JP2000016981A - 高比放射能c−11標識ラクロプライドの製造方法 - Google Patents

高比放射能c−11標識ラクロプライドの製造方法

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JP2000016981A
JP2000016981A JP10184622A JP18462298A JP2000016981A JP 2000016981 A JP2000016981 A JP 2000016981A JP 10184622 A JP10184622 A JP 10184622A JP 18462298 A JP18462298 A JP 18462298A JP 2000016981 A JP2000016981 A JP 2000016981A
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Shingo Nishiyama
新吾 西山
Hideo Tsukada
秀夫 塚田
Norihiro Harada
典弘 原田
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Hamamatsu Photonics KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高比放射能C−11標識ラクロプライドの製
造方法を提供する。 【解決手段】 本発明に係る方法は、(1)14N(p、α)11C
反応により、11Cラベル化二酸化炭素([11C]CO2)を
合成し、(2)前記二酸化炭素をLiAlH4によりLi(11CH3O)4
Alとし、(3)前記Li(11CH3O)4Alをヨウ化水素により、11
Cラベル化ヨウ化メチルを合成し、(4)前記ヨウ化メチル
を低流速の不活性ガスにより、3、5−ジクロロ−2、
6−ジヒドロキシ−N−[(1−エチル−2−ピロリジ
ニル)メチル]ベンズアミドを溶解した加熱ジメチルス
ルホキシド中に導入してOメチル化することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高比放射能のC−
11標識ラクロプライドを合成する製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】神経伝達物質の1種であるドーパミンの
2神経受容体を生体計測するために、ポジトロンエミ
ッショントモグラフィー(PET)により画像化・定量
化することが広く行われている。この目的で、ラクロプ
ライドのフェノール性のOメトキシ基のメチル基をポジ
トロン標識元素である炭素11で標識したC−11標識
ラクロプライドが製造され使用されている(J.Label.Co
mp.Radiochem.,24,931-940(1987)。
【0003】さらに、上記PETによる生体計測では、
できるだけ生体に影響を与えずに測定を行う必要があ
り、このためにはできるだけ比放射能の高い標識ラクロ
プライドの使用が好ましい。
【0004】しかし従来の製造方法によれば、十分に比
放射能の高い標識ラクロプライドを製造することが困難
であり、多量の標識ラクロプライドを投与する必要があ
った。このため、生体へ好ましくない影響を与えること
となり、生体に関する正確な測定結果が得られないとい
う問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、PET計測
に好適な高比放射能のC−11標識ラクロプライドの製
造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
技術の問題点を解決するべく鋭意研究し、(1)14N(p、
α)11C反応により、11Cラベル化二酸化炭素([11C]CO
2)を合成し、(2)前記二酸化炭素をLiAlH4によりLi(11C
H3O)4Alとし、(3)前記Li(11CH3O)4Alをヨウ化水素によ
り、11Cラベル化ヨウ化メチルを合成し、(4)前記ヨウ化
メチルとラクロプライドの前駆体であるデスメチルラク
ロプライド(3、5−ジクロロ−2、6−ジヒドロキシ
−N−[(1−エチル−2−ピロリジニル)メチル]ベ
