JP2000042346A - 吸着カートリッジおよび空気除湿装置 - Google Patents

吸着カートリッジおよび空気除湿装置

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JP2000042346A
JP2000042346A JP10217603A JP21760398A JP2000042346A JP 2000042346 A JP2000042346 A JP 2000042346A JP 10217603 A JP10217603 A JP 10217603A JP 21760398 A JP21760398 A JP 21760398A JP 2000042346 A JP2000042346 A JP 2000042346A
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cartridge
suction
adsorption
air
container
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JP10217603A
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English (en)
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Eiji Takamure
英治 高牟禮
Koichi Ota
浩一 太田
Shoichi Muraoka
正一 村岡
Shunichi Takeuchi
俊一 竹内
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Orion Machinery Co Ltd
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Orion Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸着エレメントの交換を、さらに簡単に、ま
た、安全に行うことができるようにする。 【解決手段】 コンテナ44の内部にハニカム構造の吸
着エレメント41を収納し、さらに、コンテナ44の両
端に取付けられたカートリッジカバー47の外側にリン
グ状のシール部材60を設けた吸着カートリッジ31お
よび32を提供する。吸着エレメントをカートリッジ化
することにより、カートリッジ単位で吸着エレメントの
交換が可能となり、交換作業が短時間で済む。さらに、
吸着エレメントが粉末化する恐れもないので、交換作業
を安全に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気機器などに供
給する圧縮空気の除湿を行う空気除湿装置、および吸着
材(除湿材)を収納している吸着カートリッジに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】医薬品や半導体製品の製造過程、計装制
御用などとして使用される圧縮空気を供給するために、
空気圧縮器(エアーコンプレッサー)を空気供給源とし
た圧縮空気供給システムが用いられている。このシステ
ムでは、エアーコンプレッサーから吐出された圧縮空気
から水分を除去し乾燥空気として供給するために、空気
除湿装置が設置され、その空気除湿装置の1つとして圧
縮空気を通し、空気中の湿分を吸着する吸着式の空気除
湿装置が知られている。この吸着式の空気除湿装置は、
湿分を吸着する工程と乾燥空気を流して再生する工程と
を繰り返し行うことができる吸着材がハウジングに収納
された吸着塔と、この吸着塔に圧縮空気を供給し、また
再生時には乾燥空気を供給する給排気機構とを備えてい
る。一般に、空気除湿装置は、吸着および再生をサイク
リックに行うために、2つの吸着塔を備えており、それ
ぞれの吸着塔にシリカゲル等の吸着材が充填されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような吸着式の空
気除湿装置においては、吸着塔に充填されている吸着材
は、空気中の水分を吸着し除湿するプロセスと、乾燥空
気を通して再生するプロセスとを繰り返し行うために、
経時変化し徐々に性能が劣化する。したがって、空気除
湿装置の性能を維持するために、吸着材は適当なタイミ
ングで交換することが望ましい。さらに、吸着材の交換
中は、乾燥した圧縮空気を供給できないので短時間で交
換することが必要となる。
【0004】図4に、吸着塔の吸着材を交換する様子を
