JP2000028268A - 窯炉の熱交換システム及び熱交換方法 - Google Patents

窯炉の熱交換システム及び熱交換方法

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JP2000028268A
JP2000028268A JP10198231A JP19823198A JP2000028268A JP 2000028268 A JP2000028268 A JP 2000028268A JP 10198231 A JP10198231 A JP 10198231A JP 19823198 A JP19823198 A JP 19823198A JP 2000028268 A JP2000028268 A JP 2000028268A
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temperature
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cooling
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JP10198231A
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Tsutomu Yasuda
力 保田
Yoichiro Hamada
洋一郎 濱田
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Inax Corp
Nippon Furnace Co Ltd
Original Assignee
Inax Corp
Nippon Furnace Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 窯炉の各制御区画の制御の独立性又は個別制
御性を確保し、キルンの熱収支及び熱効率を全体的に改
善する、窯炉の熱交換システム。 【解決手段】 窯炉Kは、相互に連通する予熱域1、焼
成域2及び冷却域3を備え、高速切換式の熱交換装置1
0及び蓄熱型バーナーシステム50を有し、装置10
は、冷却用給気流を冷却域3に導入する冷却用空気供給
路HAと、予熱域1の炉内高温ガスを炉外に導出する導
出路HGと、供給路又は導出路と連通可能な第1及び第
2通路と、それに介装された蓄熱体11、12、(1
5)と、給気流又は高温ガスを蓄熱体に交互且つ選択的
に伝熱接触せしめる切換装置13、14とを備え、ロー
ラーハースキルンは、高効率の熱循環機能及び熱回収機
能を備えた装置10及びバーナシステムによって、各制
御区画をゾーン制御するとともに、炉内循環流RA、R
Bを形成し、キルン全体の熱循環回路を形成する、窯炉
の熱交システム及び熱交換方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窯炉の熱交換シス
テム及び熱交換方法に関するものであり、より詳細に
は、陶磁器等の焼物を焼成する連続式焼成窯炉の熱収支
及び熱効率を効果的に改善し得る熱交換システム及び熱
交換方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】陶磁器等の生地又は素地を焼成し、建築
物の内外装タイル等の各種陶磁器製品を製造する工業用
焼成窯炉が広く実用に供されている。この種の窯炉とし
て、トンネル型キルン(TK)又はローラハースキルン
(RHK)等の連続式焼成窯炉、或いは、バッチ式単独
窯(シャトルキルン)等のバッチ式焼成窯炉が知られて
いる。このような焼成窯炉においては、焼成すべき陶磁
器原料に適した所定パターンの焼成温度条件及び焼成雰
囲気が、陶磁器製品の種別等に相応して適当に設定され
る。一般に、窯炉の焼成工程は、1200℃乃至130
0℃付近の最高温度域に焼成原料を加熱・焼成する昇温
期と、最高温度域に加熱・焼成した原料を自然放冷又は
強制換気等により冷却する冷却期とから構成される。焼
成生地又は素地は、昇温期の還元焼成反応及び/又は酸
化焼成反応により焼成され、主に冷却期に所望の色彩又
は模様を発現するので、陶磁器の色彩、模様及び諸物性
は、昇温期における窯炉の温度条件及び焼成雰囲気の影
響を受けるばかりでなく、冷却期の冷却温度特性の実質
的影響を受ける。このため、窯炉内領域の焼成温度、冷
却温度、酸素濃度及び一酸化炭素濃度等の炉内環境を所
望の如く調整するとともに、製造目的に適した所期の焼
成パターンを昇温期及び冷却期の全期間に亘って維持管
理し得る比較的厳密な炉温制御及び雰囲気制御が要求さ
れる。
【0003】陶磁器の製造工程において一般に使用され
るローラハースキルンにおいては、予熱帯、焼成帯、急
冷帯及び冷却帯等の各帯域が炉長方向に順次配列され
る。陶磁器原料は、予熱帯に装入され、炉内のローラー
式搬送装置によって各帯域を順次移送され、陶磁器製品
として窯炉外に搬出される。一般に、予熱帯は、炉内ガ
スを窯炉外に排気する炉内ガス排出手段を備え、焼成帯
は、酸化炎、中性炎及び/又は還元炎を炉内に形成する
バーナ装置を備え、急冷帯及び冷却帯は、陶磁器原料を
冷却するための冷却空気を炉内に供給する冷却空気供給
手段を備える。所望により、各帯域の温度及び焼成雰囲
気を個別制御ないし独立制御するゾーン制御手段が、各
帯域に配設され、所定の温度条件及び温度特性に適合し
た所望の焼成パターンが、維持・管理される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ここに、未焼成の陶磁
器原料が装入される上記予熱帯は、排気誘引形式の送風
機を一般に備えており、送風機は、500℃程度の温度
を有する予熱帯の炉内ガスを高温排ガスとして窯炉外に
導出し、排気処理手段等を介して大気解放ないし大気放
出する。また、急冷帯及び冷却帯に導入される比較的低
温の空気流は、高温の陶磁器原料(炉内ワーク)との熱
交換作用により昇温し、比較的高温の排ガスとして炉外
に導出される。これらの高温排ガスは、乾燥炉等の系外
の廃熱利用システム又は廃熱回収装置に給送され、高温
ガスが保有する熱エネルギーの再利用又は再生がなされ
る。
【0005】しかしながら、高温炉内ガスを窯炉の燃焼
系外に送出した上で排熱回収する従来の排熱回収方式に
よれば、多量の熱エネルギーが燃焼系外に排出される。
これは、窯炉の燃焼系全体の熱収支バランス、燃料消費
量及びランニングコスト等を改善する上で望ましくな
い。従って、窯炉の燃焼系内における熱収支又は熱効率
を改善し得る装置構成又はシステム構成上の対策が必要
とされる。
【0006】また、焼成後の陶磁器原料を冷却する冷却
用空気として、常温外気が一般に使用されることから、
急冷帯及び冷却帯に導入される冷却用空気と、焼成直後
の高温の陶磁器原料との間には、かなりの温度差が生じ
る。これに対し、陶磁器原料の表層には、過大な熱応
力、或いは、急激な熱膨張・収縮作用等に起因すると思
われる表層クラック、割れ、或いは、所謂「切れ」等の
現象が発現し易い。従って、冷却用空気を効率的に予熱
した上で急冷帯及び冷却帯に供給し得る熱交換装置の開
発が要望される。
【0007】本発明は、かかる課題に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、窯炉の燃焼系外に
排出される高温排ガスの排熱を該燃焼系内において回収
し、窯炉の熱収支及び熱効率を効果的に改善し得る窯炉
の熱交換システム及び熱交換方法を提供することにあ
る。
【0008】本発明は又、急冷帯及び冷却帯等の冷却域
に導入すべき冷却用空気を効率的に予熱することができ
る窯炉の熱交換システム及び熱交換方法を提供すること
を目的とする。
【0009】本発明は更に、窯炉の熱収支及び熱効率を
全体的に改善する熱交換装置を備えるとともに、窯炉を
構成する各帯域の制御の独立性又は個別制御性を確保し
得る窯炉の燃焼システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
すべく、本発明は、相互に連通する予熱域、焼成域及び
冷却域を備えた窯炉に配設される熱交換装置において、
冷却用給気流を前記冷却域に導入する給気流供給路と、
予熱域の炉内高温ガスを炉外に導出する排ガス導出路
と、上記供給路又は導出路と連通可能な第1及び第2流
路と、該流路に介装され且つ上記給気流又は高温ガスと
選択的に伝熱接触する蓄熱体と、給気流又は高温ガスを
蓄熱体に選択的に伝熱接触せしめる切換装置とを有する
