JP2000028054A - 油井管用ねじ継手 - Google Patents

油井管用ねじ継手

Info

Publication number
JP2000028054A
JP2000028054A JP19164298A JP19164298A JP2000028054A JP 2000028054 A JP2000028054 A JP 2000028054A JP 19164298 A JP19164298 A JP 19164298A JP 19164298 A JP19164298 A JP 19164298A JP 2000028054 A JP2000028054 A JP 2000028054A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
screw
stress
base material
oil
joint
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19164298A
Other languages
English (en)
Inventor
Takuya Tsujimura
琢也 辻村
Shigeo Nagasaku
重夫 永作
Atsushi Maeda
惇 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP19164298A priority Critical patent/JP2000028054A/ja
Publication of JP2000028054A publication Critical patent/JP2000028054A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Non-Disconnectible Joints And Screw-Threaded Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ボックス部外面に母材の降伏強度を超える応力
が作用することがなく、継手部に応力腐食が発生するお
それがないねじ干渉量を有する油井管用ねじ継手を提供
する。 【解決手段】先端にねじ無し肩部が形成されたテーパ雄
ねじを有するピン部と、内奥に前記のねじ無し肩部が当
接する受け部が形成されたテーパ雌ねじを有するボック
ス部とからなる油井管用ねじ継手であって、ねじ干渉量
T(mm)が下式を満たすことを特徴とする油井管用ね
じ継手。 T<[σy−{2D1 2Pi/(D3 2−D1 2)}]×{2
2(D3 2−D1 2)/E(D2 2−D1 2)} ただし、D1はピン部の内径(mm)、D2は基本径位置
のねじ有効径(mm)、D3はボックス部の外径(m
m)、Piは負荷内圧(kg/mm2)、σyは母材の
降伏強度(kgf/mm2)、Eは母材のヤング率(k
g/mm)である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油井や天然ガス井
に用いられる管材、すなわち油井管の連結に適用して好
適なねじ継手に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の油井や天然ガス井(以下、単に
「油井」という)は、その深さが数千メートルにもおよ
ぶ。このため、油井に用いられる管材(油井管)相互を
連結するためのねじ継手には、強大な軸力に耐え、しか
も高い気密性を有するものであることが要求される。
【0003】上記の要求に応え得るねじ継手には、種々
多様なものがあり、例えば、図4および図5に示すよう
なねじ継手が知られている。
【0004】図4に示すねじ継手は、API(米国石油
学会)規格のSTD5Bに規定された台形ねじを有する
バットレスタイプであり、鋼管10の先端にテーパ雄ね
じ12を有するピン部11と、カップリング20の両端
内部に設けられたテーパ雌ねじ22を有するボックス部
21とからなっている。
【0005】また、図5に示すねじ継手は、ピン部11
の先端部にトルクショルダー用のねじ無し肩部13を形
成する一方、ボックス部21の内奥に前記のねじ無し肩
部13が当接して過剰な締め付け抑制する受け面23が
形成されており、ねじ無し肩部13と受け面23とによ
る金属対金属のシール面を形成させて気密性を高めるよ
うにしたものである。
【0006】しかし、いずれのねじ継手、特に図5に示
すねじ継手においては、ねじ干渉量(締め込み代、以下
同じ)が過大であると、ボックス部21の外面に作用す
る応力が大きくなる。そして、その応力が母材の降伏強
度以上になると、継手部に応力腐食が発生するようにな
るので、ねじ干渉量を適切に設定することは、継手部の
応力腐食防止を図るうえで極めて重要である。
【0007】ところが、従来のねじ継手は、ねじ干渉量
が、ボックス部21の外面に作用する応力を全く考慮せ
ず、締め込み完了までのターン(回転)数や耐焼き付き
