JPH1196533A - 磁気ディスク用ガラス基板,磁気ディスク、及び磁気ディスク装置 - Google Patents

磁気ディスク用ガラス基板,磁気ディスク、及び磁気ディスク装置

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JPH1196533A
JPH1196533A JP10207487A JP20748798A JPH1196533A JP H1196533 A JPH1196533 A JP H1196533A JP 10207487 A JP10207487 A JP 10207487A JP 20748798 A JP20748798 A JP 20748798A JP H1196533 A JPH1196533 A JP H1196533A
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magnetic disk
glass substrate
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texture
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JP10207487A
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English (en)
Inventor
Hirotaka Yamamoto
浩貴 山本
Takashi Namekawa
滑川  孝
Takashi Naito
内藤  孝
Yasutaka Suzuki
康隆 鈴木
Akira Kato
章 加藤
Noriyuki Takeo
典幸 武尾
Kiyoshi Akamatsu
潔 赤松
Yoichi Inomata
洋一 猪股
Masamichi Terakado
正倫 寺門
Ken Takahashi
高橋  研
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高密度記録可能で、かつ化学的安定性,機械的
強度の高い磁気ディスク用ガラス基板,磁気ディスク及
び磁気ディスク装置を得る。 【解決手段】磁気ディスク用ガラス基板に遷移金属元素
を含有させ、さらに化学強化されなくても機械的強度の
高い希土類含有ガラス基板を用い、レーザーを用いてゾ
ーンテクスチャリングを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク用ガ
ラス基板に係り、特に表面に実質的に化学強化層を有さ
ず、かつ情報記録部の面粗さが小さい高信頼性、かつ高
密度記録に適した磁気ディスク用ガラス基板,磁気ディ
スクとその製法、および磁気ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置のガラス基板に対して
レーザーを用いたテクスチャリングが試みられている。
この方法は、Ni−P等の金属基板で用いられていた手
法であるが、これをガラスに適用しようとするものであ
る。通常のガラスでは、赤外〜近紫外の領域では透明で
あるため、特開平7−182655号記載のように10.6μm
という長い波長をもつ炭酸ガスレーザーや、特開平9−1
38942 号記載のように、266nmの紫外光レーザーを
用いてレーザーテクスチャリングする手法が採られてい
る。また、上記のガラス系では、表面が化学強化されて
おり、基板を強化するのみならず、表面に圧縮応力が働
いているという事によりテクスチャ形成が容易に行われ
ると述べられている(出典:A.C.Tam 他IEEE1997)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ノートブック型のパー
ソナルコンピューター用の記録媒体として、現在、2.
5″の磁気ディスク装置が搭載されている。この2.
5″磁気ディスクの基板として、高い平滑性の得られる
ガラス基板が用いられている。現在実用化されているガ
ラス基板は、化学強化ガラス基板と、結晶化ガラス基板
である。磁気ディスクの単位面積当りの記録容量を増加
させるためには、記録部の磁気ヘッドの浮上量をより低
減させる必要があり、このため、従来にも増して平滑な
記録面をもつ磁気ディスクの開発が進められている。
【0004】一方、磁気ヘッドは磁気ディスクの回転時
はディスクの記録面上に浮上しており、停止時にはディ
スク上に着地しているが、ヘッドの着地面が平滑すぎる
とヘッドがディスクに吸着して動かなくなる、いわゆる
粘着現象が起こる。このため、ヘッドの着地点のディス
ク表面は適度な粗さが必要となる。このため、従来では
磁気ディスクの記録面全面を適度に荒すテクスチャ加工
が施されていた。しかし先に述べた低浮上化の要請か
ら、記録面はテクスチャ形成せず、特別にヘッドが浮
上,着地するための領域(CSSゾーン;Contact Star
t Stop Zone )を設け、その部分のみテクスチャリング
することが試みられている(ゾーンテクスチャリン
グ)。
【0005】このゾーンテクスチャリングの方法とし
て、記録面をマスクしてCSSゾーンのみをエッチング
やスパッタ,ゾルゲルなどの手法によりテクスチャリン
グする方法が試みられている。しかしながら、これらの
