JPH11512734A - Pnpインヒビターとしてのプリンとグアニンの誘導体 - Google Patents

Pnpインヒビターとしてのプリンとグアニンの誘導体

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JPH11512734A JP9514082A JP51408297A JPH11512734A JP H11512734 A JPH11512734 A JP H11512734A JP 9514082 A JP9514082 A JP 9514082A JP 51408297 A JP51408297 A JP 51408297A JP H11512734 A JPH11512734 A JP H11512734A
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ビーズリー,スティーブン・コリン
モンタナ,ジョン・ゲイリー
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Abstract

(57)【要約】 下記の式(I)で表される化合物およびその塩、溶媒和物もしくは水和物: 式中、n=1または2、R1はH、NH2またはハロゲン原子を示し、R2はHまたはNH2を示し、R3はCR678(式中、R6、R7およびR8は同一または異なっていてもよく、各々H、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルを示す)を示し、R4およびR5は同一または異なっていてもよく、各々H、CO2H、CO21-6アルキル、NHSO2CF3、テトラゾールまたは(CR910)p(Y)q(CR910)tZ[式中、(CR910)pまたは(CR910)tはpまたはtが1よりも大きいときには置換基R9およびR10を有する直鎖または分枝鎖を示し、R9およびR10は同一または異なっていてもよく、各々C0-6アルキル−Zを示す]を示し、p=1〜3、q=0または1、tは0〜4(但し、q=1のときはt>0)、YはO、NHまたはS(O)m(式中、m=0〜2)を示し、ZはH、CN、CO2H、CO21-6アルキル、NHSO2CF3、テトラゾール、トリアゾール、CONH2、CON(C1-6アルキル)2、CONH(C1-6アルキル)、SO2NH(C1-6アルキル)またはSO2N(C1-6アルキル)2を示す。

Description

【発明の詳細な説明】 PNPインヒビターとしてのプリンとグアニンの誘導体 発明の分野 この発明はプリンとグアニンの誘導体およびプリンヌクレオシドホスホリラー ゼ抑制に応答する哺乳類の疾患の処置におけるプリンヌクレオシドホスホリラー ゼ(PNP)インヒビターとしての該誘導体の使用に関する。 発明の背景 PNPインヒビターとしての9−アリールメチル置換プリン(グアニン類を含 む)が米国特許第4,772,606号明細書に実質的に対応するヨーロッパ特許 第0,178,178号明細書に記載されている。アリール環がホスホン酸基を有 するPNPインヒビターとしての9−アリールメチル置換プリン(グアニン類を 含む)もヨーロッパ特許第0,465,297号明細書およびWO92/0518 0に記載されている。PNPインヒビターとしての変性プリン、即ち9−デアゾ プリン類も次の米国特許の各明細書に開示されている:第4,985,434号、 第5,008,265号、第4,985,433号、第5,236,929号、第5, 236,926号および第5,008,270号。 次の文献に記載されているデータによれば、グアニン塩基の変性によってこの 種の化合物のPNP抑制能は著しく変化する:ドラッグズ・オブ・ザ・フューチ ャ、第13巻、第654頁(1988年);エイジェンツ・アンド・アクションズ 、第21巻、第253頁(1987年);Proc.Natl.Acad.Sci.USA、第 88巻、第11540頁(1991年);米国特許出願第90/01021号明細 書。また、9−デアザ(9−アリールメチル)プリンのアリール環の変性によって PNP抑制能を著しく変化させることができる。即ち、ピリジン環をペピリジン で置換すると抑制活性は大きく低下する[IL Farmaco、第48巻(2)、第2 97頁(1993年)参照]。 発明の概要 本発明による化合物は哺乳類においてPNPインヒビターやT細胞の選択性イ ンヒビターとして特に有用であり、また、細胞性免疫の抑制にも特に有用である 。 これらの化合物は哺乳類における自己免疫疾患、移植拒絶反応、乾癬または痛風 の処置に使用することができる。これらの化合物は抗ウイルス性または抗腫瘍性 プリンヌクレオシドの抗ウイルス効果または抗腫瘍効果を助長するのにも使用で きる。 本発明は下記の一般式(I)で表される化合物並びに該化合物の互変異性体、塩 、溶媒和物および水和物に関する: 式中、 n=1または2、 R1はH、NH2またはハロゲン原子を示し、 R2はHまたはNH2を示し、 R3はCR678(式中、R6、R7およびR8は同一または異なっていてもよく、 各々H、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルを示す) を示し、 R4およびR5は同一または異なっていてもよく、各々H、CO2H、CO21-6 アルキル、NHSO2CF3、テトラゾールまたは(CR610)p(Y)q(CR610) tZ[式中、(CR610)pまたは(CR67)tはpおよびtが1よりも大きいときに は置換基R9およびR10を有する直鎖または分枝鎖を示し、R9およびR10は同一 または異なっていてもよく、各々C0-6アルキル−Zを示す]を示し、 p=1〜3、 q=0または1、 t=0〜4(但し、q=1のときt>0)、 YはO、NHまたはS(O)m(式中、m=0〜2)を示し、 ZはH、CN、CO2H、CO21-6アルキル、NHSO2CF3、テトラゾール 、 トリアゾール、CONH2、CON(C1-6アルキル)2、CONH(C1-6アルキル) 、SO2NH(C1-6アルキル)またはSO2N(C1-6アルキル)2を示す。 置換基および/または変数の組合せは、それによって安定な化合物が得られる ときには許容される(例えば、q=1のときはt>0である)。 発明の説明 本発明による化合物は非対称に置換された炭素原子を1個または複数個有して いてもよい。式(I)で表される化合物中の1個または複数個のこのような不斉中 心に起因して立体異性体が存在し、いずれの場合にも、本発明には鏡像体、ジア ステレオマーおよびこれらのラセミ混合物を含む混合物を包含する全ての立体異 性体が含まれる。 本明細書に記載の式において、「〜」はR−コンフィグレーションとS−コンフ ィグレーションの可能性を示す潜在的な不斉中心において使用し、「く」と「…」は 不斉中心における特有のコンフィグレーションを示すのに用いる。 この明細書において単独で使用するかまたは併用する「C1-6アルキル」は炭 素原子数が1〜6の直鎖状または分枝鎖状のアルキル部分を示し、例えば、メチ ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチルおよびヘ キシル等が含まれる。 この明細書において単独使用または併用する「C1-6ハロアルキル」という用語 は、所望により1または複数のハロゲン原子によって置換された炭素原子数1〜 6の直鎖状または分枝鎖状のアルキル部分、例えば、トリフルオロメチル、ペン タフルオロエチルおよびトリフルオロジクロロエチル等を意味する。 「ハロゲン原子」はフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。 この明細書で単独使用または併用する「C0-6アルキル」は炭素原子数が0〜6 の直鎖状のアルキル部分を示し、例えばメチル、エチルおよびプロピル等が含ま れる。 式(I)で表される化合物の塩には製剤学的に許容される塩が含まれ、例えば無 機酸または有機酸から誘導される次の酸付加塩が挙げられる:塩酸塩、臭化水素 酸塩、ヨウ化水素酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、リン酸塩、硫酸塩、過塩素 酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩 、コハク酸塩、乳酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩および安息香酸塩。 