JP2000039032A - トルク伝達装置の摩擦ライニング - Google Patents
トルク伝達装置の摩擦ライニングInfo
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- JP2000039032A JP2000039032A JP11108141A JP10814199A JP2000039032A JP 2000039032 A JP2000039032 A JP 2000039032A JP 11108141 A JP11108141 A JP 11108141A JP 10814199 A JP10814199 A JP 10814199A JP 2000039032 A JP2000039032 A JP 2000039032A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 摩擦クラッチ、特に自動車の摩擦クラッチに
用いる摩擦ライニングであって、特性プロフィールが改
善された、特に耐熱性が高く、従って所定ライニング面
でより高いトルクを伝達出来る摩擦ライニングを提供す
る。 【構成】 ガラス又はガラスセラミック無機複合材料か
ら成り、該複合材料はガラス又はガラスセラミック基材
と、無機強化繊維と、一つ又は複数のセラミック、ガラ
ス質又は金属質の充填材とを含むトルク伝達装置用、特
に摩擦クラッチの摩擦ライニング。
用いる摩擦ライニングであって、特性プロフィールが改
善された、特に耐熱性が高く、従って所定ライニング面
でより高いトルクを伝達出来る摩擦ライニングを提供す
る。 【構成】 ガラス又はガラスセラミック無機複合材料か
ら成り、該複合材料はガラス又はガラスセラミック基材
と、無機強化繊維と、一つ又は複数のセラミック、ガラ
ス質又は金属質の充填材とを含むトルク伝達装置用、特
に摩擦クラッチの摩擦ライニング。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無機複合材料から成
る、トルク伝達装置、特に摩擦クラッチの摩擦ライニン
グに関する。
る、トルク伝達装置、特に摩擦クラッチの摩擦ライニン
グに関する。
【0002】
【従来の技術】トルク伝達装置、例えば摩擦クラッチは
出来るだけ高いトルク伝達能力を持つべきである。
出来るだけ高いトルク伝達能力を持つべきである。
【0003】クラッチ、特に自動車クラッチの摩擦ライ
ニングを判断する基準は −摩擦係数μ、 −摩耗、 −機械的強度及び破壊強度、 −破断が生じる回転速度 −自励振動(「バッキング(bucking)」又は
「ガタツキ(grabbing)」)と摩擦ノイズの傾
向、 −耐熱性である。
ニングを判断する基準は −摩擦係数μ、 −摩耗、 −機械的強度及び破壊強度、 −破断が生じる回転速度 −自励振動(「バッキング(bucking)」又は
「ガタツキ(grabbing)」)と摩擦ノイズの傾
向、 −耐熱性である。
【0004】即ち、摩擦係数μは出来るだけ高く、動作
条件や周囲条件に殆ど依存しないのが良い。伝達し得る
力は摩擦係数と接触圧の積(μxFc)に比例するか
ら、クラッチは所定の接触力に対し、摩擦係数μが高け
れば高いほど、小さくできる。摩擦ライニングの摩擦係
数はカウンタ(counter)材料に依存する。自動
車クラッチの通常のカウンタ材料はねずみ鋳鉄又は鋼で
ある。現在乗用車に用いられている摩擦ライニングは、
ねずみ鋳鉄に対して実際の動作では約0.2〜0.4の
μ値を持つ。クラッチの設計においては、安全率を見込
んで0.25の設計値が取られる。摩擦係数は、温度、
湿度、接触圧及び角速度の変化に関して出来るだけ一定
であるのが良い。
条件や周囲条件に殆ど依存しないのが良い。伝達し得る
力は摩擦係数と接触圧の積(μxFc)に比例するか
ら、クラッチは所定の接触力に対し、摩擦係数μが高け
れば高いほど、小さくできる。摩擦ライニングの摩擦係
数はカウンタ(counter)材料に依存する。自動
車クラッチの通常のカウンタ材料はねずみ鋳鉄又は鋼で
ある。現在乗用車に用いられている摩擦ライニングは、
ねずみ鋳鉄に対して実際の動作では約0.2〜0.4の
μ値を持つ。クラッチの設計においては、安全率を見込
んで0.25の設計値が取られる。摩擦係数は、温度、
湿度、接触圧及び角速度の変化に関して出来るだけ一定
であるのが良い。
【0005】摩擦ライニングの摩耗は低くあるべきであ
る。クラッチが正しく操作される場合のライニング寿命
の指針は、自動車の可使寿命である。勿論、摩擦ライニ
ングの相手材料はライニングによりあまり摩耗しない方
が良い。摩耗の目安は摩耗率である。
る。クラッチが正しく操作される場合のライニング寿命
の指針は、自動車の可使寿命である。勿論、摩擦ライニ
ングの相手材料はライニングによりあまり摩耗しない方
が良い。摩耗の目安は摩耗率である。
【0006】高い機械的強度と破壊靭性は、特にリベッ
ト締めによりライニングを取り付けるとき必要になる。
破断が生じる回転速度はエンジンの最大回転速度の1.
7〜2倍とすべきで、通常15000/minとなる。
即ち、チェンジダウンの際に誤操作があると、例えば乗
用車で5速ギヤから1速ギヤにチェンジすると、このよ
うな高い回転速度になるからである。
ト締めによりライニングを取り付けるとき必要になる。
破断が生じる回転速度はエンジンの最大回転速度の1.