方法では、マスクの効果が充分でない場合があり、記録
面側も若干荒れてしまい、結果的に記録できる部分が小
さくなるという問題があるため、レーザーによるテクス
チャリングする方法をもちいる。
【0006】レーザーによるテクスチャリングする方法
においては、前記した特開平7−182655号記載の方法が
あるが、炭酸ガスレーザーの出力安定性が良好でないた
め、安定した形状,高さのテクスチャを形成することが
難しかった。また、炭酸ガスレーザーは波長が10.6
μm と長波長のため、集光できるスポット径が大きく
なってしまい、小さなテクスチャを形成するのが難し
い。
【0007】また、前記した特開平9−138942 号の方法
では、紫外光を用いるため、充分小さいバンプは形成で
きるものの、焦点深度が浅いために基板表面でのフォー
カシングが難しく、バンプ高さを高精度に制御すること
が難しかった。また、通常のレンズ系では紫外光を吸収
してしまうために光学系による損失が大きいという問題
があった。さらに、光を肉眼で観察不可能なため、作業
上の困難と危険があった。ここで、バンプとは、テクス
チャを構成する丘状の突起一つ一つを指す。
【0008】さらに、化学強化された基板では、機械的
強度が高くレーザーテクスチャの形成が容易であるもの
の、化学強化で置換されたイオン半径の大きいアルカリ
イオンが化学的に不安定であるため、このアルカリイオ
ンが基板表面に移動し、磁性膜の膜はがれや粘着等の不
良を生じることが懸念される。
【0009】一方、他の強化基板として結晶化ガラス基
板が考えられるが、結晶化ガラス基板を用いた場合に
は、記録面の平滑性が充分ではなく、高記録密度化が難
しい。よって、本発明の目的は、化学的安定性が良好
で、かつ安定した形状のレーザーテクスチャ形成が可能
な高密度記録に対応した磁気ディスク用ガラス基板を得
ることである。本発明の他の目的は、化学強化層が無く
ても機械的強度が高く、信頼性の高い磁気ディスク用ガ
ラス基板を得ることである。本発明の更に他の目的は、
信頼性が高く、高い記録密度を有する磁気ディスクおよ
び磁気ディスク装置を得ることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為の
本願発明の特徴は以下の通りである。
【0011】本発明の磁気ディスク用ガラス基板は、表
面の少なくとも一部に情報を記録するための情報記録面
が設けられ、実質的に表面部に化学強化層が存在せず、
かつ情報記録面の面粗さRaが2.0nm 以下であり、
かつ300〜2000nmの間のいずれかの波長で光の
透過率が10%以下となる波長帯域が存在する。前記ガ
ラス基板にはチタン,バナジウム,クロム,マンガン,
コバルト,ニッケル,銅,金,銀から選ばれる少なくと
も一種以上の遷移金属元素を含有し、さらに前記遷移金
属元素はコバルトであり、このコバルトはCoOの酸化
物換算で1〜30重量%含有される。またこの場合前記
波長帯域は450〜700nmである。
【0012】また、本発明の磁気ディスク用ガラス基板
は少なくとも以下の酸化物換算でSiO2:50〜80
重量%、B23:0〜15重量%、R2O:0〜20重
量%(R=アルカリ金属元素)、Ln23:0〜10重
量%(Ln=希土類元素)、Al23:0.5〜15重
量%、CoO:1〜30重量%を含有する。
【0013】本発明の磁気ディスクは、少なくとも円形
のガラス基板と、この基板表面上に直接または他の層を
介して形成された情報記録膜とからなり、該基板表面は
外周と同心円状に形成された非情報記録面と、情報記録
面とからなり、この情報記録面の面粗さRaは2.0n
m以下、Rmaxは5nm以下であり、かつ非情報記録部
には規則的に配列されたテクスチャが形成されており、
このテクスチャを構成するバンプの高さの平均値が10
nm以上25nm以下であり、該ガラス基板は実質的に
表面部に化学強化層が存在せず、かつ300〜2000
nmの間のいずれかの波長帯域で光の透過率が10%以
下となる領域が存在する。
【0014】前記ガラス基板は遷移金属元素のうち少な
くとも一種以上を含有し、さらに前記遷移金属元素はコ
バルトであり、このコバルトはCoOの酸化物換算で1
〜13重量%含有される。
【0015】また本発明の磁気ディスクの製法は、少な
くとも実質的に表面に化学強化層を有さず、かつ表面の
面粗さRaが2.0nm以下のガラス基板に、波長帯域3
00〜2000nmのうちのいずれかの波長を有する単色
光を照射することによって該ガラス基板の表面部の非情
報記録面にテクスチャを形成する工程を含み、このテク
スチャを形成するバンプの高さの平均値が10nm以上
25nm以下である。前記ガラス基板がコバルト元素を
含有し、その場合前記波長帯域は450〜700nmのい
ずれかである。
【0016】さらに、本発明の磁気ディスク装置は、少
なくとも、磁気ディスク,磁気ヘッド,磁気ディスクを
回転させる駆動装置(たとえば、スピンドルとモーター
等を有する。)、磁気ヘッドの磁気ディスクに対する相
対位置を変化させる駆動装置(たとえば、モーター等を
有する。)とを有し、前記磁気ディスクは、少なくとも
ガラス基板と、その上に直接または他の層を介して形成
された磁性膜とからなり、前記ディスクの表面部には非
情報記録面と情報記録面とを有しており、磁気ディスク