塩は塩基を用いて形成させてもよい。このような塩には無機塩基または有機塩 基から誘導される塩、例えばマグネシウム塩やカルシウム塩のようなアルカリ金 属塩およびモルホリン、ピペリジン、ジメチルアミンまたはジエチルアミンから 誘導される有機アミン塩が含まれる。 本発明では、エステル基が存在する化合物群においては、該エステルは代謝的 に不安定なエステル、即ち、アルコール部分が、例えばエチル、ベンジル、フェ ネチル、フェニルプロピル、α−ナフチル、β−ナフチル、2,4−ジメチルフ ェニル、4−t−ブチルフェニル、2,2,2−トリフルオロエチル、1−(ベンジ ルオキシ)ベンジル、1−(ベンジルオキシ)エチル1,2−メチル−1−プロピオ ニルオキシプロピル、2,4,6−トリメチルベンジルオキシメチルまたはビバロ イルオキシメチルを構成するエステルであってもよい。 治療中に式(I)で表されるいずれかの化合物に代謝的に変換される化合物も本 発明の一部を成す。このような化合物としては特に限定的ではないが、式(I)に おいて6−オキソ(6−ヒドロキシ互変異性体としても知られている)置換基が存 在せずに、該置換基が水素原子で置換された化合物が例示され、該化合物は既知 の代謝過程において一般式(I)で表される化合物に変換され、この種の化合物も 本発明に包含される。その他の化合物例は当業者には明らかである。 当業者には理解されるように、式(I)で表されるグアニンは以下の互変異性体 として存在する: 本発明による特に好ましい化合物としては8−アミノ−9−(3',3'−ジメチ ルブチル)グアニン、8−アミノ−9−(2'−メチルプロピル)グアニン、8− アミノ−9−(3'−メチルブチル)グアニンおよびこれらの塩類、例えば、ジヒ ドロクロリド等が挙げられる。 本発明による化合物は哺乳類における免疫によって仲介されT細胞の選択的抑 制およびT細胞が関与する哺乳類における疾患の処置または予防に特に有用であ る。このような疾患には特に限定的ではないが次のものが例示される:器官また は組織[例えば、心臓、腎臓、肝臓、肺、骨髄(bone marrow)、角膜、膵臓、小 腸(intestinum tenue)、肢節、筋肉、神経、骨髄(medulla ossium)、十二指腸 、小腸(small−bowel)、皮膚、膵島細胞等]の移植または移植拒絶反応(異種移 植を含む)に対する耐性、骨髄(medulla ossium)移植による移植片対宿主疾患 、自己免疫疾患、例えばリウマチ性関節炎、全身性紅斑性狼瘡、ネフローゼ症候 群狼瘡、橋本甲状腺炎、多発性重症筋無力症、I型真正糖尿病、II型成人発病性 糖尿病、ブドウ膜炎、ネフローゼ症候群、ステロイド依存性ネフローゼ、ステロ イド耐性ネフローゼ、掌蹠膿疱症、アレルギー性脳脊髄炎および糸球体腎炎等、 および病原性微生物による伝染病。 式(I)で表される化合物は痛風、T細胞白血病、T細胞癌、過敏性腸疾患、ク ローン病および潰瘍性大腸炎の処置にも有用である。 式(I)で表される化合物は次の疾患の処置にも有用である:炎症性、増殖性ま たは高増殖性皮膚疾患および免疫仲介病の皮膚発現症、例えば乾癬、乾癬性関節 炎、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎およびその他の湿疹性皮膚炎、脂漏性皮膚 炎、扁平苔癬、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、表皮水疱性、じんま疹、血管性浮腫、 脈管炎、紅斑、皮膚好酸球増加症、ざ瘡、円形脱毛症、好酸球性筋膜炎およびア テローム性動脈硬化症。特に、式(I)で表される化合物は脱毛防止、発毛および /または育毛促進による毛髪蘇生、例えば雄型または雌型脱毛症および老人性脱 毛症の処置において有用である。 式(I)で表される化合物は呼吸疾患、例えば類肉腫症、肺の類線維腫症、特発 性間質性肺炎、可逆性気道閉塞症(気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息 、外因性喘息、塵埃喘息、特に慢性喘息、例えば後発性喘息および気道応答高進 症を含む)および気管支炎等の処置においても有用である。式(I)で表され る化合物は虚血性肝損傷の処置にも有用である。 本発明による化合物は眼疾患、例えば角結膜炎、春季結膜炎、ベーチェット病 に関連するブドウ膜炎、角膜炎、疱疹性角膜炎、円錐角膜症、角膜上皮性異栄養 症、角膜白斑症、眼天疱瘡、モーレン潰瘍、強膜炎、グレーヴス眼病および重症 眼内炎症等の処置にも適用できる。 式(I)で表される化合物は粘膜または血管の炎症(例えば、ロイコトリエン B4仲介疾患、胃潰瘍、虚血症および血栓症によってもたらされる血管損傷、虚 血性腸疾患、炎症性腸炎)、熱傷に関連する腸管病変およびサイトメガロウイル ス性感染症、特にHCMV感染症等の予防または処置においても有用である。 さらに、式(I)で表される化合物は次の疾患の処置または予防においても有 用である:腎疾患(間質性腎炎、グッドパスチャー症候群、溶血性尿毒症候群お よび糖尿病性腎炎を含む)、神経疾患(多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、メ ニエール病および神経根症を含む)および内分泌疾患(甲状腺機能高進症;血液 疾患(赤芽球癆、再生不良性貧血、低形成性貧血および無顆粒球症を含む);呼 吸疾患(類肉腫症、肺の類線維腫症および特発性間質性肺炎を含む);皮膚疾患 (皮膚筋炎、尋常性白斑、尋常性魚鱗癬、光線過敏症および皮膚浸潤性T細胞リ ンパ腫を含む);循環疾患(動脈硬化症、大動脈炎症候群、結節性多発動脈炎お よび心筋症を含む);コラーゲン疾患(強皮症、ヴェゲナー肉芽腫症、シェーグ レン病を含む)、脂肪過多症、好酸球性筋膜炎、歯周病、ネフローゼ症候群、溶 血性尿毒症候群、および筋性ジストロフィ。 さらに、本発明による化合物は次の疾患を含む疾患の処置においても有用であ る:腸の炎症/アレルギー、例えば小児脂肪便症、直腸炎、好酸球胃腸炎、肥満 細胞症および胃腸管から離れた発現症状を示す食物関連アレルギー性疾患、例え ば、片頭痛、鼻炎および湿疹。 本発明による化合物は肝臓再生活性および/または肝細胞の肥大と過形成の刺 激活性を有するので、次の疾患の処置または予防においても有用である:肝疾患 、例えば免疫原疾患(例えば自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変および硬化性 胆管炎を含む慢性自己免疫性肝疾患)、部分的肝切断、急性肝壊死(例えば、毒 素 によって惹起される壊死、ウイルス性肝炎、ショックおよび無酸素症)、B型ウ イルス肝炎、非A型/非B型肝炎および肝硬変。 本発明による化合物は加リン酸分解による生体内でのプリンヌクレオシドの代 謝分解の抑制に有用であるので、2'および/または3'−モノ−もしくはジデオ キシプリンヌクレオシドの抗ウイルス効力および抗腫瘍効力を助長するのに有用 である。例えば、該化合物はレトロウイルス感染症、例えば後天性免疫不全症候 群(AIDS)等の処置における2',3'−ジデオキシアデノシン、2',3'−ジデ オキシグアノシンまたは2',3'−ジデオキシイノシンの効力を助長するのに有 用である。また、該化合物は、例えば哺乳類における2'−デオキシグアノシン の抗腫瘍性/細胞毒性効果の助長にも有用である。 本発明による化合物は他の免疫抑制剤、例えば、特に限定的ではないが、移植 拒絶反応において使用されるシクロスポリンAと共投与するのにも有用である。 この併用により、単一の薬剤を用いる治療の場合よりも移植片生着を大幅に延長 させることができ、これによって免疫抑制剤の投与量を低減させることができる ので、薬剤に関連する副作用の発現性を低下させることができる[チュン−ヤン ・エンら、J.Surgical Research、第62巻、第260頁(1996年)参照 ]。 