JPWO2010032351A1 - 移動端末、マクロ基地局およびセル選択システム - Google Patents

移動端末、マクロ基地局およびセル選択システム Download PDF

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Abstract

移動端末(10)は、広域セルと、広域セルに包含される小規模セルとを有するネットワークにおいて用いられる。移動端末(10)は、マクロ基地局からブロードキャストにより送信される、セル選択に用いるオフセット情報と、オフセット情報を補正してユーザにより設定された小型基地局に接続しやすくするためのオフセット補正情報を受信する基本通信機能(12)と、複数の小規模セルのうち、優先接続を希望する優先ホーム基地局の設定を受け付ける志向設定部(14)と、優先ホーム基地局を検知したときに、オフセット情報をオフセット補正情報により補正するオフセット情報補正処理部(18)と、オフセット情報を加えた受信品質の値を用いて、セル選択を行うセル選択部(24)とを備える。これにより、ユーザ個別の志向を移動端末ごとに個々に設定することができ、情報の通知量を抑えることができる。

Description

関連する出願
本出願では、2008年9月19日に日本国に出願された特許出願番号2008−241039の利益を主張し、当該出願の内容は引用することによりここに組み込まれているものとする。
本発明は、第1のセルと第1のセルに包含される第2のセルとを有するネットワークにおいて移動端末がセルを選択する技術に関する。
3GPPでは、広域のエリアをカバーするマクロ基地局として、eNodeB(以下、「eNB」という)、Home eNodeB(以下、「HeNB」という)が規定されている。HeNBは、マクロ基地局のセル内において比較的狭いエリアをカバーする小型基地局(micro BS)である。HeNBのオペレーターは、HeNBが持つID(CSGID)によりHeNBにアクセスできるユーザを制限することができる。HeNBは、モバイルオペレータの管理するコアネットワークまでのアクセスを、モバイルオペレータとは異なるネットワークオペレータのネットワークを介しても接続可能となるように構成した基地局である。HeNBは、モバイルオペレータが設置する他に、移動端末のユーザ自身や、オフィス管理者、ショッピングモールや、公共施設などの管理者がHeNBを配置することが想定されている。
小型基地局は、マクロ基地局と同様に、移動端末を収容できるが、その配置は、小型基地局の運用者の意図を反映した形で行われる。例えば、個人ユーザ所有の小型基地局であれば、ユーザ宅をサービスセルとしてカバーするように配置され、また、大学キャンパスのモバイル環境用として配置される場合は、大学敷地内をカバーするように複数の小型基地局を配置することが考えられる。
小型基地局においては、運用者の意図を反映し、接続可能な移動端末を制限するアクセスコントロール(CSG)を行うことが可能である。この場合、CSGの対象外の移動端末は、小型基地局への接続が拒否される。このようなシステムにおいては、移動端末は、接続可能な小型基地局のリストであるホワイトリストを作成し、記憶する場合もある。移動端末は、小型基地局を検知すると、ホワイトリストを参照して、接続可能な小型基地局であるか否かを判断する。
ホワイトリストは、例えば、次の方法で作成することができる。(1)小型基地局への接続が可能かどうか逐一確かめる(ホワイトリストになくても接続手順を試みる)モードにおいて、接続可能であることを確認した小型基地局をホワイトリストに追加するようネットワーク側に依頼する。(2)対応する小型基地局のID等をネットワーク側と交渉し、接続可能であると通知されたID等を書き込んでいく。
なお、CSGについては、非特許文献1〜3に記載されている。非特許文献1は、CSGセルの定義および動作(UMTSおよびLTE)を記載し、非特許文献2はCSGセルの要求仕様(LTE)を記載し、非特許文献3はCSGセルのセル選択動作(LTE)を記載している。
次に、上記したようなeNB、HeNBを有するシステムにおいて、ハンドオーバすべきセルを選択するセル選択について説明する。セルの選択は、基本的には、ハンドオーバ元のセルとハンドオーバ先の候補となるセルとの接続品質に基づいて行われる。
ハンドオーバ元の接続品質が一定の条件を満たさなくなると、移動端末は他の基地局の使用を検討するため、他の基地局との接続を想定した品質測定を行う。ハンドオーバ先の基地局の選択は、移動端末側とネットワーク側でデータ伝送を行っている状態(アクティブ状態)では、ネットワーク主導で行われ、移動端末とネットワーク側でデータ伝送を行っていない状態(アイドル状態)では、移動端末主導で行われる。
いずれの場合も、移動端末にて測定した接続品質をそれぞれ比較し、最も品質が良いと思われる基地局を選定する。このとき、基地局の選択基準として、測定した品質の情報の他に勘案すべき情報がある場合、ネットワーク側は測定した品質情報に加減算するためのパラメータとしてオフセット情報を通知し、セル選択の傾向を制御することができる。
オフセット情報は、報知情報として通知される場合と、特定の移動端末に対して特別な値を設定するために、報知情報を上書きするように個別通知される場合とがある。オフセット情報を用いる例としては、ハンドオーバ(セル選択)先の候補の基地局が、ハンドオーバ(セル選択)元の基地局とは異なるアクセステクノロジで動作している場合に、同一の方法で測定した場合の差異を相殺するために用いられる。また、異なる周波数帯のセルごとで、使用するリソースを平滑化するため、ネットワーク側の意図する周波数帯のセルに移動端末を誘導する目的で使用される。
このオフセット情報を、前述したホワイトリストに、各小型基地局に対する「接続しやすさ」を反映する情報として設定することもできる。
3GPP TS22.011 1章および8章 3GPP TR36.300 Annex F 3GPP TR36.304 5章
上述したように、小型基地局は、モバイルオペレータとは異なり、よりユーザに近い所有者により運用されることも想定しているので、ユーザもしくは小型基地局の所有者の志向を反映して、小型基地局に接続するか否かの選択を行えることが望ましい。以降、ユーザが所有する移動端末を、その移動端末のホームの小型基地局に優先的に接続させたい(使用料の面での優遇があるなど)、公共的に提供される小型基地局に接続させたい、ホットスポットのようなサービスエリアに一定期間滞在したいなど、移動端末のユーザの接続先に関する要望をユーザの志向と表記する。なお、ユーザの志向は、必ずしもシステム上で通信パラメータなどから判定する接続先とは一致するとは限らない。
モバイルオペレータのセル選択基準は、地域、周波数帯、アクセステクノロジ等の要素を勘案する。しかし、小型基地局を優先して使用したい度合いや傾向は、各移動端末によって異なる。例えば、移動端末が異なると、優先して使用したい小型基地局の傾向は、全く反対になるかもしれない。また、ユーザの使用状況の変化に応じて、優先して使用したい小型基地局が時々刻々と変化する可能性があり、優先すべき小型基地局をいったん設定しても、時間が違えば、ユーザの志向が逆転するかもしれない。
移動端末毎に、小型基地局別の「接続しやすさ」を設定するために、移動端末別、小型基地局別のオフセット情報を通知することが考えられる。移動端末は、ユーザの志向設定の変更に応じて、対応する小型基地局へのオフセット情報の変更を要求する。ネットワーク側は、マクロ基地局を介して、それぞれの移動端末がそれぞれの小型基地局のセル選択に使用するオフセット値の一覧を、移動端末からの要求に応じて報知する。移動端末は、小型基地局を発見した際は、受信したオフセット値の一覧を用いてセル選択を行う。
しかし、この方法は、報知情報が非常に多くなってしまうという課題がある。例えば、一つのマクロ基地局が構成するセル内にn個の移動端末とm個の小型基地局があるとすると、報知情報は、n×m個のオフセット情報とそのオフセット情報を用いるべき移動端末および小型基地局のIDをリスト化した情報を報知する必要がある。しかし、一般に報知情報のサイズは限られており、このように報知情報が肥大化する構造とすることは望ましいことではない。
上述したホワイトリストを用いる方法も考えられる。移動端末は、ユーザの志向設定の変更があると、ホワイトリストの構成の変更を依頼し、ネットワーク側へ、どの小型基地局がどの程度優先されるように変更されるのが望ましいかを通知する。ネットワーク側は通知に基づき、ホワイトリストに付加するプライオリティを変更する。ネットワーク側は、マクロ基地局を介してそれぞれの移動端末がそれぞれの小型基地局のセル選択に使用するオフセット情報を更新する。移動端末は、小型基地局を発見した際に、ホワイトリストに示される最新のオフセットを用いてセル選択を行う。
しかし、ホワイトリストは運用として接続対象として扱ってよいかどうかの静的な情報を管理することが主目的であるため、頻繁に更新されるデータを扱うにはあまり適していない。ホワイトリストの自動的な更新周期は非常に長いので、意図的に更新するために複数のシグナリングを含む手順を実行しなければならない。ユーザの使用状況の変化に応じて志向設定が時々刻々と変化するため、優先すべき小型基地局を頻繁に更新しなければならない状況においては、ホワイトリストを頻繁に更新しなければユーザの志向設定に追いつくことができないが、これはホワイトリストの運用としては、望ましいことではない。依然として、通知情報が非常に多いという課題も存在する。
そこで、本発明は上記背景に鑑み、ユーザ個別の志向を移動端末ごとに個々に設定することができ、情報の通知量を抑えたセル選択の制御方法を提案することを目的とする。
本発明の移動端末は、マクロ基地局と複数のホーム基地局を有するネットワークにおいて用いられる移動端末であって、前記マクロ基地局および前記ホーム基地局から送信された信号の受信品質を測定する受信品質測定部と、セル選択に用いるオフセット情報を前記マクロ基地局から受信するオフセット情報受信部と、前記マクロ基地局からブロードキャストにより送信される、前記オフセット情報を補正するオフセット補正情報を受信するオフセット補正情報受信部と、前記複数のホーム基地局のうち優先接続する少なくとも一つの優先ホーム基地局の情報を記憶する優先基地局情報記憶部と、前記優先ホーム基地局を検知したときに、前記オフセット情報を前記オフセット補正情報によって補正するオフセット情報補正部と、前記受信品質に、前記オフセット情報受信部にて受信したオフセット情報または前記オフセット情報補正部にて補正されたオフセット情報を加え、オフセット情報を加えた受信品質に基づいてセル選択を行うセル選択部とを備える。
この構成により、ユーザが優先接続を希望する優先ホーム基地局が選択されやすくなると共に、基地局はオフセット補正情報を送信するので、優先ホーム基地局が選択されやすくなる度合いを調整できる。マクロ基地局は、全移動端末に共通の情報を報知すればよいので、通知する情報量を抑制できる。
本発明のマクロ基地局は、配下のセル内に複数のホーム基地局を含むマクロ基地局であって、セル選択に用いるオフセット情報を前記移動端末に送信するオフセット情報送信部と、前記オフセット情報を補正するオフセット補正情報をブロードキャストにより前記移動端末に送信するオフセット補正情報送信部とを備える。
この構成により、ユーザが優先接続を希望する優先ホーム基地局が選択されやすくなると共に、マクロ基地局はオフセット補正情報を送信するので、優先ホーム基地局が選択されやすくなる度合いを調整できる。マクロ基地局は、全移動端末に共通の情報を報知すればよいので、通知する情報量を抑制できる。
本発明のセル選択システムは、マクロ基地局と、複数のホーム基地局を有するネットワークにおいて移動端末によるセルの選択を制御するためのシステムであって、前記第マクロ基地局は、セル選択に用いるオフセット情報を前記移動端末に送信するオフセット情報送信部と、前記オフセット情報を補正するオフセット補正情報をブロードキャストにより前記移動端末に送信するオフセット補正情報送信部とを備え、前記移動端末は、前記マクロ基地局および前記ホーム基地局から送信された信号の受信品質を測定する受信品質測定部と、前記第マクロ基地局から前記オフセット情報を受信するオフセット情報受信部と、前記第マクロ基地局から前記オフセット補正情報を受信するオフセット補正情報受信部と、前記複数のホーム基地局のうち優先接続する少なくとも一つの優先ホーム基地局の情報を記憶する優先基地局情報記憶部と、前記優先ホーム基地局を検知したときに、前記オフセット情報を前記オフセット補正情報によって補正するオフセット情報補正部と、前記受信品質に、前記オフセット情報受信部にて受信したオフセット情報または前記オフセット情報補正部にて補正されたオフセット情報を加え、オフセット情報を加えた受信品質に基づいてセル選択を行うセル選択部とを備える。
本発明のセル選択方法は、マクロ基地局と複数のホーム基地局を有するネットワークにおいて用いられる移動端末によるセル選択方法であって、セル選択に用いるオフセット情報を前記マクロ基地局から受信するステップと、前記マクロ基地局からブロードキャストにより送信される、前記オフセット情報を補正するオフセット補正情報を受信するステップと、前記複数のホーム基地局のうち優先接続する少なくとも一つの優先ホーム基地局の情報を優先基地局情報記憶部に記憶するステップと、前記マクロ基地局および前記ホーム基地局から送信された信号の受信品質を測定するステップと、前記優先ホーム基地局を検知したときに、前記オフセット情報を前記オフセット補正情報によって補正するステップと、前記受信品質に、前記マクロ基地局から受信したオフセット情報または前記オフセット補正情報によって補正されたオフセット情報を加え、オフセット情報を加えた受信品質に基づいてセル選択を行うステップとを備える。
本発明のセル選択制御方法は、配下のセル内に複数のホーム基地局を含むマクロ基地局によって、移動端末のセル選択を制御する方法であって、セル選択に用いるオフセット情報を前記移動端末に送信するステップと、前記オフセット情報を補正するオフセット補正情報をブロードキャストにより前記移動端末に送信するステップとを備える。
本発明によれば、優先基地局情報記憶部に記憶された優先ホーム基地局が選択されやすくなる。基地局はオフセット補正情報を送信するので、優先ホーム基地局が選択されやすくなる度合いを調整でき、かつ通知される情報量を抑制できるというすぐれた効果を有する。
以下に説明するように、本発明には他の態様が存在する。したがって、この発明の開示は、本発明の一部の提供を意図しており、ここで記述され請求される発明の範囲を制限することは意図していない。