模式的に示してある。この吸着塔80には粒状にエレメ
ント化されたシリカゲルなどの吸着材90が収納されて
いるので、まず、この吸着材90を排出する。このため
に、吸着塔80が傾けられるようになっていたり、ある
いは、吸着塔80の下方が開閉できるような構造が採用
されている。吸着材が吸着塔80から排出されると、次
に、吸着塔の姿勢を元に戻したり、あるいは、吸着塔の
下方を閉じた後に、図4に示すように、新しい吸着材9
0を上方の開口83から適当な量だけ投入する。このよ
うに、吸着材を交換するときは、吸着塔の姿勢を変えた
り、あるいは何個所かのカバーを開閉するなど手間がか
かる。さらに、吸着材90が粒状にエレメント化されて
いると、排出するときや投入するときに粒径が小さくパ
ウダー状に砕けたものが飛散することがある。このた
め、作業者が粉塵を吸い込まないように対策をとる必要
があり、この点でも吸着材の交換には時間がかかる。
【0005】さらに、このような粒状の吸着エレメント
90を交換する際は、吸着塔内80で吸着エレメント9
0の充填ムラが生じ易いという問題もある。充填ムラが
あると吸着塔内80に偏った空気の通り道ができ、吸着
エレメント90と空気との接触が悪くなり吸着効率また
は再生効率を低下させる原因となる。また、吸着塔80
に吸着エレメント90を充填した際に吸着エレメント9
0の上面と吸着塔80の上部カバーの間に隙間が開くこ
とが避けられず、粒状の吸着エレメントは圧力変動によ
ってこの隙間で流動し粉末化し易い。そして、吸着エレ
メントが粉末化すると、吸着エレメント同士の隙間が充
填されてしまうので、隙間が詰まり圧力損失が上昇する
原因になることがある。
【0006】これに対し、粒状の吸着エレメントの代わ
りに、吸着材をスプレー状にして薄板の表面に焼成し担
持されたものを用いることが検討されている。このよう
な吸着エレメントであれば、吸着エレメントの交換作業
は、薄板ごと交換すれば良く簡単である。さらに、吸着
エレメントが薄板に吹付けられ固体状に形成されてお
り、周囲に微粉が飛散しなくなる。したがって、粉塵対
策が不要なのでこの点でも安全であり交換の手間が省け
る。しかしながら、このような薄板に担持された吸着エ
レメントを用いると吸着エレメントの吸着表面積が小さ
くなってしまい、吸着エレメントと圧縮空気との接触面
積が低下するので除湿効率が低下してしまう。
【0007】そこで、本発明においては、吸着材の交換
が簡単で安全に行うことができると共に、吸着材との接
触面積が確保できる空気除湿装置を提供することを目的
としている。さらに、充填ムラや圧力損失の増加によっ
て性能が劣化してしまうことのない空気除湿装置を提供
することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、本発明におい
ては、吸着材を球状などにエレメント化した吸着エレメ
ントを吸着塔に挿入可能なコンテナに予め収納してカー
トリッジ化し、この吸着カートリッジ単位で吸着材の交
換ができるようにしている。さらに、吸着カートリッジ
を吸着塔内に抜き差しできるようにするには吸着カート
リッジの外径が吸着塔の内径よりも小さくなり、このま
までは吸着カートリッジと吸着塔の隙間をバイパスして
空気が流れ、空気を効率良く除湿できない。そこで、コ
ンテナから外側に張り出したシール部材を設け、吸着塔
内の吸着カートリッジを交換するだけで吸着材の交換が
できるようにしている。すなわち、本発明の吸着カート
リッジは、内部に吸着エレメントが収納され、軸方向に
圧縮空気を通して除湿可能な筒状のコンテナと、このコ
ンテナから外側に張り出した少なくとも1つのリング状
のシール部材とを有することを特徴としている。また、
本発明の空気除湿装置は、この吸着カートリッジを収納
でき、シール部材が内面に当たる内径の円筒状のハウジ
ングと、このハウジングの両端に設けられた圧縮空気の
給排気機構とを有し、ハウジングの少なくとも一方の端
が吸着カートリッジを交換できるように開閉可能である
ことを特徴としている。
【0009】このように、吸着エレメントをカートリッ
ジ化することにより、作業者は吸着エレメントが粒状で
あっても、吸着カートリッジを抜き差しするだけで良
く、吸着エレメントを排出したり投入したりする手間な
く短時間で吸着材を交換できる。さらに、吸着エレメン
トを吸着塔から排出したり、あるいは吸着エレメントを
直に吸着塔に投入する必要がないので、吸着エレメント
を交換するときに粉塵が発生することが少ない。このた
め、粉塵対策をとる必要もない。したがって、吸着エレ
メントをカートリッジ化することにより、吸着材の交換
