JP2000003691A - 荷電粒子線偏向装置、荷電粒子線の偏向方法および荷電粒子線装置 - Google Patents

荷電粒子線偏向装置、荷電粒子線の偏向方法および荷電粒子線装置

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JP2000003691A
JP2000003691A JP10165671A JP16567198A JP2000003691A JP 2000003691 A JP2000003691 A JP 2000003691A JP 10165671 A JP10165671 A JP 10165671A JP 16567198 A JP16567198 A JP 16567198A JP 2000003691 A JP2000003691 A JP 2000003691A
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particle beam
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deflecting
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Yutaka Sato
佐藤  裕
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子ビーム等の荷電粒子線を偏向する荷電粒
子線偏向装置に関し、特に、ビーム偏向を高精度に制御
する荷電粒子線偏向装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 複数の偏向コイルを有し、第1の偏向磁
界を発生して荷電粒子線を偏向する第1の偏向手段1
と、複数の偏向コイルから何れかの偏向コイルを選択し
て通電し、第1の偏向磁界の強度を段階的に制御するス
イッチ手段2と、第2の偏向磁界を発生し、荷電粒子線
を偏向する第2の偏向手段3と、第2の偏向手段に供給
する電流量を変えることにより第2の偏向磁界の強度を
制御する磁界制御手段4とを備えて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子ビーム等の荷
電粒子線を偏向する荷電粒子線偏向装置に関し、特に、
ビーム偏向を高精度に制御する荷電粒子線偏向装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】電子ビーム等の荷電粒子線を偏向する偏
向器には、静電偏向器、電磁偏向器の2種類が存在す
る。これら偏向器は、用途に応じて使い分けられること
が多いが、一般的には大きな偏向量が必要な場合に、電
磁偏向器を使用することが多い。図5は、電磁偏向器の
構成ブロック図であり、図6は、この電磁偏向器で使用
される偏向コイル(一例としてサドル型コイル)を模式
的に表した図である。図5において、電磁偏向器は、偏
向コイル51、電流増幅器52、D/Aコンバータ5
3、偏向制御回路54から構成される。
【0003】この構成において、まず、偏向制御回路5
4から所望の偏向量に応じたデジタル信号が出力され、
D/Aコンバータ53によってアナログ信号に変換され
る。次に、電流増幅器52によって所望の偏向量に応じ
た電流量に増幅され、偏向コイル51にその電流が供給
される。図6に示すように偏向コイル51は、偏向コイ
ル51a、51bの1対の偏向コイルから成り立ってお
り、偏向コイル51a、51bの双方に電流が流れる
と、2つのコイル間に、−y方向に偏向磁界が発生す
る。このとき、電子ビームが−z方向に照射されている
とすると、この電子ビームは、x方向にビーム軌道が曲
げられる。
【0004】このように電磁偏向器によるビーム偏向
は、コイルに通電する電流量をコントロールして行われ
るが、このときD/Aコンバータ53の分解能によっ
て、コイルに供給する電流をどれだけ細かいステップ幅
で調節できるかが決まるため、D/Aコンバータ53の
分解能がビーム偏向の制御の精度に大きく関与した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年半導体
デバイスの高集積化が進み、半導体ウェーハ上に描画す
るデバイスパターンは微細化の一途をたどっている。微
細なデバイスパターンを描画するためには、電子ビーム
を偏向する際に緻密な制御が要求される。