図1は、第1の実施の形態の移動端末の構成を示す図 図2は、第1の実施の形態のマクロ基地局の構成を示す図 図3は、第1の実施の形態の移動端末およびマクロ基地局が適用されるネットワークの構成を示す図 図4は、第1の実施の形態のオフセット補正情報保持部に保持されたデータの例を示す図 図5は、第1の実施の形態のマクロ基地局により送信される報知情報の例を示す図 図6は、第1の実施の形態の移動端末の動作を示す図 図7は、第2の実施の形態のマクロ基地局の構成を示す図 図8は、第2の実施の形態のマクロ基地局により送信される報知情報の例を示す図 図9は、第2の実施の形態の移動端末の構成を示す図 図10は、第2の実施の形態の移動端末の動作を示す図 図11は、第3の実施の形態のオフセット補正情報保持部に保持されたデータの例を示す図
以下に、本発明の詳細な説明を述べる。以下に説明する実施の形態は本発明の単なる例であり、本発明は様々な態様に変形することができる。従って、以下に開示する特定の構成および機能は、請求の範囲を限定するものではない。
以下、本発明の実施の形態の基地局、移動端末およびセル選択方法について、図面を用いて説明する。なお、下記の各実施の形態では、小型基地局は3GPP LTEシステムに対応したHome eNBである例について、説明を行っているが、3GPP UMTSシステムに対応したHome NBにおいて、本発明を応用することもできる。この場合、移動端末はアイドル状態以外においてもセル選択を行うなどのシステム上の条件の差異にあわせて変更を加える必要があるが、この変更は当業者が行う設計変更として自明である。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の移動端末10の構成を示す図、図2はマクロ基地局30の構成を示す図である。図1、図2を用いて、移動端末10およびマクロ基地局30について詳しく説明する前に、本実施の形態の移動端末10およびマクロ基地局30が適用されるネットワークについて説明する。
図3は、第1の実施の形態の移動端末10およびマクロ基地局30が適用されるネットワークの構成を示す図である。マクロ基地局30が提供する広範囲のセルCには、複数の小型基地局40a〜40cが設置されている。以下、小型基地局40a〜40cを総称する場合には、小型基地局40という。各小型基地局40a〜40cは、独自のセルC1〜C3を提供している。マクロ基地局30は、例えば、3GPPで規定されるeNBであり、小型基地局は3GPPで規定されるHeNBであるが、これらに限定されるものではない。
小型基地局40は、マクロ基地局30の運用者とは異なる運用者によって運用されてもよいし、同じ運用者によって運用されてもよい。図3に示す例では、小型基地局40aは、ユーザ宅に設置され、小型基地局40bはショッピングモールに設置され、小型基地局40cは大学に設置されている。
移動端末10は、マクロ基地局30と通信可能であると共に、小型基地局40とも通信可能である。なお、小型基地局40が、移動端末10との通信を許可していない場合には、通信を行うことができない。例えば、図3に示す例では、大学に設置された小型基地局40は、大学の関係者以外の移動端末10との通信を拒否することができる。
移動端末10は、小型基地局40の通信範囲内に入った場合には、マクロ基地局30と小型基地局40のうちで、接続品質の良い方を用いて通信を行うことができる。このように複数のセルのうちで、接続品質に基づいてセルを選択することをセル選択という。
[移動端末]
次に、図1を参照して、移動端末10の構成について説明する。移動端末10は、基本通信機能12と、志向設定部14と、小型基地局管理部16と、オフセット情報補正処理部18と、オフセット補正情報保持部20と、オフセット情報保持部22と、セル選択部24とを有している。基本通信機能12は、マクロ基地局およびホーム基地局からの信号の受信品質を測定する受信品質測定部13を有している。なお、図1には示していないが、移動端末10は、従来の移動端末と同様に、データ送受信部、基地局間のハンドオーバ機能部なども有する。以下、移動端末10の各構成について説明する。
志向設定部14は、ユーザが複数の小型基地局40のうちのどの小型基地局40に優先して接続したいかという志向を設定する機能を有する。ユーザの志向はユーザからの入力により受け付けてもよいし、アプリケーションソフトウェアなどで推定してもよい。志向設定部14は、優先して接続する小型基地局40のデータを小型基地局管理部16に通知する。小型基地局管理部16は、本発明の「優先基地局情報記憶部」の機能を有する。
小型基地局管理部16は、移動端末10が接続可能な小型基地局40のIDのリストを記憶して管理する。このリストは、ネットワーク側から通知されるホワイトリストを管理する従来の移動端末の機能ブロックを拡張することによって構成してもよい。これにより、比較的簡単に小型基地局40の情報を管理できる。
図4は、本実施の形態の小型基地局管理部16が管理するリストの例を示す図である。図4に示すように、ホワイトリストの小型基地局40のIDのリストに、志向設定部14から通知される優先/非優先すると選定された小型基地局40の情報を示すエントリを追加する。ここで、非優先とは、優先設定されていない基地局を意味する。以上により、ホワイトリストの小型基地局40のIDとその優先/非優先の選定結果が関連づけて管理される。ユーザにより優先接続設定された小型基地局40がホワイトリストに含まれていない場合は、設定された小型基地局40の情報を破棄する処理を行ってもよいし、あるいは、ホワイトリストに小型基地局40の情報を追加する処理を行ってもよい。
オフセット情報保持部22は、セル選択を行う際に用いるオフセット情報を保持する。オフセット情報は、マクロ基地局30から送信される。オフセット情報保持部22は、従来の移動端末10が有する情報保持部に小型基地局40用の保持領域を追加することによって構成してもよい。オフセット情報保持部22の内容は、オフセット情報を含む報知情報を受信したときや、オフセット情報を再受信した場合等に更新される。オフセット情報保持部22は、一定の時間経過や、マクロ基地局30の変更などの条件により、内容を破棄するよう設定されていてもよい。
オフセット補正情報保持部20は、報知情報に含まれるオフセット補正情報を保持する。オフセット補正情報保持部20は、移動端末10がオフセット補正情報を再受信した場合等に更新される。オフセット補正情報保持部20は、一定の時間経過や、マクロ基地局30の変更などの条件により、内容を破棄するように設定されていてもよい。
オフセット情報補正処理部18は、セル選択の候補の小型基地局40に対して優先接続の設定が行われている場合に、セル選択の判断に用いるオフセット情報を補正する機能を有する。オフセット情報補正処理部18は、移動端末10が小型基地局40へのセル選択を行うために通信品質測定を開始すると、小型基地局管理部16に保持されたデータを参照して、対象となる小型基地局40に優先接続の設定がなされているかどうかを確認する。優先接続の設定がなされている場合には、オフセット情報補正処理部18は、オフセット情報保持部22から読み出したオフセット情報を、オフセット補正情報保持部20から読み出したオフセット補正情報によって補正する。オフセット情報補正処理部18は、補正後のオフセット情報をセル選択部24に入力し、補正後のオフセット情報を用いてセル選択を行うようにセル選択部24を制御する。対象となる小型基地局40に優先接続の設定がなされていない場合は、オフセット情報保持部22に保持されたオフセット情報を用いてセル選択を行うようにセル選択部24を制御する。
小型基地局40のIDは、移動端末10により検出可能な小型基地局40の間でユニークであることが望ましい。そのため、例えば、小型基地局40から通知される報知情報に含まれる小型基地局40のIDを受信することにより、小型基地局40をユニークに特定できるようにする。
小型基地局40をユニークに特定できるようにする場合は、品質測定開始時(接続セルの選択手順開始時)に前もって、測定対象(セル選択対象)となる小型基地局40の報知情報を確認するなどして、その小型基地局40をユニークに特定できる情報を受信しておくこともできる。また、複数のID構造やその他の情報を組み合わせて、小型基地局40をユニーク、もしくは、高精度に識別できるようにしてもよい。例えば、小型基地局40をユニークに特定できるIDと重複使用が可能なIDに、その位置の情報(マクロ基地局のIDなどでもよい)を関連付けることで、重複が可能なIDのみを受信したときも、その位置の情報から、高精度に小型基地局40をユニークに特定できるIDを導き出すようにしてもよい。
セル選択部24は、マクロ基地局30や小型基地局40等から信号の受信品質の測定結果を元にセル選択を行う機能を有する。本実施の形態のセル選択部24は、オフセット情報補正処理部18から指定された小型基地局40に関しては、補正されたオフセット情報を用いてセル選択を行う。
[マクロ基地局]
次に、図2を参照して本実施の形態のマクロ基地局30の構成について説明する。マクロ基地局30は、基本通信機能32と、オフセット生成部34とを有している。なお、図2には示していないが、マクロ基地局30は、従来のマクロ基地局30と同様に、データ送受信部、受信品質測定のための設定情報(オフセット情報を含む)通知機能、ホワイトリスト通知機能、ハンドオーバ決定機能なども有する。
オフセット生成部34は、小型基地局40へのセル選択に用いられるオフセット情報を生成し、移動端末10に通知する機能を有する。ここで、「オフセット情報」は、ユーザによる優先接続設定がなされていない小型基地局40へのオフセット情報である。このオフセット情報は、各マクロ基地局30が設定する値であり、マクロ基地局30が形成するセルCにおいて適切な値となるように制御されている。オフセット情報の適用対象は、セル内のすべての移動端末10であり、内容はセル内の小型基地局40全体に対するオフセット情報である。従って、オフセット情報には、移動端末10のIDや小型基地局40のIDが必要なく、比較的小さなデータ量で報知できる。
本実施の形態では、オフセット生成部34は、オフセット補正情報生成部36を有している。オフセット補正情報生成部36は、オフセット補正情報を生成し、移動端末10に通知する機能を有する。オフセット補正情報は、優先接続の設定がなされている小型基地局40が選択されやすくなるようにオフセット情報を補正する情報であって、許容可能な補正量を示す。オフセット補正情報もまた、各マクロ基地局30において設定される値であり、マクロ基地局30が形成するセルにおいて適切な値となるように制御されている。オフセット補正情報の適用対象は、セル内のすべての移動端末10であり、内容は移動端末10が選定した任意の小型基地局40に対するオフセット補正情報である。従って、オフセット補正情報には、移動端末10のIDや小型基地局40のIDが必要なく、比較的小さなデータ量で報知できる。
マクロ基地局30は、オフセット情報およびオフセット補正情報を、ブロードキャストによってセル内に存在する移動端末10に一斉に送信する。
次に、本実施の形態の移動端末10およびマクロ基地局30の動作について説明する。以下の説明では、マクロ基地局30のセル内に存在する移動端末10が小型基地局40のセルを検出した場合にセル選択を行う例について説明する。
図5は、マクロ基地局30により送信される報知情報の例を示す図である。マクロ基地局30は、オフセット情報およびオフセット補正情報を含む報知情報を、ブロードキャストにより送信する。図5に示す例では、オフセット補正情報は、オフセット情報の追加情報として、受信品質測定のための設定情報に含めて報知される。この報知情報としては、例えば、SIB4(System Information Block 4)を用いることができる。オフセット補正情報は、オフセット情報の追加情報とせずに、別途、マクロ基地局30からの報知情報の中の受信品質測定のための設定情報の中に含めて報知してもよい。
図6は、移動端末10の動作を示す図である。移動端末10は、まず、ユーザからの志向設定を受け付ける(S10)。具体的には、ユーザが優先して接続したい小型基地局40の設定を受け付け、設定された小型基地局40のIDを保存する。すなわち、移動端末は、図4に示すとおり、小型基地局40のIDのリストに対象の小型基地局40を優先して接続する旨を示す情報を保存する。本実施の形態では、ユーザからの入力を受けて、優先して接続したい小型基地局40の設定を行う例について説明しているが、別の方法により、小型基地局40のIDのリストに優先接続設定を保存してもよい。例えば、ユーザの自宅に設置されたホーム基地局に対しては、ユーザからの入力がなくとも優先接続を行う旨を設定してもよい。小型基地局40の対象とするユーザの属性(例えば、年齢層等)を有している場合には、小型基地局40の属性と移動端末10のユーザ属性とを比較して、ユーザの属性が合致する小型基地局40に対して優先接続の設定をしてもよい。
移動端末10は、マクロ基地局30から送信されるオフセット情報およびオフセット補正情報を受信し(S12)、受信したオフセット情報をオフセット情報保持部22に保持し、オフセット補正情報をオフセット補正情報保持部20に保持する。
移動端末10は、周辺基地局の受信品質を測定し、測定した基地局の基地局IDを報知情報から受信する(S14)。移動端末10は、受信した報知情報から報知情報の送信元の基地局が、小型基地局40であるか否かを判定する(S16)。隣接セルの基地局が小型基地局40でない場合(S16でNO)には、マクロ基地局30から別のマクロ基地局30へのセル選択となるので、移動端末10は、従来のセル選択の手法により処理を行う。
報知情報の送信元の基地局が、小型基地局40である場合(S16でYES)、移動端末10は、小型基地局管理部16に管理されているデータに基づいて、報知情報の送信元の基地局のIDが優先接続設定された基地局のIDと一致するか否かを判定する(S18)。この結果、基地局のIDが一致する場合には(S18でYES)、移動端末10は、オフセット情報保持部22に保持されたオフセット情報を、オフセット補正情報保持部20に保持されたオフセット補正情報によって補正する(S20)。基地局のIDが一致しない場合には(S18でNO)、オフセット情報の補正を行わずに、次の処理に進む。
移動端末10は、セル選択の候補となる各セルの受信品質に、オフセット情報保持部22から読み出したオフセット情報またはオフセット情報補正処理部18にて補正されたオフセット情報を加えて、測定値を決定する(S22)。移動端末10は、オフセット後の測定値に基づいてセルの選択を行う(S24)。以上、第1の実施の形態の移動端末10およびマクロ基地局30について説明した。測定される受信品質としては、既知の信号(例えば参照信号又はパイロット信号)の受信電力などが用いられる。
