JP2000048002A - 鋼材の相変態図推定装置、鋼材の相変態図予測方法及び記録媒体 - Google Patents

鋼材の相変態図推定装置、鋼材の相変態図予測方法及び記録媒体

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JP2000048002A
JP2000048002A JP10217278A JP21727898A JP2000048002A JP 2000048002 A JP2000048002 A JP 2000048002A JP 10217278 A JP10217278 A JP 10217278A JP 21727898 A JP21727898 A JP 21727898A JP 2000048002 A JP2000048002 A JP 2000048002A
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critical cooling
cooling time
transformation diagram
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JP10217278A
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Mitsunae Fujita
充苗 藤田
Naruaki Kasugai
考昌 春日井
Hiroyuki Kamisaka
博亨 上坂
Yoshiaki Matsuzaki
義昭 松崎
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Fujitsu Ltd
National Research Institute for Metals
Original Assignee
Fujitsu Ltd
National Research Institute for Metals
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Abstract

(57)【要約】 【課題】鋼材の組成から相変態図パターンを予測するこ
とである。 【解決手段】学習済のニューラルネットワークからなる
臨界冷却時間予測部12は、鋼材の元素組成が入力され
ると、その組成から鋼材の臨界冷却時間Cz’、C
p’、Cf’、Ce’を予測する。同様に学習済のニュ
ーラルネットワークからなる相変態図パターン予測部1
6は、臨界冷却時間予測部12から出力される臨界冷却
時間Cz’、Cp’、Cf’、Ce’に基づいて相変態
図パターンを予測する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼材の組成から相
変態図パターンを推定する相変態図推定装置、相変態図
パターンの予測方法及び相変態図パターンを予測するプ
ログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】高温相が出現する温度から溶融温度近く
の温度に加熱した鋼材を種々速度で冷却していったとき
に、その鋼材がどのような相構造となるかを示すものと
して連続冷却相変態図が知られている。相変態図におけ
るZw、F、P等は、鋼材がどのような微細構造を持つ
かを示すものである。微細構造とは、結晶構造を持つも
の、全く結晶構造を持たないものなどを示すものであ
る。個々の鋼材の相変態図が分かれば、その鋼材をどの
ような速度で冷却すれば、どの相ができるかが分かるの
で、鋼材の物理的特性、つまり硬度、靱性、引張強さ等
を推定することができる。
【0003】図16は、鋼材を基準となる温度から、特
定の相が最初に現れるような温度勾配で冷却していった
とき、あるいはベイナイトZwが現れないようなゆっく
りとした温度勾配で冷却していったときに、それぞれの
温度勾配を示す曲線上で温度が臨界温度(基準となる規
格化した温度)に達するまでの時間(これを臨界冷却時
間と呼ぶ)を示す図である。
【0004】同図に示す、Cz’はベイナイトZwが最
初に現れる臨界冷却時間、Cf’はフェライトFが最初
に現れる臨界冷却時間、Cp’はパーライトPが最初に
現れる臨界冷却時間、Ce’はベイナイトZwが現れな
いようにゆっくり冷却したときの臨界冷却時間を示して
いる。
【0005】ところで、鋼材を冷却していったときに現
れる相は鋼材の組成により異なり、例えば溶接鋼材の相