を短時間で安全に行うことができる。
【0010】また、本発明の吸着カートリッジは、シー
ル部材を備えており、吸着塔に吸着カートリッジを挿入
するだけで吸着塔との隙間をシールし、圧縮空気が漏洩
するのを防止できる。このため、パッキンを交換した
り、設置する手間もなく、ワンタッチで非常に短時間で
吸着材の交換が行える。
【0011】このように、本発明においては吸着カート
リッジとすることにより、粒状の吸着エレメントでも簡
単で短時間に交換できるようにしており、吸着エレメン
トと空気との接触効率も十分に高く確保できる。このた
め、本発明の吸着カートリッジを収納でき、シール部材
が内面に当たる内径の円筒状のハウジングと、このハウ
ジングの両端に設けられた圧縮空気の給排気手段とを備
えた空気除湿装置においては、吸着材を短時間で交換が
できると共に、高い除湿効率を維持できる。
【0012】しかしながら、粒状の吸着エレメントを採
用している場合は、上述した充填ムラあるいは粉末化に
よる圧力損失の増大といった問題が発生する可能性があ
る。そこで、吸着カートリッジに収納する吸着エレメン
トはハニカム構造の吸着エレメントが望ましい。固体状
のハニカム構造の吸着エレメントであれば、粒状の吸着
エレメントと異なり充填ムラはなく、コンテナ内を通る
空気は多孔を整流して流れるので、ハニカム構造の吸着
エレメントは表面積が非常に大きくなり、空気との接触
面積が広くなる。したがって、吸着効率(除湿効率)お
よび再生効率が向上すると共に、それらが低下するのも
防げる。そして、隙間を流動することもなく、このため
に粉末化して圧力損失が高くなることもないので経時劣
化も抑制することができる。したがって、粒状の吸着エ
レメントに比べて、さらに安定した吸着効率が得られ
る。
【0013】ハニカム構造の吸着エレメントは、球状の
吸着エレメントに替わりそのまま吸着塔に収納しても粉
末化などによる経時劣化を抑制することができる。しか
しながら、交換の手間を少なくし、さらに、吸着エレメ
ントと吸着塔との隙間の流れを防止するためには吸着カ
ートリッジとして提供することが望ましい。
【0014】吸着カートリッジは、コンテナ内に1つの
吸着層を形成するように構成しても良く、さらには、円
柱状の第1の吸着エレメントと、円筒状の第2の吸着エ
レメントが内部隔壁を介して同軸状に収納し、2つの異
なった吸着層を形成できるようにすることも可能であ
る。このような第1および第2の吸着エレメントを備え
た吸着カートリッジであれば、吸着および再生を交互に
繰り返す吸着式空気除湿装置における吸着材の交換作業
を、1つの吸着カートリッジを交換するだけで簡単に、
また、短時間で済ませることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1に、本発明に係る吸着カート
リッジを収納した状態の空気除湿装置の構成を断面図で
示してある。本例の空気除湿装置10は、エアーコンプ
レッサー(不図示)などの圧縮空気供給源から供給され
た圧縮空気70を吸着材に通して空気に含まれた水分を
除去し、露点が−40℃〜−70℃に達する乾燥空気7
2を供給することができる吸着式の空気除湿装置であ
る。本例の空気除湿装置は、固形の吸着材である吸着エ
レメント41を収納するための円筒状のハウジング20
を備えており、その上端および下端には、空気を供給排
気し、また、再生用の空気72aを供給排気するための
給排気手段18が設けられている。
【0016】ハウジング20は、底部23によって密閉
された円筒状の下部ハウジング21と、この下部ハウジ
ング21の上部を開閉可能なカバーとしての機能を果た
す円筒状の上部ハウジング22とを備えており、これら
が連結部52によって着脱できるようになっている。下
部ハウジング21の内部は円筒状の内部隔壁51によっ
て同軸状に2分割された2重管構造となっており、底部
23および上部ハウジング22も同様に内部隔壁51に
よって同軸状に分離されている。さらに、上部ハウジン
グ22の内部隔壁51と下部ハウジング21の内部隔壁
51との間にパッキング(O−リング)53が挟み込ま
れており、これら内部隔壁51によって区分された区画
は相互に密閉性が保たれるようになっている。そして、
底部23および上部ハウジング22には内部隔壁51に
よって分割されたそれぞれの区画に給排気手段18に繋
がる配管が接続されている。このような構成のハウジン
グ20は、圧縮空気の圧力に耐えることができる耐圧構
造としての機能を果たすと共に、後述するように、吸着
エレメントがパッケージング化された吸着カートリッジ
