JP2000000560A - 泡沫処理装置 - Google Patents

泡沫処理装置

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JP2000000560A
JP2000000560A JP18155698A JP18155698A JP2000000560A JP 2000000560 A JP2000000560 A JP 2000000560A JP 18155698 A JP18155698 A JP 18155698A JP 18155698 A JP18155698 A JP 18155698A JP 2000000560 A JP2000000560 A JP 2000000560A
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foam
liquid
surfactant
foaming
foaming tank
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JP18155698A
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English (en)
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Motomu Wada
求 和田
Masanori Tsutsui
正典 筒井
Takayuki Shibayama
隆之 柴山
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Daido Metal Co Ltd
Original Assignee
Daido Metal Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理液から界面活性剤を分離して回収するに
際して、回収液中の界面活性剤濃度の高めて、再利用や
再処理が容易な泡沫処理装置とする。 【解決手段】 発泡槽10内に貯留されている処理液を
バブリングして液面上に泡沫を形成する。この泡沫が発
泡槽10の上面に設けた排泡口18から溢れ出す。溢れ
出た泡沫をスキマー装置3によってスキミングして消泡
室4に集める。消泡室4内のヒータ43によって加温
し、泡沫の状態で液分を蒸発して、消泡する。これによ
り界面活性剤が濃縮した回収液が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、界面活性剤を含
有する処理液をバブリングして液面上に界面活性剤を濃
縮した泡沫を形成して、処理液から界面活性剤を分離す
る泡沫処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】洗剤や洗浄剤などの界面活性剤を含んで
いる処理液に空気などの気体をバブリングして液面上に
泡沫を形成させ、この泡沫に界面活性剤や他の溶質を吸
着して処理液から分離するいわゆる泡沫処理装置は、従
来からいくつか知られている。特開昭51ー96702
号公報に記載された発明(従来技術1)は、回分式のも
のであって、発泡槽内の処理液液面からわずか数センチ
メートルの低い位置に排泡口を設け、泡沫のみならず、
バブリングにより液面近傍の処理液も排出させて、破泡
し易い低濃度の泡沫も排出するようにしたものである。
これによって、界面活性剤の濃度を極めて低い濃度まで
下げることができるとしている。
【0003】特開昭50ー129478号に記載された
発明(従来技術2)は、密閉容器からなる発泡槽ユニッ
トを多段に積み重ねる方式を採用し、各発泡槽の天井を
中央から両側縁に向けて高くなるように傾斜させ、その
両側縁に樋を設けている。この構成により、気泡を傾斜
する天井に沿って側縁へ移動させて、両側縁近傍で泡沫
とし、直ちに樋内へ溢流するようにしている。そして、
樋内に集められた泡沫にシャワー水をかけて消泡してい
る。
【0004】特開昭51ー48757号に記載された発
明(従来技術3)は、区画堰板によって区画された複数
の発泡槽を設け、各発泡槽の上蓋によってそれぞれ区画
するとともに、この上蓋を上方に傾斜して設けている。
