JP2000037391A - 医療用糸付針の誘導具 - Google Patents

医療用糸付針の誘導具

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JP2000037391A
JP2000037391A JP10209102A JP20910298A JP2000037391A JP 2000037391 A JP2000037391 A JP 2000037391A JP 10209102 A JP10209102 A JP 10209102A JP 20910298 A JP20910298 A JP 20910298A JP 2000037391 A JP2000037391 A JP 2000037391A
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Kanji Matsutani
貫司 松谷
Yoshimasa Tochimura
美正 栃村
Haruo Isaki
春夫 伊崎
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Mani Inc
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Mani Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、本発明の目的は、手術時にお
いて、誘導具を強く引っ張っても針が針受け部から脱落
しにくく、もって、円滑な手術を行うことができる医療
用糸付針の誘導具を提案することにある。 【解決手段】本願発明の糸付き針の誘導具は、針立て部
4を有する第一の顎1と、所定の長さのスリット状隙間
5bよりなる針受け部5を有する第二の顎2とを有し、
かかる一対の顎1、2を接近させることにより、第一の
顎1の針立て部4に保持した、針本体3Aの元端部に糸
3Bを固定してなる医療用糸付針3を第二の顎2の針受
け部5に受け渡す誘導具Aであって、針本体3Aが針立
て部4から針受け部5に受け渡された状態で、糸により
加えられる、該針本体3Aの元端部を前記第2の顎2の
先端へ回動させる力に抗して該針本体3Aの姿勢を維持
する針姿勢保持力(A)と、針本体3Aが回動した後、
該針本体3Aを該針本体3Aの長さ方向に引き抜く力に
抗して針本体3Aを維持する針引止保持力(B)との関
係が、(B)>(A)となる前記スリット状隙間5bの
幅及び形状を有する構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用糸付針を患
部の生体組織間、あるいは組織内を通過させるととも
に、通過した医療用糸付針を受け取って結紮または縫合
を行う医療用糸付針の誘導具(以下、単に誘導具とい
う)に関し、特に、糸に張力を付加した際に、針本体が
針受け部から脱落し難い誘導具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、腹部の切開を最小限に食い止め、
小さな切開部から器具を通し、内視鏡等を用いて作業を
行うことによって、患者に大きな負担をかけない内視鏡
下手術が広く実施されるようになっている。
【0003】かかる手術を行うため、また、開腹、開胸
等の一般的な手術であっても、奥深く、狭い場所での結
紮、縫合を行うため、例えば、特開平9−56719号
公報に示すように、一対の顎を接近させることにより、
一方の顎に形成した針立て部に保持した糸付針を他方の
顎に形成した針受け部に受け渡す誘導具が提案されてい
る。かかる誘導具を用いることにより、内視鏡下手術
や、体内の深い部位や狭い部位の、手術者の作業が難し
い場所の手術を可能とすることができる。
【0004】この従来の誘導具について、その針受け部
の作用を図9に示す。図9(a) は、図示しない第一の顎
の針立て部から第二の顎51の針受け部52に糸付針53を受
け渡した状態を示す説明図である。針受け部52は第二の
顎51中央にスリットが形成され、このスリットの両側の
挟持アーム52aで糸付針53を針先端が針受け部52からは
み出している状態で把持する。
【0005】次に、誘導具を縫合場所から引き抜こうと
すると、糸付針53の糸53bに張力がかかるが、このとき
主に前記スリットの幅が狭いことにより糸付針53の前記
状態を維持し続ける物と、逆に、前記スリットの幅が若
干広い事により糸53bに引っ張られる形で針本体53aが
所定位置を中心に回動する物とがあり、両者はバラツキ
の範囲である微妙なスリットの幅や長さ等によって偶然
