JP2000036387A - 有機発光パネル - Google Patents

有機発光パネル

Info

Publication number
JP2000036387A
JP2000036387A JP10201576A JP20157698A JP2000036387A JP 2000036387 A JP2000036387 A JP 2000036387A JP 10201576 A JP10201576 A JP 10201576A JP 20157698 A JP20157698 A JP 20157698A JP 2000036387 A JP2000036387 A JP 2000036387A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
fluorescent
organic
emitting panel
organic light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10201576A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshio Kishimoto
良雄 岸本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP10201576A priority Critical patent/JP2000036387A/ja
Publication of JP2000036387A publication Critical patent/JP2000036387A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/80Constructional details
    • H10K59/8793Arrangements for polarized light emission
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/30Devices specially adapted for multicolour light emission
    • H10K59/32Stacked devices having two or more layers, each emitting at different wavelengths
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/30Devices specially adapted for multicolour light emission
    • H10K59/35Devices specially adapted for multicolour light emission comprising red-green-blue [RGB] subpixels

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光性能を大きく改良したカラーの有機発光
パネルを得る。 【解決手段】 疎水性表面を有する透明基板上にストラ
イプ状透明陽極7を形成し、その上に電子輸送性有機分
子と正孔輸送性有機分子とを有する蛍光発光性の有機層
を介してストライプ状透明陽極7と直角方向にストライ
プ状金属陰極4から6を形成し、電圧を印加し電場発光
させてなる有機発光パネルであって、画素を構成する、
蛍光変換有機層または前記蛍光発光性の有機層が、前記
透明基板上または中に配向制御された単色の蛍光性分子
層により形成され、前記電場発光の偏光面が前記蛍光性
分子層の遷移モーメントと同方向であることを特徴と
し、各色の蛍光性分子が混合せず、各基板ごとに独立し
て作製できる、各色の色純度補正やRGBバランス補正
がしやすい、歩留まりが向上するという特徴がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光ディスプレ
イ、発光ダイオードおよび面発光光源などに用いられる
有機系の主にカラーの有機発光パネルに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電場発光デバイス(EL)よりなる
ディスプレイパネルは視認性が高く、表示能力に優れ、
高速応答も可能という特徴を持っている。近年、有機化
合物を構成材料とする電場発光デバイスについて報告が
なされた(例えば、関連論文アプライド・フィジックス
・レターズ、第51巻913頁1987年(Applied Phy
sics Letters,51,1987,P.913.)、)。この報告でC.
W.Tangらは有機発光層及び電荷輸送層を積層した
構造の電場発光デバイスを開示している。
【0003】ここでは、発光材料として高い発光効率と
電子輸送を合わせ持つトリス(8ーキノリノール)アル
ミニウム錯体(以下Alqと略す)を用いて、優れた電
場発光デバイスを得ている。また、ジャーナル・オブ・
アプライド・フィジックス、第65巻3610頁198
9年(Journal of Applied Physics,65,1989,p.3610.)に
は、有機発光層を形成するAlqにクマリン誘導体やD
CM1(Eastman Chemicals)等の蛍
光色素をドープした素子を作製し、色素の適切な選択に
より発光色が変わることを報告すると共に、発光効率も
非ドープに比べ上昇することを開示している。
【0004】この研究に続いて多くの研究開発がなさ
れ、新しい機能材料として、蛍光発光性のキレート金属
錯体や電子輸送性有機分子や正孔輸送性有機分子が開発
されると共に、カラー化に向けて種々の検討がなされて
いる。
【0005】カラーおよび多色ディスプレイパネルの構
成の一つとして、特開平7−114350号公報に、各
色のパネルを積層による構成が開示され、その中にアク
リル樹脂の透明プラスチック基板やガラス基板などの一
般的な基板の積層パネルが紹介されている。
【0006】また、有機分子の偏光発光を観察した例と
して、ポリフェニレンエチニレンを高延伸ポリエチレン
中に配向分散させたフィルムからの500nmのフォト
ルミネッセンスが「アドバンスト マテリアル」199
7年9月第13巻(C.Weder,.et al, Advanced Materia
l, 1997, 9, No13)の1035頁に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のディスプレイパネルでは、発光スペクトルの半値幅
が広く、人の目に明るく感じられる半値幅の狭い高効率
な発光が得られず、色コントラストがよく高効率のカラ
ー発光ディスプレイパネルを得ることが課題となってい
た。
【0008】本発明は、発光を高効率で利用できる構成
の主にカラーの電場発光ディスプレイパネルを得ること
を第一の目的としている。
【0009】また、上記特開平7−114350号公報
では、ガラス基板の積層は厚みが増し高い解像度が得ら
れない上、壊れ易く歩留りが低いという課題もあり、先
願の特願平10−9389号において、フレキシブルで
