JPH11513555A - 予定外の肯定応答返答を提供する通信トランシーバおよびその方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 通信トランシーバ５１０は、受信機７０４，コントローラ７１４および送信機７１０を備える予定外の肯定応答返答を生成する装置および方法を利用する。受信機７０４は、アドレスと、第１予定時間間隔２１２の間にこのアドレスを送信するセル送信機５０６を識別するカラー・コードとを受信する。コントローラ７１４は、受信されるアドレスに応じて所定数の確保済み返答時間スロットから、予定外の肯定応答返答の送信に利用される確保済み返答時間スロット２２４を選択する。送信機７１０は、第２予定時間間隔２１６中に選択された確保済み返答時間スロット２２４の間に予定外の肯定応答返答を送信する。

Description

【発明の詳細な説明】 予定外の肯定応答返答を提供する通信トランシーバ およびその方法 技術分野 本発明は、一般に双方向無線通信システムで用いる通信トランシーバに関し、 さらに詳しくは、予定外の肯定応答返答を生成する通信トランシーバに関する。 発明の背景 時間または周波数の再利用を行う従来技術による通信システムは、通信トラン シーバを追跡してメッセージ配信を行う肯定応答返答（ａｃｋｎｏｗｌｅｄｇｅ ｂａｃｋ ｒｅｓｐｏｎｓｅ）のための送信時間を提供する、予定される（スケ ジュールに組み込まれた）所定の肯定応答返答時間スロットに依存する。従来技 術によるシステムにおいては、肯定応答返答時間スロットは、通信トランシーバ が受信するメッセージ待行列内のメッセージ番号をもとにして特定的に割り当て られたので、衝突することはなかった。このような衝突の起こらない着信メッセ ージ通信は、メッセージのバッチ処理またはキューイング（待行列に入れること ）の観点から見 ると魅力的な特徴であるが、この方法を利用する通信システムは、一般に一度に 照会することのできる通信トランシーバの数に制限があった。これは、予定に組 み込まねばならない肯定応答返答時間スロットの数によるものであった。 多くの場合、通信システムによりサービスを受ける顧客の数が増えるにつれて 、配信する必要のあるメッセージ数もそれに従って増えた。その結果、通信シス テム内で動作する通信トランシーバに対するメッセージ配信に関して待行列に入 れることのできるバッチの寸法を制限し、肯定応答返答のための時間を設けなけ ればならなかった。これにより、メッセージ配信待ち時間が長くなった。トラフ ィック条件が多大な場合は、メッセージ配信待ち時間がこのように長くなること は、宛先にメッセージを配信しようとする人にとっても、メッセージを受ける宛 先側にとっても受け入れ難いことになる可能性がある。 かくして、予定外の肯定応答返答を生成して、それによりメッセージ配信待ち 時間を短縮することのできる通信トランシーバが必要である。また、時分割二重 動作を行う通信システム内で動作する通信トランシーバが、予定外の肯定応答返 答を生成し、それによってメッセージ配信処理能力を増大し、メッセージ配信待 ち時間を短縮することのできる方法も必要である。 発明の概要 本発明の第１局面により、時分割二重通信を利用する通信システム内で動作す る複数の通信トランシーバにより生成される予定外の肯定応答返答を利用する方 法が提供される。本通信システムは、地理的な送信エリアを定義する複数の送信 セルを備え、複数の送信セルの各々は、複数の通信トランシーバにより生成され る予定外の肯定応答返答を受信する１つ以上のセル受信機と、アドレスおよびセ ル送信機を識別するカラー・コードを送信するセル送信機とを備える。通信トラ ンシーバから予定外の肯定応答返答を配信する方法は、アドレスと、第１予定時 間間隔中にアドレスを送信するセル送信機を識別するカラー・コードとを受信す る段階；受信されるアドレスに応じて予定外の肯定応答返答の送信に利用するた めに確保される所定数の返答時間スロットから確保済みの返答時間スロットを選 択する段階；および第２予定時間間隔中に選択された確保済み返答時間スロット の間に予定外の肯定応答返答を送信する段階；によって構成される。 本発明の第２局面により、通信トランシーバは、時分割二重通信を利用し、地 理的送信エリアを定義する複数の送信セルによって構成される通信システム内で 動作する。複数の送信セルの各々は、通信トランシーバによって生成される肯定 応答返答を受信する１つ以上の受信機と、アドレ スおよびセル送信機を識別するカラー・コードを送信するセル送信機とを備える 。通信トランシーバは、アドレスと、第１予定時間間隔中にアドレスを送信する セル送信機を識別するカラー・コードとを受信する受信機，受信されるアドレス により所定数の確保済み返答時間スロットから肯定応答返答の送信に利用される 確保済み返答時間スロットを選択するコントローラおよび第２予定時間間隔中に 選択される確保済み返答時間スロットの間に肯定応答返答を送信する送信機を具 備する。 本発明の第３局面により、予定外の肯定応答返答を利用する時分割二重通信シ ステムは、１つ以上の受信機と、アドレスおよび第１予定時間間隔中にアドレス を送信するそのセル送信機を識別するカラー・コードを送信するセル送信機とを 備える、地理的送信エリアを定義する複数の送信セルを具備する。通信トランシ ーバは、アドレスと、第１予定時間間隔中にアドレスを送信するセル送信機を識 別するカラー・コードとを受信し、受信されるアドレスにより予定外の肯定応答 返答の送信に利用される所定数の確保済み返答時間スロットから、１つの確保済 み返答時間スロットを選択し、第２予定時間間隔中に選択された確保済み返答時 間スロットの間に予定外の肯定応答返答を送信する。１つ以上のセル受信機のう ち少なくとも１つの受信機が、第２予定時間間隔中に所定数の確保済み時間スロ ット内に送信される予定外の肯定応答返答を受信する。１つ以上の セル受信機のうち少なくとも１つの受信機により受信されるカラー・コードによ って識別されるセル送信機は、メッセージが宛てられる通信トランシーバを識別 するアドレスと、それに対応するメッセージとを、カラー・コードにより指定さ れる予定メッセージ再利用スロットのシーケンスの１つの間に送信する。 図面の簡単な説明 第１図は、本発明による通信システムと、通信トランシーバにメッセージを配 信するための最小送信遅延を設ける関連通信プロトコルとを示す複合図である。 第２図は、本発明による第１図の通信プロトコルの信号化図である。 第３図は、第２図の通信プロトコルで利用される同期コード・ワードの信号化 図である。 第４図は、本発明による第２図の通信プロトコルを利用する発信および着信メ ッセージ通信の例を示す信号化図である。 第５図は、本発明による通信トランシーバの無作為分布とそれに関連する乱数 とを示す複合図である。 第６図は、本発明による第１図の通信システムの電気ブロック図である。 第７図は、本発明による第５図の通信システムで利用さ れる送信機の電気ブロック図である。 