が回転中、磁気ヘッドがこの情報記録面上に位置すると
きの磁気ヘッドの浮上量が30nm以下であり、かつ情
報記録面の面粗さRaは2.0nm以下、Rmaxは5nm
以下であり、かつ非情報記録面には規則的に配列された
テクスチャが形成されており、このテクスチャを構成す
るバンプの高さの平均値が10nm以上25nm以下で
あり、該ガラス基板は実質的に表面部に化学強化層が存
在せず、かつ300〜2000nmの間のいずれかの波
長で光の透過率が10%以下となる波長帯域が存在する
ことを特徴とする。前記ガラス基板はコバルト元素をC
oOの酸化物換算で1〜13重量%含有する。
【0017】本発明によれば、表面に化学強化層が無い
ため、化学的安定性が良好で、かつ安定した形状のレー
ザーテクスチャ形成が可能な高密度記録に対応した磁気
ディスク用ガラス基板が得られる。また希土類元素を含
有しているため化学強化層が無くても機械的強度が高
く、信頼性の高い磁気ディスク用ガラス基板が得られ
る。
【0018】また信頼性が高く、高い記録密度を有する
磁気ディスクおよび磁気ディスク装置が得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明を、実施例を用いて詳細に
説明する。
【0020】(実施例1)表1に、本発明で作製した磁
気ディスク用ガラス基板のガラス組成を示す。
【0021】
【表1】
【0022】まず、表1に示したガラス基板の作製方法
について述べる。定められた量の原料粉末をるつぼに秤
量して入れ、混合したのち、電気炉中で1600℃で溶
解した。原料が充分に溶解したのち、撹拌羽をガラス融
液に挿入し、約1時間撹拌した。その後、撹拌羽を取り
出し、30分間静置したのち、治具に融液を流しこむこ
とによってガラスブロックを得た。その後各ガラスのガ
ラス転移点付近までガラスブロックを再加熱し、徐冷し
て歪取りを行った。
【0023】得られたガラスブロックを約1.5mm の厚
さの円盤形状にスライスし、内周,外周を同心円として
カッター用いて切り出した。さらに内外周をダイヤモン
ド治具を用いて面取り加工した。その後、両面を粗研磨
及びポリッシングを行い、磁気ディスク用ガラス基板と
した。
【0024】図1に、作製した磁気ディスク用ガラス基
板の模式図を示す。図1において、1はガラス基板、2
はチャックのための内周チャッキング部、3は記録面、
4は非記録面であるCSSゾーン(CSS部)である。
本実施例では、基板の厚みは0.635mm 、内周は直径
20mm、外周は直径65mmとした。内周,外周共通の中
心を0とし、r=13〜15mmの範囲をCSSゾーン4
とし、そこにレーザーテクスチャを形成した。
【0025】表1において、No.1〜No.16は希土類
元素,酸化コバルトを含有したガラスである。No.17
は希土類元素を含有していないガラスである。また、N
o.18はNo.10のガラスを化学強化した化学強化ガラ
ス、No.19は酸化コバルトを含有した結晶化ガラスで
ある。
【0026】No.6,No.16ガラスはガラスになら
ず、流し込み直後に失透した。従って、これらのガラス
は、基板用ガラスとしては好ましくない。
【0027】表2に、表1に示したガラス基板のいろい
ろなレーザー波長に於ける光の透過率とレーザーテクス
チャ形成の状態,基板の耐水性,記録面の面粗さRa,
基板表面のビッカース硬さ,ガラス母材の三点曲げ強度
を示す。
【0028】
【表2】
【0029】本実施例では、基本波が1064nmのY
AGレーザー、およびその2倍波である532nm、4
倍波である266nmの各レーザーのパルスレーザーを
用いてテクスチャ形成した。パルスあたりのレーザーパ
ワーは約2.0μJ とし、レーザーパルスの周波数を2
0kHzとした。透過率は分光光度計によって測定した
値である。
【0030】テクスチャ形成の有無は、各レーザー照射
後の基板を光学顕微鏡で検鏡し、痕跡のあったものにつ
いてAFM(原子間力顕微:Atomic Force Microscopy
)を用いてバンプ形状を評価することにより行った。
痕跡が残り、AFMによりバンプ形状が良好で高さのば
らつきが小さく、良好なテクスチャ形成がなされたもの
については○、痕跡は残ったがバンプ形状が思わしくな
かったり、高さ制御が思わしくなかったりしたものは
△、光学顕微鏡、AFMによる検鏡でも痕跡の残らなか
ったものは×とした。
【0031】耐水性は、各ガラス基板を70℃の純水8
0ml中に24時間浸漬し、純水中に溶出するガラス成
分の量を測定した。その結果良好な場合には○、そうで
ない場合には×とした。表面粗さは触針式の表面粗さ計
を用いて評価した。
【0032】また基板表面のビッカース硬さは、基板形
状に加工された基板の表面にダイヤモンド圧子を100
g−15sの条件で印加し、その大きさより評価した。
三点曲げ強度は、各基板から厚さ0.635mm×4mm×
40mm の短冊状の試験片を切り出し、端面を面取りし
た後評価した。クロスヘッドスピードは0.5mm/分 と
した。
【0033】レーザー光波長が266nmでは、どのガ
ラスも透過率は低かったが、No.1〜No.17の化学強
化していないガラスでは、テクスチャの痕跡を見出すこ
とはできたものの、高さ、形状制御を十分に行うことが
難しかった。また、比較例のNo.19の結晶化ガラスに