薄形構成の可能な新規な構成の基板材料を積層してカラ
ー化素子を構成し、薄型、大画面が可能でかつ製造の容
易な電場発光ディスプレイパネルを開示した。
【0010】本発明は、上記先願の構成に新規な構成を
加えて、カラーディスプレイとしての発光性能を大きく
改良した優れたカラー電場発光ディスプレイパネルを得
ることを第二の目的としている。
【0011】第三の目的は、本発明を有効に利用した液
晶パネルの構成にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の第一の目的を達成
するために、本発明は、疎水性表面を有する透明基板上
にストライプ状透明陽極を形成し、その上に電子輸送性
有機分子と正孔輸送性有機分子とを有する蛍光発光性の
有機層を介して前記ストライプ状透明陽極と直角方向に
ストライプ状金属陰極を形成し、電圧を印加し電場発光
させてなる有機発光パネルにおいて、画素を構成する、
蛍光変換有機層または前記蛍光発光性の有機層が、前記
透明基板上または中に配向制御された単色の蛍光性分子
層により形成され、前記電場発光の偏光面が前記蛍光性
分子層の遷移モーメントと同方向である有機発光パネル
と構成される。
【0013】これにより、偏光発光特性を有効に利用で
きる有機発光パネルが得られる。上記の配向制御された
蛍光性分子層は、蛍光性色素会合体や、蛍光性色素が高
延伸された一軸配向高分子マトリクス中に配向分散され
た層、あるいは配向結晶化したπ電子共役高分子層で形
成されることが好ましい。
【0014】上記の第二の目的を達成するために、本発
明は、蛍光変換有機層または前記蛍光発光性の有機層
が、カラー表示の各色の画素を構成するに当たって、そ
れぞれ別個の前記透明基板上または中に配向制御された
単色の各蛍光性分子層により形成され、前記各色の画素
が上下にお互いに重ならないように前記透明基板を積層
かつ一体化して形成されてなる請求項1に記載の有機発
光パネルと構成される。
【0015】これにより、カラーディスプレイとしての
発光性能を大きく改良した色再現性の優れたカラーの電
場発光ディスプレイパネルが得られる。本発明の透明基
板の積層構造は、配向制御された各色の蛍光性分子層を
それぞれの透明基板上に形成するため、次のような多く
の利点がある。
【0016】(1)各色の蛍光性分子が混合しない。
(2)各色ごとに異なった配向処理であっても、各基板
ごとに独立して作製できる。(3)各色の色純度補正や
RGBバランス補正がしやすい。(4)歩留まりが向上
する。
【0017】また、ストライプ状透明陽極を形成する透
明基板は、疎水性表面を有する高分子フィルムであるこ
とが好ましく、積層した前記透明基板が(a)アミノ
基、アミド基、水酸基、カルボキシル基より選ばれた少
なくとも一種の官能基を1mol%以下の濃度で含有する
接着性疎水性高分子層と、アミノ基、アミド基、水酸
基、カルボキシル基より選ばれた少なくとも一種の官能
基を有する水素結合性高分子層とよりなる少なくとも二
層の高分子フィルム、または(b)アミノ基、アミド
基、水酸基、カルボキシル基より選ばれた少なくとも一
種の官能基を含有する接着性フィルム層よりなる中間の
高分子層を、前記水素結合性高分子層と、ポリオレフィ
ン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリ
ロニトリル、フツ素系高分子、液晶ポリエステル、およ
びシリコン樹脂より選ばれた一種の疎水性高分子層とで
サンドイッチした少なくとも三層の高分子フィルム、を
基本構造とした多層積層フィルムよりなることが好まし
い。
【0018】上記第三の目的を達成するために、本発明
は、請求項9の有機発光パネルをバックライト光源とし
て、前記有機発光パネルからの偏光発光を液晶パネルに
入射させて構成した有機発光パネルより構成される。
【0019】これにより、偏光光源を必要とするツイス
トーネマチック液晶などのバックライトとして、蛍光ラ
ンプに代わり高効率なバックライトとなり、消費電力が
低く見やすい液晶パネルを構成できる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明(請求項1)は、疎水性表
面を有する透明基板上にストライプ状透明陽極を形成
し、その上に電子輸送性有機分子と正孔輸送性有機分子
とを有する蛍光発光性の有機層を介して前記ストライプ
状透明陽極と直角方向にストライプ状金属陰極を形成
し、電圧を印加し電場発光させてなる有機発光パネルに
おいて、画素を構成する、蛍光変換有機層または前記蛍
光発光性の有機層が、前記透明基板上または中に配向制
御された単色の蛍光性分子層により形成され、前記電場
発光の偏光面が前記蛍光性分子層の遷移モーメントと同
方向である有機発光パネルとしたものであり、色純度・
色コントラストの高い、狭い半値幅の高輝度の偏光発光
が得られると共に、電子遷移の確率が高くなり発光性色
素の配向方向に依存した高効率な強い偏光発光が得られ
るという作用がある。
【0021】すなわち、蛍光性有機分子で構成される配
向制御された蛍光性分子層は、分子が構造的な異方性を
有することから遷移モーメントにも異方性が現われそれ
に対応した偏波面をもつ強い偏光を発光するという作用
がある。
【0022】このような本発明の配向制御された単色の
各蛍光性分子層では、分子の集合形態が一様となるた
め、発光スペクトルのばらつきが減り分子の配向方向に
対応して、半値幅が狭く(高色純度で)、高輝度の強い
偏光発光が得られる。また、この配向制御された有機層
では、文献「アプライド フィジックス レター」第71
巻(21)3057頁1997年(S. Ozcelik and D.
Akins, Appl. Phys. Lett, 71(21), 3057 (1997))から
推測されるように、蛍光性分子の会合体から高輝度の蛍
光を発する超蛍光発光(超放射ともいう)も起こる可能
性があるため、非常に高感度、高量子収率の発光とな
り、発光効率が向上するという特徴もある。
【0023】本発明の基本となる電場発光素子(EL素
子)は、注入形のEL素子すなわち発光ダイオードで、
透明基板上の正孔注入用透明電極と電子注入用電極より
なる一対の電極間に、蛍光発光性の、電子輸送性有機分
子層と正孔輸送性有機分子層とを形成してなるもので、
発光層を別個に挿入した3層構成や、正孔注入層、電子
注入層の挿入や、ドーパントという蛍光分子を適時微量
添加した層構成、量子井戸のような多層構造など種々の
構造がある。
【0024】上記電子輸送性有機分子層は、電子注入用
電極に接して形成され、蛍光発光性の分子で構成し電子
輸送層を兼ねる構成とする場合が多いが、この層を本発
明の配向制御された単色の各蛍光性分子層で構成すれ
ば、本発明の効果が得られる。
【0025】一方、正孔輸送性有機分子層は正孔注入用
透明電極に接して構成され、透明な層を形成することが
必要であるが、この層の結晶化は励起三重項状態を形成
して励起電子を熱的に失活させ、蛍光発光せずEL素子
の黒点ともいわれる非発光点を形成する場合が多いた
め、一般には安定なアモルファス層を形成することが必