熱交換装置を提供する。上記蓄熱体は、高温ガス流と伝
熱接触し、該高温ガスが保有する顕熱を蓄熱するととも
に、上記給気流と伝熱接触して該給気流に放熱する。上
記高温ガス流は、低温の蓄熱体に伝熱接触し、上記給気
流は、高温の蓄熱体に伝熱接触し、該蓄熱体を介してな
される高温ガス流との熱交換作用により加熱される。
【0011】本発明は又、相互に連通する予熱域、焼成
域及び冷却域を備えた窯炉の熱収支を調整する熱交換方
法を提供する。冷却用給気流は、熱交換器を介して冷却
域に導入され、該給気流の導入により増量した冷却域の
炉内ガスは、少なくとも部分的に焼成域に流動し、該焼
成域の高温雰囲気に混合し、かかる炉内ガスの流入によ
り増量した焼成域の高温雰囲気は、上記予熱域に流動す
る。更に、高温雰囲気の流入により増量した予熱域の炉
内ガスは、高温排ガス流として上記熱交換器に導入さ
れ、該熱交換器を介してなされる上記高温排ガス流と上
記冷却用給気流との熱交換作用により、冷却用給気流
は、加熱される。
【0012】本発明の上記構成によれば、窯炉は、相互
連通した予熱域、焼成域及び冷却域を備えており、予熱
域の高温炉内ガスが保有する熱量は、冷却域に導入すべ
き冷却用給気流に対して熱伝導/熱伝達し、冷却用給気
流は、昇温する。従って、比較的高温の冷却用給気流
が、冷却域に導入される。冷却域の炉内ガスは、予熱域
の排ガス誘引作用によって焼成域に流動し、焼成域の炉
内ガスは、予熱域に流動する。この結果、冷却域から予
熱域に向かう炉内通風又は炉内循環流が形成される。冷
却域において焼成直後の高温の陶磁器原料から出熱した
熱エネルギーは、熱媒体として機能する炉内循環流によ
り焼成域及び予熱域に熱移動し、焼成域及び予熱域にお
いて消費される。予熱域に移動した熱エネルギーは、焼
成原料の予熱に使用されるとともに、予熱域の排ガス流
によって熱交換装置に導入され、上記熱交換器又は蓄熱
体の蓄熱作用及び放熱作用により上記冷却用給気流に熱
伝導/熱伝達する。かくして、熱交換装置、冷却域、焼
成域及び予熱域を含む窯炉の熱循環回路が窯炉に形成さ
れ、窯炉に入熱された熱エネルギーは、窯炉の燃焼系内
において排熱回収され、系内にて有効利用されるので、
窯炉の入熱/出熱バランスは向上し、窯炉の熱収支及び
熱効率は、可成り改善される。
【0013】他の観点より、本発明は、相互に連通する
予熱域、焼成域及び冷却域を備えた窯炉の燃焼システム
において、前記予熱域の炉内ガスを炉外に導出し、窯炉
の燃焼系外に排出する炉内ガス排出手段と、前記焼成域
の各制御区画の焼成温度及び/又は焼成雰囲気をゾーン
制御する各制御区画の切換蓄熱型バーナシステムと、冷
却用給気流を前記冷却域に導入する給気流導入手段と、
前記予熱域から導出された炉内ガスの高温排ガス流と、
前記冷却域に供給すべき低温の冷却用給気流とが交互に
流通可能な切換蓄熱型熱交換器とを有し、該熱交換器
は、前記高温排ガス流及び低温給気流と交互に伝熱接触
する蓄熱体を備え、該蓄熱体を介してなされる実質的に
直接的な前記高温排ガス流と前記低温給気流との熱交換
作用により、該給気流を加熱し且つ前記排ガス流を冷却
し、前記炉内ガス排出手段による炉内ガス誘引作用と、
前記給気流導入手段による給気流導入作用とにより、前
記冷却域から前記予熱域に向かう炉内ガス流が形成さ
れ、該炉内ガス流は、前記冷却域の余剰熱を前記焼成域
及び/又は前記予熱域に供給する熱移動手段を構成する
ことを特徴とする燃焼システムを提供する。
【0014】本発明の上記構成によれば、予熱域の炉内
ガス誘引作用と、冷却域の給気流導入作用とにより、冷
却域から予熱域に流動する炉内通風が生起し、焼成直後
の高温の陶磁器原料の出熱を焼成域及び予熱域に熱移動
する熱媒体循環流が、焼成炉に形成される。かくして、
熱交換装置、冷却域、焼成域及び予熱域を含む窯炉の熱
循環回路が、窯炉の燃焼系内に形成され、窯炉の入熱を
窯炉の燃焼系内にて熱回収し、燃焼系内の熱収支及び熱
効率を向上し得る燃焼システムが提供される。しかも、
焼成域の各制御区画に配設された切換蓄熱型バーナシス
テムにより、焼成域を構成する各帯域又は区画の制御の
独立性ないし個別制御性が確保される。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の好適な実施形態によれ
ば、上記熱交換器は、冷却用給気流又は高温排ガス流と
交互に伝熱接触可能な第1及び第2熱交換手段を有し、
該熱交換手段は、高温の排ガス流と伝熱接触し、排ガス
流が保有する顕熱を蓄熱する蓄熱する蓄熱モードと、低
温の給気流と伝熱接触し、該給気流を加熱する放熱モー
ドとを所定の時間間隔にて交互に実行する。
【0016】本発明の好適な実施形態において、上記切
換装置は、給気流を第1又は第2流路に選択的に導入す
る低温側の流路切換装置と、高温ガスを前記第1又は第
2流路に選択的に導入する高温側の流路切換装置と、流
路切換装置の切換位置を制御する制御装置とを備え、上
記蓄熱体は、第1流路に介装された第1蓄熱体と、第2
流路に介装された第2蓄熱体とを含む。上記流路切換装
置は、上記制御装置の制御下に、冷却用給気流を第1流
路に導入し且つ高温ガスを第2流路に導入する第1位置
と、給気流を前記第2流路に導入し且つ高温ガスを第1
流路に導入する第2位置とに交互に切換制御される。か
かる構成によれば、急冷帯及び冷却帯等の冷却域に導入
すべき冷却用空気を効率的に予熱することが可能とな
る。
【0017】更に好ましくは、流路切換装置の第1位置
において、冷却用給気流は、低温側流路切換装置、第1
蓄熱体及び高温側流路切換装置を介して給気流供給路に
導入され、第1蓄熱体を流通する際に該蓄熱体との伝熱
接触により加熱され、他方、高温ガス流は、高温側流路
切換装置を介して排ガス導出路から第2蓄熱体に導入さ
れ、第2蓄熱体を流通する際に該蓄熱体と伝熱接触して
冷却した後、前記低温側流路切換装置を介して熱交換シ
ステムの系外に送出される。流路切換装置の第2位置に
おいて、冷却用給気流は、低温側流路切換装置、第2蓄
熱体及び高温側流路切換装置を介して給気流供給路に導
入され、給気流は、第2蓄熱体を流通する際に該蓄熱体
との伝熱接触により加熱され、他方、高温ガス流は、高
温側流路切換装置を介して排ガス導出路から第1蓄熱体
に導入され、第1蓄熱体を流通する際に該蓄熱体と伝熱
接触して冷却した後、低温側流路切換装置を介して熱交
換システムの系外に送出される。低温の冷却用給気流
は、流路切換装置の切換位置に相応して第1又は第2蓄
熱体と交互に熱交換し、所定の温度域に継続的に加熱さ
れ、窯炉の冷却域に連続的に供給される。
【0018】本発明の更に好適な実施形態によれば、排
ガス導出路は、予熱域と連通する第1及び第2導出路を
有し、高温側流路切換装置は、第1導出路と連通する第
1切換弁と、第2導出路と連通する第2切換弁とを有す
る。第1位置において、第1切換弁は、第1蓄熱体と給
気流供給路とを連通し、第2切換弁は、第2蓄熱体と第
2導出路とを連通し、他方、第2位置において、第1切
換弁は、第1蓄熱体と第1導出路とを連通し、第2切換
弁は、第2蓄熱体と給気流供給路とを連通する。好まし
くは、第1導出路は、予熱域を画成する第1側壁に開口
し、第2導出路は、第1側壁と対向する予熱域の第2側
壁に開口する。
【0019】更に好ましくは、上記蓄熱体は、上記低温
給気流と上記燃焼排ガスとが交互に通過する多数の流路
を備えたハニカム型蓄熱体からなる。好適には、上記流
路切換手段の切換時間間隔は、60秒以下の所定時間に
設定される。
【0020】本発明の更に好適な実施形態によれば、上
記焼成域は、相互連通した複数の制御区画に区画され、
各制御区画は、個別制御可能な切換蓄熱型バーナシステ
ムを備え、バーナシステムは、焼成域の各制御区画の焼
成温度及び/又は焼成雰囲気をゾーン制御する。各制御
区画のバーナシステムは、各制御区画内に生成した燃焼
排ガスと、該制御区画に供給すべき燃焼用空気とに所定
時間毎に交互に伝熱接触する蓄熱体を備える。蓄熱体
は、蓄熱作用及び放熱作用を反復し、燃焼用空気は、蓄
熱体を介してなされる燃焼排ガスと燃焼用空気との熱交
換作用により継続的に高温予熱される。
【0021】以下、添付図面を参照して、本発明の好適
な実施形態について、詳細に説明する。図1は、本発明
の好適な実施形態に係る熱交換システムを備えた窯炉の
全体構成を示す概略ブロック図である。
【0022】全体を概略的に示す窯炉Kは、予熱域1、
焼成域2及び冷却域3により概ね構成される。未焼成陶
磁器原料Wの炉内装入領域を構成する予熱域1は、高速
