JPWO2019131941A1 - 細胞凝集抑制剤 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)トロンビン受容体のアゴニストを含む、細胞の浮遊培養に用いるための細胞凝集抑制剤。
(2)前記トロンビン受容体のアゴニストの濃度が7.4μg/mL以上3.8mg/mL以下である、(1)に記載の細胞凝集抑制剤。
(3)前記トロンビン受容体が、PAR−1、PAR−2、PAR−3及びPAR−4からなる群より選択される少なくとも1つである、(1)又は(2)に記載の細胞凝集抑制剤。
(4)前記トロンビン受容体のアゴニストが、以下の(a)、(b)又は(c)のいずれかのペプチドである、(1)から(3)のいずれかに記載の細胞凝集抑制剤;
(a)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列からなるペプチド;
(b)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列において、1個又は2個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加したアミノ酸配列からなるペプチド;
(c)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列と60%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるペプチド。
(5)前記トロンビン受容体のアゴニストが、以下の(a)、(b)又は(c)のいずれかのペプチドである、(1)から(3)のいずれかに記載の細胞凝集抑制剤;
(a)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列を含むペプチド;
(b)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列において、1個又は2個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加したアミノ酸配列を含むペプチド;
(c)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列と60%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むペプチド。
(6)前記細胞が幹細胞である、(1)から(5)のいずれかに記載の細胞凝集抑制剤。
(7)トロンビン受容体のアゴニストを含む培地中で細胞を浮遊培養する工程を含む、細胞凝集塊の製造方法。
(8)前記培地中における前記トロンビン受容体のアゴニストの濃度が3.7ng/mL以上3.8mg/mL以下である、(7)に記載の製造方法。
(9)前記トロンビン受容体が、PAR−1、PAR−2、PAR−3及びPAR−4からなる群より選択される少なくとも一つである、(7)又は(8)に記載の製造方法。
(10)前記トロンビン受容体のアゴニストが、以下の(a)、(b)又は(c)のいずれかのペプチドである、(7)から(9)のいずれかに記載の製造方法;
(a)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列からなるペプチド;
(b)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列において、1個又は2個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加したアミノ酸配列からなるペプチド;
(c)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列と60%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるペプチド。
(11)前記トロンビン受容体のアゴニストが、以下の(a)、(b)又は(c)のいずれかのペプチドである、(7)から(9)のいずれかに記載の製造方法;
(a)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列を含むペプチド;
(b)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列において、1個又は2個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加したアミノ酸配列を含むペプチド;
(c)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列と60%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むペプチド。
(12)前記細胞が幹細胞である、(7)から(11)のいずれかに記載の製造方法。
(13)(7)から(12)のいずれかに記載の製造方法により得られた細胞凝集塊。
(14)細胞と、培地と、トロンビン受容体のアゴニストとを含む、細胞培養組成物。
(15)前記トロンビン受容体のアゴニストの濃度が3.7ng/mL以上3.8mg/mL以下である、(14)に記載の細胞培養組成物。
(16)前記トロンビン受容体が、PAR−1、PAR−2、PAR−3及びPAR−4からなる群より選択される少なくとも1つである、(14)又は(15)に記載の細胞培養組成物。