ンズアミド)との反応により、フェノール性のOH基を
メチル化してメトキシ基とする際に、反応溶媒としてジ
メチルスルホキシド(DMSO)を加熱条件下で使用
し、かつ、前記ヨウ化メチルの導入速度を最適化するこ
とにより、高比放射能のC−11標識ラクロプライドを
製造可能とする方法を見出し本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、高比放射能のC−1
1標識ラクロプライドを合成する製造方法において、
(1)14N(p、α)11C反応により、11Cラベル化二酸化炭素
([11C]CO2)を合成し、(2)前記二酸化炭素をLiAlH4
によりLi(11CH3O)4Alとし、(3)前記Li(11CH3O)4Alをヨ
ウ化水素により、11Cラベル化ヨウ化メチルを合成し、
(4)前記ヨウ化メチルを低流速の不活性ガスにより、
3、5−ジクロロ−2、6−ジヒドロキシ−N−[(1
−エチル−2−ピロリジニル)メチル]ベンズアミドを
溶解した加熱ジメチルスルホキシド中に導入してOメチ
ル化することを特徴とする方法を提供するものである。
【0008】以下、実施の形態に従って本発明を説明す
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に係る方法は、種々のPE
T測定の対象物や測定条件下でも使用可能な、十分に高
い比放射能(GBq/μmol、若しくはmCi/μmolで表す)を有
し、かつ十分な生産量(GBqで表す)のC11標識ラク
ロプライドを提供するものである。
【0010】具体的には、1回の合成操作で、実質的純
度100%のC11標識ラクロプライドであって、比放射能
が少なくとも30GBq/μmol、若しくは800mCi/μmol以
上、さらに、必要ならば比放射能が少なくとも47GBq/μ
mol、若しくは1290mCi/μmol以上のものが提供可能とな
るものである。
【0011】以下の説明では、図3に示すように、一例
として総生産量(GBqで表す)で約0.2〜3.95のものが製
造可能となる合成装置について説明する。
【0012】(製造条件)本発明に係る高比放射能C1
1標識ラクロプライドの製造方法は、図1及び図2に示
したように、まず14N(p、α)11C反応により、11Cラベル
化二酸化炭素([11C]CO2)を合成し、得られた二酸化
炭素をLiAlH4によりLi(11CH3O)4Alとし、さらにLi(11CH
3O)4Alをヨウ化水素により、11Cラベル化ヨウ化メチル
([11C]CH3I)を合成し、そのヨウ化メチルとラクロ
プライドの前駆体であるデスメチルラクロプライド
(3、5−ジクロロ−2、6−ジヒドロキシ−N−
[(1−エチル−2−ピロリジニル)メチル]ベンズア
ミド)との反応の各ステップにより、フェノール性のO
H基をメチル化してC11標識ラクロプライドを得、得
られた粗生成物を単離精製するステップからなるもので
ある。
【0013】係る製造方法により本発明の目的である高
比放射能C11標識ラクロプライドを得るためには、各
反応が高選択的かつ高収率であることが必要である。さ
らに、最終精製物として高比放射能C11標識ラクロプ
ライドを得るためには、各反応が高選択的かつ高収率で
あることが必要であるのみならず、合成(又は調整)か
ら単離精製までの全所用時間ができるだけ短いことが必
要である。
【0014】従って、本発明は、高比放射能C11標識
ラクロプライドを得るため、各ステップでの反応が高選
択的かつ高収率であるのみならず、最終の単離精製まで
の全所用時間も最適化するものである。また、係る最適
化のために、本発明においては通常全てのステップを遠
隔操作する必要があるため、上記各ステップにより得ら
れる中間体等を不活性ガス流により次のステップへと運
ぶことが好ましく、この場合には上記不活性ガスの流量
の制御が重要となる。
【0015】すなわち、本発明は、Oメチル化反応溶媒
としてジメチルスルホキシド(DMSO)を使用するこ
とを特徴とし、かつ該反応はDMSOを加熱条件下で適
当な反応時間で使用するものである。係るDMSOの加
熱条件は、好ましくは150℃以上であり、さらに好ま