この各上蓋の上部を一カ所に集めた上で開口し、さらに
処理液がこれらの開口部の上部まで充填されて、その上
方が液面とされている。これによって、一の発泡槽から
バブリングによって発生した気泡は、上蓋に沿って上昇
して開口部に導かれるが、すべての発泡槽からの気泡が
一カ所に集合して、さらに上昇して液面上で泡沫にな
る。この構成によって、最終段階の発泡槽内の処理液
が、泡沫を形成するための限界とされる低い界面活性剤
の濃度となっていても、界面活性剤が気泡に吸着した状
態で開口部まで運ばれて、他の発泡槽の高い濃度の気泡
と混じり合って、安定した泡沫を形成するとしている。
このため、泡沫になり難い極めて低い濃度まで分離でき
るとしている。
【0005】特開昭51ー36669号に記載された発
明(従来技術4)は、タワー形の発泡槽内を中央から側
壁に向かう下向きの隔壁を多段に設けて区画し、その中
央に開口部を形成して、処理液を最上段から流入して最
下段から排出するとともに、最下段からバブリングする
ようにしている。これによって、処理液は開口部を通っ
て順次下段へ流れるが、開口部を上昇する気泡と確実に
向流接触して、処理液中の界面活性剤を効率よく除去で
きるとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の技術1
では、泡沫のみならずバブリングによる液面近傍の処理
液も同時に排出させるものであり、また、従来技術2で
は、泡沫を樋内に溢流させ、さらに泡沫にシャワー水を
かけて消泡している。このため、これら従来技術1、2
では、回収液中の界面活性剤の濃度を十分に高めること
ができず、再び回収液の再処理が必要となってしまう。
【0007】従来技術3では、順次各発泡槽で処理され
た処理液の一部を再び最初の発泡槽へ循環させているた
めに、極めて効率の悪い処理装置とならざるを得ない。
【0008】また、従来技術4では、区画された各段の
開口部では処理液と気泡が向流接触するが、上から流入
してくる処理液は、各段の開口部から開口部へ直接流れ
てしまいやすく、十分に界面活性剤の濃度を低くするこ
とができないばかりか、各段の開口部以外の部位はデッ
ドスペースとなって装置の大きさの割に非効率であり、
徒に装置が大型化するという課題があった。
【0009】ここで、処理液中の気泡が処理液面で泡沫
になるが、バブリングする気体の量などに応じた膜厚の
泡沫が形成される。これが次々に発生する泡沫によって
押し上げられるに従って、泡沫を構成する液膜中の溶媒
が下方に流動して徐々に膜厚の薄い泡沫になる。すなわ
ち、泡沫が液面から押し上げられるに従って、その液膜
が薄くなり、界面活性剤の濃度は相対的に高められるこ
とになる。また、泡沫の状態で加温すれば、表面積の極
めて大きい薄膜の状態で蒸発するために、極めて効率的
な蒸発が行なわれて、界面活性剤を容易に濃縮すること
ができる。
【0010】本願発明者は、これらの現象に着目して、
発泡槽の上面に泡沫を排出する排泡口を設けて、液面か
ら排泡口までを泡沫室とし、泡沫を液面から持ち上げる
ことによって、泡沫中の界面活性剤の濃度を高めた上で
分離回収し、さらに泡沫の状態で液分を蒸発して消泡す
ることによって、回収された回収液中には界面活性剤濃
度が高い泡沫処理装置とすることを見出した。
【0011】そこで、本発明では、界面活性剤を含有す
る処理液から、界面活性剤を分離して回収するに際し
て、処理液から分離回収された回収液中の界面活性剤濃
度を十分に高めて、再利用や再処理が容易な泡沫処理装
置とすることを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、発
泡槽内に貯留された界面活性剤を含有する処理液が貯留
され、該処理液をバブリングして液面上に泡沫を形成
し、さらに該発泡槽の上面に泡沫を排出する排泡口を設
けて、液面から該排泡口までを泡沫室とした泡沫分離装
置と、前記排泡口の上方に配設されて、該排泡口から溢
れ出る泡沫をスキミングするスキマー装置と、前記スキ
マー装置によって集められた泡沫を加温して消泡する消
泡装置とからなる。
【0013】このため、バブリングによって、発泡槽内
に貯留された処理液の液面上に泡沫が形成され、界面活
性剤は泡沫に吸着して処理液から分離される。ここで、