(17)前記トロンビン受容体のアゴニストが、以下の(a)、(b)又は(c)のいずれかのペプチドである、(14)から(16)のいずれかに記載の細胞培養組成物;
(a)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列からなるペプチド;
(b)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列において、1個又は2個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加したアミノ酸配列からなるペプチド;
(c)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列と60%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるペプチド。
(18)前記トロンビン受容体のアゴニストが、以下の(a)、(b)又は(c)のいずれかのペプチドである、(14)から(16)のいずれかに記載の細胞培養組成物;
(a)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列を含むペプチド;
(b)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列において、1個又は2個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加したアミノ酸配列を含むペプチド;
(c)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列と60%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むペプチド。
(19)前記細胞が幹細胞である、(14)から(18)のいずれかに記載の細胞培養組成物。
(20)前記細胞の形態が細胞凝集塊である、(14)から(19)のいずれかに記載の細胞培養組成物。
(21)トロンビン受容体のアゴニストを含む培地中で細胞を浮遊培養する工程を含む、細胞の凝集を抑制する方法。
(22)前記培地中における前記トロンビン受容体のアゴニストの濃度が3.7ng/mL以上3.8mg/mL以下である、(21)に記載の方法。
(23)前記トロンビン受容体が、PAR−1、PAR−2、PAR−3及びPAR−4からなる群より選択される少なくとも1つである、(21)又は(22)に記載の方法。
(24)前記トロンビン受容体のアゴニストが、以下の(a)、(b)又は(c)のいずれかのペプチドである、(21)から(23)のいずれかに記載の方法;
(a)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列からなるペプチド;
(b)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列において、1個又は2個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加したアミノ酸配列からなるペプチド;
(c)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列と60%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるペプチド。
(25)前記トロンビン受容体のアゴニストが、以下の(a)、(b)又は(c)のいずれかのペプチドである、(21)から(23)のいずれかに記載の方法;
(a)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列を含むペプチド;
(b)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列において、1個又は2個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加したアミノ酸配列を含むペプチド;
(c)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列と60%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むペプチド。
(26)前記細胞が幹細胞である、(21)から(25)のいずれかに記載の方法。
(27)培地と、トロンビン受容体のアゴニストとを含む、細胞培養培地。
(28)前記トロンビン受容体のアゴニストの濃度が3.7ng/mL以上3.8mg/mL以下である、(27)に記載の細胞培養培地。
(29)前記トロンビン受容体が、PAR−1、PAR−2、PAR−3及びPAR−4からなる群より選択される少なくとも1つである、(27)又は(28)に記載の細胞培養培地。
(30)前記トロンビン受容体のアゴニストが、以下の(a)、(b)又は(c)のいずれかのペプチドである、(27)から(29)のいずれかに記載の細胞培養培地;
(a)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列からなるペプチド;
(b)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列において、1個又は2個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加したアミノ酸配列からなるペプチド;