切換式の蓄熱型熱交換装置10を備える。熱交換装置1
0は、予熱域1の高温排ガスを窯炉Kの燃焼系外に導出
するとともに、比較的高温の予熱空気流を冷却用空気と
して冷却域3に供給するように構成される。焼成域2
は、高温の焼成雰囲気を炉内に形成する高速切換式の蓄
熱型バーナシステム50を備える。冷却域3は、上記冷
却用空気を炉内領域に導入する冷却用空気導入手段(冷
却用空気導入口)30を備え、焼成直後の陶磁器原料W
を強制冷却する。
【0023】予熱域1の排ガス導出路HGが、熱交換装置
10の高温側流路切換装置14を介して第1及び第2熱
交換器11、12と選択的に連通し、熱交換器11、1
2は、低温側流路切換装置13を介して低温排ガス流路
CGと選択的に連通する。排ガス流路CGは、排気誘引形式
の送風機18に接続され、送風機18の吐出口は、排気
ガス送出路EGの上流端に接続される。排ガス送出路EG
は、排気浄化装置等の排気処理設備EXを介してスタック
等の大気解放手段(図示せず)に接続される。外界雰囲
気の常温空気を冷却用空気として誘引可能な外気導入路
CAが、給気押込形式の給気ファン16に接続され、送風
機16の吐出口は、給気導入路CSの上流端に接続され
る。給気導入路CSは、熱交換装置10の低温側流路切換
装置13、熱交換器11、12および高温側流路切換装
置14を介して冷却用空気給送路HSの上流端に接続さ
れ、給送路HSは、給気押込形式の送風機17に接続され
る。送風機17の吐出口は、冷却用空気供給路HAの上流
端に接続され、供給路HAの下流端は、冷却域3の冷却用
空気導入手段30に接続される。
【0024】第1及び第2熱交換器11、12は夫々、
多数の狭小流路を備えたハニカム構造の蓄熱体15を備
える。蓄熱体15は、多数のセル孔を備えたハニカム構
造のセラミック製蓄熱体からなり、セル孔は、高温流体
及び低温流体が通過可能な複数の流路(ハニカム流路)
を構成する。蓄熱体15は、予熱域1の高温排ガス(温
度Thi )と、低温の冷却用空気(温度Tci )とに交互に
伝熱接触し、予熱域1の高温排ガス(温度Thi )が保有
する顕熱を蓄熱し、高温排ガス(温度Thi )を所定の温
度域(温度Tho )に冷却するとともに、蓄熱した熱エネ
ルギーを低温の冷却用空気(温度Tci )に対して放熱
し、冷却用空気を所定の温度域(温度Tco)に加熱す
る。降温した予熱域1の排ガス(温度Tho )は、比較的
低温の窯炉排ガスとして排気系CG,18,EG,EX を介して窯
炉Kの燃焼系外に排気され、昇温した冷却用空気流(温
度Tco )は、比較的高温の冷却用空気として冷却域3に
継続的に導入される。熱交換器11、12の切換動作
は、例えば、90秒以下に設定された所定時間毎に交互
に反復実施され、高温排ガス及び低温冷却用空気は、各
熱交換器11、12のハニカム型蓄熱体15を短時間に
交互に流通する。かくして、熱交換装置10は、蓄熱体
15と冷却用空気又は高温排ガスとの周期的な伝熱接触
により、冷却用空気を比較的高温に予熱し且つ排ガス温
度を低下させる高周期蓄熱方式の熱交換システムを構成
する。
【0025】好適な熱交換装置10の設定温度条件とし
て、例えば、冷却域3に供給すべき冷却用空気流の温度
Tco を400℃乃至500℃程度の範囲内の所定温度に
設定し、予熱域1の排ガス温度Thi を500℃乃至80
0℃程度の範囲内の所定温度に設定し、更に、排気処理
設備EXに給送すべき低温排ガスの温度Tho を150℃乃
至200℃程度の範囲内の所定温度に設定し得る。
【0026】高速切換式の蓄熱型バーナシステム50
が、焼成域2に配設される。バーナシステム50は、バ
ーナユニット51、52、流路切換装置53、強制排気
ファン55及び強制給気ファン56を有し、各バーナユ
ニット51、52は、多数の狭小流路を備えたハニカム
構造の蓄熱体54を備える。強制給気ファン56は、外
気導入路OAを介して吸引した燃焼用空気流を第1及び第
2バーナユニット51、52に交互に導入し、一方のバ
ーナユニット51、52の焚口20に炉内燃焼火炎を形
成するとともに、燃焼作動を停止した他方のバーナユニ
ット51、52の焚口20を介して、強制排気ファン5
5の排気誘引圧力下に炉内燃焼排ガスを炉外に導出し、
排気導出路EAを介して系外に排気する。バーナユニット
51、52の交互の切換制御は、例えば、90秒以下に
設定された所定時間毎に反復実施され、低温の燃焼用空
気は、各バーナユニット51、52の各ハニカム型蓄熱
体54を交互に流通する。かくして、燃焼用空気は、蓄
熱体54を介してなされる燃焼用空気と高温燃焼排ガス
との実質的に直接的な熱交換作用により、800℃乃至
1000℃を超える超高温域に予熱され、高温空気流と
して焼成域2の炉内領域に継続的に導入され、焼成域2
は、炭化水素系燃料の炉内燃焼反応を超高温燃焼空気の
存在下に生起し且つ維持する。
【0027】好適なバーナシステム50の設定温度条件
として、例えば、低温の燃焼用空気の温度を10乃至3
0℃程度の範囲内の所定温度に設定し、上記高温空気流
の温度を800℃乃至1400℃程度の範囲内の所定温
度に設定し、焼成域2の燃焼排ガス温度を1000℃乃
至1600℃程度の範囲内の所定温度に設定し、更に、
排気導出路EAの排ガス温度を200℃乃至400℃程度
の範囲内の所定温度に設定し得る。
【0028】図2は、図1に示す熱交換装置10の全体
構成を示す概略ブロックフロー図である。なお、図2
(A)には、熱交換装置10の第1燃焼工程(第1位
置)の作動態様が示されており、図2(B)には、熱交
換装置10の第2燃焼工程(第2位置)の作動態様が示
されている。
【0029】熱交換装置10は、対をなす第1及び第2
熱交換器11、12を備え、熱交換器11、12は、排
ガス導出路HGを介して導入された予熱域1の高温排ガス
と伝熱接触し、吸熱するとともに、給気導入路CSを介し
て導入された低温の冷却用空気流に対して放熱し、降温
する。
【0030】給気導入路CSの下流端は、低温側の流路切
換装置13に接続される。流路切換装置13は、第1給
排路L1を介して第1熱交換器11と相互連通するととも
に、第2給排路L2を介して第2熱交換器12と相互連通
する。第1熱交換器11は、第3給排路L3を介して高温
側の流路切換装置14と相互連通し、第2熱交換器12
は、第4給排路L4を介して流路切換装置14と相互連通
する。流路切換装置14は、排ガス導出排路HGの下流端
に接続され、排ガス導出排路HG及び排ガス導出口19
(図1)を介して予熱域1の炉内領域と連通する。
【0031】熱交換装置10は、図2(A)に示す第1
熱交換工程において、流路切換装置13、14を第1位
置に保持する。流路切換装置13は、第1位置におい
て、給気導入路CSと第1給排路L1とを相互連通させると
ともに、低温排ガス流路CGと第2給排路L2とを相互連通
させる。流路切換装置14は、第1位置において、排ガ
ス導出路HGと第4給排路L4とを相互連通させるととも
に、冷却用空気給送路HSと第3給排路L3とを相互連通さ
せる。
【0032】第1熱交換工程(図2(A))において、
予熱域1から導出された高温の排ガス流は、排ガス導出
路HGを介して高温側の流路切換装置14に導入され、第
1位置の流路切換装置14は、排ガス流を第2熱交換器
12に導入する。高温の排ガス流は、第2熱交換器12
を構成するハニカム型蓄熱体15の流路(セル孔)を流
通し、蓄熱体15の壁体(セル壁)と伝熱接触する。こ
の結果、第2熱交換器12の温度は上昇し、排ガス流の
温度は降下する。第2熱交換器12を通過した排ガス流
は、低温排ガスとして低温側の流路切換装置13に導入
され、第1位置の流路切換装置13は、排ガス流を低温
排ガス流路CGに送出する。他方、給気導入路CSを介して
低温側の流路切換装置13に導入された低温の冷却用空
気流は、第1位置の流路切換装置13を介して第1熱交
換器11に導入される。冷却用空気流は、第1熱交換器
11を構成するハニカム型蓄熱体15の流路を流通し、
蓄熱体15と伝熱接触する。この結果、第1熱交換器1
1は降温し、冷却用空気流は昇温する。第1熱交換器1
1を通過した冷却用空気流は、比較的高温の冷却用空気
として高温側の流路切換装置14に導入され、第1位置
の流路切換装置14は、冷却用空気流を冷却用空気給送
路HSに送出する。
【0033】熱交換装置10は、図2(B)に示す第2
熱交換工程おいて、流路切換装置13、14を第2位置
に保持する。流路切換装置13は、第2位置において、
給気導入路CSと第2給排路L2とを相互連通させるととも