に作り分けられていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、針先端
が針受け部52からはみ出している状態を維持する物は、
手術中隣接する生体組織をその鋭利な先端によって傷つ
けることや、その針先端が後述するトラカールに接触
し、針本体が誘導具から脱落したりする恐れがある。
【0007】それに対して針本体53a が回動する物は、
回動中心が糸付針の針先のテーパー終了部近傍にある場
合、針本体53aが大きく回動し、針本体53aが挟持アー
ム52aの上端部でアーム軸方向に対して平行に把持され
る。このとき針本体53aは円筒形状を有するため、挟持
アーム52aの上端部で両側から把持された針本体53a
は、図9(b) に示すように、その外側へ押し出されるよ
うにはじけ、針本体53aが針受け部52から脱落してしま
ったり、はじけない場合でも針本体53a を回動させる程
度の力によって容易に脱落してしまう。
【0008】また、回動中心が針元端部近傍にある場合
は、針本体53aが回動し、針本体53aが挟持アーム52a
の下端部(図示しない第一の顎の針立て部側)でアーム
軸方向に対して平行に把持され、同様に脱落してしまう
ケースが多い。特に、実際の手術現場では、誘導具は血
液や体液のため針本体53Bを保持する摩擦係合力が低下
して、さらに脱落しやすくなってしまう。
【0009】上記術式は、身体表面に小さな孔を開け、
そこに円筒状のトラカールを挿入し、トラカールを通し
て誘導具の先端部を挿入して行うものである。そのた
め、一旦、針本体が誘導具から脱落すると、例えば、ピ
ンセット状の器具を用いて回収するしかなく、無用の労
力を使わなければならない。
【0010】そこで、本発明の目的は、手術時におい
て、針先端によって手術部位周辺の生体組織を傷つけな
いように針本体が回動しやすく、且つ回動した後に誘導
具を強く引っ張っても針が針受け部から脱落しにくく、
もって、円滑な手術を行うことができる医療用糸付針の
誘導具を提案することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本願発明の糸付き針の誘導具は、針立て部を有する
第一の顎と、所定の長さのスリット状隙間よりなる針受
け部を有する第二の顎とを有し、かかる一対の顎を接近
させることにより、第一の顎の針立て部に保持した、針
本体の元端部に糸を固定してなる医療用糸付針を第二の
顎の針受け部に受け渡す誘導具であって、針本体が針立
て部から針受け部に受け渡された状態で、糸により加え
られる、該針本体の元端部を前記第二の顎の先端側へ回
動させる力に抗して該針本体の姿勢を維持する針姿勢保
持力(A)と、針本体が回動した後、該針本体を該針本
体の長さ方向に引き抜く力に抗して針本体を維持する針
引止保持力(B)との関係が、(B)>(A)となる前
記スリット状隙間の幅及び形状を有する構成として上記
課題を解決している。
【0012】
【発明の実施の形態】図を用いて本発明の実施例を具体
的に説明する。図1は本実施形態に係る誘導具の全体の
側面図、図2は同誘導具の針立て部ならびに針受け部の
拡大側面図、図3は針受け部の説明図である。
【0013】本発明の第一実施形態を、図1を用いて説
明する。本実施例の誘導具Aはロッド型の誘導具であ
り、図1ではその側面図を示す。このロッド型の誘導具
Aは、腹腔内に炭酸ガス等の気体を供給し、その圧で腹
腔内に空間を形成して手術を行う気腹法と呼ばれる方式
に主に用いられるものである。この方法においては、腹
部の切開部に筒状で内フランジ型の弁を有するトカラー
ル(図示せず)を嵌め込み、トカラール内を通して誘導
具を腹腔内に挿入することにより、腹腔内のガス圧を逃
がさないようにして手術を行う。
【0014】本実施形態の誘導具Aは、第一の顎となる
ロッド状本体1の先端に針立て部4が形成され、さらに
ロッド状本体1の先端近傍には可動ロッド1bにより開
閉される第二の顎となるスイングアーム2が枢着され
て、その先端には針受け部5が形成されている。これら
ロッド状本体1及びスイングアーム2はステンレスによ
り構成されることが好ましい。
【0015】ロッド状本体1の後端側にはハンドル7が
取り付けられており、ロッド状本体1に固定されたハン
ドル基部7aに対してスプリング7cで付勢されたトリ
ガー7bが枢着されている。このトリガー7bとスイン
グアーム2とは可動ロッド1bにより連結されており、
トリガー7bを動かすことによりスイングアーム2が回
動し、針受け部5を針立て部4に対して離接させること
ができる構造となっている。