(c)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列と60%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるペプチド。
(31)前記トロンビン受容体のアゴニストが、以下の(a)、(b)又は(c)のいずれかのペプチドである、(27)から(29)のいずれかに記載の細胞培養培地;
(a)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列を含むペプチド;
(b)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列において、1個又は2個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加したアミノ酸配列を含むペプチド;
(c)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列と60%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むペプチド。
(32)さらに増殖因子を含む、(27)から(31)のいずれかに記載の細胞培養培地。
(33)幹細胞の培養に用いるための、(27)から(32)のいずれかに記載の細胞培養培地。
(34)細胞凝集塊を作製するための、(27)から(33)のいずれかに記載の細胞培養培地。
(35)前記トロンビン受容体のアゴニストが、以下の(a)、(b)又は(c)のいずれかのペプチドである、(1)から(6)のいずれかに記載の細胞凝集抑制剤、(7)から(12)のいずれかに記載の製造方法、(13)に記載の細胞凝集塊、(14)から(20)のいずれかに記載の細胞培養組成物、(21)から(26)のいずれかに記載の方法、又は(27)から(34)のいずれかに記載の細胞培養培地;
(a)配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14に示すアミノ酸配列からなるペプチド;
(b)配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14に示すアミノ酸配列において、1個又は2個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加したアミノ酸配列からなるペプチド;
(c)配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14に示すアミノ酸配列と60%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるペプチド。
(36)前記トロンビン受容体のアゴニストが、以下の(a)、(b)又は(c)のいずれかのペプチドである、(1)から(6)のいずれかに記載の細胞凝集抑制剤、(7)から(12)のいずれかに記載の製造方法、(13)に記載の細胞凝集塊、(14)から(20)のいずれかに記載の細胞培養組成物、(21)から(26)のいずれかに記載の方法、又は(27)から(34)のいずれかに記載の細胞培養培地;
(a)配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14に示すアミノ酸配列を含むペプチド;
(b)配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14に示すアミノ酸配列において、1個又は2個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加したアミノ酸配列を含むペプチド;
(c)配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14に示すアミノ酸配列と60%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むペプチド。
(37)上記細胞凝集塊の70%以上(重量基準)において、最も幅の広い部分の寸法が500μm以下、好ましくは300μm以下である、(7)から(12)、(35)、及び(36)のいずれかに記載の製造方法、(13)、(35)、及び(36)のいずれかに記載の細胞凝集塊、(20)、(35)、及び(36)のいずれかに記載の細胞培養組成物、又は(34)から(36)のいずれかに記載の細胞培養培地。
(38)上記細胞凝集塊の70%以上(重量基準)において、最も幅の広い部分の寸法が40μm以上、好ましくは100μm以上である、(7)から(12)、及び(35)から(37)のいずれかに記載の製造方法、(13)及び(35)から(37)のいずれかに記載の細胞凝集塊、((20)及び(35)から(37)のいずれかに記載の細胞培養組成物、又は(34)から(37)のいずれかに記載の細胞培養培地。