【0006】前述したようにビーム偏向の制御の精度
は、D/Aコンバータの分解能に大きく依存しており、
ビーム偏向を緻密に制御するためには、D/Aコンバー
タの分解能を向上させることが要求される。通常は、1
8〜20ビットのD/Aコンバータが使用されている
が、現在ではそれ以上の22〜24ビットの高分解能の
D/Aコンバータが必要とされている。
【0007】図7に示すように、D/Aコンバータは、
デジタル信号が入力されるスイッチ回路55とその後段
に配置される抵抗回路網56とから構成されている。ス
イッチ回路55には、nビットのデジタル信号bn-1
n-2、・・・、b0に対応してスイッチが設けられてお
り、各デジタル値の1,0に対応してスイッチを開閉
し、抵抗回路網56によって所定の電流を取り出す。こ
のとき、biビットが1のときに抵抗回路網56の対応
する出力線に、I/2n-i(Iは最大出力電流)の電流
が出力されるようにしておけば、デジタル値bn-1、b
n-2、・・・、b0に対応するアナログ電流値I/2、I
/4、・・・、I/2nが得られる。
【0008】このようにD/Aコンバータの変換精度
は、抵抗回路網56でどれだけ正確に電流値を1/2ず
つ分割していくかによって決まるため、抵抗回路網56
の各抵抗値は、厳密に設計しなければならなかった。し
かしながら、抵抗には、一般的な特性として温度特性、
熱雑音、電流雑音等が存在する。特に、高分解能のD/
Aコンバータでは、これらばらつきが少しでも存在する
と変換精度を著しく悪化させるため、これらばらつきを
抑えた精度の高い抵抗を設計製造しなければならなかっ
た。
【0009】また、上記の温度特性、熱雑音、電流雑音
が存在する場合には、これらばらつきを除去するような
補正回路、冷却器等が必須となるため、D/Aコンバー
タ自体の構造が複雑になった。以上のことからD/Aコ
ンバータを20ビット以上の高分解能化することは、非
常に困難を極めるため、従来の荷電粒子線偏向装置にお
いては、ビーム偏向を高精度かつ緻密に制御することは
難しかった。
【0010】そこで、本発明は、上述の問題点を解決す
るために、ビーム偏向を高精度に制御することができる
荷電粒子線偏向装置および荷電粒子線の偏向方法並びに
荷電粒子線装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】図1は、本発明の原理ブ
ロック図である。
【0012】請求項1に記載の荷電粒子線偏向装置は、
複数の偏向コイルを有し、第1の偏向磁界を発生して荷
電粒子線を偏向する第1の偏向手段1と、前記複数の偏
向コイルから何れかの偏向コイルを選択して通電し、第
1の偏向磁界の強度を段階的に制御するスイッチ手段2
と、第2の偏向磁界を発生し、前記荷電粒子線を偏向す
る第2の偏向手段3と、前記第2の偏向手段3に供給す
る電流量を変えることにより前記第2の偏向磁界の強度
を制御する磁界制御手段4とを備えて構成する。
【0013】このような構成では、スイッチ手段2は、
第1の偏向磁界の強度を、複数の偏向コイルから何れか
の偏向コイルを選択して通電することで段階的に制御す
る。また、磁界制御手段4は、第2の偏向磁界の強度
を、第2の偏向手段3に供給する電流量を変えることで
制御する。そして、荷電粒子線は、第1の偏向磁界と第
2の偏向磁界とを合わせた合成磁界によって偏向され
る。
【0014】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の荷電粒子線偏向装置であって、前記第1の偏向手段1
の複数の偏向コイルは、全て巻線数が異なっていること
を特徴とする。請求項3に記載の発明は、請求項2に記
載の荷電粒子線偏向装置であって、前記複数の偏向コイ
ルの巻線比は、1:2:4:・・・:2m(但し、mは
自然数)であることを特徴とする。
【0015】このような構成では、複数の偏向コイルの
個数は、m+1個となるため、第1の偏向手段1および
スイッチ手段2は、m+1ビットのD/Aコンバータの
機能を有することになる。請求項4に記載の発明は、請
求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の荷電粒子線
偏向装置であって、磁界制御手段4は、第2の偏向磁界
の強度を、スイッチ手段2によって制御される第1の偏
向磁界の強度の変化幅よりも小さい変化幅で制御するこ
とを特徴とする。