本発明による化合物は、寄生虫がその特有のDNA成分(即ち、プリン塩基)を 形成させるためにPNPを用いる寄生虫病の処置にも有用である。例えば、マラ リアにおいて本発明による化合物によって寄生虫のPNPを抑制することにより 寄生虫を死滅させることができる。 上記の特性は好ましくは哺乳類、例えばラット、マウス、イヌ、子牛およびこ れらの単離細胞を用いる生体内試験および生体外試験によって例証することがで きる。本発明による化合物は溶液、例えば水溶液の形態で生体外で使用してもよ く、また、経腸投与もしくは非経口投与、好ましくは経口投与および静脈内投与 により生体内で使用してもよい。生体外での投与量は約10-4〜10-10モル濃 度であってもよく、生体内への投与量は投与経路によって左右され、約0.00 1〜300mg/kgであってもよい。 PNP抑制は酵素源としての子牛の脾臓と1mMリン酸塩溶液を利用する従来 法[J.C.シルカーら、J.Med.Chem.第29巻、第1804頁(1986 年)参照]の修正法により14C−グアノシンから形成される14C−リボース−1− ホスフェートを測定する放射化学的方法によって測定される。測定結果は、リボ ース−1−ホスフェートの生成を50%低減させるのに必要な化合物の濃度に対 応するIC50によって表示される。 本発明による化合物による2'−デオキシグアノシン(d−Guo)の細胞成長抑制 活性(細胞毒性)の助長は次のようにして決定される。MOLT−4細胞をRPM I−1640培地内で増殖させる。該細胞の懸濁培養に一定濃度(10mM)のd− Guoおよび種々の濃度の被験PNPインヒビターを添加する。細胞の増殖度は全 培養時間72時間のうちの最後の16時間にわたって3H−チミジンの添加によ って測定する。3H−チミジンの取込み度は液体シンチレーション分光測定法に よって評価する。このデータに基づき、3H−チミジンの取込み度を対照培養の 場合の50%まで低減させるのに必要なPNPインヒビターの濃度として計算す る。この方法はd−Guoの毒性の助長に対するPNPインヒビターの有効性を決 定するための従来法に類似する[I.S.カブマース、第24巻、第1137頁 〜第1139頁(1981年)参照]。 式(I)で表される化合物のT−細胞仲介疾患の生体内モデルにおける効力の例 証は接触性皮膚炎を患うジニトロフルオロベンゼン(DNFB)感作マウスを用い ておこなってもよい。DNFBは適当な賦形剤と配合して若い成育した雌のBal b/cマウスに1日目および2日目に局部的に塗布する。6日目に一方の耳にDN FBを塗布することによって該マウスを挑戦させる。本発明による化合物は適当 な賦形剤と配合して適当な経路から投与すればよい。該化合物の効力は種々の方 法によって決定することができるが、例えば耳の厚みをカリパスを用いて計測し てもよい。結果は炎症反応の低減率として表示される。この方法はWO94/2 3309に記載の方法に類似する。 一般式(I)で表される化合物の効能を次の文献に記載の方法に従い、アジュバ ント関節炎ラットにおいて調べた:B.B.ニューボールド、Br.J.Pharmac ol.、第21巻、第127頁〜第136頁(1963年)並びにC.M.パーソン およびF.D.ウッド、Arthritis Rheum、第2巻、第440頁〜第459頁 (1959年)。この方法は手短かに言えば次の通りである。雄のウィスターラッ ト(体重180〜200g)の尾の基底部にフロインドアジュバントを注射し、1 2日間経過後、応答するラットを無作為に選択して実験グループに分けた。12 日から実験終了の22日まで一般式(I)で表される化合物を1%メチルセルロー ス懸濁液として経口投与するか、または0.2%カルボキシメチルセルロース懸 濁液として腹腔内投与した。12日から2日毎に後脚の体積を測定し、実験終了 後に後脚のX線写真を撮った。実験結果は、12日目の後脚の体積に対する実験 終了後の後脚の体積の増加率(%)で示した。 PNP抑制は次の文献に実質上記載されたようにして、ラットの生体内におけ る被験化合物によって誘発される血漿中のイノシン濃度の測定によって決定する こともできる:エイジェンツ・アンド・アクションズ、第22巻、第379頁(1 987年)。 一般式(I)で表される化合物は当該分野のいずれかの適当な既知の方法および /または下記の方法(該方法も本発明の一部を成す)によって調製してもよい。 本発明の第2の観点によれば、前記の一般式(I)で表される化合物の製法が提 供される。式(I)で表される特定の立体異性体が必要な場合には、適当なホモキ ラル出発物質を用いて本発明による合成法を実施し、および/または異性体混合 物を常套の分離法(例えば、HPLC)によって分離してもよい。 本発明による化合物は以下の方法によって調製してもよい。以下の説明と化学 式において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、X、Y、 Z、n、m、p、qおよびtは特に指摘しない限り、前記と同意義である。以下の種 々の化合物に含まれる官能基(例えば、アミノ基、ヒドロキシル基またはカルボ キシル基等)を保持することが望ましい場合には、該官能基はいずれかの反応に 供する前に保護してもよい。この場合、保護基の脱離は特定の反応の最終段階で おこなってもよい。この種の官能基の適当な保護基は当業者には明らかであり、 詳細については例えば次の文献を参照されたい:「有機合成における保護基」、ウ ィリー、インターサイエンス、TW・グリーン、P.G.M.・ウッツ。 一般式(I)(式中、R1はNH2を示す)で表される化合物の製造法には次の一般 式(II)で表される化合物の脱保護過程が含まれる: (式中、R11は適当な不安定基、例えばエチル基のようなアルキル基およびベン ジル基のようなアリールアルキル基を示す) 脱保護反応はこのタイプの加水分解反応の場合の標準的な条件下でおこなえば よい。例えば、この反応は溶剤、例えば不活性有機溶剤含有水(該不活性溶剤と してはテトラヒドロフランのような環状エーテル等のエーテル、ジメチルホルム アミドのような置換アミド等のアミドおよびエタノールのようなアルコールが例 示される)中において、無機塩基(例えば炭酸カリウムや水酸化ナトリウム等)の 存在下、室温から溶剤混合物の還流温度の間の温度(好ましくは溶剤混合物の還 流温度)でおこなってもよい。 あるいは、R11が水素化に対して不安定な基を含む場合には、この反応は脱保 護法としておこなってもよい。例えば、この反応はエタノールのような不活性溶 剤中において、遷移金属触媒(例えば、カーボン担持パラジウム)の存在下、低 温(例えば、室温)でおこなってもよい。 式(I)で表される特定の立体異性体が必要な場合には、該立体異性体は常套の 分離法(例えば、高性能液体クロマトグラフィー)によって得てもよい。しかしな がら、所望により、カップリング反応において適当なホモキラル出発物質を用い ることによって式(I)で表される特定の立体異性体を得てもよく、これについて は以下に例示する。 一般式(II)で表される中間体は次の一般式(III)で表される中間体の転位によ って調製してもよい。 この転位反応は次の文献に概説されているようなこの反応の標準的な条件下で おこなってもよい:J.ヴァングら、J.Org.Chem.、第53巻、第5617 頁(1988年)。この反応は溶剤、例えば、不活性有機溶剤(例えば、テトラヒ ドロフランのような環状エーテル等のエーテル、ジメチルホルムアミドのような 置換アミド等のアミド、エタノールのようなアルコール)中において、無機塩基( 例えば、炭酸カリウムおよび水酸化ナトリウム)の存在下、室温から溶剤の還流 温度までの温度(好ましくは溶剤の還流温度でおこなってもよい。 一般式(III)で表される中間体は次の一般式(IV)で表されるチオ尿素から調製 してもよい: この変換は次の文献に概説されている手順に従っておこなってもよい:J.ヴ ァングら、J.Org.Chem.、第53巻、第5617頁(1988年)。例えば 、この反応は不活性有機溶剤(例えば、テトラヒドロフランのような環状エーテ ル等のエーテル、ジメチルホルムアミドのような置換アミド等のアミド、アセト ニトリル等のニトリル)の存在下、周囲温度(好ましくは20〜30℃)において 、ジイミド(例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド)の存在下でおこなっても よい。 