本発明において細胞凝集塊を形成する細胞は、接着性を有する細胞(接着性細胞)であることができる。接着性細胞は、動物由来細胞等であることができ、好ましくは哺乳類動物由来細胞等であることができ、より好ましくは生体組織由来細胞及び生体組織由来細胞から派生した細胞等であることができ、特に好ましくは上皮組織由来細胞及び上皮組織細胞から派生した細胞等、又は結合組織由来細胞及び結合組織由来細胞から派生した細胞等、又は筋組織由来細胞及び筋組織由来細胞から派生した細胞等、又は神経組織由来細胞及び神経組織由来細胞から派生した細胞等であることができ、さらに好ましくは動物由来幹細胞及び動物由来幹細胞から分化した細胞等であることができ、もっと好ましくは動物由来多能性幹細胞及び動物由来多能性幹細胞から分化した細胞等であることができ、よりさらに好ましくは哺乳類動物由来多能性幹細胞及び哺乳類動物由来多能性幹細胞から分化した細胞等であることができ、もっとも好ましくはヒト由来多能性幹細胞及びヒト由来多能性幹細胞から分化した細胞等であることができる。
細胞凝集塊は、複数の細胞が三次元的に凝集して形成される塊状の細胞集団であって、スフェロイドとも呼ばれる。細胞凝集塊は、典型的には、概ね球状の形状を有する。
本発明で用いる培地は、任意の動物細胞培養用培地を基礎培地とし、トロンビン受容体のアゴニスト又はトロンビン受容体のアゴニストを含む細胞凝集抑制剤、及び、必要に応じて他の成分を適宜添加することにより調製することができる。本発明で用いる培地は細胞の浮遊培養に適したものであることが好ましく、典型的には、液体培地である。
本明細書において、「トロンビン受容体」とは、トロンビンによって活性化されるレセプター、すなわちPAR−1(protease−activated receptor−1)、PAR−3(protease−activated receptor−3)、又はPAR−4(protease−activated receptor−4)を指し、さらに好ましくはPAR−1又はPAR−4、最も好ましくはPAR−1を指す。PARファミリーメンバーとして知られているPAR−2はトロンビンの受容体ではないが、トリプシンやトリプターゼ、血液凝固因子等により活性化される膜貫通型受容体であり、活性化されると他のPARファミリーメンバー(PAR−1、PAR−3、PAR−4)と同様に細胞内へとシグナルが伝達されることから、PAR−2アゴニストにおいてもトロンビン受容体アゴニストと同様の効果が得られると当業者であれば容易に想到できる。したがって、本明細書における「トロンビン受容体」には、上記PAR−1、PAR−3、PAR−4に加えて、PAR−2も含まれる。本明細書において、「トロンビン受容体のアゴニスト」は、トロンビン受容体を活性化させる物質として定義され、内因性アゴニストと外因性のアゴニストの両方を含む。限定するものではないが、トロンビン受容体のアゴニストとしては、セリンプロテアーゼ、例えばトロンビン(PAR−1、PAR−3、及びPAR−4)、トリプシン、血液凝固第Xa因子、及びプラスミン(PAR−1、PAR−2、及びPAR−4)、活性化プロテインC(PAR−1)、トリプターゼ及びマトリプターゼ(PAR−2)、並びにカテプシンG(PAR−4)が挙げられる(例えば、Tejminder S. Sidhu et al., Int. J. Mol. Sci. 2014, 15, 6169−6183参照)。これらのセリンプロテアーゼに加えて、トロンビン受容体がセリンプロテアーゼによる切断を受けた後に生じるアミノ酸配列を含むペプチドも、トロンビン受容体のアゴニストに含まれる。そのようなペプチドは、対象となる動物種におけるトロンビン受容体のアミノ酸配列、及びプロテアーゼによる切断部位に基づいて、当業者であれば容易に特定することができる。例えば、アミノ酸配列SFLLR(配列番号1)及びSFFLR(配列番号2)を含むペプチドは、それぞれヒトPAR−1及びマウスPAR−1のアゴニストとして使用することができ、アミノ酸配列TFRGAP(配列番号3)及びSFGBGGP(配列番号4)を含むペプチドは、それぞれヒトPAR−3及びマウスPAR−3のアゴニストとして使用することができ、アミノ酸配列GYPGQV(配列番号5)及びGYPGFK(配列番号6)を含むペプチドは、それぞれヒトPAR−4及びマウスPAR−4のアゴニストとして使用することができる(例えば、関口富美子、薬学雑誌,2005,125(6),491−498参照)。アミノ酸配列SFLLRN(配列番号7)を含むペプチド、及びアミノ酸配列TFLLRN(配列番号8)を含むペプチドは、PAR−1のアゴニストとして使用することができる。特に好ましいアゴニストの例として、PAR−1アゴニストとして作用する、アミノ酸配列SFLLRN(配列番号7)からなるペプチドであるTRAP−6(Thrombin Receptor Activator for Peptide 6)、及びアミノ酸配列TFLLRN(配列番号8)からなるペプチドが挙げられる。
本発明の一態様は、トロンビン受容体のアゴニストを含む培地中で細胞を浮遊培養する工程(浮遊培養工程)を含む、細胞の凝集を抑制する方法である。また、本発明の方法は、選択工程として、回収工程を含んでもよい。
トロンビン受容体のアゴニストを含む培地中で細胞を浮遊培養する工程(浮遊培養工程)の具体的な実施形態について説明する。
「維持培養工程」は、浮遊培養工程前の細胞集団、又は浮遊培養工程後、若しくはその後の回収工程後に得られる細胞凝集塊を、未分化性を維持した状態で細胞を増殖させるために培養する工程である。維持培養は、細胞を容器、担体等培養基材に接着させながら培養する接着培養であってもよいし、細胞を培地中で浮遊させながら培養する浮遊培養であってもよい。
「回収工程」は、浮遊培養工程後、及び/又は維持培養工程後の培養液から培養した細胞を回収する工程で、本発明の方法における選択工程である。
