8によってアンテナ設置場所あるい
は遠隔地に出力される。
【0049】図2は本発明の一実施例によるチルト角広
範囲可変型空中線の詳細な構成を示すブロック図であ
る。図において、本発明の一実施例によるチルト角広範
囲可変型空中線は分配部1と、位相調整部2と、増幅部
3と、接続ケーブル4と、空中線5−1〜5−8と、素
子6−1〜6−8と、給電端子7と、監視制御信号入出
力端子8とを備えている。
範囲可変型空中線の詳細な構成を示すブロック図であ
る。図において、本発明の一実施例によるチルト角広範
囲可変型空中線は分配部1と、位相調整部2と、増幅部
3と、接続ケーブル4と、空中線5−1〜5−8と、素
子6−1〜6−8と、給電端子7と、監視制御信号入出
力端子8とを備えている。
【0050】位相調整部2は位相調整器21−1〜21
−Nと、監視制御部22とを備えており、増幅部3は増
幅器31−1〜31−Nと、監視制御部32とを備えて
いる。増幅器31−1〜31−N各々は共用器32−1
〜32−N,34−1〜34−Nと、送信系増幅器33
−1〜33−Nと、受信系増幅器35−1〜35−Nと
を備えている。
−Nと、監視制御部22とを備えており、増幅部3は増
幅器31−1〜31−Nと、監視制御部32とを備えて
いる。増幅器31−1〜31−N各々は共用器32−1
〜32−N,34−1〜34−Nと、送信系増幅器33
−1〜33−Nと、受信系増幅器35−1〜35−Nと
を備えている。
【0051】給電端子7は高周波信号の入力端子であ
る。分配部1は給電端子7から入力された高周波信号を
複数の素子6−1〜6−Nに分配する。分配部1の後段
に挿入された位相調整部2は複数の素子6−1〜6−N
各々に給電される各高周波信号の位相を位相調整器21
−1〜21−Nによって個々に調整し、空中線5のチル
ト角を調整可能とする。
る。分配部1は給電端子7から入力された高周波信号を
複数の素子6−1〜6−Nに分配する。分配部1の後段
に挿入された位相調整部2は複数の素子6−1〜6−N
各々に給電される各高周波信号の位相を位相調整器21
−1〜21−Nによって個々に調整し、空中線5のチル
ト角を調整可能とする。
【0052】位相調整部2の後段に挿入された増幅部3
は空中線5のチルト角を調整するに際して発生する空中
線利得の低下に対して、利得低下分の損失を補償して一
定の空中線利得を保持するものである。増幅部3の共用
器32−1〜32−N,34−1〜34−Nは夫々送信
帯域の高周波信号と受信帯域の高周波信号とを分離/合
成する。送信系増幅器33−1〜33−Nは夫々送信帯
域の高周波信号を増幅し、受信系増幅器35−1〜35
−Nは夫々受信帯域の高周波信号を増幅する。
は空中線5のチルト角を調整するに際して発生する空中
線利得の低下に対して、利得低下分の損失を補償して一
定の空中線利得を保持するものである。増幅部3の共用
器32−1〜32−N,34−1〜34−Nは夫々送信
帯域の高周波信号と受信帯域の高周波信号とを分離/合
成する。送信系増幅器33−1〜33−Nは夫々送信帯
域の高周波信号を増幅し、受信系増幅器35−1〜35
−Nは夫々受信帯域の高周波信号を増幅する。
【0053】ここで、受信帯域の高周波信号を増幅する
ための受信系増幅器35−1〜35−Nの利得を高く設
定することによって、図示せぬ無線基地局と移動機との
送信出力の差による無線基地局受信系(無線区間の上り
側)のレベルの不平衡を改善するために設置される、い
わゆる「塔頂アンプ」と呼ばれる機能も使用可能とな
る。
ための受信系増幅器35−1〜35−Nの利得を高く設
定することによって、図示せぬ無線基地局と移動機との
送信出力の差による無線基地局受信系(無線区間の上り
側)のレベルの不平衡を改善するために設置される、い
わゆる「塔頂アンプ」と呼ばれる機能も使用可能とな
る。
【0054】接続ケーブル4は各部に高周波信号を接続
するためのものであり、素子6−1〜6−Nは高周波信
号を空間に放射するためのものである。位相調整部2は
アンテナ設置場所あるいは遠隔地から監視制御信号入出
力端子8に入力される制御信号に基づいて位相調整が可
能とされる。
するためのものであり、素子6−1〜6−Nは高周波信
号を空間に放射するためのものである。位相調整部2は
アンテナ設置場所あるいは遠隔地から監視制御信号入出
力端子8に入力される制御信号に基づいて位相調整が可
能とされる。
【0055】また、位相調整部2及び増幅部3の動作状
態に関する監視情報も監視制御信号入出力端子8によっ
てアンテナ設置場所あるいは遠隔地に出力される。この
時、位相調整部2の監視制御部22及び増幅部3の監視
制御部32は外部との監視制御信号や情報の受け渡しを
司る。
態に関する監視情報も監視制御信号入出力端子8によっ
てアンテナ設置場所あるいは遠隔地に出力される。この
時、位相調整部2の監視制御部22及び増幅部3の監視
制御部32は外部との監視制御信号や情報の受け渡しを
司る。
【0056】図3は本発明の他の実施例によるチルト角
広範囲可変型空中線の詳細な構成を示すブロック図であ
る。図において、本発明の他の実施例によるチルト角広
範囲可変型空中線は素子6−1〜6−8を上段素子群6
aと下段素子群6bとに分離した以外は図2に示す本発
明の一実施例によるチルト角広範囲可変型空中線の構成
と同様な構成となっており、同一構成要素には同一符号
を付してある。その同一構成要素の動作は本発明の一実