おいても、テクスチャの痕跡を確認できたが、高さのば
らつきが大きく、安定したテクスチャを形成することが
できなかった。一方、鉄の酸化物を含有し、化学強化さ
れた比較例No.18のガラスでは、安定したテクスチャ
を形成することができた。
【0034】次に、2倍波の532nmでは、CoO含
有量が1.0重量%以上のNo.2〜No.5のソーダライ
ム系ガラスおよびNo.12〜No.15,No.17のホウ
ケイ酸ガラスにおいて安定した形状のテクスチャを形成
することができた。また、比較例のNo.19の結晶化ガ
ラスにおいても安定したテクスチャ形成が可能であっ
た。しかし、比較例No.18の化学強化ガラスでは、5
32nmではテクスチャの痕跡を見出すことができなか
った。
【0035】No.1,No.11のCoO含有量が0.5
重量%と少ないガラスでは、ソーダライム,ホウケイ酸
ともテクスチャ形成は確認できたものの安定した形状の
テクスチャ形成を確認することができなかった。また、
No.7,No.8のNiOを含有するガラスでは、NiO
含有量が0.5 重量%の時にはテクスチャ形成が確認で
きなかったが、No.8のようにNiO含有量が5.0 重
量%では、テクスチャの形成が確認できた。しかし、高
さ制御が良好でなく、安定したテクスチャを得ることが
難しかった。
【0036】1064nmの基本波では、NiOを5重
量%含有するNo.8、およびCoOを5重量%以上含有
するNo.2,No.4,No.5,No.6,No.12,No.
14,No.15,No.16,No.17,No.18及びN
o.19の各ガラスにおいてテクスチャ形成が認められ
た。しかし、得られたテクスチャの形状および高さの制
御が難しかった。それ以外のガラスでは、テクスチャの
痕跡を認めることができなかった。
【0037】耐水性を評価すると、No.1〜No.17の
ガラスでは良好であった。一方、No.18の化学強化ガ
ラスでは、化学強化に使用したK、およびNa,Caな
どが多く溶出し、良好とは言えなかった。また、No.1
9の結晶化ガラスにおいても、Liなどが溶出し、耐水
性は良好とは言えなかった。
【0038】記録面の粗さを見ると、No.1〜No.18
では2nm以下であったが、No.19の結晶化ガラスで
は、3.2nm と、表面が粗かった。
【0039】マイクロビッカース硬さは、希土類を含有
するNo.1〜No.15のガラスでは680前後と、高い
マイクロビッカース硬度を示した。一方、希土類元素を
含有していないNo.17のホウケイ酸ガラスでは623
と、良好な値とはいえなかった。
【0040】さらに、三点曲げ強度においても、マイク
ロビッカース硬度と同様な結果となった。比較例の化学
強化ガラス,結晶化ガラスにおいては、上記の機械的強
度は十分に高い値を示していた。
【0041】以上のことから、レーザーによるテクスチ
ャ形成の可能性,化学的安定性,表面粗さおよび機械的
強度の4点を指標として磁気ディスク用ガラス基板を評
価したところ、以下のような結論に達した。
【0042】まず、レーザー波長が4倍波の266nm
では、化学強化したガラスのみに安定したテクスチャ形
成が可能であり、その他では安定したテクスチャ形成が
難しかった。従って、この波長では化学強化されている
ことが安定したレーザーテクスチャ形成の条件となる。
一方、化学強化ガラスでは、化学的安定性に問題がある
ため、信頼性の高い磁気ディスクを得ることが難しい。
従って、266nmにおける安定したレーザーテクスチ
ャ形成は実用上難しい。
【0043】次に、2倍波の532nmでは、CoOを
1.0 重量%以上含有した系において、ソーダライムガ
ラス,ホウケイ酸ガラスとも安定したレーザーテクスチ
ャ形成が可能であった。特に、希土類を含有したホウケ
イ酸ガラスにおいては、化学的安定性,機械的強度にお
いても化学強化されていなくても良好な結果を示してお
り、信頼性の高い磁気ディスクを得ることが可能であっ
た。結晶化ガラスでは532nmにおいて安定したテク
スチャ形成が可能であったものの、表面粗さが粗く、実
施例2で述べるように、磁気ディスクとしての特性に問
題があった。
【0044】基本波の1064nmでは、テクスチャ形
成が可能なガラスが存在したが、ばらつきが大きく、安
定した形状、高さのテクスチャ形成は難しかった。
【0045】また、用いるレーザー波長に対応した遷移
金属を含有させる必要がある。具体的には、266nm
の波長ではFe、532nmではCo、1064nmで
はNiを含有させることにより各波長に対応してレーザ
ーテクスチャ形成が可能となることが分かった。しか
し、266nmでは化学強化した基板のみレーザーテク
スチャ形成が可能であった。また、1064nmでは安
定したテクスチャ形成が難しかった。
【0046】以上の検討から、安定したレーザーテクス
チャ形成可能で、かつ高い信頼性を有する磁気ディスク
を得るためには、CoOおよび希土類元素を含有するガ
ラスに波長532nmのレーザーを用いてレーザーを形
成するのが好ましい。
【0047】次に、表2より、安定したテクスチャ形成
に必要な各波長の透過率の関係について調べた。106
4nmのNo.8ガラスにおいて、透過率10%で形状等
が不安定であったが、テクスチャ形成が可能であった。
また、表2中で透過率10%を超える場合にはテクスチ
