JP2000009627A - 走査型近接場光学顕微鏡用のカンチレバーとその製造方法及び走査型近接場光学顕微鏡 - Google Patents

走査型近接場光学顕微鏡用のカンチレバーとその製造方法及び走査型近接場光学顕微鏡

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JP2000009627A
JP2000009627A JP10176802A JP17680298A JP2000009627A JP 2000009627 A JP2000009627 A JP 2000009627A JP 10176802 A JP10176802 A JP 10176802A JP 17680298 A JP17680298 A JP 17680298A JP 2000009627 A JP2000009627 A JP 2000009627A
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Shunji Watanabe
俊二 渡辺
Takafumi Yamada
啓文 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造が容易な構造を有する探針を備えた走査
型近接場光学顕微鏡用のカンチレバーとその製造方法を
提供し、かつエバネッセント波を探針が捕捉して発生す
る伝播光のS/N比低下が防止され、しかも試料の形状情
報と分離した試料の光学的情報のみを得ることができる
走査型近接場光学顕微鏡を提供すること。 【解決手段】 底面が開口した中空の錐体状探針を先端
部に備え、変位量(撓み量)検出のために、圧電膜もし
くは圧力に応じて抵抗値が変化する膜と一対の電極膜と
が少なくともプレート(レバー)部分に設けられ、前記
錐体状探針の少なくとも頂点部分及びその近傍領域には
前記圧電膜、抵抗値が変化する膜及び電極膜が設けられ
ていない走査型近接場光学顕微鏡用のカンチレバー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査型近接場光学
顕微鏡用のカンチレバーとその製造方法及び走査型近接
場光学顕微鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、生物学、半導体デバイス開発、表
面分析などの広い分野において、非接触、非破壊の高分
解能の顕微鏡が求められている。従来利用されてきた光
学顕微鏡は非接触、非破壊という点では優れているが、
結像光学系を用いるという原理上、回折限界による分解
能の制限のため利用分野が限られていた。
【0003】これらの問題を解決すべく走査型電子顕微
鏡、透過型電子顕微鏡、走査型トンネル顕微鏡、原子間
力顕微鏡、走査型近接場光学顕微鏡などが開発された
が、観察する試料の光学的な特性を高分解能で得ようと
する場合は、走査型近接場光学顕微鏡が唯一の手段とな
る。波動の理論からすれば、通常の光学顕微鏡の分解能
はλ/2程度で制限されるため、可視光領域では200〜300
nmが限度とされている。
【0004】しかし、照射光の波長よりも小さい径の開
口または先端を備えたプローブ(探針)に照射光を導く
と、通常の光のように自由空間を広がることはできない
が、前記開口または先端の付近にしみ出す光電場が存在
する。この光電場は、消滅波(エバネッセント波)と呼
ばれ、これを試料表面に照射することにより、高性能の
光学測定を可能にしている。
【0005】ここで、プローブを試料から前記開口また
は先端の径よりも短い距離において走査することから、
走査型近接場光学顕微鏡と呼ばれている。このようにプ
ローブを試料に近接させて走査する理由は、エバネッセ
ント波が試料表面からの距離とともに指数関数的に減少
するからである。この種の走査型近接場光学顕微鏡とし
ては、特開昭59-121310号公報に開示されたもの等が知
られている。
【0006】即ち、走査型近接場光学顕微鏡において
は、試料表面からの前記エバネッセント波の反射波を捕
捉した前記プローブ(探針)において伝播光が発生する
ので、、前記プローブ(探針)を透過するか、或いは前
記プローブ(探針)により散乱される伝播光を検出する
ことにより、試料の表面形状及び試料表面の光学的性質
等を高分解能にて測定することができる。
【0007】ところで、試料表面において全反射するよ
うに、試料の裏面側から試料に光を照射することによ
り、試料表面からエバネッセント波を発生させることも
できる。そこで、この試料表面からのエバネッセント波
を走査プローブにより捕捉すると伝播光が発生するの
で、プローブ(探針)を透過するか、或いはプローブ
(探針)により散乱される伝播光を検出することによ
り、試料の表面形状及び試料表面の光学的性質等を高分
解能にて測定することもできる。
【0008】このように走査型近接場光学顕微鏡を利用
することにより、試料表面の形状及び光学的特性を測定
することができる。ところで、エバネッセント波の強度
は試料表面からプローブまでの距離だけではなく、試料
表面における局所的な光学的特性(反射率、屈折率、吸
収度等)にも大きく左右される。