第８図は、本発明による第５図の通信システムで利用される通信トランシーバ の電気ブロック図である。 第９図ないし第１４図は、本発明による第６図の通信システムの動作を示す流 れ図である。 好適な実施例の説明 第１図は、時分割二重通信を利用する通信システム１００と、通信システム１ ００内で動作する複数の通信トランシーバにより生成される予定外の肯定応答返 答に対応して、本発明により通信トランシーバに対するメッセージ配信の送信遅 延を最小にする関連の通信プロトコル１２０とを示す複合図である。通信システ ム１００は、複数の通信セルによって構成される。これらのセルは、送信セル１ ０２，送信セル１０４および送信セル１０６として図示され、当業者には周知の 方法で同報通信システム内の地理的送信エリアを定義する。複数の送信セルの各 々は、１つ以上のセル受信機と１つのセル送信機とを備える。これについては、 下記に詳細に説明する。通信プロトコル１２０は、１つの制御フレーム１０８と それに続く複数の送信フレーム１１０とを備える。これらの送信フレームは、例 として１〜７と記号を付ける。制御フレーム１０８および送信フレーム１１０に ついては、下記にさらに詳細に説明する。第１図 に示されるように、通信システム１００は、周波数再利用を行うよう編成され、 例として、７セル周波数再利用パターン（セル１Ａ〜７Ａ，１Ｂ〜７Ｂなど）が 図示されるが、それより多いセルまたは少ないセルを提供するその他の周波数再 利用パターンを同様に利用できることは、当業者には理解頂けよう。通信プロト コル１２０の周波数再利用部分の間は、メッセージ送信が所定のシーケンス、す なわち、送信セル１Ａ，１Ｂ，１Ｃなどの間は第１送信フレーム１１２内で、送 信セル２Ａ，２Ｂ，２Ｃなどの間は第２送信フレーム１１４内で、送信セル３Ａ ，３Ｂ，３Ｃなどの間は第３送信フレーム１１６内で起こる。上記の説明から、 セル周波数再利用パターン内の送信セル数が増加すると、提供される送信フレー ム１１０の数も対応して増加し、同様にセル周波数再利用パターン内の送信セル 数が減少すると、提供される送信フレーム１１０の数も対応して減少することが 理解頂けよう。これについては、下記にさらに詳細に説明する。 要するに、通信プロトコル１２０は、送信セル内で動作する通信トランシーバ に宛てられたメッセージの送信を、同報送信に特有の問題を起こすことなく可能 にする。通信プロトコル１２０は制御フレームを備え、この制御フレームは通信 システム１００内のすべてのセル送信機から同報送信される。制御フレームの後 に、複数の送信フレームが続き、これらは各セル送信機から所定のシーケンスで 非同 報送信として送信される。 第２図は、本発明の第１実施例による第１図の通信プロトコル１２０を示す信 号化図である。制御フレーム１０８および送信フレーム１１０は、ＦＬＥＸ（高 速ページ伝送方式）信号化プロトコルなどの同期信号化プロトコル１３０のフレ ーム２０２，２０４などに対応する。ＦＬＥＸ信号化プロトコルは、ここでは例 として説明されるが、その他の同期信号化プロトコルを同様に利用して通信トラ ンシーバに対するメッセージ配信の送信遅延を最小限に抑えることができること を理解頂きたい。 同期信号化プロトコル１３０は、たとえば、フレーム＿０ ２０４からフレー ム＿１２７ ２０２と番号が振られた１２８個のフレームを含む。１２８個のフ レームのうち、任意のものを制御フレーム１０８または送信フレーム１１０とし て指定することができる。しかし、この指定は一般に、セル周波数再利用パター ン内の送信数により決定することを理解頂きたい。第１図に図示される７セル再 利用パターンについては、同期信号化プロトコル１３０の１２８個のフレーム内 で、１つの制御フレーム１０８と７つの送信フレーム１１０とが１６回、順次反 復される。 制御フレーム１０８は、第１予定時間間隔、すなわち発信時間間隔２１２の間 に、通信システム内で動作する通信トランシーバに対して送信される制御情報を 提供する。制御フレーム１０８の第２部分は、第２予定時間間隔、すな わち着信時間間隔２１６の間に通信受信機により生成される肯定応答返答を受信 するために、さらに用いられる。肯定応答返答は、通信トランシーバの位置を特 定するために用いられる。これについては、下記に詳細に説明する。発信時間間 隔２１２と着信時間間隔２１６の間に送信される情報は、単独のＲＦチャネルま たは周波数上に送信され、それによってチャネル上の発信および着信情報を時分 割二重（ＴＤＤ：ｔｉｍｅ ｄｉｖｉｓｉｏｎ ｄｕｐｌｅｘ）設定する。通信ト ランシーバの位置が特定されると、それらの通信トランシーバに宛てられたメッ セージは、それに続く送信フレーム１１０の間に送信される。制御フレーム１０ ８は１個しか図示されないが、チャネル負荷に応じていくつかの制御フレームを 連続して送信して、それにより、メッセージが宛てられる通信トランシーバの位 置を特定するために用いられる発信チャネル処理能力を大きくすることができる 。 フレーム２０２，２０４などは、例として、同期部分２０６と、それに続く１ １個の送信ブロック２０８（Ｂ０〜Ｂ１０と識別される）を備える。発信時間間 隔２１２と着信時間間隔２１６との間の境界２１０は、それぞれ発信メッセージ 送信の終点となるブロックと着信メッセージ送信の始点となるブロックの、２つ の送信ブロック間の境界として定義される。本発明のある実施例においては、境 界２１０は固定されるので、発信メッセージ送信に関して所定の数の送信時間ス ロット２１４が利用可能であり、着信メ ッセージ送信に関して所定の数の確保された返答時間スロット２２４が利用可能 である。本発明の第２実施例においては、境界２１０は可変であるので、送信メ ッセージ送信に関して可変数の送信時間スロット２１４が利用可能であり、着信 メッセージ送信に関して可変数の確保済み返答時間スロット２２４が利用可能で ある。これについては、下記にさらに詳細に説明する。 着信時間間隔２１６の一部は、確保済み返答時間スロット２２４の間、予定外 の肯定応答返答のために確保される。予定外の肯定応答返答とは、肯定応答返答 送信を行うために通信システム１００により事前に時間スロットが割り当てられ ない通信トランシーバにより生成される返答である。提供される確保済み返答時 間スロット２２４の数は、通信システム１００が送信することのできる発信アド レス数を制限する。これについては下記に説明する。通常、確保済み返答時間ス ロット２２４の数は、通信トランシーバ内に予めプログラミングされるが、通信 システム１００内の無線（ＯＴＡ：ｏｖｅｒ-ｔｈｅ-ａｉｒ）再プログラミング を行う機能がある場合は、この数を変えることもできることを理解頂きたい。 本発明により、制御フレーム１０８内の各送信ブロック２０８は、発信時間間 隔２１２内に送信され、たとえば、アドレス・コード・ワード，ベクトル・コー ド・ワード，データ・コード・ワードまたはアイドル・コード・ワード のいずれかを表す８個のコード・ワードによって構成される。