に、低温排ガス流路CGと第1給排路L1とを相互連通させ
る。流路切換装置14は、第2位置において、排ガス導
出路HGと第3給排路L3とを相互連通させるとともに、冷
却用空気給送路HSと第4給排路L4とを相互連通させる。
【0034】第2熱交換工程(図2(B))において、
排ガス導出路HGを介して高温側の流路切換装置14に導
入された予熱域1の高温排ガス流は、第2位置の流路切
換装置14を介して、第1熱交換器11に導入される。
高温の排ガス流は、第1熱交換器11のハニカム型蓄熱
体15の流路を流通し、蓄熱体15と伝熱接触し、この
結果、第1熱交換工程において冷却した第1熱交換器1
1は加熱され、逆に、排ガス流の温度は低下する。第1
熱交換器11を通過した比較的低温の排ガス流は、低温
側の流路切換装置13を介して、低温排ガス流路CGに送
出される。他方、給気導入路CSを介して流路切換装置1
3に導入された低温の冷却用空気流は、第2位置の流路
切換装置13を介して第2熱交換器12に導入され、第
1熱交換工程において昇温した第2熱交換器12の蓄熱
体15と伝熱接触し、かくして、第2熱交換器12は冷
却し、冷却用空気流は昇温する。第2熱交換器12を通
過した比較的高温の冷却用空気流は、流路切換装置13
を介して、冷却用空気給送路HSに送出される。
【0035】図2に示す如く、熱交換装置10は、流路
切換装置13、14の作動を制御する電子式制御装置CU
を備える。制御装置CUは、制御信号線(仮想線で示す)
を介して流路切換装置13、14の各駆動制御部に接続
される。制御装置CUの制御部は、流路切換装置13、1
4の切換時期を可変制御し且つ調時するとともに、流路
切換装置13、14の同期切換制御を所定時間毎に反復
実行し、流路切換装置13、14の切換時期及び切換位
置を同期制御する。制御装置CUは更に、上記送風機1
6、17、18の各駆動制御部(図示せず)に接続さ
れ、各送風機16、17、18の原動機(図示せず)の
作動及び送風量を可変制御する。
【0036】かくして、流路切換装置13、14は、制
御装置CUの制御下に、第1熱交換装置11が放熱し且つ
第2熱交換装置12が蓄熱する第1位置(図2(A))
と、第2熱交換装置12が放熱し且つ第1熱交換装置1
1が蓄熱する第2位置(図1(B))とに交互に切換え
られ、熱交換装置10は、第1及び第2熱交換工程を交
互に実行する。なお、流路切換装置13、14の切換時
間間隔は、好ましくは、60秒以下、更に好ましくは、
30秒以下の所定時間に設定される。
【0037】図1に示す如く、未焼成の陶磁器原料W
が、予熱域1に装入され、焼成域2を通過し、バーナシ
ステム50が形成する燃焼火炎により、酸化炎焼成、中
性炎焼成及び/又は還元炎焼成等の所定の焼成反応が陶
磁器原料Wに作用する。焼成反応した高温の陶磁器原料
Wは、冷却域3に移送される。冷却用空気吐出口等の冷
却用空気導入手段30は、冷却用空気供給路HAから供給
された比較的高温の冷却用空気流を炉内に吹込み、陶磁
器原料Wは、冷却用空気に伝熱接触し、冷却作用を受け
る。陶磁器原料Wとの熱交換作用により昇温した冷却用
空気流は、炉内循環流RAとして、焼成域2に流入し、焼
成域2の炉内焼成雰囲気に混合する。焼成域2の炉内ガ
ス量は、炉内循環流RAの流入により増量し、余剰の高
温燃焼ガスは、炉内循環流RBとして予熱域1に流出す
る。炉内循環流RBの流入によって予熱域1の高温ガス量
は増量し、余剰の高温ガスは、予熱域1の排ガス導出口
19を介して熱交換装置10の排ガス導出路HGに流出す
る。
【0038】排ガス導出路HGの高温排ガスは、送風機1
8の排気誘引圧力下に第1熱交換器11(第2熱交換工
程)又は第2熱交換器12(第1熱交換工程)に交互に
導入され、熱交換器11、12を加熱し且つガス温を低
下した後、比較的低温の排ガスとして低温側の流路切換
装置13に導入され、流路切換装置13は、第1排ガス
流路CG、送風機18、排気ガス送出路EG及び排気処理設
備EXを介して、排ガス流を系外に排気する。
【0039】給気導入路CSを介して流路切換装置13に
導入された低温の冷却用空気流は、送風機16の給気圧
力下に第1熱交換器11(第1熱交換工程)又は第2熱
交換器12(第2熱交換工程)に交互に導入され、高温
排ガスとの熱交換作用により加熱された第1又は第2熱
交換器11、12と伝熱接触し、昇温する。熱交換器1
1、12を通過した比較的高温の冷却用空気流は、流路
切換装置14を介して、冷却用空気給送路HSに継続的に
送出され、送風機17の給気圧力下に冷却用空気供給路
HAを介して冷却域3に供給される。
【0040】冷却域3において陶磁器原料Wと熱交換
し、更に昇温した冷却用空気流は、炉内循環流RAとして
焼成域3内に流入し、冷却用空気流が保有する熱エネル
ギーは、焼成域2において利用される。冷却用空気流の
流入により増量した焼成域2の高温ガスは、少なくとも
部分的に予熱域1に流入し、該流入ガスが保有する熱量
は、予熱域1の炉内雰囲気を加熱する熱エネルギーとし
て消費される。
【0041】かくして、上記構成の窯炉燃焼システムに
よれば、窯炉Kは、高速切換式の蓄熱型バーナシステム
50を備えた焼成域2と、予熱域1の高温排ガスが保有
する顕熱を冷却用空気流に熱伝導/熱伝達し、該空気流
を加熱する熱交換装置10とを備え、熱交換装置10
は、第1及び第2熱交換器11、12と、高温燃焼ガス
及び冷却用空気流の流路を交互に切替える低温側及び高
温側の流路切換装置13、14とを備える。かかる構成
によれば、比較的低温の冷却用空気流は、第1及び第2
熱交換器11、12に交互に伝熱接触し、所定の温度域
に加熱され、比較的高温の冷却用空気流として冷却域3
に導入される。従って、冷却域3に移送された高温の陶
磁器原料Wと冷却用空気との過大な温度差を解消し、ヒ
ートショック又は急冷作用に伴う陶磁器原料Wの割れ、
クラック誘発又は所謂「切れ」等の現象を確実に回避し
つつ、陶磁器原料Wを所望の温度勾配に従って冷却する
ことが可能となる。しかも、冷却域3の冷却用空気流
は、炉内循環流RAとして焼成域2に流入し、焼成域2の
高温雰囲気及び上記冷却用空気流は、部分的に炉内循環
流RBとして予熱域1に流入し、かくして、熱交換装置1
0を含む熱媒体循環回路が、窯炉Kに形成される。この
結果、冷却用空気流が保有する熱エネルギーは、焼成域
2、予熱域1及び熱交換装置10にて回収され、窯炉K
の熱効率は、大幅に改善する。
【0042】
【実施例】図3は、本発明の実施例に係る熱交換装置を
備えた陶磁器タイル焼成窯炉の全体構成及び窯炉内温度
分布を示す概略フロー図及び温度線図である。また、図
4は、図1に示す予熱帯の第1又は第2制御区画におけ
る炉幅方向の概略縦断面図であり、図5は、予熱帯の第
3又は第4制御区画における炉幅方向及び炉長方向の概
略縦断面図である。
【0043】建築物外装用薄型タイル等の陶磁器タイル
又はセラミックスタイルの焼成窯炉として構成されたロ
ーラーハースキルンRHの全体構成が、図3(A)に概略
的に図示されている。ローラーハースキルンRHは、耐火
材料で成形された炉体60と、炉体60内に配設された
ローラー式搬送装置61とを備える。搬送装置61は、
図4及び図5に示す如く、炉体60の幅員方向に配向さ
れた多数のセラミック製又は耐熱鋼製ローラー62を備
え、各ローラー62は、回転駆動装置(図示せず)に対
して作動的に連結される。相互に狭小間隔を隔てた多数
のローラー62は、炉体60の全長に亘って整列配置さ
れ、炉体60の軸線方向に実質的に連続する焼成原料搬
送手段を炉内領域に形成する。
【0044】複数の陶磁器タイル素地(ワーク)Wを載
荷した耐火・耐熱板63が、ローラー62上に配置され
る。ローラー62上の耐火・耐熱板63は、予熱帯Aに
導入され、ローラー62の回転運動により炉長方向に移
送される。耐火・耐熱板63上の複数の陶磁器タイル素
地Wは、所定速度にて炉体60の軸線方向に搬送され、
各種焼成工程を経た後、焼成製品として冷却帯Fからキ
ルンRH外に搬出される。
【0045】炉体60の炉内領域は、炉長方向に順次配
置され且つ相互に連通する一連の予熱帯A、焼成帯B、
発色帯C、急冷帯D、転移点域E及び冷却帯Fに区画さ
れる。予熱帯Aは、上記予熱域1を構成し、焼成帯B
は、上記焼成域2を構成する。また、発色帯C、急冷帯
D、転移点域E及び冷却帯Fは、上記冷却域3を構成す
る。陶磁器タイル素地Wの焼成に適した所謂ヒートカー
ブ(図1(B))が予め設定され、該ヒートカーブは、
炉内温度を約500℃から約1200乃至1300℃の