【0016】このような構成では、第1の偏向手段1お
よびスイッチ手段2によって荷電粒子線が段階的に粗く
偏向され、第2の偏向手段3および磁界制御手段4によ
ってその変化幅を埋めるように緻密に偏向制御される。
請求項5に記載の発明は、複数の偏向コイルを有する偏
向手段から何れかの偏向コイルを選択して通電し、偏向
手段から発生する偏向磁界の強度を段階的に制御すると
共に、複数の偏向コイルとは別の電磁コイルに供給する
電流量を変えることにより該電磁コイルから発生する偏
向磁界の強度を制御し、偏向手段および電磁コイルから
発生する偏向磁界によって荷電粒子線を偏向することを
特徴とする。
【0017】請求項6に記載の発明は、荷電粒子源と、
前記荷電粒子源から発生する荷電粒子線を偏向する荷電
粒子線偏向装置とを含む荷電粒子線装置であって、前記
荷電粒子線偏向装置は、請求項1ないし請求項4の何れ
か1項に記載の荷電粒子線偏向装置であることを特徴と
する。本発明の荷電粒子線装置では、荷電粒子源から発
生する荷電粒子線を、請求項1〜4の何れか1項に記載
の荷電粒子線偏向装置によって偏向制御する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
形態を説明する。本発明の実施形態の一例として、荷電
粒子線偏向装置を備えた電子ビーム露光装置について説
明する。図2は、電子ビーム露光装置の全体構成図であ
る。なお、本実施形態は、請求項1〜6に記載の発明に
対応する。
【0019】図2において、電子ビーム露光装置の鏡筒
21内部には、電子銃22が配置される。電子銃22か
ら照射される電子ビームのビーム軸上には、ブランキン
グ電極23、副偏向コイル24、主偏向コイル25、対
物レンズ26が配置される。鏡筒21下部の試料室27
には、ステージ28が配置され、ステージ28上には、
半導体ウェーハ29が載置される。
【0020】電子銃22は電子銃制御部30と接続さ
れ、副偏向コイル24は偏向制御部31aと接続され、
主偏向コイル25は偏向制御部31と接続され、対物レ
ンズ26はレンズ制御部32と接続され、ステージ28
はステージ駆動制御部33と接続される。また、電子銃
制御部30、偏向制御部31、31a、レンズ制御部3
2およびステージ駆動制御部33は、CPU34と接続
される。
【0021】このような構成において、まずステージ駆
動制御部33により、ステージ28はXY方向に駆動さ
れ、ステージの位置合わせが行われる。次に、電子銃2
2から加速出射された電子ビームは、主偏向コイル25
および対物レンズ26によって偏向集束され、半導体ウ
ェーハ29上の所定の位置に照射される。副偏向コイル
24は、この電子ビームを偏向して所定の小領域内でデ
バイスパターンを描画する。なお、ブランキング電極2
3は、2極の偏向電極であり、ステージ28が移動して
いる間、ファラデーカップ(不図示)等に向けて電子ビ
ームを偏向することで、試料に不要な電子ビームが照射
しないようにビームを遮断している。
【0022】ところで主偏向コイル25は、副偏向コイ
ル24よりも広範囲の領域に対して偏向制御を行わなけ
ればならないため、高精度な偏向制御が要求される。そ
こで、主偏向コイル25および偏向制御部31に本発明
を適用する。以下、主偏向コイル25および偏向制御部
31の構成と動作とについて、図3を参照して説明す
る。
【0023】主偏向コイル25は、x方向偏向コイルと
y方向偏向コイルとを有しているが、y方向偏向コイル
の構成は、x方向偏向コイルと同一であるため、ここで
は説明を省略する。通常、x方向偏向コイルの総巻線数
Pは、数10〜数100が適当とされる。本発明では、
総巻線数Pを、P=n+n+2n+4n+8n+16n
+・・・+2mnのように分割する(但し、m,nは自然
数)。このとき、nが1または2であるとすると、mは
一般的に5以上になる場合が多い。以下、例としてm=
5として説明する。
【0024】図3に示すように、主偏向コイル25は、
x方向偏向コイルであるコイルCL0〜CL6を有してい
る。コイルCL0〜CL6は、各々一対の偏向コイルであ
る。コイルCL0は、電流増幅器36を介してD/Aコ
ンバータ37と接続され、D/Aコンバータ37は、偏
向制御回路38と接続される。一方、コイルCL1〜C
L6の両端子は、それぞれ対応するスイッチSW1〜S
W6の端子aおよび端子bに接続され、各スイッチの端