の変化は図17に示すような6種類のパターンに分類す
ることができる。尚、図17は縦軸が温度、横軸が時間
を表している。
【0006】クラス(Class)Iの相変態図は、ベ
イナイトZwとフェライトFとバーライトPとが現れ、
クラスIIの相変態図はベイナイトZwとフェライトFと
パーライトPが現れる。クラスIIIの相変態図はベイナ
イトZwとフェライトFが現れ、P、つまりパーライト
反応が生じない。クラスIVの相変態図はパーライトPが
フェライトFより先に現れる。クラスVの相変態図は、
ベイナイトZwのみが現れ、クラスVIの相変態図は、パ
ーライトPのみが現れる。
【0007】このような6種類の相変態図が既知のとき
に、ある組成の鋼材に6種類の相変態図の内のどの相変
態図を適用できるかが分かれば、その鋼材をどのような
温度で加熱し、どのように冷却すれば、所望の特性、つ
まり硬度、靱性、引張強さ等が得られるかを推定するこ
とができる。鋼材の組成が指定されたとき、その鋼材の
相変態図を入手あるいは作成することができればよい
が、それができない場合には、ハンドブック等を参考に
してできるだけ組成の近い鋼材の相変態図を探し、その
相変態図から鋼材の特性を推定する必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したようなハンド
ブックを用いて相変態図を求める方法は、ユーザが知り
たい鋼材の組成に近い組成の鋼材の相変態図をハンドブ
ックから探しだし、その相変態図から所望の組成の鋼材
の特性を予測する必要がある。その場合、組成が近いか
否かをどのような基準で判断するかが問題となり、人に
より判断結果が異なることも考えられ、鋼材の特性を正
確に予測することは困難である。また、ハンドブックか
ら該当する相変態図を探すのは面倒であるばかりでな
く、ハンドブックが手元になければ特性を予測すること
ができない。
【0009】本発明の課題は、鋼材の組成からその相変
態図を簡単に予測できるようにすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の鋼材の相変態図
推定装置は、鋼材の元素組成から臨界冷却時間を予測す
る第1のニューラルネットワークからなる臨界冷却時間
予測部と、臨界冷却時間予測部から出力される臨界冷却
時間に基づいて相変態図パターンを予測する第2のニュ
ーラルネットワークからなる相変態図パターン予測部と
を備える。
【0011】例えば、既知の鋼材の組成と臨界冷却時間
を、予め臨界冷却時間予測部に与えて学習させ、同様に
その臨界冷却時間と鋼材の相変態図パターンを示すデー
タを、予め相変態図パターン予測部に与えて学習させ
る。そして、相変態図パターンが未知の鋼材の元素組成
を臨界冷却時間予測部に入力して臨界冷却時間を予測
し、相変態図パターン予測部によりその臨界冷却時間か
ら相変態図パターンを予測する。
【0012】これにより、未知の鋼材の組成から相変態
図パターンを予測することが可能となるので、ユーザが
特性を知りたい鋼材の組成に近いと思われる鋼材の相変
態図パターンをハンドブック等から探す作業が不要とな
る。また、人が判断するのではないので、相変態図パタ
ーンを高い精度で予測することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照して説明する。図1は、実施の形態の溶接用鋼
材の相変態図推定装置の構成を示す図である。同図にお
いて、入力部11は、鋼材に添加する元素組成を入力す
る入力部であり、本実施の形態では11種類の元素組成
を指定できるようになっている。
【0014】臨界冷却時間予測部12は、ベイナイトZ
wの臨界冷却時間Cz’、パーライトPの臨界冷却時間
Cp’、フェライトFの臨界冷却時間Cf’、ベイナイ
トZwが生じないようにゆっくり冷却したときの臨界冷
却時間Ce’を、それぞれ予測する4個のニューラルネ
ットワークで構成されている。4個のニューラルネット
ワークは、それぞれ入力可能な元素数分の入力ユニット
(入力層)13と、複数の中間ユニット(中間層)14
と、1つの出力ユニット(出力層)15とで構成されて
いる。この臨界冷却時間予測部12に、既知の鋼材の元
素の組成を入力データとし、臨界冷却時間Cz’、C
p’、Cf’、Ce’を教師データとして与え、ニュー
ラルネットワークにバックプロパゲーション法により予
め学習を行わせることで、未知の組成の鋼材の臨界冷却