最高温度域まで段階的に昇温する予熱帯A及び焼成帯B
のステップ状昇温部分と、最高温度域から転移点温度域
まで炉内温度を漸減的に降温する発色帯C及び急冷帯D
の温度降下部分と、転移点温度から窯炉出口温度まで降
温する転移点域E及び冷却帯Fの最終降温部分とを含
む。
【0046】ローラーハースキルンRHは、上記バーナシ
ステム50を予熱帯A及び焼成帯Bに備える。各炉内帯
域A乃至Fの炉内温度は、上記熱交換装置10及びバー
ナシステム50を含むキルンRHの各種加熱手段及び冷却
手段により所要の温度に制御され、図3(B)に示すヒ
ートカーブに相応する炉内領域の所要温度条件が維持・
管理される。搬送装置61にて搬送される耐火・耐熱板
63上の陶磁器タイル素地Wは、温度管理及び雰囲気管
理された各帯域A乃至Fの高温焼成雰囲気を通過する間
に、所期の温度パターン及び焼成パターンに従って加熱
され且つ冷却され、所望の陶磁器タイル製品として焼成
される。なお、冷却帯Fから搬出される陶磁器タイル製
品の表面温度は、少なくとも約200℃程度の温度を有
する。
【0047】予熱帯Aは、ドロップアーチ(図示せず)
により4つの制御区画A1:A2:A3:A4に区画され、未焼成
の陶磁器タイル素地Wを導入すべき第1制御区画A1と、
第1制御区画に後続する第2乃至第4制御区画A2:A3:A4
とを有する。予熱帯Aと連通する焼成帯Bは、ドロップ
アーチ(図示せず)によって6つの制御区画B1:B2:B3:B
4:B5:B6 に区画される。高速切換式の蓄熱型バーナシス
テム50は、予熱帯Aの第3及び第4制御区画A3:A4 に
おいて、搬送装置61の下方域に配設されるとともに、
焼成帯Bの各制御区画B1:B2:B3:B4:B5:B6 において、搬
送装置61の上方域及び下方域に夫々配設される。予熱
帯A及び焼成帯Bに配置された各バーナシステム50
は、実質的に同一の構成を有する。
【0048】図4には、予熱帯Aの第3又は第4制御区
画A3:A4 に配設された熱交換装置10の全体構造が図示
されている。図4(A)には、熱交換装置10の第1燃
焼工程(第1位置)の作動態様が示され、図4(B)に
は、熱交換装置10の第2燃焼工程(第2位置)の作動
態様が示されている。
【0049】図4に示す熱交換装置10は、図1及び図
2に示す基本構成を備えた高速切換式の蓄熱型熱交換シ
ステムを構成する。本例の熱交換装置10において、低
温側の流路切換装置13は、4方弁構造の切換弁からな
り、切換弁13は、第1位置又は第2位置に選択的に変
位可能な回転式の弁体を備える。流路切換装置13の各
ポートは、給気導入路CS、低温排ガス流路CG、第1給排
路L1及び第2給排路L2と夫々連通する。これに対し、高
温側の流路切換装置14は、第1切換弁14a及び第2
切換弁14bから構成され、第1切換弁14aは、第1
導出路HG1を介して第1導出口19aと連通し、第2切
換弁14bは、第2導出路HG2を介して第2導出口19
bと連通する。第1及び第2導出路HG1、HG2は、図1
及び図2に示す排ガス導出路HGを構成し、第1及び第2
導出口19a、19bは、図1に示す排ガス導出口19
を構成する。また、冷却用空気給送路HSに合流する第1
給送路HS1及び第2給送路HS2が、第1切換弁14a及
び第2切換弁14bに夫々接続される。
【0050】第1導出口19aは、搬送装置61の下方
域において、予熱帯Aの第1側壁に開口し、第2導出口
19bは、第1導出口19aと対向する位置において、
予熱帯Aの第2側壁に開口する。第1熱交換工程(図4
(A))において、第1及び第2切換弁14a、14b
は、第1位置に夫々位置する。第1切換弁14aは、第
1給送路HS1と第1給排路L1とを連通させ、第2切換弁
14bは、第2導出路HG2と第2給排路L2とを連通させ
る。他方、第2熱交換工程(図4(B))において、第
1及び第2切換弁14a、14bは、第2位置に夫々位
置する。第1切換弁14aは、第1導出路HG1と第1給
排路L1とを連通させ、第2切換弁14bは、第2給送路
HS2と第2給排路L2とを連通させる。
【0051】第1熱交換工程(図4(A))において、
予熱帯Aの炉内高温ガスは、第2導出口19b及び第2
導出路HG2を介して第4給排路L4に導入され、第2熱交
換器12の蓄熱体15と熱交換した後、低温排ガスとし
て第2給排路L2、切換弁13及び低温排ガス流路CGから
系外に送出される。切換弁13に供給された低温の冷却
空気流は、第1給排路L1を介して第1熱交換器11に導
入され、第1熱交換器11の蓄熱体15と熱交換した
後、比較的高温の冷却用空気流として第3給排路L3及び
第1切換弁14aから第1給送路HS1に送出される。
【0052】他方、第2熱交換工程(図4(B))にお
いて、予熱帯Aの炉内高温ガスは、第1導出口19a及
び第1導出路HG1を介して第3給排路L3に導入され、第
1熱交換器11の蓄熱体15と熱交換した後、低温排ガ
スとして第1給排路L1、切換弁13及び低温排ガス流路
CGから系外に送出される。切換弁13に供給された低温
の冷却空気流は、第2給排路L2を介して第2熱交換器1
2に導入され、第2熱交換器12の蓄熱体15と熱交換
した後、比較的高温の冷却用空気流として第4給排路L4
及び第2切換弁14bから第2給送路HS2に送出され
る。
【0053】第1及び第2熱交換工程は、好適には60
秒以下、更に好適には、30秒以下に設定された所定の
時間間隔にて交互に反復実施され、冷却用空気流は、第
1又は第2熱交換器11、12と交互に熱交換し、第1
又は第2給送路HS1、HS2に交互に送出される。図3に
示す如く、第1又は第2給送路HS1、HS2は、冷却用空
気給送路HSに合流し、冷却用空気流は、送風機17の給
気圧力下に給送路HS及び供給路HAを介して急冷帯D及び
冷却帯Fに圧送される。
【0054】図5には、予熱帯Aの第3又は第4区画域
A3:A4 に配置されたバーナシステム50の構成が図示さ
れている。図5に示すバーナシステム50は、焼成帯B
の第1乃至第6区画域B1:B2:B3:B4:B5:B6 の上方域及び
下方域にも又、同様に配設される。
【0055】各バーナシステム50は、炉長方向に所定
間隔を隔てて配置された一対のバーナユニット51、5
2と、4方弁形式の流路切換装置53とを備え、流路切
換装置53は、給排気路58、59を介して各バーナユ
ニット51、52に連結される。各バーナユニット5
1、52は、多数の狭小流路を備えたハニカム構造の蓄
熱体54(54a、54b)と、LNG又はLPG等の
炭化水素系燃料を炉内給気流に供給する燃料供給装置5
7とを備える。
【0056】流路切換装置53は、好適には60秒以
下、更に好適には、30秒以下に設定された所定の時間
間隔にて第1位置又は第2位置に交互に切換えられ、各
バーナユニット51、52に対する燃焼用空気及び燃焼
排ガスの給排制御を実施する。図5(B)に示す流路切
換装置53の第1位置において、第1バーナユニット5
1は燃焼作動する。炉内の燃焼排ガスは、第2バーナユ
ニット52の蓄熱体54bを流通し、蓄熱体54bと熱
交換した後、給排気路59、強制排気ファン55及び排
気導出路EAを介して排気される。他方、流路切換装置
53の第2位置(図示せず)において、第2バーナユニ
ット52は燃焼作動し、炉内の燃焼排ガスは、第1バー
ナユニット51及び給排気路58を介して排気され、第
1バーナユニット51の蓄熱体54aと熱交換する。
【0057】強制給気ファン56は、外気導入路OAを
介して外界雰囲気の燃焼用空気を流路切換装置53に圧
送する。流路切換装置53は、第1位置において、給排
路58を介して燃焼用空気を第1バーナユニット51に
導入し、燃焼用空気は、高温の蓄熱体54aと伝熱接触
し、800℃以上、好ましくは、1000℃以上の高温
に予熱される。高温予熱された給気流は、該給気流を高
速化するように縮径した焚口20を介して約60乃至1
00m/sの吹込み速度で炉内領域に流入する。燃料供
給装置57は、炭化水素系燃料を炉内領域に吐出し、炭
化水素系燃料を高温且つ高速の燃焼用空気流に供給し、
高温の予熱空気の存在下に生起する炭化水素系燃料の燃
焼反応により、搬送装置61の下方域に火炎を形成す
る。炉内に生成した燃焼排ガスは、強制排気ファン55
の排気誘引圧力下に第2バーナシステム52の蓄熱体5
4bに流入する。蓄熱体54bの狭小流路(ハニカム流
路)を通過する燃焼排ガスの保有顕熱は、燃焼排ガスと
蓄熱体54bのハニカム壁体(セル壁)との熱交換作用