【0016】また、このハンドル7にはラックバー7d
を有しており、トリガー7bの先端に形成したラチェッ
ト7eと噛合することにより、針立て部4と針受け部5
の離接状態を固定することができる。
【0017】糸付針3は針本体3Aと針本体3Aの元端
側に取り付けられる糸3Bとから構成される。針本体3
Aと糸3Bとの係合は、針本体3Aの元端面を穿孔し、
この穴に糸3Bの端部を差し込んでかしめることによっ
て行われている。また、針本体の全長は、対象となる生
体組織の厚さ等の使用目的や、器具の型式に応じて様々
な長さが選択可能ではあるが、混乱を防ぐために、生体
組織刺通時に余裕のある、少々長めの全長を持った針を
選択されることが多い。
【0018】参考として、針本体3Aの径と糸3Bの径
との関係を説明すると、針本体3Aの径に対して45%〜
80%の径を有する糸3Bを主に用いる。また、糸付針3
の構成例として、針本体3Aをオーステナイト系ステン
レスとし、糸3Bはシルク(絹糸)、ナイロン、ポリプ
ロピレン、吸収糸(PGA)等の多様なものを用いるこ
とができる。
【0019】次に、図2及び図3を用いて、針立て部4
と針受け部5の構造を説明する。図2は誘導具Aの先端
部、すなわち針立て部4と針受け部5の部分を拡大した
側断面図であり、図3( a) 、( b) 、( c) はそれぞ
れ図1の矢印a、b、c方向から見た誘導具A先端部の
平面図、正面図、底面図である。
【0020】ロッド状本体1の先端に形成される針立て
部4は、スリット4bが形成されて二股になっており、
両側にかかるように上方に開口する針立て穴4aが形成
されている。針立て穴4aは、糸付針3の針本体3Aの
径よりわずかに大きい穴であって、図2に示すごとく、
針立て部4及び針受け部5の間に横になっている針3A
の元端側に取り付けられる糸3Bを軽く引っ張りながら
針受け部5を針立て部4から引き上げることにより、針
本体3Aをこの針立て穴4aに嵌合させることができ
る。
【0021】また、針立て部4のスリット4bに沿っ
て、糸3Bの案内通路9が形成されている。案内通路9
の表面は、滑らかに仕上げされており、操作時に糸が傷
つく事を防止する。
【0022】針受け部5は、スイングアーム2の先端に
形成されており、針本体3Aの径より小径の幅W1を有
するスリット5bが形成されて、両側には挟持アーム5
a、5aが形成される。この幅W1は、針本体の径より
も僅かに狭く形成されている。また、針受け部5が針立
て部4と当接する部分には、それぞれの挟持アーム5a
が上記スリット5bを挟んでハの字型に傾斜した空間で
ある、針保持部5cが形成されている。
【0023】この針保持部5cは針立て部4と針受け部
5を当接させて糸付針3を倒した状態で保持することが
できるとともに、糸付針3を立設させ、針立部4から針
受部5へこれを受け渡す際は、針先をスリット5bへ受
け入れやすくする案内の役目を果たす。なお、針保持部
5cは誘導具の先端側で狭くなるか、無くなっていても
良い。
【0024】針受け部5は、針立て部4に針3A が起立
した状態でこれを当接させると、スリット5bにこの幅
W1より僅かに大きい径を有する針本体3Aが進入する
ことになるため、両側の挟持アーム5aが広がることに
より、摩擦係合によってこれら2本の挟持アーム5aが
両側から針本体3Aを確実に、且つ糸に張力が与えられ
た際に針本体が容易に回動し得るよう把持することとな
る。
【0025】なお、針受け部5の糸付針3を把持する力
は、スイングアーム2の材質及び針本体3Aの表面状態
等によっても異なるが、針本体3Aの径を一定とした場
合、主として針受け部5に形成されるスリット5bの長
さL(より正確には、挟持アーム5aの元端から針本体
3Aの接触部分までの距離)及びその幅W1を多様に変
えて後述する適当な把持力を設定することが出来る。
【0026】また、針受け部5のアーム5aの内壁に
は、一部がさらにスリット5bへ隆起して、スリット5
bの幅W1よりさらに狭い幅W2を有する第一の小隙間
部5d及び第二の小隙間部5eが形成される。第一の小
隙間部5dは針受け部4の先端部に形成され、反対に第
二の小隙間部5eは第一の小隙間部5dよりも針受け部
4の中央付近に設けられる。両小隙間部5d、5eの距
離は、針本体3Aの長さよりも短く設定される。
【0027】図4は、誘導具Aの使用方法の説明図であ
る。誘導具Aは、上述したように、手術の際に腹部の切
開部分からトカラール(図示せず)を介して腹腔内にロ
ッド状本体1の先端部及びスイングアーム2を挿入して
使用される。手術者は、内視鏡等を用いてモニタの画像