本実施の形態の移動端末10はユーザにより優先接続設定がなされた小型基地局40に対するセル選択時に、オフセット補正情報を用いてオフセット情報を補正する。これにより、移動端末10は、マクロ基地局30に対し、特定の小型基地局40をどの程度優先したいか交渉することなく、ユーザの志向に基づく特定の小型基地局40への優先度設定に基づくセル選択を行うことができる。
本実施の形態のマクロ基地局30は、オフセット情報を補正するオフセット補正情報を送信しているので、基本的な設定基準として、移動端末10が設定できる優先度の程度を制御することができる。
上述したとおり、オフセット情報およびオフセット補正情報は、全移動端末10および全小型基地局40に共通であり、移動端末10のIDや小型基地局40のIDが必要ないので、報知情報の情報量を抑制することができる。
上記した第1の実施の形態において、移動端末10の志向設定部14にて優先接続の設定を受け付ける小型基地局40の個数の上限値を設けることとしてもよい。この上限値は、移動端末10にプリセットして記憶しておいてもよい。また、通信中にマクロ基地局30が、上限値の情報を移動端末10に通知し、移動端末10は、マクロ基地局30から通知された情報を受信して記憶することとしてもよい。マクロ基地局30から通知する場合には、状況に応じて通知してもよい。この通知の方法は、報知情報を用いてもよく、個別通知を行ってもよい。
マクロ基地局30から上限値を通知する構成とした場合、例えば、一定期間、同一マクロ基地局30内などの条件の下、オフセット補正情報をオフセット情報に適用できる小型基地局40の数に上限値を設け、事前もしくは制御が必要な状態になった場合に、移動端末10に対して、上限値を設定することができる。これにより、マクロ基地局30の形成するセル内において通常よりも送信電力を強めた送信を行う移動端末10(セル内の干渉の要因)を管理できるようになる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態の移動端末10aおよびマクロ基地局30aについて説明する。第2の実施の形態においては、マクロ基地局30aは、優先接続設定に基づくセル選択を許可するタイミングを制御する。
図7は、第2の実施の形態のマクロ基地局30aの構成を示す図である。第2の実施の形態のマクロ基地局30aは、第1の実施の形態のマクロ基地局30の構成に加え、使用可否情報生成部38を有している。
使用可否情報生成部38は、現時点のセルの運用状況や、ネットワーク側からの制御により、移動端末10aが小型基地局40へのセル選択に際して、オフセット情報をオフセット補正情報によって補正してもよいかどうかを判断する機能と、その判断結果に基づいて、使用可能/使用禁止の状態を通知するための使用可否情報を生成し、移動端末10aに対して通知する機能を有する。
使用可否情報は、1ビットから数ビットのフラグ情報で、この使用可否情報を用いて、その時々のオフセット補正情報の使用可否を表示する。この使用可否情報は、例えば、移動端末10aが強い送信電力で送信した場合の干渉が、許容できる範囲内の状況であることから判断して、オフセット補正情報を使用可能である旨を示した使用可否情報を設定したり、現在のマクロ基地局30aが形成するセル内の小型基地局40がマクロ基地局30aと異なる周波数帯で運用されているために、干渉の影響をあまり受けることがないことから判断して、オフセット補正情報を使用可能である旨を示した使用可否情報を設定したりできる。このような状況は、時間や環境によって異なると考えられるので、マクロ基地局30aごとに別々のタイミングで、独自に設定できることが望ましい。使用可否情報生成部38は、ネットワーク側からの制御の頻度、即応性の必要に応じた周期で、使用可否情報を継続的に報知する。
図8は、マクロ基地局30aにより送信される報知情報の例を示す図である。第2の実施の形態のマクロ基地局30aは、使用可否情報を短周期の報知情報の中の受信品質測定のための設定情報に含めて送信する。短周期の報知情報としては、例えば、SIB1を用いることができる。
図9は、第2の実施の形態の移動端末10aの構成を示す図である。第2の実施の形態の移動端末10aの基本的な構成は第1の実施の形態の移動端末10と同じであるが、第2の実施の形態では、オフセット情報補正処理部18は使用可否確認部26を有している。
使用可否確認部26は、オフセット情報補正処理部18において小型基地局管理部16を参照して優先/非優先の補正を行うように選定されているかどうかを確認する際に、報知情報に含まれる使用可否情報の状態を確認し、使用しようとしているオフセット補正情報を現時点で使用してよいかどうか判断する機能を有する。その結果、オフセット補正情報の使用が許可されている場合は、オフセット情報補正処理部18にて補正したオフセット補正情報を用いてセル選択を行い、許可されていない場合は、オフセット情報保持部22に保持されたオフセット情報を用いてセル選択を行う。
図10は、第2の実施の形態の移動端末10aの動作を示す図である。第2の実施の形態の移動端末10aの基本的な動作は、第1の実施の形態の移動端末10の動作と同じであるが、オフセット補正情報を使用してよいか否かの使用可否の判定を行う処理が追加されている(S17)。使用可否の判定を行う処理では、移動端末10aは、短周期の報知情報(システム情報)から使用可否情報を取得し、取得した使用可否情報に基づいてオフセット補正情報の使用が許可されているか否かを判定する。使用許可されている場合には、必要に応じて、オフセット情報、およびオフセット補正情報を、更新のために取得するようにしてもよい。
なお、図10に示す例では、オフセット補正情報の使用可否の判定を、基地局IDの判定の前に行う例を示しているが、使用可否の判定は、基地局IDの判定(S18)の後に行ってもよい。
第2の実施の形態のマクロ基地局30aは、ユーザの志向に応じた優先接続を許可するか否かを使用可否情報によって通知し、移動端末10aは、この使用可否情報に基づいて優先接続を行うか否かを決定している。これにより、マクロ基地局30aの運用者(例えば、モバイルオペレータ)は、移動端末10aがセル選択を行う時点における状況に応じて、優先接続を許可するか否かを制御することができる。
例えば、マクロ基地局30aに比べて、小型基地局40への接続をより優先するということは、移動端末10aと小型基地局40との通信において、通常(優先的な接続がない場合)に比べて電波の干渉や小型基地局40までの距離が比較的離れているなど、通信品質の悪い状況下でも接続される可能性、すなわち、移動端末10aからの送信が行われる可能性がある。従って、移動端末10aは、十分な通信品質を確保するために、小型基地局40に対して、送信電力を上げて通信する必要があるかもしれない。小型基地局40の形成するセルは、マクロ基地局30aの形成するセルに包含される場合が多いため、小型基地局40に接続するために移動端末10aが送信電力を上げて送信することは、周辺に存在する他のマクロ基地局30aに接続している(小型基地局40には接続しようとしていない)移動端末10aにとっては、干渉、雑音の要素が増すことになる。このことはマクロ基地局30aの形成するセルにおいてのシステムのパフォーマンスを低下させることにつながるので、ネットワーク側の運用面での判断において状況に応じた制御ができることが望ましい。
使用可否情報を用いた制御により、例えば、夜間住宅街で許可、日中に干渉制御を優先するといった制御を行うことができる。住宅街をカバーするマクロ基地局30aにおいて、時間帯に応じて使用可否を制御することによって、ユーザの活動状態(屋外にいるユーザ数など)に合わせて、きめ細かい制御が可能になる。ユーザの活動が活発な場合には、干渉制御を優先し、マクロ基地局30aの形成するセルCに接続している移動端末10aに大きな影響を与えないようにオフセット補正情報の使用を抑制する使用可否情報を生成通知したり、ユーザの活動が安定している場合には、自宅の小型基地局40への接続がより容易になるように、オフセット補正情報の使用を許可する使用可否情報を生成通知したりできる。深夜などは、ユーザの活動は活発ではなく、アクティブな接続も少ないことから、移動端末10aをマクロ基地局30aに接続させ、個別の小型基地局40を省電力や待機状態にできるよう使用可否情報を制御してもよい。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態の移動端末10およびマクロ基地局30について説明する。第3の実施の形態の移動端末10およびマクロ基地局30の基本的な構成は、第1の実施の形態の移動端末10およびマクロ基地局30の構成と同じであるが、第3の実施の形態においては、複数種類のオフセット補正情報を有する。複数種類のオフセット補正情報はそれぞれ、優先度に応じて異なる接続のしやすさを実現する補正情報である。
図11は、第3の実施の形態の移動端末10の小型基地局管理部16に管理された小型基地局40のリストの例を示す図である。図11に示すように、小型基地局40のIDに関連付けて「第1優先」「第2優先」「−」の優先度の異なる3種類の優先度が設定されている。「第1優先」で示される小型基地局40に対しては、最も優先して接続されやすくするためのオフセット補正情報が適用され、「第2優先」で示される小型基地局40に対しては2番目に優先して接続されやすくするためのオフセット補正情報が適用される。「−」で示される小型基地局40に対しては、オフセット補正情報は適用されない。
マクロ基地局30は、オフセット情報に加え、「第1優先」「第2優先」に適用されるそれぞれのオフセット補正情報の情報を移動端末10に通知する。移動端末10は、報知されているオフセット情報をそのまま使用する場合を含め、3段階の接続しやすさを志向設定に基づいて選定された小型基地局40に割り当てる。なお、本実施の形態では、3段階の接続しやすさの度合いを有する例を挙げているが、接続しやすさの度合いは何段階であってもよい。
第3の実施の形態においては、図11に「忌避(avoidance)」で示すように、接続しにくい小型基地局40が設定されている。言い換えると、非優先に設定される小型基地局40が設定されている、あるいは、優先度が低位設定される小型基地局40が設定されているとも言える。本実施の形態では、「忌避」で示される小型基地局40に接続しにくくするように、オフセット情報の補正を行う。この場合のオフセット補正情報は、小型基地局40に接続しやすくするためのオフセット補正情報とは逆方向のシフトを行う情報である。
第3の実施の形態の移動端末10およびマクロ基地局30は、小型基地局40への接続しやすさを段階的に設定できるので、小型基地局40の運用者や属性等に応じてきめ細かい制御を行うことが可能となる。
例えば、大学キャンパスや、集合住宅街など広範囲に複数の小型基地局40を配置し、さらに特定の小型基地局40が特定の移動端末10の拠点となるような場合に有用である。大学キャンパスの場合、マクロ基地局30が形成するセルC内において、大学キャンパス外の小型基地局40との違い(志向設定)を反映するために、オフセット補正情報(第2優先)を適用したオフセット情報を用いることで実現する。特定の学生の移動端末10は、在籍する学部棟への接続を更に優先するために大学キャンパス内の小型基地局40間の違い(志向設定)を反映するために、オフセット補正情報(第1優先)を適用したオフセット情報を用いることで実現する。このようなオフセット補正情報の使用方法においても、共用棟での講義時間帯は共用棟の小型基地局40を第1優先と変更するなど、ユーザの志向設定の変化に即座に対応できることが有用である。
このように、時間帯、場所、使用者に応じて志向設定を反映できることは小型基地局40の設置者にとっても有用である。例えば、オフセット補正情報(第2優先)はマクロ基地局30が報知する通常のオフセット補正情報を用い、その後に、移動端末10が大学キャンパス内の小型基地局40に接続した時点で、小型基地局40がオフセット補正情報(第1優先)に相当する情報を(新たに/追加で)通知する、この方法によれば、細かな制御を大学キャンパスの小型基地局40設置者が制御することも可能となるかもしれない。マクロ基地局30への影響が管理されている範囲内で、小型基地局40ごとの差異を設定できるようにモバイルオペレータが設定手段を提供することは、小型基地局40の設置者にとっての利便性を高めることになる。さらに、細かな制御に要するオフセット補正情報をマクロ基地局30が通知するリソース消費に比べて、大学キャンパス内の小型基地局40が(追加の)オフセット補正情報を通知することで、全体としてのリソース消費が低減できるというマクロ基地局30側(モバイルオペレータ側)の利点もある。
また、小型基地局へ接続しにくくする「忌避」の設定を行うことにより、ユーザのニーズに合わせた制御を行うことが可能である。例えば、ユーザの志向設定として、オフィスなどの特定の目的地に移動している際には、目的地であるオフィスの小型基地局40に対して、より接続しやすくするためのオフセット補正情報を適用したオフセット情報を使用するが、その経路上にあるホットスポットのようなサービスを行っている商店などの小型基地局40が検出されるたびに接続してしまうことを避けるため、それらの小型基地局40に対してはより接続しにくくするための「忌避」のオフセット補正情報を適用したオフセット情報を使用することが考えられる。ユーザの帰宅時などには志向設定として、ホットスポットのようなサービスを行っている商店などの小型基地局40へのより接続しにくくするためのオフセット補正情報を解除することで、通常の状態に戻すことができる。
このような方法は、自動車、列車などを用いてユーザが移動しているような場合で、一時的な停車などにより、ネットワーク側で行う移動速度などのみを用いた接続先判定ではユーザの意図していない(単なる通過地点である)小型基地局40に接続してしまうことなどを防ぎたいような場合にも有効である。
この場合の使用可否情報の扱い方は接続しやすくするオフセット補正情報のみの場合とは異なる場合がある。例えば、使用可否情報を干渉制御の目的で行っている場合は、接続しにくくするためのオフセット補正情報をオフセット情報に適用しても干渉を増大させることにはならない。このような場合は、複数のレベルを持つ使用可否情報の場合と同様に、使用可否情報も区別して通知することが望ましい。別の方法としては、使用可能および、使用禁止の意味する内容を、接続しやすい状態へのオフセット情報補正可能および、接続しにくい状態へのオフセット情報補正可能と規定することで制御することもできる。