要とされている。また、この正孔輸送性有機分子層と正
孔注入用透明電極との間に、バッファー層として正孔注
入層やアモルファス安定化層を形成して性能改善をする
ことができる。
【0026】本発明の電荷輸送性の上記有機層には、イ
ミダゾール系化合物、トリアゾール系化合物、オキサジ
アゾール系化合物、オキシキナゾリン系化合物などの芳
香族化合物が用いられ、イミダゾール系化合物として
は、ベンツイミダゾール類やフェニル置換、ジフェニル
置換、ピリジル置換などの芳香族誘導体等がある。
【0027】トリアゾール系化合物としては、同様に、
ベンツトリアゾール類やフェニル置換、ジフェニル置
換、ピリジル置換などの芳香族誘導体等が適しており、
これらと類似の作用をする類似構造体にトリアジン誘導
体がある。オキサジアゾール系化合物としては、やはり
同様にフェニル置換、ジフェニル置換、ピリジル置換な
どの芳香族誘導体等が適している。
【0028】一方、本発明の蛍光変換層に用いる蛍光性
分子には、蛍光色素と呼ばれる有彩色の染料・顔料や無
彩色の蛍光増白剤等の有機蛍光体を用いることができる
が、隠ぺい力のない透明性の高いほうが本発明の蛍光変
換層には適する。
【0029】この有機蛍光体には、昼光蛍光顔料ともい
われるUV光、紫色光、青色光などを蛍光変換する多く
の種類の蛍光色素がありこれらを利用することができ
る。
【0030】本発明の疎水性表面を有する透明基板とし
て、ガラスを用いる場合は歪や屈曲による破損の恐れが
あるが、透明度や寸法精度、熱放散の面からは本発明に
適している。この疎水性透明基板としては、高分子フィ
ルムのほうが疎水性表面が得易く、薄型構造で積層(ラ
ミネート)し易いという特徴がある。
【0031】高分子フィルムを用いる場合は、動作時の
熱放散の工夫が必要であるが、非常な薄型構成が可能で
積層構造にして放熱板との組み合わせによりこの問題を
回避することができる。
【0032】透明基板として用いる疎水性表面を有する
高分子フィルムの厚みは画素サイズの1/2以下が望ま
しく、薄いフィルムほど発光を反射ロスや吸収ロスなく
取り出すことができるし、画像の乱れも少ない。画素サ
イズは一般に単色で幅100μm以下であるのでフィル
ムは50μm以下が望ましい。発光素子自身の厚みは電
極を含めて1μm以下であり、フィルム厚に比べてきわ
めて薄い構成である。
【0033】本発明のストライプ状透明陽極は、酸化イ
ンジウムあるいは酸化スズを主成分とする透明導電膜よ
り構成される。
【0034】また、本発明のストライプ状金属陰極に
は、アルカリ金属元素またはアルカリ土類金属元素とし
て、Ca、Mg、Liのいづれかを含む金属合金薄膜が
望ましく、Al合金、Al−Zn合金、Ag合金、Sn
合金、Bi合金、In合金などがある。上記アルカリ金
属またはアルカリ土類金属を含有した金属合金薄膜のア
ルカリ金属、アルカリ土類金属の濃度は、その電子注入
性能を決める仕事関数や金属薄膜の成膜性、および電極
金属やその界面の安定性などから適した濃度で用いられ
る。
【0035】本発明(請求項2)は、配向制御された蛍
光性分子層が、蛍光性色素会合体よりなる請求項1に記
載の有機発光パネルとしたものであり、蛍光性分子が会
合体を形成することにより、分子が配向した集合形態と
なるため発光スペクトルの半値幅が狭くなり、高輝度と
なる。また、その分子の配向方向に対応した強い偏光発
光が得られるという作用を有する。
【0036】この蛍光性色素会合体には、スペクトルが
長波長シフトするJ会合体や、短波長シフトするH会合
体などがあり、シアニン色素など多くの色素が会合体を
形成する。これらの会合体には禁制遷移により蛍光を発
しない会合形態もあるが、J会合体などはよく蛍光発光
する。会合体の形成は、気液界面の配列した分子をすく
うラングミュアーブロジェット(LB)法や、蛍光性色
素がゲストとして配列する場を制御するイオンコンプレ
ックス法やポリイオンコンプレックス法などの手法によ
って形成できる。
【0037】本発明(請求項3)は、蛍光性色素会合体
が、一方向に配向した会合体を形成し、偏光を発光して
なる請求項2に記載の有機発光パネルとしたものであ
り、一方向に配向した会合体を形成することにより直線
偏光した単色の光を取り出すことができるという作用を
有する。本発明ではそれぞれの透明基板に一方向に配向
した各単色の会合体を形成させるため、色素が混ざらず
会合体分子層の形成が容易で、各単色の偏光を取り出す
構成が容易である。こうして得た各色の単色発光シート
を積層することにより、本発明の有機発光パネルが容易
に得られる。
【0038】本発明(請求項4)は、配向制御された蛍
光性分子層が蛍光性色素が高延伸された一軸配向高分子
マトリクス中に配向分散された層よりなる請求項1また
は請求項3に記載の有機発光パネルとしたものであり、
一軸配向高分子マトリクス中に分散された蛍光性色素が
その分子形状に対応して一軸配向高分子マトリクス中に
配向するため、容易に高配向した色素配向分散シートが
得られるという作用を有する。
【0039】この一軸配向高分子マトリクスとしては、
高分子鎖間ですべり易い脂肪族鎖を有する高分子構造
と、色素を可溶分散させる相溶性サイトとを有する高分
子が適しており、汎用高分子と一軸配向ポリイオンコン
プレックスとのブレンドなども利用可能である。透明基
板として高分子シート自身を一軸延伸して用いても良い
し、高分子シート上に蛍光性分子層を形成してその高分
子シートを一軸延伸することにより分子配向させてもよ
い。
【0040】本発明(請求項5)は、配向制御された蛍
光性分子層が配向結晶化したπ電子共役高分子層を含ん
でなる請求項1または請求項3に記載の有機発光パネル
としたものであり、シャープな蛍光発光と化学劣化し難
い安定な電荷輸送性が得られるという作用がある。具体
的なπ電子共役高分子としては、ポリピロール、ポフェ
ニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリオキサジアゾー
ル、ポリアニリンなどの導電性ポリマーに代表される多
くの高分子があり、これらを例えばキャスト法などによ
って製膜し、種々の方法で配向させて配向結晶膜を作製
することができる。
【0041】本発明(請求項6)は、配向結晶化したπ
電子共役高分子層中に、蛍光性色素が配向分散されてな
る請求項5に記載の有機発光パネルとしたものであり、
配向した蛍光性色素を含み安定な電荷輸送性を有する優
れた配向膜が得られることから、高効率で半値幅の小さ
いシャープな偏光発光を得られるという作用を有する。
【0042】本発明(請求項7)は、ストライプ状透明
陽極の表面に配向制御超薄膜が形成され、それに接する
有機層が配向制御された蛍光性分子層で形成されてなる
請求項1に記載の有機発光パネルとしたものであり、ス
トライプ状透明陽極に接する正孔輸送層の分子が配向し
て形成されることから偏光発光が得られるという作用を
有する。ストライプ状透明陽極の表面の配向制御層は、
ラビング、分子配向、化学修飾などの方法で形成され
る。
【0043】本発明(請求項8)は、蛍光変換有機層ま
たは前記蛍光発光性の有機層が、配向制御された蛍光性