泡沫は、次々に形成される泡沫によって押し上げられ
て、排泡口から溢れ出ていく。この泡沫室内を持ち上げ
られていくに従って、泡沫を形成している液分が下方に
流れ出して、その膜厚が薄くなり、界面活性剤が濃縮さ
れて濃い泡沫になる。排泡口から溢れ出た泡沫はスキマ
ー装置によりスキミングされて消泡室内に集められる。
消泡室内の泡沫は加温されて、泡沫の液分が蒸発し、界
面活性剤が濃縮されてさらに濃い泡沫になる。そして液
分の蒸発とともに泡沫は不安定になって消泡し、回収液
になる。
【0014】請求項2の発明では、界面活性剤を含有す
る処理液を複数の発泡槽内に順次流通し、各発泡槽内の
処理液をバブリングして、液面上に泡沫を形成し、該界
面活性剤を濃縮した泡沫を形成して分離する泡沫分離装
置において、処理液が順次流出するように区画堰板によ
って区画されている複数の発泡槽の上面にそれぞれ泡沫
を排出する排泡口を設けて、液面から排泡口までを泡沫
室とし、上流側の泡沫室を下流側の泡沫室よりもその高
さを高く形成している。このため、界面活性剤を含有す
る処理液が最初の発泡槽内に流入すると、バブリングに
よって、液面上に泡沫が形成される。この泡沫に界面活
性剤が吸着して、処理液から分離される。ここで、最初
の発泡槽内で形成された泡沫は、界面活性剤濃度が高い
ために安定した泡沫が形成される。そして、次々に形成
される泡沫によって押し上げられて、排泡口から溢れ出
ていく。この泡沫室内を持ち上げられていくに従って、
泡沫を形成している液分が下方に流れ出して、その膜厚
が薄くなり、界面活性剤が濃縮されて濃い泡沫になる。
【0015】また、最初の発泡槽内でバブリングされて
界面活性剤の濃度が低下した処理液は次の発泡槽内に区
画堰板をオーバーフローして流れていく。そして、界面
活性剤の濃度が順次低くなると、形成される泡沫が不安
定になる。しかし、下流側の泡沫室は、上流側の泡沫室
よりもその高さを低くしているために、破泡することな
く排泡口から漏れ出て、処理液から分離される。これに
よって、泡沫室内で破泡して、再び処理液中に戻ること
が防止されて、回収液中の界面活性剤を低い濃度まで分
離することができる。
【0016】請求項3の発明では、特に区画堰板の高さ
を順次低くして、発泡槽の液面を隣接する上流側の発泡
槽よりも低くしているために、処理液が上流側の発泡槽
へ逆流することが防止され、各発泡槽で確実にバブリン
グ処理が行なわれる。
【0017】請求項4の発明では、発泡槽内に貯留され
た界面活性剤を含有する処理液をバブリングして液面上
に泡沫を形成し、該泡沫を該発泡槽の上面に設けた排泡
口から溢れ出して泡沫を分離する泡沫分離装置に付属し
て設けられるスキマー装置において、前記排泡口の上方
に配設されたコンベア装置には、該排泡口の上面をスキ
ミングして、排泡口から溢れ出した泡沫を移動するスキ
マーが取付けられている。これにより、排泡口から溢れ
出した泡沫を無端ベルトに取付けたスキマーがスキミン
グして排泡口から移動して、処理液から分離する。
【0018】請求項5の発明では、発泡槽内に貯留され
た界面活性剤を含有する処理液をバブリングして液面上
に泡沫を形成し、該泡沫を該処理液から分離する泡沫分
離装置に付属して設けられる消泡装置において、分離し
た泡沫を集める消泡室には、ヒータが配設され、該ヒー
タにより泡沫を加温して消泡する。これにより、消泡室
内に集められた泡沫は、ヒータにより加温されて、その
液分が蒸発し、界面活性剤が濃縮されて濃い泡沫にな
る。そして液分の蒸発とともに泡沫は不安定になって消
泡し、回収液になる。この際、消泡室内を減圧すること
によって、更に泡沫の蒸発が促進される(請求項6)。
【0019】
【発明の効果】請求項1の発明では、発泡槽内に貯留さ
れた界面活性剤を含有する処理液が貯留され、該処理液
をバブリングして液面上に泡沫を形成し、さらに該発泡
槽の上面に泡沫を排出する排泡口を設けて、液面から該
排泡口までを泡沫室とした泡沫分離装置と、前記排泡口
の上方に配設されて、該排泡口から溢れ出る泡沫をスキ
ミングするスキマー装置と、前記スキマー装置によって
集められた泡沫を加温して消泡する消泡装置と、からな
るこのため、界面活性剤や、界面活性剤とともに他の溶