性能の観点からのみで決定されていた。このため、ねじ
干渉量が過大な場合があり、母材の降伏強度を超える応
力がボックス部21の外面に作用して継手部に応力腐食
が発生することがあるという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の実状
に鑑みなされたもので、その目的は、ボックス部の外面
に母材の降伏強度を超える応力が作用することがないね
じ干渉量を有し、継手部に応力腐食が発生することがな
い油井管用のねじ継手を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記の
油井管用ねじ継手にある。
【0010】先端にねじ無し肩部が形成されたテーパ雄
ねじを有するピン部と、内奥に前記のねじ無し肩部が当
接する受け面が形成されたテーパ雌ねじを有するボック
ス部とからなる油井管用ねじ継手であって、ねじ干渉量
T(mm)が下式を満たすことを特徴とする油井管用ね
じ継手。
【0011】T<[σy−{2D1 2Pi/(D3 2
1 2)}]×{2D2(D3 2−D1 2)/E(D2 2
1 2)} ここで、 D1 :ピン部の内径(mm) D2 :基本径位置のねじ有効径(mm) D3 :ボックス部の外径(mm) Pi:負荷内圧(kg/mm2) σy:母材の降伏強度(kgf/mm2) E :母材のヤング率(kg/mm2) なお、母材とは、カップリング(ボックス部)と鋼管
(ピン部)とは同一材質であり、このいずれかを示す。
【0012】上記の本発明は、以下に述べる知見に基づ
いて完成させた。
【0013】すなわち、本発明者らは、厚肉円筒同士の
組み合わせ式の存在に注目し、上記の図5に示すねじ継
手を対象に次の実験を行った。
【0014】すなわち、基本径位置における雌ねじの有
効径が同一のボックス部が形成されたカップリングと、
基本径位置における雄ねじの有効径が種々異なるピン部
が形成された鋼管を準備し、種々のねじ干渉量で締め付
けた場合について、厚肉円筒同士の組み合わせ式で求め
られるボックス部外面に作用する計算応力と実測応力と
の対比を試みた。
【0015】その結果、厚肉円筒同士の組み合わせ式で
求められる計算応力と実測応力とがほぼ一致し、ボック
ス部の外面にカップリング母材の降伏強度を超える応力
を作用させることがないねじ干渉量、なかでも最大ねじ
干渉量を正確に定め得ることを知見した。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、添付の図1を参照して、本
発明にかかわる油井管用ねじ継手について詳細に説明す
る。
【0017】図1に示すように、本発明の油井管用ねじ
継手は、上記の図5に示したのと同様に、一方の鋼管1
0の先端外面に形成されたテーパ雄ねじ12を有するピ
ン部11と、カップリング20の先端内面に形成された
テーパ雌ねじ22を有するボックス部21とからなって
いる。また、ピン部11の先端には、トルクショルダー
用のねじ無し肩部13が形成されており、またボックス
部21の内奥には、前記のねじ無し肩部13が当接する
受け面23がそれぞれ形成されている。
【0018】なお、上記のボックス部21は、他方の鋼
管の管端部(通常、増肉加工が施さる)の内面に形成さ
れたものであってもよい。
【0019】上記のように構成されたねじ継手の締結完
了状態は、厚肉円筒同士の組み合わせとみなすことがで
き、下記式が成立する。
【0020】 Pm=(T/D2)/[(1−ν1)/E1+(1+ν2)/E2 +2{D1 2/E1/(D2 2−D1 2)+D2 2/E2/(D3 2−D2 2)}] ・・・・ 式 ここで、 Pm:ピン部とボックス部のねじ形成面の接触面圧力
(kg/mm2) T :ねじ干渉量(mm) ν1 :ピン部母材のポアソン比 ν2 :ボックス部母材のポアソン比 E1 :ピン部母材のヤング率(kg/mm2) E2 :ボックス部母材のヤング率(kg/mm2) D1 :ピン部の内径(mm) D2 :基本径位置のねじ有効径(mm) D3 :ボックス部の外径(mm) なお、D2 は、カップリング20の管端から距離aだけ
内奥に入った基本径位置のねじ有効径である。
【0021】一方、ねじ干渉量Tで組み合わされた外側
の厚肉円筒に相当するボックス部21、換言すればカッ
プリング20の外面には、下記式で求められる応力σ
mが発生する。
【0022】 σm=2D2 2Pm/(D3 2−D2 2) ・・・・ 式 また、組み合わせ後、内側の厚肉円筒に相当するピン部
11に内圧Piが負荷された場合、外側の厚肉円筒に相
当するボックス部21(カップリング20)の外面に
は、下記式で求められる応力σpが発生する。
【0023】 σp=2D1 2Pi/(D3 2−D1 2) ・・・・ 式 したがって、カップリング20の応力腐食を防止するた
めには、カップリング20の母材の降伏強度をσy(k
gf/mm2 )とすると、下記式を満たす必要があ
る。