時間Cz’、Cp’、Cf’、Ce’を予測することが
できる。
【0015】相変態図パターン予測部16は、臨界冷却
時間予測部12の出力数分の入力ユニット17と、複数
の中間ユニット18と、相変態図パターン数分の出力ユ
ニット19とからなるニューラルネットワークで構成さ
れている。
【0016】出力値判定部20は、相変態図パターン予
測部16から出力される6個の出力値を比較して、入力
された組成の鋼材の相変態図パターンが、図16の6種
類の相変態図パターンの内の何れに該当するかを判定す
る。
【0017】図2は、本実施の形態の鋼材の相変態図推
定装置の元素の種類とその組成(wt%)の入力画面を
示す図である。入力画面には、選択可能なC、Si、M
n等の15種類の元素が表示されるので、それぞのチェ
ックボックスをマウス等でクリックして元素名を選択
し、各元素の組成を入力する。この入力画面で選択され
た元素の組成が入力部11に入力される。
【0018】次に、図3は、臨界冷却時間予測部12の
入出力を示す図である。上述したように臨界冷却時間予
測部12は、4種類の臨界冷却時間Cz’、Cp’、C
f’、Ce’の演算を行う4個のニューラルネットワー
クで構成されている。それぞれのニューラルネットワー
クは、C、Si、Mn等の元素の組成が入力される11
個の入力ユニット13a1〜13a11と、11個の入
力ユニット13a1〜13a11の出力に重み係数を掛
けたものの積和演算を行って演算結果を出力する7個の
中間ユニット14a1〜14a7と、7個の中間ユニッ
ト14a1〜14a7の出力に重み係数を掛けたものの
積和演算を行って、演算結果を臨界冷却時間Cz’、C
p’、Cf’またはCe’として出力する1つの出力ユ
ニット15とで構成されている。
【0019】例えば、臨界冷却時間Cz’を出力するニ
ューラルネットワークの中間ユニット14a1には、1
1個の入力ユニット13a1〜13a11の出力が入力
されており、中間ユニット14a1はそれら11個の入
力ユニット13a1〜13a11の出力に重み係数を掛
けたものの積和演算を行って演算結果を出力する。出力
ユニット15には、7個の中間ユニット14a1〜14
a7の出力が入力されており、出力ユニット15はそれ
ら7個の中間ユニット14a11〜14a7の出力に重
み係数を掛けたものの積和演算を行って、演算結果を臨
界冷却時間Cz’として出力する。
【0020】次に、図4は、相変態図パターン予測部1
6の入出力を示す図である。相変態図パターン予測部1
6は、臨界冷却時間Cz’、Cp’、Cf’、Ce’の
予測値がそれぞれ入力される4個の入力ユニット17a
1〜17a4と、それら4個の入力ユニット17a1〜
17a4の出力が、それぞれ入力される8個の中間ユニ
ット18a1〜18a8と、それら8個の中間ユニット
18a1〜18a8の出力が、それぞれ入力される6個
の出力ユニット19a1〜19a6とで構成されてい
る。
【0021】例えば、中間ユニット18a1には、4個
の入力ユニット17a1〜17a4の出力が入力されて
おり、中間ユニット18a1は、それらの入力ユニット
17a1〜17a4の出力に重み係数を掛けたものの積
和演算を行って、演算結果を6個の出力ユニット19a
1〜19a6に出力する。出力ユニット19a1は、中
間ユニット18a1〜18a8の8個の出力に重み係数
を掛けたものの積和演算を行って、演算結果を相変態
(CCT)図パターン1の予測値として出力する。同様
に出力ユニット19a2は、中間ユニット18a1〜1
8a8の8個の出力に重み係数を掛けたものの積和演算
を行って、演算結果を相変態図パターン2の予測値とし
て出力する。以下同様に出力ユニット19a3〜19a
6は、それぞれ相変態図パターン3〜6の予測値を出力
する。なお、上記の相変態図パターン1〜6は、図16
のクラスI〜VIの相変態図パターンに該当する。
【0022】ここで、鋼材の元素組成が入力されたされ
たとき、上述したニューラルネットワークを用いて相変
態図パターンを予測するときの相変態図推定装置の処理
内容を、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0023】先ず、ユーザは鋼材に添加する微量元素の
種類とその組成を、図2の入力画面から入力する(図
5、S1)。相変態図推定装置は、入力された各元素の
組成を0〜1の間の値に正規化する(S2)。そして、
その正規化した各元素毎の組成を、臨界冷却時間C