また着信時間間隔 ２１６内の各送信ブロック２０８も、たとえば、肯定応答返答を表し、応答する 通信トランシーバを識別するアドレス・コード・ワードおよび送信機のＩＤとな るデータ・コード・ワードまたはカラー・コードを含む８個のコード・ワードに よって構成される。これについては、下記にさらに詳細に説明する。送信フレー ム１１０内の発信データ送信２２０内で送信される各送信ブロック２０８も、た とえば８個のコード・ワードによって構成され、アドレス・コード・ワードおよ びデータ・コード・ワードを表し、上記のように、通信トランシーバが位置する 送信セル内にのみ送信される。 通信プロトコル１２０は、通信システム１００内の全セル送信機から同報送信 内に送信される制御フレーム１０８と、それに続く複数の送信フレーム１１０と を具備する。複数の送信フレーム１１０は、上記のように所定のシーケンス内に 送信する通信システム１００のセル送信機により非同報送信において送信される 。動作中は、通信トランシーバに宛てられたメッセージは、制御フレーム１０８ の送信の直後に続くのではなく、制御フレーム１０送信の直後に続く送信フレー ム１１０の間に送信されるメッセージは、一般的に、前回の制御フレーム送信中 に位置を特定された通信トランシーバに宛てられたメッセージである。これにつ いては、下記にさらに詳細に説明する。 第３図は、第２図の通信プロトコルで利用される同期コード・ワード２０６の 信号化図である。同期コード・ワード２０６は、２つの部分、すなわち第１同期 部分または同期「１」と、第２同期部分または同期「２」とを備える。同期「１ 」は、ビット同期「１」コード・ワード３０２，「Ａ」コード・ワード３０４， 「Ｂ」コード・ワード３０６および反転「Ａ」コード・ワード３０８によって構 成される。同期「２」は、ビット同期「２」コード・ワード３１２，「Ｃ」コー ド・ワード３１４，反転ビット同期「２」コード・ワード３１６および反転「Ｃ 」コード・ワード３２０によって構成される。同期「１」は、好ましくは毎秒１ ６００ビットで送信され、フレーム・タイミングを得る手段となり、また送信機 ＩＤまたはカラー・コードを提供する。これについては、下記にさらに詳細に説 明する。同期１も、残りのフレームが送信されるフレーム・ブロック速度または ビット速度を指定する情報を提供することができる。フレーム情報ワード３１０ も、好ましくは毎秒１６００ビットで送信され、フレーム番号，サイクル番号お よびその他の情報を運ぶ。同期「２」は、同期「１」により指定されるフレーム ブロック速度で同期を行う。 上述の送信機ＩＤは、たとえば、「Ｂ」コード・ワード３０６内に配信される 情報により提供される。「Ｂ」コード・ワードは好ましくは、１６,５ＢＣＨ（ Ｂｏｓｅ，Ｃｈａｕｄｈｕｒｉ，Ｈｏｃｑｕｅｒｇｈｅｍ）符号化フォーマット を用いて符号化され る１６ビットのコード・ワードである。送信機の誤った識別の確率を下げるため に、可能性のある１６,５ＢＣＨコード・ワードのうち１２８個の所定のコード ・ワードの補集合のみを利用して、送信機ＩＤまたはカラー・コードとする。カ ラー・コードの一般的な使用に関する追加の情報は、本発明の譲受人に譲渡され 、本明細書に参考文献として含まれる、１９９３年１０月４日にＳｉｍｐｓｏｎ 他により出願された米国特許出願第０８／１３１，２４３号「Ｍｅｔｈｏｄ ａ ｎｄ Ａｐｐａｒａｔｕｓ ｆｏｒ Ｉｄｅｎｔｉｆｙｉｎｇ ａ Ｔｒａｎｓｍｉ ｔｔｅｒ ｉｎ ａ Ｒａｄｉｏ Ｃｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎ Ｓｙｓｔｅｍ」に 述べられる。 第４図は、本発明による第２図の通信プロトコルを利用する発信および着信メ ッセージ通信の一例を示す信号化図である。上述の如く、１つの制御フレーム１ ０８の中には、各々が８つのコード・ワードからなる１１個の送信ブロック２０ ８がある。それにより、１１個の送信ブロック２０８は、コード・ワード送信の ために合計８８個の時間スロットを提供する。ＴＤＤシステムにおいては、上述 のように着信メッセージ送信のために確保済みの返答時間スロット２２４が確保 される。確保された返答時間スロット２２４の数は、通信システム１００により 固定されるか、あるいはＯＴＡプログラミングを利用して可変である。第４図に 示されるように、１６個の確保済み返答時間スロット２２４が、時間間隔４１０ の間に着信する予定外の肯定応答返答（ＡＣＫ０〜ＡＣＫ１５）に関して確保さ れる。残りの７２個の 送信時間スロット２１４は、時間間隔４０８の間の７２個のアドレス（ＡＤＤＲ ０〜ＡＤＤＲ７１）の送信に利用される。各アドレス・コード・ワード４１４は 、好ましくは２１アドレス・ビットの情報を備え、ＢＣＨ符号化のための関連す る１１ビットのパリティを伴う。本発明のある実施例においては、アドレス４１ ６の最下位ビット（Ｄ０〜Ｄ３）が、予定外の肯定応答返答の送信にのための１ ６個の確保済み返答時間スロット２２４のシーケンスの１つに選択されるため利 用される。この１６個の確保済み返答時間スロットは、制御フレーム１０８内で 最後に送信された１６個のコード・ワードに対応する。第１図のその他の要素す べてと、通信プロトコルの動作の状況は、上記第２図に関して説明されたものと 同様である。かくして、たとえば、最下位ビットが「０００１」であるアドレス ・コード・ワードを割り当てられる通信トランシーバは、第１確保済み返答時間 スロットの間に、予定外の肯定応答返答ＡＣＫ１を自動的に送る。 第５図は、本発明による通信システム１００内に見られるような通信トランシ ーバの無作為の分布を示す複合図である。図示される通信システム１００は、上 述の如く同報通信システム内の地理的送信エリアを定義する複数の送信セル１０ ２，１０４，１０６によって構成される。各送信セルは、１桁（または１ニブル ）の１６進数（０〜Ｆあるいは、１０進数では０〜１５）により識別される複数 の通信トランシーバを備える。本発明の第１実施例においては、 図示される各１６進数は、通信トランシーバに割り当てられたアドレスの最下位 １６進数に対応する。本発明の第２実施例においては、各１６進数は乱数発生器 を用いてさらに乱数化された通信トランシーバに割り当てられるアドレスの最下 位１６進数に対応する。これについては下記に説明する。 第５図に示される通信トランシーバの分布は、通信トランシーバが一般に、通 信システム１００全体で無作為に分布され、特定の送信セル内に位置する通信ト ランシーバの番号４０２，４０４，４０６も同様に無作為であることを前提とす る。同じ送信セル内の同じ着信時間スロットを２つ以上の通信トランシーバが選 択するという衝突の確率の第１次近似値は、以下の式から決定することができる ： Ｐ_COLL＝Ｎ_ADD／Ｎ_CELL・Ｎ_RCVR・Ｎ_TS （式１） ただし、Ｐ_COLLは衝突の確率，Ｎ_ADDは制御フレーム１０８内に送信される同報 アドレスの数，Ｎ_CELLは通信システム１００内のセル数，Ｎ_RCVRはセルの数また はセル毎の肯定応答返答受信機，Ｎ_TSはセル受信機に利用することのできる確保 済み返答時間スロット２２４の数である。