JPH1059977A - チエノピリジン誘導体およびそれらを含んでなる医薬 - Google Patents

チエノピリジン誘導体およびそれらを含んでなる医薬

Info

Publication number
JPH1059977A
JPH1059977A JP9107139A JP10713997A JPH1059977A JP H1059977 A JPH1059977 A JP H1059977A JP 9107139 A JP9107139 A JP 9107139A JP 10713997 A JP10713997 A JP 10713997A JP H1059977 A JPH1059977 A JP H1059977A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
formula
compound
optionally substituted
substituted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP9107139A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Soda
隆 左右田
Haruhiko Makino
治彦 牧野
Atsuo Baba
厚生 馬場
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takeda Chemical Industries Ltd filed Critical Takeda Chemical Industries Ltd
Priority to JP9107139A priority Critical patent/JPH1059977A/ja
Publication of JPH1059977A publication Critical patent/JPH1059977A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 抗炎症剤、特に関節炎治療剤、また骨吸収抑
制剤、免疫抑制剤として有用な新規チエノピリジン誘導
体、その製造法及びそれを含有する抗炎症剤、骨吸収抑
制剤、免疫抑制剤の提供。 【解決手段】 下記式(I): [式中、YはC−G(Gはエステル化されていてもよい
カルボキシル基を示す)を、Xは酸素原子、酸化されて
いてもよいイオウ原子などを、Rは置換されていてもよ
いアミノ基または置換されていてもよい複素環基を示
す。環Bは置換されていてもよい窒素原子を含む5〜7
員環を形成していることを示し、Mは水素原子、置換さ
れていてもよいアシル基、置換されていてもよいカルバ
モイル基などを、nは0または1を示す。環Aは置換基
を有していてもよい。]で表される化合物もしくはその
塩、その製造法およびそれを含有してなる抗炎症剤、骨
吸収抑制剤および免疫抑制剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗炎症剤、特に関
節炎治療剤として有用な、また、骨吸収抑制作用を有
し、骨粗鬆症予防・治療剤として有用な、さらには免疫
抑制剤としても有用な新規チエノピリジン誘導体または
その塩に関する。
【0002】
【従来の技術】関節炎は、関節の炎症性疾患であり、主
な疾患としては、リウマチ様関節炎や関節に炎症の認め
られるその類縁疾患があげられる。とりわけ、リウマチ
様関節炎は、慢性関節リウマチともいわれ、関節内包層
の滑膜における炎症性変化を主要病変とする慢性多発性
関節炎である。リウマチ様関節炎などの関節炎は、進行
性であり、関節の変形、強直などの関節障害を来たし、
効果的な治療がなされずに悪化すれば、重症の身体障害
にいたることも多い。従来、これらの関節炎の治療に当
たっては、薬物療法として、副腎皮質ホルモンなどのス
テロイド(例、コーチゾン等)、非ステロイド系抗炎症
剤(例、アスピリン、ピロキシカム、インドメタシン
等)、金剤(例、金チオマレート等)、抗リウマチ剤
(例、クロロキン製剤、D−ペニシラミン等)、抗痛風
剤(例、コルヒチン等)、免疫抑制剤(例、サイクロホ
スファマイド、アザチオプリン、メトトレキセート、レ
バミソール等)などが用いられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の薬剤は重篤なあるいは長期的使用を困難にさせる副作
用があったり、効果が不十分であったり、あるいは既に
発症している関節炎に対しては有効ではないなどの問題
点があった。従って、関節炎の臨床においては、低毒性
でかつ関節炎に対する予防、治療に優れた薬剤が今なお
望まれている。
【0004】従来、チエノ[2,3−b]ピリジン誘導体と
しては、例えば、ビュレチン・オブ・ザ・ケミカル・ソサエ
ティー・オブ・ジャパン〔(Bull. Chem. Soc. Jpn.)、61
巻、4431頁(1988年)〕、ケミカル・アンド・ファーマシ
ューティカル・ビュレチン〔(Chem. Pharm. Bull.)、36