以上、第3の実施の形態について説明したが、上記した第3の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、オフセット補正情報を適用可能な小型基地局40の個数の上限値を設定することとしてもよい。この場合、優先度ごとに上限値を決定してもよい。
第3の実施の形態に、上記した第2の実施の形態の使用可否情報の構成を適用することも可能である。この場合、優先度の異なる複数のオフセット補正情報のうち、どのオフセット補正情報まで使用を許可し、どのオフセット補正情報からは許可しないというように優先度に応じて使用可否を制御することも可能である。
複数のオフセット補正情報が通知される場合には、移動端末10が送信電力を上げて通信する必要がある場合に及ぼすマクロ基地局30への影響も異なる。より接続しやすい設定にすることは、対象となる小型基地局40への送信電力がより必要となる電波状況においても移動端末10が接続を行うということに相当するので、使用可否の制御も、オフセット補正情報(第2優先)まで使用許可とする状況や、オフセット補正情報(第1優先)まで使用許可とする状況など段階的に制御できるようになっていることが望ましい。
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態の移動端末およびマクロ基地局について説明する。上記した第1〜第3の実施の形態においては、全移動端末10および全小型基地局40に共通のオフセット情報およびオフセット補正情報を用いる例について説明したが、第4の実施の形態においては、マクロ基地局30は、全移動端末10に共通のオフセット情報を送信すると共に、移動端末10個別の設定を反映した小型基地局40毎に異なるオフセット補正情報を送信する。
第4の実施の形態の移動端末10およびマクロ基地局30の基本的な構成は、第1の実施の形態の移動端末10およびマクロ基地局30の構成と同じである。移動端末10は、ユーザの志向設定の変更に応じて、設定変更に係る小型基地局40へのオフセット情報の変更を要求する。ネットワーク側はマクロ基地局30を介して、移動端末10が小型基地局40の接続判定に使用するオフセット情報を報知する。ネットワーク側はマクロ基地局30を介して、それぞれの移動端末10に対してそれぞれの小型基地局40の接続判定時に補正するオフセット補正情報の一覧を個別に通知する。
移動端末10は、小型基地局40を発見したときに、マクロ基地局30から受信したオフセット情報を、発見した小型基地局40に対応するオフセット補正情報で補正した値を用いてセルの選択を行う。
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態の移動端末およびマクロ基地局について説明する。上記した第1〜第3の実施の形態においては、全移動端末10および全小型基地局40に共通のオフセット情報およびオフセット補正情報を用いる例について説明したが、第5の実施の形態においては、マクロ基地局30は、移動端末10個別の設定を反映し、小型基地局40毎に異なるオフセット情報を送信する共に、全移動端末10に共通のオフセット補正情報を送信する。
第5の実施の形態の移動端末10およびマクロ基地局30の基本的な構成は、第1の実施の形態の移動端末10およびマクロ基地局30の構成と同じである。ネットワーク側は、マクロ基地局30を介して、それぞれの小型基地局40の接続判定に使用するオフセット情報と対応する小型基地局40のIDの一覧を報知する。ネットワーク側は、マクロ基地局30を介して、それぞれの移動端末10が小型基地局40の接続判定時に補正するオフセット補正情報を個別に通知する。
移動端末10は、小型基地局40を発見した際は、マクロ基地局30から受信したオフセット情報と、発見した小型基地局40に対応するオフセット補正情報を用いてセルの選択を行う。
(第6の実施の形態)
次に、本発明の第6の実施の形態の移動端末10aについて説明する。上記した第2の実施の形態においては、全移動端末10aおよび全小型基地局40のセルに使用可否情報を適用する例について説明したが、第6の実施の形態においては、小型基地局40のセル個別に干渉を考慮してオフセット情報およびオフセット補正情報の使用の可否を設定することで、小型基地局40のセル毎にオフセットの情報およびオフセット補正情報の適用の可否を設定する。
オフセット情報およびオフセット補正情報の設定方法の例として、小型基地局40のセルから報知されるintra-frequency cell reselection indicator(IFRI)ビットと呼ばれる情報の値を基準にして設定することが考えられる。IFRIビットとは、移動端末10aにとって受信品質の最も良い小型基地局40のセルが、移動端末10aにとってアクセス許可がない場合に、移動端末10aをどのセルに対してセル選択させるかを指示する情報である。例えば、検出したセルの中で最も受信品質の良い小型基地局40のセルに対して移動端末10のアクセス許可がない場合に、移動端末10aはそのセルの報知情報に含まれるIFRIビットを参照する。移動端末10aは、IFRIビットの内容を使用可否確認部26によって確認する。IFRIビットが“allowed”の場合、移動端末10aは現在使用している周波数を変更せずに同一周波数内の他の受信品質の良いセルに対してセル選択することになる。この場合には、上り回線および下り回線の干渉が問題になるため、オフセット情報およびオフセット補正情報を使用禁止にすることで、上り回線および下り回線の干渉の増大を軽減することが可能となる。一方、IFRIビットが“non-allowed”の場合、移動端末10aは現在使用している周波数を変更して、別の周波数のセルに対してセル選択することになる。この場合は干渉の影響は少ないため、オフセット情報およびオフセット補正情報を使用可能とする。本実施の形態により、小型基地局40のセル毎に、より柔軟に干渉を考慮したオフセット制御が可能になる。
第6の実施の形態の移動端末10aの基本的な構成は、第2の実施の形態の移動端末10aの構成と同じである。第6の実施の形態のマクロ基地局の基本的な構成は、第1の実施の形態のマクロ基地局30と同じである。小型基地局40は、報知情報としてIFRIビットを送信している。
以上、本発明の移動端末およびマクロ基地局について実施の形態を挙げて詳細に説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではない。
異なる小型基地局40は、異なる周波数帯で運用されている場合がある。この場合、セル選択先となる小型基地局40が現在接続している基地局と同一周波数帯で運用されているか、異なる周波数帯で運用されているかによって、セル選択のしやすさを変えてセル選択の制御を行う必要があることが考えられる。このような場合に、オフセット補正情報を同一周波数帯/異周波数帯の優先度分を変化させる情報として用いることで、容易に制御できる。例えば、報知されるオフセット情報は、同一周波数帯で運用されている小型基地局40で使用するためのオフセット情報であるとし、異周波数帯で運用されている小型基地局40で使用する場合は、まず、オフセット補正情報によってオフセット情報を補正し、得られた補正済みのオフセット情報を使用するようにできる。
このオフセット補正情報は、上述のユーザの志向設定に基づいて選定された小型基地局40に適用するオフセット補正情報とは別に(区別できるようにして)通知し、それぞれ独立して補正を適用できるようにしてもよい。
このようにして、同一周波数帯/異周波数帯の優先制御のためにオフセット補正情報を用いることで、優先制御を容易に行うことができ、また、小型基地局40が状況に応じて運用する周波数帯を変えたような場合でも柔軟に対応できるようになる。
なお、オフセット補正情報は、マクロ基地局30ごとに異なる設定であることが考えられる。例えば、オフセット情報がマクロ基地局30ごとに異なっていたり、マクロ基地局30の形成するセル内の小型基地局40に応じて(セルごとにどのような小型基地局40が存在するかは異なるため)適切な値に設定するため、移動端末10はマクロ基地局30を変更するたびに読み直す(受信し直す)情報要素として格納することが望ましい。
オフセット補正情報は、時間帯によっては異なる設定が報知されることが考えられるので、移動端末10側とネットワーク側でデータ伝送を行っていない状態(アイドル状態)であっても、移動端末10は一定時間が経過した場合は、オフセット補正情報を読み直す(受信し直す)ことが望ましい。
ネットワーク側において、使用可能の状態(使用可否情報の状態)を維持しつつもオフセット補正情報の補正量を変更したい場合などは、マクロ基地局30は任意のタイミングでオフセット補正情報を変更し、変更した新しい値を受信し直すように移動端末10に対して指示できるよう、例えば、ページングの送信(移動端末10は受信)ができるようになっていることが望ましい。
上述の大学キャンパスの使用例などでも示したように、移動端末10が現在接続中の小型基地局40から別の小型基地局40にセル選択する場合や、移動端末10が小型基地局40からマクロ基地局30にセル選択する場合に備えて、小型基地局40がマクロ基地局30とは別のオフセット情報及びオフセット補正情報を送信し、移動端末10はそれらを受信し、更新もしくは小型基地局40から受信したオフセット情報及びオフセット補正情報として格納し使用できるようになっていてもよい。これにより、小型基地局40間のセル選択に別のセル選択傾向を付加したり、ユーザの小型基地局40における滞在に関する志向設定を反映したり、同一周波数帯/異周波数帯を区別するときオフセット補正情報の追加を小型基地局40から行ったりできるようになる。
報知、個別通知は、複数の移動端末10をまとめたグループ単位のグループ通知(マルチキャストなど)を用いてもよい。
上記した第1〜第3の実施の形態では、オフセット情報およびオフセット補正用情報をブロードキャストにより送信する例について説明したが、オフセット情報およびオフセット補正情報の両方またはいずれか一方をユニキャストにより個別に通知することとしてもよい。
上記した実施の形態では、オフセット補正情報はオフセット情報を加減算することでその値をシフトすることを前提として説明したが、オフセット情報自体を置き換える情報を通知することもできる。すなわち、優先接続を行う場合の第1のオフセット情報と、優先接続をしない場合の第2のオフセット情報を通知してもよい。優先の度合いを段階的に変えたい場合には、第1のオフセット情報、第2のオフセット情報、第3のオフセット情報・・・というように複数のオフセット情報を送信してもよい。この場合は、通知する情報の量が増加するが、適用するオフセットそのものが通知されるので、移動端末でのオフセット情報の変更のための構成が簡素になる。
移動端末は、複数の通信デバイスから構成されるものであってもよく、例えばパーソナルコンピュータなどの電子計算機に外挿型あるいは組み込み型の3GPP通信用デバイスモジュールや非3GPP通信デバイスモジュールを装着する場合などがあり、こうした多様な移動端末においても本発明は同等の効果を有するものである。
上記の本発明の実施の形態の説明で用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えば、バイオ技術の適応などが可能性としてあり得る。
以上に現時点で考えられる本発明の好適な実施の形態を説明したが、本実施の形態に対して多様な変形が可能なことが理解され、そして、本発明の真実の精神と範囲内にあるそのようなすべての変形を添付の請求の範囲が含むことが意図されている。
以上説明したように、本発明は、優先ホーム基地局が選択されやすくなる度合いを調整できるというすぐれた効果を有し、広域エリアをカバーするセルの、広域エリア内に存在する複数のセルとを有するネットワークにおいてセル選択の制御を行う移動端末またはマクロ基地局等として有用である。
10,10a 移動端末
12 基本通信機能
14 志向設定処理部
16 小型基地局管理部
18 オフセット情報補正処理部
20 オフセット補正情報保持部
22 オフセット情報保持部
24 セル選択部
26 使用可否情報確認部
30,30a マクロ基地局
32 基本通信機能
34 オフセット生成部
36 オフセット補正情報生成部
38 使用可否情報生成部
40a〜40c 小型基地局
関連する出願
本出願では、2008年9月19日に日本国に出願された特許出願番号2008−241039の利益を主張し、当該出願の内容は引用することによりここに組み込まれているものとする。
本発明は、第1のセルと第1のセルに包含される第2のセルとを有するネットワークにおいて移動端末がセルを選択する技術に関する。
3GPPでは、広域のエリアをカバーするマクロ基地局として、eNodeB(以下、「eNB」という)、Home eNodeB(以下、「HeNB」という)が規定されている。HeNBは、マクロ基地局のセル内において比較的狭いエリアをカバーする小型基地局(micro BS)である。HeNBのオペレーターは、HeNBが持つID(CSGID)によりHeNBにアクセスできるユーザを制限することができる。HeNBは、モバイルオペレータの管理するコアネットワークまでのアクセスを、モバイルオペレータとは異なるネットワークオペレータのネットワークを介しても接続可能となるように構成した基地局である。HeNBは、モバイルオペレータが設置する他に、移動端末のユーザ自身や、オフィス管理者、ショッピングモールや、公共施設などの管理者がHeNBを配置することが想定されている。
小型基地局は、マクロ基地局と同様に、移動端末を収容できるが、その配置は、小型基地局の運用者の意図を反映した形で行われる。例えば、個人ユーザ所有の小型基地局であれば、ユーザ宅をサービスセルとしてカバーするように配置され、また、大学キャンパスのモバイル環境用として配置される場合は、大学敷地内をカバーするように複数の小型基地局を配置することが考えられる。
小型基地局においては、運用者の意図を反映し、接続可能な移動端末を制限するアクセスコントロール(CSG)を行うことが可能である。この場合、CSGの対象外の移動端末は、小型基地局への接続が拒否される。このようなシステムにおいては、移動端末は、接続可能な小型基地局のリストであるホワイトリストを作成し、記憶する場合もある。移動端末は、小型基地局を検知すると、ホワイトリストを参照して、接続可能な小型基地局であるか否かを判断する。
ホワイトリストは、例えば、次の方法で作成することができる。(1)小型基地局への接続が可能かどうか逐一確かめる(ホワイトリストになくても接続手順を試みる)モードにおいて、接続可能であることを確認した小型基地局をホワイトリストに追加するようネットワーク側に依頼する。(2)対応する小型基地局のID等をネットワーク側と交渉し、接続可能であると通知されたID等を書き込んでいく。