第４図に示されるアドレスおよび確保 済み返答時間スロット２２４の数（すなわちＮ_ADD＝７２，Ｎ_TS＝１６）を利用 し通信システム１００内に４０個のセルがあり、第６図に示されるよ うに１セルにつき３つの受信機があるとすると、衝突の確率は次のようになる： Ｐ_COLL＝７２／４０・３・１６x１００％＝３.７５％ （式２） 上の例に示されるように、通信トランシーバの約９６％は、アドレス指定され た７２個の通信トランシーバの各グループに関して衝突を起こさずに返答するこ とになる。実際の衝突確率は、通信トランシーバを識別する最下位アドレス・ビ ットをさらに乱数化したり、ここで説明されるのとは異なるシステム設定を利用 することなどによりさらに改善することができる。 要するに、確保済み返答時間スロット２２４の間に送信される予定外の肯定応 答返答を利用し、複数の通信トランシーバを追跡するために用いられる通信シス テム１００は、上記のような効率的なチャネル帯域幅利用を行うことができる。 予定される肯定応答返答を利用する従来のシステムとは対照的に、本発明はメッ セージ配信の待ち時間を改善し、また通信システム１００の全体容量も改善する 。 第６図は、本発明による第１図の通信システム１００の電気ブロック図である 。通信システム１００は、当業者には周知の方法で、公衆電話交換網（ＰＳＴＮ ：ｐｕｂｌｉｃｓｗｉｔｃｈｅｄ ｔｅｌｅｐｈｏｎｅ ｎｅｔｗｏｒｋ）の利用 などを介して、メッセージ発信者からメッセージ入力を受信するシステム・ コントローラ５００を具備する。メッセージは、複数の基地局５０２にメッセー ジを配布する前に後述の方法で処理される。これらの基地局５０２のうち２つを 例として、送信セル１０２および送信セル１０４内に図示し、それぞれセル１Ａ およびセル２Ａとする。システム・コントローラ５００と基地局５０２との間の メッセージの配布は、周知のメッセージ配布システム５１４を用いて行われる。 このメッセージ配布システムには、直接有線（電話）リンク，データ通信リンク や、いくつか名前をあげるとＲＦリンク送信機／リンク受信機，マイクロ波送信 リンクまたは衛星送信リンクなどのいくつかの無線周波数リンクのうち任意のも のがある。 基地局５０２は、メッセージ配布システム５１４に結合された入力と、セル送 信機５０６の入力に結合された出力とを有するセル・コントローラ５０４を備え る。セル送信機５０６の出力はアンテナ５０８に結合する。各送信セル１０２， １０３内に例として３つが図示される、１つ以上のセル受信機５１２の出力は、 セル・コントローラ５０４の受信機入力に結合される。メッセージ配布システム ５１４を介してシステム・コントローラ５００から配布されるメッセージは、セ ル・コントローラ５０４の入力で受信され、セル・コントローラはこれを格納す る。上記のように、適宜な時刻にメッセージが宛てられた通信トランシーバ５１ ０のアドレスがメモリから回復され、送信機ＩＤを加える ために処理される。送信機ＩＤはカラー・コードとも呼ばれ、アドレスを送信す るセル送信機５０６を一意的に識別する。本発明の好適な実施例においては、１ ２８個の一意的送信機ＩＤが存在し、一意的に識別される特定の地域内に最大１ ２８個の送信機を配置することができる。メッセージを送信する送信機を識別す るアドレスおよびカラー・コードは、セル送信機５０６の入力に結合される。セ ル送信機５０６は、次にこのアドレスとカラー・コードとを当業者には周知の方 法で送信する。送信されるアドレスおよびカラー・コードは、送信セル内の通信 トランシーバ５１０により受信される。このうち１つの通信トランシーバ５１０ を例として図示する。送信されたアドレスの１つが通信トランシーバ５１０に割 り当てられた所定のアドレスと同じ場合は、メッセージを送信する送信機のカラ ー・コードが通信トランシーバ５０１により受信され、格納される。 通信トランシーバ５１０を識別するアドレスの受信に続き、通信トランシーバ ５１０は肯定応答返答を生成する。これにはアドレスを送信した送信機を識別す るアドレスおよびカラー・コードが含まれ、それによって通信トランシーバ５１ ０が送信セル１０２，１０４のどちらに位置するかを特定する。第６図に示され るように、通信トランシーバ５１０は、送信セル１０２内または送信セル１０４ 内の送信機により送信されるアドレスおよびカラー・コードを受信することがで きる可能性がある。送信セル１０２内の セル送信機５０６が送信セル１０４のセル送信機５０６と比べて異なるカラー・ コードを送信すると、一方の送信機からの送信は通信トランシーバ５１０を捕捉 するのが普通であり、そのために最も強い信号を有する送信機のカラー・コード のみが受信される。送信セル１０２と送信セル１０４内の両方のセル送信機５０ ６からの信号強度が実質的に等しい場合には、アドレスと両カラー・コードとが 受信される。１２８個の一意的カラー・コードの１つの属性は、カラー・コード が直交することで、いくつかのカラー・コードが同時に受信されると両送信機の カラー・コードを当業者には周知の方法で個別に識別することができる。このよ うな場合は、通信トランシーバ５１０は所定の選択基準に従って２つの送信機の うち１つのカラー・コードを選択して、上記のように肯定応答返答内で送信する 。 肯定応答返答送信は、通信トランシーバ５１０の位置により、１つ以上の送信 セル１０２，１０４内の１つ以上のセル受信機５１２によって受信することがで きる。肯定応答返答を受信するセル受信機５１２の数に関わらず、肯定応答返答 内で受信された通信トランシーバ５１０のアドレスとカラー・コードとは、アド レスおよびカラー・コードを受信するセル受信機５１２のセルコントローラ５０ ４に送られる。カラー・コードは、どの送信機がアドレスを送信したかを識別す るだけでなく、実際のメッセージがどの送信フレーム１１０内で通信トランシー バ５１９に配信さ れるかも識別する。これについては、下記に説明する。そのため、カラー・コー ドを識別することにより、通信トランシーバ５１０は、どの送信フレーム１１０ 内にメッセージが配信されるかを知る。基地局５０２と通信トランシーバ５１０ との間にさらに情報を送信する必要を省くことにより、本発明により、通信トラ ンシーバ５１０に対するメッセージ配信の送信遅延が最小限に抑えられる。さら に、送信フレーム１１０は上記の方法で識別されるので、通信トランシーバ５１ ０はメッセージが配信されない送信フレーム１１０の間はバッテリを節約するこ とができる。 要するに、第１予定送信時間間隔を表し、たとえば、第２図のフレーム＿１２ ７ ２０２の発信時間間隔２１２に対応する制御フレーム１０８の第１部分の間 、メッセージが宛てられる通信トランシーバ５１０を識別するアドレスは、アド レス送信が行われた基地局５０２を識別するカラー・コード信号と共に同報送信 される。第２予定時間間隔を表し、たとえばフレーム＿１２７ ２０２の着信時 間間隔２１６に対応する制御フレーム１０８の第２部分の間は、複数の送信セル 内に位置する１つ以上のセル受信機のうち少なくとも１つのセル受信機５１２に よって、肯定応答返答が受信される。