巻、4389頁(1988年)〕、フォスホラス・サルファー・ア
ンド・シリコン〔(Phosphorus, Sulfur, and Silicon)、
73巻、127頁(1992年)〕、ケミカル・アンド・ファーマシ
ューティカル・ビュレチン〔(Chem. Pharm. Bull.)、40
巻、1376頁(1992年)〕およびキム・ゲテロトシクル・ソエ
ディン〔(Khim. Geterotsikl. Soedin.)、1巻、124頁
(1987年)〕に記載の化合物が合成されている。しか
し、これらはチエノ[2,3−b]ピリジン骨格6位の置換
基がメチル基に限定されている。また、これら公知のチ
エノピリジン誘導体に関しては抗炎症作用、骨吸収抑制
作用、免疫抑制作用についての記載はない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、一般式
(I)で表される新規チエノピリジン誘導体が、抗関節
炎作用を有し関節破壊抑制剤として、また、骨に直接作
用する優れた骨吸収抑制作用を有し、骨吸収抑制剤とし
て、さらには免疫抑制剤として有用であることを見いだ
し本発明を完成した。すなわち本発明は、(1)一般式
(I):
【化22】 [式中、YはC−G(Gはエステル化されていてもよい
カルボキシル基を示す)を、Xは酸素原子、酸化されて
いてもよいイオウ原子または −(CH2)q−(qは0
から5の整数を示す)を、Rは置換されていてもよいア
ミノ基または置換されていてもよい複素環基を示す。環
Bは置換されていてもよい窒素原子を含む5〜7員環を
形成していることを示し、Mは水素原子、置換されてい
てもよいアシル基、置換されていてもよいカルバモイル
基、置換されていてもよいチオカルバモイル基、置換さ
れていてもよいアルコキシカルボニル基または置換され
ていてもよいスルホニル基を、nは0または1を示す。
環Aは置換基を有していてもよい。]で表される化合物
またはその塩、(2)Rで示される置換されていてもよ
いアミノ基が、−N(R1)(R2)(式中、R1およびR
2は、それぞれ同一または異なって、水素原子、それぞ
れ置換されていてもよい炭化水素残基、アシル基、スル
ホニル基もしくは置換されていてもよい複素環基を示
し、またはR1とR2が互いに結合して含窒素5〜7員環
を形成していてもよい)であり、Rで示される置換され
ていてもよい複素環基が、それぞれ同一または異なっ
て、芳香族単環式複素環基、芳香族縮合複素環基または
非芳香族複素環基であり、環Bで示される置換されてい
てもよい5〜7員環が、置換されていてもよい1個の窒
素原子を含む6員複素環であり、環Aが、ハロゲン原
子、ニトロ基、置換されていてもよいアルキル基、置換
されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよい
チオール基、置換されていてもよいアミノ基、置換され
ていてもよいアシル基、エステル化されていてもよいカ
ルボキシル基または置換されていてもよい芳香族環基で
置換されていてもよい上記(1)記載の化合物またはそ
の塩、(3)R1またはR2で示される置換されていても
よい炭化水素残基が、置換されていてもよいC1-6アル
キル基であり、R1またはR2で示される置換されていて
もよい複素環基が2〜3個のヘテロ原子を含む芳香族5
員複素環基である上記(2)記載の化合物またはその
塩、(4)Rで示される置換されていてもよい複素環基
が、(i)1個の硫黄、窒素もしくは酸素原子を含む5〜
7員複素環基、(ii)2〜4個の窒素原子を含む5〜6員
複素環基、(iii)1〜2個の窒素原子および1個の硫黄
もしくは酸素原子を含む5〜6員複素環基または(iv)上
記3種の複素環基のいずれかが2個以下の窒素原子を含
む6員環、ベンゼン環もしくは1個の硫黄原子を含む5
員環と縮合したものである上記(1)記載の化合物また
はその塩、(5)Xが−(CH2)q−(qは0〜3の整
数を表す)である上記(1)記載の化合物またはその
塩、
【0006】(6)qが0である上記(5)記載の化合
物またはその塩、(7)GがC1-6アルコキシカルボニ
ル基である上記(1)記載の化合物またはその塩、
(8)環Aの置換基がC1-6アルコキシ基またはヒドロ
キシ基である上記(2)記載の化合物またはその塩、
(9)式(I)で示される化合物が、7−ベンゾイル−
2−(N,N−ジエチルアミノメチル)−4−(3,4
−ジメトキシフェニル)−5,6,7,8−テトラヒド
ロチエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジン−3
−カルボン酸エチル、7−(4−クロロベンゾイル)−
2−(N,N−ジエチルアミノメチル)−4−(3,4
−ジメトキシフェニル)−5,6,7,8−テトラヒド
ロチエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジン−3
−カルボン酸エチル、2−(N,N−ジエチルアミノメ
チル)−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,