なお、CSGについては、非特許文献1〜3に記載されている。非特許文献1は、CSGセルの定義および動作(UMTSおよびLTE)を記載し、非特許文献2はCSGセルの要求仕様(LTE)を記載し、非特許文献3はCSGセルのセル選択動作(LTE)を記載している。
次に、上記したようなeNB、HeNBを有するシステムにおいて、ハンドオーバすべきセルを選択するセル選択について説明する。セルの選択は、基本的には、ハンドオーバ元のセルとハンドオーバ先の候補となるセルとの接続品質に基づいて行われる。
ハンドオーバ元の接続品質が一定の条件を満たさなくなると、移動端末は他の基地局の使用を検討するため、他の基地局との接続を想定した品質測定を行う。ハンドオーバ先の基地局の選択は、移動端末側とネットワーク側でデータ伝送を行っている状態(アクティブ状態)では、ネットワーク主導で行われ、移動端末とネットワーク側でデータ伝送を行っていない状態(アイドル状態)では、移動端末主導で行われる。
いずれの場合も、移動端末にて測定した接続品質をそれぞれ比較し、最も品質が良いと思われる基地局を選定する。このとき、基地局の選択基準として、測定した品質の情報の他に勘案すべき情報がある場合、ネットワーク側は測定した品質情報に加減算するためのパラメータとしてオフセット情報を通知し、セル選択の傾向を制御することができる。
オフセット情報は、報知情報として通知される場合と、特定の移動端末に対して特別な値を設定するために、報知情報を上書きするように個別通知される場合とがある。オフセット情報を用いる例としては、ハンドオーバ(セル選択)先の候補の基地局が、ハンドオーバ(セル選択)元の基地局とは異なるアクセステクノロジで動作している場合に、同一の方法で測定した場合の差異を相殺するために用いられる。また、異なる周波数帯のセルごとで、使用するリソースを平滑化するため、ネットワーク側の意図する周波数帯のセルに移動端末を誘導する目的で使用される。
このオフセット情報を、前述したホワイトリストに、各小型基地局に対する「接続しやすさ」を反映する情報として設定することもできる。
3GPP TS22.011 1章および8章 3GPP TR36.300 Annex F 3GPP TR36.304 5章
上述したように、小型基地局は、モバイルオペレータとは異なり、よりユーザに近い所有者により運用されることも想定しているので、ユーザもしくは小型基地局の所有者の志向を反映して、小型基地局に接続するか否かの選択を行えることが望ましい。以降、ユーザが所有する移動端末を、その移動端末のホームの小型基地局に優先的に接続させたい(使用料の面での優遇があるなど)、公共的に提供される小型基地局に接続させたい、ホットスポットのようなサービスエリアに一定期間滞在したいなど、移動端末のユーザの接続先に関する要望をユーザの志向と表記する。なお、ユーザの志向は、必ずしもシステム上で通信パラメータなどから判定する接続先とは一致するとは限らない。
モバイルオペレータのセル選択基準は、地域、周波数帯、アクセステクノロジ等の要素を勘案する。しかし、小型基地局を優先して使用したい度合いや傾向は、各移動端末によって異なる。例えば、移動端末が異なると、優先して使用したい小型基地局の傾向は、全く反対になるかもしれない。また、ユーザの使用状況の変化に応じて、優先して使用したい小型基地局が時々刻々と変化する可能性があり、優先すべき小型基地局をいったん設定しても、時間が違えば、ユーザの志向が逆転するかもしれない。
移動端末毎に、小型基地局別の「接続しやすさ」を設定するために、移動端末別、小型基地局別のオフセット情報を通知することが考えられる。移動端末は、ユーザの志向設定の変更に応じて、対応する小型基地局へのオフセット情報の変更を要求する。ネットワーク側は、マクロ基地局を介して、それぞれの移動端末がそれぞれの小型基地局のセル選択に使用するオフセット値の一覧を、移動端末からの要求に応じて報知する。移動端末は、小型基地局を発見した際は、受信したオフセット値の一覧を用いてセル選択を行う。
しかし、この方法は、報知情報が非常に多くなってしまうという課題がある。例えば、一つのマクロ基地局が構成するセル内にn個の移動端末とm個の小型基地局があるとすると、報知情報は、n×m個のオフセット情報とそのオフセット情報を用いるべき移動端末および小型基地局のIDをリスト化した情報を報知する必要がある。しかし、一般に報知情報のサイズは限られており、このように報知情報が肥大化する構造とすることは望ましいことではない。
上述したホワイトリストを用いる方法も考えられる。移動端末は、ユーザの志向設定の変更があると、ホワイトリストの構成の変更を依頼し、ネットワーク側へ、どの小型基地局がどの程度優先されるように変更されるのが望ましいかを通知する。ネットワーク側は通知に基づき、ホワイトリストに付加するプライオリティを変更する。ネットワーク側は、マクロ基地局を介してそれぞれの移動端末がそれぞれの小型基地局のセル選択に使用するオフセット情報を更新する。移動端末は、小型基地局を発見した際に、ホワイトリストに示される最新のオフセットを用いてセル選択を行う。
しかし、ホワイトリストは運用として接続対象として扱ってよいかどうかの静的な情報を管理することが主目的であるため、頻繁に更新されるデータを扱うにはあまり適していない。ホワイトリストの自動的な更新周期は非常に長いので、意図的に更新するために複数のシグナリングを含む手順を実行しなければならない。ユーザの使用状況の変化に応じて志向設定が時々刻々と変化するため、優先すべき小型基地局を頻繁に更新しなければならない状況においては、ホワイトリストを頻繁に更新しなければユーザの志向設定に追いつくことができないが、これはホワイトリストの運用としては、望ましいことではない。依然として、通知情報が非常に多いという課題も存在する。
そこで、本発明は上記背景に鑑み、ユーザ個別の志向を移動端末ごとに個々に設定することができ、情報の通知量を抑えたセル選択の制御方法を提案することを目的とする。
本発明の移動端末は、マクロ基地局と複数のホーム基地局を有するネットワークにおいて用いられる移動端末であって、前記マクロ基地局および前記ホーム基地局から送信された信号の受信品質を測定する受信品質測定部と、セル選択に用いるオフセット情報を前記マクロ基地局から受信するオフセット情報受信部と、前記マクロ基地局からブロードキャストにより送信される、前記オフセット情報を補正するオフセット補正情報を受信するオフセット補正情報受信部と、前記複数のホーム基地局のうち優先接続する少なくとも一つの優先ホーム基地局の情報を記憶する優先基地局情報記憶部と、前記優先ホーム基地局を検知したときに、前記オフセット情報を前記オフセット補正情報によって補正するオフセット情報補正部と、前記受信品質に、前記オフセット情報受信部にて受信したオフセット情報または前記オフセット情報補正部にて補正されたオフセット情報を加え、オフセット情報を加えた受信品質に基づいてセル選択を行うセル選択部とを備える。
この構成により、ユーザが優先接続を希望する優先ホーム基地局が選択されやすくなると共に、基地局はオフセット補正情報を送信するので、優先ホーム基地局が選択されやすくなる度合いを調整できる。マクロ基地局は、全移動端末に共通の情報を報知すればよいので、通知する情報量を抑制できる。
本発明のマクロ基地局は、配下のセル内に複数のホーム基地局を含むマクロ基地局であって、セル選択に用いるオフセット情報を前記移動端末に送信するオフセット情報送信部と、前記オフセット情報を補正するオフセット補正情報をブロードキャストにより前記移動端末に送信するオフセット補正情報送信部とを備える。
この構成により、ユーザが優先接続を希望する優先ホーム基地局が選択されやすくなると共に、マクロ基地局はオフセット補正情報を送信するので、優先ホーム基地局が選択されやすくなる度合いを調整できる。マクロ基地局は、全移動端末に共通の情報を報知すればよいので、通知する情報量を抑制できる。
本発明のセル選択システムは、マクロ基地局と、複数のホーム基地局を有するネットワークにおいて移動端末によるセルの選択を制御するためのシステムであって、前記第マクロ基地局は、セル選択に用いるオフセット情報を前記移動端末に送信するオフセット情報送信部と、前記オフセット情報を補正するオフセット補正情報をブロードキャストにより前記移動端末に送信するオフセット補正情報送信部とを備え、前記移動端末は、前記マクロ基地局および前記ホーム基地局から送信された信号の受信品質を測定する受信品質測定部と、前記第マクロ基地局から前記オフセット情報を受信するオフセット情報受信部と、前記第マクロ基地局から前記オフセット補正情報を受信するオフセット補正情報受信部と、前記複数のホーム基地局のうち優先接続する少なくとも一つの優先ホーム基地局の情報を記憶する優先基地局情報記憶部と、前記優先ホーム基地局を検知したときに、前記オフセット情報を前記オフセット補正情報によって補正するオフセット情報補正部と、前記受信品質に、前記オフセット情報受信部にて受信したオフセット情報または前記オフセット情報補正部にて補正されたオフセット情報を加え、オフセット情報を加えた受信品質に基づいてセル選択を行うセル選択部とを備える。
本発明のセル選択方法は、マクロ基地局と複数のホーム基地局を有するネットワークにおいて用いられる移動端末によるセル選択方法であって、セル選択に用いるオフセット情報を前記マクロ基地局から受信するステップと、前記マクロ基地局からブロードキャストにより送信される、前記オフセット情報を補正するオフセット補正情報を受信するステップと、前記複数のホーム基地局のうち優先接続する少なくとも一つの優先ホーム基地局の情報を優先基地局情報記憶部に記憶するステップと、前記マクロ基地局および前記ホーム基地局から送信された信号の受信品質を測定するステップと、前記優先ホーム基地局を検知したときに、前記オフセット情報を前記オフセット補正情報によって補正するステップと、前記受信品質に、前記マクロ基地局から受信したオフセット情報または前記オフセット補正情報によって補正されたオフセット情報を加え、オフセット情報を加えた受信品質に基づいてセル選択を行うステップとを備える。
本発明のセル選択制御方法は、配下のセル内に複数のホーム基地局を含むマクロ基地局によって、移動端末のセル選択を制御する方法であって、セル選択に用いるオフセット情報を前記移動端末に送信するステップと、前記オフセット情報を補正するオフセット補正情報をブロードキャストにより前記移動端末に送信するステップとを備える。
本発明によれば、優先基地局情報記憶部に記憶された優先ホーム基地局が選択されやすくなる。基地局はオフセット補正情報を送信するので、優先ホーム基地局が選択されやすくなる度合いを調整でき、かつ通知される情報量を抑制できるというすぐれた効果を有する。
以下に説明するように、本発明には他の態様が存在する。したがって、この発明の開示は、本発明の一部の提供を意図しており、ここで記述され請求される発明の範囲を制限することは意図していない。
図1は、第1の実施の形態の移動端末の構成を示す図 図2は、第1の実施の形態のマクロ基地局の構成を示す図 図3は、第1の実施の形態の移動端末およびマクロ基地局が適用されるネットワークの構成を示す図 図4は、第1の実施の形態のオフセット補正情報保持部に保持されたデータの例を示す図 図5は、第1の実施の形態のマクロ基地局により送信される報知情報の例を示す図 図6は、第1の実施の形態の移動端末の動作を示す図 図7は、第2の実施の形態のマクロ基地局の構成を示す図 図8は、第2の実施の形態のマクロ基地局により送信される報知情報の例を示す図 図9は、第2の実施の形態の移動端末の構成を示す図 図10は、第2の実施の形態の移動端末の動作を示す図 図11は、第3の実施の形態のオフセット補正情報保持部に保持されたデータの例を示す図
以下に、本発明の詳細な説明を述べる。以下に説明する実施の形態は本発明の単なる例であり、本発明は様々な態様に変形することができる。従って、以下に開示する特定の構成および機能は、請求の範囲を限定するものではない。
以下、本発明の実施の形態の基地局、移動端末およびセル選択方法について、図面を用いて説明する。なお、下記の各実施の形態では、小型基地局は3GPP LTEシステムに対応したHome eNBである例について、説明を行っているが、3GPP UMTSシステムに対応したHome NBにおいて、本発明を応用することもできる。この場合、移動端末はアイドル状態以外においてもセル選択を行うなどのシステム上の条件の差異にあわせて変更を加える必要があるが、この変更は当業者が行う設計変更として自明である。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の移動端末10の構成を示す図、図2はマクロ基地局30の構成を示す図である。図1、図2を用いて、移動端末10およびマクロ基地局30について詳しく説明する前に、本実施の形態の移動端末10およびマクロ基地局30が適用されるネットワークについて説明する。
図3は、第1の実施の形態の移動端末10およびマクロ基地局30が適用されるネットワークの構成を示す図である。マクロ基地局30が提供する広範囲のセルCには、複数の小型基地局40a〜40cが設置されている。以下、小型基地局40a〜40cを総称する場合には、小型基地局40という。各小型基地局40a〜40cは、独自のセルC1〜C3を提供している。マクロ基地局30は、例えば、3GPPで規定されるeNBであり、小型基地局は3GPPで規定されるHeNBであるが、これらに限定されるものではない。
小型基地局40は、マクロ基地局30の運用者とは異なる運用者によって運用されてもよいし、同じ運用者によって運用されてもよい。図3に示す例では、小型基地局40aは、ユーザ宅に設置され、小型基地局40bはショッピングモールに設置され、小型基地局40cは大学に設置されている。
移動端末10は、マクロ基地局30と通信可能であると共に、小型基地局40とも通信可能である。なお、小型基地局40が、移動端末10との通信を許可していない場合には、通信を行うことができない。例えば、図3に示す例では、大学に設置された小型基地局40は、大学の関係者以外の移動端末10との通信を拒否することができる。
移動端末10は、小型基地局40の通信範囲内に入った場合には、マクロ基地局30と小型基地局40のうちで、接続品質の良い方を用いて通信を行うことができる。このように複数のセルのうちで、接続品質に基づいてセルを選択することをセル選択という。
[移動端末]
次に、図1を参照して、移動端末10の構成について説明する。移動端末10は、基本通信機能12と、志向設定部14と、小型基地局管理部16と、オフセット情報補正処理部18と、オフセット補正情報保持部20と、オフセット情報保持部22と、セル選択部24とを有している。基本通信機能12は、マクロ基地局およびホーム基地局からの信号の受信品質を測定する受信品質測定部13を有している。なお、図1には示していないが、移動端末10は、従来の移動端末と同様に、データ送受信部、基地局間のハンドオーバ機能部なども有する。以下、移動端末10の各構成について説明する。