により、蓄熱体54bのハニカム壁体に伝熱し、蓄熱体
54bに蓄熱される。蓄熱体54bを加熱した結果とし
て降温した燃焼排ガスは、排気導出路EAを介して大気
に放出される。
【0058】引き続く流路切換装置53の第2位置にお
いて、燃焼用空気は、強制給気ファン56の給気圧力下
に給排路59を介して第2バーナユニット52に導入さ
れ、高温に加熱された第2バーナユニット52の蓄熱体
54bと伝熱接触し、蓄熱体54bとの熱交換作用によ
り800℃乃至1000℃以上の高温に予熱される。燃
料供給装置57が噴射する炭化水素系燃料は、高温且つ
高速の燃焼用空気流と混合し、炉内燃焼火炎を形成す
る。炉内に生成した燃焼排ガスは、強制排気ファン55
の排気誘引圧力下に第1バーナシステム51の蓄熱体5
4aを介して排気され、燃焼排ガスが保有する顕熱は、
蓄熱体54aに蓄熱される。
【0059】なお、図5には、燃料供給装置57の燃料
供給ノズル先端部又はバーナスロート部のみが図示され
ており(図5(B))、燃料供給設備57を構成するパ
イロットバーナ及び燃料供給制御弁等の付属設備につい
ては、図を簡略化するために、図示を省略されている。
【0060】図3に示す焼成帯Bの第1乃至第6区画域
B1:B2:B3:B4:B5:B6 には、予熱帯Aのバーナシステム5
0と実質的に同一の構成を有するバーナシステム50
が、搬送装置61の上方域及び下方域に夫々配設され
る。即ち、焼成帯Bの下位及び上位バーナシステム50
は夫々、炉内に生成した燃焼排ガスを流通可能な左右一
対のハニカム型蓄熱体と、炭化水素系燃料を炉内に導入
可能な燃料供給装置と、燃焼排ガス及び燃焼用空気流の
流路を所定時間、例えば、60乃至30秒以下の所定時
間毎に交互に切換制御可能な4方弁形式の流路切換装置
とを備えており、各バーナシステム50は、各ハニカム
型蓄熱体を介してなされる燃焼用空気流と燃焼排ガス流
との実質的に直接的な熱交換作用により、燃焼用空気流
を加熱し、800℃乃至1000℃を超える高温給気流
を炉内に継続的に導入し、炭化水素系燃料の燃焼反応に
より、炉内領域に火炎を形成する。焼成帯Bの各バーナ
システム50は、搬送装置61の下方域及び上方域の焼
成雰囲気を夫々制御し、炉内雰囲気を適正温度に維持・
管理するとともに、所望により酸化炎、中性炎又は還元
炎等の各種形態の火焔を炉内に生成する。焼成帯Bの各
制御区画B1:B2:B3:B4:B5:B6 の炉内温度及び焼成雰囲気
は、各バーナシステム50の個別制御により実質的にゾ
ーン制御され、焼成帯Bの温度特性は、図3(B)に示
す如く、段階的に昇温するステップ状ヒートカーブを実
現する。
【0061】図6は、図4及び図5に示す熱交換器1
1、12及びバーナユニット51、52を構成する蓄熱
体15の全体斜視図(図6A)及び部分拡大斜視図(図
6B)である。
【0062】低温空気流及び高温ガス流が流通する熱交
換器11、12及びバーナユニット51、52の蓄熱体
15は、多数のセル孔15aを備えたハニカム構造のセ
ラミックス製蓄熱体からなり、セル孔15aは、低温空
気流及び高温ガス流が交互に通過可能な複数の流路を構
成する。この種の蓄熱体として、例えば、アンモニア選
択接触還元法等においてハニカム型触媒の担体として一
般に使用され且つ多数の狭小流路(セル孔)を備えるセ
ラミック製ハニカム構造体を好適に使用し得る。
【0063】第1及び第2熱交換装置11、12を構成
する蓄熱体は、熱交換器11、12及びバーナユニット
51、52に組み込み可能な全体形状、幅員W、全長L
及び全高Hを備えるとともに、複数の正方形断面のセル
孔(流路)15aを備えた格子状のハニカム構造体に成
形される。各流路15aを形成するセル壁15bの壁厚
b及び各セル壁15bのピッチ(壁体間隔)Pは、好ま
しくは、蓄熱体15の容積効率の最大値に相応し且つ
0.7乃至1.0の範囲内のの温度効率を確保し得る所
望の壁厚b及びピッチPに設定される。更に好適には、
セル壁15bの壁厚bは、1.6mm以下の所定厚に設定
され、セル壁ピッチPは、5.0mm以下の所定値に設定
される。この種の蓄熱体の具体的な構造詳細について
は、本願出願人による特願平2−415583号(特開
平4−251190号公報)又は特願平5−6911号
(特開平6−213585号公報)等に詳細に開示され
ているので、更なる詳細な説明は、該特許出願を引用す
ることにより省略する。なお、蓄熱体を構成するハニカ
ム構造は、流体通路を分割して蜂の巣状に配列した構造
のものを広く包含しており、ハニカム構造の流路断面性
状は、図6に示す方形断面形状に限定されるものではな
く、三角形、円形、正方形、長方形、六角形等の他、円
管、板体などを組合せたものなどを含む種々の形式ない
し形態の流路断面に設計し得る。
【0064】図1に示す如く、焼成帯Bと連通する発色
帯Cの降温特性は、比較的緩慢な降温勾配に規制され、
陶磁器タイル表層に所望の発色を促進し得る徐冷雰囲気
が、発色帯Cに形成される。発色帯Cには、炉内高温ガ
スを部分的に系外に導出可能な導出口70が開口し、導
出口70は、連通路71を介して排ガス流路91と連通
する。
【0065】発色帯Cに後続する急冷帯Dは、発色帯C
を通過した陶磁器タイル原材料Wを実質的に転位点温度
まで比較的急速に冷却する。急冷帯Dは、炉体60の頂
壁に配設された複数の冷却用空気吐出口30を備える。
各吐出口30は、冷却用空気導入路31と連通し、各導
入路31は、冷却用空気供給路HAの第1分岐路HA1 と連
通する。熱交換装置10の冷却用空気流が、吐出口30
を介して急冷帯Dに導入され(打ち込まれ)、冷却用空
気流は、陶磁器タイル原材料Wに対して吹付けられる。
かくして、冷却用空気の所謂「急冷打込み」が、急冷帯
Dにおいて実施される。
【0066】急冷帯Dに後続する転移点域Eは、急冷帯
Dにて比較的急速に冷却された陶磁器タイル原材料Wを
転移点温度近傍の雰囲気温度にて冷却し、更に、転移点
域Eに後続する冷却帯Fは、転移点域Eを通過した陶磁
器タイル原材料Wを200乃至300℃付近の搬出可能
温度まで冷却した後、ローラーハースキルンRHの機外に
搬出する。冷却空気流を概ね水平方向に炉内に吐出する
冷却用空気導入口40が、炉体60の側壁に開口し、冷
却用空気導入路41が、導入口40に夫々接続される。
導入路41は、冷却用空気供給路HAの第2分岐路HA2 と
連通する。熱交換装置10の冷却用空気流が、導入口4
0を介して冷却帯Fに導入され(打込まれ)、陶磁器タ
イル原材料Wに対して平行に流れる冷却空気流が、炉内
に形成される。かくして、冷却空気流を炉内に導入する
(打ち込む)所謂「冷却打込み」が、冷却帯Fにおいて
実施される。
【0067】冷却帯Fは更に、冷却帯Fの炉内高温ガス
を部分的に炉外に排気可能な複数の排気口80を備え、
各排気口80は、連通路81を介して排ガス流路91と
連通する。比較的高温の炉内排ガスを誘引する排気誘引
ファン90が、排ガス流路91の下流端に接続され、誘
引ファン90の吐出口が、排ガスダクトEXに接続され
る。排ガスダクトEXの下流端は、ドライヤー(図示せ
ず)等の廃熱利用装置に連結され、或いは、所望の廃熱
回収装置等に連結される。
【0068】次に、上記ローラハースキルンRH全体の作
動形態について説明する。上記構成のローラーハースキ
ルンRHは、搬送装置61、熱交換装置10、バーナシス
テム50及び各種送風装置の作動により起動する。バー
ナシステム50の燃焼作動により、予熱帯Aの制御区画
A3:A4 および焼成帯Bの制御区画B1:B2:B3:B4:B5:B6 に
高温予熱雰囲気及び焼成雰囲気が形成され、熱交換装置
10の熱回収作用及び熱媒体循環作用により、急冷帯D
及び冷却帯Fから発色帯C、焼成帯B及び予熱帯Aに流
動する炉内ガス流が形成される。各制御区画A3:A4:B1:B
2:B3:B4:B5:B6 は、バーナシステム50の個別制御によ
りゾーン制御され、所期のヒートカーブ(図1(B))
に相応して段階的に昇温する所望の加熱・焼成雰囲気
が、予熱帯A及び焼成帯Bに形成される。
【0069】熱交換装置10を構成する蓄熱体15は、
予熱帯Aの高温排ガスと、急冷帯D及び冷却帯Fに供給
すべき冷却用空気流とに交互に伝熱接触し、これによ
り、高温排ガスが保有する顕熱を冷却用空気流に熱伝達
し、冷却用空気流を所望の温度に予熱する。急冷打込み
用の給気系HA1、31、30を介して急冷帯Dに導入さ
れた比較的高温の冷却用空気流は、焼成直後の高温の陶
磁器原料Wと接触し、陶磁器原料Wとの熱交換作用によ
り、陶磁器原料Wを冷却した後、高温化した炉内ガスと