子b1〜b5は、共通端子c2〜c6に接続される。ま
た、固定電流源39は、スイッチSW1の共通端子c1
とスイッチSW6の端子b6とに接続される。
【0025】そして、前述したように、コイルCL0は
n巻、コイルCL1はn巻、コイルCL2は2n巻、コイ
ルCL3は4n巻、コイルCL4は8n巻、コイルCL5
は16n巻、コイルCL6は32n巻で巻回されて形成
されている。図4に主偏向コイル25の巻線状態を具体
的に表す(ここでは、サドル型コイルを示す)。磁心4
0aと磁心40bとの各々には、コイルCL0〜CL6が
巻き付けられており、x方向偏向コイルを構成してい
る。
【0026】なお、請求項1〜4に記載の発明と、本実
施形態との対応関係については、第1の偏向手段1は、
主偏向コイル25のコイルCL1〜CL6に対応し、スイ
ッチ手段2は、スイッチSW1〜SW6に対応し、第2
の偏向手段3は、主偏向コイル25のコイルCL0に対
応し、磁界制御手段4は、電流増幅器36、D/Aコン
バータ37および偏向制御回路38に対応する。
【0027】また、請求項5に記載の発明と、本実施形
態との対応関係については、偏向手段は、主偏向コイル
25のコイルCL1〜CL6に対応し、電磁コイルは、主
偏向コイル25のコイルCL0に対応する。また、請求
項6に記載の発明と、本実施形態との対応関係について
は、荷電粒子源は、電子銃22に対応する。
【0028】次に、主偏向コイル25および偏向制御部
31の動作について説明する。主偏向コイル25から発
生する偏向磁界の強度は、コイルCL0〜CL6の巻線数
とそれに流れる電流量との積で決定される。以下、偏向
磁界の強度を「アンペア・ターン」で表す。ここでは、
コイルCL0には、電流増幅器36によって0〜100
Aまでの電流を供給することができるとする。また、固
定電流源39は、100A一定の固定電流源とする。ま
た、D/Aコンバータ37は、18ビットの分解能を有
するD/Aコンバータとする。
【0029】コイルCL0には最大電流量100Aの電
流が流れ、D/Aコンバータ37は、18ビットの分解
能を有しているため、コイルCL0の偏向磁界は、10
0・n/218のステップ幅で制御される。また、コイル
CL0〜CL6までの全てのコイルに最大電流量100A
が流れたとすると、6400nアンペア・ターンの偏向
磁界が発生する。したがって、主偏向コイル25の偏向
磁界は、0〜6400nアンペア・ターンのレンジで1
00・n/218のステップ幅でコントロールされる。
【0030】この動作を以下に詳細に説明する。例え
ば、0〜100nアンペア・ターンのレンジで偏向磁界
を制御するときには、CPU34は、スイッチSW1〜
SW6を端子b側に切り替える。すると、コイルCL1
〜CL6には電流が供給されない。この状態で、電流増
幅器36が、所望の偏向量に応じた増幅電流をコイルC
L0に供給することで、0〜100nアンペア・ターン
の偏向磁界を作り出すことができる。
【0031】また、100n〜200nアンペア・ター
ンのレンジで偏向磁界を制御するには、スイッチSW1
を端子a側に切り替え、スイッチSW2〜SW6を端子
b側に切り替える。すると、コイルCL1のみに電流が
供給され、100nアンペア・ターンの偏向磁界が発生
する。この状態で、コイルCL0に流す電流を調節する
ことで、100n〜200nアンペア・ターンの偏向磁
界を作り出すことができる。
【0032】同様に、200n〜300nアンペア・タ
ーンの偏向磁界を作り出すには、スイッチSW2を端子
a側に切り替え、スイッチSW1、SW3〜SW6を端
子b側に切り替え、コイルCL2のみに電流を供給す
る。この状態で、コイルCL0に流す電流を調節するこ
とで、200n〜300nアンペア・ターンの偏向磁界
を作り出すことができる。
【0033】また、300n〜400nアンペア・ター
ンの偏向磁界を作り出すには、スイッチSW1、SW2
を端子a側に切り替え、スイッチSW3〜SW6を端子
b側に切り替え、コイルCL1、CL2に電流を供給す
る。この状態で、コイルCL0に流す電流を調節するこ
とで、300n〜400nアンペア・ターンの偏向磁界
を作り出すことができる。
【0034】このように本実施形態では、スイッチSW
1〜SW6を切り替えてコイルCL1〜CL6から、通電
するコイルを選択し、コイルCL0に流す電流量を調節
することで所望の偏向磁界を作り出すことができる。す