志向設定部14は、ユーザが複数の小型基地局40のうちのどの小型基地局40に優先して接続したいかという志向を設定する機能を有する。ユーザの志向はユーザからの入力により受け付けてもよいし、アプリケーションソフトウェアなどで推定してもよい。志向設定部14は、優先して接続する小型基地局40のデータを小型基地局管理部16に通知する。小型基地局管理部16は、本発明の「優先基地局情報記憶部」の機能を有する。
小型基地局管理部16は、移動端末10が接続可能な小型基地局40のIDのリストを記憶して管理する。このリストは、ネットワーク側から通知されるホワイトリストを管理する従来の移動端末の機能ブロックを拡張することによって構成してもよい。これにより、比較的簡単に小型基地局40の情報を管理できる。
図4は、本実施の形態の小型基地局管理部16が管理するリストの例を示す図である。図4に示すように、ホワイトリストの小型基地局40のIDのリストに、志向設定部14から通知される優先/非優先すると選定された小型基地局40の情報を示すエントリを追加する。ここで、非優先とは、優先設定されていない基地局を意味する。以上により、ホワイトリストの小型基地局40のIDとその優先/非優先の選定結果が関連づけて管理される。ユーザにより優先接続設定された小型基地局40がホワイトリストに含まれていない場合は、設定された小型基地局40の情報を破棄する処理を行ってもよいし、あるいは、ホワイトリストに小型基地局40の情報を追加する処理を行ってもよい。
オフセット情報保持部22は、セル選択を行う際に用いるオフセット情報を保持する。オフセット情報は、マクロ基地局30から送信される。オフセット情報保持部22は、従来の移動端末10が有する情報保持部に小型基地局40用の保持領域を追加することによって構成してもよい。オフセット情報保持部22の内容は、オフセット情報を含む報知情報を受信したときや、オフセット情報を再受信した場合等に更新される。オフセット情報保持部22は、一定の時間経過や、マクロ基地局30の変更などの条件により、内容を破棄するよう設定されていてもよい。
オフセット補正情報保持部20は、報知情報に含まれるオフセット補正情報を保持する。オフセット補正情報保持部20は、移動端末10がオフセット補正情報を再受信した場合等に更新される。オフセット補正情報保持部20は、一定の時間経過や、マクロ基地局30の変更などの条件により、内容を破棄するように設定されていてもよい。
オフセット情報補正処理部18は、セル選択の候補の小型基地局40に対して優先接続の設定が行われている場合に、セル選択の判断に用いるオフセット情報を補正する機能を有する。オフセット情報補正処理部18は、移動端末10が小型基地局40へのセル選択を行うために通信品質測定を開始すると、小型基地局管理部16に保持されたデータを参照して、対象となる小型基地局40に優先接続の設定がなされているかどうかを確認する。優先接続の設定がなされている場合には、オフセット情報補正処理部18は、オフセット情報保持部22から読み出したオフセット情報を、オフセット補正情報保持部20から読み出したオフセット補正情報によって補正する。オフセット情報補正処理部18は、補正後のオフセット情報をセル選択部24に入力し、補正後のオフセット情報を用いてセル選択を行うようにセル選択部24を制御する。対象となる小型基地局40に優先接続の設定がなされていない場合は、オフセット情報保持部22に保持されたオフセット情報を用いてセル選択を行うようにセル選択部24を制御する。
小型基地局40のIDは、移動端末10により検出可能な小型基地局40の間でユニークであることが望ましい。そのため、例えば、小型基地局40から通知される報知情報に含まれる小型基地局40のIDを受信することにより、小型基地局40をユニークに特定できるようにする。
小型基地局40をユニークに特定できるようにする場合は、品質測定開始時(接続セルの選択手順開始時)に前もって、測定対象(セル選択対象)となる小型基地局40の報知情報を確認するなどして、その小型基地局40をユニークに特定できる情報を受信しておくこともできる。また、複数のID構造やその他の情報を組み合わせて、小型基地局40をユニーク、もしくは、高精度に識別できるようにしてもよい。例えば、小型基地局40をユニークに特定できるIDと重複使用が可能なIDに、その位置の情報(マクロ基地局のIDなどでもよい)を関連付けることで、重複が可能なIDのみを受信したときも、その位置の情報から、高精度に小型基地局40をユニークに特定できるIDを導き出すようにしてもよい。
セル選択部24は、マクロ基地局30や小型基地局40等から信号の受信品質の測定結果を元にセル選択を行う機能を有する。本実施の形態のセル選択部24は、オフセット情報補正処理部18から指定された小型基地局40に関しては、補正されたオフセット情報を用いてセル選択を行う。
[マクロ基地局]
次に、図2を参照して本実施の形態のマクロ基地局30の構成について説明する。マクロ基地局30は、基本通信機能32と、オフセット生成部34とを有している。なお、図2には示していないが、マクロ基地局30は、従来のマクロ基地局30と同様に、データ送受信部、受信品質測定のための設定情報(オフセット情報を含む)通知機能、ホワイトリスト通知機能、ハンドオーバ決定機能なども有する。
オフセット生成部34は、小型基地局40へのセル選択に用いられるオフセット情報を生成し、移動端末10に通知する機能を有する。ここで、「オフセット情報」は、ユーザによる優先接続設定がなされていない小型基地局40へのオフセット情報である。このオフセット情報は、各マクロ基地局30が設定する値であり、マクロ基地局30が形成するセルCにおいて適切な値となるように制御されている。オフセット情報の適用対象は、セル内のすべての移動端末10であり、内容はセル内の小型基地局40全体に対するオフセット情報である。従って、オフセット情報には、移動端末10のIDや小型基地局40のIDが必要なく、比較的小さなデータ量で報知できる。
本実施の形態では、オフセット生成部34は、オフセット補正情報生成部36を有している。オフセット補正情報生成部36は、オフセット補正情報を生成し、移動端末10に通知する機能を有する。オフセット補正情報は、優先接続の設定がなされている小型基地局40が選択されやすくなるようにオフセット情報を補正する情報であって、許容可能な補正量を示す。オフセット補正情報もまた、各マクロ基地局30において設定される値であり、マクロ基地局30が形成するセルにおいて適切な値となるように制御されている。オフセット補正情報の適用対象は、セル内のすべての移動端末10であり、内容は移動端末10が選定した任意の小型基地局40に対するオフセット補正情報である。従って、オフセット補正情報には、移動端末10のIDや小型基地局40のIDが必要なく、比較的小さなデータ量で報知できる。
マクロ基地局30は、オフセット情報およびオフセット補正情報を、ブロードキャストによってセル内に存在する移動端末10に一斉に送信する。
次に、本実施の形態の移動端末10およびマクロ基地局30の動作について説明する。以下の説明では、マクロ基地局30のセル内に存在する移動端末10が小型基地局40のセルを検出した場合にセル選択を行う例について説明する。
図5は、マクロ基地局30により送信される報知情報の例を示す図である。マクロ基地局30は、オフセット情報およびオフセット補正情報を含む報知情報を、ブロードキャストにより送信する。図5に示す例では、オフセット補正情報は、オフセット情報の追加情報として、受信品質測定のための設定情報に含めて報知される。この報知情報としては、例えば、SIB4(System Information Block 4)を用いることができる。オフセット補正情報は、オフセット情報の追加情報とせずに、別途、マクロ基地局30からの報知情報の中の受信品質測定のための設定情報の中に含めて報知してもよい。
図6は、移動端末10の動作を示す図である。移動端末10は、まず、ユーザからの志向設定を受け付ける(S10)。具体的には、ユーザが優先して接続したい小型基地局40の設定を受け付け、設定された小型基地局40のIDを保存する。すなわち、移動端末は、図4に示すとおり、小型基地局40のIDのリストに対象の小型基地局40を優先して接続する旨を示す情報を保存する。本実施の形態では、ユーザからの入力を受けて、優先して接続したい小型基地局40の設定を行う例について説明しているが、別の方法により、小型基地局40のIDのリストに優先接続設定を保存してもよい。例えば、ユーザの自宅に設置されたホーム基地局に対しては、ユーザからの入力がなくとも優先接続を行う旨を設定してもよい。小型基地局40の対象とするユーザの属性(例えば、年齢層等)を有している場合には、小型基地局40の属性と移動端末10のユーザ属性とを比較して、ユーザの属性が合致する小型基地局40に対して優先接続の設定をしてもよい。
移動端末10は、マクロ基地局30から送信されるオフセット情報およびオフセット補正情報を受信し(S12)、受信したオフセット情報をオフセット情報保持部22に保持し、オフセット補正情報をオフセット補正情報保持部20に保持する。
移動端末10は、周辺基地局の受信品質を測定し、測定した基地局の基地局IDを報知情報から受信する(S14)。移動端末10は、受信した報知情報から報知情報の送信元の基地局が、小型基地局40であるか否かを判定する(S16)。隣接セルの基地局が小型基地局40でない場合(S16でNO)には、マクロ基地局30から別のマクロ基地局30へのセル選択となるので、移動端末10は、従来のセル選択の手法により処理を行う。
報知情報の送信元の基地局が、小型基地局40である場合(S16でYES)、移動端末10は、小型基地局管理部16に管理されているデータに基づいて、報知情報の送信元の基地局のIDが優先接続設定された基地局のIDと一致するか否かを判定する(S18)。この結果、基地局のIDが一致する場合には(S18でYES)、移動端末10は、オフセット情報保持部22に保持されたオフセット情報を、オフセット補正情報保持部20に保持されたオフセット補正情報によって補正する(S20)。基地局のIDが一致しない場合には(S18でNO)、オフセット情報の補正を行わずに、次の処理に進む。
移動端末10は、セル選択の候補となる各セルの受信品質に、オフセット情報保持部22から読み出したオフセット情報またはオフセット情報補正処理部18にて補正されたオフセット情報を加えて、測定値を決定する(S22)。移動端末10は、オフセット後の測定値に基づいてセルの選択を行う(S24)。以上、第1の実施の形態の移動端末10およびマクロ基地局30について説明した。測定される受信品質としては、既知の信号(例えば参照信号又はパイロット信号)の受信電力などが用いられる。
本実施の形態の移動端末10はユーザにより優先接続設定がなされた小型基地局40に対するセル選択時に、オフセット補正情報を用いてオフセット情報を補正する。これにより、移動端末10は、マクロ基地局30に対し、特定の小型基地局40をどの程度優先したいか交渉することなく、ユーザの志向に基づく特定の小型基地局40への優先度設定に基づくセル選択を行うことができる。
本実施の形態のマクロ基地局30は、オフセット情報を補正するオフセット補正情報を送信しているので、基本的な設定基準として、移動端末10が設定できる優先度の程度を制御することができる。
上述したとおり、オフセット情報およびオフセット補正情報は、全移動端末10および全小型基地局40に共通であり、移動端末10のIDや小型基地局40のIDが必要ないので、報知情報の情報量を抑制することができる。
上記した第1の実施の形態において、移動端末10の志向設定部14にて優先接続の設定を受け付ける小型基地局40の個数の上限値を設けることとしてもよい。この上限値は、移動端末10にプリセットして記憶しておいてもよい。また、通信中にマクロ基地局30が、上限値の情報を移動端末10に通知し、移動端末10は、マクロ基地局30から通知された情報を受信して記憶することとしてもよい。マクロ基地局30から通知する場合には、状況に応じて通知してもよい。この通知の方法は、報知情報を用いてもよく、個別通知を行ってもよい。
マクロ基地局30から上限値を通知する構成とした場合、例えば、一定期間、同一マクロ基地局30内などの条件の下、オフセット補正情報をオフセット情報に適用できる小型基地局40の数に上限値を設け、事前もしくは制御が必要な状態になった場合に、移動端末10に対して、上限値を設定することができる。これにより、マクロ基地局30の形成するセル内において通常よりも送信電力を強めた送信を行う移動端末10(セル内の干渉の要因)を管理できるようになる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態の移動端末10aおよびマクロ基地局30aについて説明する。第2の実施の形態においては、マクロ基地局30aは、優先接続設定に基づくセル選択を許可するタイミングを制御する。
図7は、第2の実施の形態のマクロ基地局30aの構成を示す図である。第2の実施の形態のマクロ基地局30aは、第1の実施の形態のマクロ基地局30の構成に加え、使用可否情報生成部38を有している。
使用可否情報生成部38は、現時点のセルの運用状況や、ネットワーク側からの制御により、移動端末10aが小型基地局40へのセル選択に際して、オフセット情報をオフセット補正情報によって補正してもよいかどうかを判断する機能と、その判断結果に基づいて、使用可能/使用禁止の状態を通知するための使用可否情報を生成し、移動端末10aに対して通知する機能を有する。
使用可否情報は、1ビットから数ビットのフラグ情報で、この使用可否情報を用いて、その時々のオフセット補正情報の使用可否を表示する。この使用可否情報は、例えば、移動端末10aが強い送信電力で送信した場合の干渉が、許容できる範囲内の状況であることから判断して、オフセット補正情報を使用可能である旨を示した使用可否情報を設定したり、現在のマクロ基地局30aが形成するセル内の小型基地局40がマクロ基地局30aと異なる周波数帯で運用されているために、干渉の影響をあまり受けることがないことから判断して、オフセット補正情報を使用可能である旨を示した使用可否情報を設定したりできる。このような状況は、時間や環境によって異なると考えられるので、マクロ基地局30aごとに別々のタイミングで、独自に設定できることが望ましい。使用可否情報生成部38は、ネットワーク側からの制御の頻度、即応性の必要に応じた周期で、使用可否情報を継続的に報知する。