ャを形成することは難しかった。また、各波長の透過率
が2.0% 以下であると、より安定なテクスチャを得る
ことができた。このことから、レーザー波長における透
過率は、10%以下であるとテクスチャ形成が可能であ
り、さらに好ましくは2%以下であると、形状や高さ制
御が安定したテクスチャが形成可能である。
【0048】図2に、No.12ガラスの透過率の波長依
存性を示す。この図のように、Co酸化物を含有させる
と、波長約450nm〜700nmの広い波長域で大き
な吸収があることが分かった。また、CoO含有量を増
加して行くと、吸収端近傍での透過率が減少していっ
た。そしてCoO含有量が13重量%の時に波長450
nm,700nmで透過率がほぼ0となることが分かっ
た。またそれ以上CoOを含有させても見かけの透過率
曲線は変化しなかった。この事から、CoOを13重量
%を超えて含有させてもガラスの光学的特性は変化しな
いことから、過剰であるということができる。
【0049】表2の結果より、透過率が2%以下であれ
ば安定したレーザーテクスチャが形成可能であったが、
この系の場合、CoO濃度が高いときは450nm〜7
00nmの範囲でこの条件を満足できた。従って、この
範囲の波長を有するレーザーであれば、どんなレーザー
であってもレーザーテクスチャ形成可能であった。
【0050】さらに、本実施例以外にも銅,クロム,マ
ンガン,バナジウム,チタンなどを含有させることによ
り、近紫外域から赤外域まで幅広い波長域に対して光の
吸収が可能となる。具体的には、バナジウムを含有させ
ることにより300nm〜400nm,クロムの酸化物
を含有させることにより、300nm〜450nm,ニ
ッケルを含有させることにより400nm〜700n
m,コバルトを含有させることにより450nm〜70
0nmおよび1000nm〜2000nm,銅を含有す
ることにより550〜1500nm,チタンを含有させ
ることにより450nm〜800nmの光を吸収させる
ことが可能であり、この波長域でレーザーテクスチャの
形成が可能であった。以上のことから、光の波長が30
0nm〜2000nmであれば、各波長に対応した遷移
金属元素を含有させることによりレーザーテクスチャの
形成が可能である。
【0051】さらに、金,銀などもガラス中で金属コロ
イド化することにより、特定波長の吸収が見られ、この
波長領域でレーザー加工が可能であった。
【0052】また、希土類金属元素も光を吸収するので
同様な効果が期待できるが、希土類元素の吸収スペクト
ルは内殻電子のf−f遷移によるため非常にシャープで
あり、非常に狭い波長領域でのみレーザーテクスチャ加
工が可能であった。
【0053】図3に、本実施例で作製したレーザーテク
スチャの一つのバンプ形状の例を示す。図3において、
1はガラス基板、5はテクスチャを形成するバンプであ
る。これは、No.12のガラス基板で得られたテクスチ
ャをAFMにより観察したものである。この図のよう
に、本実施例で得られたバンプ形状は、この例のように
中央で大きく盛り上がるドーム形状のバンプである事が
分かった。
【0054】このバンプの表面をSEM(走査型電子顕
微鏡)を用いて観察すると、ガラスは一度レーザーによ
り溶融し、急冷・再凝固していることが分かった。この
とき、徐冷されて作成されている基板に比べて体積収縮
の割合が小さく、体積が大きくなる。そのために膨れ上
がり、ドーム形のバンプが形成されたと考えられる。ま
た、No.12のガラスを用いて、パルスあたりのレーザ
ーパワーを変化させてテクスチャ形成し、その時のバン
プ高さを測定した。図4に結果を示す。図4に示すよう
に、レーザーパワーを変化する事によってバンプ高さは
大きく変化し、2μJで約15nm、5μJで100n
mとなった。また、10μJ以上では1000nmとな
った。この時、すべてバンプ形状は図3に示すドーム形
状であった。また、バンプ径は、どの場合も約5〜10
μmであった。また、パルスの周波数が20kHzのと
きバンプのピッチは約10μmであった。
【0055】次に、各ガラス基板の成分について適正量
を検討した。
【0056】表3に、検討したガラスの組成及びマイク
ロビカース硬さ(Hv)、耐水性試験における成分の溶
出量、記録面の表面粗さ(Ra/nm)、レーザーテク
スチャ形成の有無、及びガラス生成の有無を示す。
【0057】
【表3】
【0058】表3において、マイクロビッカース硬さ、
耐水性試験は既述の方法を用いて評価した。レーザーテ
クスチャは、安定なガラスが得られたものに対して直径
2.5″(インチ)のガラス基板を作製し、532nmの
2倍波を用いることによって行った。
【0059】表3のNo.21、表1のNo.6ガラスのよ
うに、SiO2 含有量が50.0 重量%未満ではガラス
の安定性が低く、ガラスとならなかった。しかし、表1
のNo.4、表3のNo.22ガラスのようにSiO2 含有
量が50.0 重量%以上では安定したガラスを得ること
ができた。また、表3のNo.22ガラスでは安定なガラ
スを得ることができたが、No.23ガラスのようにSi
2 含有量が80%を超える場合ではガラスの粘度が非
常に高くなり、溶融が難しく、脈理,気泡の多いガラス
となった。以上のことから、SiO2 含有量は50%以
上80%以下であることが望ましい。