本発明の別の観点によれば、式(II)で表される中間体は上述の手順を組み合わ せることによって式(IV)で表される中間体から調製してもよい。 一般式(IV)で表されるチオ尿素は次の一般式(V)で表されるアミンおよび式(V I)で表されるイソチオシアネートから調製してもよい: この変換は次の文献に概説されている手順に従っておこなってもよい:J.Or g.Chem.、第53巻、第5617頁(1988年)。例えば、この反応は不活性 有機溶剤(例えば、テトラヒドロフランのような環状エーテル等のエーテル、ア セトニトリル等のニトリル、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素)の存在下 、低温(好ましくは周囲温度)において、所望による塩基、例えばトリエチルアミ ンのようなアミン等の有機塩基の存在下でおこなってもよい。 一般式(VI)で表されるイソチオシアネートは次の文献に記載の一般的な方法に よって調製してもよい:J.ヴァング、J.Org.Chem.、第53巻、第561 7頁(1988年)。 一般式(V)で表されるアミンは次の一般式(VII)で表されるニトロ誘導体から 調製してもよい: 当業者には明らかなように、このタイプの還元反応は次の文献に概説されてい る数通りの方法によっておこなうことができる:アドヴァンスド・オーガニック ・ケミストリー(第4版)(J.マーチ著、ウィリー・インターサイエンス社発行 、第1216頁〜第1218頁。特に限定的ではないが、この変換反応は、例え ば 水を溶剤とし(所望により、有機溶剤、例えばテトラヒドロフランのような環状 エーテル等のエーテルまたはジメチルホルムアミドのような置換アミド等のアミ ド等を存在させてもよい)、チオ硫酸ナトリウムの存在下において加熱下(好まし くは65〜80℃)でおこなってもよい。 一般式(VII)で表されるニトロ誘導体は次の式(VIII)で表されるピリミジノン と式(IX)で表されるアミンとの反応によって調製してもよい: この反応は当業者には明らかな標準的な条件下でおこなってもよい。例えば、 この反応は溶剤、例えば不活性有機溶剤(例えば、テトラヒドロフランのような 環状エーテル等のエーテル、ジメチルホルムアミドのような置換アミド等のアミ ド、エタノールのようなアルコール等)中において、塩基、例えば、有機塩基(例 えば、トリエチルアミンまたはN−メチルモルホリンのような環状アミン等のア ミン等)の存在下、高温(好ましくは溶剤の沸点)でおこなってもよい。 ニトロ誘導体(VIII)(R1=NH2)の調製法は次の文献に記載されている:C. テンプルら、ヌクレイックアシッド・ケミストリー、第1巻、ウィリー・ニュー ヨーク発行(L.B.タウンセンドら編)、第47頁〜第52頁(1978年)。 本発明のさらに別の観点によれば、式(V)(R2=NH2)で表される中間体は次 の式(X)で表されるピリミジンから調製することもできる: この反応はこのタイプのアミノ化反応の標準的な条件下でおこなってもよい。 例えば、この反応は溶剤、例えば、水または有機酸、例えば、酢酸またはこれら の水性混合物中において、亜硝酸ナトリウムの存在下、低温(例えば、0℃)から 周囲温度(例えば10℃)でおこなってもよい。当業者には周知の後処理に付した 反応残渣は適当な溶剤、例えば、水に溶解させ、該溶液を所望による補助溶剤、 例えば、不活性有機溶剤(例えば、テトラヒドロフランのような環状エーテル等 のエーテル、ジメチルホルムアミドのような置換アミド等のアミド等)の存在下 、周囲温度から溶剤の還流温度までの温度の還元剤、例えば、チオ硫酸ナトリウ ムの存在下で処理する。 一般式(X)で表されるピリミジンは次の一般式(XI)で表される中間体および一 般式(IX)で表されるアミンから、一般式(VII)で表される中間体の調製の場合と 類似の条件と次の文献に記載の条件を用いて調製してもよい:C.W.ネルら、 J.Med.Chem.、第5巻、第558頁(1962年)。 一般式(IX)で表されるアミンは市販品として入手するか、または市販の原料化 合物を用いて当業者には既知の方法によって容易に調製することができる。この 場合、式(I)で表される化合物の単一の異性体を調製するためには出発原料とし てホモキラル化合物を用いてもよい。 本発明のさらに別の観点によれば、式(I)で表される化合物(式中、R1はHで あり、R2はHまたはNH2である)は一般式(XII)で表される中間体から加水分解 を経由して調製することができる: 加水分解反応はこのタイプの加水分解反応の場合の標準的な条件を用いておこ なってもよい。例えば、この反応は、溶剤(例えば、水)中において、所望による 補助溶剤、例えば、不活性溶剤(例えば、メタノールのようなアルコール、ジメ チルホルムアミドのような置換アミド等のアミド)の存在下、加熱下(例えば、溶 剤の沸点)で塩基を含有する無機水酸化物、例えば、水酸化ナトリウムの存在下 でおこなってもよい。 一般式(XII)で表される中間体は次の一般式(XIII)で表されるプリンおよび一 般式(XIV)(式中、R12はハロゲン原子または適当な脱離基、例えば、メタンス ルホネートのようなアルキルスルホネートエステルまたは4−トルエンスルホネ ートのようなアリールスルホネートエステルを示す)で表される中間体のカップ リングによって調製してもよい。 一般式(XIII)で表される中間体は市販品として入手するか、または当業者に は周知の調製法によって得てもよい。 このカップリング反応はこのタイプの反応の場合の標準的条件下でおこなって もよい。例えば、この反応は溶剤、例えば、不活性有機溶剤、例えば、エーテル (例えば、テトラヒドロフランのような環状エーテル)、アミド(例えば、ジメチ ルホルムアミドのような置換アミド)またはアルコール(例えば、メタノール)を 使用し、適当な塩基、例えば、無機塩基(例えば、炭酸ナトリウム)または有機塩 基(例えば、トリエチルアミンのようなアミン)の存在下において、周囲温度から 溶剤の還流温度までの温度(好ましくは、80℃)でおこなってもよい。 一般式(XIV)で表される中間体は市販品として入手するか、または当業者には 既知の方法によって市販の原料化合物から容易に調製することができる。この場 合、式(I)で表される化合物の単一の異性体を調製するためには出発原料として ホモキラル化合物を用いてもよい。 本発明のさらにまた別の観点によれば、式(I)で表される化合物(式中、R1お よびR2は同一または異なっていてもよく、HまたはNH2を示す)は次の一般式( XV)で表される中間体から脱保護を経由して調製してもよい。 上記の式(XV)において、R13はベンジル基または置換ベンジルのような基を 示し、この種の基は該基を脱離させる場合の標準的条件を用いて脱離させること ができる。例えば、この反応は溶剤、例えば、エタノールのようなアルコールを 使用し、所望による酸、例えば、塩酸のような無機酸の存在下において、触媒、 例えば、カーボン担持パラジウム触媒の存在下、水素雰囲気下において周囲温度 でおこなってもよい。 一般式(XV)で表される中間体は次の一般式(XVI)で表されるプリンを一般式 (XIV)で表される中間体(式中、R3、R4、R5およびR12は前記と同意義であっ てもよく、あるいは脱保護によって顕在化するマスクされた基であってもよい) とカップリングさせることによって調製してもよい: このようなマスクされた基としては、特に限定的ではないが、カーボン担持パ ラジウム触媒のような金属触媒の存在下での還元剤(例えば水素ガス)を用いる処 理によってアルキル部分に変換できる不飽和アルキル部分が例示される。 このカップリング反応はこのタイプの反応の場合の標準的な条件下でおこなっ てもよい。例えば、この反応は溶剤、例えば、不活性有機溶剤、例えば、アミド (例えば、ジメチルホルムアミドのような置換アミド)を用い、適当な塩基、例え ば、水素化ナトリウムのような無機塩基の存在下において、周囲温度から溶剤の 還流温度までの温度(好ましくは、80℃)でおこなってもよい。 