z’、Cp’、Cf’、Ce’の予測を行う4個のニュ
ーラルネットワーク(NN)に入力する(S3)。
【0024】臨界冷却時間予測部12の4個のニューラ
ルネットワークは、上述したように元素の組成から、そ
れぞれ0〜1の値に正規化した臨界冷却時間Cz’、C
p’、Cf’、Ce’を予測する。
【0025】臨機冷却時間予測部12の4個のニューラ
ルネットワークから、それぞれ正規化された臨界冷却時
間Cz’、Cp’、Cf’、Ce’が出力されたなら、
それらの出力値を取得し(S4)、取得した出力値を相
変態図パターン予測部16へ出力する(S5)。
【0026】相変態図パターン予測部16は、上述した
ように臨界冷却時間予測部12の4個のニューラルネッ
トワークから出力される臨界冷却時間Cz’、Cp’、
Cf’、Ce’に基づいて相変態図パターンに対応す
る、0〜1の値に正規化した6個の値を出力する。
【0027】そして、相変態図パターン予測部16から
出力される6個の出力値を取得し(S6)、それらの出
力値の中で最も大きい値を示す出力ユニットに対応する
相変態図パターンを、その鋼材の相変態図パターンと判
定し、その相変態図パターンを表示する(S7)。
【0028】我々は、鋼材の相変態図パターを予測する
にあたって、最初にニューラルネットワークを1段で構
成して、鋼材の組成からその相変態図パターンを直接予
測することが可能か否かを検討した。そして、ニューラ
ルネットワークに鋼材の組成を入力データとして与え、
相変態図パターンを示すデータを教師データとして与え
てニューラルネットワークを学習させた場合に、学習結
果と教師データが一致するか否かをシュミレーションに
より確認した。
【0029】その学習結果を示したものが図6〜図9で
ある。図6において、CCT−NOは鋼材のサンプル番
号を示しており、OUTのP1〜P6は、相変態図パタ
ーン番号を示す教師データ、OUT2のP1〜P6は、
ニューラルネットワークから出力される相変態図パター
ン番号を示す実行結果データ、正誤表は、実行結果デー
タが教師データと一致したか否かを示している。なお、
図7〜図9の各データも図6と同じ順序で並んでおり、
各図の左から順にサンプル番号、6個の教師データ、6
個の実行結果データ、正誤表を示している。また、鋼材
に添加される元素の組成の正規化された値の一例を上げ
ると、図6の1番目のサンプルweld1の元素の組成の正
規化された値はC=0.065693、Si=0.306818、Mn=
0.653659、Ni=0.04716 である。
【0030】図6〜図9から188個のサンプルの中で
実行結果が誤りであったのは22個あり、学習結果の正
解率は88.3%である。これでは相変態図パターンを
正確に予測することが難しい。
【0031】そこで、我々は、上述したようにニューラ
ルネットワークを2段構成とし、第1のニューラルネッ
トワーク(臨界冷却時間予測部12)に既知の鋼材の組
成を入力し、その鋼材の臨界冷却時間を教師データとし
て与えて学習を行わせた。さらに、第2のニューラルネ
ットワーク(相変態図パターン予測部16)に、第1の
ニューラルネットワークの出力を入力し、鋼材の相変態
図パターンを示すデータを教師データとして与えて学習
を行わせて、臨界冷却時間から相変態図パターンを予測
するようにした。
【0032】図10〜図14は、臨界冷却時間予測部1
2から出力される臨界冷却時間Cz’、Cp’、C
f’、Ce’を入力し、鋼材の相変態図パターンを示す
データを教師データとして与えて、相変態図パターン予
測部16に学習を行わせたときの学習結果を示す図であ
る。
【0033】図10において、臨界冷却時間の対数log
(cz')、log(cp')、log(cf')、log(ce')は、臨界冷却時
間予測部12から出力される臨界冷却時間Cz’、C
p’、Cf’、Ce’の対数値であり、OUT、P1〜
P6は相変態図パターンを示す教師データ、OUT2、
P1〜P6は相変態図パターンを示す実行結果データ、
正誤表は実行結果が教師データと一致したか否かを示し
ている。
【0034】図11〜図14の各データも図10と同じ
順序で並んでおり、それぞれの図面の左から順にサンプ
ル番号、4個の臨界冷却時間データ、6個の教師デー
タ、6個の実行結果データ、1つの正誤表を示してい
る。
【0035】図10〜図14の188個のサンプルの実
行結果は教師データと全て一致しており、学習結果の正
解率は100%であった。この学習結果に基づいて鋼材