図8は、マクロ基地局30aにより送信される報知情報の例を示す図である。第2の実施の形態のマクロ基地局30aは、使用可否情報を短周期の報知情報の中の受信品質測定のための設定情報に含めて送信する。短周期の報知情報としては、例えば、SIB1を用いることができる。
図9は、第2の実施の形態の移動端末10aの構成を示す図である。第2の実施の形態の移動端末10aの基本的な構成は第1の実施の形態の移動端末10と同じであるが、第2の実施の形態では、オフセット情報補正処理部18は使用可否確認部26を有している。
使用可否確認部26は、オフセット情報補正処理部18において小型基地局管理部16を参照して優先/非優先の補正を行うように選定されているかどうかを確認する際に、報知情報に含まれる使用可否情報の状態を確認し、使用しようとしているオフセット補正情報を現時点で使用してよいかどうか判断する機能を有する。その結果、オフセット補正情報の使用が許可されている場合は、オフセット情報補正処理部18にて補正したオフセット補正情報を用いてセル選択を行い、許可されていない場合は、オフセット情報保持部22に保持されたオフセット情報を用いてセル選択を行う。
図10は、第2の実施の形態の移動端末10aの動作を示す図である。第2の実施の形態の移動端末10aの基本的な動作は、第1の実施の形態の移動端末10の動作と同じであるが、オフセット補正情報を使用してよいか否かの使用可否の判定を行う処理が追加されている(S17)。使用可否の判定を行う処理では、移動端末10aは、短周期の報知情報(システム情報)から使用可否情報を取得し、取得した使用可否情報に基づいてオフセット補正情報の使用が許可されているか否かを判定する。使用許可されている場合には、必要に応じて、オフセット情報、およびオフセット補正情報を、更新のために取得するようにしてもよい。
なお、図10に示す例では、オフセット補正情報の使用可否の判定を、基地局IDの判定の前に行う例を示しているが、使用可否の判定は、基地局IDの判定(S18)の後に行ってもよい。
第2の実施の形態のマクロ基地局30aは、ユーザの志向に応じた優先接続を許可するか否かを使用可否情報によって通知し、移動端末10aは、この使用可否情報に基づいて優先接続を行うか否かを決定している。これにより、マクロ基地局30aの運用者(例えば、モバイルオペレータ)は、移動端末10aがセル選択を行う時点における状況に応じて、優先接続を許可するか否かを制御することができる。
例えば、マクロ基地局30aに比べて、小型基地局40への接続をより優先するということは、移動端末10aと小型基地局40との通信において、通常(優先的な接続がない場合)に比べて電波の干渉や小型基地局40までの距離が比較的離れているなど、通信品質の悪い状況下でも接続される可能性、すなわち、移動端末10aからの送信が行われる可能性がある。従って、移動端末10aは、十分な通信品質を確保するために、小型基地局40に対して、送信電力を上げて通信する必要があるかもしれない。小型基地局40の形成するセルは、マクロ基地局30aの形成するセルに包含される場合が多いため、小型基地局40に接続するために移動端末10aが送信電力を上げて送信することは、周辺に存在する他のマクロ基地局30aに接続している(小型基地局40には接続しようとしていない)移動端末10aにとっては、干渉、雑音の要素が増すことになる。このことはマクロ基地局30aの形成するセルにおいてのシステムのパフォーマンスを低下させることにつながるので、ネットワーク側の運用面での判断において状況に応じた制御ができることが望ましい。
使用可否情報を用いた制御により、例えば、夜間住宅街で許可、日中に干渉制御を優先するといった制御を行うことができる。住宅街をカバーするマクロ基地局30aにおいて、時間帯に応じて使用可否を制御することによって、ユーザの活動状態(屋外にいるユーザ数など)に合わせて、きめ細かい制御が可能になる。ユーザの活動が活発な場合には、干渉制御を優先し、マクロ基地局30aの形成するセルCに接続している移動端末10aに大きな影響を与えないようにオフセット補正情報の使用を抑制する使用可否情報を生成通知したり、ユーザの活動が安定している場合には、自宅の小型基地局40への接続がより容易になるように、オフセット補正情報の使用を許可する使用可否情報を生成通知したりできる。深夜などは、ユーザの活動は活発ではなく、アクティブな接続も少ないことから、移動端末10aをマクロ基地局30aに接続させ、個別の小型基地局40を省電力や待機状態にできるよう使用可否情報を制御してもよい。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態の移動端末10およびマクロ基地局30について説明する。第3の実施の形態の移動端末10およびマクロ基地局30の基本的な構成は、第1の実施の形態の移動端末10およびマクロ基地局30の構成と同じであるが、第3の実施の形態においては、複数種類のオフセット補正情報を有する。複数種類のオフセット補正情報はそれぞれ、優先度に応じて異なる接続のしやすさを実現する補正情報である。
図11は、第3の実施の形態の移動端末10の小型基地局管理部16に管理された小型基地局40のリストの例を示す図である。図11に示すように、小型基地局40のIDに関連付けて「第1優先」「第2優先」「−」の優先度の異なる3種類の優先度が設定されている。「第1優先」で示される小型基地局40に対しては、最も優先して接続されやすくするためのオフセット補正情報が適用され、「第2優先」で示される小型基地局40に対しては2番目に優先して接続されやすくするためのオフセット補正情報が適用される。「−」で示される小型基地局40に対しては、オフセット補正情報は適用されない。
マクロ基地局30は、オフセット情報に加え、「第1優先」「第2優先」に適用されるそれぞれのオフセット補正情報の情報を移動端末10に通知する。移動端末10は、報知されているオフセット情報をそのまま使用する場合を含め、3段階の接続しやすさを志向設定に基づいて選定された小型基地局40に割り当てる。なお、本実施の形態では、3段階の接続しやすさの度合いを有する例を挙げているが、接続しやすさの度合いは何段階であってもよい。
第3の実施の形態においては、図11に「忌避(avoidance)」で示すように、接続しにくい小型基地局40が設定されている。言い換えると、非優先に設定される小型基地局40が設定されている、あるいは、優先度が低位設定される小型基地局40が設定されているとも言える。本実施の形態では、「忌避」で示される小型基地局40に接続しにくくするように、オフセット情報の補正を行う。この場合のオフセット補正情報は、小型基地局40に接続しやすくするためのオフセット補正情報とは逆方向のシフトを行う情報である。
第3の実施の形態の移動端末10およびマクロ基地局30は、小型基地局40への接続しやすさを段階的に設定できるので、小型基地局40の運用者や属性等に応じてきめ細かい制御を行うことが可能となる。
例えば、大学キャンパスや、集合住宅街など広範囲に複数の小型基地局40を配置し、さらに特定の小型基地局40が特定の移動端末10の拠点となるような場合に有用である。大学キャンパスの場合、マクロ基地局30が形成するセルC内において、大学キャンパス外の小型基地局40との違い(志向設定)を反映するために、オフセット補正情報(第2優先)を適用したオフセット情報を用いることで実現する。特定の学生の移動端末10は、在籍する学部棟への接続を更に優先するために大学キャンパス内の小型基地局40間の違い(志向設定)を反映するために、オフセット補正情報(第1優先)を適用したオフセット情報を用いることで実現する。このようなオフセット補正情報の使用方法においても、共用棟での講義時間帯は共用棟の小型基地局40を第1優先と変更するなど、ユーザの志向設定の変化に即座に対応できることが有用である。
このように、時間帯、場所、使用者に応じて志向設定を反映できることは小型基地局40の設置者にとっても有用である。例えば、オフセット補正情報(第2優先)はマクロ基地局30が報知する通常のオフセット補正情報を用い、その後に、移動端末10が大学キャンパス内の小型基地局40に接続した時点で、小型基地局40がオフセット補正情報(第1優先)に相当する情報を(新たに/追加で)通知する、この方法によれば、細かな制御を大学キャンパスの小型基地局40設置者が制御することも可能となるかもしれない。マクロ基地局30への影響が管理されている範囲内で、小型基地局40ごとの差異を設定できるようにモバイルオペレータが設定手段を提供することは、小型基地局40の設置者にとっての利便性を高めることになる。さらに、細かな制御に要するオフセット補正情報をマクロ基地局30が通知するリソース消費に比べて、大学キャンパス内の小型基地局40が(追加の)オフセット補正情報を通知することで、全体としてのリソース消費が低減できるというマクロ基地局30側(モバイルオペレータ側)の利点もある。
また、小型基地局へ接続しにくくする「忌避」の設定を行うことにより、ユーザのニーズに合わせた制御を行うことが可能である。例えば、ユーザの志向設定として、オフィスなどの特定の目的地に移動している際には、目的地であるオフィスの小型基地局40に対して、より接続しやすくするためのオフセット補正情報を適用したオフセット情報を使用するが、その経路上にあるホットスポットのようなサービスを行っている商店などの小型基地局40が検出されるたびに接続してしまうことを避けるため、それらの小型基地局40に対してはより接続しにくくするための「忌避」のオフセット補正情報を適用したオフセット情報を使用することが考えられる。ユーザの帰宅時などには志向設定として、ホットスポットのようなサービスを行っている商店などの小型基地局40へのより接続しにくくするためのオフセット補正情報を解除することで、通常の状態に戻すことができる。
このような方法は、自動車、列車などを用いてユーザが移動しているような場合で、一時的な停車などにより、ネットワーク側で行う移動速度などのみを用いた接続先判定ではユーザの意図していない(単なる通過地点である)小型基地局40に接続してしまうことなどを防ぎたいような場合にも有効である。
この場合の使用可否情報の扱い方は接続しやすくするオフセット補正情報のみの場合とは異なる場合がある。例えば、使用可否情報を干渉制御の目的で行っている場合は、接続しにくくするためのオフセット補正情報をオフセット情報に適用しても干渉を増大させることにはならない。このような場合は、複数のレベルを持つ使用可否情報の場合と同様に、使用可否情報も区別して通知することが望ましい。別の方法としては、使用可能および、使用禁止の意味する内容を、接続しやすい状態へのオフセット情報補正可能および、接続しにくい状態へのオフセット情報補正可能と規定することで制御することもできる。
以上、第3の実施の形態について説明したが、上記した第3の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、オフセット補正情報を適用可能な小型基地局40の個数の上限値を設定することとしてもよい。この場合、優先度ごとに上限値を決定してもよい。
第3の実施の形態に、上記した第2の実施の形態の使用可否情報の構成を適用することも可能である。この場合、優先度の異なる複数のオフセット補正情報のうち、どのオフセット補正情報まで使用を許可し、どのオフセット補正情報からは許可しないというように優先度に応じて使用可否を制御することも可能である。
複数のオフセット補正情報が通知される場合には、移動端末10が送信電力を上げて通信する必要がある場合に及ぼすマクロ基地局30への影響も異なる。より接続しやすい設定にすることは、対象となる小型基地局40への送信電力がより必要となる電波状況においても移動端末10が接続を行うということに相当するので、使用可否の制御も、オフセット補正情報(第2優先)まで使用許可とする状況や、オフセット補正情報(第1優先)まで使用許可とする状況など段階的に制御できるようになっていることが望ましい。
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態の移動端末およびマクロ基地局について説明する。上記した第1〜第3の実施の形態においては、全移動端末10および全小型基地局40に共通のオフセット情報およびオフセット補正情報を用いる例について説明したが、第4の実施の形態においては、マクロ基地局30は、全移動端末10に共通のオフセット情報を送信すると共に、移動端末10個別の設定を反映した小型基地局40毎に異なるオフセット補正情報を送信する。
第4の実施の形態の移動端末10およびマクロ基地局30の基本的な構成は、第1の実施の形態の移動端末10およびマクロ基地局30の構成と同じである。移動端末10は、ユーザの志向設定の変更に応じて、設定変更に係る小型基地局40へのオフセット情報の変更を要求する。ネットワーク側はマクロ基地局30を介して、移動端末10が小型基地局40の接続判定に使用するオフセット情報を報知する。ネットワーク側はマクロ基地局30を介して、それぞれの移動端末10に対してそれぞれの小型基地局40の接続判定時に補正するオフセット補正情報の一覧を個別に通知する。
移動端末10は、小型基地局40を発見したときに、マクロ基地局30から受信したオフセット情報を、発見した小型基地局40に対応するオフセット補正情報で補正した値を用いてセルの選択を行う。
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態の移動端末およびマクロ基地局について説明する。上記した第1〜第3の実施の形態においては、全移動端末10および全小型基地局40に共通のオフセット情報およびオフセット補正情報を用いる例について説明したが、第5の実施の形態においては、マクロ基地局30は、移動端末10個別の設定を反映し、小型基地局40毎に異なるオフセット情報を送信する共に、全移動端末10に共通のオフセット補正情報を送信する。
第5の実施の形態の移動端末10およびマクロ基地局30の基本的な構成は、第1の実施の形態の移動端末10およびマクロ基地局30の構成と同じである。ネットワーク側は、マクロ基地局30を介して、それぞれの小型基地局40の接続判定に使用するオフセット情報と対応する小型基地局40のIDの一覧を報知する。ネットワーク側は、マクロ基地局30を介して、それぞれの移動端末10が小型基地局40の接続判定時に補正するオフセット補正情報を個別に通知する。
移動端末10は、小型基地局40を発見した際は、マクロ基地局30から受信したオフセット情報と、発見した小型基地局40に対応するオフセット補正情報を用いてセルの選択を行う。
(第6の実施の形態)