分子に、その蛍光色と同色の顔料が併用されてなる請求
項1記載の有機発光パネルとしたものであり、これによ
りRGBの各画素からでる不必要な光(外からの反射
光、不要な発光)が顔料成分によって吸収されるため、
色純度、色コントラストに優れた良質のカラー画像が得
られる。この蛍光性分子と顔料との併用は、それらを混
合物、積層などの形状にして組み合わせて用いればよ
い。ここで用いる顔料は、極めて多く存在する多種類の
一般的な有機顔料、無機顔料から選択をすればよい。
【0044】本発明(請求項9)は、蛍光変換有機層ま
たは前記蛍光発光性の有機層が、カラー表示の各色の画
素を構成するに当たって、それぞれ別個の前記透明基板
上または中に配向制御された単色の各蛍光性分子層によ
り形成され、前記各色の画素が上下にお互いに重ならな
いように前記透明基板を積層かつ一体化して形成されて
なる請求項1に記載の有機発光パネルとしたものであ
る。
【0045】本発明では、RGBの各色の偏光を発光す
ることから、単色の各蛍光性分子層を各透明基板上に配
向制御させて構成する。一枚の基板上に各色をそれぞれ
別個に配向制御することは素子作製上きわめて困難であ
るが、各透明基板のそれぞれに別個の色素を配向させる
ことはカラーパネル作製上容易である上、各色のシート
が別個であるため歩留まりが高くカラーパネル作製上有
利であるという作用がある。蛍光性分子を配向させる基
板の表面は、ラビング、分子配向、化学修飾などの方法
で配向処理された基板を用いればよい。また、光配向な
どの他の手段による分子配向方法も本発明には利用でき
る。
【0046】本発明における有機発光カラーパネルの構
成としては、赤(R)、緑(G)、青(B)の三色のE
L素子を配列する「RGB発光形」と、EL素子からの
青色発光を赤と緑に変換する「蛍光変換形」のものとが
ある。RGB発光形ではR、G、Bの各EL素子を別個
の透明基板上に形成する。蛍光変換形では、EL素子は
基本的に一枚の基板上に形成するが、R、Gに蛍光変換
する蛍光変換フィルターは、別個の透明基板上にそれぞ
れ形成する。また、「蛍光変換形」ではEL素子からの
エネルギーの高いブロードな青色発光や紫外発光を、R
GB三色に変換してもよい。
【0047】即ち、本発明の配向制御された単色の各蛍
光性分子層を形成した透明基板は、RGB発光形の有機
カラー発光パネルではそれぞれR、G、Bの各EL素子
となり、蛍光変換形ではR、Gに蛍光変換する蛍光変換
フィルター層となり、青色発光のEL素子に積層され
る。この蛍光変換フィルター層の各蛍光性分子は、積層
されるEL発光スペクトル域に励起スペクトルを有し、
蛍光変換してR、G域に蛍光発光するものを選択する。
分子配向によるスペクトルシフトもあるので、これも考
慮に入れる。この蛍光変換形の場合は、色変換と発光と
を分離した機能分離形素子となるため、素子の具体的な
構成の自由度が増し改良や高性能化も容易となる。特
に、蛍光変換フィルター層では配向制御された単色の各
蛍光性分子層の電荷輸送特性を考慮する必要がないた
め、蛍光発光特性のみを考慮して設計できる。
【0048】「RGB発光形」の有機カラー発光パネル
では、前記ストライプ状金属陰極の幅を画素の全色発光
幅の1/2以下にして単色発光パネルユニットを構成
し、図1〜図3のように前記各色の画素が上下にお互い
に重ならないように積層かつ接着一体化して形成され
る。このRGB発光形では、電荷輸送を兼ねた蛍光発光
層の分子が配向制御されているため、輸送キャリヤの易
動度が高くなり低い電圧で大きな電流を流すことがで
き、高い発光輝度を得ることができる。
【0049】また、本発明の有機カラー発光パネルにさ
らに偏光フィルター積層すれば、EL発光の色純度補正
やRGBバランス補正に利用できる。例えば、EL素子
のRGBの偏光方向を同一方向に形成して、偏光フィル
ター積層すれば、そのRGBの偏光面のRGBバランス
を偏光フィルターで補正できる。
【0050】本発明(請求項10)は、ストライプ状透
明陽極を形成する透明基板が、疎水性表面を有する高分
子フィルムであり、積層した透明基板が(a)アミノ
基、アミド基、水酸基、カルボキシル基より選ばれた少
なくとも一種の官能基を1mol%以下の濃度で含有する
接着性疎水性高分子層と、アミノ基、アミド基、水酸
基、カルボキシル基より選ばれた少なくとも一種の官能
基を有する水素結合性高分子層とよりなる少なくとも二
層の高分子フィルム、または(b)アミノ基、アミド
基、水酸基、カルボキシル基より選ばれた少なくとも一
種の官能基を含有する接着性フィルム層よりなる中間の
高分子層を、前記水素結合性高分子層と、ポリオレフィ
ン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリ
ロニトリル、フツ素系高分子、液晶ポリエステル、およ
びシリコン樹脂より選ばれた一種の疎水性高分子層とで
サンドイッチした少なくとも三層の高分子フィルム、を
基本構造とした多層積層フィルムよりなる請求項1に記
載の有機発光パネルとしたものであり、この二層または
三層構成のフレキシブルフィルムは湿気を含む種々の物
質に対して非常に高いバイヤー性を示すという作用を有
する。また、これらフィルムは積層してもあまり厚くな
らないため、発光の隣接ストライプ状金属陰極の反射に
よる減少もなく、光が有効に取り出せるという作用を有
する。
【0051】有機発光パネルの多層基板として、前記二
層積層フィルムを積層した多層積層フィルム、または前
記三層積層フィルムの中間層の接着性フィルム層が一層
おきに積層されてなる多層積層フィルムで構成してもよ
い。
【0052】水素結合性高分子としては、ナイロン1
1、ナイロン12、ポリビニルアルコール、ポリメタア
クリル酸、ポリマレイン酸、およびこれらの少なくとも
一つを重合成分とするブロック共重合体などがある。
【0053】疎水性高分子には、ポリオレフィン(ポリ
エチレン、ポリプロピレン等)、ポリ塩化ビニリデン、
ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、フツ素系高分
子、液晶ポリエステル、およびシリコン樹脂などがある
が、延伸した高配向高結晶性のフィルムがバリヤ性能が
高く、ポリエチレン、ポリプロピレンなどは二軸延伸し
た高バリヤ性のフィルムが多く使用される。共重合体と
しては、グラフトや交互体よりブロック共重合体がバリ
ヤ性が高く本発明には適す。上記のアミノ基、アミド
基、水酸基、カルボキシル基などは疎水性高分子に接着
性を付与する作用をする。
【0054】これらの官能基を1mol%以下の濃度で含
有する接着性疎水性高分子は、これらの官能基を有する
モノマとの共重合や末端基処理でも得られるし、またこ
れらの官能基を有する物質とのブレンドでも容易に得ら
れる。
【0055】これらの官能基の濃度は1mol%以下の濃
度で充分疎水性高分子に接着性を付与させることができ
るし、一方このような1mol%以下の官能基濃度では疎
水性高分子の疎水機能(湿気バリヤ機能)を低下させな
い。
【0056】他方の水素結合性高分子層のアミノ基、ア
ミド基、水酸基、カルボキシル基などはすべて活性水素