質を含有する処理液から、これらを分離して回収するに
際して、処理液から分離回収された回収液中の界面活性
剤濃度を十分に高めて、再利用や再処理が容易な泡沫処
理装置とするができる。
【0020】請求項2の発明では、界面活性剤を含有す
る処理液を複数の発泡槽内に順次流通し、各発泡槽内の
処理液をバブリングして、液面上に泡沫を形成し、該界
面活性剤を濃縮した泡沫を形成して分離する泡沫分離装
置において、処理液が順次流出するように区画堰板によ
って区画されている複数の発泡槽の上面にそれぞれ泡沫
を排出する排泡口を設けて、液面から排泡口までを泡沫
室とし、上流側の泡沫室を下流側の泡沫室よりもその高
さを高く形成しているため、界面活性剤の濃度を低くす
ることができるとともに、濃縮された泡沫を分離するこ
とのできる泡沫分離装置とすることができる。
【0021】請求項3の発明では、請求項1の発明にお
いて、特に区画堰板の高さを順次低くして、発泡槽の液
面を隣接する上流側の発泡槽よりも低くしているため
に、処理液が上流側の発泡槽へ逆流することが防止さ
れ、確実に界面活性剤の濃度を低くする泡沫分離装置と
することができる。
【0022】請求項4の発明では、発泡槽内に貯留され
た界面活性剤を含有する処理液をバブリングして液面上
に泡沫を形成し、該泡沫を該発泡槽の上面に設けた排泡
口から溢れ出して泡沫を分離する泡沫分離装置に付属し
て設けられるスキマー装置において、前記排泡口の上方
に配設されたコンベア装置には、該排泡口の上面をスキ
ミングして、排泡口から溢れ出した泡沫を移動するスキ
マーが取付けられているとされてるために、容易に泡沫
を処理液から分離することができる。
【0023】請求項5の発明では、発泡槽内に貯留され
た界面活性剤を含有する処理液をバブリングして液面上
に泡沫を形成し、該泡沫を該処理液から分離する泡沫分
離装置に付属して設けられる消泡装置において、分離し
た泡沫を集める消泡室には、ヒータが配設され、該ヒー
タにより泡沫を加温して消泡しているために、泡沫分離
装置により処理液から分離された泡沫を、泡沫の状態で
蒸発することによって界面活性剤を濃縮した消泡装置と
することができる。更に消泡室を減圧することによって
蒸発を促進して、界面活性剤を濃縮した消泡装置とする
ことができる(請求項6)。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、酸性の錫めっきの最終工程
で、錫めっき品に付着しているめっき液を洗い流した洗
浄水を処理液Wとし、これを処理するための泡沫処理装
置を例に、図面を参照しながら説明する。錫めっきの最
終工程で使用されるめっき液には、公知のように、Sn
塩や硫酸分などの他に、錫めっきの均一性や光沢を得る
ために界面活性剤などが添加されている。このため、錫
めっき製品に付着しためっき液を洗い流した洗浄水Wに
は、Sn塩や硫酸分の他に界面活性剤を含有している。
この洗浄水Wから界面活性剤を分離して、再びめっき液
に添加できる程度に濃度を高めて回収することを目的と
している。
【0025】図1は、泡沫処理装置の概略を示す断面図
であって、全長2000mm、奥行き840mmの水槽
を7枚の区画板9によって均等に区画した8槽からなる
複数の発泡槽10(10a、10b……、10h)が設
けられた例を示している。これらの複数の発泡槽10か
らなる泡沫分離装置1の上には、スキマー装置3が配設
され、さらにスキマー装置3の側方に消泡装置4が設け
られている。
【0026】複数の発泡槽10の内、最も上流側の第1
発泡槽10aには、ポンプPによってポンプアップされ
て供給管11から洗浄を終わった洗浄水Wが供給される
ように配設されている。発泡槽10(10a〜10h)
は、区画板9の底部に洗浄水が流出可能な流出開口12
が設けられるとともに、洗浄水Wが順次オーバーフロー
して次の発泡槽10に流入させる区画堰板13(13
a、13b……、13g)によってそれぞれ区画されて
いる。第1の区画堰板13aの高さ740mmとし、第
7の区画堰板13gまで順次10mmずつ低く設けてい
る。このように区画堰板13a〜13gは順次低く設定
され、各発泡槽10からオーバーフロウする洗浄水Wが
順次下流側の発泡槽10へ供給される。
【0027】そして最下流の発泡槽10hには、界面活