【0060】表3No.24ガラスでは、安定なガラスは
得られたものの、マイクロビッカース硬さ(Hv)が低
く、機械的強度が充分であるとはいえなかった。一方、
No.25ガラスではHvが734と、十分な機械的強度
が得られた。この事から、SiO2 含有量は60重量%
以上であると、高い機械的強度が得られるため、さらに
好ましい。一方、No.22ガラスでは、安定なガラスが
形成できたものの、特性温度が高いため、レーザーテク
スチャの形成が難しかった。
【0061】以上のことから、十分な機械的強度が得ら
れ、耐水性も良好で、表面粗さも小さくでき、かつレー
ザーテクスチャ形成可能なガラスを得るためには、Si
2含有量が60重量%以上75重量%以下であること
が好ましい。
【0062】B23は、No.1〜No.10のガラスのよ
うに、含有されなくてもレーザーテクスチャを形成する
ことができた。しかし、表3のNo.27ガラスのように
15重量%を超えると、耐水性試験においてB23が溶
出し、化学的安定性が低下していた。このことから、B
23含有量は0以上15重量%以下であれば、安定なガ
ラスを得ることができる。
【0063】一方、ガラス中のアルカリ成分について
は、表3のNo.30ガラスのように、アルカリ金属酸化
物の合計の含有量が20重量%をこえるとき、アルカリ
溶出量が多かった。No.31ガラスのようにアルカリ金
属酸化物の合計量が20重量%以下であればアルカリ溶
出量を充分小さく抑えることができた。従って、アルカ
リ金属酸化物の含有量は20重量%以下であることが好
ましい。
【0064】また、No.33,No.23ガラスではアル
カリ金属酸化物の合計量が7.0 重量%以下であるた
め、特性温度が高く、レーザーテクスチャ形成が難しか
った。No.32,No.22ガラスでは7.0重量%以上
であり、レーザーテクスチャ形成が可能であった。以上
のことから、より好ましくはアルカリ金属酸化物の合計
量は7重量%以上20重量%以下であることがよい。
【0065】希土類酸化物については、含有させると化
学強化しなくても機械的強度を向上する事ができるが、
表1のNo.16、表3のNo.44ガラスのように、10
重量%を超えると、遷移金属元素と反応して失透を起こ
した。従って、希土類酸化物の含有量は10重量%以下
である事が好ましい。
【0066】さらに含有されるCoOの含有量は、No.
6ガラスのように30重量%を超えるとガラスが失透す
るため、好ましくない。また、No.1,No.11ガラス
のように、1.0 重量%未満では、レーザーテクスチャ
を形成する事が難しかった。従って、CoOの含有量は
1.0 重量%以上30重量%以下である事がよい。さら
に、光の吸収の飽和条件から、CoOは13重量%を超
えて含有されると過剰となる。この事から、より好まし
くはCoO含有量は1.0 重量%以上13重量%以下で
あることがよい。
【0067】(実施例2)次に、実施例1で作製したガ
ラスを基板として磁気ディスクおよび磁気ディスク装置
を作製し、特性を評価した。図5に、作製した磁気ディ
スクの断面の模式図を示す。図5において、1はガラス
基板、6はCr系材料からなるプリコート膜、7はCr
Ti系材料からなる下地膜、8はCoCrPt系材料か
らなる磁性膜、9はカーボン材料からなる保護膜、10
は潤滑材である。これらの膜を基板の両面に作製した。
【0068】また、本実施例では、ガラス基板としてN
o.12、および比較例としてNo.19の結晶化ガラスの
ガラス基板を用い、両面のr=13〜15mmにレーザー
ゾーンテクスチャを施した。レーザーは波長が532n
mの2倍波を用いた。また、レーザーのパルスあたりの
パワーを変化させ、バンプ高さを5nm〜40nmで変
化させた。
【0069】作製したガラス基板を洗浄し、乾燥させた
後、スパッタリング法を用いて上記の膜を形成した。本
実施例では、プリコート膜を22nm,下地膜を25n
m,磁性膜を19nm,保護膜を29nm形成した。さ
らに、潤滑材をディッピングによって塗布し、磁気ディ
スクとした。
【0070】図6に、本実施例で作製した磁気ディスク
装置の模式図を示す。図6において、11は磁気ディス
ク、12は磁気ディスク回転軸、13はスピンドルモー
ター、14は磁気ヘッド、15は磁気ヘッドの回転軸、
16は電気系の電気信号出力端子である。11の磁気デ
ィスクは12の回転軸によって支持され、同時にスピン
ドルモーターが回転する事によって磁気ディスクを回転
させる。また、磁気ヘッドはヘッド回転軸によって支持
されており、ヘッド回転軸が回転する事によってディス
クの半径方向の位置を決定している。本実施例では、磁
気ディスクを6枚搭載し、各ディスクの両面に計12個
の磁気ヘッドを搭載した。この時、筐体の厚さは12mm
となった。
【0071】また、磁気ヘッド形状および磁気ヘッドを
支えるアームのばね強度を制御し、磁気ヘッドの浮上量
を制御した。本実施例では、磁気ヘッドの浮上量を20
nm,30nmおよび40nmとした。
【0072】表4に、No.12ガラス基板表面を種々の
粗さに加工し、それぞれの基板を用いて作製した磁気デ
ィスク装置のヘッド浮上量と、磁気ディスク装置の記録
再生特性を示す。また、各ガラス基板のRaおよびRma
x も併記する。
【0073】
【表4】
【0074】ヘッド浮上量が40nmでは、各基板の場