の相変態図パターンを予測することで、未知の鋼材につ
いて相変態図パターンを正確に予測できることが裏付け
られた。
【0036】上述した実施の形態によれば、鋼材の組成
からその鋼材の相変態図パターンを正確に予測すること
ができるので、その相変態図パターンを用いて鋼材の物
理特定を推定することができる。
【0037】上述した鋼材の相変態図推定装置の実行す
るプログラムを可搬型の情報処理装置、例えばパーソナ
ルコンピュータに搭載し、その情報処理装置を携帯する
こで、鋼材を選定する現場で鋼材の組成から相変態図パ
ターンを正確に予測することが可能となる。
【0038】さらに、鋼材の相変態図パターンを予測す
るプログラムを、図15に示すフロッピーディスク15
1、CDROM152等の記録媒体に格納しておいて、
その記録媒体を情報処理装置(パーソナルコンピュータ
等)153の媒体駆動装置(フロッピーディスクドライ
バー、CDROMドライバー等)154により読み取
り、読み取ったプログラムを実行するようにしてもよ
い。あるいは鋼材の相変態図パターンを予測するプログ
ラムをプログラム提供者のコンピュータのハードディス
ク等の記憶装置に記憶しておいて、通信によりユーザの
コンピュータに転送してユーザのハードディスク等に記
憶し、そのプログラムを用いて相変態図パターンを予測
するようにしても良い。
【0039】なお、上述した実施の形態は、Cz’、C
f’、Cp’、Ce’の4種類の臨界冷却時間を用いて
相変態図パターンを予測したが、4種類全ての臨界冷却
時間を用いずに、例えばCz’、Cf’、Cp’の3種
類の臨界冷却時間から相変態図パターンを予測するよう
にしてもよい。
【0040】上述した実施の形態は、本発明を溶接用鋼
材に適用した場合であるが、これに限らず他の種類の鋼
材にも適用できる。その場合、相変態図は上述した6種
類の相変態図に限らず、鋼材の種類に応じて鋼材の物理
特性を推定することのできる相変態図を用いればよい。
そして、その鋼材の物理特性を定める上で必要な相が現
れる臨界冷却時間を鋼材の組成から予測し、その臨界冷
却時間から相変態図を予測すればよい。
【0041】さらに、上述した実施の形態は、臨界冷却
時間予測部12を4個のニューラルネットワークで構成
したが、入力ユニット13を共通にし、中間ユニットを
それぞれ別にして、全体として1つのニューラルネット
ワークで構成してもよい。また、ニューラルネットワー
クの構造は、実施の形態に示した階層型のものに限らず
それ以外の構造であってもよい。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、鋼材の組成からその鋼
材の相変態図パターンをより正確に予測することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の相変態図推定装置の構成を示す図
である。
【図2】元素の種類とその組成(wt%)の入力画面を
示す図である。
【図3】臨界冷却時間予測部12の入出力を示す図であ
る。
【図4】相変態図パターン予測部16の入出力を示す図
である。
【図5】相変態図推定装置の処理内容を示すフローチャ
ートである。
【図6】鋼材の組成から直接相変態図パターンを求めた
場合の学習結果を示す図(その1)である。
【図7】鋼材の組成から直接相変態図パターンを求めた
場合の学習結果を示す図(その2)である。
【図8】鋼材の組成から直接相変態図パターンを求めた
場合の学習結果を示す図(その3)である。
【図9】鋼材の組成から直接相変態図パターンを求めた
場合の学習結果を示す図(その4)である。
【図10】臨界冷却時間から相変態図パターンを求めた
場合の学習結果を示す図(その1)である。
【図11】臨界冷却時間から相変態図パターンを求めた
場合の学習結果を示す図(その2)である。
【図12】臨界冷却時間から相変態図パターンを求めた
場合の学習結果を示す図(その3)である。
【図13】臨界冷却時間から相変態図パターンを求めた
場合の学習結果を示す図(その4)である。
【図14】臨界冷却時間から相変態図パターンを求めた
場合の学習結果を示す図(その5)である。
【図15】プログラムを記録媒体に記録した場合の説明
図である。
【図16】臨界冷却時間の説明図である。
【図17】相変態図である。
【符号の説明】