【0009】従って、試料表面の形状及び光学的特性が
同時に測定できるが、両者はそれぞれに分離されていな
い。即ち、光学的特性のみを得たいときには何らかの手
段を用いて両者を分離する必要がある。そこで、走査型
近接場光学顕微鏡に原子間力顕微鏡の機能を組み合わせ
ると、試料表面の形状と光学的特性とを分離して光学的
特性のみを検出することができる。
【0010】例えば、論文(N. F. van Hust et. al.,
SPIE vol. 1639, Scanning Probe Microscopies, pp36-
43 (1992))に開示されているように、試料と探針との
間に働く原子間力により変化したカンチレバーの先端変
位を、光てこ法や光干渉法などを用いて光学的に検出し
てそれが一定になるように(即ち、探針が試料表面の凹
凸に沿って一定の間隔になるように)走査させると、検
出信号(伝播光)には光学的情報のみが含まれ、試料の
光学的情報が形状情報から分離して得られる。
【0011】しかし、カンチレバーの先端変位を検出す
る手段として光てこ法や光干渉法を採用する場合には、
エバネッセント波を発生させるための光とは別の光をカ
ンチレバーに照射するので、検出信号のSN比が低下す
る、所望波長の光による試料測定を行うことができない
場合がある、等の問題点が発生する。そこで、光学的な
手法を使用しない変位検出の方法が、走査型近接場光学
顕微鏡において重要になってくる。
【0012】例えば、沖口らは特開平9-54101におい
て、カンチレバーの先端変位の検出を光学的な手法を使
用しない方法により行っている。具体的には、圧電体で
あるPZT薄膜(圧力に応じて抵抗値が変化する膜でもあ
る)をシリコン製カンチレバーの片面に形成して、カン
チレバーの撓み量をPZT薄膜の抵抗変化または発生電圧
により検出している。
【0013】この方法によれば、試料の形状情報と分離
した試料の光学的情報のみを得ることが可能であり、し
かも前記SN比の低下や所望波長の光による試料の測定を
行うことができない場合があるという問題点を解決する
ことができる。
【0014】
【解決しようとする課題】特開平9-54101に開示してあ
るように、PZT圧電薄膜を備えたカンチレバーの探針は
一般に、四角錐形状の窒化珪素により構成されており、
この窒化珪素自体は透明であるが、窒化珪素製の探針に
付着した下部電極膜の材料である白金、チタン、タンタ
ルの光透過率が極めて小さいために、探針がエバネッセ
ント波を捕捉して発生する伝播光のS/N比は小さく、高
分解能の光学特性の検出が困難である。
【0015】言い換えると、高分解能の光学特性の検出
を行うためには、PZT圧電薄膜を備えたカンチレバーの
端部に位置する探針にナノメートルオーダーの開口を設
けたり、光が透過できるように一部を透明にする必要が
ある。例えば、後者の場合は、カンチレバーの探針をマ
スキングして下部電極膜がコートされないようにするな
どの工程が新たに必要となる。そのため、工程が増える
だけでなく、良品率も低下するので、安価にPZT圧電薄
膜を備えたカンチレバーを提供することが困難であり問
題がある。また、前者の開口を開ける工程は更に困難で
複雑であり問題が大きい。
【0016】本発明は、かかる問題に鑑みてなされたも
のであり、製造が容易な構造を有する探針を備えた走査
型近接場光学顕微鏡用のカンチレバーとその製造方法を
提供し、かつエバネッセント波を捕捉して探針が発生す
る伝播光のS/N比低下が防止され、しかも試料の形状情
報と分離した試料の光学的情報のみを得ることができる
走査型近接場光学顕微鏡を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明は第一
に「底面が開口した中空の錐体状探針を先端部に備え、
変位量(撓み量)検出のために、圧電膜もしくは圧力に
応じて抵抗値が変化する膜と一対の電極膜とが少なくと
もプレート(レバー)部分に設けられ、前記錐体状探針
の少なくとも頂点部分及びその近傍領域には前記圧電
膜、抵抗値が変化する膜及び電極膜が設けられていない
走査型近接場光学顕微鏡用のカンチレバー(請求項
1)」を提供する。
【0018】また、本発明は第二に「前記錐体状探針が
窒化珪素または酸化珪素の自立膜により構成されている
ことを特徴とする請求項1記載の走査型近接場光学顕微
鏡用のカンチレバー(請求項2)」を提供する。また、
本発明は第三に「前記圧電膜または圧力に応じて抵抗値
が変化する膜の材料がチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)
であること特徴とする請求項1または2記載の走査型近
接場光学顕微鏡用のカンチレバー(請求項3)」を提供
する。
【0019】また、本発明は第四に「前記電極膜の材料
が白金、タンタル、チタン、ルテニウムまたは金である
こと特徴とする請求項1〜3記載の走査型近接場光学顕
微鏡用のカンチレバー(請求項4)」を提供する。ま
た、本発明は第五に「少なくとも、両面研磨されたシリ
コン(100)ウエハーの両面に窒化珪素膜または酸化珪
素膜を形成する工程と、前記窒化珪素膜または酸化珪素