一般式(XVI)で表される中間体は次の文献に記載の方法の修正法によって調製 してもよい:S.ラムら、Heterocycles、1978、22(1984年);M.Y .チャエら、J.Med.Chem.、359、38(2)(1995)。 式(I)で表される化合物は式(I)で表される別の化合物の相互変換によって調 製してもよい。例えば、式(I)で表される化合物(式中、R1はハロゲン原子、例 えば、臭素原子を示し、R2はHまたはNH2を示す)は式(I)で表される化合物( 式中、R1はHを示し、R2はHまたはNH2を示す)のハロゲン化(例えば、臭素 水を周囲温度での臭素化)によって調製してもよい。同様に、式(I)においてR1 がNH2である化合物は、式(I)においてR1がハロゲン原子(例えば、臭素原子) である化合物の水酸化アンモニウムを用いる150℃でのアミノ化によって調製 してもよい。 この場合、該反応においては、好ましいものとして先に例示した化合物を生成 させるような出発物質を用いるのが有利である。 本発明はいずれかの新規な出発物質およびこれらの製造法にも関する。 最終的に得られる生成物または中間体の混合物は、その構成成分の物理化学的 な差異に基づいて既知の方法、例えば、クロマトグラフィー、蒸留、分別晶出、 または所定の条件下で可能であるならば塩形成等によって純粋な生成物または中 間体を分離することができる。 本発明による化合物または中間体はこれらの晶出に使用された水和物またはそ の他の溶媒和物の形態で得ることもできる。 本発明は先に概説したように、プリンヌクレオシドホスホリラーゼに関連する 障害または疾患で患う患者(ヒトおよび/または乳製品、肉製品もしくは毛皮製 品に関連する分野で問題となる哺乳動物またはペットとしての哺乳動物を含む) の処置法、特に式(I)で表されるプリンヌクレオシドホスホリラーゼインヒビタ ーを活性成分として投与することを含む処置法に関する。 従って、式(I)で表される化合物は特に以下に例示する疾患の処置に用いるこ とができる:自己免疫疾患、移植拒絶反応、乾癬、痛風、リウマチ性関節炎、重 症筋無力症、I型糖尿病、慢性円板状エリテマトーデス、全身性狼瘡紅斑、多発 性硬化症、T細胞癌(特に限定的ではないが、T細胞白血病および皮膚浸潤性T 細胞リンパ腫を含む)、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎またはその他の慢性ア レルギー性疾患、例えば、喘息、湿疹、過敏性腸疾患およびマラリア。さらに、 本発明による式(I)で表される化合物は、PNPによって代謝分解される抗ウイ ルス性または抗腫瘍性プリンヌクレオシドの抗ウイルス性効果または抗腫瘍性効 果を助長させるのに使用できる。 従って、本発明の別の態様は哺乳類における抗ウイルス性または抗腫瘍性プリ ンヌクレオシドの加リン酸分解および代謝分解の抑制法であって、本発明による 化合物または該化合物と製剤学的に許容される1種または複数種のキャリアとの 混合物をプリンヌクレオシドホスホリラーゼを有効に抑制する量で該ヌクレオシ ドを必要とする哺乳類に該ヌクレオシドとは別々または一緒に投与することを含 む該抑制法に関する。特に、当該分野において既知のプリンヌクレオシド、例え ば、2'−デオキシグアノシン、2',3'−ジデオキシイノシン、2',3'−ジデ オキシグアノシンまたは2',3'−ジデオキシアデノシン等の加リン酸分解およ び代謝分解の抑制法に関する。 さらに、本発明は哺乳類における2'−もしくは3'−モノデオキシプリンヌク レオシドまたは2',3'−ジデオキシプリンヌクレオシドの抗ウイルス性効果も しくは抗腫瘍効果の助長法であって、本発明による化合物、好ましくは製剤学的 に許容される1種または複数種のキャリアと該化合物をプリンヌクレオシドホス ホリラーゼを有効に抑制する量で該ヌクレオシドを必要とする哺乳類に該ヌクレ オシドとは別々または一緒に投与することを含む該助長法に関する。特に、当該 分野において既知の2',3'−ジデオキシプリンヌクレオシド、例えば、レトロ ウイルス感染症、例えば、HIV−レトロウイルス感染症[後天性免疫不全症候 群(AIDS)]を処置するための2',3'−ジデオキシイノシン、2',3'−ジデ オキシグアノシンまたは2',3'−ジデオキシアデノシンの効果を助長もしくは 強化する方法に関する。2',3'−ジデオキシプリンヌクレオシドは当該分野に おいてはHIVレトロウイルス感染能のインヒビターであって、PNPによって 代謝分解されることが知られている[例えば、バイオケミカル・ファーマコロジ ー、第22巻、第3797頁(1987年)参照]。この種のヌクレオシドは製剤 学的に許容される投与量であって、HIV−レトロウイルス感染能を抑制するの に有効な量で投与される。 本発明はさらに、ヒトを含む哺乳類に経腸的、例えば経口的もしくは経直腸的 、局所的および非経口的に投与するか、または吸入噴霧的に投与するのに適した 形態を有し、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ活性を抑制して該活性に起因す る疾患の処置に有用な薬剤組成物であって、有効量の本発明による薬理学的活性 化合物を単独または1種もしくは複数種の製剤学的に許容されるキャリアと共に 含有する組成物に関する。非経口的投与には皮下注射、静脈内注射、胸骨内注射 および輸液法が含まれる。 前記の活性成分を含有する薬剤組成物は経口投与用に適した形態に調製しても よく、このような形態としてはタブレット、トローチ、ドロップ、水性もしくは 油性懸濁液、分散性の粉末もしくは顆粒、エマルション、硬質もしくは軟質のカ プセル、シロップおよびエリキシル等が例示される。経口投与用組成物は薬剤組 成物の製造分野において既知のいずれかの方法によって調製すればよく、また、 このような組成物には、製剤学的に上品で風味のある製剤とするために、甘味剤 、香味剤、着色剤および防腐剤から成る群から選択される1種または2種以上の 添加剤を適宜配合してもよい。タブレットには、活性成分と共にタブレットの製 造に適した非毒性の製剤学的に許容される賦形剤を配合する。賦形剤としては不 活性希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カ ルシウムおよびリン酸ナトリウム)、造粒剤および崩壊剤(例えば、コーンスター チ、アルギン酸)、結合剤(例えば、デンプン、ゼラチンおよびアカシア)および 潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸およびタルク)等が例 示される。タブレットは被覆しなくてもよいが、既知の方法によって被覆するこ とに より胃腸管内の崩壊と吸収を遅延させることによって活性成分を長期間にわたっ て徐放させてもよい。例えば、遅延剤としてモノステアリン酸グリセリンまたは ジステアリン酸グリセリンを用いてもよい。タブレットは米国特許第4,256, 108号、同第4,166,452号および同第4,265,874号各明細書に記 載の方法によって被覆することにより、浸透性の徐放性治療錠にしてもよい。 経口用組成物は硬質ゼラチンカプセル(この場合、活性成分は固体状の不活性 希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリン等と混合す る)または軟質カプセル(この場合、活性成分は水または油性媒体、例えば、ピー ナッツオイル、流動パラフィンまたはオリーブ油等と混合する)の形態で提供し てもよい。 水性懸濁液には活性成分と共に、水性懸濁液の調製に適した賦形剤を配合する 。このような賦形剤としては沈澱防止剤(例えば、カルボキシメチルセルロース ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポ リビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアカシアゴム)および分散剤もし くは湿潤剤が例示される。