施例と同様である。
広範囲可変型空中線の詳細な構成を示すブロック図であ
る。図において、本発明の他の実施例によるチルト角広
範囲可変型空中線は素子6−1〜6−8を上段素子群6
aと下段素子群6bとに分離した以外は図2に示す本発
明の一実施例によるチルト角広範囲可変型空中線の構成
と同様な構成となっており、同一構成要素には同一符号
を付してある。その同一構成要素の動作は本発明の一実
施例と同様である。
【0057】但し、本発明の他の実施例によるチルト角
広範囲可変型空中線では素子6−1〜6−8を上段素子
群6aと下段素子群6bとに分離し、それら上段素子群
6a及び下段素子群6bを分配器61,62を通して接
続ケーブル4に接続しているので、本発明の一実施例に
よるチルト角広範囲可変型空中線で必要とする素子6−
1〜6−Nを構成する段数分の位相調整器及び増幅器が
上段素子群6a及び下段素子群6bに対応する夫々2台
の位相調整器21−1,21−2及び増幅器31−1,
31−2で済み、構造の単純化とコスト低減と信頼性の
向上と小型化とを図ることができる。
広範囲可変型空中線では素子6−1〜6−8を上段素子
群6aと下段素子群6bとに分離し、それら上段素子群
6a及び下段素子群6bを分配器61,62を通して接
続ケーブル4に接続しているので、本発明の一実施例に
よるチルト角広範囲可変型空中線で必要とする素子6−
1〜6−Nを構成する段数分の位相調整器及び増幅器が
上段素子群6a及び下段素子群6bに対応する夫々2台
の位相調整器21−1,21−2及び増幅器31−1,
31−2で済み、構造の単純化とコスト低減と信頼性の
向上と小型化とを図ることができる。
【0058】ここで、本発明の他の実施例によるチルト
角広範囲可変型空中線で上段素子群6a及び下段素子群
6bに夫々供給する高周波信号に位相差をつけることに
よって、空中線5のチルト角を調整可能としている。
角広範囲可変型空中線で上段素子群6a及び下段素子群
6bに夫々供給する高周波信号に位相差をつけることに
よって、空中線5のチルト角を調整可能としている。
【0059】このように、チルト角可変型空中線におい
て素子6−1〜6−Nに給電される各高周波信号の位相
を調整する位相調整部2の後段または前段に送信/受信
帯域をカバーする増幅部3を挿入し、送信系(移動機か
ら見て下り側)及び受信系(移動機から見て上り側)の
高周波信号の増幅を行い、チルト角を大きく可変する場
合に発生する空中線利得の低下を補償することによっ
て、従来のチルト角可変型空中線に対してより広範囲に
チルト角を可変することができ、柔軟にかつ迅速に、し
かも簡単にサービスエリアを設定することができる。
て素子6−1〜6−Nに給電される各高周波信号の位相
を調整する位相調整部2の後段または前段に送信/受信
帯域をカバーする増幅部3を挿入し、送信系(移動機か
ら見て下り側)及び受信系(移動機から見て上り側)の
高周波信号の増幅を行い、チルト角を大きく可変する場
合に発生する空中線利得の低下を補償することによっ
て、従来のチルト角可変型空中線に対してより広範囲に
チルト角を可変することができ、柔軟にかつ迅速に、し
かも簡単にサービスエリアを設定することができる。
【0060】また、空中線利得がチルト角に応じて変化
することなく、一定に維持することができるので、無線
基地局及び移動機の送信電力を低く押さえることができ
る。特に、チルト角を深く設定してサービスエリアを絞
った場合、送信電力を低減することができるので、移動
機のバッテリの消費が抑えられ、移動機を長時間にわた
って使用することができる。
することなく、一定に維持することができるので、無線
基地局及び移動機の送信電力を低く押さえることができ
る。特に、チルト角を深く設定してサービスエリアを絞
った場合、送信電力を低減することができるので、移動
機のバッテリの消費が抑えられ、移動機を長時間にわた
って使用することができる。
【0061】さらに、受信帯域の高周波信号を増幅する
ための増幅器の利得を高く設定することで、無線基地局
及び移動機の送信出力の差による無線基地局受信系(無
線区間の上り側)のレベルの不平衡を改善するために設
置される、いわゆる「塔頂アンプ」と呼ばれる機能も使
用することができる。
ための増幅器の利得を高く設定することで、無線基地局
及び移動機の送信出力の差による無線基地局受信系(無
線区間の上り側)のレベルの不平衡を改善するために設
置される、いわゆる「塔頂アンプ」と呼ばれる機能も使
用することができる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、高
周波信号を空間に放射する複数の素子に給電される各高
周波信号の位相を位相調整器で調整して空中線のチルト
角を可変させるチルト角広範囲可変型空中線において、
位相調整器の後段及び前段のいずれか一方に、空中線の
チルト角の可変時に発生する空中線利得の低下を補償す
る増幅器を配設することによって、広範囲にチルト角を
可変することができ、チルト角が変化した場合でも空中
線利得を一定に保つことができるとともに、基地局及び
移動機の送信電力を低減することができるという効果が
ある。
周波信号を空間に放射する複数の素子に給電される各高
周波信号の位相を位相調整器で調整して空中線のチルト
角を可変させるチルト角広範囲可変型空中線において、
位相調整器の後段及び前段のいずれか一方に、空中線の