7〜2倍とすべきで、通常15000/minとなる。
即ち、チェンジダウンの際に誤操作があると、例えば乗
用車で5速ギヤから1速ギヤにチェンジすると、このよ
うな高い回転速度になるからである。
【0007】バッキング(bucking)は、最も重
要なクラッチ関連品質問題の一つである。駆動トレイン
の第一の共振周波数が強く励起され、車の縦振動が感じ
られるときバッキングが生じると云われる。バッキング
は簡単には定量化できないが、ドライバーの主観的印象
には極めて重要である。バッキングの強さはライニング
によるだけでなく、全クラッチ系とその要素の構造設計
にも依存すると云えるが、ライニング関連バッキングが
かなりの割合を占める。バッキングを起こす傾向の無
い、又は少ないクラッチは快適度性能が良好であると云
われている。
要なクラッチ関連品質問題の一つである。駆動トレイン
の第一の共振周波数が強く励起され、車の縦振動が感じ
られるときバッキングが生じると云われる。バッキング
は簡単には定量化できないが、ドライバーの主観的印象
には極めて重要である。バッキングの強さはライニング
によるだけでなく、全クラッチ系とその要素の構造設計
にも依存すると云えるが、ライニング関連バッキングが
かなりの割合を占める。バッキングを起こす傾向の無
い、又は少ないクラッチは快適度性能が良好であると云
われている。
【0008】実際に用いられる場合、クラッチの摩擦ラ
イニングは破損せず、即ち歪みを含む損傷を蒙らずに、
かなりの熱応力に耐えなければならない。目標は、クラ
ッチのすべりが起こる温度限界をより押し上げることで
ある。
イニングは破損せず、即ち歪みを含む損傷を蒙らずに、
かなりの熱応力に耐えなければならない。目標は、クラ
ッチのすべりが起こる温度限界をより押し上げることで
ある。
【0009】更に別の観点としての、環境にやさしい材
料が使用されるべきという点は、少なくとも、以前はク
ラッチライニングとして普通に使われていたアスベスト
の使用は最早必要がないという限りにおいて解決された
といって良いであろう。
料が使用されるべきという点は、少なくとも、以前はク
ラッチライニングとして普通に使われていたアスベスト
の使用は最早必要がないという限りにおいて解決された
といって良いであろう。
【0010】自動車のクラッチに現在商業的に利用可能
な摩擦ライニングは、有機複合材料である。これ等は、
樹脂及びゴムにカーボンブラック、黒鉛(グラファイ
ト)、カオリン等の充填材を添加して成る摩擦性セメン
トに糸材(yarn)を埋め込んで構成される。糸材は
好ましくは、ポリアクリロニトリル、アラミド(ara
mid)、セルロース、ガラス及び他の繊維、及び真鍮
又は銅製ワイヤから成る。このような摩擦ライニングは
良好な快適度性能を示すが、成分が有機性材料、特に有
機基材であることから、熱抵抗が充分でなく、そのため
クラッチ動作中に温度が所定の温度限界を越えると、μ
値が低下して、「ライニング・グラブ(grab)」に
より快適度がかなり低下し、ついにはフェージング(ク
ラッチの滑り)に到る。更に熱応力が加わると、摩擦ク
ラッチは壊れ、クラッチ機能は完全に失われる。
な摩擦ライニングは、有機複合材料である。これ等は、
樹脂及びゴムにカーボンブラック、黒鉛(グラファイ
ト)、カオリン等の充填材を添加して成る摩擦性セメン
トに糸材(yarn)を埋め込んで構成される。糸材は
好ましくは、ポリアクリロニトリル、アラミド(ara
mid)、セルロース、ガラス及び他の繊維、及び真鍮
又は銅製ワイヤから成る。このような摩擦ライニングは
良好な快適度性能を示すが、成分が有機性材料、特に有
機基材であることから、熱抵抗が充分でなく、そのため
クラッチ動作中に温度が所定の温度限界を越えると、μ
値が低下して、「ライニング・グラブ(grab)」に
より快適度がかなり低下し、ついにはフェージング(ク
ラッチの滑り)に到る。更に熱応力が加わると、摩擦ク
ラッチは壊れ、クラッチ機能は完全に失われる。
【0011】ある種の業務車、例えばゴミ運搬車には、
銅を主とする焼結金属ライニングが用いられる。焼結ラ
イニングは摩擦係数が高く(約0.3〜0.6)、摩耗
が少ないが、カウンタ面にかなりの摩耗を生ずる。ミー
タラビリティー(meterability)、バッキ
ング及び摩擦音(ノイズ)に関しては、金属ライニング
は有機ライニングに劣る。
銅を主とする焼結金属ライニングが用いられる。焼結ラ
イニングは摩擦係数が高く(約0.3〜0.6)、摩耗
が少ないが、カウンタ面にかなりの摩耗を生ずる。ミー
タラビリティー(meterability)、バッキ
ング及び摩擦音(ノイズ)に関しては、金属ライニング
は有機ライニングに劣る。
【0012】欧州特許公報EP0469464B1に
は、摩擦ライニングに用いる複合材料が開示されてい
る。この複合材料は、SiO2と或種の水溶性珪酸塩、
例えばアルカリ金属珪酸塩(水ガラス)との混合物を水
の存在下で硬化するバインダー基材を用いる。このよう
な材料は加水分解安定度が充分でなく、例えば凝縮の
際、温度が露点以下に低下すると水が生じ、不都合であ
る。
は、摩擦ライニングに用いる複合材料が開示されてい
る。この複合材料は、SiO2と或種の水溶性珪酸塩、
例えばアルカリ金属珪酸塩(水ガラス)との混合物を水
の存在下で硬化するバインダー基材を用いる。このよう
な材料は加水分解安定度が充分でなく、例えば凝縮の
際、温度が露点以下に低下すると水が生じ、不都合であ
る。
【0013】米国特許公報US4341840には、ベ
アリング、シール及びブレーキに用いられる、グラファ
イト繊維強化ガラスが開示されている。これ等の複合材
料は耐熱性が充分ではなく、快適度性能はあまり良好で
は無い。
アリング、シール及びブレーキに用いられる、グラファ
イト繊維強化ガラスが開示されている。これ等の複合材
料は耐熱性が充分ではなく、快適度性能はあまり良好で
は無い。
【0014】
【発明により解決されるべき課題】本発明の目的は、摩
擦クラッチ、特に自動車の摩擦クラッチに用いる摩擦ラ
イニングであって、特性プロフィールが改善された、特
に耐熱性が高く、従って所定ライニング面でより高いト
ルクを伝達出来る摩擦ライニングを見いだすことにあ
る。
擦クラッチ、特に自動車の摩擦クラッチに用いる摩擦ラ
イニングであって、特性プロフィールが改善された、特
に耐熱性が高く、従って所定ライニング面でより高いト
ルクを伝達出来る摩擦ライニングを見いだすことにあ
る。
【0015】
【課題を解決する手段、その作用・効果】この目的は、
請求項1に記載の無機複合材料により達成される。
請求項1に記載の無機複合材料により達成される。
【0016】驚くべきことに、ガラス又はガラスセラミ
ック基材と無機強化繊維と一種又は複数のセラミック、
ガラス質又は金属質充填材で構成される純無機複合材料
で従来のクラッチ用摩擦ライニング材を置き換えること
が出来、この複合材摩擦ライニングは或種の特性に関し
ては従来の摩擦ライニングを凌ぐものであることが分か
った。
ック基材と無機強化繊維と一種又は複数のセラミック、
ガラス質又は金属質充填材で構成される純無機複合材料
で従来のクラッチ用摩擦ライニング材を置き換えること
が出来、この複合材摩擦ライニングは或種の特性に関し
ては従来の摩擦ライニングを凌ぐものであることが分か
った。
【0017】繊維強化ガラス又は繊維強化ガラスセラミ
ックの生産は周知であり、多数の刊行物に記載されてい