しくは180℃以上である。DMSOの1気圧下での沸
点は186℃であることが知られていることから、上記
温度はその上限としてDMSOの該沸点を含むものであ
る。溶媒DMSOの温度が該温度より低い場合には、11
Cラベル化ヨウ化メチルとデスメチルラクロプライドと
の反応が遅くなるため、該反応に要する時間が長くな
り、従って、得られるC11標識ラクロプライドの比放
射能が低くなる。係る温度では、導入される11Cラベル
化ヨウ化メチルのDMSO中の濃度(放射能活性の最大
値で判断可能である)は、より低温でのDMSOに比較
して小さくはなるが、反応には十分な濃度で存在する。
【0016】さらに、本発明に係る製造方法は、前記
(4)において、11Cラベル化ヨウ化メチルのDMSO中へ
の導入の速度を最適化することを特徴とするものであ
る。すなわち、11Cラベル化ヨウ化メチルは、上記(1)〜
(3)により、不活性ガスによりDMSO中に導入される
ものであるが、係る導入の流速を最適化することが必要
である。係る最適化の方法には特に制限はない。不活性
ガス(例えば窒素ガス)の種類(例えば窒素ガス)、11
Cラベル化ヨウ化メチルの濃度、反応装置の形状等に依
存し、DMSO中での濃度が最大となる流速(放射能活
性の最大値で判断可能である)が設定可能である。該流
速があまりに大きい場合は、十分な量の11Cラベル化ヨ
ウ化メチルが蓄積されず、デスメチルラクロプライドと
の反応に時間がかかり、結果として、比放射能の低いC
11標識ラクロプライドが得られることとなる。
【0017】(製造装置)図3は、本発明に係る方法を
使用する装置の1つの好ましい態様を示したものであ
る。以下、各装置について説明する。
【0018】(a)[11C]CO2発生装置系11 Cラベル化二酸化炭素([11C]CO2)を発生する装置
1には、発生した[11C]CO2を不活性ガスにより第1反
応容器に移動する不活性ガス流系を有する。係る不活性
ガス流系は、ガス供給源2からバルブ3を通じて該発生
装置に流入する。このガス圧力は圧力計4でモニターさ
れる。該流入したガスにより、発生した[11C]CO2をバ
ルブ5、弁6を通じて流量制御装置8に流入する。該流
量が制御されたガス系の圧力は、圧力計7、9でモニタ
ーされる。該流量制御装置8から流出した[11C]CO2
含むガスは三方バルブ10を通じて排気系又は、バルブ
11を通じて第1反応容器12へ導入される。係る[11
C]CO2発生装置1については特に限定ななく、通常公知
の装置、又は市販されている装置を好ましく使用でき
る。発生能力としては、5GBq程度であることが好ま
しい。
【0019】さらに、発生した[11C]CO2を移動させる
不活性ガス流系についても特に制限はないが、少なくと
も流量制御装置8(具体的にはBlooks社 585
0iが挙げられる)を備えることが好ましい。また、流
路は可能な限り短くすることが好ましい。
【0020】(b)ヨウ化水素水供給系 第1反応容器12へヨウ化水素水を、バルブ13を通じ
て供給するヨウ化水素水容器14と、該ヨウ化水素水1
8を第1反応容器へ移動するための不活性ガス系(不活
性ガス源17と、圧力計16および三方バルブ13から
なる)を有する。係るヨウ化水素水18はあらかじめ該
ヨウ化水素水容器14にいれておくおくことが好まし
く、その容量についても特に制限はないが0.5ml程
度であることが好ましい。ヨウ化水素水の濃度は通常
は、約55%程度である。さらに、ヨウ化水素水を第1
反応容器へ移動するための不活性ガス系についても特に
制限はないが、窒素のような不活性ガスにより第1反応
容器へ迅速に移動するための圧力を最適化することは容
易である。
【0021】(c) 第1反応容器12は、11Cラベル化二
酸化炭素([11C]CO2)とLiAlH4により、Li(11CH3O)4A
lを中間体として調製し、さらにヨウ化水素との反応に
より11Cラベル化ヨウ化メチルを合成する装置である。
従って、該反応容器12には、あらかじめ所定量のLiAl
H4を適当な溶媒に溶解、あるいは懸濁しておき、所定の
温度の下で上記[11C]CO2を不活性ガス流を用いて該溶
媒中に導入する。ここで、溶媒として特には制限はなく