11 入力部 12 臨界冷却時間予測部 16 相変態図パターン予測部 20 出力値判定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 春日井 考昌 茨城県つくば市千現1−2−1 科学技術 庁金属材料技術研究所内 (72)発明者 上坂 博亨 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 松崎 義昭 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 2G055 AA03 BA05 BA20 CA09 CA22 CA29 EA04 EA08 EA10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼材の元素組成から臨界冷却時間を予測す
    る第1のニューラルネットワークからなる臨界冷却時間
    予測部と、 前記臨界冷却時間予測部から出力される臨界冷却時間に
    基づいて前記鋼材の相変態図パターンを予測する第2の
    ニューラルネットワークからなる相変態図パターン予測
    部とを備えることを特徴とする鋼材の相変態図推定装
    置。
  2. 【請求項2】前記臨界冷却時間予測部は、既知の鋼材の
    組成を入力データとし、前記既知の鋼材の臨界冷却時間
    を教師データとして学習を行った学習済のニューラルネ
    ットワークであり、該学習結果に基づいて、入力された
    組成の鋼材の臨界冷却時間を予測することを特徴とする
    請求項1記載の鋼材の相変態図推定装置。
  3. 【請求項3】前記臨界冷却時間予測部は、出力する臨界
    冷却時間数分のニューラルネットワークで構成され、そ
    れぞれのニューラルネットワークは、入力可能な元素数
    に対応する複数の入力ユニットと、複数の中間ユニット
    と、臨界冷却時間を出力する1つの出力ユニットからな
    ることを特徴とする請求項1または2記載の鋼材の相変
    態図推定装置。
  4. 【請求項4】前記相変態図パターン予測部は、前記臨界
    冷却時間予測部の出力数に対応する入力ユニットと、複
    数の中間ユニットと、相変態図パターン数に対応する出
    力ユニットとからなるニューラルネットワークで構成さ
    れることを特徴とする請求項1,2または3記載の鋼材
    の相変態図推定装置。
  5. 【請求項5】前記臨界冷却時間は、Cz’、Cp’、C
    f’、Ce’からなることを特徴とする請求項1、2,
    3または4記載の相変態図推定装置。
  6. 【請求項6】第1のニューラルネットワークにより鋼材
    の元素組成から臨界冷却時間を予測し、 第2のニューラルネットワークにより前記臨界冷却時間
    から相変態図パターンを予測することを特徴とする鋼材
    の相変態図予測方法。
  7. 【請求項7】鋼材の元素組成から臨界冷却時間を予測す
    る第1のニューラルネットワークと、 前記臨界冷却時間予測部から出力される臨界冷却時間に
    基づいて前記鋼材の相変態図パターンを予測する第2の
    ニューラルネットワークとからなるプログラムを記録し
    たコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
JP10217278A 1998-07-31 1998-07-31 鋼材の相変態図推定装置、鋼材の相変態図予測方法及び記録媒体 Pending JP2000048002A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102279222A (zh) * 2011-05-16 2011-12-14 北京航空航天大学 基于SNF策略和DSD策略的16Mn钢承力件疲劳损伤状态识别系统
CN102279223A (zh) * 2011-05-16 2011-12-14 北京航空航天大学 基于SNF策略和DSD策略的16Mn钢焊接结构形变损伤识别评估系统
CN102288679A (zh) * 2011-05-16 2011-12-21 北京航空航天大学 基于SNF策略和DSD策略的16Mn钢焊接部位疲劳损伤状态识别系统
CN104749337A (zh) * 2015-03-24 2015-07-01 沈阳理工大学 一种基于神经网络的铝合金变质效果在线检测方法及装置
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