るが、これ等の刊行物として米国特許公報US4610
917、US4626515及びUS5079196を
純然たる例示としてここに引用することが出来る。
ックの生産は周知であり、多数の刊行物に記載されてい
るが、これ等の刊行物として米国特許公報US4610
917、US4626515及びUS5079196を
純然たる例示としてここに引用することが出来る。
【0018】充填材及び機能的添加物(以下、単に「充
填材」と云う)の添加は、例えば欧州特許公報EP04
69464B1から知られている。これ等の充填材は潤
滑材、摩擦調節材又は純然たる充填材として働き、生産
工程内で、例えばスラリーに添加して、併入される。
填材」と云う)の添加は、例えば欧州特許公報EP04
69464B1から知られている。これ等の充填材は潤
滑材、摩擦調節材又は純然たる充填材として働き、生産
工程内で、例えばスラリーに添加して、併入される。
【0019】原則として、どんなガラスでもセラミック
繊維により強化することが出来る。内部応力を無くす、
又は少なくするために、熱膨張係数の整合性について或
程度、努力することが有用である。強化繊維としてしば
しば用いられる炭化珪素繊維及び炭素繊維は熱膨張が少
ないので、基材として熱膨張係数α20/300が10
x10−6/Kより小さいガラスを用いるのが好まし
い。
繊維により強化することが出来る。内部応力を無くす、
又は少なくするために、熱膨張係数の整合性について或
程度、努力することが有用である。強化繊維としてしば
しば用いられる炭化珪素繊維及び炭素繊維は熱膨張が少
ないので、基材として熱膨張係数α20/300が10
x10−6/Kより小さいガラスを用いるのが好まし
い。
【0020】このような強化複合材料の最大許容温度
は、その材料の特定の成分と微細構造に依存する。基材
として用いられるガラスのガラス遷移温度Tgは、最大
長期使用時間の基準となる。しかしながら、繊維強化に
より熱抵抗が増大するから、繊維強化ガラスはガラス基
材のTgを越える温度にも首尾よく耐えることが出来
る。
は、その材料の特定の成分と微細構造に依存する。基材
として用いられるガラスのガラス遷移温度Tgは、最大
長期使用時間の基準となる。しかしながら、繊維強化に
より熱抵抗が増大するから、繊維強化ガラスはガラス基
材のTgを越える温度にも首尾よく耐えることが出来
る。
【0021】特に有用と分かった基材ガラスは、B2O
3含有ガラスである。名称Duran(登録商標)及び
Pyrex(登録商標)の下に商業的に入手可能で、最
良の既知のものとして知られる硼珪酸ガラスは、3〜5
x10−6/Kの範囲と熱膨張係数α20/300が低
く、Tgが約500℃から600℃の範囲にある。
3含有ガラスである。名称Duran(登録商標)及び
Pyrex(登録商標)の下に商業的に入手可能で、最
良の既知のものとして知られる硼珪酸ガラスは、3〜5
x10−6/Kの範囲と熱膨張係数α20/300が低
く、Tgが約500℃から600℃の範囲にある。
【0022】これ等のガラスは一般に、近似組成が(酸
化物に基づく重量%で)70〜80SiO2、7〜13
B2O3、4〜8アルカリ金属酸化物及び2〜7Al2
O3である。
化物に基づく重量%で)70〜80SiO2、7〜13
B2O3、4〜8アルカリ金属酸化物及び2〜7Al2
O3である。
【0023】アルミノ珪酸ガラス、特に近似組成が(酸
化物に基づく重量%で)50〜55SiO2、8〜12
B2O3、10〜20アルカリ土金属酸化物及び20〜
25Al2O3のガラスも高温に耐えるので、基材ガラ
スとして充分適している。これ等のTgは約650℃か
ら750℃の範囲にある。
化物に基づく重量%で)50〜55SiO2、8〜12
B2O3、10〜20アルカリ土金属酸化物及び20〜
25Al2O3のガラスも高温に耐えるので、基材ガラ
スとして充分適している。これ等のTgは約650℃か
ら750℃の範囲にある。
【0024】更に、Tgが約540℃、α20/300
が約9x10−6/Kのアルカリ金属−アルカリ土金属
珪酸ガラス(例えば重量%で近似組成が74SiO2、
16Na2O、10CaOの)も本発明の複合材料のガ
ラス基材として首尾よく用いることが出来る。
が約9x10−6/Kのアルカリ金属−アルカリ土金属
珪酸ガラス(例えば重量%で近似組成が74SiO2、
16Na2O、10CaOの)も本発明の複合材料のガ
ラス基材として首尾よく用いることが出来る。
【0025】タキガラス(玄武岩質ガラス)も同様に、
ガラス基材として適している。
ガラス基材として適している。
【0026】更に、TVチューブに、即ちチューブのフ
ァンネル及びスクリーン構成部品に用いられるガラスも
ガラス基材として適する。スクリーン・ガラスは一般
に、SrO及び/又はBaOの比率が高いアルカリ金属
−アルカリ土金属珪酸ガラスである。ファンネル・ガラ
スは通常、少量のPbOを更に含む、同種のガラスであ
る。反対に、TVチューブのネック部分に用いられる、
ネック・ガラスとして知られるガラスは高いPbO成分
を有し、従って本発明の目的の為には、材料は環境にや
さしくあるべきなので、あまり適していない。
ァンネル及びスクリーン構成部品に用いられるガラスも
ガラス基材として適する。スクリーン・ガラスは一般
に、SrO及び/又はBaOの比率が高いアルカリ金属
−アルカリ土金属珪酸ガラスである。ファンネル・ガラ
スは通常、少量のPbOを更に含む、同種のガラスであ
る。反対に、TVチューブのネック部分に用いられる、
ネック・ガラスとして知られるガラスは高いPbO成分
を有し、従って本発明の目的の為には、材料は環境にや
さしくあるべきなので、あまり適していない。
【0027】基材としてのガラスセラミックは耐熱性が
更に高い。ガラスセラミックと制御結晶によるその生産
は、何十年も前から知られている。
更に高い。ガラスセラミックと制御結晶によるその生産
は、何十年も前から知られている。
【0028】ガラスセラミック基材に適した組成系は例
えば、種々の添加物を用いて既知の方法で改質し得るL
i2O−Al2O3−SiO2、MgO−Al2O3−
SiO2、CaO−Al2O3−SiO2又はMgO−
CaO−BaO−Al2O3−SiO2である。
えば、種々の添加物を用いて既知の方法で改質し得るL
i2O−Al2O3−SiO2、MgO−Al2O3−
SiO2、CaO−Al2O3−SiO2又はMgO−
CaO−BaO−Al2O3−SiO2である。
【0029】ガラスセラミック基材の組成はまた、Li
2O−Al2O3−SiO2結晶含有硼酸ガラス又は他
の結晶化可能なガラス組成物を含む。かかる複合材は比
較的低温で処理し得、且つ結晶化後高い温度に耐え得る
利点を有する。
2O−Al2O3−SiO2結晶含有硼酸ガラス又は他
の結晶化可能なガラス組成物を含む。かかる複合材は比
較的低温で処理し得、且つ結晶化後高い温度に耐え得る
利点を有する。
【0030】ガラス及びガラスセラミックに用いる強化
繊維も同様に知られ、あらゆる無機強化繊維が本発明の
目的に合う。主として、炭素、SiC、BN、Si3N
4、Al2O3、ZrO2、ムライト(mullit
e)、ここでは特にSiに富む3Al2O3x2SiO
2、珪酸カルシウム(x CaO・y SiO2)、溶
融シリカ、高いSiO2成分を有するガラス、即ちSi
O2成分が80重量%を越えるガラス、Aガラス、Cガ
ラス、Sガラス又はEガラス及び/又はロックウール、