分散剤もしくは湿潤剤としてはレシチンのような天然 に存在するホスファチド、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合物(例えば、ポ リオキシエチレンステアレート)、エチレンオキシドと脂肪族長鎖アルコールと の縮合物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)および脂肪酸とヘキシ トールから誘導される部分エステルとエチレンオキシドとの縮合物、例えば、脂 肪酸と無水ヘキシトールから誘導される部分エステルとポリオキシエチレンとの 縮合物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)等が例示される 。水性懸濁液には1種または2種以上の防腐剤(例えば、エチルp−ヒドロキシ ベンゾエート、n−プロピルp-ヒドロキシベンゾエート)、1種または2種以上の 着色剤、1種または2種以上の香味剤、1種または2種以上の甘味剤(例えば、 スクロースまたはサッカリン)を配合してもよい。 油性懸濁液は、活性成分を植物油(例えば、ピーナッツオイル、オリーブ油、 ゴマ油、ヤシ油)または鉱物油(例えば、流動パラフィン)に懸濁することによっ て調製してもよい。油性懸濁液には増粘剤、例えば、蜜ロウ、硬質パラフィンま たはセチルアルコールを配合してもよい。前記のような甘味剤および香味剤を配 合することによって風味のある経口製剤を調製してもよい。これらの組成物は、 アスコルビン酸のような抗酸化剤を添加して保存してもよい。 水の添加によって水性懸濁液を調製するのに適した分散性の粉末および顆粒に は活性成分のほかに分散剤もしくは湿潤剤、沈澱防止剤および1種または2種以 上の防腐剤を配合する。適当な分散剤もしくは湿潤剤および沈澱防止剤は先に例 示した。甘味剤、香味剤および着色剤を配合してもよい。 本発明による薬剤組成物は水中油形エマルションの形態であってもよい。油性 相は植物油(例えば、オリーブ油、ピーナッツオイル)、鉱物油(例えば、流動パ ラフィン)またはこれらの混合物であってもよい。適当な乳化剤としては天然ゴ ム(例えば、アカシアゴム、トラガントゴム)、天然ホスファチド(例えば、大豆 ホスファチド、レシチン)、脂肪酸と無水ヘキシトールから誘導される完全エス テルもしくは部分エステル(例えば、ソルビタンモノオレエート)および該部分エ ステルとエチレンオキシドとの縮合物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタン モノオレエート)が例示される。このエマルションには甘味剤や香味剤を配合し てもよい。 シロップおよびエリキシルは甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレングリ コール、ソルビトールまたはスクロースを用いて調製してもよい。この種の組成 物には粘滑剤、防腐剤、香味剤および着色剤を配合してもよい。 薬剤組成物は注射可能な無菌水性もしくは油性懸濁液の形態であってもよい。 この種の懸濁液は前記の適当な分散剤もしくは湿潤剤および沈澱防止剤を使用し 、既知の方法によって調製すればよい。注射可能な無菌製剤は、非毒性の製剤学 的に許容される希釈剤もしくは溶剤、例えば、1,3−ブタンジオールを媒体と する注射可能な無菌溶液または懸濁液であってもよい。この場合に使用してもよ い賦形剤および溶剤としては、水、リンゲル液および等張性塩化ナトリウム溶液 等が例示される。さらに、無菌不揮発油を溶剤または懸濁媒体として用いてもよ い。この種の不揮発油としては、合成のモノグリセリドやジグリセリドを含む刺 激の少ないいずれの不揮発油を用いてもよい。また、注射用組成物の調製には葉 酸の ような脂肪酸を用いてもよい。 式(I)で表される化合物は、経直腸投与用の坐剤形態で投与してもよい。この 種の組成物は、常温では固体であるが、直腸内の温度では液体となる適当な無刺 激性賦形剤と活性成分と混合することによって調製することができ、該組成物は 直腸内で融解して活性成分を放出する。適当な賦形剤としてはココア乳脂および ポリエチレングリコールが例示される。 局所的用途には、式(I)で表される化合物を含有するクリーム、軟膏、ゼリー 、溶液または懸濁液等を用いればよい。このような局所的な投与態様には、含嗽 剤やうがい剤としての使用が含まれる。 前述の疾患や病状を処置するのに有効な1日あたりの投与量は、患者の体重1 kgあたり約0.05mg〜約140mgである(1日あたりの患者への投与量:約2 .5mg〜約7g)。例えば、リウマチ様関節炎は、式(I)で表される化合物を患者 の体重1kgあたり約0.01mg/日〜約50mg/日投与することによって効果的 に処置することができる(1日あたりの患者への投与量:約0.5mg〜約3.5g) 。 単一投与形態の組成物にキャリヤーと共に配合される活性成分の量は処置され る患者の個体差や投与様式の相違によって変化し、例えば、ヒトの経口投与する ための組成物の場合には、全組成物の約5〜約95%である。単位投与形態の組 成物中の活性成分の量は、一般的には約1mg〜約500mgである。 しかしながら、個々の患者に対する具体的な投与量は種々の要因によって左右 される。このような要因には、使用する特定の化合物の活性、患者の年齢、体重 、全身的健康状態および性別、投与のダイエット時間、投与経路、排泄速度、併 用薬剤の種類および治療を受ける特定の疾患の痛みの程度等が含まれる。 PNPの生体外アッセイは96ウェルプレートを使用し、50mM HEPE S(pH 7.4)および1mMリン酸カリウムを最終容積100mlで含有するアッセ イ緩衝液中でおこなった。子牛の脾臓PNP(0.002ユニット/ml)を1mM DTT含有アッセイ緩衝液を用いて調製し、インヒビターの存在下または不存在 下において37℃で15分間前保温した。インヒビターは最初にDMSO中へ溶 解させた後、アッセイ緩衝液を用いて最終濃度が10%になるように希釈した。 反応は、非標識化グアノシン(0.1mM)と[U−14C]グアノシン(〜100,00 0dpm)との混合物から成る基質溶液の添加によって開始させ、37℃で10分間 保温した。アッセイは200mlの活性炭[50mg/ml(8M蟻酸)]を用いて終結さ せ、試料を室温で10分間保温した後、遠心分離処理(3500rpm)に20分間 付した。遊離の[14C]リボース−1−ホスフェートを含有する上澄み試料につい て液体シンチレーション計数器を用いて2分間計数した。 細胞に基づくアッセイは96ウェルプレート内においてヒトの懸濁セルライン MOLT−4(Tリンパ球)およびNC37(Bリンパ球)を用いておこなった。被 験化合物をDMSOに溶解させ、該溶液はRPMI 1640培地を用いて最終 的なDMSO濃度が0.5%になるように希釈した。細胞は、10mM2'−デオ キシグアノシン(dGuo)を含有するか、または含有しないRPMI 1640培地 中、被験化合物の存在下または不存在下において5×104/ウェル(MOLT− 4およびTHP−1)または2×104/ウェル(NC37)の量で3重に塗布した 。培養はCO2を5%含む雰囲気下において37℃で72時間保温した。この場 合、最後の16時間においてはウェルあたり0.5mCiの3H−チミジンを用い る標識化処理をおこなった。細胞はフィルター上に収集した後、シンチレーショ ン計数器を用いて計数した。 DNFBモデルは次のようにしておこなった。雌のBalb/cマウス(体重:20 g)は、0.5%2,4−ジニトロフルオロベンゼン(DNFB)25mlを1日目に腹 部の毛が短く刈り込まれた部分に塗布することによって感作させた。6日目に0 .6%DNFBを左側の耳に塗布することによってマウスを挑戦させた。局部投 与をするために、被験化合物をアセトンに溶解させ、該溶液をDNFBを用いて 挑戦させてから30分間経過後に左側の耳に塗布した後、さらに6時間経過後に 該溶液を再び塗布した。経口投与または腹腔内投与の場合には、被験化合物は1 〜6日目において毎日2回投与した。DNFBを用いる挑戦から24時間経過後 、マウスを屠殺し、各々の耳から6mm径のパンチを用いて組織を採取して秤量し た。 アジュバント関節炎ラットモデルは前述の一般的な方法によって処理した。こ の処理は手短かに言えば次の通りである。雄のウィスターラット(体重:180〜 200g)の尾の基底部にフロインドアジュバント(牛酪菌の軽ホワイトオイル中 への懸濁液0.1ml)を皮下注射した(この時点を実験の0日目とする)。