LiAlH4と反応しない無水の極性溶媒であれば好ましく用
いることができる。具体的には、無水のテトラヒドロフ
ラン(THF)が挙げられる。
【0022】第1反応容器12は、係る溶媒を加熱する
目的で、その外周が温度調節されるべく温度調節装置1
9が設けられている。該溶媒の冷却加熱温度は通常−1
0℃付近から、溶媒の沸点付近である(例えばTHFで
は、約80℃程度)。温度は温度計20によりモニター
される。係る温度調節装置19は、温度調節された空気
によるもの、温度調節された液体媒体によるものが挙げ
られる。さらに、該溶媒を沸点付近になるまで加熱して
反応を加速完了させるため、該第1反応容器内には冷却
管21(および冷却水用バルブ59)が設けられる。図
3には空気の加熱装置22と冷却装置23による温度調
節された空気によるものが示されている。係る温度調節
用の空気は空気源24から、バルブ25、スピードコン
トローラー26を通じて供給され、圧力は圧力計27、
28で維持されモニターされる。
【0023】次に、第1反応容器内で上記中間体である
Li(11CH3O)4Alを調製した後、不活性ガス流中で溶媒で
あるTHFを加熱蒸発させ、バルブ29、30を通じて
排気系31へ除去される。得られる中間体であるLi(11C
H3O)4Alに、さらにHI溶液を加えて11Cラベル化ヨウ化メ
チル([11C]CH3I)を調製する。この際、約70℃に
なるまで加熱して反応を加速完了させる。また、第1反
応容器内の放射活性を放射線計測器32でモニターす
る。
【0024】(d) 第2反応容器33は、さらに11Cラベ
ル化ヨウ化メチル([11C]CH3I)と、デスメチルラク
ロプライドとの反応によりC11標識ラクロプライドを
合成する装置である。
【0025】該反応容器33には、あらかじめ所定量の
デスメチルラクロプライドを適当な溶媒に溶解、あるい
は懸濁しておき、所定の温度の下で上記[11C]CH3Iを
不活性ガス流を用いて該溶媒中に導入する。ここで、溶
媒として特には制限はなくジメチルホルムアミド(DM
F)やジメチルスルホキシド(DMSO)等の極性溶媒
であれば好ましく用いることができ、特にDMSOが好
ましい。
【0026】第2反応容器33は、係る溶媒を加熱する
目的で、その外周が温度調節されるべく温度調節装置3
4が設けられている。該溶媒の冷却加熱温度は通常−1
0℃付近から、溶媒の沸点付近(例えばDMSOでは、
約186℃程度)である。係る温度調節装置は、温度調
節された空気によるもの、温度調節された液体媒体によ
るものが挙げられる。温度は温度計37によりモニター
される。さらに、該溶媒を沸点付近になるまで加熱して
反応を加速完了させるためである。図3には空気の加熱
装置35と冷却装置36による温度調節された空気によ
るものが示されている。係る温度調節用の空気は空気源
24から、バルブ25、スピードコントローラー26を
通じて供給され、圧力は圧力計27、28で維持されモ
ニターされる。また、第2反応容器内の放射活性を放射
線計測器32でモニターする。
【0027】具体的には、所定値(例えば5mg)のデ
スメチルラクロプライドをDMSO(例えばDMSO
1mlとNaOH(5N,10μl)の混合溶液)に溶解
し、温度を所定温度(例えば180℃)に加熱しなが
ら、[11C]CH3Iを不活性ガス流を用いて該溶媒中に導
入する。また、[11C]CH3Iは第1反応容器12の水溶
液から不活性ガス流により移動されるものであり水分を
多く含むものであり、バルブ39、40を通じて、乾燥
装置38(例えば、アスカライト/P2O5)を用いて乾燥
することが好ましい。係る乾燥[11C]CH3Iの導入は不
活性ガスと共に、三方バルブ42を通じてなされるた
め、その流量により、第2反応容器33の反応溶媒中の
11C]CH3Iの達する飽和濃度が変化する。従って、そ
の流量はあまりに大きい場合には、十分な飽和濃度に達
しないこととなる。好ましくは約50ml/minであ
る。さらに、反応温度については、迅速に反応完了させ
るために約180℃程度が好ましい。第2反応容器中で
のOメチル化反応は、室温に比較して係る高温条件では
極めて迅速に進行完了する。具体的には約5分程度で完
了し、従ってこのステップにおいて通常大きく減衰する