例えば玄武岩ウールの繊維を、これ等を主成分とし、S
i、Ti、Zr、Al、O、C、Nを添加し又は添加せ
ず、例えばサイアロン型(Si、Al、O、N)の繊維
を添加し又は添加せずに用いたものからなる繊維を用い
る。
繊維も同様に知られ、あらゆる無機強化繊維が本発明の
目的に合う。主として、炭素、SiC、BN、Si3N
4、Al2O3、ZrO2、ムライト(mullit
e)、ここでは特にSiに富む3Al2O3x2SiO
2、珪酸カルシウム(x CaO・y SiO2)、溶
融シリカ、高いSiO2成分を有するガラス、即ちSi
O2成分が80重量%を越えるガラス、Aガラス、Cガ
ラス、Sガラス又はEガラス及び/又はロックウール、
例えば玄武岩ウールの繊維を、これ等を主成分とし、S
i、Ti、Zr、Al、O、C、Nを添加し又は添加せ
ず、例えばサイアロン型(Si、Al、O、N)の繊維
を添加し又は添加せずに用いたものからなる繊維を用い
る。
【0031】Eガラスは、主としてアルカリ金属を含ま
ないアルミノ硼珪酸カルシウムガラスである。Sガラス
はアルミノ珪酸マグネシウムガラス、Cガラスは硼珪酸
ナトリウム・カルシウムガラス、Aガラスは珪酸ナトリ
ウム・カルシウムガラスである。
ないアルミノ硼珪酸カルシウムガラスである。Sガラス
はアルミノ珪酸マグネシウムガラス、Cガラスは硼珪酸
ナトリウム・カルシウムガラス、Aガラスは珪酸ナトリ
ウム・カルシウムガラスである。
【0032】特に適した繊維は、炭素繊維と炭化珪素繊
維である。SiC繊維の含有率が高いと、摩耗が少なく
なる。Cの含有率が高いと、複合材は安くなる。
維である。SiC繊維の含有率が高いと、摩耗が少なく
なる。Cの含有率が高いと、複合材は安くなる。
【0033】SiC繊維とC繊維の両者を含む複合材
は、摩耗が少なくなり、また摩擦性能を低廉なC繊維に
より調整できるので特に有利である。
は、摩耗が少なくなり、また摩擦性能を低廉なC繊維に
より調整できるので特に有利である。
【0034】SiC/C含有比を1:4とするものが特
に好ましい。SiC比率を1/5に低下すると、特性を
低下せずに複合材の生産コストを大幅に低下することが
できる。
に好ましい。SiC比率を1/5に低下すると、特性を
低下せずに複合材の生産コストを大幅に低下することが
できる。
【0035】摩擦性能と快適度性能を良くするために、
強化繊維に通常薄い被膜、例えば炭素、炭化物、SiO
2、Al2O3又は他の酸化物の被膜を設けることも出
来る。
強化繊維に通常薄い被膜、例えば炭素、炭化物、SiO
2、Al2O3又は他の酸化物の被膜を設けることも出
来る。
【0036】複合材料の繊維含有率は、約5〜55重量
%である。繊維含量を増やすと、高コストとなる一方、
繊維配合比が5重量%未満であれば、繊維強化で生ずる
特性変化、特に強度の増大は小さくなり、かつ基材中の
繊維の均一な分布が難しくなる。
%である。繊維含量を増やすと、高コストとなる一方、
繊維配合比が5重量%未満であれば、繊維強化で生ずる
特性変化、特に強度の増大は小さくなり、かつ基材中の
繊維の均一な分布が難しくなる。
【0037】経済的及び技術的理由で、繊維含有率を2
5から45重量%にするのが好ましい。
5から45重量%にするのが好ましい。
【0038】複数の異なる種類の繊維を用いると、ハイ
ブリッド複合材料が得られる。
ブリッド複合材料が得られる。
【0039】ガラス/ガラスセラミック基材と無機強化
繊維であることとは別に、本発明の摩擦ライニングは粉
末形式で添加する一種又は複数種の無機充填材を含む。
これ等は、セラミック、ガラス質又は金属質の充填材で
ある。最も重要な充填材を以下に例示として言及する。
繊維であることとは別に、本発明の摩擦ライニングは粉
末形式で添加する一種又は複数種の無機充填材を含む。
これ等は、セラミック、ガラス質又は金属質の充填材で
ある。最も重要な充填材を以下に例示として言及する。
【0040】結晶石英、溶融石英又はガラス質溶融シリ
カとして、SiO2、Al2O3、ZrO2又は類似の
酸化物、またFe2O3及びCr2O3、珪灰石(Ca
Ox SiO2)、2CaO x SiO2、3CaO
x SiO2等の珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム
及びその水化物、例えばタルク(3MgO x4SiO
2 x H2O)、珪酸ジルコニウム、マイカ、ドロマ
イト、ムライト、シリマナイト、カオリン又はクレー等
のアルミノ珪酸塩、更にアルミノ珪酸カルシウム、アル
ミノ珪酸カリウム、及びアルミノ珪酸マグネシウム、例
えば菫青石、またセメント、酸化マグネシウム、炭酸マ
グネシウム及びその水化物、アルミン酸マグネシウム、
クロム鉄鉱酸化チタン、例えばルチル、チタン酸アルミ
ニウム、更に炭酸塩、例えば石灰石、また生石灰(Ca
O)、硫酸塩、例えばBaSO 4、CaSO4、特に半
水化物又は硬セッコウとして、MoS2又はCuSとし
て亜硫酸塩、窒化物、例えばBN、炭化物、例えばSi
C、B4C又は、TiC、グラファイト、カーボンブラ
ック又は粉末コークスとして炭素、そしてまた、金属、
例えば銅、アルミニウム、マグネシウム、鉄又はスチー
ル、又はシリコン等の半金属及び/又はそれ等の合金を
用いる。
カとして、SiO2、Al2O3、ZrO2又は類似の
酸化物、またFe2O3及びCr2O3、珪灰石(Ca
Ox SiO2)、2CaO x SiO2、3CaO
x SiO2等の珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム
及びその水化物、例えばタルク(3MgO x4SiO
2 x H2O)、珪酸ジルコニウム、マイカ、ドロマ
イト、ムライト、シリマナイト、カオリン又はクレー等
のアルミノ珪酸塩、更にアルミノ珪酸カルシウム、アル
ミノ珪酸カリウム、及びアルミノ珪酸マグネシウム、例
えば菫青石、またセメント、酸化マグネシウム、炭酸マ
グネシウム及びその水化物、アルミン酸マグネシウム、
クロム鉄鉱酸化チタン、例えばルチル、チタン酸アルミ
ニウム、更に炭酸塩、例えば石灰石、また生石灰(Ca
O)、硫酸塩、例えばBaSO 4、CaSO4、特に半
水化物又は硬セッコウとして、MoS2又はCuSとし
て亜硫酸塩、窒化物、例えばBN、炭化物、例えばSi
C、B4C又は、TiC、グラファイト、カーボンブラ
ック又は粉末コークスとして炭素、そしてまた、金属、
例えば銅、アルミニウム、マグネシウム、鉄又はスチー
ル、又はシリコン等の半金属及び/又はそれ等の合金を
用いる。
【0041】用いられる充填材は好ましくは、Si
O2、Al2O3、ZrO2、珪酸マグネシウム及びそ
れ等の水化物、珪酸カルシウム、ムライト、カオリン、
SiC、TiC、BaSO4、BN、カーボン、カーボ
ンブラック又は粉末コークスである。これらの硬質材料
は耐摩耗性を増大し、硬度の低い構成材料は快適度性能
を改善する。
O2、Al2O3、ZrO2、珪酸マグネシウム及びそ
れ等の水化物、珪酸カルシウム、ムライト、カオリン、
SiC、TiC、BaSO4、BN、カーボン、カーボ
ンブラック又は粉末コークスである。これらの硬質材料
は耐摩耗性を増大し、硬度の低い構成材料は快適度性能
を改善する。
【0042】特に好ましいのは、SiO2とカオリンと
の、カオリンとタルクとの、カオリンとカーボン、カー
ボンブラック又は粉末コークスとの、又はZrO2とカ
ーボン、カーボンブラック又は粉末コークスとの充填材
混合物である。