なわち、コイルCL1〜CL6およびスイッチSW1〜S
W6が、D/A変換における上位6ビットの変換機能を
果たすことができる。
【0035】したがって、例えば、D/Aコンバータ3
7の分解能が、18ビットであったとしても、装置全体
としては24ビットの高分解能なD/Aコンバータの機
能を有することになる。また、コイルCL1〜CL6の選
択によるD/A変換とD/Aコンバータ37によるD/
A変換とが、並列して処理できるため、D/A変換にか
かるセトリングタイムを短縮化することができる。
【0036】さらに、コイルCL1〜CL6の選択による
D/A変換機能に関しては、巻線数を増やしたコイル
(64n巻、124n巻・・・等)を追加すれば簡単に
分解能を向上させることができ、より高精度な偏向制御
を実施することができる。なお、本実施形態で述べた構
成例(例えば、コイルCL0〜コイルCL6の配置、巻き
方、巻線比、供給する電流量等)は一例であり、これに
限定されるものではない。別の構成例としては、コイル
各々にスイッチと電流源とを備え、独立して電流を供給
してもよい。
【0037】また、主偏向コイル25の偏向磁界には、
不均一性が生じる場合がある。このような場合には、予
め補正テーブルを用意しておき、この補正テーブルに従
ってコイルCL0の偏向磁界を調節して磁界の不均一性
を除去してもよい。このため、コイルCL0に流す電流
量は、100Aよりも数%程度大きくして補正用に余裕
を持たせておく。
【0038】また、スイッチSW1〜SW6は、機械的
なスイッチである必要はなく、半導体のアナログスイッ
チ回路を使用してもよい。また、本実施形態では、コイ
ルCL0とコイルCL1とを同じ巻線数にしたが、それに
限定されず、コイルCL0から発生する最大の偏向磁界
と、コイルCL1から発生する偏向磁界とが同一強度の
偏向磁界になるように、巻線数と供給する電流量とを変
更してもよい。
【0039】また、本実施形態では、サドル型コイルに
ついて説明したが、それに限定されず、本発明をトロイ
ダルコイル、鞍型コイル等にも適用してもよい。また、
本実施形態では、電子ビーム露光装置について説明した
が、本発明の適用はそれに限定されるものではなく、例
えば、電子ビームを照射してウェーハ面上を観察・検査
する電子顕微鏡や電子ビーム検査装置等の、その他の荷
電粒子線装置にも適用することができる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
荷電粒子線偏向装置では、第1の偏向手段による第1の
偏向磁界と第2の偏向手段による第2の偏向磁界との合
成磁界によって荷電粒子線を偏向する。したがって、荷
電粒子線の偏向制御を2つの手段で分担して行うことで
高精度に偏向制御を行うことができる。このとき、第2
の偏向手段において使用されるD/Aコンバータは、高
分解能化する必要がないため、簡易かつ安価なD/Aコ
ンバータを使用することができる。
【0041】また、第1の偏向手段においては、偏向コ
イルの個数を追加するという簡単な方法で荷電粒子線の
偏向制御の精度を容易に向上させることができる。請求
項2に記載の荷電粒子線偏向装置では、複数の偏向コイ
ルの巻線数が全て異なっている。このとき、巻線比を通
常よく使用する巻線比、例えば、1:2:3:・・・と
なっていれば、適宜偏向コイルを選択することで自在
に、所望の偏向制御を行うことができる。
【0042】請求項3に記載の荷電粒子線偏向装置で
は、複数の偏向コイルの巻線数が、1:2:4:・・
・:2mの比で構成されている。したがって、第1の偏
向手段はm+1ビットのD/Aコンバータの機能を果た
すことができる。請求項4に記載の荷電粒子線偏向装置
では、第1の偏向手段がビーム偏向を粗く段階的に制御
し、第2の偏向手段が、その変化幅を埋めるように細か
く制御することができる。すなわち、第1の偏向手段が
D/Aコンバータの上位ビットに、第2の偏向手段が下
位ビットに相当して機能する。
【0043】請求項5に記載の荷電粒子線の偏向方法で
は、複数の偏向コイルから何れかの偏向コイルを選択し
て偏向磁界の強度を段階的に制御する方法と、電磁コイ
ルに供給する電流量を変えることにより偏向磁界の強度
を制御する方法とを組み合わせて荷電粒子線を偏向する
ため、偏向制御を高精度に行うことができる。請求項6
に記載の荷電粒子線装置では、請求項1〜4に記載の荷
電粒子線偏向装置を用いることで、荷電粒子源から発生