を有し吸湿性であるが、水素結合性高分子は水素結合に
より分子間力が強く活性水素を持たない種々のガスの優
れたバリヤ材料となる。
【0057】また、水素結合性高分子は、活性水素によ
り上記の官能基を1mol%以下の濃度で有する疎水性高
分子とも優れた接着性を有する。遮閉すべきガスには、
水(湿気)、酸素、極性ガス(NOx,SOx,NH3
等)があるが、このような二層構成により優れたバリヤ
層を構成でき、特に湿気や酸素の透過をよく遮閉でき
る。
【0058】具体的な材料として、接着性疎水性高分子
には、メタアクリル酸やマレイン酸を共重合した接着性
ポリオレフィンや接着性PVDF、接着性PVDCなど
がある。アドマーとかアイオノマーという呼称のポリエ
チレンもこれに属す。
【0059】本発明に用いるホットメルト性の接着剤に
は、接着性ポリエチレン、ヒートシール性ポリエステル
(PET)、ポリアミド(PA)、EVOH、ポリ塩化
ビニリデン等がある。
【0060】本発明(請求項11)は、請求項9の有機
発光パネルをバックライト光源として、前記有機発光パ
ネルからの偏光発光を液晶パネルに入射させてデイスプ
レイパネルを構成した有機発光パネルとすることによっ
て、有機発光パネルからの偏光発光を偏光フィルターな
しで100%液晶光シャッターに入射させることにな
り、従来の偏光フィルターによる光のロスがないため高
いコントラストの液晶ディスプレイを構成できるという
作用がある。ここに用いる液晶としては、偏光光源を必
要とするツイストーネマチック液晶などが適している。
【0061】また本発明は、分子会合体を用いることに
より、発光スペクトルの半値幅が小さく高強度の偏光発
光が得られることから、各種の微小共振器構造を作るこ
とによって、面発光レーザーシステムへの展開からも有
用な構成である。
【0062】以下、本発明の実施の形態について図1か
ら図6を用いて説明する。 (実施の形態1)図1は本発明における「RGB発光
形」の有機カラー発光パネルの構造を示す図で、3枚の
単色発光パネルユニット1(赤)、2(緑)、3(青)
が図のように前記ストライプ状金属陰極4、5、6がお
互いに上下に重ならないように積層され、カラーのディ
スプレイパネルが構成される。ストライプ状金属陰極
4、5、6の幅は、画素の全色発光幅の1/3に構成さ
れている。ここで7は直交したストライプ状透明陽極で
ある。
【0063】(実施の形態2)図2は本発明の「RGB
発光形」の有機カラー発光パネルの断面構造を示し、図
2のように、3枚の単色発光パネルユニット1(赤)、
2(緑)、3(青)が積層され、それぞれの層より赤
(R)、緑(G)、青(B)の光が発光し表示される。
ストライプ状金属陰極4、5、6は画素の全色発光幅の
1/3の幅でお互いに上下に重ならないように積層され
ている。
【0064】各単色発光パネルユニットは、疎水性表面
を有する高分子フィルムの透明基板ユニット8上にスト
ライプ状透明陽極9を形成し、その上に配向制御された
単色の各蛍光性分子層を含む蛍光発光性の有機層10を
介して前記ストライプ状透明陽極と直角方向にストライ
プ状金属陰極4、5、6が形成されている。11は背面
被覆シートで、その材質は上記透明基板に用いたと同じ
本発明の積層高分子フィルムで構成されるのが望まし
い。
【0065】(実施の形態3)図3は本発明の「RGB
発光形」の有機カラー発光パネルの断面の各層の厚さの
比率を示す縮尺図で、例えばカラー画素サイズ300μ
mで積層された疎水性表面を有する高分子フィルムの透
明基板ユニット8−1、8−2、8−3の厚みが50μ
mの時、発光素子12自身の厚みは電極を含めて1μm以
下であり、透明基板ユニットの厚みに比べて図3のよう
にきわめて薄い。
【0066】図から判るように、単色画素サイズの1/
2以下の基板厚みが望ましく、薄いフィルムほど発光の
反射ロスや吸収ロスが少なく、画像の乱れも少ない。
【0067】(実施の形態4)図4は本発明の「蛍光変
換形」の有機カラー発光パネルの一例を示すもので、青
色EL素子13からの青色発光を、蛍光変換フィルター
層14により緑(G)、赤(R)に変換して、有機カラ
ー発光パネルを構成するものである。このパネルを構成
するにあたって、青色EL素子1、蛍光変換フィルター
層2は、図1のようにRGBの蛍光性分子層10がそれ
ぞれ別個の透明基板上に形成される。
【0068】EL素子を形成する基板は疎水性表面を有
する透明基板であることが好ましいが、G、Rの蛍光変
換層を形成する基板は必ずしも疎水性表面を必要としな
い。この「蛍光変換形」の有機カラー発光パネルは、機
能分離形の構成であるため、RGBの蛍光変換とEL発
光が分離しており、RGBの蛍光調整がしやすいという
特徴がある。
【0069】(実施の形態5)図5は本発明の「蛍光変
換形」の有機カラー発光パネルに用いる蛍光変換フィル
ター層の構成の一例を示すもので、EL素子からの紫外
線〜青色系の発光を、青(B)、緑(G)、赤(R)に
変換するもので、(a)はそれぞれの透明基板上に配向
制御された単色の各蛍光性分子層15よりなるRGB蛍
光変換層を形成する例を示したものでこれらを積層、融
着する。
【0070】(b)は透明基板16の表裏両面にRG二
色の蛍光変換層を構成してオーバーコート層17、18
のフィルムで上下を積層、融着する例を示す。
【0071】これらはそれぞれの透明基板上に配向制御
された単色の各蛍光性分子層15が形成されるため、R
GBの各層の形成方法が異なっても色の混合もなく容易
に蛍光変換層を形成できる。また、透明基板の積層によ
り外からの水分やガスの侵入透過率を小さくでき、優れ
た素子が得られる。
【0072】(実施の形態6)図6は本発明に用いる積
層した高分子フィルムの構成を示し、図6(a)は二層
構成の場合で、19はアミノ基、アミド基、水酸基、カ
ルボキシル基より選ばれた少なくとも一種の官能基を1
mol%以下の濃度で含有する接着性疎水性高分子層で、
20はアミノ基、アミド基、水酸基、カルボキシル基よ
り選ばれた少なくとも一種の官能基を有する水素結合性
高分子層で、これらを積層することによりバリヤ性の高
いフィルムを構成できる。この二層をさらに繰り返し積
層した多層構造のフィルムはさらに高いバリヤ効果が得
られる。
【0073】図6(b)は三層構成の場合で、アミノ
基、アハド基、水酸基、カルボキシル基より選ばれた少
なくとも一種の官能基を含有する接着性フィルム層21
よりなる中間の高分子層を、アミノ基、アミド基、水酸
基、カルボキシル基より選ばれた少なくとも一種の官能
基を有する水素結合性高分子層22と、ポリオレフィン
(OPP:延伸PPー高結晶性)、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、フツ素系
高分子、液晶ポリエステル、およびシリコン樹脂より選
ばれた一種の疎水性高分子層23とでサンドイッチした
三層フィルムより構成され、これにより上記の二層系と
同様バリヤ性の高いフィルムを構成できる。
【0074】この三層フィルムを基本構成とする場合の
多層構造フィルムは、図6(c)のように水素結合性高
分子層22と疎水性高分子層23との間に上記中間層2