を見ながら手術を行う。誘導具Aは血管の結紮や切断さ
れた組織の縫合等の作業に使用されるが、ここでは生体
組織である血管Eの結紮作業を例にとって説明する。
【0028】まず、図4(a) に示すように、ロッド状本
体1とスイングアーム2を閉じ、糸付針3を針立て部4
と針受け部5との間の針保持部5cに寝かせた状態で配
置し、この状態で誘導具Aの先端を、結紮作業を行うべ
き血管Eに接近させる。
【0029】次に、血管Eに誘導具Aの先端が近づいた
ら、図4(b) に示すように糸3Bを小さい力で軽く引っ
張って張力を付与しながら、ロッド状本体1、スイング
アーム2を離すことで、針本体3Aの元端が針立て部4
の針立て穴4aに嵌め込まれ、このことにより針本体3
Aが起立する。
【0030】そして、針立て部4と針受け部5とが結紮
する血管Eを跨ぎ、図4(c) に示すように、ロッド状本
体1及びスイングアーム2を接近させる。これにより、
針立て部4上に起立した針本体3Aが血管Eの裏側の生
体組織を通過し、引き続き針受け部5のスリット5bに
圧入され、針本体3Aは針立て部4から針受け部5へ受
け渡される。
【0031】次に、図4(d) に示すように、ロッド状本
体1及びスイングアーム2を再び離し、血管Eから離
し、手前に誘導具Aを引っ張ることよって、糸3Bを血
管Eの周囲に回すことができる。このとき、何らかの理
由で糸が引っかかった場合、また、生体組織を結紮する
場合などは生体組織と糸との摩擦、又はトラカールと糸
との摩擦等により、誘導具Aを引っ張ると糸3Bに張力
がかかることになる。
【0032】すると、針本体3Aが元端側の糸3Bに引
っ張られて、スイングアーム2の先端側に回動すること
になるが、ここでは例としてその回動中心が針受け部5
に侵入した針本体3Aの針先のテーパー終了部近傍(図
4(c) 参照)に位置すると仮定する。このとき、回動す
るに従い、針本体3Aの針元端部近傍が針受け部5の第
一の小隙間部5dに侵入し、さらに強い力で把持される
ことになる。
【0033】そして、続けて糸3Bに強い張力Fがかか
ると、針本体3Aの回動中心は第1の小隙間部5dに把
持された針元端部近傍になり、さらに回動するに従い今
度は針本体3Aの針テーパー終了部近傍が第二の小隙間
部5eに侵入することになる。
【0034】従って、図4(e) に示すように、誘導具A
を引っ張ることによって針本体3Aを針受け部4の長さ
方向に沿って積極的に寝かせることができ、その元端及
び先端はそれぞれ第一の小隙間部5d並びに第二の小隙
間部5eに確実に把持されて、糸3Bにそれ以上の強い
張力Fがかかってもこれが脱落することはない。
【0035】なお、針本体3Aの回動中心が針元端部近
傍にある場合は、回動するに従い、針本体3Aの先端側
が針受け部5の第二の小隙間部5eに侵入し、さらに強
い力で把持されることになり、そこが回動中心となって
さらに回動し、針元端部近傍が第一の小隙間部5dに侵
入する。つまり針本体3Aが針立て部4から針受け部5
へ受け渡された状態での、始めの回動中心が針本体3A
の何処にあっても、回動しつつ確実に把持され、脱落す
ることがない。
【0036】ここで、以上の一連の動作を針本体に加わ
る力から説明すると、次の通りとなる。すなわち、誘導
具Aは、その針本体3Aを回動させる力に抗して該針本
体の姿勢を維持する針姿勢保持力(A)と、前記針本体
が回動した後、該針本体を該針本体の長さ方向に引き抜
く力に抗して該針本体を維持する針引止保持力(B)と
の関係は、(B)>(A)となるスリット形状を有す
る。この条件を満たすことにより、針本体3Aは積極的
に針受け部5内で回動し、抜け止めされることになる。
【0037】なお、この後、糸3Bを結ぶことによって
生体組織(血管)Eの結紮作業を完了する(具体的な糸
3Bの結び方については、例えば特開平9-299375 号公
報に説明される公知の方法等によって行う)。
【0038】以上説明した一連の作業において、生体組
織Eへ針本体3Aを刺通した後、誘導具Aを引っ張るこ
とによって、自動的に針本体3Aを回動させることがで
き、さらにその先端と元端を第一の小隙間部5dと第二
の小隙間部5eに挟持させて、針本体3Aの脱落事故を
防止することができる。
【0039】また、本実施形態の誘導具Aでは、針本体
3Aが回動するとその全体が針受け部5の中に収納され
てしまうため、針本体3Aの先端部が誘導具Aから突出
することがなく、もって、トカラールを通しての出し入
れを円滑にし、また突出部分が生体組織を傷つけてしま
う事故を防止することができる。
【0040】以上、主として内視鏡下における使用を説