合とも読み出し信号のC/Nが十分でなく、良好とは言
えなかった。しかし、ヘッド浮上量が20nmおよび3
0nmでは、基板表面粗さによって特性が異なった。浮
上量が30nmのとき、Raが2nm以下の基板では良
好な読書き特性が得られたが、2nmを超えると良好な
特性が得られなかった。さらに浮上量が20nmのと
き、Raが1nm以下の基板では良好な読書き特性が得
られたが、2nmを超えると良好な特性が得られなかっ
た。No.12のガラス基板を用いた磁気ディスク装置で
は高いC/Nが得られ、良好な特性を示した。同様にN
o.19の結晶化ガラス基板を用いて記録再生特性を評価
したところ、ヘッドが損傷する不良が見られる場合があ
った。これは、この基板のRmax が約30nmと大きい
ためである。
【0075】以上のように、記録時のヘッドの浮上量は
30nm以下のとき高いC/Nが得られ、良好な磁気特
性を示した。また、この浮上量を実現するため、ディス
クの表面粗さはRaで2.0nm以下、Rmaxで5nm以
下であれば浮上量30nmにおいて良好な記録再生特性
が得られた。さらにRaが1nm以下であれば浮上量2
0nmにおいても良好な記録再生特性が得られた。
【0076】表5に、No.12のガラス基板を用いて作
製した磁気ディスク装置の、各テクスチャのバンプ高さ
における信頼性試験結果を示す。
【0077】
【表5】
【0078】この時、ヘッド浮上量は30nmとした。
評価は、磁気ディスクを多数用意し、始動,停止動作を
10000回繰り返し行い、ヘッド損傷などの不良が生
じた場合を×、生じない場合を○とした。
【0079】その結果、レーザーのバンプ高さが5nm
のとき、ヘッドが粘着する場合が見られた。10nm以
上25nm以下ではヘッド損傷などの不良は見られなか
った。一方、30nm以上のとき、ヘッドが損傷する不
良が見受けられた。以上の事から、バンプの高さは、1
0nm以上25nm以下である事が好ましい。
【0080】以上のように、磁気ディスク用ガラス基板
に遷移金属元素を含有させ、さらに化学強化されなくて
も機械的強度の高い希土類含有ガラス基板を用い、レー
ザーを用いてゾーンテクスチャリングを形成しているこ
とは、本発明の一つの特徴である。
【0081】
【発明の効果】本発明によれば、表面に化学強化層が無
いため、化学的安定性が良好で、かつ安定した形状のレ
ーザーテクスチャ形成が可能な高密度記録に対応した磁
気ディスク用ガラス基板が得られる。
【0082】また、本発明によれば、希土類元素を含有
しているため、化学強化層が無くても機械的強度が高
く、信頼性の高い磁気ディスク用ガラス基板が得られ
る。
【0083】また、本発明によれば、信頼性が高く、高
い記録密度を有する磁気ディスクおよび磁気ディスク装
置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の磁気ディスク用ガラス基板の
模式図。
【図2】本発明の実施例の磁気ディスク用ガラス基板の
透過率の波長依存性を示す図。
【図3】本発明の実施例の磁気ディスク用ガラス基板表
面に作製したレーザーテクスチャを形成するバンプの形
状の模式図。
【図4】本発明の実施例のパルスレーザーパワーに対す
る形成されるバンプの高さを示す図。
【図5】本発明の実施例の磁気ディスクの断面の模式
図。
【図6】本発明の実施例の磁気ディスク装置の模式図。
【符号の説明】
1…ガラス基板、2…内周チャッキング部、3…記録
面、4…CSS部、5…バンプ、6…プリコート膜、7
…下地膜、8…磁性膜、9…保護膜、10…潤滑材、1
1…磁気ディスク、12…磁気ディスク回転軸、13…
スピンドルモーター、14…磁気ヘッド、15…ヘッド
回転軸、16…電気信号出力端子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 康隆 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 加藤 章 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 武尾 典幸 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 赤松 潔 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 猪股 洋一 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 寺門 正倫 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 高橋 研 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス基板と、該ガラス基板の表面の少な
    くとも一部に設けられた情報を記録するための情報記録
    面とを有し、 該ガラス基板の表面部に実質的に化学強化層が存在せ
    ず、 前記情報記録面の面粗さRaが2.0nm 以下であり、
    300〜2000nmの間のいずれかの波長で光の透過
    率が10%以下となる波長帯域が存在することを特徴と