膜を形成したシリコンウエハーの表(おもて)面側に正
方形形状のパターンを形成し、エッチング(例えば反応
性イオンエッチング)により窒化珪素膜または酸化珪素
膜をその正方形形状に取り除いてシリコンを露出させる
工程と、前記シリコンが露出した部分の異方性エッチン
グをエッチャント(例えば水酸化カリウム溶液)を用い
て行うことにより、錐体状(例えば四角錐形状)のエッ
チピットをウエハーの表(おもて)面側に形成する工程
と、ウエハーの表(おもて)面または両面に窒化珪素膜
または酸化珪素膜を形成した後、ウエハーの裏面にバッ
クエッチングパターンを形成し、エッチング(例えば反
応性イオンエッチング)により窒化珪素膜または酸化珪
素膜を一部取り除くことによりシリコンをウエハーの裏
面側に露出させる工程と、前記ウエハーの裏面側のシリ
コンが露出した部分をエッチャント(例えば水酸化カリ
ウム溶液)により所定厚さのシリコンを残して異方性エ
ッチングを行う工程と、前記裏面のパターンと位置合わ
せして、ウエハーの表(おもて)面側にカンチレバーを
形成するために、コ字型形状のパターンの焼き付けを行
い、エッチング(例えば反応性イオンエッチング)によ
り窒化珪素膜または酸化珪素膜を一部取り除いてシリコ
ンを露出させる工程と、両面に露出したシリコンをエッ
チャント(例えば水酸化カリウム溶液)により異方性エ
ッチングを行ってコ字型部分を貫通させることにより、
底面が開口した中空の錐体状(例えば四角錐状)探針を
先端部に備えたプレート(レバー)とその支持部材を一
体に作製する工程と、前記錐体状(例えば四角錐状)探
針の少なくとも頂点部分及びその近傍領域に膜が付着し
ないように、前記プレート及び支持部材に対して、前記
錐体の開口底面側の斜め方向から物理的蒸着法(例え
ば、蒸着法、スパッタリング法)により、下部電極膜
(例えばルテニウム膜、白金膜)及び圧電膜もしくは圧
力に応じて抵抗値が変化する膜(例えば、チタン酸ジル
コン酸鉛膜)を形成する工程と、マスクを使用して、前
記プレート(レバー)部分に積層された前記下部電極膜
及び圧電膜もしくは圧力に応じて抵抗値が変化する膜の
上に上部電極膜(例えば金膜)を部分的に形成する工程
とを有する請求項1〜4記載の走査型近接場光学顕微鏡
用のカンチレバーを製造する方法(請求項5)」を提供
する。
【0020】また、本発明は第六に「少なくとも、請求
項1〜4記載のカンチレバーと、前記カンチレバーの変
位量(撓み量)に対応して前記圧電膜が発生する電圧に
応じた信号を出力するか、或いは前記カンチレバーの変
位量(撓み量)に対応して変化する前記膜の抵抗値に応
じた信号を出力する信号発生部と、試料表面と垂直(ま
たは略垂直)な方向に前記カンチレバーを前記試料に対
して相対的に移動させる第1移動機構と、試料表面と平
行(または略平行)な面方向に前記カンチレバーを前記
試料に対して相対的に移動させる第2移動機構と、前記
信号発生部から出力された信号に基づいて、前記カンチ
レバーの変位量(撓み量)が一定になるように前記第1
移動機構を制御しつつ、前記探針が試料表面と平行(ま
たは略平行)な面方向に走査するように前記第2移動機
構を制御する制御部と、試料表面において全反射するよ
うに、試料の裏面側から試料に光を照射することによ
り、試料表面からエバネッセント波を発生させるエバネ
ッセント波発生機構と、前記試料表面からのエバネッセ
ント波を前記探針が捕捉することにより発生し、前記探
針を透過するか、或いは前記探針により散乱される伝播
光を検出する光検出部と、前記制御部から出力された前
記第2移動機構の制御信号と、前記光検出部から出力さ
れた伝播光の検出信号に基づいて、前記面方向における
カンチレバーの試料表面に対する相対位置に応じた試料
表面の光学的情報を得る処理部と、を有する走査型近接
場光学顕微鏡(請求項6)」を提供する。
【0021】また、本発明は第七に「前記処理部は、前
記制御部から出力された前記第1移動機構及び第2移動
機構の制御信号に基づいて、試料表面の形状情報も得る
ことを特徴とする請求項6記載の走査型近接場光学顕微
鏡(請求項7)」を提供する。また、本発明は第八に
「前記信号発生部は、前記カンチレバーの変位量(撓み
量)に対応する信号を増幅する電流電圧変換器及びロッ
クインアンプを備えることを特徴とする請求項6または
7記載の走査型近接場光学顕微鏡(請求項8)」を提供
する。
【0022】また、本発明は第九に「底面が開口した中
空の錐体状探針を先端部に備え、変位量(撓み量)の光
学的検出のために反射膜が少なくともプレート(レバ
ー)部分に設けられ、前記錐体状探針の少なくとも頂点
部分及びその近傍領域には前記反射膜が設けられていな
い走査型近接場光学顕微鏡用のカンチレバー(請求項
9)」を提供する。
【0023】
【発明の実施の形態】底面が開口した中空の錐体状探針
を先端部に備え、変位量(撓み量)検出のために、圧電
膜もしくは圧力に応じて抵抗値が変化する膜と一対の電
極膜とが少なくともプレート(レバー)部分に設けられ
た本発明(請求項1〜4)にかかる走査型近接場光学顕
微鏡用のカンチレバーは、前記錐体状探針の少なくとも
頂点部分及びその近傍領域には前記圧電膜、抵抗値が変