6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−b:5,4
−c’]ジピリジン−3−カルボン酸エチル、2−
(N,N−ジエチルアミノメチル)−4−(3,4−ジ
メトキシフェニル)チエノ[2,3−b:5,4−
c’]ジピリジン−3−カルボン酸エチル、2−(N,
N−ジエチルアミノメチル)−4−(3,4−ジメトキ
シフェニル)−7−フェニルカルバモイル−5,6,
7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−b:5,4−
c’]ジピリジン−3−カルボン酸エチル、7−アセチ
ル−2−(N,N−ジエチルアミノメチル)−4−
(3,4−ジメトキシフェニル)−5,6,7,8−テ
トラヒドロチエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリ
ジン−3−カルボン酸エチル、7−(4−クロロベンゾ
イル)−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,
6,7,8−テトラヒドロ−2−[3−(1,2,4−
トリアゾール−1−イル)プロピル]チエノ[2,3−
b:5,4−c’]ジピリジン−3−カルボン酸エチ
ル、7−(4−クロロベンゾイル)−4−(3,4−ジ
メトキシフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−
2−[4−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブ
チル]チエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジン
−3−カルボン酸エチル、または4−(4−エチルフェ
ニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−(N,N
−ジエチルアミノメチル)チエノ[2,3−b:5,4
−c’]ジピリジン−3−カルボン酸エチルである上記
(1)記載の化合物、(10)式(II−1):
【化23】 [式中、M1は置換されていてもよいアシル基、置換さ
れていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよい
アルコキシカルボニル基、置換されていてもよいスルホ
ニル基または置換されていてもよいチオカルバモイル基
を、Qは脱離基を、Y1はC−G1を示す。G1はエステ
ル化されたカルボキシル基を示す。]で表される化合物
を溶媒中、塩基の存在下で式(III): R−X1H [式中、X1は酸素原子またはイオウ原子を示す。]で
表される化合物と反応させて式(I−1):
【化24】 [式中、Rは置換されていてもよいアミノ基または置換
されていてもよい複素環基を示し、M1、Q、Y1および
1は前記定義に同じ。]で表される化合物を得るか;
あるいは式(II−2):
【化25】 [式中、pは1から6の整数を示し、M1、Q、および
1は前記定義に同じ。]で表される化合物を溶媒中、
塩基の存在下で式(IV):
【化26】 [式中、R1およびR2は、それぞれ同一または異なっ
て、水素原子、それぞれ置換されていてもよい炭化水素
残基、アシル基、スルホニル基もしくは置換されていて
もよい複素環基を示し、またはR1とR2が互いに結合し
て含窒素5〜7員環を形成していてもよい。]で表され
る化合物と反応させて式(I−2):
【化27】 [式中、M1、Y1、R1、R2およびpは前記定義に同
じ。]で表される化合物を得るか;あるいは式(I−
3):
【化28】 [式中、M2は置換されていてもよいアシル基または置
換されていてもよいアルコキシカルボニル基を示し、X
は酸素原子、酸化されていてもよいイオウ原子または
−(CH2)q−(qは0から5の整数を示す)を示し、
1およびRは前記定義に同じである。]で表される化
合物を含水または無水の溶媒中、酸または塩基の存在下
で加水分解反応に付して式(I−4):
【化29】 [式中、X、Y1およびRは前記定義に同じである。]
で表される化合物を得るか;あるいは式(I−4):
【化30】 [式中、X、Y1およびRは前記定義に同じである。]
で表される化合物を溶媒中、酸化剤の存在下で酸化反応
に付して式(I−5):
【化31】 [式中、X、Y1およびRは前記定義に同じである。]
で表される化合物を得るか;あるいは式(VIII):
【化32】 [式中、M1は前記定義に同じ。]で表される化合物、
式(IX):
【化33】 で表される化合物およびイオウを溶媒中、塩基の存在下
で反応させて式(X):
【化34】 [式中、M1は前記定義に同じである。]で表される化
合物を得、次いで式(X)で表される化合物を溶媒中、
酸の存在下で式(XI): QCH2COCH2−G1 [式中、G1およびQは前記定義に同じである。]で表
される化合物と反応させて式(II−3):
【化35】 [式中、M1、G1およびQは前記定義に同じである。]
で表される化合物を得るか;あるいは式(XII):