する荷電粒子線を高精度に偏向制御することができる。
【0044】このようにして、本発明を適用した荷電粒
子線偏向装置および荷電粒子線装置では、簡易な構成の
ままで荷電粒子線の偏向を高精度に制御することがで
き、さらに偏向制御のより一層の高精度化にも容易に対
応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理ブロック図である。
【図2】本実施形態の全体構成図である。
【図3】本発明の電磁偏向器の構成を説明する図であ
る。
【図4】主偏向コイルの巻線状態を具体的に表す図であ
る。
【図5】電磁偏向器の構成ブロック図である。
【図6】偏向コイルを模式的に表した図である。
【図7】D/Aコンバータの構成ブロック図である。
【符号の説明】
1 第1の偏向手段 2 スイッチ手段 3 第2の偏向手段 4 磁界制御手段 21 鏡筒 22 電子銃 23 ブランキング電極 24 副偏向コイル 25 主偏向コイル 26 対物レンズ 27 試料室 28 ステージ 29 半導体ウェーハ 30 電子銃制御部 31、31a 偏向制御部 32 レンズ制御部 33 ステージ駆動制御部 34 CPU 36 電流増幅器 37 D/Aコンバータ 38 偏向制御回路 39 固定電流源 40a、40b 磁心

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の偏向コイルを有し、第1の偏向磁
    界を発生して荷電粒子線を偏向する第1の偏向手段と、 前記複数の偏向コイルから何れかの偏向コイルを選択し
    て通電し、前記第1の偏向磁界の強度を段階的に制御す
    るスイッチ手段と、 第2の偏向磁界を発生し、前記荷電粒子線を偏向する第
    2の偏向手段と、 前記第2の偏向手段に供給する電流量を変えることによ
    り前記第2の偏向磁界の強度を制御する磁界制御手段と
    を備えたことを特徴とする荷電粒子線偏向装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の荷電粒子線偏向装置で
    あって、 前記第1の偏向手段の複数の偏向コイルは、全て巻線数
    が異なっていることを特徴とする荷電粒子線偏向装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の荷電粒子線偏向装置で
    あって、 前記複数の偏向コイルの巻線比は、 1:2:4:・・・:2m(但し、mは自然数)である
    ことを特徴とする荷電粒子線偏向装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3の何れか1項に
    記載の荷電粒子線偏向装置であって、 前記磁界制御手段は、 前記第2の偏向磁界の強度を、前記スイッチ手段によっ
    て制御される第1の偏向磁界の強度の変化幅よりも小さ
    い変化幅で制御することを特徴とする荷電粒子線偏向装
    置。
  5. 【請求項5】 複数の偏向コイルを有する偏向手段から
    何れかの偏向コイルを選択して通電し、前記偏向手段か
    ら発生する偏向磁界の強度を段階的に制御すると共に、
    前記複数の偏向コイルとは別の電磁コイルに供給する電
    流量を変えることにより該電磁コイルから発生する偏向
    磁界の強度を制御し、前記偏向手段および前記電磁コイ
    ルから発生する偏向磁界によって荷電粒子線を偏向する
    ことを特徴とする荷電粒子線の偏向方法。
  6. 【請求項6】 荷電粒子源と、前記荷電粒子源から発生
    する荷電粒子線を偏向する荷電粒子線偏向装置とを含む
    荷電粒子線装置であって、 前記荷電粒子線偏向装置は、請求項1ないし請求項4の
    何れか1項に記載の荷電粒子線偏向装置であることを特
    徴とする荷電粒子線装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016121226A1 (ja) * 2015-01-30 2016-08-04 松定プレシジョン株式会社 荷電粒子線装置及び走査電子顕微鏡
CN106981410A (zh) * 2017-05-03 2017-07-25 桂林实创真空数控设备有限公司 大功率宽幅电子束偏转扫描装置

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