化する膜及び電極膜が設けられていない。
【0024】また、底面が開口した中空の錐体状探針を
先端部に備え、変位量(撓み量)の光学的検出のために
反射膜が少なくともプレート(レバー)部分に設けられ
た本発明(請求項9)にかかる走査型近接場光学顕微鏡
用のカンチレバーは、、前記錐体状探針の少なくとも頂
点部分及びその近傍領域には前記反射膜が設けられてい
ない。
【0025】即ち、本発明(請求項1〜4、9)にかか
る走査型近接場光学顕微鏡用のカンチレバーは、エバネ
ッセント波を捕捉して伝播光を発生する前記錐体状探針
の少なくとも頂点部分及びその近傍領域の光透過率が高
いので、伝播光のS/N比が大きくなり、高分解能の光学
特性の検出が可能である。また、本発明(請求項1〜
4)にかかる走査型近接場光学顕微鏡用のカンチレバー
は前記構成を有するので、例えば請求項5記載の製造方
法により従来よりも容易に製造することができる。
【0026】また、本発明(請求項9)にかかる走査型
近接場光学顕微鏡用のカンチレバーは前記構成を有する
ので、例えば請求項5記載の製法に準じた製造方法(下
部電極膜、圧電膜、前記抵抗値が変化する膜を形成する
工程を反射膜を形成する工程に置き換え、かつ上部電極
を形成する工程を除去した製法)により従来よりも容易
に製造することができる。
【0027】即ち、本発明(請求項1〜4、9)にかか
る走査型近接場光学顕微鏡用のカンチレバーは、光が透
過できるようにカンチレバーの端部に位置する探針にナ
ノメートルオーダーの開口を設ける必要がないので、容
易に製造することができる。また、本発明(請求項1〜
4、9)にかかる走査型近接場光学顕微鏡用のカンチレ
バーは、前記錐体状探針の少なくとも頂点部分及びその
近傍領域に圧電膜、抵抗値が変化する膜及び電極膜が、
或いは反射膜が付着していなければよい。
【0028】そのため、本発明(請求項1〜4、9)に
かかる走査型近接場光学顕微鏡用のカンチレバーは、従
来法のようにカンチレバーの探針をマスキングして下部
電極膜等が、或いは反射膜がコートされないようにする
工程を設けなくても製造可能であり、例えば請求項5記
載の製造方法またはそれに準じた製造方法(斜め蒸着法
を利用した方法)により従来よりも容易にかつ安価に製
造できる。
【0029】本発明にかかる錐体状探針は、例えば窒化
珪素または酸化珪素の自立膜により構成することができ
る(請求項2)。また、本発明にかかる圧電膜または圧
力に応じて抵抗値が変化する膜の材料としては、例えば
チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)が使用できる(請求項
3)。また、本発明にかかる電極膜の材料としては、白
金、タンタル、チタン、ルテニウムまたは金が使用でき
る(請求項4)。
【0030】本発明(請求項1〜4)にかかるカンチレ
バーは、請求項6〜8記載の走査型近接場光学顕微鏡の
カンチレバーとして使用可能である。請求項1〜4に記
載のカンチレバーを備えた本発明(請求項6〜8)にか
かる走査型近接場光学顕微鏡は、エバネッセント波を捕
捉して伝播光を発生する錐体状探針の少なくとも頂点部
分及びその近傍領域の光透過率が高いので、伝播光のS/
N比が大きくなり、高分解能の光学特性の検出が可能で
ある。
【0031】また、本発明(請求項6〜8)にかかる走
査型近接場光学顕微鏡においては、信号発生部から出力
された信号に基づいて、カンチレバーの変位量(撓み
量)が一定になるように第1移動機構を制御しつつ、探
針が試料表面と平行(または略平行)な面方向に走査す
るように第2移動機構を制御するので、試料の形状情報
と分離した試料の光学的情報のみを得ることができる。
【0032】従って、本発明(請求項6〜8)にかかる
走査型近接場光学顕微鏡によれば、エバネッセント波を
捕捉して探針が発生する伝播光のS/N比低下が防止さ
れ、しかも試料の形状情報と分離した試料の光学的情報
のみを得ることができる。本発明(請求項6)にかかる
走査型近接場光学顕微鏡を構成する前記処理部が前記制
御部から出力された前記第1移動機構及び第2移動機構
の制御信号に基づいて、試料表面の形状情報も分離して
得るようにするとよい(請求項7)。
【0033】また、本発明(請求項6、7)にかかる走
査型近接場光学顕微鏡を構成する信号発生部としては例
えば、前記カンチレバーの変位量(撓み量)に対応する
信号を増幅する電流電圧変換器及びロックインアンプを
備えたものを使用することができる(請求項8)。以
下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本
発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0034】
【実施例】底面が開口した中空の四角錐状探針を先端部
に備え、変位量(撓み量)検出のために、圧電膜もしく
は圧力に応じて抵抗値が変化する膜と一対の電極膜とが
少なくともプレート(レバー)部分に設けられた本実施
例にかかる走査型近接場光学顕微鏡用のカンチレバー
は、前記四角錐状探針の頂点部分とその近傍領域及び一
部の側面領域には前記圧電膜、抵抗値が変化する膜及び