【0024】σy>σm+σp ・・・・ 式 上記の式は、右辺のσpを左辺に移行するとともに、
σmには上記の式、σpには上記の式を代入する
と、下記式で表される。
【0025】 2D2 2Pm/(D3 2−D2 2)< σy−2D1 2Pi/(D3 2−D1 2) ・・・・ 式 また、上記の式は、左辺にPmのみを残して整理する
と、下記式となる。
【0026】 ここで、油井管用のねじ継手では、通常、ピン部11が
形成される鋼管10とボックス部21が形成されるカッ
プリング20の材質は同一とされる。これは、ピン部1
1とボックス部21の材質が異なると、電位差腐食が生
じる恐れがあるからである。
【0027】このため、上記の式中のポアソン比とヤ
ング率は、それぞれ「ν1=ν2」および「E1=E2」と
なるので、上記の式中のPmに上記の式の右辺を代
入して整理すると、上記の式を満たす上記式中のね
じ干渉量Tの満たすべき条件は、下記式で表される。
【0028】 T<[σy−{2D1 2Pi/(D3 2−D1 2)}]× {2D2(D3 2−D1 2)/E(D2 2−D1 2)} ・・・・ 式 したがって、上記の式を満たすねじ干渉量Tを有する
ねじ継手のカップリング20の外面には、その使用中に
母材の降伏強度σy以上の応力が作用しないので、応力
腐食が発生することがない。
【0029】なお、鋼管10とカップリング20の材質
が異なる場合における上記の式を満たすねじ干渉量T
は、上記の式中のPmに上記の式を代入することに
よって求め得ることはいうまでもない。
【0030】
【実施例】図1に示すカップリング方式であり、鋼管寸
法とカップリング寸法およびねじ諸元が表1に示す内容
で、ねじ干渉量が表2に示す寸法の8種類のねじ継手を
作成した。なお、ねじ干渉量は、ピン部のテーパ雄ねじ
の基本径位置のねじ有効径を変更することにより、その
大きさを調整した。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】これらのねじ継手は、一定のトルクでパワ
ータイトに締め付けてメイクアップし、次いでその内部
に内圧を負荷する試験に供し、メイクアップ時と内圧負
荷時におけるカップリング外面に作用する応力を測定し
た。この時、その応力は、カップリングの外面に貼着し
たストレインゲージで発生歪みを測定し、その測定結果
を応力換算することにより求められる応力を実測応力と
した。
【0034】そして、表2に示す各ねじ干渉量を上記の
式に代入して求めたPmを式に代入して求められる
メイクアップ時の計算応力および上記の式により求め
られる内圧負荷時の計算応力と対比した。
【0035】その対比結果を、表2に併せて示すととも
に、メイクアップ時の計算応力と実測応力との関係を図
2に、メイクアップ後の継手部に内圧を負荷した時にお
ける計算応力と実測応力との関係を図3に示した。
【0036】表2に示すように、メイクアップ時の応力
は、計算応力および実測応力のいずれも、ねじ干渉量に
比例して高くなる。これに対し、負荷内圧が一定の場合
の内圧負荷時の応力は、継手部の寸法のみにより決まる
ので、ねじ干渉量の如何にかかわらず計算応力は一定で
あり、実測応力もほぼ一定である。
【0037】また、図2および図3から明らかなよう
に、実測応力と計算応力とはほぼ一致しており、この実
施例のねじ継手では、表2の結果から、ねじ干渉量が
0.414mm以下、すなわち上記の式を満たす場合
には、使用状態下のカップリング外面に作用する応力が
母材の降伏強度以下となるので、応力腐食は発生するこ
とがない。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、ボックス部の外面にそ
の母材材質の降伏強度を超える応力が作用することがな
く、該部に応力腐食が発生する恐れがないねじ干渉量を
有する油井管用のねじ継手を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトルクショルダー形成用ねじ無し肩部
を有するねじ継手の要部を示す模式的縦断図である。
【図2】実施例の結果を示す図で、メイクアップ時にお
けるカップリングの外面に作用する計算応力と実測応力
との関係を示す図である。
【図3】実施例の結果を示す図で、メイクアップ後の継
手部に内圧を負荷した時におけるカップリングの外面に
作用する計算応力と実測応力との関係を示す図である。
【図4】従来のバットレスタイプのねじ継手を示す模式
的一部破断縦断面図である。
【図5】従来のトルクショルダー形成用ねじ無し肩部を
有するねじ継手の要部を示す模式的縦断図である。
【符号の説明】
10:管本体、 11:ピン部、 12:雄ねじ、 13:ねじ無し肩部、 20:カップリング、 21:ボックス部、 22:雌ねじ、 23:受け面。
フロントページの続き (72)発明者 前田 惇 和歌山県和歌山市湊1850番地住友金属工業 株式会社和歌山製鉄所内 Fターム(参考) 3H013 JB05