浮遊培養法で培養した場合、細胞は培養液中に浮遊した状態で存在する。したがって、細胞の回収は、静置状態又は遠心分離により上清の液体成分を除去することで達成できる。また、細胞の回収方法としてはフィルターや中空糸分離膜等を選択することもできる。静置状態で液体成分を除去する場合、培養液の入った容器を静置状態5分程度置き、沈降した細胞や細胞凝集塊を残して上清を除去すればよい。また遠心分離は、遠心力によって細胞がダメージを受けない回転速度と処理時間で行えばよい。例えば、回転速度の下限は、細胞を沈降できれば特に限定はされないが、例えば500rpm以上、800rpm以上、又は1000rpm以上であればよい。一方、上限は細胞が遠心力によるダメージを受けない、又は受けにくい速度であればよく、例えば1400rpm以下、1500rpm以下、又は1600rpm以下であればよい。また処理時間の下限は、上記回転速度により細胞を沈降できる時間であれば特に限定はされないが、例えば30秒、1分、3分、又は5分であればよい。また、上限は、上記回転により細胞がダメージを受けない、又は受けにくい時間であればよく、例えば30秒、6分、8分、又は10分であればよい。回収した細胞は、必要に応じて洗浄することができる。洗浄方法は、限定しない。例えば前述の維持培養工程における「工程後処理」に記載の洗浄方法と同様に行えばよい。洗浄液には、バッファ(PBSバッファを含む)、生食、又は培地(基礎培地が好ましい)を使用すればよい。
接着培養法で培養した場合、培養後、多くの細胞は培養容器や培養担体等の外部マトリクスに接着した状態で存在する。したがって、培養容器から培養液を除去するには、培養後の容器を静かに傾けて液体成分を流し出せばよい。外部マトリクスに接着した細胞が培養容器内に残るため、培養液と細胞を容易に分離することができる。
本明細書において「単一細胞化」とは、単層細胞片や細胞凝集塊等のように複数の細胞が互いに接着又は凝集した細胞集合体を分散させて、単一の遊離した細胞状態にすることをいう。
本発明の他の一態様は、トロンビン受容体のアゴニストを含む、細胞の浮遊培養に用いるための細胞凝集抑制剤である。
本発明の他の一態様は、3.7ng/mL以上、3.8mg/mL以下の濃度、或いは、5nM以上、5mM以下の濃度のトロンビン受容体のアゴニストを含む培地中で細胞を浮遊培養する工程を含む、細胞凝集塊の製造方法である。
本発明の他の一態様は、細胞と、培地と、3.7ng/mL以上3.8mg/mL以下の濃度、或いは5nM以上5mM以下の濃度のトロンビン受容体のアゴニストとを含む、細胞培養組成物である。
本発明の他の一態様は、培地と、3.7ng/mL以上3.8mg/mL以下の濃度、或いは5nM以上5mM以下の濃度のトロンビン受容体のアゴニストとを含む、細胞培養培地である。
ヒトiPS細胞として、TkDN4−M株(東京大学医科学研究所)を使用した。Vitronectin(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社)をコートした細胞培養用ディッシュ上にヒトiPS細胞を播種し、培地はEssential 8TM(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社)を使用して維持培養した。継代時の細胞剥離剤としては、Accutase(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社)を用いた。また、細胞播種時のみ、Y−27632(和光純薬工業株式会社)を10μMの濃度になるように培地に添加した。培地交換は毎日実施した。実験には継代数50回までのヒトiPS細胞を使用した。
トロンビン受容体のアゴニスト添加による細胞の凝集抑制効果について検討した。
実施例1の手順で培養したヒトiPS細胞をAccutaseで3から5分間処理して剥離し、単細胞まで分散した。この細胞を最終濃度5mg/mLのBSA(和光純薬工業株式会社)及び10μMのY−27632(和光純薬工業株式会社)を含むEssential 8TM培地で懸濁し、その一部をトリパンブルー染色して細胞数を調べた。1mLあたり2×105個の細胞を含むように調製した。別途トロンビン受容体のアゴニスト(Thrombin Receptor Activator for Peptide 6;TRAP−6、ANASPEC、AS−24191)を最終濃度3.74mg/mL(10mM)になるように細胞凝集抑制剤を調整し、前記調整した細胞凝集抑制剤を前記細胞懸濁液にトロンビン受容体のアゴニストの最終濃度が2μM、10μM、又は50μMとなるように添加した上で、浮遊培養用12ウェルプレート(住友ベークライト株式会社)に1.3mL/ウェルの割合で播種した。細胞を播種したプレートは、ロータリーシェーカー(株式会社オプティマ)上で90rpmのスピードで水平面に沿って旋回幅(直径)が25mmの円を描くように旋回培養し、5%CO2、37℃の環境下で浮遊培養を行った。培養を開始して翌日(培養1日目)に位相差顕微鏡にて画像を取得した。コントロール試験として、Y−27632及びTRAP−6を添加していない以外は上記と同様に調製した細胞懸濁液を用いた条件での試験を行った。
上記浮遊培養後(培養1日目)の顕微鏡観察像を図1に示す。観察の結果、コントロール試験(0μM Y−27632、0μM TRAP−6)では凝集塊が形成されず、単一細胞のままであったが、Y−27632を加えた場合には凝集塊が形成された。一方、Y−27632及びTRAP−6(最終濃度2μM又は10μM又は50μM)を添加した条件では凝集塊が形成されたが、Y−27632のみを加えた場合に比べて、凝集が抑制され、より小さな凝集塊が形成された。