明したが、開腹、開胸手術においても、手が届きにくい
部位の生体組織を手術するために用いることもできる。
【0041】また、上記実施形態では、最初に針を寝か
せた状態で作業する使用方法を説明したが、もちろん、
レバーを完全に閉じず針を受け渡さない状態で、針を立
てて、最初の作業を行うこともできる。
【0042】図5は針受け部に小隙間部を形成する製造
方法の説明図である。同図に示すように、小隙間部5
d、5eは、金型100 を用いプレス加工により形成され
る。
【0043】図5(a) に示すように、金型100 は厚さが
スイングアーム2のスリット5bの幅(図2(b) のW
1)と略同である硬質金属の板状塊101 であって、その
両側面104 にはそれぞれ第一の凹部102 、第二の凹部10
3 が形成されている。
【0044】そして、図5(b) に示すように、この金型
100 をスイングアーム2先端のスリット5bに挿入し、
第一の凹部102 がスリット5b両側のアーム5aの先端
上部5a1に、第二の凹部103 がアーム5a後端下部の角
部5a2に位置するように位置決めする。そして、この状
態を保ったまま、スイングアーム2の針受け部5両側か
らプレスする。
【0045】このプレス作業により、アーム5aの内側
面のうち、一部が第一の凹部103 、第二の凹部104 に突
出し、図5(c) に示すように、この部分に第一の小隙間
部5d、第二の小隙間部5eを形成することができる。
【0046】なお、この小隙間部の製造方法は一例であ
って、例えば研削加工や、鋳造によっても同様な形状を
形成することができることは勿論である。また、このそ
れぞれ2つの小隙間部の寸法は、誘導具の材質や針本体
の全長等によって様々であり、一義的に定義できない。
【0047】本発明の第二実施形態を図6及び図7を用
いて説明する。図6は本実施形態の誘導具の全体形状を
示す側面図、図7は同誘導具の針立て部ならびに針受け
部の拡大図である。
【0048】図6に示す誘導具Bは、離接可能に構成さ
れた一対の顎である、ステンレス製の顎11、12を有す
る。そして、一方の顎(第一の顎)11に糸付針3を立て
る針立て部14を形成するとともに、他方の顎(第二の
顎)12には糸付針3を受け取る針受け部15を形成してい
る。各顎11、12は、中央で交差させて回動ピン16で枢支
され、他端にハンドル17が形成されることにより、誘導
具Aは全体として鉗子と同じ形状を有する。
【0049】第一の顎11先端の針立て部14には、針本体
3Aと糸3Bとから構成される糸付針3が載置され、糸
3Bは第一の顎11上の所定位置に設けられた糸ガイド8
により、針立て部14からハンドル17側に案内される。
【0050】図7に針立て部14及び針受け部15を示す
が、針立て部14には、スリット14bが形成され、針立て
穴14aが形成されている。また、針立て部14のスリット
14bに沿って、糸3Bの案内通路19が形成されている。
案内通路19は、緩やかな傾斜面となっていて、糸3Bの
損傷を防止するために、下端は面取りされて鋭いエッジ
が形成されていない形状を有する。
【0051】針受け部15は、上記した誘導具Aと同様に
所定長さで針本体3Aの径より小径の幅を有するスリッ
ト15bが形成されており、両側に挟持アーム15aが形成
されている。また、針受け部15の、針立て部14との当接
部分には、針保持部15cが形成されており、針立て部14
と針受け部15を当接させた状態で糸付針3を倒した状態
で保持することができる。
【0052】本実施形態の誘導具Bでは、小隙間部15d
は針受け部15の先端側に設けられるのみである。しかし
ながら、小隙間部15dは下部で広く、上部へ行くに従
って狭くなる形状を有する。そのため、針本体3Aの元
端部に張力がかかり、針本体3Aの回動に伴って上昇す
るに従い、この元端部は幅が徐々に狭くなる小隙間部15
dに侵入していき、最終的には強い力で挟持されること
になる。このため、より確実に針本体の脱落事故を防止
することができる。また、針立て部14及び針受け部15の
基本的な機能、並びに針受け部15の針保持力の設定につ
いては上記第一実施形態の誘導具Aのそれらと同一であ
るため説明を省略する。
【0053】本発明の第三実施形態を、図8を用いて説
明する。図8は本実施形態の誘導具の針立て部ならびに
針受け部の拡大図である。
【0054】図8に示す誘導具Cの針受け部25は、前記
した第一並びに第二実施形態にかかる誘導具A並びにB
と同様な構造を有し、誘導具の長方向に所定長さのスリ
ット25bが形成されており、両側に挟持アーム25aが形