の、カオリンとタルクとの、カオリンとカーボン、カー
ボンブラック又は粉末コークスとの、又はZrO2とカ
ーボン、カーボンブラック又は粉末コークスとの充填材
混合物である。
【0043】特に有利なのは、SiC、ZrO2、Al
2O3、カーボン粉末及びカーボンブラックから成る群
より選ばれた一つ又は複数の充填材を用いることであ
る。
2O3、カーボン粉末及びカーボンブラックから成る群
より選ばれた一つ又は複数の充填材を用いることであ
る。
【0044】極めて特に有利な実施例で、カーボン粉末
又はカーボンブラックを、SiC、ZrO2及びAl2
O3から成る群より選ばれた成分と共に充填材として用
いることである。
又はカーボンブラックを、SiC、ZrO2及びAl2
O3から成る群より選ばれた成分と共に充填材として用
いることである。
【0045】複合材料の充填材含有率は少なくとも5重
量%、多くとも50重量%である。
量%、多くとも50重量%である。
【0046】配合比は低いと効果が殆ど無く、高いと処
理が困難になる。
理が困難になる。
【0047】特に好ましい充填材含有率は、約25〜4
0重量%である。
0重量%である。
【0048】一般に、基材と繊維と充填材を適宜選択す
ることにより複合材料を用途に合わせることが出来る。
熱膨張、熱伝導度、高温におけるクリープ挙動、摩擦挙
動らの物理的特性は、所定の限界内で変更でき、またこ
の範囲内に設定できる。
ることにより複合材料を用途に合わせることが出来る。
熱膨張、熱伝導度、高温におけるクリープ挙動、摩擦挙
動らの物理的特性は、所定の限界内で変更でき、またこ
の範囲内に設定できる。
【0049】複合材料に添合される繊維は、化学的組成
に付いてのみならず、微細構造と外部形状寸法に付いて
も、多くの方法で変更できる。
に付いてのみならず、微細構造と外部形状寸法に付いて
も、多くの方法で変更できる。
【0050】繊維の微細構造は(所定の化学的組成に対
して)物理的特性を決定する。例えば、カーボン繊維
は、異なるグラファイト度が摩擦及び熱的挙動に影響す
る特定の高弾性率、高強度の複数の繊維とすることが出
来る。即ち、同一の強化繊維を用いるときでも、用いら
れる強化繊維の品種を変えて、複合材料を所望の特性に
関して最適化することも或程度できる。
して)物理的特性を決定する。例えば、カーボン繊維
は、異なるグラファイト度が摩擦及び熱的挙動に影響す
る特定の高弾性率、高強度の複数の繊維とすることが出
来る。即ち、同一の強化繊維を用いるときでも、用いら
れる強化繊維の品種を変えて、複合材料を所望の特性に
関して最適化することも或程度できる。
【0051】強化繊維の外形(形状と寸法)と複合材料
内の繊維配置により、特に広い範囲のバリエーションを
持つことが出来る。
内の繊維配置により、特に広い範囲のバリエーションを
持つことが出来る。
【0052】斯くして、ガラスやガラスセラミックをホ
イスカー、短繊維、長繊維、又は連続繊維で強化でき、
また、繊維マットや織布を使うことも出来るし、繊維濾
過材を用いることも出来る。更に、材料内の繊維の配向
を材料から作られる成形品の形状寸法に合わせるため
に、例えば、円形又は他の環状構造、或いは環形状成形
品を巻いて作っても良い。
イスカー、短繊維、長繊維、又は連続繊維で強化でき、
また、繊維マットや織布を使うことも出来るし、繊維濾
過材を用いることも出来る。更に、材料内の繊維の配向
を材料から作られる成形品の形状寸法に合わせるため
に、例えば、円形又は他の環状構造、或いは環形状成形
品を巻いて作っても良い。
【0053】ホイスカーや短繊維(繊維長さ約5mmま
で)は通常、複合材料内に等方的に分布され、これによ
り等方性が得られるが、例えば高温での押出しにより、
部分配向することも出来る。ホイスカーや短繊維を用い
ては、極端に高い破壊靭性は得られない。逆に、長繊維
や連続繊維は少なくとも複合材内の大部分で平行に向け
られると、この方向で複合材の機械的特性にかなりの改
善が得られるが、それに直角な方向では改良は殆ど得ら
れない。しかしながら、長繊維や連続繊維を繊維が互い
に角度を以て配置される層構造で用いるとき、少なくと
も一つの面で大凡の等方性が得られる。
で)は通常、複合材料内に等方的に分布され、これによ
り等方性が得られるが、例えば高温での押出しにより、
部分配向することも出来る。ホイスカーや短繊維を用い
ては、極端に高い破壊靭性は得られない。逆に、長繊維
や連続繊維は少なくとも複合材内の大部分で平行に向け
られると、この方向で複合材の機械的特性にかなりの改
善が得られるが、それに直角な方向では改良は殆ど得ら
れない。しかしながら、長繊維や連続繊維を繊維が互い
に角度を以て配置される層構造で用いるとき、少なくと
も一つの面で大凡の等方性が得られる。
【0054】一般に、長繊維又は連続繊維を含む複合材
を製作、成形するのは、ホイスカーや短繊維の場合より
難しいが、それにより優先する方向に特に良好な機械的
特性を得ることが出来る。繊維アーキテクチャ(構成)
を正しく選ぶと、予期される応力に整合する成形品を得
ることが出来る。繊維強化成形品に必要とされる繊維構
成は、例えば繊維強化プラスチック成形品から当業者が
知得しているところである。
を製作、成形するのは、ホイスカーや短繊維の場合より
難しいが、それにより優先する方向に特に良好な機械的
特性を得ることが出来る。繊維アーキテクチャ(構成)
を正しく選ぶと、予期される応力に整合する成形品を得
ることが出来る。繊維強化成形品に必要とされる繊維構
成は、例えば繊維強化プラスチック成形品から当業者が
知得しているところである。
【0055】繊維フェルトや織布を用いると、長繊維や
連続繊維を含む複合材と比較して強度値が程々の複合材
料としかならないが、かかる複合材は廉価な技術を用い
て製作し得る。即ち、織物やフェルトを例えば、あとで
熱処理によりガラス又はガラスセラミックに変換し得る
ガラス溶融体又はゾル−ゲル溶液で浸潤することが出来
る。
連続繊維を含む複合材と比較して強度値が程々の複合材
料としかならないが、かかる複合材は廉価な技術を用い
て製作し得る。即ち、織物やフェルトを例えば、あとで
熱処理によりガラス又はガラスセラミックに変換し得る
ガラス溶融体又はゾル−ゲル溶液で浸潤することが出来
る。
【0056】材料を製作する方法、即ちホイスカー、連
続繊維、長繊維、短繊維、フェルト等の何れを用いるか
は、各々の場合の特定の物理的及び技術的要求条件に依
存する。勿論、これは、材料の価格、即ちその経済性を
決定する生産コストにも依存する。
続繊維、長繊維、短繊維、フェルト等の何れを用いるか
は、各々の場合の特定の物理的及び技術的要求条件に依
存する。勿論、これは、材料の価格、即ちその経済性を
決定する生産コストにも依存する。
【0057】技術仕様と経済的生産に関する特定の要求
条件のため、本発明の摩擦ライニングではランダムに配
向する短繊維を用いるのが好ましいが、配向性繊維構成
を用いても良好な結果が得られる。
条件のため、本発明の摩擦ライニングではランダムに配
向する短繊維を用いるのが好ましいが、配向性繊維構成
を用いても良好な結果が得られる。
【0058】繊維強化ガラス及びガラスセラミックの強
度や弾性率等の機械的特性は、添加される繊維の量と配
列により実質的に決定される。熱膨張のような熱機械的
性質や、熱伝導度のような熱的性質は、摩擦係数のよう
な摩擦特性と同様、総体的複合材の組成により、即ち個