ヒトiPS細胞の浮遊培養を行いグルコース消費量、細胞収量、未分化マーカーの陽性率を測定し、TRAP−6が与える細胞への影響を解析した。
実施例2と同様に細胞懸濁液を調製し、別途TRAP−6(同上)を最終濃度3.74mg/mL(10mM)になるように細胞凝集抑制剤を調整し、前記調整した細胞凝集抑制剤を前記細胞懸濁液にトロンビン受容体のアゴニストの最終濃度が5μMとなるように添加した上で、浮遊培養用6ウェルプレート(住友ベークライト株式会社)に4mL/ウェルの割合で播種した。細胞を播種したプレートは、ロータリーシェーカー(株式会社オプティマ)上で75rpmのスピードで水平面に沿って旋回幅(直径)が25mmの円を描くように旋回培養し、5%CO2、37℃の環境下で浮遊培養を行った。培養翌日(培養1日目)以降、毎日新鮮な培地(最終濃度5mg/mLのBSA(和光純薬工業株式会社)を含むEssential 8TM培地)に培地交換し、培養5日目まで培養を続けた。コントロール試験として、TRAP−6を添加していない以外は上記と同様に調製した細胞懸濁液を用いた条件での試験を行った。培養中、毎日位相差顕微鏡により画像を取得とした。培地交換時に回収した培養上清に含まれるグルコースの濃度を、バイオセンサーBF−5iD(王子計測機器株式会社)で測定し、グルコース消費量を計算した。
図2は培養1から5日目に観察した顕微鏡写真である。播種後から培養1日目にかけて細胞凝集塊が形成されており、TRAP−6を添加するとより小さな凝集塊が形成された。培養を継続することで徐々に細胞が増殖し、細胞凝集塊が大きくなった。
(方法)
実施例1の手順で培養したヒトiPS細胞を用いて実施例2と同様に細胞懸濁液を調製し、TRAP−6の代わりに最終濃度32.8μMとなるようにPAR−1アゴニスト(Proteinase Activated Receptor−1;PAR−1アゴニスト、ANASPEC、AS−62937、TFLLRN(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなり、C末端がアミド化されたペプチド)又は最終濃度0.8μg/mLとなるようにS1P(Sphingosine−1−phosphate;Cayman、62570)(陽性対照)を添加し、実施例2と同様に浮遊培養及び画像取得を行った。
上記浮遊培養後(培養1日目)の顕微鏡観察像を図6に示す。観察の結果、コントロール試験(0μM Y−27632、0μM PAR−1アゴニスト)では凝集塊が形成されず、単一細胞のままであったが(データ示さず)、Y−27632を加えた場合には凝集塊が形成された(図6、陰性対照)。一方、Y−27632に加えてPAR−1 アゴニスト(最終濃度32.8μM)又はS1P(0.8μg/mL、陽性対照)を添加した条件でも凝集塊が形成されたが、Y−27632のみを加えた場合に比べて、凝集が抑制され、より小さな凝集塊が形成された。
ヒトiPS細胞(TkDN4−M株、201B7株、RPChiPS771−2株)におけるPAR遺伝子(PAR1およびPAR2)の発現を調べた。
ヒトiPS細胞として、TkDN4−M株(東京大学医科学研究所)、201B7株(京都大学)、又はRPChiPS771−2株(株式会社リプロセル)を使用した。これらのヒトiPS細胞を実施例1に記載の方法で培養した。その後、total RNAをTRIzol(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社)およびPureLinkTM RNA Miniキット(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社)により単離・精製し、ReverTra AceTM qPCR RT Master Mix(東洋紡株式会社)を用いてcDNAの合成を行った。合成したcDNAを鋳型とし、KOD SYBRTM qPCR Mix(東洋紡株式会社)を使い、QuantStudio 7 Flex Real−Time PCR System(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社)により定量的RT−PCR解析を実施した。検出はSYBR Greenによるインターカレーション法で、遺伝子発現量の比較にはハウスキーピング遺伝子(β−Actin)を内部標準としたΔCt値の比較による相対定量法で行った。多能性幹細胞の未分化マーカー遺伝子であるSOX2を遺伝子発現の陽性対照として使用した。
β-Actin-F: CCTCATGAAGATCCTCACCGA(配列番号15)
β-Actin-R: TTGCCAATGGTGATGACCTGG(配列番号16)
PAR1-F: GAAGTCCCGGGCTTTGTTCC(配列番号17)
PAR1-R: TGGCACTCAGAGGAAGCGTAA(配列番号18)
PAR2-F: GGCCCTCAGAGATGATCAGTC(配列番号19)
PAR2-R: GTCTCGAACTCCTGACCTCAAG(配列番号20)
SOX2-F: CACCAATCCCATCCACACTCAC(配列番号21)
SOX2-R: GCAAAGCTCCTACCGTACCAC(配列番号22)