【化36】 [式中、kおよびrは同一または異なって1、2または
3を表し、M1は前記定義に同じ。]で表される化合
物、式(IX)で表される化合物およびイオウを溶媒
中、塩基の存在下で反応させて、式(XIII):
【化37】 [式中、M1、kおよびrは前記定義に同じである。]
で表される化合物と、式(XIV):
【化38】 [式中、M1、kおよびrは前記定義に同じである。]
で表される化合物との混合物を得、該混合物から式(X
III)で表される化合物および式(XIV)で表され
る化合物を単離精製し、次いで、式(XIII)で表さ
れる化合物を溶媒中、酸の存在下で式(XI)で表され
る化合物と反応させて式(II−4):
【化39】 [式中、M1、G1、Q、kおよびrは前記定義に同じで
ある。]で表される化合物を得るか、または式(XI
V)で表される化合物を溶媒中、酸の存在下で式(X
I)で表される化合物と反応させて式(II−5):
【化40】 [式中、M1、G1、Q、kおよびrは前記定義に同じで
ある。]で表される化合物を得ることを特徴とする式
(I):
【化41】 [式中、YはC−G(Gはエステル化されていてもよい
カルボキシル基を示す)を示し、XおよびRは前記定義
に同じ。環Bは置換されていてもよい窒素原子を含む5
〜7員環を形成していることを示し、Mは水素原子、置
換されていてもよいアシル基、置換されていてもよいカ
ルバモイル基、置換されていてもよいチオカルバモイル
基、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基また
は置換されていてもよいスルホニル基を、nは0または
1を示す。環Aは置換基を有していてもよい。]で表さ
れる化合物の製法、(11)一般式(I):
【化42】 [式中、YはC−G(Gはエステル化されていてもよい
カルボキシル基を示す)を、Xは酸素原子、酸化されて
いてもよいイオウ原子または −(CH2)q−(qは0
から5の整数を示す)を、Rは置換されていてもよいア
ミノ基または置換されていてもよい複素環基を示す。環
Bは置換されていてもよい窒素原子を含む5〜7員環を
形成していることを示し、Mは水素原子、置換されてい
てもよいアシル基、置換されていてもよいカルバモイル
基、置換されていてもよいチオカルバモイル基、置換さ
えていてもよいアルコキシカルボニル基または置換され
ていてもよいスルホニル基を、nは0または1を示す。
環Aは置換基を有していてもよい。]で表される化合物
またはその薬学的に許容される塩を含有してなる医薬組
成物、
【0007】(12)炎症の予防または治療のための上
記(11)記載の医薬組成物、(13)関節炎の予防ま
たは治療のための上記(11)記載の医薬組成物、(1
4)リウマチの予防または治療のための上記(11)記
載の医薬組成物、(15)慢性関節リウマチの予防また
は治療のための上記(11)記載の医薬組成物、(1
6)骨吸収抑制作用を有する上記(11)記載の医薬組
成物、(17)骨粗鬆症の予防または治療のための上記
(11)記載の医薬組成物、(18)サイトカインの産
生抑制作用を有する上記(11)記載の医薬組成物、
(19)自己免疫疾患の予防または治療のための上記
(11)記載の医薬組成物、(20)臓器移植後の拒絶
反応の予防のための上記(11)記載の医薬組成物に関
する。
【0008】上記一般式ならびに本発明の範囲内に包含
される諸定義の説明およびそれらの好適な例を以下に記
載する。上記の式(I)中、Rで示される置換されてい
てもよいアミノ基は、−N(R1)(R2)(式中、R1およ
びR2は、それぞれ同一または異なって、水素、それぞ
れ置換されていてもよい炭化水素残基、アシル基、スル
ホニル基または複素環基を示すが、好ましくは水素、置
換されていてもよい炭化水素残基または置換されていて
もよい複素環基を示す。または、R1およびR2が結合し
て窒素含有環を形成していることを示す)で表される。
1またはR2で表される置換されていてもよい炭化水素
残基における炭化水素残基としては、脂肪族炭化水素残
基、脂環族炭化水素残基、脂環族−脂肪族炭化水素残
基、芳香脂肪族炭化水素残基、芳香族炭化水素残基など
が挙げられる。
【0009】該脂肪族炭化水素残基としては、C1-8
和脂肪族炭化水素残基(例えば、メチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチ
ル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペン
チル、tert−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプ
チル、オクチル等)、および、C2-8不飽和脂肪族炭化
水素残基(例えば、ビニル、1−プロペニル、2−プロ
ペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、
2−メチル−1−プロペニル、1−ペンテニル、2−ペ
ンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、3−メチ
ル−2−ブテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、
2,4−ヘキサジエニル、5−ヘキセニル、1−ヘプテ
ニル、1−オクテニル、エチニル、1−プロピニル、2
−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチ
ニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニ
ル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、3−ヘキシニ
ル、2,4−ヘキサジイニル、5−ヘキシニル、1−ヘ
プチニル、1−オクチニル等)などが挙げられる。
【0010】該脂環族炭化水素残基としては、C3-7
和脂環族炭化水素残基(例えば、シクロプロピル、シク
ロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘ
プチルなど)およびC5-7不飽和脂環族炭化水素残基
(例えば、1−シクロペンテニル、2−シクロペンテニ
ル、3−シクロペンテニル、1−シクロヘキセニル、2
−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、1−シク
ロヘプテニル、2−シクロヘプテニル、3−シクロヘプ
テニル、2,4−シクロヘプタジエニル等)などが挙げ
られる。該脂環族−脂肪族炭化水素残基としては、上記
の脂環族炭化水素残基と上記の脂肪族炭化水素残基とが
結合したもののうち、炭素数4〜9のもの(例えば、シ
クロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロブ
チルメチル、シクロペンチルメチル、2−シクロペンテ
ニルメチル、3−シクロペンテニルメチル、シクロヘキ
シルメチル、2−シクロヘキセニルメチル、3−シクロ
ヘキセニルメチル、シクロヘキシルエチル、シクロヘキ
シルプロピル、シクロヘプチルメチル、シクロヘプチル
エチル等)などが挙げられる。該芳香脂肪族炭化水素残
基としては、C7-9フェニルアルキル(例えば、ベンジ
ル、フェネチル、1−フェニルエチル、3−フェニルプ
ロピル、2−フェニルプロピル、1−フェニルプロピル
等)およびC11-13ナフチルアルキル(例えば、α−ナ
フチルメチル、α−ナフチルエチル、β−ナフチルメチ
ル、β−ナフチルエチル等)が挙げられる。該芳香族炭
化水素残基としては、たとえばフェニル、ナフチル(α
−ナフチル,β−ナフチル)などが挙げられる。R1また
はR2で示されるアシル基としては、(i)ホルミル、
または、(ii)C1-10アルキル基、C2-10アルケニル
基、C2-10アルキニル基もしくは芳香族基とカルボニル
基の結合したもの(例、アセチル、プロピオニル、ブチ
リル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロ
イル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、シ
クロブタンカルボニル、シクロペンタンカルボニル、シ
クロヘキサンカルボニル、シクロヘプタンカルボニル、
クロトニル、2−シクロヘキセンカルボニル、ベンゾイ
ル、ニコチノイル等)が挙げられる。R1またはR2で示
されるスルホニル基としては、C1-10アルキル基、C
2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基または芳香族基
とスルホニル基の結合してもの(例、メタンスルホニ
ル、エタンスルホニル、ベンゼンスルホニル等)が挙げ
られる。
【0011】R1またはR2で表される置換されていても
よい複素環基における複素環基としては、たとえば(i)
1個の硫黄原子、1個の窒素原子もしくは1個の酸素原
子を含む5〜7員複素環基、(ii)2〜4個の窒素原子を
含む5〜6員複素環基、または、(iii)1〜2個の窒素
原子および1個の硫黄もしくは酸素原子を含む5〜6員
複素環基が挙げられ、(iv)これらの複素環基は2個以下
の窒素原子をふくむ6員環、ベンゼン環または1個の硫
黄原子を含む5員環と縮合していてもよい。R1または
2で表される置換されていてもよい複素環基における
複素環基の例としては、芳香族単環式複素環基、芳香族
縮合複素環基および非芳香族複素環基が挙げられる。
【0012】R1またはR2で表される置換されていても
よい複素環基における複素環基の具体例としては、(i)
芳香族単環式複素環基(例、フリル、チエニル、ピロリ
ル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イ
ソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3−
オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,