性剤が取り除かれた洗浄水Wを次工程の貯液タンク15
へ流れ出すように排液管14が配設されている。
【0028】また、各発泡槽10の底面近傍には、発泡
体16が配設されている。発泡体16は、細かい気孔
(約150μm)が多数設けられていて、図示しないエ
アポンプによって供給される空気を細かい気泡にして、
各発泡槽10内の全域にわたって下部から洗浄水W中に
バブリングするようにされている。このようにして、ポ
ンプPによって連続的に供給される洗浄水Wは、給液管
11によって第1発泡槽10aに供給され、バブリング
処理を施された後に区画堰板13aを越えて第2発泡槽
10b内に流入する。さらに順次第3発泡槽10c、…
…、第8発泡槽10h内をバブリング処理が施されなが
ら流れて排液管14から貯液タンク15に排出されてい
く。
【0029】各発泡槽10の上部は、天井となる上蓋1
7によって密閉槽とされている。この上蓋17は、全て
の発泡槽10上を覆って設けられていて、第1発泡槽1
0aから第8発泡槽10hに向けて下向きに傾斜して取
付けられている。また、上蓋17の各発泡槽10の中央
となる部位には、枠状に囲まれた排泡口18がそれぞれ
開口されている(図2参照)。この排泡口18の上縁と
水面との間の空間によって、各発泡槽10内の水面上で
形成された泡沫が充満する泡沫室19が形成されてい
る。なお、この泡沫室19は、第1発泡槽10aから第
8発泡槽10hに上流側から下流側に向かってその高さ
を低く形成している。この構成により、洗浄水Wの水面
上に形成される泡沫は順次持ち上げられて泡沫室19内
に充填して、排泡口18から盛り上がって溢れ出ること
になる。
【0030】ここで、この実施の形態では、第1〜第6
発泡槽10a〜10f内で発生する泡沫が安定して維持
される界面活性剤の濃度となることを想定して、洗浄水
Wの供給量とバブリングする空気の供給量が調整され
る。また、最も下流側の第7、第8発泡槽10g、10
hで形成される泡沫は、界面活性剤の濃度が低くなって
いるため安定性が低下し、破泡し易くなっている。
【0031】この際、各発泡槽10(10a、10b…
…、10h)によってバブリング処理されるに従って、
洗浄水W中の界面活性剤の濃度は低下していくが、この
実施の形態では、各発泡槽10から発生する泡沫が安定
するように、洗浄水Wとバブリングする空気の供給量を
調整している。しかし安定性が低下している下流側の発
泡槽10で形成される泡沫が破泡すると、再度洗浄水に
戻ってしまい、界面活性剤の濃度を効率良く分離するこ
とができなくなる。このため、泡沫室19の高さを低く
して、第7、第8発泡槽10g、10h内で形成された
泡沫が破泡する前に排泡口18から溢れ出るようにされ
ている。
【0032】また、図2に示すように、上蓋17の上面
は平滑に形成されていて、後述するスキマー34が第8
発泡槽10hの排泡口18から、第1発泡槽10aの排
泡口18に至るまでのこの上面をスキミング可能とされ
ている。
【0033】上蓋17の上方には、各発泡槽10に沿っ
てスキマー装置3が配設されている(図1参照)。この
スキマー装置3は無端ベルト33によるコンベア装置か
らなり、最も上流の第1発泡槽10aの上部に設けられ
た駆動プーリ31と、最も下流の第8発泡槽10hの上
部に設けられた従動プーリ32との間に無端ベルト33
が掛け渡されて、上蓋17に対して平行して取付けられ
ている。そして、消泡装置3の上部に設置した駆動モー
タMの駆動によって駆動プーリ31が回転して、無端ベ
ルト33が図3に矢線Xで示すように上蓋17に沿って
下流側から上流側に向かって回転移動される。無端ベル
ト33には、その進行方向に直交する複数の板状のスキ
マー34が一定間隔で配設されている。このスキマー3
4の一端はヒンジ35によって無端ベルトに対して傾動
可能に取付けられ、他端は上蓋17上に接触するように
取付けられている。
【0034】このスキマー装置3の構成によって、駆動
モータMが駆動すると、無端ベルト33に取付けられた
スキマー34の下縁が第8発泡槽10hの排泡口18か
ら順次上流の排泡口18にスキミングしながら移動し、
各排泡口18から溢れ出ている泡沫を消泡装置4へ移動
するようにされている。