次に、本発明の第6の実施の形態の移動端末10aについて説明する。上記した第2の実施の形態においては、全移動端末10aおよび全小型基地局40のセルに使用可否情報を適用する例について説明したが、第6の実施の形態においては、小型基地局40のセル個別に干渉を考慮してオフセット情報およびオフセット補正情報の使用の可否を設定することで、小型基地局40のセル毎にオフセットの情報およびオフセット補正情報の適用の可否を設定する。
オフセット情報およびオフセット補正情報の設定方法の例として、小型基地局40のセルから報知されるintra-frequency cell reselection indicator(IFRI)ビットと呼ばれる情報の値を基準にして設定することが考えられる。IFRIビットとは、移動端末10aにとって受信品質の最も良い小型基地局40のセルが、移動端末10aにとってアクセス許可がない場合に、移動端末10aをどのセルに対してセル選択させるかを指示する情報である。例えば、検出したセルの中で最も受信品質の良い小型基地局40のセルに対して移動端末10のアクセス許可がない場合に、移動端末10aはそのセルの報知情報に含まれるIFRIビットを参照する。移動端末10aは、IFRIビットの内容を使用可否確認部26によって確認する。IFRIビットが“allowed”の場合、移動端末10aは現在使用している周波数を変更せずに同一周波数内の他の受信品質の良いセルに対してセル選択することになる。この場合には、上り回線および下り回線の干渉が問題になるため、オフセット情報およびオフセット補正情報を使用禁止にすることで、上り回線および下り回線の干渉の増大を軽減することが可能となる。一方、IFRIビットが“non-allowed”の場合、移動端末10aは現在使用している周波数を変更して、別の周波数のセルに対してセル選択することになる。この場合は干渉の影響は少ないため、オフセット情報およびオフセット補正情報を使用可能とする。本実施の形態により、小型基地局40のセル毎に、より柔軟に干渉を考慮したオフセット制御が可能になる。
第6の実施の形態の移動端末10aの基本的な構成は、第2の実施の形態の移動端末10aの構成と同じである。第6の実施の形態のマクロ基地局の基本的な構成は、第1の実施の形態のマクロ基地局30と同じである。小型基地局40は、報知情報としてIFRIビットを送信している。
以上、本発明の移動端末およびマクロ基地局について実施の形態を挙げて詳細に説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではない。
異なる小型基地局40は、異なる周波数帯で運用されている場合がある。この場合、セル選択先となる小型基地局40が現在接続している基地局と同一周波数帯で運用されているか、異なる周波数帯で運用されているかによって、セル選択のしやすさを変えてセル選択の制御を行う必要があることが考えられる。このような場合に、オフセット補正情報を同一周波数帯/異周波数帯の優先度分を変化させる情報として用いることで、容易に制御できる。例えば、報知されるオフセット情報は、同一周波数帯で運用されている小型基地局40で使用するためのオフセット情報であるとし、異周波数帯で運用されている小型基地局40で使用する場合は、まず、オフセット補正情報によってオフセット情報を補正し、得られた補正済みのオフセット情報を使用するようにできる。
このオフセット補正情報は、上述のユーザの志向設定に基づいて選定された小型基地局40に適用するオフセット補正情報とは別に(区別できるようにして)通知し、それぞれ独立して補正を適用できるようにしてもよい。
このようにして、同一周波数帯/異周波数帯の優先制御のためにオフセット補正情報を用いることで、優先制御を容易に行うことができ、また、小型基地局40が状況に応じて運用する周波数帯を変えたような場合でも柔軟に対応できるようになる。
なお、オフセット補正情報は、マクロ基地局30ごとに異なる設定であることが考えられる。例えば、オフセット情報がマクロ基地局30ごとに異なっていたり、マクロ基地局30の形成するセル内の小型基地局40に応じて(セルごとにどのような小型基地局40が存在するかは異なるため)適切な値に設定するため、移動端末10はマクロ基地局30を変更するたびに読み直す(受信し直す)情報要素として格納することが望ましい。
オフセット補正情報は、時間帯によっては異なる設定が報知されることが考えられるので、移動端末10側とネットワーク側でデータ伝送を行っていない状態(アイドル状態)であっても、移動端末10は一定時間が経過した場合は、オフセット補正情報を読み直す(受信し直す)ことが望ましい。
ネットワーク側において、使用可能の状態(使用可否情報の状態)を維持しつつもオフセット補正情報の補正量を変更したい場合などは、マクロ基地局30は任意のタイミングでオフセット補正情報を変更し、変更した新しい値を受信し直すように移動端末10に対して指示できるよう、例えば、ページングの送信(移動端末10は受信)ができるようになっていることが望ましい。
上述の大学キャンパスの使用例などでも示したように、移動端末10が現在接続中の小型基地局40から別の小型基地局40にセル選択する場合や、移動端末10が小型基地局40からマクロ基地局30にセル選択する場合に備えて、小型基地局40がマクロ基地局30とは別のオフセット情報及びオフセット補正情報を送信し、移動端末10はそれらを受信し、更新もしくは小型基地局40から受信したオフセット情報及びオフセット補正情報として格納し使用できるようになっていてもよい。これにより、小型基地局40間のセル選択に別のセル選択傾向を付加したり、ユーザの小型基地局40における滞在に関する志向設定を反映したり、同一周波数帯/異周波数帯を区別するときオフセット補正情報の追加を小型基地局40から行ったりできるようになる。
報知、個別通知は、複数の移動端末10をまとめたグループ単位のグループ通知(マルチキャストなど)を用いてもよい。
上記した第1〜第3の実施の形態では、オフセット情報およびオフセット補正用情報をブロードキャストにより送信する例について説明したが、オフセット情報およびオフセット補正情報の両方またはいずれか一方をユニキャストにより個別に通知することとしてもよい。
上記した実施の形態では、オフセット補正情報はオフセット情報を加減算することでその値をシフトすることを前提として説明したが、オフセット情報自体を置き換える情報を通知することもできる。すなわち、優先接続を行う場合の第1のオフセット情報と、優先接続をしない場合の第2のオフセット情報を通知してもよい。優先の度合いを段階的に変えたい場合には、第1のオフセット情報、第2のオフセット情報、第3のオフセット情報・・・というように複数のオフセット情報を送信してもよい。この場合は、通知する情報の量が増加するが、適用するオフセットそのものが通知されるので、移動端末でのオフセット情報の変更のための構成が簡素になる。
移動端末は、複数の通信デバイスから構成されるものであってもよく、例えばパーソナルコンピュータなどの電子計算機に外挿型あるいは組み込み型の3GPP通信用デバイスモジュールや非3GPP通信デバイスモジュールを装着する場合などがあり、こうした多様な移動端末においても本発明は同等の効果を有するものである。
上記の本発明の実施の形態の説明で用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えば、バイオ技術の適応などが可能性としてあり得る。
以上に現時点で考えられる本発明の好適な実施の形態を説明したが、本実施の形態に対して多様な変形が可能なことが理解され、そして、本発明の真実の精神と範囲内にあるそのようなすべての変形を添付の請求の範囲が含むことが意図されている。
以上説明したように、本発明は、優先ホーム基地局が選択されやすくなる度合いを調整できるというすぐれた効果を有し、広域エリアをカバーするセルの、広域エリア内に存在する複数のセルとを有するネットワークにおいてセル選択の制御を行う移動端末またはマクロ基地局等として有用である。
10,10a 移動端末
12 基本通信機能
14 志向設定処理部
16 小型基地局管理部
18 オフセット情報補正処理部
20 オフセット補正情報保持部
22 オフセット情報保持部
24 セル選択部
26 使用可否情報確認部
30,30a マクロ基地局
32 基本通信機能
34 オフセット生成部
36 オフセット補正情報生成部
38 使用可否情報生成部
40a〜40c 小型基地局

Claims (14)

  1. マクロ基地局と複数のホーム基地局を有するネットワークにおいて用いられる移動端末であって、
    前記マクロ基地局および前記ホーム基地局から送信された信号の受信品質を測定する受信品質測定部と、
    セル選択に用いるオフセット情報を前記マクロ基地局から受信するオフセット情報受信部と、
    前記マクロ基地局からブロードキャストにより送信される、前記オフセット情報を補正するオフセット補正情報を受信するオフセット補正情報受信部と、
    前記複数のホーム基地局のうち優先接続する少なくとも一つの優先ホーム基地局の情報を記憶する優先基地局情報記憶部と、
    前記優先ホーム基地局を検知したときに、前記オフセット情報を前記オフセット補正情報によって補正するオフセット情報補正部と、
    前記受信品質に、前記オフセット情報受信部にて受信したオフセット情報または前記オフセット情報補正部にて補正されたオフセット情報を加え、オフセット情報を加えた受信品質に基づいてセル選択を行うセル選択部と、
    を備える移動端末。
  2. 設定可能な前記優先ホーム基地局の個数の上限値を記憶した上限値記憶部を備える請求項1に記載の移動端末。
  3. 前記上限値を示すデータを、前記第マクロ基地局から受信する上限値受信部を備え、
    前記上限値受信部にて受信した上限値のデータを前記上限値記憶部に記憶する請求項2に記載の移動端末。
  4. 前記オフセット補正情報を使用してよいか否かを示す使用可否(availability)情報を含む報知情報を、前記第マクロ基地局から受信する報知情報受信部を備え、
    前記セル選択部は、前記優先ホーム基地局を検知したときに、前記報知情報に含まれる使用可否情報に基づいて、前記オフセット補正情報の使用可否を判定する請求項1〜3のいずれかに記載の移動端末。
  5. 前記オフセット補正情報受信部は、前記優先ホーム基地局に接続しやすくする度合いが異なる複数のオフセット補正情報を受信する請求項1〜4のいずれかに記載の移動端末。
  6. 前記第マクロ基地局は3GPPで規定されるeNodeBであり、前記ホーム基地局は3GPPで規定されるHome eNodeBである請求項1〜5のいずれかに記載の移動端末。
  7. 配下のセル内に複数のホーム基地局を含むマクロ基地局であって、
    セル選択に用いるオフセット情報を前記移動端末に送信するオフセット情報送信部と、
    前記オフセット情報を補正するオフセット補正情報をブロードキャストにより前記移動端末に送信するオフセット補正情報送信部と、
    を備えるマクロ基地局。
  8. 複数のホーム基地局のうち、優先接続を希望する優先ホーム基地局として設定可能な個数の上限値を示すデータを、前記移動端末に送信する上限値送信部を備える請求項7に記載のマクロ基地局。
  9. 前記オフセット補正情報を使用してよいか否かを示す使用可否情報を含む報知情報を、前記移動端末に送信する報知情報送信部を備える請求項7または8に記載のマクロ基地局。
  10. 前記オフセット補正情報送信部は、前記優先ホーム基地局に接続しやすくする度合いが異なる複数のオフセット補正情報を前記移動端末に送信する請求項7〜9のいずれかに記載のマクロ基地局。
  11. 前記ホーム基地局は3GPPで規定されるHome eNodeBである請求項7〜10のいずれかに記載のマクロ基地局。
  12. マクロ基地局と複数のホーム基地局を有するネットワークにおいて移動端末によるセルの選択を制御するためのシステムであって、
    前記第マクロ基地局は、
    セル選択に用いるオフセット情報を前記移動端末に送信するオフセット情報送信部と、
    前記オフセット情報を補正するオフセット補正情報をブロードキャストにより前記移動端末に送信するオフセット補正情報送信部と、
    を備え、
    前記移動端末は、
    前記マクロ基地局および前記ホーム基地局から送信された信号の受信品質を測定する受信品質測定部と、
    前記第マクロ基地局から前記オフセット情報を受信するオフセット情報受信部と、
    前記第マクロ基地局から前記オフセット補正情報を受信するオフセット補正情報受信部と、
    前記複数のホーム基地局のうち優先接続する少なくとも一つの優先ホーム基地局の情報を記憶する優先基地局情報記憶部と、
    前記優先ホーム基地局を検知したときに、前記オフセット情報を前記オフセット補正情報によって補正するオフセット情報補正部と、
    前記受信品質に、前記オフセット情報受信部にて受信したオフセット情報または前記オフセット情報補正部にて補正されたオフセット情報を加え、オフセット情報を加えた受信品質に基づいてセル選択を行うセル選択部と、
    を備えるセル選択システム。
  13. マクロ基地局と複数のホーム基地局を有するネットワークにおいて用いられる移動端末によるセル選択方法であって、
    セル選択に用いるオフセット情報を前記マクロ基地局から受信するステップと、
    前記マクロ基地局からブロードキャストにより送信される、前記オフセット情報を補正するオフセット補正情報を受信するステップと、
    前記複数のホーム基地局のうち優先接続する少なくとも一つの優先ホーム基地局の情報を優先基地局情報記憶部に記憶するステップと、
    前記マクロ基地局および前記ホーム基地局から送信された信号の受信品質を測定するステップと、
    前記優先ホーム基地局を検知したときに、前記オフセット情報を前記オフセット補正情報によって補正するステップと、
    前記受信品質に、前記マクロ基地局から受信したオフセット情報または前記オフセット補正情報によって補正されたオフセット情報を加え、オフセット情報を加えた受信品質に基づいてセル選択を行うステップと、
    を備えるセル選択方法。
  14. 配下のセル内に複数のホーム基地局を含むマクロ基地局によって、移動端末のセル選択を制御する方法であって、
    セル選択に用いるオフセット情報を前記移動端末に送信するステップと、
    前記オフセット情報を補正するオフセット補正情報をブロードキャストにより前記移動端末に送信するステップと、
    を備えるセル選択制御方法。
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