12日目 にポジティブな反応(後脚の体積増加率:20%)を示すラットを統計的に等しい 体重と後脚の体積に基づいてグループ分けした。被験化合物を1日あたり2回腹 腔内へ投与した。対照ラットには賦形剤のみを投与した。後脚の体積は実験の1 4日目、16日目、18日目および22日目においてプレチスモグラフィーによ って測定した。結果は12日目の後脚の体積に対する体積増加率で示す。実験の 最終日にはラットを屠殺し、後脚の平面X線写真を撮った。X線写真は二人の熟 練オペレーターによって独立して盲検方式でコード化されて検査され、疾患の程 度に応じて評点された(0=正常なラット;10=骨損傷、重度のびらんおよび 著しい骨増殖体の形成を示す重症ラット)。これらの視覚によるアナログスコア( VAS)は3回の独立した評点と二人のオペレーターの評点について平均した。 以下の実施例は化学式(I)の化合物の製造について例示することを意図するも のであって、それ自体、請求項に記載の発明を制限するものではない。 実施例中において、ジシクロヘキシルカルボジイミドは「DCC」と略記する。 中間体1 メタンスルホニルオキシ−3,3−ジメチルブタン 3,3−ジメチル−1−ブタノール(2ml)をジクロロメタン(48ml)に溶 解させた溶液に窒素雰囲気下において撹拌下でトリエチルアミン(4.64ml) を添加し、得られた溶液を0℃まで冷却し、該溶液にメタンスルホニルクロリド (1.28ml)をシリンジを用いて滴下し、この溶液を18時間撹拌して反応物 を室温にした。反応物をシリカ上で濃縮させた後、フラッシュクロマトグラフィ ーを用いて精製することによって標記化合物を黄色油状物[TLC(5%CH3O H/CH2Cl2)のRf値=0.15]として得た。 中間体2 2,8−ジアミノ−6−ベンジルオキシ−9−(3',3'−ジメチルブチル)プリ 2,8−ジアミノ−6−ベンジルオキシプリン[ラムら、ヘテロサイクルズ、1 978、22(1984年)参照](0.5g)をN,N−ジメチルホルムアミド(9m l)に溶解させた溶液に窒素雰囲気下において撹拌下で水素化リチウム(95%; 20.2mg)を添加し、この混合物を室温で1時間撹拌した。この反応物に中間 体1(0.4g)を添加し、得られた溶液を80℃まで加熱し、撹拌を18時間続 行した。反応物をシリカ上で濃縮させた後、フラッシュクロマトグラフィーを用 いて精製することによって標記化合物をベージュ色の固体[TLC(10%CH3 OH/CH2Cl2/1%NH3)のRf値=0.47]として得た。 中間体3 2,8−ジアミノ−6−ベンジルオキシ−9−(2'−メチルプロペニル)プリン 中間体3は中間体2の製造法に準拠して調製した。即ち、2,8−ジアミノ− 6−ベンジルオキシプリン(1g)、3−ブロモ−2−メチルプロペン(0.44m l)、LiH(40.4mg)およびジメチルホルムアミド(15ml)を用いて標記 化合物を黄色固体[TLC(3%CH3OH/CH2Cl2/1%NH3)のRf値= 0.32]として得た。 中間体4 2−アミノ−6−ヒドロキシ−4−(3'−メチルブチルアミン)−5−ニトロ ピリミジン 2−アミノ−4−クロロ−6−ヒドロキシ−5−ニトロピリミジン(4g)、3 −メチルブチルアミン(1.8g)およびトリエチルアミン(6ml)を5時間加熱 還流させた後、反応物をエタノール中において室温で1夜撹拌させた。沈殿物を 濾取し、水洗後、乾燥処理に付すことによって標記化合物を黄色固体[TLC(5 %CH3OH/CH2Cl2)のRf値=0.2]として得た。 中間体5 2−アミノ−4−(3'−メチルブチルアミノ)−5−[1−[3−(エトキシカ ルボニル)チオウレイド]]ピリミジン−6−[1H]−オン 中間体4(3.5g)を水(50ml)とN,N−ジメチルホルムアミド(50ml )混合液中で80℃まで加熱し、チオ硫酸ナトリウム(21g)を滴下した。1時 間後、アセトニトリル(100ml)を添加し、次いでエトキシカルボニルイソチ オ シアネート(6g)を添加し、この混合物を4時間加熱還流させた。反応物を水( 1リットル)中に注ぎ、沈殿物を濾取し、水洗後、乾燥処理(真空下、50℃)に 付すことによって標記化合物を白色粉末[TLC(10%CH3OH/CH2Cl2 )のRf値=0.5]として得た。 中間体6 エチル6−アミノ−4−(3'−メチルブチルアミノ)オキサゾロ[5,4d]−ピ リミジン−2−カルバメート 中間体5(1.6g)とDCC(2.9g)をN,N−ジメチルホルムアミド(30m l)中において乾燥窒素雰囲気下で28時間撹拌した後、溶剤を真空下で除去し 、残渣を加温したトルエン中で1時間撹拌した。不溶物を補集し、これを新鮮な トルエンを用いて洗浄した後、真空下、50℃で乾燥させることによって標記化 合物をバフ色固体[TLC(10%CH3OH/CH2Cl2)のRf値=0.4]とし て得た。 実施例1 8−アミノ−9−(3',3'−ジメチルブチル)グアニンジヒドロクロリド 中間体2(100mg)、エタノール(60ml)および1M塩酸(3ml)を混 合し、これを窒素気流中において室温で撹拌した後、カーボン担持パラジウム( 10%)触媒(60mg)を添加し、この混合物を水素雰囲気下において3日間撹 拌した。反応混合物をセライトを用いる濾過処理に付し、濾液を真空下で濃縮す ることによって標記化合物を灰白がかった固体として得た。この生成物の物性は 次の通りである。 TLC(10%CH,OH/CH2Cl2,/1%NH3)Rf=0.0 1HNMR(DMSO,200MHz)0.95(9H,s),1.55(2H,m),3.9(2H,m),6.9(2H,br.s), 8.2(2H,br.s),11.25(1H,br.s) 実施例2 8−アミノ−9−(2'−メチルプロピル)グアニンジヒドロクロリド 実施例1記載の手順に準拠して、中間体3(100mg)、10%Pd/C(6 0mg)、エタノール(60ml)および1M塩酸(3ml)を用いて標記化合物を 灰色がかった白色固体として得た。この生成物の物性は次の通りである。 TLC(10% CH3OH/CH2Cl2/1%NH3)Rf=0.0 1H NMR(DMSO,200MHz)0.85(6H,d),2.15(1H,m),3.7(2H,d),6.9(2H,br.s), -8.05(2H,br.s),11.15(1H,br.s) 実施例3 8−アミノ−9−(3'−メチルブチル)グアニン 中間体6(1.2g)をメタノール(30ml)中において炭酸カリウム(1.6g) と共に8時間加熱還流させた。溶剤を真空下で除去して得られた黒色固体に水( 30ml)を加え、この黒色反応混合物を14時間加熱還流させ、生成した固体 を濾取して水洗処理に付すことによって標記化合物を淡黄色固体として得た。こ の生成物の物性は次の通りである。 TLC(10% CH3OH/CH2Cl2)Rf=0.1 1H NMR(DMSO,200MHz)0.95(6H,d),1.5(3H,m),3.8(2H,m),6.0(2H,br.s), 6.35(2H,br.s),10.9(1H,br.s) 実施例4 8−アミノ−9−(3'−メチルブチル)グアニンジヒドロクロリド 実施例3で得られた生成物(0.2g)を乾燥メタノール(15ml)に加え、窒 素雰囲気下において氷浴中で冷却させ、これに塩化アセチル(0.2ml)を添加 し、この混合物を室温で0.25時間撹拌した後、溶剤を除去し、生成した固体 をメタノールを10%含有する酢酸エチルから再結晶させることによって標記化 合物を淡黄色固体として得た。この生成物の物性は次の通りである。 