電極膜が設けられていない。
【0035】即ち、本実施例にかかる走査型近接場光学
顕微鏡用のカンチレバーは、エバネッセント波を捕捉し
て伝播光を発生する前記四角錐状探針の頂点部分とその
近傍領域及び一部の側面領域の光透過率が高いので、伝
播光のS/N比が大きくなり、高分解能の光学特性の検出
が可能である。図2は、四角錐形状の窒化珪素製探針と
圧電薄膜変位センサーを備えた本実施例にかかる走査型
近接場光学顕微鏡用のカンチレバーを製造する方法を示
す工程図である。以下に、各工程の内容を示す。
【0036】第1工程:両面研磨された厚さ200μmのシ
リコン(100)ウエハーの両面に厚さ100nmの窒化珪素膜
を減圧CVD法により形成した(図2(1))。 第2工程:窒化珪素膜を形成したシリコンウエハーの表
(おもて)面側に一辺50nmの正方形形状のパターンを形
成し、反応性イオンエッチングにより窒化珪素膜をその
正方形形状に取り除いてシリコンを露出させた((図2
(2))。
【0037】第3工程:シリコンが露出した部分の異方
性エッチングを水酸化カリウム溶液を用いて行った。シ
リコン(111)面が溶けにくいため、四角錐形状のエッ
チピットが形成された(図2(3))。 第4工程:再び、両面に厚さ400nmの窒化珪素膜を形成
した(図2(4))。 第5工程:ウエハーの裏面にバックエッチングパターン
を形成し、反応性イオンエッチングにより窒化珪素膜を
一部取り除いてシリコンを露出させた(図2(5))。
【0038】第6工程:裏面のシリコンが露出した部分
を水酸化カリウム溶液により180μmの厚さ分の異方性エ
ッチングを行って、20μmの厚さを残した(図2
(6))。 第7工程:両面アライナーを用いて裏面パターンと位置
合わせして、おもて面にカンチレバーを形成するために
コ字型形状のパターンの焼き付けを行い、反応性イオン
エッチングにより窒化珪素膜を一部取り除いてシリコン
を露出させた。
【0039】そして、両面の露出したシリコンを水酸化
カリウム溶液により異方性エッチングを行い、カンチレ
バーの厚さが10μmになり、かつコ字型部分が貫通した
ところで異方性エッチングを終了させることにより、底
面が開口した中空の四角錐状探針を先端部に備えたプレ
ート(レバー)とその支持部材を一体に作製した(図2
(7))。
【0040】第8工程:前記四角錐状探針の頂点部分と
その近傍領域及び一部の側面領域に膜が付着しないよう
に、前記プレート及び支持部材に対して、前記四角錐の
開口底面側の斜め方向(プレート面またはウェハー面に
対して30度の角度方向)から蒸着法またはスパッタリン
グ法により、下部電極膜(タンタル膜、白金膜)及び圧
電膜(チタン酸ジルコン酸鉛膜)を積層して形成した
(図2(8))。
【0041】ここで、四角錐形状の探針は中空であり、
ウエハー面に対して四角錐側面のなす角は約54度である
から、図1に示す様に、それ以下の角度で斜めから蒸着
を行えば、四角錐の頂点部分とその近傍領域及び一部の
側面領域には各薄膜材料は堆積されず透明のままであ
る。 第9工程:マスクを使用して、前記プレート(レバー)
部分に積層された前記下部電極膜及び圧電膜の上に上部
電極膜(金の膜)を部分的に形成した(図2(9))。
【0042】以上の工程により、本実施例にかかる走査
型近接場光学顕微鏡用のカンチレバーを製造した。カン
チレバー上では、圧電膜のチタン酸ジルコン酸鉛膜が下
部電極である白金膜と上部電極である金の膜で挟まれて
おり、d31圧電効果を利用した圧電薄膜型変位センサー
になっている。
【0043】なお、圧電膜の材料は、チタン酸ジルコン
酸鉛(PZT)に限定されるものではなく、他の種々の
圧電材料を用いることができる。また、カンチレバーの
先端部には透明な四角錐形状の窒化珪素製探針が設けら
れている。カンチレバーの寸法は、長さ500μm、幅150
μm、厚さ10μmであり、共振周波数は70kHz、バネ定数
は100N/mである。
【0044】本実施例にかかる走査型近接場光学顕微鏡
用のカンチレバーは、四角錐状探針の少なくとも頂点部
分及びその近傍領域に圧電膜及び電極膜が付着していな
ければよいので、従来法のようにカンチレバーの探針を
マスキングして下部電極膜等がコートされないようにす
る工程を設けなくても、斜め蒸着法を利用した前記製法
により作製可能であり、従来よりも容易にかつ安価に製
造できる。
【0045】前記製法により作製した、透明な四角錐形
状の窒化珪素製探針と圧電薄膜変位センサーを有するカ
ンチレバーを備えた本実施例にかかる走査型近接場光学
顕微鏡の概略構成を図3に示す。本実施例にかかる走査
型近接場光学顕微鏡は、底面が開口した中空の四角錐状
探針を先端部に備え、変位量(撓み量)検出のために、
圧電膜と一対の電極膜とが少なくともプレート(レバ
ー)部分に設けられ、前記四角錐状探針の頂点部分とそ
の近傍領域及び一部の側面領域には前記圧電膜及び電極
膜が設けられていない走査型近接場光学顕微鏡用のカン
チレバーと、前記カンチレバーの変位量(撓み量)に対
応して前記圧電膜が発生する電圧に応じた信号(カンチ
レバーに形成された圧電薄膜型変位センサーが発生した