チルト角の可変時に発生する空中線利得の低下を補償す
る増幅器を配設することによって、広範囲にチルト角を
可変することができ、チルト角が変化した場合でも空中
線利得を一定に保つことができるとともに、基地局及び
移動機の送信電力を低減することができるという効果が
ある。
【図1】本発明の一実施例によるチルト角広範囲可変型
空中線の構成を示すブロック図である。
空中線の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例によるチルト角広範囲可変型
空中線の詳細な構成を示すブロック図である。
空中線の詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の他の実施例によるチルト角広範囲可変
型空中線の詳細な構成を示すブロック図である。
型空中線の詳細な構成を示すブロック図である。
【図4】(a)はN段送信アンテナのビームチルトの構
成図、(b)はN段送信アンテナのビームチルトの近似
図である。
成図、(b)はN段送信アンテナのビームチルトの近似
図である。
【図5】等間隔均一直線アレイ給電におけるチルト角制
御方法を示す図である。
御方法を示す図である。
【図6】素子群間に位相差をつけた給電におけるチルト
角制御方法を示す図である。
角制御方法を示す図である。
【図7】励振電流の位相差とチルト角及び電力利得低下
率との関係を示す図である。
率との関係を示す図である。
【図8】チルト角変化に対する最大利得の変化を示す図
である。
である。
【図9】携帯・自動車電話システムにおけるサービスエ
リアの概念図である。
リアの概念図である。
【図10】(a)は増局中におけるセルスプリットの構
成を示す図、(b)は増局後におけるセルスプリットの
構成を示す図である。
成を示す図、(b)は増局後におけるセルスプリットの
構成を示す図である。
【図11】空中線のチルト角と電界強度との関係を示す
図である。
図である。
1 分配部 2 位相調整部 3 増幅部 4 接続ケーブル 5,5−1〜5−8 空中線 6−1〜6−N 素子 7 給電端子 8 監視制御信号入出力端子 21−1〜21−N 位相調整器 22,32 監視制御部 31−1〜31−N 増幅器 32−1〜32−N,34−1〜34−N 共用器 33−1〜33−N 送信系増幅器 35−1〜35−N 受信系増幅器 61,62 分配器
Claims (3)
- 【請求項1】 高周波信号を空間に放射する複数の素子
に給電される各高周波信号の位相を位相調整器で調整し
て空中線のチルト角を可変させるチルト角広範囲可変型
空中線であって、前記位相調整器の後段及び前段のいず
れか一方に配設されかつ前記空中線のチルト角の可変時
に発生する空中線利得の低下を補償する増幅器を有する
ことを特徴とするチルト角広範囲可変型空中線。 - 【請求項2】 前記増幅器は、送信帯域及び受信帯域の
高周波信号の増幅を行うよう構成したことを特徴とする
請求項1記載のチルト角広範囲可変型空中線。 - 【請求項3】 前記増幅器は、受信帯域の高周波信号を
増幅するための利得を高く設定するよう構成したことを
特徴とする請求項1または請求項2記載のチルト角広範
囲可変型空中線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10215060A JP2000049523A (ja) | 1998-07-30 | 1998-07-30 | チルト角広範囲可変型空中線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10215060A JP2000049523A (ja) | 1998-07-30 | 1998-07-30 | チルト角広範囲可変型空中線 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000049523A true JP2000049523A (ja) | 2000-02-18 |
Family
ID=16666098
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10215060A Withdrawn JP2000049523A (ja) | 1998-07-30 | 1998-07-30 | チルト角広範囲可変型空中線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000049523A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100374175B1 (ko) * | 2000-12-29 | 2003-03-03 | 주식회사 에이스테크놀로지 | 틸팅각 조정이 가능한 기지국용 배열 안테나 |
-
1998
- 1998-07-30 JP JP10215060A patent/JP2000049523A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100374175B1 (ko) * | 2000-12-29 | 2003-03-03 | 주식회사 에이스테크놀로지 | 틸팅각 조정이 가능한 기지국용 배열 안테나 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20051004 |