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先端にねじ無し肩部が形成されたテーパ雄
    ねじを有するピン部と、内奥に前記のねじ無し肩部が当
    接する受け面が形成されたテーパ雌ねじを有するボック
    ス部とからなる油井管用ねじ継手であって、ねじ干渉量
    T(mm)が下式を満たすことを特徴とする油井管用ね
    じ継手。 T<[σy−{2D1 2Pi/(D3 2−D1 2)}]×{2
    2(D3 2−D1 2)/E(D2 2−D1 2)} ここで、 D1 :ピン部の内径(mm) D2 :基本径位置のねじ有効径(mm) D3 :ボックス部の外径(mm) Pi:負荷内圧(kg/mm2) σy:母材の降伏強度(kgf/mm2) E :母材のヤング率(kg/mm2
JP19164298A 1998-07-07 1998-07-07 油井管用ねじ継手 Pending JP2000028054A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19164298A JP2000028054A (ja) 1998-07-07 1998-07-07 油井管用ねじ継手

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19164298A JP2000028054A (ja) 1998-07-07 1998-07-07 油井管用ねじ継手

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000028054A true JP2000028054A (ja) 2000-01-25

Family

ID=16278060

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19164298A Pending JP2000028054A (ja) 1998-07-07 1998-07-07 油井管用ねじ継手

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000028054A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6239111B2 (ja) 鋼管用ねじ継手
CN102678070B (zh) 管用螺纹接头
JP6831018B2 (ja) 鋼管用ねじ継手
AU2016373923B2 (en) Threaded joint for steel pipe
JP7182010B2 (ja) 鋼管用ねじ継手
EP3904745B1 (en) Threaded connection for steel pipe
JP2705505B2 (ja) 油井管用ねじ継手
JP7290738B2 (ja) ねじ継手
EP1243829A1 (en) Screw joint for oil well pipe
JP2000028054A (ja) 油井管用ねじ継手
JP2014101983A (ja) 管用ねじ継手
WO2020183860A1 (ja) ねじ継手
JPH06281059A (ja) 油井管用ねじ継手
JP7455866B2 (ja) 管用ねじ継手
CA3149749C (en) Threaded connection for pipe
JP2013029174A (ja) 鋼管用ねじ継手
OA21189A (en) Threaded coupling for pipe.
JPH10196264A (ja) 油井管用ねじ継手
JPH10169855A (ja) 大径油井管用ねじ継手
JP2000045674A (ja) 油井管用ねじ継手
JP2008057640A (ja) 油井管用特殊ねじ継手およびその製造方法