信号を)増幅して出力する信号発生部と、試料表面と垂
直(または略垂直)なZ方向と、試料表面と平行(また
は略平行)な面方向(互いに直交するXY方向)とにそ
れぞれ独立に、前記カンチレバーを前記試料に対して相
対的に移動させるカンチレバー駆動機構(本発明の第1
移動機構及び第2移動機構に相当)と、前記信号発生部
から出力された信号に基づいて、前記カンチレバーの変
位量(言い換えると、探針の撓み量)が一定になるよう
に前記カンチレバー駆動機構のZ方向の駆動を制御しつ
つ、前記探針が試料表面と平行(または略平行)な面方
向(XY方向)に走査するように前記カンチレバー駆動
機構のXY方向の駆動を制御する制御部と、試料表面に
おいて全反射するように、試料の裏面側から試料に光を
照射することにより、試料表面からエバネッセント波を
発生させるエバネッセント波発生機構と、前記試料表面
からのエバネッセント波を前記探針が捕捉することによ
り発生し、前記探針を透過する伝播光を検出する光検出
部と、前記制御部から出力された前記カンチレバー駆動
機構のXY方向の各駆動制御信号と、前記光検出部から
出力された伝播光の検出信号に基づいて、前記面方向に
おけるカンチレバーの試料表面に対する相対位置に応じ
た試料表面の光学的情報を得るとともに、前記制御部か
ら出力された前記カンチレバー駆動機構のXYZ方向の
各駆動制御信号に基づいて試料表面の形状情報も分離し
て得る処理部と、前記光学的情報及び形状情報を画像表
示する表示部とを有する。
【0046】本実施例では、カンチレバー駆動機構によ
りカンチレバー側のみを移動させているが、実際にはカ
ンチレバー側を動かしても、試料側を動かしてもどちら
でもよい。例えば、カンチレバー側をZ方向のみに動か
し、試料側をX方向及びY方向に動かしてもよい。カン
チレバー駆動機構には、X方向、Y方向、Z方向にそれ
ぞれ独立に移動させられる圧電体が備えられたトライポ
ット型のスキャナーが使用できるが、チューブ型スキャ
ナーを使用してもよい。
【0047】このチューブ型スキャナーは、円筒状の形
状を有した圧電体の内側面または外側面のどちらか一方
の面に全面的に電極が設けられ、かつ他方の面には複数
に分割された電極が設けられたものであり、電極間にそ
れぞれ任意の電圧を印加することにより、カンチレバー
を任意のX方向、Y方向及びZ方向に移動させることが
できる。
【0048】また、前記信号発生部としては、例えば電
流電圧変換器とロックインアンプを組み合わせたものを
使用することができる。本実施例にかかるエバネッセン
ト波発生機構は、試料台(三角柱形状のプリズム)とエ
バネッセント波発生用光源とにより構成され、前記光源
として前記試料台上に設置された試料に向けて試料の裏
面側からレーザーを照射した際に、試料表面において全
反射するように配置調整可能なレーザー光源を使用して
いる。
【0049】即ち、前記光源からのレーザー光をプリズ
ムを介して試料の裏面側から試料に向けて照射した際
に、試料表面で全反射するように前記光源をプリズムの
側方に配置する。また、光検出部は探針の上方に配置す
る。なお、エバネッセント波発生用光源は必ずしもレー
ザー光源である必要はなく、インコヒーレント光を発す
るものでもよい。また、光源は単色光でもよいし、白色
光を発するものでもよい。
【0050】エバネッセント波発生用光源からの光をプ
リズムを介して試料の裏面側から試料に向けて照射し
て、試料表面で全反射させると、試料の表面からエバネ
ッセント波が発生する。そして、試料表面からのエバネ
ッセント波をカンチレバーの探針が捕捉することにより
伝播光が発生し、前記探針を透過した伝播光が探針の上
方に配置された光検出部により検出される。
【0051】本実施例にかかる走査型近接場光学顕微鏡
においては、探針と試料表面との間に原子間力が働き、
この力に応じて別個の振動子により共振周波数付近で振
動させているカンチレバーの先端変位が変化する。この
変位の変化がPZT圧電薄膜により電荷に変換され、こ
れに応じた信号が信号発生部から出力される。
【0052】そして、信号発生部からの信号に基づい
て、制御部及びカンチレバー駆動機構により、カンチレ
バーの先端変位(探針の変位)が一定となるようにカン
チレバーをZ方向に移動させつつ(探針と試料との間隔
を一定に保持しつつ)、探針をX方向及びY方向(試料
表面と略平行な面方向)に走査させることになる。この
ため、光検出部からの検出信号は光学的情報のみであ
り、試料の光学的情報のみを形状情報から分離して得る
ことができる。
【0053】また、前記カンチレバーを備えた本実施例
にかかる走査型近接場光学顕微鏡は、エバネッセント波
を捕捉して伝播光を発生する四角錐状探針の頂点部分と
その近傍領域及び一部の側面領域の光透過率が高いの
で、伝播光のS/N比が大きくなり、高分解能の光学特性
の検出が可能である。従って、本実施例にかかる走査型
近接場光学顕微鏡によれば、エバネッセント波を捕捉し
て探針が発生する伝播光のS/N比低下が防止され、しか
も試料の形状と分離した試料の光学的情報のみを得るこ
とができる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明(請求項1