【0035】図1に示すように、第1発泡槽10aの横
側に配設された消泡装置4は、略ロート型の消泡室41
により構成され、その下端部は図示しない回収工程に接
続されている。また、消泡室41の上部側面には、無端
ベルト33の一端を臨ませて泡沫受口42が設けられ
て、スキマー34によってスキミングされた泡沫が消泡
室41内に入るようにされている。なお、消泡室41の
上部には、発泡体16から供給される空気を排気する排
気口44が設けられ、この排気口44にファンSが排風
管45を介して接続されている。なお、このファンSに
よって、消泡室41等を大気圧よりやや低い、例えば
0.95気圧程度に減圧されている。また、消泡室41
内には、泡沫受口42より低い位置に複数の棒状のヒー
タ43が平行して取付けられている。このヒータ43
は、界面活性剤を濃縮した泡沫中の液分が沸騰して破泡
しない温度に加温して、十分に蒸発するように表面温度
が90度C以上に維持されている。
【0036】このようにして、スキマー34によってス
キミングされて集められた泡沫は、泡沫受口42から消
泡室41内に移動し、さらにヒータ43によって泡沫の
状態で加温されて、その一部の液分が効率よく蒸発して
さらに濃縮される。そして、液分を失って濃縮した泡沫
は不安定となって破泡し、回収液になる。この回収液
は、消泡室41内を流下して、図示しない回収工程に移
送される。また、スキミングされて消泡室41内に移動
していく過程で、泡沫から流れ出る一部の水や破泡した
水は、破泡液となって上蓋17の上面を流れ下り、図示
しない破泡液回収装置に回収される。
【0037】次に、このように構成された本実施の形態
の作用について説明する。今、界面活性剤などを含有す
る洗浄水Wが、ポンプPによってポンプアップされて給
液管11から第1発泡槽10aに一定量ずつ供給され
る。また、図示しないエアポンプによって供給される空
気が、各発泡槽10内に配設された発泡体16からほぼ
発泡槽10内の全域にわたって下部から吹き出されて、
細かい気泡となって洗浄水Wをバブリングしている。こ
のバブリングする気泡の気液界面には、洗浄水W中の界
面活性剤などが吸着して濃縮される。なお、第1発泡槽
10a内の洗浄水W中の界面活性剤濃度が高いため、洗
浄水Wの水面に浮上した気泡が安定した泡沫になる。そ
して、泡沫は次々に形成される泡沫によって押し上げら
れて、泡沫室19内を充満し、さらに排泡口18から盛
り上がって溢れ出ていく。
【0038】ここで、洗浄水Wの水面上で形成される泡
沫は、膜厚が厚く水分を過剰に含んでいるが、図3に示
すように、泡沫室19内を持ち上げられていくに従っ
て、膜を形成している液分が下方に流れ出して、その膜
厚が薄くなる。これによって、洗浄水の水面から持ち上
げられて排泡口18へ溢れ出る泡沫は、水分が少なく濃
縮された泡沫になっている。
【0039】また、第1発泡槽10a内でバブリング処
理された洗浄水Wは、その底部に設けられた流出開口1
2を通って第1の区画堰板13aをオーバーフローして
次の第2発泡槽10bに流入する。そして第2発泡槽1
0b内で再びバブリング処理が施されて、界面活性剤が
泡沫に移行して、洗浄水W中の濃度がさらに低下する。
このようにして、順次第3発泡槽10c、第4発泡槽1
0d、……、第8発泡槽10hよってバブリング処理が
行なわれて処理済液となって排液管14から次工程の貯
液タンク15へ流れ出していく。
【0040】この際、各発泡槽10(10a、10b…
…、10h)によってバブリング処理されるに従って、
洗浄水W中の界面活性剤の濃度は低下していくが、この
実施の形態では、泡沫室19は上流側の泡沫室19より
もその高さを低くして、下流側の安定性が低下した泡沫
が破泡する前に排泡口18から溢れ出る。これにより、
泡沫が不安定になる界面活性剤の臨界濃度よりもさらに
低い濃度まで、分離される。
【0041】各排泡口18から盛り上がって溢れ出てい
る泡沫は、図3に示すように、スキマー装置3のスキマ
ー34によってスキミングされて、消泡室41へ移送さ
れる。また、スキミングの途中で、泡沫から失われる一
部の水や破泡した水は、破泡液となって上蓋17の上面
を流れ下って、図示しない破泡液回収装置に回収され
る。