の収納場所としての機能も果たすようになっている。
【0017】ハウジング20の内部には、図2に抜き出
して示してあるように、2つの種類、すなわち、円柱状
の吸着カートリッジ31(図2(a))および円筒状の
吸着カートリッジ32(図2(b))が収納され、1つ
のハウジング(吸着塔)20で吸着および再生を交互に
行えるようになっている。これらの吸着カートリッジ3
1および32は基本的な構成は同じなので、円筒状の吸
着カートリッジ31についてまず説明する。この吸着カ
ートリッジ31は円筒状のコンテナ44を備えており、
その内部にハニカム構造の吸着エレメント41に収納さ
れている。コンテナ44の両端は吸着エレメント41の
ストッパとしての機能を果たす円盤状のパンチングメタ
ル45が設けられており、さらに、このパンチングメタ
ル45の外側がカートリッジカバー47で固定されてい
る。このカートリッジカバー47は、円盤状でコンテナ
44を嵌め込んで固定できるようになった部材であり、
カートリッジカバー47を貫通する複数の空気孔48が
設けられている。したがって、吸着カートリッジ31
は、一方のカートリッジカバー47から他方のカートリ
ッジカバー47に、コンテナ44の軸方向39に空気を
流せる構成になっている。そして、コンテナ44の内部
を軸方向39に流れる空気は、収納された吸着エレメン
ト41と接触し、湿分を含む空気であれば吸着エレメン
ト41によって除湿される。一方、吸着カートリッジ3
1を流れる空気が乾燥空気であれば吸着エレメント41
の湿分が除去されて再生が行われる。
【0018】この吸着カートリッジ31に収納された吸
着エレメント41は、多孔性でそれらの孔が軸方向39
に延びたハニカム構造のエレメントであり、コンテナ4
4の内部を充填できるように円柱状に加工されている。
このようなハニカム構造の吸着エレメントは、例えば、
セラミックスや紙などの繊維を素材としたシートを用い
て、波状に成形加工(コルゲート加工)し、平らなシー
トと一緒に巻いて円柱状または円筒状に形成したものに
焼成および薬品処理によりシリカゲルを合成(含浸)す
ることによって製造できる。あるいは、アルミナなどの
吸着材をハニカム構造に焼結することによっても製造で
きる。
【0019】このようなハニカム構造の吸着エレメント
では、無数の小さな孔が空気の流れる軸方向39に貫通
しているので、これら無数の小さな孔の中を空気が分散
して整流となって流れる。このため、吸着エレメントに
含まれた吸着材と空気との接触面積は非常に大きく確保
でき、高い吸着効率(除湿効率)が得られる。したがっ
て、薄板に吸着材を担持させたような吸着エレメントと
異なり、十分な量の吸着材を固まりとして供給すること
が可能であり、さらに、空気との接触面積も大きいので
高い除湿効率が得られる。
【0020】ハニカム構造の吸着エレメントは、さら
に、ほぼ均等に分散した無数の孔を空気が流れて除湿が
行われるので、球状の吸着エレメントを充填した際に問
題となっていた充填ムラによって空気の通り道ができて
除湿効率が低下するといった問題もない。また、球状の
吸着エレメントと異なりコンテナ内を流動することがな
いので、摩耗などによって粉末化することもない。した
がって、粉末によって圧力損失が上昇したり、あるいは
粉末が乾燥空気と共に消費側に出力されてしまうといっ
た問題もない。
【0021】このように、ハニカム構造の吸着エレメン
トを採用することにより、従来の粒状の吸着エレメント
あるいは薄板状の吸着エレメントと比べ、さらに吸着効
率を上げることができ、また、経時劣化による吸着効率
の低下を防止することができる。このため、ハニカム構
造の吸着エレメントを用いることにより除湿効率が高
く、安定した性能を長時間にわたり発揮できる空気除湿
装置を提供することができる。
【0022】さらに、本例においては、このような多く
の利点を備えたハニカム構造の吸着エレメント41をコ
ンテナ44に収納してカートリッジ化しており、吸着エ
レメント41の交換も非常に簡単にできるようにしてい
る。すなわち、空気除湿装置10の吸着エレメントを交
換する際に、吸着エレメント41がカートリッジ化され
ていることにより、ハウジング20内の吸着カートリッ
ジ31を抜き差しするだけで吸着エレメント41の交換
が完了する。したがって、吸着エレメントが複数に分割
されている場合であっても交換する手間は一回で済む。
また、ハウジング20の内部で吸着および再生を繰り返
し行うことによって吸着エレメントが複数に分割された
り、強度的に弱くなってしまうようなことがあってもコ