〜4)にかかる走査型近接場光学顕微鏡用のカンチレバ
ーは、エバネッセント波を捕捉して伝播光を発生する前
記錐体状探針の少なくとも頂点部分及びその近傍領域の
光透過率が高いので、伝播光のS/N比が大きくなり、高
分解能の光学特性の検出が可能である。
【0055】また、本発明(請求項1〜4)にかかる走
査型近接場光学顕微鏡用のカンチレバーは、光が透過で
きるようにカンチレバーの端部に位置する探針にナノメ
ートルオーダーの開口を設ける必要がないので、従来法
よりも容易に製造することができる。また、本発明(請
求項1〜4)にかかる走査型近接場光学顕微鏡用のカン
チレバーは、前記錐体状探針の少なくとも頂点部分及び
その近傍領域に圧電膜、抵抗値が変化する膜及び電極膜
が付着していなければよい。
【0056】そのため、本発明(請求項1〜4)にかか
る走査型近接場光学顕微鏡用のカンチレバーは、従来法
のようにカンチレバーの探針をマスキングして下部電極
膜等がコートされないようにする工程を設けなくても製
造可能であり、例えば請求項5記載の製造方法(斜め蒸
着法を利用した方法)により従来法よりも容易にかつ安
価に製造できる。
【0057】請求項1〜4に記載のカンチレバーを備え
た本発明(請求項6〜8)にかかる走査型近接場光学顕
微鏡は、エバネッセント波を捕捉して伝播光を発生する
錐体状探針の少なくとも頂点部分及びその近傍領域の光
透過率が高いので、伝播光のS/N比が大きくなり、高分
解能の光学特性の検出が可能である。また、本発明(請
求項6〜8)にかかる走査型近接場光学顕微鏡において
は、信号発生部から出力された信号に基づいて、カンチ
レバーの変位量(撓み量)が一定になるように第1移動
機構を制御しつつ、探針が試料表面と平行(または略平
行)な面方向に走査するように第2移動機構を制御する
ので、試料の形状情報と分離した試料の光学的情報のみ
を得ることができる。
【0058】従って、本発明(請求項6〜8)にかかる
走査型近接場光学顕微鏡によれば、エバネッセント波を
捕捉して探針が発生する伝播光のS/N比低下が防止さ
れ、しかも試料の形状情報と分離した試料の光学的情報
のみを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明にかかるカンチレバーを製造する際
に、錐体状探針の少なくとも頂点部分及びその近傍領域
に圧電膜もしくは抵抗値が変化する膜及び電極膜が付着
しないように、斜め蒸着をする様子(一例)を示す概念
図である。
【図2】は、本発明にかかるカンチレバーを製造する方
法(一例)を示す工程図である。
【図3】は、本発明にかかる走査型近接場光学顕微鏡
(一例)を示す概略構成図である。 以上

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底面が開口した中空の錐体状探針を先端
    部に備え、変位量(撓み量)検出のために、圧電膜もし
    くは圧力に応じて抵抗値が変化する膜と一対の電極膜と
    が少なくともプレート(レバー)部分に設けられ、前記
    錐体状探針の少なくとも頂点部分及びその近傍領域には
    前記圧電膜、抵抗値が変化する膜及び電極膜が設けられ
    ていない走査型近接場光学顕微鏡用のカンチレバー。
  2. 【請求項2】 前記錐体状探針が窒化珪素または酸化珪
    素の自立膜により構成されていることを特徴とする請求
    項1記載の走査型近接場光学顕微鏡用のカンチレバー。
  3. 【請求項3】 前記圧電膜または圧力に応じて抵抗値が
    変化する膜の材料がチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)で
    あること特徴とする請求項1または2記載の走査型近接
    場光学顕微鏡用のカンチレバー。
  4. 【請求項4】 前記電極膜の材料が白金、タンタル、チ
    タン、ルテニウムまたは金であること特徴とする請求項
    1〜3記載の走査型近接場光学顕微鏡用のカンチレバ
    ー。
  5. 【請求項5】 少なくとも、 両面研磨されたシリコン(100)ウエハーの両面に窒化
    珪素膜または酸化珪素膜を形成する工程と、 前記窒化珪素膜または酸化珪素膜を形成したシリコンウ
    エハーの表(おもて)面側に正方形形状のパターンを形
    成し、エッチング(例えば反応性イオンエッチング)に
    より窒化珪素膜または酸化珪素膜をその正方形形状に取
    り除いてシリコンを露出させる工程と、 前記シリコンが露出した部分の異方性エッチングをエッ
    チャント(例えば水酸化カリウム溶液)を用いて行うこ
    とにより、錐体状(例えば四角錐形状)のエッチピット
    をウエハーの表(おもて)面側に形成する工程と、 ウエハーの表(おもて)面または両面に窒化珪素膜また
    は酸化珪素膜を形成した後、ウエハーの裏面にバックエ
    ッチングパターンを形成し、エッチング(例えば反応性
    イオンエッチング)により窒化珪素膜または酸化珪素膜
    を一部取り除くことによりシリコンをウエハーの裏面側