肯定応答返答には通信トランシーバ５１０ により受信されたアドレスを送信する基地局５０２を識別するカラー・コード信 号が含まれる。通信トランシーバ５１０の位置が特定されると、１つ以上のセル 受信機 のうち少なくとも１つのセル受信機５１２が受信するカラー・コード信号により 識別されるセル送信機５０６は、メッセージが宛てられる通信トランシーバ５１ ０を識別するアドレスとメッセージとを送信する。アドレスとメッセージとは、 基地局５０２を識別するカラー・コード信号により指定される複数の予定メッセ ージ再利用スロットのうち選択された１つのスロットの間に送信される。通信ト ランシーバ５１０は、複数の予定メッセージ再利用スロットのうち選択された１ つのスロットの間にアドレスおよびメッセージも受信する。アドレスとメッセー ジの送信は、基地局５０２と通信トランシーバ５１０との間に追加送信を行わず に実行されるので、通信トランシーバ５１０に対するメッセージ配信に関する送 信遅延を最小限に抑える。 第７図は、本発明による第６図の通信システムで利用される基地局５０２の電 気ブロック図である。基地局５０２は、上述の如くセル・コントローラ５０４， セル送信機５０６およびアンテナ５０８を具備する。セル・コントローラ５０４ は、回線インタフェース６０２，コントローラ６０４，受信機インタフェース６ ０６，不揮発性メモリ６０８，読込専用メモリ６１０，エンコーダ６１２，シス テム・クロック６１４および大容量記憶媒体６１６を備える。回線インタフェー ス６０２は、セル・コントローラ５０４を上記のメッセージ配布システム５１４ を介してシステム・コントローラ５００に結合する。回線インタフェース６０ ２は、コントローラ６０４の入力に結合される出力を提供する。コントローラ６ ０４は、システム・コントローラ５００から配布されたメッセージ情報の処理を 制御する。コントローラ６０４は、好ましくはモトローラ社（イリノイ州Ｓｃｈ ａｕｍｂｕｒｇ）製のＭＣ６８ＸＸＸシリーズ・マイクロコンピュータなどのマ イクロコンピュータまたはＤＳＰ５６ＸＸＸデジタル信号プロセッサなどのデジ タル信号プロセッサを用いて実現され、またパーソナル・コンピュータまたはコ ンピュータ・ワークステーションを用いても同様に実現することができる。受信 機インタフェース６０６は、セル・コントローラ５０４を、基地局５０２の地理 的送信エリア内に位置する１つ以上のセル受信機５１２に結合する。受信機イン タフェース６０６の出力は、コントローラ６０４の入力に結合され、コントロー ラ６０４はセル受信機５１２から受信したアドレスおよび関連カラー・コードの 処理も制御する。これについては、下記にさらに詳細に説明する。 不揮発性メモリ６０８はコントローラ６０４に結合され、セル送信機５０６の 動作と、システム・コントローラ５００から配布されたメッセージ情報の処理と に必要な情報を格納する。不揮発性メモリ６０８は、基地局５０２に割り当てら れたカラー・コード（ＣＣ），同報送信に用いられる発信チャネルの周波数（Ｆ Ｏ），同報周波数（ＦＯ）以外の周波数が非同報メッセージ送信に利用される場 合のメッセージ・サブ・チャネル周波数（ＦＳ）および通信トランシーバ ５１０へのメッセージの非同報配信のための基地局５０２に割り当てられる送信 スロット（ＴＳ）などの情報を格納する。不揮発性メモリ６０８は、マイクロコ ンピュータまたはデジタル信号プロセッサの一部として統合することも、あるい はいくつかの周知の不揮発性メモリ装置のうち任意のものを用いて構築される外 部メモリ装置とすることもできる。周知の不揮発性メモリ装置としては、電気的 に消去書込可能な読込専用メモリ（ＥＥＰＲＯＭ），「フラッシュ」メモリ，電 気的に書込可能な読込専用メモリ（ＥＰＲＯＭ）およびその他周知の不揮発性メ モリ装置がある。 読込専用メモリ（ＲＯＭ）６１０は、マイクロコンピュータまたはデジタル信 号プロセッサの一部として統合することも、あるいは、上記のように外部メモリ 装置として構築することもできる。読込専用メモリ（ＲＯＭ）６１０は、基地局 ５０２の動作を制御するために必要なファームウェア・ルーチンを格納する。こ れについては、下記にさらに詳細に説明する。読込専用メモリ６１０内に好まし くはプログラミングされるファームウェア・ルーチンには、システム・コントロ ーラ５００により配布されるアドレスおよび関連メッセージの受信と一時的格納 を制御するメッセージ入力処理要素６１８；同報送信に関してアドレスおよびカ ラー・コードのキューイングおよび送信を制御するアドレス送信要素６２０；１ つ以上のセル受信機５１２から転送された肯定応答返答の受信と一時的格納を制 御するアドレス肯定 応答要素６２２；制御フレーム１０８中のアドレスおよびカラー・コードの送信 を制御し、基地局に割り当てられるカラー・コードにより合図されるアドレスの 識別とそれに関わるメッセージの回復とを制御し、さらに、基地局の送信ゾーン 内に位置する通信トランシーバ５１０に対するアドレスおよびメッセージの非同 報送信を制御するメッセージ送信要素６２４；およびセル受信機が受信した肯定 応答返答の処理を制御して、システム・コントローラ５００に送り返すアドレス 転送要素６２６；などを具備する。これについては、下記に詳細に説明する。 エンコーダ６１２はコントローラ６０４に結合され、メッセージ送信要素６２ ４に応答して、アドレスおよびカラー・コードを肯定応答返答の送信に利用され る通信プロトコル内に符号化する。システム・クロック６１４はコントローラ６ ０４に結合され、コントローラ６０４により利用されるタイミング信号を提供し て、発信メッセージ送信の間のアドレス，カラー・コードおよびメッセージ信号 の受信を制御し、さらに着信メッセージ送信中の肯定応答返答の送信も制御する 。 大容量記憶媒体６１６は、システム・コントローラ５００により配布されるア ドレスおよび関連メッセージ情報を一時的に格納する。大容量記憶媒体６１６は 、ランダム・アクセス・メモリ，ハードウェア・ディスク・ドライブまたは周知 のその他の大容量記憶装置を用いて構築される。 大容量記憶媒体６１６は、いくつかのメッセージ待行列すなわち現メッセージ待 行列６２８，肯定応答メモリ６３０およびメッセージ送信待行列６３２を提供す る。現メッセージ待行列６２８は、システム・コントローラ５００から配布され たアドレスおよび関連メッセージをバッチ毎に格納する。肯定応答メモリ６３０ は、１つ以上のセル受信機が受信したすべてのアドレスおよび関連カラー・コー ドを格納する。メッセージ送信待行列６３２は、制御フレーム１０８の間に送信 されるアドレスおよび関連カラー・コードを格納し、さらに割り当てられる非同 報送信フレーム１１０の間に送信されるアドレスおよび関連メッセージを格納す る。 第８図は、本発明による第６図の通信システム１００で利用される通信トラン シーバ５１０の電気ブロック図である。