上記の定量的RT−PCRの結果を図7および図8に示す。ヒトiPS細胞(TkDN4M株)において、PAR1およびPAR2は、未分化マーカー遺伝子であるSOX2と同様のレベルで発現していた(図7)。また、用いた3つのヒトiPS細胞の全てにおいて、PAR1およびPAR2が発現していることが明らかになった(図8)。
(方法)
実施例3に従ってTRAP−6存在で浮遊培養した細胞について、培養1日目に取得した画像中の210個の細胞凝集塊を観察し、顕微鏡写真のスケールと比較して各細胞凝集塊の最も広い部分の幅(「φ」とする)を求め、その分布を調べ、平均値±標準偏差を算出した。
図9は、培養1日目の細胞凝集塊サイズ(直径)の分布図である。また以下の表1に、培養1日目のサイズ別の細胞凝集塊の個数およびその割合を示す。
Claims (17)
- トロンビン受容体のアゴニストを含む、細胞の浮遊培養に用いるための細胞凝集抑制剤。
- 前記トロンビン受容体のアゴニストの濃度が7.4μg/mL以上3.8mg/mL以下である、請求項1に記載の細胞凝集抑制剤。
- 前記トロンビン受容体が、PAR−1、PAR−2、PAR−3及びPAR−4からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項1又は2に記載の細胞凝集抑制剤。
- 前記トロンビン受容体のアゴニストが、以下の(a)、(b)又は(c)のいずれかのペプチドである、請求項1から3のいずれか1項に記載の細胞凝集抑制剤;
(a)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列からなるペプチド;
(b)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列において、1個又は2個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加したアミノ酸配列からなるペプチド;
(c)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列と60%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるペプチド。 - 前記細胞が幹細胞である、請求項1から4のいずれか1項に記載の細胞凝集抑制剤。
- トロンビン受容体のアゴニストを含む培地中で細胞を浮遊培養する工程を含む、細胞凝集塊の製造方法。
- 前記培地中における前記トロンビン受容体のアゴニストの濃度が3.7ng/mL以上3.8mg/mL以下である、請求項6に記載の製造方法。
- 前記トロンビン受容体が、PAR−1、PAR−2、PAR−3及びPAR−4からなる群より選択される少なくとも一つである、請求項6又は7に記載の製造方法。
- 前記トロンビン受容体のアゴニストが、以下の(a)、(b)又は(c)のいずれかのペプチドである、請求項6から8のいずれか1項に記載の製造方法;
(a)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列からなるペプチド;
(b)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列において、1個又は2個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加したアミノ酸配列からなるペプチド;
(c)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列と60%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるペプチド。 - 前記細胞が幹細胞である、請求項6から9のいずれか1項に記載の製造方法。
- 請求項6から10のいずれか1項に記載の製造方法により得られた細胞凝集塊。
- 細胞と、培地と、トロンビン受容体のアゴニストとを含む、細胞培養組成物。
- 前記トロンビン受容体のアゴニストの濃度が3.7ng/mL以上3.8mg/mL以下である、請求項12に記載の細胞培養組成物。
- 前記トロンビン受容体が、PAR−1、PAR−2、PAR−3及びPAR−4からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項12又は13に記載の細胞培養組成物。
- 前記トロンビン受容体のアゴニストが、以下の(a)、(b)又は(c)のいずれかのペプチドである、請求項12から14のいずれか1項に記載の細胞培養組成物;
(a)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列からなるペプチド;
(b)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列において、1個又は2個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加したアミノ酸配列からなるペプチド;
(c)配列番号1、2、7又は8に示すアミノ酸配列と60%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるペプチド。 - 前記細胞が幹細胞である、請求項12から15のいずれか1項に記載の細胞培養組成物。
- 前記細胞の形態が細胞凝集塊である、請求項12から16のいずれか1項に記載の細胞培養組成物。
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