    に露出させる工程と、 前記ウエハーの裏面側のシリコンが露出した部分をエッ
    チャント(例えば水酸化カリウム溶液)により所定厚さ
    のシリコンを残して異方性エッチングを行う工程と、 前記裏面のパターンと位置合わせして、ウエハーの表
    (おもて)面側にカンチレバーを形成するために、コ字
    型形状のパターンの焼き付けを行い、エッチング(例え
    ば反応性イオンエッチング)により窒化珪素膜または酸
    化珪素膜を一部取り除いてシリコンを露出させる工程
    と、 両面に露出したシリコンをエッチャント(例えば水酸化
    カリウム溶液)により異方性エッチングを行ってコ字型
    部分を貫通させることにより、底面が開口した中空の錐
    体状(例えば四角錐状)探針を先端部に備えたプレート
    (レバー)とその支持部材を一体に作製する工程と、 前記錐体状(例えば四角錐状)探針の少なくとも頂点部
    分及びその近傍領域に膜が付着しないように、前記プレ
    ート及び支持部材に対して、前記錐体の開口底面側の斜
    め方向から物理的蒸着法(例えば、蒸着法、スパッタリ
    ング法)により、下部電極膜(例えばルテニウム膜、白
    金膜)及び圧電膜もしくは圧力に応じて抵抗値が変化す
    る膜(例えば、チタン酸ジルコン酸鉛膜)を形成する工
    程と、 マスクを使用して、前記プレート(レバー)部分に積層
    された前記下部電極膜及び圧電膜もしくは圧力に応じて
    抵抗値が変化する膜の上に上部電極膜(例えば金膜)を
    部分的に形成する工程とを有する請求項1〜4記載の走
    査型近接場光学顕微鏡用のカンチレバーを製造する方
    法。
  6. 【請求項6】 少なくとも、 請求項1〜4記載のカンチレバーと、 前記カンチレバーの変位量(撓み量)に対応して前記圧
    電膜が発生する電圧に応じた信号を出力するか、或いは
    前記カンチレバーの変位量(撓み量)に対応して変化す
    る前記膜の抵抗値に応じた信号を出力する信号発生部
    と、 試料表面と垂直(または略垂直)な方向に前記カンチレ
    バーを前記試料に対して相対的に移動させる第1移動機
    構と、 試料表面と平行(または略平行)な面方向に前記カンチ
    レバーを前記試料に対して相対的に移動させる第2移動
    機構と、 前記信号発生部から出力された信号に基づいて、前記カ
    ンチレバーの変位量(撓み量)が一定になるように前記
    第1移動機構を制御しつつ、前記探針が試料表面と平行
    (または略平行)な面方向に走査するように前記第2移
    動機構を制御する制御部と、 試料表面において全反射するように、試料の裏面側から
    試料に光を照射することにより、試料表面からエバネッ
    セント波を発生させるエバネッセント波発生機構と、 前記試料表面からのエバネッセント波を前記探針が捕捉
    することにより発生し、前記探針を透過するか、或いは
    前記探針により散乱される伝播光を検出する光検出部
    と、 前記制御部から出力された前記第2移動機構の制御信号
    と、前記光検出部から出力された伝播光の検出信号に基
    づいて、前記面方向におけるカンチレバーの試料表面に
    対する相対位置に応じた試料表面の光学的情報を得る処
    理部と、を有する走査型近接場光学顕微鏡。
  7. 【請求項7】 前記処理部は、前記制御部から出力され
    た前記第1移動機構及び第2移動機構の制御信号に基づ
    いて、試料表面の形状情報も得ることを特徴とする請求
    項6記載の走査型近接場光学顕微鏡。
  8. 【請求項8】 前記信号発生部は、前記カンチレバーの
    変位量(撓み量)に対応する信号を増幅する電流電圧変
    換器及びロックインアンプを備えることを特徴とする請
    求項6または7記載の走査型近接場光学顕微鏡。
  9. 【請求項9】 底面が開口した中空の錐体状探針を先端
    部に備え、変位量(撓み量)の光学的検出のために反射
    膜が少なくともプレート(レバー)部分に設けられ、前
    記錐体状探針の少なくとも頂点部分及びその近傍領域に
    は前記反射膜が設けられていない走査型近接場光学顕微
    鏡用のカンチレバー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002340771A (ja) * 2001-05-21 2002-11-27 Olympus Optical Co Ltd 走査型近接場光学顕微鏡

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002340771A (ja) * 2001-05-21 2002-11-27 Olympus Optical Co Ltd 走査型近接場光学顕微鏡
JP4540254B2 (ja) * 2001-05-21 2010-09-08 オリンパス株式会社 走査型近接場光学顕微鏡

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