    する磁気ディスク用ガラス基板。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の磁気ディスク用ガラス基
    板において、 前記ガラス基板は、チタン,バナジウム,クロム,マン
    ガン,コバルト,ニッケル,銅,金,銀から選ばれる少
    なくとも一種以上の遷移金属元素を含有することを特徴
    とする磁気ディスク用ガラス基板。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の磁気ディスク用ガラス基
    板において、前記遷移金属元素はコバルトであり、この
    コバルトはCoOの酸化物換算で1〜30重量%含有さ
    れることを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の磁気ディスク用ガラス基
    板において、前記波長帯域が450〜700nmである
    ことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板。
  5. 【請求項5】少なくとも以下の酸化物換算でSiO2
    50〜80重量%、B23:0〜15重量%、R2O:
    0〜20重量%(R=アルカリ金属元素)、Ln23
    0〜10重量%(Ln=希土類元素)、Al23:0.
    5 〜15重量%、CoO:1〜30重量%含有するこ
    とを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板。
  6. 【請求項6】少なくとも円形のガラス基板と、この基板
    表面上に直接または他の層を介して形成された情報記録
    膜とからなり、該基板表面は外周と同心円状に形成され
    た非情報記録面と、情報記録面とからなり、この情報記
    録面の面粗さRaは2.0nm以下、Rmax は5nm以
    下であり、かつ非情報記録部には規則的に配列されたテ
    クスチャが形成されており、このテクスチャを構成する
    バンプの高さの平均値が10nm以上25nm以下であ
    り、該ガラス基板は実質的に表面部に化学強化層が存在
    せず、かつ300〜2000nmの間のいずれかの波長
    帯域で光の透過率が10%以下となる領域が存在するこ
    とを特徴とする磁気ディスク。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の磁気ディスクにおいて、
    前記ガラス基板は遷移金属元素のうち少なくとも一種以
    上を含有することを特徴とする磁気ディスク。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の磁気ディスクにおいて、
    前記遷移金属元素はコバルトであり、このコバルトはC
    oOの酸化物換算で1〜13重量%含有されることを特
    徴とする磁気ディスク。
  9. 【請求項9】少なくとも実質的に表面に化学強化層を有
    さず、かつ表面の面粗さRaが2.0nm以下のガラス基
    板に、波長帯域300〜2000nmのうちのいずれか
    の波長を有する単色光を照射することによって該ガラス
    基板の表面部の非情報記録面にテクスチャーを形成する
    工程を含み、このテクスチャを形成するバンプの高さの
    平均値が10nm以上25nm以下であることを特徴と
    する磁気ディスクの製造方法。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の磁気ディスクの製造方
    法において、前記ガラス基板がコバルト元素を含有し、
    かつ前記波長帯域が450〜700nmのいずれかであ
    ることを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
  11. 【請求項11】少なくとも、磁気ディスク,磁気ヘッ
    ド,磁気ディスクを回転させる駆動装置,磁気ヘッドの
    磁気ディスクに対する相対位置を変化させる駆動装置と
    を有し、前記磁気ディスクは、少なくともガラス基板
    と、その上に直接または他の層を介して形成された磁性
    膜とからなり、前記ディスクの表面部には非情報記録面
    と情報記録面とを有しており、磁気ディスクが回転中、
    磁気ヘッドがこの情報記録面上に位置するときの磁気ヘ
    ッドの浮上量が30nm以下であり、かつ情報記録面の
    面粗さRaは2.0nm以下、Rmaxは5nm以下であ
    り、かつ非情報記録面には規則的に配列されたテクスチ
    ャが形成されており、このテクスチャを構成するバンプ
    の高さの平均値が10nm以上25nm以下であり、該
    ガラス基板は実質的に表面部に化学強化層が存在せず、
    かつ300〜2000nmの間のいずれかの波長で光の
    透過率が10%以下となる波長帯域が存在することを特
    徴とする磁気ディスク装置。
  12. 【請求項12】請求項11において、前記ガラス基板は
    コバルト元素をCoOの酸化物換算で1〜13重量%含
    有することを特徴とする磁気ディスク装置。
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