々の構成成分とその特性により影響される。
度や弾性率等の機械的特性は、添加される繊維の量と配
列により実質的に決定される。熱膨張のような熱機械的
性質や、熱伝導度のような熱的性質は、摩擦係数のよう
な摩擦特性と同様、総体的複合材の組成により、即ち個
々の構成成分とその特性により影響される。
【0059】斯くして、一方向配向のC又はSiC繊維
を約40重量%の繊維含有率で用いると、1200MP
aを越える曲げ強度と130GPaを越えるE弾性率の
成形品が得られると共に、その破断仕事は純ガラス又は
ガラスセラミックと比較して高くなる。多方向配向又は
ランダム繊維配列、或いは異なる繊維含有率を用いる
と、複合材内の応力方向に有る繊維の配合に応じて、強
度とE弾性率が低下する。
を約40重量%の繊維含有率で用いると、1200MP
aを越える曲げ強度と130GPaを越えるE弾性率の
成形品が得られると共に、その破断仕事は純ガラス又は
ガラスセラミックと比較して高くなる。多方向配向又は
ランダム繊維配列、或いは異なる繊維含有率を用いる
と、複合材内の応力方向に有る繊維の配合に応じて、強
度とE弾性率が低下する。
【0060】SiCのみで強化したガラスの異方的熱伝
導度は、約1.5W x m−1x K−1と極めて低
いが、添加物を付加することにより、添加物の配合に応
じて、これを変更することが出来る。斯くして、カーボ
ン繊維及び/又はカーボン粉末、金属粉末及び/又はセ
ラミック粉末の添加は、熱伝導度を増大し、熱膨張をも
増大する。熱伝導度と熱膨張の低い成分、例えば溶融シ
リカを添加すると、これ等の特性値がそれに対応して低
下する。
導度は、約1.5W x m−1x K−1と極めて低
いが、添加物を付加することにより、添加物の配合に応
じて、これを変更することが出来る。斯くして、カーボ
ン繊維及び/又はカーボン粉末、金属粉末及び/又はセ
ラミック粉末の添加は、熱伝導度を増大し、熱膨張をも
増大する。熱伝導度と熱膨張の低い成分、例えば溶融シ
リカを添加すると、これ等の特性値がそれに対応して低
下する。
【0061】この複合材料は機械的処理が可能なので、
リベット締め、ネジ止め又は接着によりライニングとし
てクラッチ板に容易に取り付けることが出来る。
リベット締め、ネジ止め又は接着によりライニングとし
てクラッチ板に容易に取り付けることが出来る。
【0062】非水溶性基材をもつ上記の純無機質複合材
料は、クラッチの摩擦ライニングが蒙る熱的、摩擦性及
び機械的応力に非常に良く耐える。斯くして、破断が生
じる回転速度に付いての要求条件を満足する。
料は、クラッチの摩擦ライニングが蒙る熱的、摩擦性及
び機械的応力に非常に良く耐える。斯くして、破断が生
じる回転速度に付いての要求条件を満足する。
【0063】驚くべきことに、本発明による複合材料
は、極めて耐熱性があるだけでなく、全特性プロフィル
を満たす。即ち、必要な強度以外に、摩擦係数が一定で
且つ高く、摩耗が少なく、また良好な快適度性能を示
す。特に後者の特性は予知出来なかったものである。
は、極めて耐熱性があるだけでなく、全特性プロフィル
を満たす。即ち、必要な強度以外に、摩擦係数が一定で
且つ高く、摩耗が少なく、また良好な快適度性能を示
す。特に後者の特性は予知出来なかったものである。
【0064】具体的には、従来の有機質クラッチライニ
ングと比較して、これ等の複合材料は長期耐熱性が有意
に高く、ねずみ鋳鉄に対する摩耗率が5x10−5mm
3/Nm未満であり、ねずみ鋳鉄に対する摩擦係数μが
0.3から0.8で、4〜40m/sの範囲に亘る摺動
速度における摩擦係数の一定度が高い。ここで、摩擦係
数と摩耗率は、5MPaまでの圧力と5m/sまでの速
度でリングを金属質カウンタ材料とするブロック−リン
グ装置で決定された。ディスクを金属質カウンタ材料と
するピン−ディスクで行われた測定でも、同一値が得ら
れる。
ングと比較して、これ等の複合材料は長期耐熱性が有意
に高く、ねずみ鋳鉄に対する摩耗率が5x10−5mm
3/Nm未満であり、ねずみ鋳鉄に対する摩擦係数μが
0.3から0.8で、4〜40m/sの範囲に亘る摺動
速度における摩擦係数の一定度が高い。ここで、摩擦係
数と摩耗率は、5MPaまでの圧力と5m/sまでの速
度でリングを金属質カウンタ材料とするブロック−リン
グ装置で決定された。ディスクを金属質カウンタ材料と
するピン−ディスクで行われた測定でも、同一値が得ら
れる。
【0065】斯くして、本複合材料は摩擦クラッチの摩
擦ライニングとして極めて適している。この用途で、従
来用いられた材料を凌賀する。その良好な長期耐熱性
は、通常用いられる有機質ライニングのものよりはるか
に良い。焼結金属ライニングと比較すると、特に快適度
性能が良く、カウンタ材料の摩耗が少ない。
擦ライニングとして極めて適している。この用途で、従
来用いられた材料を凌賀する。その良好な長期耐熱性
は、通常用いられる有機質ライニングのものよりはるか
に良い。焼結金属ライニングと比較すると、特に快適度
性能が良く、カウンタ材料の摩耗が少ない。
【0066】以上記述した純無機質複合材料は、望まれ
ながら、従来部分的にしか実現されなかった諸特性を同
時に達成したものであり、従って多種の摩擦クラッチに
極めて適したものである。
ながら、従来部分的にしか実現されなかった諸特性を同
時に達成したものであり、従って多種の摩擦クラッチに
極めて適したものである。
【0067】通常の自動車クラッチは、係合開離型の乾
式摩擦クラッチで、これによりエンジンを残りの駆動ト
レインから切り離すことができ、また円滑に再接続して
トルク伝達出来るようにするものである。乾式クラッチ
は特に乗用車と業務車に用いられている。本発明の摩擦
ライニングはこれ等のクラッチに極めて適している。
式摩擦クラッチで、これによりエンジンを残りの駆動ト
レインから切り離すことができ、また円滑に再接続して
トルク伝達出来るようにするものである。乾式クラッチ
は特に乗用車と業務車に用いられている。本発明の摩擦
ライニングはこれ等のクラッチに極めて適している。
【0068】標準構成型の自動車クラッチは、フライホ
イールにネジ止めしたダイアフラム圧力板と、ギヤーボ
ックス内にシャフト上で軸方向に可動な、二つの摩擦ラ
イニングをもつクラッチディスクと、クラッチディスク
と一体のトーションダンパーと、球軸受を介して開放移
動を非回転作動素子から圧力板に伝達する開放装置とを
備えて成る。フライホイールは、クラッチディスクが摩
擦接触する面として働く。
イールにネジ止めしたダイアフラム圧力板と、ギヤーボ
ックス内にシャフト上で軸方向に可動な、二つの摩擦ラ
イニングをもつクラッチディスクと、クラッチディスク
と一体のトーションダンパーと、球軸受を介して開放移
動を非回転作動素子から圧力板に伝達する開放装置とを
備えて成る。フライホイールは、クラッチディスクが摩
擦接触する面として働く。
【0069】上記複合材料は、これ等の標準型クラッチ
のみならず、2質量式フライホイールのクラッチ、トル
クコンバータの橋絡クラッチ又は自動変速機(AT)の
開離クラッチ等のより新式のものの摩擦ライニングにも
適している。
のみならず、2質量式フライホイールのクラッチ、トル
クコンバータの橋絡クラッチ又は自動変速機(AT)の
開離クラッチ等のより新式のものの摩擦ライニングにも
適している。
【0070】他の種のクラッチとして湿式作動クラッチ
(湿式クラッチ)があり、これは特に或種の乗用車輌や