通信トランシーバ５１０は、それぞれ、 基地局５０２からのＲＦ信号を傍受し、基地局５０２にＲＦ信号を送信する受信 機アンテナ７０２と送信機アンテナ７０８とによって構成される。受信機アンテ ナ７０２は受信機７０４に結合され、この受信機は当業者には周知のもので、基 地局５０２から受信されたＲＦ信号を復調する。送信機アンテナ７０８は送信機 ７１０に結合され、この送信機は当業者には周知のもので、基地局５０２に送信 されるＲＦ信号を変調する。 基地局５０２から受信されるＲＦ信号は従来の２および４レベルＦＳＫを用い る。通信トランシーバ５１０によって基 地局５０２に送信されるＲＦ信号は、４レベルＦＳＫを使用する。受信機７０４ により受信される無線信号は、出力において被復調情報を生成する。被復調情報 はコントローラ７１４の入力に結合され、コントローラ７１４は発信メッセージ を解読するデコーダとして利用される。信号化の間、肯定応答メッセージはコン トローラ７１４により処理され、送信機７１０に配信されて送信される。当業者 には周知の電源スイッチ７１２がコントローラ７１４に結合され、送信機７１０ および受信機７０４に対する電力供給を制御するために用いられて、それにより バッテリ節約機能を提供する。 通信トランシーバ５１０の必要な機能を実行するために、コントローラ７１４ は、好ましくはマイクロプロセッサ，ＲＡＭ７１８，ＲＯＭ７１７および不揮発 性メモリ７１６を具備する。好ましくは、マイクロプロセッサはモトローラ社製 のＤＳＰ５６ＸＸＸデジタル信号プロセッサ（ＤＳＰ）ファミリーと同様のマイ クロプロセッサである。その他の同様のプロセッサをマイクロプロセッサとして 利用すること、また、コントローラ７１４の処理要件に対応するために必要な場 合は、同種のあるいは他種の追加プロセッサを追加することもできることを理解 頂きたい。他種のメモリ、たとえばＥＥＰＲＯＭまたはフラッシュをＲＯＭ７１ ７ならびにＲＡＭ７１８として利用することができることを理解頂きたい。さら にＲＡＭ７１８およびＲＯＭ７１７は単体でも組み合 わせても、マイクロプロセッサの連続部分として統合することができることを理 解頂きたい。 不揮発性メモリ７１６は、通信トランシーバ５１０を識別する通信プロトコル により利用される１つ以上のアドレスなどの情報と送信テーブルとを含む。送信 テーブルは、有効カラー・コード（ＣＣ）のリストと、通信システム１００によ り利用される有効同報周波数（ＦＯ）のリストとを含む。着信通信に関して、送 信テーブルは、肯定応答チャネル周波数（ＦＡ）および関連メッセージ・サブチ ャネル周波数（ＦＲ）と、着信チャネル上に利用可能な時間スロット（ＴＳ）の リストを含む。ＦＡおよびＦＲは好ましくは、周波数分割多重（ＦＤＭ：ｆｒｅ ｑｕｅｎｃｙ ｄｉｖｉｓｉｏｎ ｍｕｌｔｉｐｌｅｘｉｎｇ）を採用する通信シ ステムにより利用される。不揮発性メモリは、コントローラ７１４に外付けのあ るいは内蔵されるＥＥＰＲＯＭまたはフラッシュ装置とすることができる。 ＲＡＭ７１８は、カラー・コード・メモリ７２０およびメッセージ・メモリ７ ２２を備える。カラー・コード・メモリ７２０は、コントローラ７１４により解 読されるカラー・コードを格納するために用いられる。メッセージ・メモリ７２ ２は、基地局５０２から発され、解読に成功したメッセージを格納するために利 用される。 ＲＯＭ７１７は、コントローラ７１４により発信および着信メッセージを処理 するために利用されるファームウェアを備える。このファームウェアは、アドレ ス解読要素７２ ４，カラー・コード解読要素７２６，肯定応答送信要素７２８およびメッセージ 受信要素７３０とメッセージ格納要素７３２とによって構成される。発信メッセ ージ処理中は、コントローラ７１４は、受信機７０４により生成される被復調信 号をサンプリングし、この被復調信号を被復調データに変換するためにメッセー ジ受信要素７３０を必要とする。次にコントローラ７１４は、アドレス解読要素 ７２４とカラー・コード解読要素７２６とを要求して、発信チャネル上に受信さ れたアドレスおよびカラー・コードをそれぞれ解読する。次にコントローラ７１ ４は、解読されたアドレスを、ＥＥＰＲＯＭに格納される１つ以上のアドレスと 比較し、一致が検出されると、コントローラ７１４はメッセージ格納要素７３２ に対してメッセージの残りの部分を処理するよう要求する。メッセージ格納要素 ７３２は、効率的にメッセージ・メモリを利用するためのメモリ管理者の機能を 実行する。 コントローラ７１４がメッセージを処理すると、呼出警告信号が発されて、メ ッセージが受信されたことをユーザに通知する。呼出警告信号は、可聴または触 覚呼出警告信号を発生する従来の可聴または触覚警告装置７３６に送られる。さ らに、コントローラ７１４には、肯定応答返答を送付することがプログラミング される。すなわち、受信されたメッセージの品質に応じてメッセージ受信の成功 を知らせるＡＣＫまたはメッセージ受信の失敗を知らせるＮＡＣＫ である。ＡＣＫまたはＮＡＣＫ（肯定応答返答）を送付するために、コントロー ラ７１４は、肯定応答送信要素７２８に、基地局５０２に対して肯定応答返答を 送付して、メッセージ受信の成功または不成功を肯定応答するよう要求する。肯 定応答送信要素７２８は、送信機７１０を制御し、送信機７１０は、肯定応答返 答に対応するＦＳＫデータを変調する。 基地局０２により通信トランシーバ５１０の位置を特定するために行われる位 置照会、すなわち、アドレスおよびカラー・コード受信の間、肯定応答送信要素 ７２８は、通信トランシーバ５１０に割り当てられたアドレスの最下位１６進数 を選択して、肯定応答返答を送信するために用いられる確保済み返答時間スロッ トを決定する。あるいは、乱数発生器７３５を設けて、上記の最下位１６進アド レスをさらに乱数化することもできることをさらに理解頂きたい。 格納されたメッセージには、ロック，ロック解除，削除，読込などの機能を提 供するユーザ制御部７３４を通じてユーザがアクセスすることができる。さらに 詳しくは、ユーザ制御部７３４により提供される適切な機能を用いることにより 、メッセージがＲＡＭ７１８から回復され、ディスプレイ７４０たとえば従来の 液晶ディスプレイ（ＬＣＤ：ｌｉｑｕｉｄ ｃｒｙｓｔａｌ ｄｉｓｐｌａｙ）上 に表示され、あるいは音声メッセージの場合は、オーディオ増幅器とスピーカ（ 図示 せず）の組み合わせにより可聴的に再生される。 第９図ないし第１４図は、本発明による第６図の通信システムの動作を示す流 れ図である。第９図を参照して、段階８０２においてメッセージ入力が受信され ると、発呼者の電話番号がシステム・コントローラ５００により識別される。シ ステム・コントローラ５００は、メッセージが宛てられる通信トランシーバ５１ ０を、当業者には周知の方法で周知の加入者リストから識別し、段階８０４でア ドレスおよびメッセージ番号をメッセージに割り当て、再試行番号がゼロに設定 される。アドレス，メッセージ，メッセージ番号，再試行番号および発呼者の電 話番号は段階８０６でアクティブ・ページ・ファイルに格納され、ここから情報 が引き出される。これについては、下記に説明する。