放射能を高く維持したまま精製ステップへ移すことが可
能となる。さらに第2反応容器33には他の溶媒43を
バルブ41を通じて追加可能なシリンジ式の装置44お
よびシリンジ駆動用バルブ60を備える。このシリンジ
は、空気源24から供給される。第2反応容器33内の
圧力調節はバルブ45、30によりなされる。
【0028】(e) カラムクロマトグラフ装置が、第2
の反応容器33内で合成された粗生成物から、C11標
識ラクロプライドを単離精製するために用いられる。係
る精製用カラムクロマトグラフは迅速に、かつ精製純度
が実質的に100%であることが必要である。係る目的
を達成するために、種々のカラムクロマトグラフ装置が
使用可能である。図3には具体的に、カラム46、該ク
ロマトグラフ装置に必要な溶媒を供給する展開用溶媒4
7、検出器48、および展開溶媒用バルブ49、50が
示されている。さらに、圧力調製用の圧力容器51、お
よび圧力調製用バルブ52、およびバブラー56がバル
ブ57とともに設けられている。さらに、単離するべき
フラクションを保存するためのバルブ53および容器5
4、さらに不要フラクションを集める容器55が設けら
れる。放射能は放射能測定器56でモニターされる。
【0029】(f) 得られた最終製品であるC11標識
ラクロプライドは、容器54に充填され、PET測定に
供される。
【0030】
【実施例】以下実施例に基づき本発明を具体的に説明す
るが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に
限定されるものではない。
【0031】C11標識ラクロプライドの合成、精製 実施例1〜14 (1) [11C]CO2発生装置系中で、14N(p、α)11C反応に
より、[11C]CO2 5GBqを合成した。
【0032】(2) 得られた[11C]CO2を、ガス供給源
から流入されたN2ガス流(1atm、400ml/分)
を用いて第1反応容器内に導入した。この時第1反応容
器内には、あらかじめ溶媒であるTHFにLiAlH4を溶解
させておいた。第1反応容器を−15℃として[11C]C
O2を導入し、Li(11CH3O)4Alを合成した。
【0033】(3) 第1反応容器内でTHFを80℃で
加熱蒸発させ、バルブを通じてこれを除去した後、室温
に冷却し、Li(11CH3O)4Alに、N2ガス流(0.5at
m)を用いて濃度55%のHI溶液0.5mlを加え、
70℃で加熱し[11C]CH3Iを合成した。(4) 生成した
気体状の[11C]CH3Iを、N2ガス流(1atm)をキャ
リヤとして、乾燥装置を通じて低流速(約50ml/分
以下)で第2反応容器内に導入した。この時第2反応容
器内にはあらかじめデスメチルラクロプライド(5m
g)を、DMSO(1ml)とNaOH(5N、10μl)
の混合溶液に溶解させておいた。そして第2反応容器を
加熱しながら、[11C]CH3Iを供給した。放射能が最大
となったところで、[11C]CH3Iの供給を停止し、さら
に180℃で5分間反応させ、C11標識ラクロプライ
ドの粗生成物を合成した。
【0034】(5) 生成したC11標識ラクロプライド
粗生成物をN2ガス流(1atm)を用いてカラムクロマ
トグラフに移送し単離精製した。最終収量は平均1.3
76GBqであった。
【0035】得られた結果(生産量、比放射能等)を表
1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】比較例1〜14 原料(デスメチルラクロプライド)の量を1mgとし、
溶媒としてDMF(0.5ml)を使用し、ヨウ化メチ
ル流速を200ml/minとし、ヨウ化メチルトラッ
プ条件を約-15℃,約1分45秒間とした以外は前記実施例
と同様にしてC11標識ラクロプライドを得た。最終収
量は平均0.216GBqであった。
【0038】得られた結果(生産量、比放射能等)を表
2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明は、Oメチル化反応溶媒としてジ
メチルスルホキシド(DMSO)を使用し、かつDMS
Oを加熱条件下(150℃以上、好ましくは180℃以