TLC(10% CH3OH/CH2Cl2/ 1%NH3)Rf=0.0 1H NMR(DMSO,200 MHz)0.95(6H,d),1.6(3H,m),3.95(2H,br.t),7.2 (2H,br.s),8.4(2H,br.s),11.5(1H,br.s)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AU,AZ,BB ,BG,BR,BY,CA,CN,CZ,EE,GB, GE,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,K R,KZ,LK,LR,LS,LT,LV,MD,MG ,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,RO, RU,SD,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,T T,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 モンタナ,ジョン・ゲイリー イギリス、シービー4・4ダブリューイ ー、ケンブリッジ、ミルトン・ロード、ケ ンブリッジ・サイエンス・パーク、カイロ サイエンス・リミテッド内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.下記の一般式(I)で表される化合物およびその塩、溶媒和物もしくは水和 物: 式中、 n=1または2、 R1はH、NH2またはハロゲン原子を示し、 R2はHまたはNH2を示し R3はCR678(式中、R6、R7およびR8は同一または異なっていてもよく、 各々H、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルを示す)を示し、 R4およびR5は同一または異なっていてもよく、各々H、CO2H、CO21-6 アルキル、NHSO2CF3、テトラゾールまたは(CR910)p(Y)q(CR910) tZ[式中、(CR910)pまたは(CR910)tはpまたはtが1よりも大きいときに は置換基R9およびR10を有する直鎖または分枝鎖を示し、R9およびR10は同一 または異なっていてもよく、各々HまたはC0-6アルキル−Zを示す]を示し、 p=1〜3、 q=0または1、 t=0〜4(但し、q=1のときt>0)、 YはO、NHまたはS(O)m(式中、m=0〜2)を示し、 ZはH、CN、CO2H、CO216アルキル、NHSO2CF3、テトラゾール 、トリアゾール、CONH2、CON(C1-6アルキル)2、CONH(C1-6アルキ ル)、SO2NH(C1-6アルキル)またはSO2N(C1-6アルキル)2を示す。 2.8−アミノ−9−(3',3'−ジメチルブチル)グアニン、8−アミノ−9 −(2'−メチルプロピル)グアニン、8−アミノ−9−(3'−メチルブチル)グア ニンおよびこれらの塩から選択される請求項1記載の化合物。 3.単一もしくは混合鏡像体またはジアステレオマーの形態である請求項1ま たは2記載の化合物。 4.請求項1から3いずれかに記載の化合物および製剤学的に許容される希釈 剤またはキャリヤーを含有する治療用薬剤組成物。 5.T細胞の増殖に関連する疾患もしくはT細胞の増殖によって仲介される疾 患の処置もしくは予防または液素性(B細胞)免疫に軽減効果をもたらすことなく 哺乳類のT細胞の機能の選択的抑制のためのヒト用もしくは獣医用薬剤の製造に 請求項1から3いずれかに記載の化合物を使用する方法。 6.疾患が器官または組織(例えば、心臓、腎臓、肝臓、肺、骨髄、角膜、膵 臓、小腸、肢節、筋肉、神経、十二指腸、小腸(small−bowel)、皮膚、膵島細胞 等)の移植または移植拒絶(異種移植を含む)に対する耐性および骨髄移植による 移植片対宿主疾患から選択される請求項5記載の使用法。 7.疾患が自己免疫疾患、例えば、リウマチ性関節炎、全身性紅斑性狼瘡、ネ フローゼ症候群狼癒、橋本甲状腺炎、多発性重症筋無力症、I型真正糖尿病、II 型成人発病性糖尿病、ブドウ膜炎、ネフローゼ症候群、ステロイド依存性ネフロ ーゼ、ステロイド耐性ネフローゼ、掌蹠膿疱症、アレルギー性脳脊髄炎および糸 球体腎炎から選択される請求項5記載の使用法。 8.疾患が炎症性、増殖性または高増殖性皮膚疾患および免疫仲介病の皮膚発 現症、例えば乾癬、乾癬性関節炎、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎およびその 他の湿疹性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、扁平苔癬、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、表皮水 疱性、じんま疹、血管性浮腫、脈管炎、紅斑、皮膚好酸球増加症、ざ瘡、円形脱 毛症、好酸球性筋膜炎およびアテローム性動脈硬化症、雄型もしくは雌型脱毛症 および老人性脱毛性から選択される請求項5記載の使用法。 9.疾患が痛風である請求項5記載の使用法。 10.疾患が呼吸疾患、例えば類肉腫症、肺の類線維腫症、特発性間質性肺炎、 可逆性気道閉塞症(気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息、 塵埃喘息、特に慢性喘息、例えば後発性喘息および気道応答高進症を含む)およ び気管支炎から選択される請求項5記載の使用法。 11.疾患が虚血性肝損傷である請求項5記載の使用法。 12.疾患がウイルス性感染症、原生動物感染症およびマラリアから選択される 請求項5記載の使用法。 13.疾患が眼疾患、例えば角結膜炎、春季結膜炎、ベーチェット病に関連する ブドウ膜炎、角膜炎、疱疹性角膜炎、円錐角膜症、角膜上皮性異栄養症、角膜白 斑症、眼天疱瘡、モーレン潰瘍、強膜炎、グレーヴス眼病および重症眼内炎症か ら選択される請求項5記載の使用法。 14.疾患が粘膜または血管の炎症(例えば、ロイコトリエンB4仲介疾患、胃潰 瘍、虚血症および血栓症によってもたらされる血管損傷、虚血性腸疾患、炎症性 腸炎)、熱傷に関連する腸管病変およびサイトメガロウイルス性感染症、特にH CMV感染症から選択される請求項5記載の使用法。 15.疾患が腎疾患(間質性腎炎、グッドパスチャー症候群、溶血性尿毒症候群 および糖尿病性腎炎を含む)、神経疾患(多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、メ ニエール病および神経根症を含む)および内分泌疾患(甲状腺機能高進症およびバ セドウ病を含む)から選択される請求項5記載の使用法。 16.疾患が血液疾患(赤芽球癆、再生不良性貧血、低形成性貧血および無顆粒 球症を含む)から選択される請求項5記載の使用法。 17.疾患が呼吸疾患(類肉腫症、肺の類線維腫症および特発性間質性肺炎を含 む)から選択される請求項5記載の使用法。 18.疾患が皮膚疾患(皮膚筋炎、尋常性白斑、尋常性魚鱗癬、光線過敏症およ び皮膚浸潤性T細胞リンパ腫を含む)から選択される請求項5記載の使用法。 19.疾患がT細胞白血病およびT細胞癌から選択される請求項5記載の使用法 。 20.疾患が循環疾患(動脈硬化症、大動脈炎症候群、結節性多発動脈炎および 心筋症を含む)から選択される請求項5記載の使用法。 21.疾患がコラーゲン疾患(強皮症、ヴェゲナー肉芽腫症、シェーグレン病を 含む)、脂肪過多症、好酸球性筋膜炎、歯周病、ネフローゼ症候群、溶血性尿毒 症候群、および筋性ジストロフィから選択される請求項5記載の使用法。 22.疾患が腸の炎症/アレルギー、例えば小児脂肪便症、クローン病、腸の過 敏性症候群、潰瘍性大腸炎、直腸炎、好酸球胃腸炎、肥満細胞症および胃腸管か ら離れた発現症状を示す食物関連アレルギー性疾患、例えば、片頭痛、鼻炎およ び湿疹から選択された請求項5記載の使用法。 23.疾患が肝疾患、例えば免疫原疾患(例えば自己免疫性肝炎、原発性胆汁性 肝硬変および硬化性胆管炎を含む慢性自己免疫性肝疾患)、部分的肝切断、急性 肝壊死(例えば毒素によって惹起される壊死、ウイルス性肝炎、ショックおよび 無酸素症)、B型ウイルス肝炎、非A型/非B型肝炎および肝硬変から選択され る請求項5記載の使用法。 24.プリンヌクレオシドホスホリラーゼによって代謝される抗ウイルス剤との 共投与における請求項1から3いずれかに記載の化合物の使用法。 25.プリンヌクレオシドホスホリラーゼによって代謝される抗癌剤との共投与 における請求項1から3いずれかに記載の化合物の使用法。 26.臓器移植拒絶反応の処置に用いられる他の免疫抑制剤との共投与における 請求項1から3いずれかに記載の化合物の使用法。
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