ンテナ44に収納してカートリッジ化しておくことによ
り、吸着カートリッジ31の単位で交換できる。したが
って、使用済みの吸着エレメントをハウジングから排出
するときの手間は特に簡略化される。このため、吸着カ
ートリッジを収納するハウジング20は、吸着カートリ
ッジを抜き差しできれば良いので、ハウジングの一方の
端が開閉可能になっていれば良い。また、ハウジング内
から吸着エレメントを放出するためにハウジングの角度
を変えられるようにするなどの機構も不要である。さら
に、使用済みの吸着エレメントは処理を吸着カートリッ
ジの状態で専門会社に依託することも可能となるので、
吸着エレメントの廃棄処理にかかる手間も省くことが可
能となる。
【0023】さらに、本例の吸着カートリッジ31は図
2に示すように、コンテナ44から外側に張り出した位
置に、本例ではカートリッジカバー47の外周面にO−
リングを円筒状のシール部材60として設けてある。こ
のため、本例の吸着カートリッジ31は、下部ハウジン
グ21の所定の位置、すなわち、内部隔壁51の内側に
差し込むだけで吸着エレメントの交換が完了する。内部
隔壁51の内径は、吸着カートリッジ31をスムーズに
抜き差しできるようにするために吸着カートリッジ31
の外径よりも大きくしなくてはならない。したがって、
内部隔壁51と吸着カートリッジのコンテナ44あるい
はカートリッジカバー47との間には円筒状の隙間49
が開いてしまう。このため、除湿する目的でハウジング
20に供給された圧縮空気がこの隙間49を通ってカー
トリッジ31をバイパスしないようにする必要があり、
隙間49をリング状のシール部材でシールする必要があ
る。このようなシールは、吸着カートリッジ31を交換
する際に、吸着カートリッジと内部隔壁51との隙間が
無くなるように、作業員が手作業で行うことも可能であ
る。しかしながら、本例の吸着カートリッジ31は、シ
ール60が予め装着されているので吸着カートリッジ3
1を交換するだけでシールも交換でき、さらに、隙間4
9をシールすることができる。このため、作業員が手作
業でシールを交換する手間を省略でき、シールの交換を
忘れたり、あるいは、シールを設置するのを忘れるとい
った不具合も未然に防止できる。
【0024】円筒状のシール部材60は、コンテナ44
の中央部分に1つ設けておくだけでも良いが、本例のよ
うに、コンテナ44から外側に張り出たカートリッジカ
バー47に取付けておく方がシール部材の幅を狭くでき
る。また、コンテナ44の上下に取付けられたカートリ
ッジカバー47の各々にシール部材60を設けることに
より、隙間49を異なった2個所の位置でシールできる
ことになる。したがって、差圧あっても密封性を保持し
やすく、シールの信頼性も向上する。
【0025】上記では、本例の吸着カートリッジ31お
よび32を一方の円柱状のカートリッジ31で説明して
きたが、他方の円筒状のカートリッジ32においても同
様である。円筒状の吸着カートリッジ32は内周壁46
aおよび外周壁46bを備えた円筒状の空間を形成する
コンテナ44を備えており、このコンテナ44の上端お
よび下端を中央が開いたリング状のパンチングメタル4
5およびカートリッジカバー47でカバーしている。そ
して、このコンテナ44の内部に上記と同様のハニカム
状の吸着エレメント41が収納されている。これらのカ
ートリッジカバー47にも空気孔48が開いておりカー
トリッジカバー47を介して空気が軸方向39に流れ、
吸着エレメント41によって除湿され、また、吸着エレ
メント41を再生するために用いられる。
【0026】この円筒状の吸着カートリッジ32は、図
1に示した空気除湿装置10の吸着カートリッジ31の
外側、すなわち、下部ハウジング21と内部隔壁51と
の間のスペースに収納される。このため、コンテナ44
の外側に当たる内周壁46aと内部隔壁51との間、お
よび外周壁46bと下部ハウジング21との間に隙間4
9が形成される。したがって、この円筒状の吸着カート
リッジ32においては、コンテナ44の外側に当たるカ
ートリッジカバー47の内周壁46aの側および外周壁
46bの側にリング状のシール部材60を設けてあり、
上記の円柱状の吸着カートリッジ31と同様にハウジン
グ21に差し込めばシールも含めて吸着エレメントの交
換が完了するようになっている。
【0027】図1に示した本例の空気除湿装置10は、
これら円柱状の吸着カートリッジ31と円柱状の吸着カ
ートリッジ32を下部ハウジング21に同軸状に配置で
きるようになっており、蓋となる上部ハウジング22を
閉めると内部に設置された円柱状の吸着カートリッジ3