1を一層おきに挿入して構成される。
【0075】
【実施例】次に、本発明の具体例を説明する。
【0076】(実施例1)二層フィルム(16μm厚の
延伸配向したマレイン酸変性ポリエチレン+16μm厚
のナイロン12)を2回積層して構成された4層積層フ
ィルムを用意し、良く乾燥した後マレイン酸変性ポリエ
チレン上に、インジウム・ティン・オキサイド(IT
O)薄膜よりなるストライプ状透明陽極を形成し、10
cm角に切断しこれらを透明基板ユニットとした。これ
らのストライプ状透明陽極を形成した各透明基板ユニッ
ト上に、それぞれ正孔輸送性有機分子層と、各蛍光発光
性の電子輸送性有機分子よりなる、赤(R)、緑
(G)、青(B)色発光性の蛍光性分子会合体層を積層
して形成した。
【0077】次いで、前記ストライプ状透明陽極と直角
方向にAl−Li電極よりなるストライプ状金属陰極を
画素のRGB全色発光幅の1/3の幅で形成し、単色発
光パネルユニットを構成した。このようにして構成した
3枚の前記単色発光パネルユニット(R、G、B)を図
1のように前記ストライプ状金属陰極がお互いに上下に
重ならないように積層し、外側に面した金属陰極上にさ
らに上記多層積層フィルムの中間層に20μm厚のAl
層を1層加えたシートを被覆シートとして用意し、その
乾燥したナイロン12の面を内側にしてかぶせ、これら
全体を基板ユニットのホットメルト接着性を利用してそ
の周辺端部をホットメルト接着した。
【0078】さらにその周辺部をエポキシ樹脂により接
着封止しフルカラーのディスプレイパネルを構成した。
陽極としては、上記三枚の単色発光パネルユニットの上
下方向の3つのITO電極を短絡して、各画素ごとの共
通電極として取り出した。
【0079】こうして得られた板状の有機カラー発光パ
ネルに、直流電圧を印加して発光させたところ、6V印
加で2〜5mA/cm2の電流が流れ、輝度約80cd
/m2の均一性の高いカラー画像が得られた。RGBの
各発光スペクトルの半値幅はいずれも20nm以下と小
さかった。高湿環境下の寿命試験においても、湿度の影
響は極めて小さかった。
【0080】(実施例2)実施例1の4層積層フィルム
の代わりに、三層構成を基本とする次の2種類の多層積
層フィルムを用意した。
【0081】(a)三層基本の多層積層フィルム(15
μm厚の一軸延伸結晶性ポリプロピレンと15μm厚のナ
イロン12とを交互に10μm厚のEVOHを介して3
回サンドイッチ) (b)三層基本の多層積層フィルム(15μm厚の高延
伸高密度ポリエチレンと15μm厚の透明化ナイロン1
2とを交互に10μm厚のエチレンービニルブチラール
共重合体フィルムを介して2回サンドイッチ) 上記(a)の一軸延伸結晶性ポリプロピレンの面、上記
(b)の高延伸高密度ポリエチレンの面のそれぞれにI
TO薄膜よりなる透明陽極を形成した後切断し、
(a)、(b)のそれぞれに三枚の基板を用意した。
【0082】これらの上に実施例1と同様にして蛍光性
分子会合体層を有する各色の発光素子を構成し、それぞ
れ3枚の前記単色発光パネルユニット(R、G、B)を
作製した。これらの各3枚の前記単色発光パネルユニッ
ト(R、G、B)を前記ストライプ状金属陰極がお互い
に上下に重ならないように積層し、外側に面した金属陰
極上に、基板ユニットと同じ種類の多層積層フィルム
(a)、(b)をそれぞれ積層し、周辺端部を熱融着し
て板状の二枚の有機カラー発光パネルを得た。
【0083】これらの有機カラー発光パネル(a)、
(b)に直流電圧を印加して発光させたところ、いずれ
のパネルも6V印加で4〜10mA/cm2の電流が流
れ、白色輝度250〜350cd/m2の高輝度のカラ
ー画像が得られた。高湿環境下の寿命試験においても、
湿度の影響は極めて小さかった。
【0084】(実施例3)実施例2の(b)の三層基本
の多層積層フィルム二枚を透明基板として用いて、高延
伸高密度ポリエチレンよりなるその表面にITO薄膜よ
りなるストライプ状透明陽極を形成し、10cm角に切
断しこれらを透明基板ユニットとした。
【0085】これらのストライプ状透明陽極を形成した
二枚の各透明基板ユニット上に、図4のように青色EL
素子13と蛍光変換フィルター層14をそれぞれ形成し
た。青色EL素子13は、正孔輸送性有機分子層と、各
蛍光発光性の電子輸送性有機分子よりなる青(B)色発
光性の蛍光性分子会合体層を積層して形成した。
【0086】次いで前記ストライプ状透明陽極と直角方
向にAl−Li電極よりなるストライプ状金属陰極を画
素のRGB全色発光幅の1/3の幅で形成し、その上に
上記多層積層フィルムの中間層に20μm厚のAl層を
1層加えた多層シートを被覆して青色EL素子を構成し
た。
【0087】一方、蛍光変換フィルター層14は、上記
透明基板ユニットを構成する2枚の上記の三層基本の多
層積層フィルムの高延伸高密度ポリエチレンの表面上に
それぞれ緑(G)、赤(R)の蛍光性分子会合体層を形
成しそれをサンドイッチして構成した。
【0088】これらの青色EL素子13と蛍光変換フィ
ルター層14を積層、融着して、図4のような有機カラ
ー発光パネルを構成し、直流電圧を印加して発光させた
ところ、いずれのパネルも7V印加で3〜8mA/cm
2の電流が流れ、白色輝度200〜300cd/m2のカ
ラー画像が得られた。RGBの各発光スペクトルの半値
幅はいずれも20nm以下と小さかった。高湿環境下の
寿命試験においても、湿度の影響はきわめて小さかっ
た。
【0089】
【発明の効果】以上のように本発明は、電場発光させて
なる有機発光パネルにおいて、画素を構成する、蛍光変
換有機層または前記蛍光発光性の有機層が、それぞれ別
個の透明基板上または中に配向制御された単色の各蛍光
性分子層により形成され、偏光発光を有効に利用できる
有機発光パネルが得られる。
【0090】また本発明は、蛍光変換有機層または前記
蛍光発光性の有機層でカラー表示の各色の画素を構成す
るに当たっては、前記各色の画素が上下にお互いに重な
らないように前記透明基板を積層かつ一体化して形成さ
れてなるという特徴を持ち、本発明によれば、カラーデ
ィスプレイとしての発光性能の大きく改良された色再現
性の優れたカラー電場発光ディスプレイパネルが得られ
る。
【0091】本発明の配向制御された各色の蛍光性分子
層は、それぞれ別個の透明基板上に形成されるため、次
のような多くの有利な効果が得られる。
【0092】(1)各色の蛍光性分子が混合しない。
(2)各色ごとに異なった配向処理であっても、各基板
ごとに独立して作製できる。(3)各色の色純度補正や
RGBバランス補正がしやすい。(4)製造工程が高精
度化、複雑化せずカラーパネルの歩留まりが向上する。
【0093】また、本発明の透明基板として高分子フィ
ルムを用いる構成では、非常に薄くてバリヤ性の高い単
色パネルユニットを構成でき、単色パネルユニットを積
層しても厚くならず平面性が高く、陰極による光の陰も
でき難く、視認性が高いという特徴を有する。本発明の
高分子フィルムの構成は水分に対するバリヤ性と層間の
接着性とを兼ね備えた優れた薄い高分子フィルムを構成
するものであり、輝度の経時変化や黒点の発生の少なく