システム・コントローラ５ ００は、次に段階８０８でメッセージが宛てられた通信トランシーバ５１０のア ドレスを回復して、そのアドレスと関連メッセージとを１つのバッチとして待行 列に入れる。バッチ待行列が構築されると、システム・コントローラ５００は、 段階８１０で現メッセージ待行列をセル・コントローラ５０４に転送する。段階 ８１２で、セル・コントローラ５０４は現メッセージ待行列を受信し、段階８１ ４で、現メッセージ待行列を大容量記憶媒体６１６内に格納する。セル・コント ローラ５０４は、段階８１６で、制御フレーム（すなわち送信フレーム０）が予 定されるか否かをチェックする。制御フレームが 予定されない場合は、セル・コントローラ５０４は第１１図の段階８４８に進む 。これについては、下記に詳細に説明する。 段階８１６で制御フレームが予定される場合は、セル・コントローラ５０４は アドレス送信速度および同報送信周波数を含む送信パラメータを段階８１８で回 復する。次にセル・コントローラ５０４は、セル送信機５０６の周波数とアドレ ス送信速度とを段階８２０で設定する。セル・コントローラ５０４は、段階８２ ２で、バッチ・アドレスを回復し、バッチ・アドレスに送信機カラー・コードを 符号化する。バッチ・アドレスおよびカラー・コードは、段階８２４でセル送信 機５０６により同報送信される。 続いて第１０図において、段階８２６と段階８２８とを含む段階８２５におい て、通信トランシーバ５１０は段階８２６でバッチ・アドレスおよびカラー・コ ードを受信し、アドレスが割り当てられたアドレスに一致する通信トランシーバ ５２０に関して、段階８２８で通信トランシーバが、通信トランシーバ・アドレ スおよびカラー・コードを含む肯定応答返答を送信する。肯定応答返答は、セル ・コントローラ５０４およびシステム・コントローラ５００により利用され、通 信トランシーバ５１０の位置を識別する。これについては、下記にさらに詳細に 説明する。セル受信機５１２は段階８３０で、通信トランシーバ５２０により送 信される肯定応答メッセージを受信する。セル受信機５１ ２により受信されたメッセージは、段階８３２でセル・コントローラ５０４に転 送され、このときメッセージは段階８３４でセル・コントローラにより受信され る。段階８３６において、セル・コントローラ５０４はセル受信機５１２から受 信した肯定応答返答をカラー・コードにより分類する。分類された肯定応答返答 は、段階８４４でシステム・コントローラ５００に転送され、ここで肯定応答返 答が処理される。これについては、下記に説明する。 肯定応答返答は段階８３６で分類し重複する返答を削除した後で、段階８３８ で、セル・コントローラ５０４により、地理的領域に割り当てられた送信機カラ ー・コードに応答した通信トランシーバ５１０を識別するために用いられる。セ ル・コントローラ５０４は、段階８４０において、識別されたアドレスに対応す るメッセージを回復し、段階８４２で、そのメッセージを待行列に入れて通信ト ランシーバ５１０に割り当てられるメッセージ送信フレームの間に配信する。 続いて第１１図において、セル・コントローラ５０４は、段階８４８で、メッ セージ送信速度などの送信フレーム・パラメータとサブチャネル周波数を不揮発 性メモリ６０８から回復する。次にセル・コントローラ５０４は、段階８５０に 進み、セル送信機５０６の送信機周波数およびメッセージ送信速度を設定する。 段階８５４において、セルコントローラ５０４は、メッセージに割り当てられた 送信フ レームが予定されるか否かをチェックする。割り当てられた送信フレームが予定 される場合は、セル・コントローラ５０４はセル送信機５０６に対して、段階８ ５６で現メッセージ待行列内に格納されるアドレスおよびメッセージを送信セル 内に位置する通信トランシーバ５１０に対して送信するよう命令する。アドレス およびメッセージの送信が完了すると、通信システム１００は、第９図の段階８ ０２に戻り、そこで発呼者からの後続メッセージをチェックする。 第１１図に戻り、段階８５４で、予定される送信フレームがアドレスおよびメ ッセージ送信に割り当てられない場合は、セル・コントローラ５０４は、段階８ ５１で送信フレーム・カウンタ（モジューロ８加算を利用）を増分する。次にセ ル・コントローラ５０４は、段階８５２で、引き続き予定される送信フレームが 割り当てられるか否かをチェックする。次の予定送信フレームが送信フレーム０ １０８（すなわち制御フレーム）である場合は、上記の如くセル・コントロー ラ５０４は第９図の段階８１８に進む。 続いて第１２図において、システム・コントローラ５００は段階８５８で肯定 応答返答を受信し、段階８６０でカラー・コードにより肯定応答返答を分類して 重複する返答を削除し、通信システム内の全通信トランシーバ５１０の位置を判 定する。システム・コントローラ５００は、次に、段階８６２で、肯定応答しな かった通信トランシーバのア ドレスを判定する。段階８６４において、再試行カウンタが肯定応答されなかっ た各アドレスについて増分される。段階８６６において再試行回数が所定の再試 行回数を超えて、メッセージがまだ肯定応答されない場合は、システム・コント ローラ５００は、段階８７０において、任意で発呼者の電話番号を回復し、第８ 図の段階８０２に戻り後続のメッセージを受信することができる。段階８６６で 再試行回数を超えない場合は、不成功の肯定応答返答に対応するメッセージを段 階８６８で後続メッセージ待行列に追加して、上記の如く第９図の段階８０６に おいて再送信する。 続いて第１３図において、図示される段階は第１０図に示される段階８２５を さらに詳細に説明する。通信トランシーバ５１０は段階８７４において、基地局 ５０２により制御フレーム内に送信される制御フレーム・アドレスおよびカラー ・コードを受信する。次に通信トランシーバ５１０は、段階８７６において、上 記の如くアドレスを解読する。段階８７８で、通信トランシーバ５１０は、ＥＥ ＰＲＯＭに格納されるアドレスである被割当アドレスとの一致をチェックする。 段階８７８で一致が検出されない場合は、通信トランシーバ５１０は段階８８０ でバッテリ節約モードに切り替わり、次の制御フレームが予定されるまでそのモ ードに留まる。段階８７８で一致が検出されると、通信トランシーバ５１０は、 段階８８２で肯定応答返答を、発信チャネル上に受信されたカラー・コードおよ びアドレスで 符号化する。段階８８４において、通信トランシーバ５１０は上記の如くＥＥＰ ＲＯＭに格納される情報に従って確保済み返答時間スロットを選択する。次に通 信トランシーバ５１０は段階８８６に進み、ここで肯定応答返答がセル受信機５ １２に送信される。 通信トランシーバ５１０が段階８８４において確保済み返答時間スロットを選 択するプロセスを第１４図に示す。段階８８６において、コントローラ７１４は 、発信チャネル上に受信されるアドレスに対応する最下位１６進数を識別する。 段階８８８において、コントローラ７１４は、確保済み返答時間スロット・カウ ンタ（ＡＣＫ＿ＴＳ）をゼロに設定する。