オートバイ、農業トラクター等の業務用車輌に用いられ
ている。上記複合材料は、これ等の湿式クラッチの摩擦
ライニングにも充分適している。
(湿式クラッチ)があり、これは特に或種の乗用車輌や
オートバイ、農業トラクター等の業務用車輌に用いられ
ている。上記複合材料は、これ等の湿式クラッチの摩擦
ライニングにも充分適している。
【0071】上記複合材料はまた、多種の特殊車輌、例
えば露天又は地下採鉱用車輌や軍用車輌、例えば自走砲
架車、そして農業用車輌のクラッチの摩擦ライニングに
も充分適している。
えば露天又は地下採鉱用車輌や軍用車輌、例えば自走砲
架車、そして農業用車輌のクラッチの摩擦ライニングに
も充分適している。
【0072】摩擦クラッチはまた、自動クラッチ作動に
も必要である。ここでも、上記の複合材料は完全に適し
ている。
も必要である。ここでも、上記の複合材料は完全に適し
ている。
【0073】本発明の複合材料は、始動及び/又はギヤ
ーチェンジ用クラッチとしての自動車クラッチの摩擦ラ
イニングにのみならず、他の駆動クラッチ、例えばター
ビンや印刷機、繊維機械等の製造機械、輸送、運搬及び
リフト機械にも適している。
ーチェンジ用クラッチとしての自動車クラッチの摩擦ラ
イニングにのみならず、他の駆動クラッチ、例えばター
ビンや印刷機、繊維機械等の製造機械、輸送、運搬及び
リフト機械にも適している。
【0074】一般に知られているように、摩擦クラッチ
の摩擦ライニングは適正な変更により、ブレーキにも適
合する。
の摩擦ライニングは適正な変更により、ブレーキにも適
合する。
【0075】
【実 施 例】本発明を以下、具体例により説明する。
繊維を無秩序配向で含む繊維強化複合材料を種々の材料
組み合わせで、通常の方法、スラリー−ゾル−ゲル法に
より製作した。これ等の材料の種々の機械的及び摩擦特
性は、テストベンチ及び自動車実験で決定された。
繊維を無秩序配向で含む繊維強化複合材料を種々の材料
組み合わせで、通常の方法、スラリー−ゾル−ゲル法に
より製作した。これ等の材料の種々の機械的及び摩擦特
性は、テストベンチ及び自動車実験で決定された。
【0076】組成に応じて、150〜250MPaの強
度と最大100GPaのE弾性率をもつことが分かっ
た。組成物中の以下の百分率は重量%である。
度と最大100GPaのE弾性率をもつことが分かっ
た。組成物中の以下の百分率は重量%である。
【0077】先ず、50%の硼珪酸塩ガラス基材:Du
ran(登録商標)と50%のSiC及び/又はC繊
維、即ち長さが1〜50mmの短繊維から成り、SiC
繊維とC繊維を種々の配合で含む充填材非含有複合材料
を作製した:C1〜C5。両繊維の各々の配合と実験結
果(摩擦係数及び摩耗率)が表1に示されている。
ran(登録商標)と50%のSiC及び/又はC繊
維、即ち長さが1〜50mmの短繊維から成り、SiC
繊維とC繊維を種々の配合で含む充填材非含有複合材料
を作製した:C1〜C5。両繊維の各々の配合と実験結
果(摩擦係数及び摩耗率)が表1に示されている。
【0078】
【表1】
【0079】摩擦係数が0.4、摩耗率が2x10−6
mm3/Nmであり、快適度性能が不十分なC1(Si
C繊維のみ)から始めて、C繊維含有率を増大すると、
摩擦係数が0.8まで増加する(C5、C繊維のみ)
が、摩耗率も3x10−5mm 3/Nm(C5)まで上
昇する。快適度性能は僅かに改良されただけである。
mm3/Nmであり、快適度性能が不十分なC1(Si
C繊維のみ)から始めて、C繊維含有率を増大すると、
摩擦係数が0.8まで増加する(C5、C繊維のみ)
が、摩耗率も3x10−5mm 3/Nm(C5)まで上
昇する。快適度性能は僅かに改良されただけである。
【0080】40%の硼珪酸ガラス基材:Duran
(登録商標)、30%のSiC繊維(6%)とC繊維
(24%)、及び30%の異なる充填材と充填材混合物
から成る複合材料も製作した。
(登録商標)、30%のSiC繊維(6%)とC繊維
(24%)、及び30%の異なる充填材と充填材混合物
から成る複合材料も製作した。
【0081】摩擦係数と摩耗率に関し良好な結果を与え
るが、快適度性能があまり良くない充填材非含有比較例
と較べると、摩擦係数は依然高く(約0.4〜0.
6)、摩耗は同等か又は少なくさえなり、且つ快適度性
能は改良されている。
るが、快適度性能があまり良くない充填材非含有比較例
と較べると、摩擦係数は依然高く(約0.4〜0.
6)、摩耗は同等か又は少なくさえなり、且つ快適度性
能は改良されている。
【0082】詳細には、充填材がSiC、ZrO2又は
Al2O3から成る粉末又はそれらの混合の場合、摩擦
係数は高く(最大約0.7)、且つ摩耗は、例えばZr
O2の含有率がが30%のとき、1x10−6mm3/
Nmまで低下する。快適度性能も僅かだが改良される。
2例(E1、E2)に対する摩擦係数と摩耗率の具体的
データを表2に示す。
Al2O3から成る粉末又はそれらの混合の場合、摩擦
係数は高く(最大約0.7)、且つ摩耗は、例えばZr
O2の含有率がが30%のとき、1x10−6mm3/
Nmまで低下する。快適度性能も僅かだが改良される。
2例(E1、E2)に対する摩擦係数と摩耗率の具体的
データを表2に示す。
【0083】
【表2】
【0084】充填材としてC粉末及び/又はカーボンブ
ラックを用いる場合、摩擦係数も改良されるか、依然高
い。快適度性能も改良される。摩耗率は若干高くなる
が、許容範囲内にある。表2中、例E3及びE4はこれ
等を示している。カオリンもこの群の充填材に属する。
ラックを用いる場合、摩擦係数も改良されるか、依然高
い。快適度性能も改良される。摩耗率は若干高くなる
が、許容範囲内にある。表2中、例E3及びE4はこれ
等を示している。カオリンもこの群の充填材に属する。
【0085】充填材をC粉末、カーボンブラック又はカ
オリンとSiC、ZrO2又はAl 2O3粉末の混合物
とし、全充填材含有率を再び30%とすると、快適度性
能が良くなる。摩擦係数と摩耗率は充分に良好なまま
か、或いはむしろ改善される(表2、E5〜E8参
照)。
オリンとSiC、ZrO2又はAl 2O3粉末の混合物
とし、全充填材含有率を再び30%とすると、快適度性
能が良くなる。摩擦係数と摩耗率は充分に良好なまま
か、或いはむしろ改善される(表2、E5〜E8参
照)。
【0086】従って、基材、繊維及び充填材から成る摩
擦ライニングは充填材非含有例と比較すると、快適度が
改善され、良好な、即ち高い摩擦係数と、良好な、即ち
低い摩耗率とを兼ね備える。
擦ライニングは充填材非含有例と比較すると、快適度が
改善され、良好な、即ち高い摩擦係数と、良好な、即ち
低い摩耗率とを兼ね備える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 599052495 マンネスマン ザックス アーゲー MANNESMANN SACHS AG ドイツ連邦共和国、デェー 97424 シュ ヴァインフルト、エルンスト−ザックス− シュトラーセ 62 (72)発明者 ヴォルフラム バイヤー ドイツ連邦共和国、デェー 55270 エッ センハイム、ヴィントホイザー ヴェーク 4エイ (72)発明者 ライナー リーバルト ドイツ連邦共和国、デェー 64569 ナウ ハイム、ザントブルグシュトラーセ 4 (72)発明者 フランツ ナグラー ドイツ連邦共和国、デェー 97503 ゲー トハイム、アム ツェーントグラーフェン 12