成されている。
【0055】本実施形態の針受け部25の小隙間部25 d
は直線状の突条であって、針受け部25に、針本体3Aが
針立て部14から針受け部25へ受け渡された際の針本体3
Aの姿勢に対して略45度の角度で設けられている。針
本体3Aが針受け部25に受け渡された状態にあっては、
針本体3Aは小隙間部25dとの交点において挟持される
ことになり、この部分が回動中心となって針本体3Aは
回動する。そして、この回動中心は、回動が終了するま
で変化しない。
【0056】本実施形態においても、針本体3Aの元端
部を第二の顎の先端側へ回動させる力に抗して該針本体
の姿勢を維持する針姿勢保持力(A)と、針本体3Aが
回動した後、該針本体を該針本体の長さ方向に引き抜く
力に抗して該針本体を維持する針引止保持力(B)との
関係は(B)>(A)とすることで、針本体3Aの脱落
事故を防止することができる。なお、針立て部24及び針
受け部25の基本的な機能等は、上記第一実施形態の誘導
具Aのそれらと同一であるため説明を省略する。
【0057】また、上記第一及び第二実施形態では、第
二の顎たるスイングアーム並びにレバーをステンレス製
としたが、その他の材質でも良く、特に針受け部を樹
脂、ゴム等の素材から作成して針保持力の改善を図るこ
とができるのは勿論である。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる誘
導具によっては、誘導具が保持する針の糸に強い張力が
かかった場合、針が回動することを許容し、続けて針受
け部の大きな保持力により保持されることになるため、
針本体が針受け部から脱落することが防止され、もっ
て、本発明の誘導具を用いれば円滑な手術を行うことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態の誘導具の側面図である。
【図2】同誘導具の針立て部ならびに針受け部の拡大側
面図である。
【図3】(a) は図2の矢視aから見た、誘導具先端部の
正面図、(b) は図2の矢視bから見た、誘導具先端部の
平面図、(c) は図2の矢視cから見た、誘導具先端部の
底面図である。
【図4】同誘導具を用いた連続縫合作業の一例を示す説
明図である。
【図5】同誘導具の製造方法の説明図である。
【図6】第二実施形態の誘導具の側面図である。
【図7】同誘導具の針立て部ならびに針受け部の拡大側
面図である。
【図8】第三実施形態の誘導具の針立て部ならびに針受
け部の拡大側面図である。
【図9】従来の誘導具の説明図である。
【符号の説明】
A、B …誘導具 E …生体組織( 血管) F …張力 W1 …幅(スリット) W2 …幅(小隙間部) 1 …ロッド状本体(第一の顎) 2 …スイングアーム(第二の顎) 3 …針本体 3A …針本体 3B …糸 4 …針立て部 5 …針受け部 5b …スリット 5c …針保持部 5d …第一の小隙間部 5e …第二の小隙間部 11 …第一の顎 12 …第二の顎 14 …針立て部 15 …糸受け部 15b …スリット 15d …小隙間部 21 …第一の顎 22 …第二の顎 24 …針立て部 25 …糸受け部 25b …スリット 25d …小隙間部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊崎 春夫 栃木県塩谷郡高根沢町大字中阿久津743 マニー株式会社内 Fターム(参考) 2H040 DA56 4C060 BB23

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 針立て部を有する第一の顎と、所定の長
    さのスリット状隙間よりなる針受け部を有する第二の顎
    とを有し、前記一対の顎を接近させることにより、前記
    第一の顎の針立て部に保持した、針本体の元端部に糸を
    固定してなる医療用糸付針を前記第二の顎の針受け部に
    受け渡す誘導具であって、 前記針が針立て部から針受け部に受け渡された状態で、
    前記糸により加えられる、該針本体の元端部を前記第二
    の顎の先端側へ回動させる力に抗して該針本体の姿勢を
    維持する針姿勢保持力(A)と、 前記針本体が回動した後、該針本体を該針本体の長さ方
    向に引き抜く力に抗して該針本体を維持する針引止保持
    力(B)との関係が、 (B)>(A) となる前記スリット状隙間の幅及び形状を有することを
    特徴とする医療用糸付針の誘導具。
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