1で1つの吸着層(第1の吸着層)が形成され、外側に
配置された円柱状の吸着カートリッジ32でもう1つの
吸着層(第2の吸着層)が形成される。したがって、給
排気手段18によって圧縮空気の供給と再生用空気の供
給を適当に制御することにより、これら2つの吸着層を
交互に吸着および再生を行わせることが可能であり、継
続して乾燥空気を出力することができる。図1に示した
空気除湿装置10においては、吸気側となる下部ハウジ
ング21の底部23に四方弁13と消音器14が設けら
れており、2つの吸着層のうち、一方に圧縮空気70が
供給され他方からは再生用空気72aが消音器14を経
て大気に放出されるようになっている。また、排気側と
なる上部ハウジング22には2つの吸着層の一方から乾
燥空気72を出力するためのシャトル弁11が接続され
ている。さらに、2つの吸着層はオリフィス12を介し
て連結されており、吸着を行っている吸着層の側から他
方の吸着層に再生空気72aが流れ自動的に再生が行わ
れるようになっている。
【0028】図3に、上記と異なった吸着カートリッジ
の例を示してある。この吸着カートリッジ33は、上述
した円柱状のカートリッジ31と円筒状のカートリッジ
32が一体になったものであり、外周壁46b、内周壁
46aに加え、円柱状のカートリッジのコンテナに該当
する第2の内周壁46cで構成されたコンテナ44を備
えている。そして、このコンテナ44の両端(図3には
一方の端のみ示している)にはパンチングメタル45と
円盤状のカートリッジカバー47が取付けられる。そし
て、コンテナ44の内部のスペースのうち、第2の内周
壁46cの内側と、内周壁46aおよび外周壁46bと
の間のスペースにそれぞれハニカム構造の吸着エレメン
ト41が収納された状態でパッケージングされ、内側の
第1の吸着層と、外側の第2の吸着層が形成できるよう
になっている。さらに、カートリッジカバー47には、
第2の内周壁46cの内側と、内周壁46aおよび外周
壁46bとの間にそれぞれ空気を通すための空気孔48
が同心円状に配置され、上記の第1および第2の吸着層
となる吸着エレメント41のそれぞれに空気が流せるよ
うになっている。
【0029】また、本例の吸着カートリッジ33を空気
除湿装置10に収納する場合は、下部ハウジング21に
直接この吸着カートリッジ33を1つ収納すれば良い。
したがって、下部ハウジング21と接触するコンテナ4
4の外側にリング状のシール部材60を張り出すように
設けて下部ハウジング21との間に形成される隙間を完
全にシールできるようにしている。
【0030】このような、円柱状の吸着エレメント(第
1の吸着エレメント)と円筒状の吸着エレメント(第2
のエレメント)とが隔壁となる内周壁46cおよび46
aを介して同軸状にパッケージングされた吸着カートリ
ッジ33であれば、この吸着カートリッジ33を1つ交
換すれば空気除湿装置10の吸着エレメントの交換が完
了する。このため、上記のように2つの吸着エレメント
を交換するよりもさらに短時間で交換作業を行うことが
できる。
【0031】なお、上記では、内部に固体状のハニカム
構造の吸着エレメントが収納された吸着カートリッジの
例を説明しているが、球状の吸着エレメントをコンテナ
に収納して吸着カートリッジとして提供することももち
ろん可能である。そして、球状エレメントをカートリッ
ジ化した場合でも、吸着エレメントの交換はカートリッ
ジ単位で行うことができる。このため、上記と同様に交
換の手間が少なくなり、また、粒状のエレメントを排出
するための機構を空気除湿装置に設ける必要もなくな
る。そして、ハニカム構造の吸着エレメントを用いるこ
とにより、このようなカートリッジ化の効果に加え、さ
らに、吸着効率を向上でき、経時変化も少なく、安定し
た性能を発揮できるという効果も得ることができる。
【0032】以上では、コンテンの上下に外周方向ある
いは内周方向に張り出したシール部材を設けた吸着カー
トリッジを示しているが、上述したようにシール部材
は、いずれか一方または中間に1つ設けるだけでも良
い。また、シール部材を3箇所以上に設けることももち
ろん可能である。さらに、シール部材は、コンテナの両
端から軸方向に外側に張り出すように設けておいてもハ
ウジングなどとの組み合わせでシールすることができ
る。さらに、コンテナの上下の一部を小径として、その
外側にシール部材を張り出すように設けておき、ハウジ
ングなどと組み合わせてシールすることも可能である。
【0033】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は吸着エレメントをコンテナに入れてカートリッジ化し