Claims (18)
- 【請求項1】 無機複合材料から成り、該複合材料はガ
ラス又はガラスセラミック基材と、無機強化繊維と、一
つ又は複数のセラミック、ガラス質又は金属質の充填材
とを含むトルク伝達装置用、特に摩擦クラッチの摩擦ラ
イニング。 - 【請求項2】 前記ガラス基材は硼珪酸ガラス、アルミ
ノ珪酸ガラス、アルカリ金属−アルカリ土金属珪酸ガラ
ス又は玄武岩質ガラス(タキライト)を含む請求項1に
記載の摩擦ライニング。 - 【請求項3】 前記ガラスセラミック基材はLi2O−
Al2O3−SiO 2系、MgO−Al2O3−SiO
2系、CaO−Al2O3−SiO2系又はMgO−C
aO−BaO−Al2O3−SiO2系のガラスセラミ
ック、或いはLi2O−Al2O3−SiO2結晶含有
硼酸塩ガラスを含む請求項1に記載の摩擦ライニング。 - 【請求項4】 前記強化繊維は主成分として、炭素、S
iC、BN、Si3N4、Al2O3、ZrO2、ムラ
イト、珪酸カルシウム、石英ガラス(溶融石英)、Si
O2の含有率が80重量%以上のガラス、Aガラス、C
ガラス、Sガラス又はEガラス、及びロックウールとか
ら成る群より選ばれた一つ又は複数の成分を含み、且つ
Si、Ti、Zr 、Al、C、N又はOを添加した又
はしない請求項1から3の何れか一つに記載の摩擦ライ
ニング。 - 【請求項5】 前記強化繊維は炭素及び/又はSiCを
含む請求項4に記載の摩擦ライニング。 - 【請求項6】 前記強化繊維に炭素、炭化物、SiO2
又はAl2O3の被膜が設けられる請求項4又は5に記
載の摩擦ライニング。 - 【請求項7】 前記繊維成分が5から55重量%である
請求項1から6の何れか一つに記載の摩擦ライニング。 - 【請求項8】 前記繊維成分が25から45重量%であ
る請求項7に記載の摩擦ライニング。 - 【請求項9】 前記一つ又は複数の充填材は、粉末Si
O2(結晶質の石英、溶融石英又は溶融シリカ)、Al
2O3、ZrO2、Fe2O3、Cr2O3、珪酸カル
シウム、珪酸マグネシウム及びこれ等の水化物、珪酸ジ
ルコニウム、アルミノ珪酸塩、アルミノ珪酸カルシウ
ム、アルミノ珪酸カリウム、アルミノ珪酸マグネシウ
ム、マイカ、セメント、酸化マグネシウム、炭酸マグネ
シウム及びその水化物、マグネシウムアルミン酸塩、ク
ロマイト、ドロマイト、酸化チタン、アルミニウムチタ
ン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、炭化物、硫化物、窒化物、炭
素(グラファイトとして)、カーボンブラック又は粉末
コークス、鉄、鋼、銅、アルミニウム、シリコン、マグ
ネシウム及び/又はそれ等の合金を含む請求項1から8
の何れか一つに記載の摩擦ライニング。 - 【請求項10】 前記一つ又は複数の充填材は、粉末S
iO2、Al2O3、ZrO2、珪酸マグネシウム及び
これ等の水化物、珪酸カルシウム、ムライト、カオリ
ン、SiC、TiC、BaSO4、BN、炭素、カーボ
ンブラック又は粉末コークスを含む請求項9に記載の摩
擦ライニング。 - 【請求項11】 前記充填材は、SiO2とカオリンと
の、又はカオリンとタルクとの、又はカオリンと炭素、
カーボンブラック又は粉末コークスとの、或いはZrO
2と炭素、カーボンブラック又は粉末コークスとの混合
物を含む請求項10に記載の摩擦ライニング。 - 【請求項12】 前記一つ又は複数の充填材は、SiC
及び/又はZrO2及び/又はAl2O3及び/又は炭
素粉末及び/又はカーボンブラックを含む請求項10に
記載の摩擦ライニング。 - 【請求項13】 前記充填材は、カーボン粉末とカーボ
ンブラックと、SiC、ZrO2、Al2O3から成る
群から選ばれた成分との混合物を含む請求項12に記載
の摩擦ライニング。 - 【請求項14】 前記充填材成分が5から50重量%で
ある請求項1から13の何れか一つに記載の摩擦ライニ
ング。 - 【請求項15】 前記充填材成分が25から40重量%
である請求項14に記載の摩擦ライニング。 - 【請求項16】 前記複合材料は、リング又はディスク
を備えたブロック−リング又はピン−ディスク装置内の
カウンタ材料としてのねずみ鋳鉄に対して、5MPa迄
の圧力と5m/s迄の相対速度において、少なくとも
0.3の摩擦係数μと、4〜40m/sの摺動速度で一
定の摩擦係数と、5x10−5mm3/Nmを下回る摩
耗率を有する請求項1から15の何れかに記載の摩擦ラ
イニング。 - 【請求項17】 スタート・クラッチ及び/又はギヤチ
ェンジ・クラッチとしての自動車クラッチに用いる、請
求項1から16の何れ一つに記載の摩擦ライニングの用
途。 - 【請求項18】 乗用車及び業務用の車の乾式摩擦クラ
ッチに用いる、請求項17に記載の摩擦ライニングの用
途。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
DE1981761 | 1998-04-21 | ||
DE19817611.2 | 1998-04-21 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000039032A true JP2000039032A (ja) | 2000-02-08 |
Family
ID=5756827
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11108141A Pending JP2000039032A (ja) | 1998-04-21 | 1999-04-15 | トルク伝達装置の摩擦ライニング |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000039032A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006170298A (ja) * | 2004-12-15 | 2006-06-29 | Aisin Chem Co Ltd | クラッチフェーシング |
CN114981557A (zh) * | 2020-01-20 | 2022-08-30 | 意大利Itt有限责任公司 | 用于制造摩擦材料的方法,具体地用于制造制动片和相关制动片的方法 |
CN116194424A (zh) * | 2020-09-15 | 2023-05-30 | 深圳前海发维新材料科技有限公司 | 一种氮化硅陶瓷和玻璃材料的双层组合物在发动机中的应用 |
-
1999
- 1999-04-15 JP JP11108141A patent/JP2000039032A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006170298A (ja) * | 2004-12-15 | 2006-06-29 | Aisin Chem Co Ltd | クラッチフェーシング |
CN114981557A (zh) * | 2020-01-20 | 2022-08-30 | 意大利Itt有限责任公司 | 用于制造摩擦材料的方法,具体地用于制造制动片和相关制动片的方法 |
CN116194424A (zh) * | 2020-09-15 | 2023-05-30 | 深圳前海发维新材料科技有限公司 | 一种氮化硅陶瓷和玻璃材料的双层组合物在发动机中的应用 |
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