して発色帯Cに流入する。冷却打込み用の給気系HA2、
41、40を介して冷却帯Fに導入された比較的高温の
冷却用空気流は、転移点域Eを通過した陶磁器原料Wと
接触し、陶磁器原料Wとの熱交換作用により、陶磁器原
料Wを搬出可能温度に冷却した後、高温化した炉内ガス
として転移点域Eに流入し、転移点域E及び急冷帯Dを
介して発色帯Cに流入する。比較的高温の冷却用空気流
により冷却される高温の陶磁器原料Wは、過大な温度差
又は急激な温度変化に伴う不要な熱応力、或いは、急激
な熱変位又は熱膨張・収縮作用等を受けることなく、従
って、陶磁器原料Wの割れ、クラック誘発又は所謂「切
れ」等の品質不良は、未然に回避される。なお、所定の
流量割合の炉内ガスは、導出口70及び排気口80を介
して炉外に導出され、排気系71、81、91、90、
EXを介してキルンRHの燃焼系外に排気される。誘引ファ
ン90の流量制御に相応して、冷却用空気の打込み量に
対する炉内通風流の流量比が可変制御される。
【0070】発色帯Cに流入する炉内ガス流により、陶
磁器原料Wの搬送方向と逆向する炉内通風が発生し、冷
却域Fから予熱帯Aに向かって流動する熱媒体循環流R
A:RBが炉内に形成される。焼成帯Bを通過した陶磁器原
料Wが保有する熱は、炉内の熱媒体循環流に伝熱し、焼
成帯B及び予熱帯Aにおいて再利用される。バーナシス
テム50の燃焼熱量は、熱媒体循環流RAによって部分的
に補償され、バーナシステム50の燃焼消費量は、低減
する。
【0071】熱媒体循環流RBにより予熱帯Aに熱移動し
た熱量は、予熱帯Aのバーナシステム50の燃焼熱とと
もに、導出路HGの高温排ガス流により熱交換装置10に
導入され、冷却用空気流に熱回収され、上述の如く、急
冷帯D及び冷却帯Fに供給される。かくして、熱交換装
置10、冷却帯F、転移点域E、急冷帯D、発色帯C、
焼成帯B及び予熱帯Aを含む熱循環回路が、炉内循環流
RA:RB 及び蓄熱体15を熱媒体としてローラハースキル
ンRHの燃焼系に形成され、高効率の熱利用形態が実現す
る。
【0072】図7(A)は、上記構成のローラハースキ
ルンRHにおける熱収支を示す図表である。ローラハース
キルンRHは、50分の焼成時間で建築用床タイルを焼成
する60m(炉長)規模の連続焼成炉として設定され
る。また、発色帯Cから焼成帯Bに流動する炉内ガス流
が保有する熱量は、300,000kcal/hに設定され、
冷却帯Fから転移点域Eに流動する炉内ガス流が保有す
る熱量は、200,000kcal/hに設定される。
【0073】図7(B)は、比較例に係るローラハース
キルンの熱収支を示す図表であり、ローラハースキルン
は、本実施例のローラハースキルンRHの熱交換装置10
を一般的排気ファンに置換した構成のものであり、他の
構成、焼成対象、焼成時間及び規模等は、上記ローラハ
ースキルンRHと実質的に同一に設定される。
【0074】図7に示す如く、本実施例のローラハース
キルンRHによれば、キルンRHの燃焼系外に排出される排
ガス熱量の低減値は、比較例に対して、約200,00
0kcal/hに達しており、かかる排熱量の低下は、キルン
RH全体の熱収支バランスにおいて、約20%の熱効率の
向上に相当する。これは、本実施例のローラハースキル
ンRHにより、約20%の省エネルギー率が達成されるこ
とを意味する。
【0075】以上説明した如く、上記構成のローラーハ
ースキルンRHは、高効率の熱循環機能及び熱回収機能を
備えた高速切換式蓄熱型バーナシステム50によって、
各制御区画A3:A4:B1:B2:B3:B4:B5:B6 をゾーン制御し、
しかも、高効率の熱循環機能及び熱回収機能を備えた高
速切換式蓄熱型熱交換装置10を予熱域1及び冷却域3
の給排流路に介装することにより、炉内循環流を生起
し、キルンRH全体の熱循環回路を形成する。かくして、
キルンRHの燃焼系は、二重の熱循環回路、即ち、各制御
区画A3:A4:B1:B2:B3:B4:B5:B6 における局所的な熱循環
回路と、キルンRH全域の熱循環回路とを備え、かかる複
式熱循環回路により、各制御区画A3:A4:B1:B2:B3:B4:B
5:B6 の制御の独立性又は個別制御性を確保しつつ、キ
ルンRHの熱収支及び熱効率を全体的に改善することがで
きる。
【0076】以上、本発明の好適な実施例について詳細
に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるもので
はなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で
種々の変形又は変更が可能であり、該変形例又は変更例
も又、本発明の範囲内に含まれるものであることは、い
うまでもない。
【0077】例えば、上記実施例において、熱交換装置
10は、高温ガス流及び冷却用空気流を流通可能な固定
式の蓄熱体15と、高温ガス流及び冷却用空気流の流通
経路を切換制御する流路切換装置とを備えた構成のもの
であるが、高温ガス流及び冷却用空気流の流通経路を固
定し、蓄熱体自体を周期的に回転させ、或いは、一定速
度で回転させる回転式の切換蓄熱型熱交換装置の構成を
上記熱交換システムに適用しても良い。
【0078】
【発明の効果】以上説明した如く、請求項1及び6に記
載された本発明の構成によれば、窯炉の燃焼系外に排出
される高温排ガスの排熱を該燃焼系内において回収し、
窯炉の熱収支及び熱効率を効果的に改善し得る窯炉の熱
交換システム及び熱交換方法を提供することができる。
【0079】また、請求項2乃至5および請求項7乃至
10に記載された本発明の構成によれば、急冷帯及び冷
却帯等の冷却域に導入すべき冷却用空気を効率的に予熱
することができる窯炉の熱交換システム及び熱交換方法
を提供することが可能となる。
【0080】更に、請求項11及び12に記載された本
発明の構成によれば、窯炉の熱収支及び熱効率を全体的
に改善する熱交換装置を備えるとともに、窯炉を構成す
る各帯域の制御の独立性又は個別制御性を確保し得る窯
炉の燃焼システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施形態に係る熱交換システム
を備えた窯炉の全体構成を示す概略ブロック図である。
【図2】図1に示す熱交換装置の全体構成を示す概略ブ
ロックフロー図であり、熱交換装置の第1燃焼工程(第
1位置)の作動態様が、図2(A)に示されており、熱
交換装置の第2燃焼工程(第2位置)の作動態様が、図
2(B)に示されている。
【図3】本発明の実施例に係る熱交換装置を備えた陶磁
器タイル焼成窯炉の全体構成及び窯炉内温度分布を示す
概略フロー図及び温度線図である。
【図4】図3に示す予熱帯の第1又は第2制御区画にお
ける炉幅方向の概略縦断面図である。熱交換装置の第1
燃焼工程(第1位置)の作動態様が、図4(A)に示さ
れており、熱交換装置の第2燃焼工程(第2位置)の作
動態様が、図4(B)に示されている。
【図5】予熱帯の第3又は第4制御区画における炉幅方
向及び炉長方向の概略縦断面図である。
【図6】図4及び図5に示す熱交換器及びバーナユニッ
トを構成する蓄熱体の全体斜視図(図6A)及び部分拡
大斜視図(図6B)である。
【図7】ローラハースキルンの熱収支を示す図表であ
る。図7(A)は、本発明の実施例に係るローラハース
キルンの熱収支バランスシートであり、図7(B)は、
比較例に係るローラハースキルンの熱収支バランスシー
トである。
【符号の説明】
1 予熱帯 2 焼成帯 3 冷却帯 10 蓄熱型熱交換装置 11、12 第1及び第2熱交換器 13 低温側流路切換装置 14 高温側流路切換装置 15、54 蓄熱体 16、17、18 送風機 19 排ガス導出口 30 冷却用空気導入手段 50 蓄熱型バーナシステム 51、52 第1及び第2バーナユニット CA 外気導入路 CS 給気導入路 HG 排ガス導出路 CG 排ガス流路 EG 排ガス送出路 HS 冷却用空気給送路 HA 冷却用空気供給路 K 窯炉 RH ローラーハースキルン W 生地、素地、原材料 A 予熱帯 B 焼成帯 C 発色帯 D 急冷帯 E 転移点域 F 冷却帯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 濱田 洋一郎 愛知県常滑市鯉江本町5丁目1番地 株式 会社イナックス内 Fターム(参考) 4K045 AA09 BA08 DA04 RA12 RB14

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相互に連通する予熱域、焼成域及び冷却