上)で適当な反応時間で使用するものである。溶媒DM
SOの温度が係る高温度では、11Cラベル化ヨウ化メチ
ルとデスメチルラクロプライドとの反応が極めて迅速に
進行するため、該反応に要する時間が短くなり、従っ
て、最終製品として得られるC11標識ラクロプライド
の比放射能が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る方法に用いることが可能な、ラク
ロプライドの合成経路を示す図である。
【図2】本発明に係る方法による高比放射能C11標識
ラクロプライドの製造方法を示す図である。
【図3】本発明に係る方法を用いることが可能な高比放
射能C11標識ラクロプライドの製造装置の一例を示す
図である。
【符号の説明】
1…[11C]CO2発生装置、2…ガス供給源、3…バル
ブ、4…圧力計、5…バルブ、6…弁、7…圧力計、8
…流量制御装置、9…圧力計、10…三方バルブ、11
…バルブ、12…第1反応容器、13…三方バルブ、1
4…ヨウ化水素水容器、15…三方バルブ、16…圧力
計、17…不活性ガス源、18…ヨウ化水素水、19…
温度調節装置、20…温度計、21…冷却管、22…空
気加熱装置、23…空気冷却装置、24…空気源、25
…バルブ、26…スピードコントローラー、27…圧力
計、28…圧力計、29…バルブ、30…バルブ、31
…排気系、32…放射線計測器、33…第2反応容器、
34…温度調節装置、35…空気加熱装置、36…空気
冷却装置、37…温度計、38…乾燥装置、39…バル
ブ、40…バルブ、41…三方バルブ、42…三方バル
ブ、43…溶媒、44…シリンジ式装置、45…バル
ブ、46…カラム、47…展開用溶媒、48…検出器、
49…展開溶媒用三方バルブ、50…展開溶媒用バル
ブ、51…圧力容器、52…圧力調製用バルブ、53…
三方バルブ、54…容器、55…容器、56…放射能測
定器、57…三方バルブ、58…バブラー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 典弘 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内 Fターム(参考) 4C069 AA07 BB08 BB16 4C085 HH03 JJ02 KA29 KB56 LL13

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高比放射能のC−11標識ラクロプライ
    ドを合成する製造方法において、(1)14N(p、α)11C反応
    により、11Cラベル化二酸化炭素([11C]CO2)を合成
    し、(2)前記二酸化炭素をLiAlH4によりLi(11CH3O)4Alと
    し、(3)前記Li(11CH3O)4Alをヨウ化水素により、11Cラ
    ベル化ヨウ化メチルを合成し、(4)前記ヨウ化メチルを
    低流速の不活性ガスにより、3、5−ジクロロ−2、6
    −ジヒドロキシ−N−[(1−エチル−2−ピロリジニ
    ル)メチル]ベンズアミドを溶解した加熱ジメチルスル
    ホキシド中に導入してOメチル化することを特徴とする
    方法。
  2. 【請求項2】 前記ステップ(4)においてジメチルスル
    ホキシドを少なくとも180℃に加熱することを特徴と
    する請求項1に記載の方法。
JP10184622A 1998-06-30 1998-06-30 高比放射能c−11標識ラクロプライドの製造方法 Pending JP2000016981A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001089445A (ja) * 1999-09-17 2001-04-03 Seitai Kino Kenkyusho:Kk デメチルラクロプライドの非求核性酸塩およびこれを用いる[c−11]ラクロプライドの製造法
KR100333501B1 (ko) * 2000-01-19 2002-04-25 박호군 벤즈아미드 화합물 및 그 제조방법

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