段階８９０において、コントローラ７ １４は着信時間間隔２１６の予定化を待つ。着信時間間隔２１６が段階８９０で 予定されると、コントローラ７１４は、段階８９２において、通信トランシーバ ５１０に割り当てられるアドレスの最下位１６進数に対応する現在の確保済み返 答時間スロット２２４が予定されるか否かをチェックする。段階８９２で現在の 確保済み返答時間スロットが予定されない場合は、確保済み返答時間スロット・ カウンタが段階８９４で増分される。段階８９２において、予定される現在の確 保済み返答時間スロット２２４がアドレスの最下位１６進数に一致する場合は、 コントローラ７１４は段階８９６に進み、ここで肯定応答返答が送信される。 かくして、本発明が通信トランシーバ５１０の位置追跡 を最適化する通信システム１００および方法を提供することは明らかであろう。 特に、本通信システム１００は、衝突を最小限に抑えながら通信トランシーバ５ １０の位置を効率的に追跡する方法として、通信システム１００全体における通 信トランシーバ５１０の無作為分布を利用する。確保済み返答時間スロット２２ ４の間に無作為の肯定応答返答を利用することにより、照会される通信トランシ ーバ５１０の容量を増大する。これは、従来技術によるシステムが予定される肯 定応答返答を用いて位置照会数を制限するのと対照的である。さらに、本発明は 乱数発生のための対費用効果の優れた方法および装置を提供する。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．時分割二重通信を利用し、地理的送信エリアを定義する複数の送信セルに よって構成される通信システム内で動作する複数の通信トランシーバにより生成 される予定外の肯定応答返答を提供する方法であって、前記複数の送信セルの各 々は、前記複数の通信トランシーバにより生成される予定外の肯定応答返答を受 信する１つ以上のセル受信機と、アドレスを送信するセル送信機であって、その アドレスと前記セル送信機を識別するカラー・コードとを送信するセル送信機と を備え、前記予定外の肯定応答返答を通信トランシーバから提供する方法であっ て： ある通信トランシーバにおいて、前記通信トランシーバに対応するアドレスと 、第１予定時間間隔中に前記アドレスを送信する前記セル送信機を識別する前記 カラー・コードとを受信する段階； 受信された前記アドレスに応じて、第２予定時間間隔中に起こる所定数の確保 済み返答時間スロットから、前記通信トランシーバが予定外の肯定応答返答を送 信するために利用する１つの確保済み返答時間スロットを選択する段階；および 前記の選択された確保済み返答時間スロットの間に、前記予定外の肯定応答返 答を送信する段階； によって構成されることを特徴とする方法。 ２．予定外の肯定応答返答を送信する前記段階が、前記複数の通信トランシー バを識別するアドレスと、前記アドレスを送信する前記セル送信機を識別する前 記カラー・コードとを送信して、前記複数の通信トランシーバの位置を特定する ことを可能にすることを特徴とする請求項１記載の方法。 ３．前記選択段階が、前記被受信アドレス内から選択された所定数のビットに 応じて確保済み返答時間スロットを選択することを特徴とする請求項１記載の方 法。 ４．前記所定数のビットが最下位ビットから選択されることを特徴とする請求 項３記載の方法。 ５．時分割二重通信を利用し、地理的送信エリアを定義する複数の送信セルに よって構成される通信システム内で用いる通信トランシーバであって、前記複数 の送信セルの各々は、前記通信トランシーバにより生成される肯定応答返答を受 信する１つ以上のセル受信機と、アドレスを送信するセル送信機であって、その アドレスと前記セル送信機を識別するカラー・コードとを送信するセル送信機と を備え、前記通信トランシーバが： アドレスと、第１予定時間間隔中に前記アドレスを送信する前記セル送信機を 識別する前記カラー・コードとを受信する受信機； 受信された前記アドレスに応じて、第２予定時間間隔中に起こる所定数の確保 済み返答時間スロットから、前記通 信トランシーバが前記肯定応答返答を送信するために利用する１つの確保済み返 答時間スロットを選択するコントローラ；および 前記の選択された確保済み返答時間スロットの間に、前記肯定応答返答を送信 する送信機； によって構成されることを特徴とする通信トランシーバ。 ６．送信される前記肯定応答返答が前記通信トランシーバを識別するアドレス と、前記アドレスを送信する前記セル送信機を識別する前記カラー・コードとを 含み、前記通信トランシーバの位置特定を可能にすることを特徴とする請求項５ 記載の通信トランシーバ。 ７．前記確保済み返答時間スロットが、前記被受信アドレス内から選択された 所定数のビットにより選択されることを特徴とする請求項５記載の通信トランシ ーバ。 ８．前記所定数のビットが最下位ビットから選択されることを特徴とする請求 項７記載の通信トランシーバ。 ９．時分割二重通信を利用して予定外の肯定応答返答を提供する通信システム であって： 地理的送信エリアを定義し、複数のセル受信機と、アドレスを送信するセル送 信機であって前記アドレスと第１予定時間間隔中に前記アドレスを送信する前記 セル送信機を識別するカラー・コードとを送信するセル送信機とを備える複数の 送信セル； アドレスと、前記第１予定時間間隔中に前記アドレスを 送信する前記セル送信機を識別する前記カラー・コードとを受信する通信トラン シーバであって、前記被受信アドレスに応じて、第２予定時間間隔中に起こる所 定数の確保済み返答時間スロットから、予定外の肯定応答返答を送信するために 利用される１つの確保済み返答時間スロットを選択し、前記の選択された確保済 み返答時間スロットの間に前記予定外の肯定応答返答を送信する通信トランシー バ； 前記第２予定時間間隔中に所定数の確保済み返答時間スロット内に送信される 前記予定外肯定応答返答を受信する前記複数のセル受信機のうちの少なくとも１ つのセル受信機；および 前記複数のセル受信機のうちの前記少なくとも１つのセル受信機により受信さ れる前記カラー・コードにより識別される前記セル送信機であって、前記カラー ・コードにより指定される予定メッセージ送信フレームのシーケンスの１つの間 に、メッセージが宛てられる通信トランシーバを識別するアドレスと前記メッセ ージとをさらに送信する前記セル送信機； によって構成されることを特徴とする通信システム。 １０．前記予定外の肯定応答返答を送信する前記段階が、前記複数の通信トラ ンシーバを識別する前記アドレスと、前記アドレスを送信する前記セル送信機を 識別する前記カラー・コードとを送信して、前記複数の通信トランシーバの位置 の特定を可能にすることを特徴とする請求項９記載 の通信システム。 １１．前記選択段階が、前記被受信アドレス内から選択された所定数のビット により確保済み返答時間スロットを選択することを特徴とする請求項９記載の通 信システム。 １２．前記所定数のビットが最下位ビットから選択されることを特徴とする請 求項１１記載の通信システム。