    域を備えた窯炉に配設される熱交換装置において、 冷却用給気流を前記冷却域に導入する給気流供給路と、
    前記予熱域の炉内高温ガスを炉外に導出する排ガス導出
    路と、前記供給路又は導出路と連通可能な第1及び第2
    流路と、該流路に介装され且つ前記給気流又は前記高温
    ガスと選択的に伝熱接触する蓄熱体と、前記給気流又は
    高温ガスを前記蓄熱体に選択的に伝熱接触せしめる切換
    装置とを有し、 前記蓄熱体は、前記高温ガス流と伝熱接触し、該高温ガ
    スが保有する顕熱を蓄熱するとともに、前記給気流と伝
    熱接触して該給気流に放熱し、 前記高温ガス流は、低温の前記蓄熱体に伝熱接触し、前
    記給気流は、高温の前記蓄熱体に伝熱接触し、該蓄熱体
    を介してなされる前記高温ガス流との熱交換作用により
    加熱されることを特徴とする熱交換システム。
  2. 【請求項2】 前記切換装置は、前記給気流を前記第1
    又は第2流路に選択的に導入する低温側の流路切換装置
    と、前記高温ガスを前記第1又は第2流路に選択的に導
    入する高温側の流路切換装置と、前記流路切換装置の切
    換位置を制御する制御装置とを有し、 前記蓄熱体は、前記第1流路に介装された第1蓄熱体
    と、前記第2流路に介装された第2蓄熱体とを含み、 前記流路切換装置は、前記制御装置の制御下に、前記給
    気流を前記第1流路に導入し且つ前記高温ガスを前記第
    2流路に導入する第1位置と、前記給気流を前記第2流
    路に導入し且つ前記高温ガスを前記第1流路に導入する
    第2位置とに交互に切換制御されることを特徴とする請
    求項1に記載の熱交換システム。
  3. 【請求項3】 前記流路切換装置の第1位置において、
    前記冷却用給気流は、前記低温側流路切換装置、第1蓄
    熱体及び高温側流路切換装置を介して前記給気流供給路
    に導入され、前記第1蓄熱体を流通する際に該蓄熱体と
    の伝熱接触により加熱され、前記高温ガス流は、前記高
    温側流路切換装置を介して前記排ガス導出路から前記第
    2蓄熱体に導入され、第2蓄熱体を流通する際に該蓄熱
    体と伝熱接触して冷却した後、前記低温側流路切換装置
    を介して前記熱交換システムの系外に送出され、 前記流路切換装置の第2位置において、前記冷却用給気
    流は、前記低温側流路切換装置、第2蓄熱体及び高温側
    流路切換装置を介して前記給気流供給路に導入され、前
    記給気流は、前記第2蓄熱体を流通する際に該蓄熱体と
    の伝熱接触により加熱され、前記高温ガス流は、前記高
    温側流路切換装置を介して前記排ガス導出路から前記第
    1蓄熱体に導入され、第1蓄熱体を流通する際に該蓄熱
    体と伝熱接触して冷却した後、前記低温側流路切換装置
    を介して前記熱交換システムの系外に送出されることを
    特徴とする請求項2に記載の熱交換システム。
  4. 【請求項4】 前記排ガス導出路は、前記予熱域と連通
    する第1導出路と第2導出路とを有し、前記高温側流路
    切換装置は、前記第1導出路と連通する第1切換弁と、
    前記第2導出路と連通する第2切換弁とを有し、 前記第1位置において、前記第1切換弁は、前記第1蓄
    熱体と前記給気流供給路とを連通し、前記第2切換弁
    は、前記第2蓄熱体と前記第2導出路とを連通し、 前記第2位置において、前記第1切換弁は、前記第1蓄
    熱体と前記第1導出路とを連通し、前記第2切換弁は、
    前記第2蓄熱体と前記給気流供給路とを連通することを
    特徴とする請求項2又は3に記載の熱交換システム。
  5. 【請求項5】 前記第1導出路は、前記予熱域を画成す
    る第1側壁に開口し、前記第2導出路は、前記第1側壁
    と対向する前記予熱域の第2側壁に開口することを特徴
    とする請求項4に記載の熱交換システム。
  6. 【請求項6】 相互に連通する予熱域、焼成域及び冷却
    域を備えた窯炉の熱収支を調整する熱交換方法におい
    て、 熱交換器を介して冷却用給気流を前記冷却域に導入し、 前記給気流の導入により増量した前記冷却域の炉内ガス
    を少なくとも部分的に前記焼成域に流動し、該焼成域の
    高温雰囲気に混合するとともに、前記炉内ガスの流入に
    より増量した前記焼成域の高温雰囲気を前記予熱域に流
    動し、 該高温雰囲気の流入により増量した前記予熱域の炉内ガ
    スを高温排ガス流として前記熱交換器に導入し、該熱交
    換器を介してなされる前記高温排ガス流と前記冷却用給
    気流との熱交換作用により該給気流を加熱することを特
    徴とする熱交換方法。
  7. 【請求項7】 前記熱交換器は、前記冷却用給気流又は
    高温排ガス流と交互に伝熱接触可能な第1及び第2熱交
    換手段を有し、該熱交換手段は、前記排ガス流と伝熱接
    触し、該排ガス流が保有する顕熱を蓄熱する蓄熱モード
    と、前記給気流と伝熱接触し、該給気流を加熱する放熱
    モードとを所定の時間間隔にて交互に実行することを特
    徴とする請求項6に記載の熱交換方法。
  8. 【請求項8】 前記所定時間は、60秒以下の所定時間
    に設定されることを特徴とする請求項7に記載の熱交換
    方法。
  9. 【請求項9】 前記焼成域は、相互連通した複数の制御
    区画に区画され、各制御区画は、個別制御可能な切換蓄
    熱型バーナシステムを有し、各制御区画のバーナシステ
    ムは、各制御区画内に生成した燃焼排ガスと、該制御区
    画に供給すべき燃焼用空気とに所定時間毎に交互に伝熱
    接触し、蓄熱作用及び放熱作用を反復する蓄熱体を備
    え、該蓄熱体は、蓄熱体を介してなされる前記燃焼排ガ
    スと前記燃焼用空気との熱交換作用により前記燃焼用空
    気を高温に予熱し、 前記バーナシステムは、前記焼成域の各制御区画の焼成
    温度及び/又は焼成雰囲気をゾーン制御することを特徴
    とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の熱交換方
    法。
  10. 【請求項10】 前記冷却域は、前記冷却用給気流が導
    入される急冷帯及び冷却帯を含み、少なくとも前記急冷
    帯に導入すべき給気流は、前記熱交換器によって加熱さ
    れることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に
    記載の熱交換方法。
  11. 【請求項11】 相互に連通する予熱域、焼成域及び冷
    却域を備えた窯炉の燃焼システムにおいて、 前記予熱域の炉内ガスを炉外に導出し、窯炉の燃焼系外
    に排出する炉内ガス排出手段と、 前記焼成域の各制御区画の焼成温度及び/又は焼成雰囲
    気をゾーン制御する各制御区画の切換蓄熱型バーナシス
    テムと、 冷却用給気流を前記冷却域に導入する給気流導入手段
    と、 前記予熱域から導出された炉内ガスの高温排ガス流と、
    前記冷却域に供給すべき低温の冷却用給気流とが交互に
    流通可能な切換蓄熱型熱交換器とを有し、 該熱交換器は、前記高温排ガス流及び低温給気流と交互
    に伝熱接触する蓄熱体を備え、該蓄熱体を介してなされ
    る実質的に直接的な前記高温排ガス流と前記低温給気流
    との熱交換作用により、該給気流を加熱し且つ前記排ガ
    ス流を冷却し、 前記炉内ガス排出手段による炉内ガス誘引作用と、前記
    給気流導入手段による給気流導入作用とにより、前記冷
    却域から前記予熱域に向かう炉内ガス流が形成され、該
    炉内ガス流は、前記冷却域の余剰熱を前記焼成域及び/
    又は前記予熱域に供給する熱移動手段を構成することを
    特徴とする燃焼システム。
  12. 【請求項12】 前記冷却域は、前記冷却用給気流が導
    入される急冷帯及び冷却帯を含み、前記急冷帯及び/又
    は冷却帯における前記冷却用給気流の流入作用と、前記
    予熱帯における前記炉内ガスの流出作用とにより、前記
    炉内ガス流が形成されることを特徴とする請求項11に
    記載の燃焼システム。
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