【0042】消泡室41内に移送された泡沫は、減圧状
態でヒータ43によって加熱される。すなわち、泡沫は
極めて大きな表面積の薄膜の状態になっていて、この広
い表面積から蒸発して、液分が急速に減少して破泡す
る。なお、ヒータ43は泡沫の沸騰温度よりも低い温度
に維持されているために、ヒータ43に接触した泡沫が
局所的に沸騰して破泡することなく、十分に蒸発して破
泡する。そして、破泡した泡沫は、回収液となって、消
泡室41内を流下し、図示しない回収工程に回収されて
いく。
【0043】次に本実施の形態の泡沫処理装置によっ
て、界面活性剤濃度が122ppmの洗浄水Wを毎時5
00L供給した実施例について説明する。
【0044】
【表】
【0045】実施例1は、ファンSを駆動して、消泡室
41内を0.95気圧程度に減圧して試験を行ない、ま
た、実施例2はファンSを止めて、自然排気の条件で試
験を行なった。これらの試験によって、表に示す結果が
得られた。
【0046】表に示すように、界面活性剤濃度が122
ppmであった洗浄液Wが、この処理によって11pp
mまで低下していた。また、実施例1では、破泡水の界
面活性剤濃度が、1640ppmまで濃縮され、回収液
では、8490ppmと高い濃度まで濃縮されていた。
これに対して、実施例2では、回収液が13.7L/H
rとなり、その界面活性剤濃度が3960ppmとであ
った。これにより、実施例2では、ヒータ43によって
液分が6.4L/Hrだけ蒸発し、これによって破泡液
の界面活性剤濃度に比べて、約2.5倍に濃縮されてい
た。また、ヒータ43による加温とファンSによる減圧
を併用すると、液分の蒸発量が著しく増加し、破泡液の
界面活性剤濃度に比べて、5倍以上に濃縮されていた。
【0047】この実施例1,2では、回収液に破泡液を
混合しても、再びめっき液に再添加可能な濃度まで濃縮
されているため、回収液と破泡液を、更に濃縮するなど
の処理を施すことなくそのまま錫めっき液に添加して使
用することができた。なお、この実施例1、2では、各
発泡槽10a〜10hに供給するエアー量を同じとした
が、第1発泡槽10aでは多く、第8発泡槽10hでは
少なくするなど、エアー量を各発泡槽10に応じて調整
することによって更に好適な結果を得ることができる。
【0048】以上説明した実施の形態においては、発泡
室10の上面に排泡口18を設けて、泡沫をこの排泡口
18から溢れ出す構成にしているために、泡沫がこの排
泡口18に至る間に、泡沫を構成する液分が流れ出して
膜の薄い泡沫となり、界面活性剤などの濃縮された泡沫
が分離される。これによって、界面活性剤が濃縮された
回収液とすることができて、回収液の再処理や再利用を
容易にすることができる。
【0049】また、界面活性剤の濃度が低下した洗浄水
Wを処理する下流の発泡槽10では、洗浄水Wの水面か
ら排泡口18までの高さを低く、すなわち低い泡沫室1
9としているので、不安定な泡沫であっても、排泡口1
8から溢れ出させることができて、洗浄水W中の界面活
性剤の濃度を低くすることができる。ここで、洗浄水W
中の界面活性剤の濃度をこの実施の形態に示すほど低く
する必要のない場合には、洗浄水Wの水面から排泡口1
8までの高さを全ての発泡槽10と同じにしてもよい。
【0050】なお、この実施の形態では、8つの発泡槽
10を連続して設けた例を示したが、発泡槽10の数は
洗浄水の種類や濃度など具体的な洗浄水Wに応じて変更
することができ、また、一の発泡槽によりバッチ式に処
理することもできる。なお、各発泡槽10の容量やエア
ー供給量なども当然に適宜変更することができる。
【0051】また、この実施の形態では、第1発泡槽1
0aから第8発泡槽10hになるに従って、順次水面レ
ベルを下げて、洗浄水Wが逆流することを確実に防止し
た例について説明したが、水面レベルを順次下げること
は必ずしも必要とされない。
【0052】さらに、この実施の形態では、各発泡槽1
0の水面レベルを順次下げ、また、各発泡槽10の底面
を水平に配列しているので、界面活性剤濃度の高い上流
側の発泡槽10では、滞留時間を長くして十分に発泡さ
せ、下流側の発泡槽10になるに従って滞留時間を短く
している例を示しているが、各発泡槽10の容量を同じ
にすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】概略断面図
【図2】概略平面図
【図3】一部の概略断面図
【符号の説明】
W…処理液(洗浄水) 1…泡沫分離装置 3…スキマ
ー装置 4…消泡装置 10…発泡槽 13…区画堰板 16…発泡体 17…
上蓋 18…排泡口 19…泡沫室 34…スキマー
41…消泡室 43…ヒータ S…ファン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴山 隆之 名古屋市北区猿投町2番地 大同メタル工 業株式会社内 Fターム(参考) 4D037 AA14 AB18 BA03 BB01 BB04 BB05 BB06 BB07 4D038 AA08 AB02 BA02 BA04 BA06 BB01 BB04 4D051 AB03 CA04 DD07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡槽内に貯留された界面活性剤を含有
    する処理液が貯留され、該処理液をバブリングして液面
    上に泡沫を形成し、さらに該発泡槽の上面に泡沫を排出
    する排泡口を設けて、液面から該排泡口までを泡沫室と
    した泡沫分離装置と、 前記排泡口の上方に配設されて、該排泡口から溢れ出る
    泡沫をスキミングするスキマー装置と、 前記スキマー装置によって集められた泡沫を加温して消
    泡する消泡装置と、からなることを特徴とする泡沫処理
    装置。
  2. 【請求項2】 界面活性剤を含有する処理液を複数の発
    泡槽内に順次流通し、各発泡槽内の処理液をバブリング
    して、液面上に泡沫を形成し、該界面活性剤を濃縮した
    泡沫を形成して分離する泡沫分離装置において、 処理液が順次流出するように区画堰板によって区画され
    ている複数の発泡槽の上面にそれぞれ泡沫を排出する排
    泡口を設けて、液面から排泡口までを泡沫室とし、上流
    側の泡沫室を下流側の泡沫室よりもその高さを高く形成
    していることを特徴とする泡沫分離装置。
  3. 【請求項3】 区画堰板の高さを順次低くして、発泡槽
    の液面を隣接する上流側の発泡槽よりも低くしているこ
    とを特徴とする請求項2記載の泡沫分離装置。
  4. 【請求項4】発泡槽内に貯留された界面活性剤を含有す
    る処理液をバブリングして液面上に泡沫を形成し、該泡
    沫を該発泡槽の上面に設けた排泡口から溢れ出して泡沫
    を分離する泡沫分離装置に付属して設けられるスキマー
    装置において、 前記排泡口の上方に配設されたコンベア装置には、該排
    泡口の上面をスキミングして、排泡口から溢れ出した泡
    沫を移動するスキマーが取付けられていることを特徴と
    するスキマー装置。
  5. 【請求項5】発泡槽内に貯留された界面活性剤を含有す
    る処理液をバブリングして液面上に泡沫を形成し、該泡
    沫を該処理液から分離する泡沫分離装置に付属して設け
    られる消泡装置において、 分離した泡沫を集める消泡室には、ヒータが配設され、
    該ヒータにより泡沫を加温して消泡することを特徴とす
    る消泡装置。
  6. 【請求項6】消泡室が減圧されていることを特徴とする
    請求項5記載の消泡装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102007012967A1 (de) 2007-03-14 2008-09-25 Hydraulik-Ring Gmbh Ventil, insbesondere Cartridgeventil, mit integriertem Rückschlagsventil
CN107281785A (zh) * 2017-07-11 2017-10-24 宜昌长机科技有限责任公司 一种机床冷却乳化液消泡装置及消泡方法
CN115350545A (zh) * 2022-07-27 2022-11-18 山东方大工程有限责任公司 一种建筑装修用节能环保除尘装置及使用方法

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