寿命特性のよい優れた有機発光パネルを構成することが
できるという有利な効果がある。
【0094】また本発明の有機発光パネルをバックライ
ト光源として、ツイストーネマチック液晶パネルに入射
させて用いれば、消費電力が低く見やすい液晶パネルを
構成できるという効果がある。
【0095】本発明はこのように、薄型で大画面が可能
でかつ製造の容易な優れた有機発光パネルを提供するも
ので、工業的価値の大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による「RGB発光形」
の有機カラー発光パネルの積層の構造を示す図
【図2】本発明の実施の形態2による「RGB発光形」
の有機カラー発光パネルの断面構造を示す図
【図3】本発明の実施の形態3による「RGB発光形」
の有機カラー発光パネルの断面の各層の厚さの比率を示
す縮尺図
【図4】本発明の実施の形態4による「蛍光変換形」の
有機カラー発光パネルの断面構造の一例を示す図
【図5】(a),(b)本発明の実施の形態5による
「蛍光変換形」の有機カラー発光パネルに用いる蛍光変
換フィルター層の構成の一例を示す図
【図6】(a)〜(c)本発明の実施の形態6による本
発明に用いる積層した高分子フィルムの構成を示す図
【符号の説明】
1〜3 単色発光パネルユニット 4〜6 ストライプ状金属陰極 7,9 ストライプ状透明陽極 8 透明基板ユニット 10 単色の蛍光発光性の有機層 11 背面被覆シート 12 発光素子 13 青色EL素子 14 蛍光変換フィルター層 15 配向制御された単色の各蛍光性分子層 16 透明基板 17,18 オーバーコート層 19 接着性疎水性高分子層 20,22 水素結合性高分子層 21 接着性フィルム層 23 疎水性高分子層

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】疎水性表面を有する透明基板上にストライ
    プ状透明陽極を形成し、その上に電子輸送性有機分子と
    正孔輸送性有機分子とを有する蛍光発光性の有機層を介
    して前記ストライプ状透明陽極と直角方向にストライプ
    状金属陰極を形成し、電圧を印加し電場発光させてなる
    有機発光パネルであって、 画素を構成する、蛍光変換有機層または前記蛍光発光性
    の有機層が、前記透明基板上または中に配向制御された
    単色の蛍光性分子層により形成され、前記電場発光の偏
    光面が前記蛍光性分子層の遷移モーメントと同方向であ
    ることを特徴とする有機発光パネル。
  2. 【請求項2】配向制御された蛍光性分子層が、蛍光性色
    素会合体よりなる請求項1記載の有機発光パネル。
  3. 【請求項3】蛍光性色素会合体が、一方向に配向した会
    合体を形成し、偏光を発光してなる請求項2記載の有機
    発光パネル。
  4. 【請求項4】配向制御された蛍光性分子層が、蛍光性色
    素が高延伸された一軸配向高分子マトリクス中に配向分
    散された層よりなる請求項1または3記載の有機発光パ
    ネル。
  5. 【請求項5】配向制御された蛍光性分子層が、配向結晶
    化したπ電子共役高分子層を含んでなる請求項1または
    3記載の有機発光パネル。
  6. 【請求項6】配向結晶化したπ電子共役高分子層中に、
    蛍光性色素が配向分散されてなる請求項5記載の有機発
    光パネル。
  7. 【請求項7】ストライプ状透明陽極の表面に配向制御超
    薄膜が形成され、それに接する有機層が配向制御された
    蛍光性分子層で形成されてなる請求項1記載の有機発光
    パネル。
  8. 【請求項8】蛍光変換有機層または前記蛍光発光性の有
    機層が、配向制御された蛍光性分子に、その蛍光色と同
    色の顔料が併用されてなる請求項1記載の有機発光パネ
    ル。
  9. 【請求項9】蛍光変換有機層または前記蛍光発光性の有
    機層が、カラー表示の各色の画素を構成するに当たっ
    て、それぞれ別個の前記透明基板上または中に配向制御
    された単色の各蛍光性分子層により形成され、前記各色
    の画素が上下にお互いに重ならないように前記透明基板
    を積層かつ一体化して形成されてなる請求項1記載の有
    機発光パネル。
  10. 【請求項10】ストライプ状透明陽極を形成する透明基
    板が、疎水性表面を有する高分子フィルムであり、積層
    した前記透明基板が(a)アミノ基、アミド基、水酸
    基、カルボキシル基より選ばれた少なくとも一種の官能
    基を1mol%以下の濃度で含有する接着性疎水性高分子
    層と、アミノ基、アミド基、水酸基、カルボキシル基よ
    り選ばれた少なくとも一種の官能基を有する水素結合性
    高分子層とよりなる少なくとも二層の高分子フィルム、
    または(b)アミノ基、アミド基、水酸基、カルボキシ
    ル基より選ばれた少なくとも一種の官能基を含有する接
    着性フィルム層よりなる中間の高分子層を、前記水素結
    合性高分子層と、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニリデ
    ン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、フツ素系
    高分子、液晶ポリエステル、およびシリコン樹脂より選
    ばれた一種の疎水性高分子層とでサンドイッチした少な
    くとも三層の高分子フィルム、を基本構造とした多層積
    層フィルムよりなる請求項1記載の有機発光パネル。
  11. 【請求項11】請求項9記載の有機発光パネルをバック
    ライト光源として、前記有機発光パネルからの偏光発光
    を液晶パネルに入射させてデイスプレイパネルを構成す
    ることを特徴とする有機発光パネル。
JP10201576A 1998-07-16 1998-07-16 有機発光パネル Pending JP2000036387A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10201576A JP2000036387A (ja) 1998-07-16 1998-07-16 有機発光パネル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10201576A JP2000036387A (ja) 1998-07-16 1998-07-16 有機発光パネル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000036387A true JP2000036387A (ja) 2000-02-02

Family

ID=16443356