て供給しており、作業者は、吸着エレメントを直にハン
ドリングしなくても、吸着カートリッジ単位で交換でき
る。さらに、コンテナから外側にリング状のシール部材
を設けてあるので、シールの交換も手間もなく、単に吸
着カートリッジを交換するだけで吸着エレメントの交換
作業を終えることができる。したがって、交換作業を非
常に簡略化でき、短時間に行える。また、カートリッジ
化することにより、交換の際に発生する粉末も未然に防
止でき、吸着エレメントの交換を安全にすばやく行うこ
とが可能となる。
【0034】さらに、カートリッジ化された吸着エレメ
ントとしてハニカム状の吸着エレメントを採用すること
により、吸着能力が高く、圧力損失が増大するなどの経
時変化が少ない吸着カートリッジを提供することができ
る。したがって、本発明の吸着カートリッジを収納可能
な空気除湿装置とすることにより、メンテナンスが簡単
で、吸着効率および再生効率が高く高性能であり、さら
に性能の維持も容易な空気除湿装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る空気除湿装置の概略構成を示す断
面図である。
【図2】図1に示した空気除湿装置に収納される吸着カ
ートリッジの構成を抜き出して示す図であり、図2
(a)は円柱状の吸着カートリッジを示し、図2(b)
は円筒状の吸着カートリッジを示している。
【図3】図2と異なる吸着カートリッジであり、同心円
状に2つの吸着層が配置された吸着カートリッジの構成
を示す図である。
【図4】従来の空気除湿装置において、粒状の吸着材を
充填している様子を模式的に示してある。
【符号の説明】
10・・空気除湿装置 18・・給排気機構 11・・シャトル弁 12・・オリフィス 13・・四方弁 14・・消音器 20・・ハウジング 21・・下部ハウジング 22・・上部ハウジング 31,32,33・・吸着カートリッジ 41・・吸着エレメント 44・・コンテナ 45・・パンチングメタル 47・・カートリッジカバー 48・・空気孔 49・・隙間 51・・内部隔壁 52・・連結部 60・・シール部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村岡 正一 長野県須坂市大字幸高246番地 オリオン 機械株式会社内 (72)発明者 竹内 俊一 長野県須坂市大字幸高246番地 オリオン 機械株式会社内 Fターム(参考) 4D012 CA01 CB02 CD07 CF03 CF05 CJ01 CJ03 CK05 CK07 CK08 4D052 AA01 AA05 CE00 DA02 DB01 DB03 FA01 FA03 FA09 GA01 GA03 GB03 GB04 GB08 HA01 HA02 HA35 HB02 HB06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に吸着エレメントが収納され、軸方
    向に圧縮空気を通して除湿可能な筒状のコンテナと、こ
    のコンテナから外側に張り出した少なくとも1つのリン
    グ状のシール部材とを有することを特徴とする吸着カー
    トリッジ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記コンテナ内に
    は、ハニカム構造の吸着エレメントが収納されているこ
    とを特徴とする吸着カートリッジ。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記コンテナ内に、
    円柱状の第1の吸着エレメントと、円筒状の第2の吸着
    エレメントが内部隔壁を介して同軸状に収納されている
    ことを特徴とする吸着カートリッジ。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の吸
    着カートリッジを収納でき、前記シール部材が内面に当
    たる内径の円筒状のハウジングと、このハウジングの両
    端に設けられた圧縮空気の給排気手段とを有し、前記ハ
    ウジングの少なくとも一方の端は開閉可能であることを
    特徴とする空気除湿装置。
  5. 【請求項5】 ハニカム構造で柱状の吸着エレメントが
    収納された筒状のハウジングを有し、このハウジングの
    両端に圧縮空気の給排気手段が設けられていることを特
    徴とする空気除湿装置。
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