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10201576A Pending JP2000036387A (ja) 1998-07-16 1998-07-16 有機発光パネル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000036387A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002110363A (ja) * 2000-09-29 2002-04-12 Hitachi Ltd 有機電界発光素子及びそれを用いた光電子素子
JP2006256283A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 液晶性有機分子多層配向薄膜及びその製造方法
WO2008070417A2 (en) 2006-12-06 2008-06-12 General Electric Company Color tunable illumination source and method for controlled illumination
CN102253032A (zh) * 2011-03-23 2011-11-23 四川大学 电致化学发光暂态过程分析方法
JP2019148795A (ja) * 2018-02-22 2019-09-05 ヴェステル・エレクトロニキ・サナイ・ヴェ・ティジャレット・ア・セ 表示装置
CN111415964A (zh) * 2020-04-17 2020-07-14 武汉华星光电半导体显示技术有限公司 Oled显示屏以及显示装置
CN113130813A (zh) * 2019-12-31 2021-07-16 Tcl集团股份有限公司 量子点发光二极管及其制备方法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002110363A (ja) * 2000-09-29 2002-04-12 Hitachi Ltd 有機電界発光素子及びそれを用いた光電子素子
JP2006256283A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 液晶性有機分子多層配向薄膜及びその製造方法
JP4524401B2 (ja) * 2005-03-18 2010-08-18 独立行政法人産業技術総合研究所 液晶性有機分子多層配向薄膜及びその製造方法
US7728514B2 (en) 2006-12-06 2010-06-01 General Electric Company Illumination source providing enhanced color mixing
US7498603B2 (en) 2006-12-06 2009-03-03 General Electric Company Color tunable illumination source and method for controlled illumination
JP2010512618A (ja) * 2006-12-06 2010-04-22 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 色調整可能な照明源及び制御された照明方法
WO2008070417A3 (en) * 2006-12-06 2008-07-31 Gen Electric Color tunable illumination source and method for controlled illumination
WO2008070417A2 (en) 2006-12-06 2008-06-12 General Electric Company Color tunable illumination source and method for controlled illumination
CN102253032A (zh) * 2011-03-23 2011-11-23 四川大学 电致化学发光暂态过程分析方法
JP2019148795A (ja) * 2018-02-22 2019-09-05 ヴェステル・エレクトロニキ・サナイ・ヴェ・ティジャレット・ア・セ 表示装置
JP7341672B2 (ja) 2018-02-22 2023-09-11 ヴェステル・エレクトロニキ・サナイ・ヴェ・ティジャレット・ア・セ 表示装置
CN113130813A (zh) * 2019-12-31 2021-07-16 Tcl集团股份有限公司 量子点发光二极管及其制备方法
CN111415964A (zh) * 2020-04-17 2020-07-14 武汉华星光电半导体显示技术有限公司 Oled显示屏以及显示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9379344B2 (en) Display panel and display device
US7576483B2 (en) Display device, display unit, and imaging device
US6117529A (en) Organic electroluminescence devices and displays
JP3902981B2 (ja) 有機発光素子及び表示装置
US7012365B2 (en) Light-emitting device and light-emitting display with a polarization separator between an emissive layer and a phase plate
WO2011125363A1 (ja) 有機el素子、有機elディスプレイおよび有機el表示装置
JP2003115377A (ja) 発光素子、その製造方法およびこれを用いた表示装置
CN102067729B (zh) 使用聚合物染料的色转换膜和使用该色转换膜的发多色光的有机el装置
CN1939096A (zh) 有机el显示装置及全彩色器件
TW201129238A (en) Organic electroluminescent element
WO2006061954A1 (ja) 有機el素子
JP2008108706A (ja) 表示装置
WO2012081536A1 (ja) 発光デバイス、表示装置、電子機器及び照明装置
WO2011102024A1 (ja) 表示装置
CN110927857A (zh) 用于oled显示器的具有增亮功能的圆偏光板及其应用
CN100442572C (zh) 有机电致发光面板
KR20060024545A (ko) 고휘도 유기 발광 표시장치
WO2011145358A1 (ja) 蛍光体基板、発光素子、およびそれを用いた表示装置
JP2000036387A (ja) 有機発光パネル
EP1511363A1 (en) Organic field emission device and emission device
JP2002359079A (ja) 発光素子及び表示装置
JP2001244080A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP3672060B2 (ja) 反射型液晶装置
JP2002260858A (ja) 発光素子及びその製造方法
JPH11214150A (ja) 電場発光ディスプレイパネル