3,4−オキサジアゾリル、フラザニル、1,2,3−チ
アジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−
チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−
トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニ
ル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニルなど)、
(ii)芳香族縮合複素環基(例、ベンゾフラニル、イソベ
ンゾフラニル、ベンゾ[b]チエニル、インドリル、イソ
インドリル、1H−インダゾリル、ベンゾイミダゾリ
ル、ベンゾオキサゾリル、1,2−ベンゾイソチアゾリ
ル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリ
ル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フ
タラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニ
ル、カルバゾリル、α−カルボリニル、β−カルボリニ
ル、γ−カルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニ
ル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイ
ニル、チアントレニル、フェナントレジニル、フェナン
トロリニル、インドリジニル、ピロロ[1,2−b]ピリダ
ジニル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジル、イミダゾ[1,2
−a]ピリジル、イミダゾ[1,5−a]ピリジル、イミダゾ
[1,2−b]ピリダジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジ
ル、イミダゾ[1,5−a]ピリジル、イミダゾ[1,2−b]
ピリダジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリミジニル、1,
2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジル、1,2,4−ト
リアゾロ[4,3−b]ピリダジニル等)、および、(iii)
非芳香族複素環基(例、オキシラニル、アゼチジニル、
オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒド
ロフリル、チオラニル、ピペリジル、テトラヒドロピラ
ニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル
等)が挙げられる。
【0013】R1とR2は互いに結合して環、とりわけ含
窒素5〜7員環を形成することもあるが、このような−
N(R1)(R2)の例としては、1−ピロリジニル、1−イ
ミダゾリジニル、1−ピラゾリジニル、1−ピペリジル
(ピペリジノ)、1−ピペラジニル、4−モルホリニル
(モルホリノ)、4−チオモルホリニル、ホモピペラジ
ン−1−イル、ピラゾール−1−イル、イミダゾール−
1−イル、1,2,4−トリアゾール−1−イル、1,2,
4−トリアゾール−4−イル、1,2,3−トリアゾール
−1−イル、1,2,3−トリアゾール−2−イル、テト
ラゾール−1−イル、ベンズイミダゾール−1−イル、
インドール−1−イル、1H−インダゾール−1−イル
等が挙げられる。
【0014】R1またはR2で表される置換されていても
よい炭化水素残基における炭化水素残基としては、C
1-6の直鎖状または分枝鎖状アルキル、とりわけC1-4
直鎖状アルキルまたはC1-4の分枝鎖状アルキルがより
好ましい。具体的には、メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル基などが好ましい。R1およびR2
結合して窒素含有環を形成している場合、このような−
N(R1)(R2)としては、1,2,4−トリアゾール−1−
イル、イミダゾール−1−イル、モルホリノ(4−モル
ホリニル)、ピペリジノ(1−ピペリジル)、ピロリジ
ノなどが好ましい。
【0015】R1またはR2で示される炭化水素残基、ア
シル基、スルホニル基および複素環基は、その鎖上また
は環上の置換可能な任意の位置に置換基を1〜3個有し
ていてもよい。かかるR1またはR2で示される炭化水素
残基、アシル基、スルホニル基および複素環基上の置換
基としては、脂肪族鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素
基、アリール基、芳香族複素環基、非芳香族複素環基、
ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ基、アミジ
ノ基、置換されていてもよいアシル基、置換されていて
もよいヒドロキシ基、置換されていてもよいチオール
基、エステル化またはアミド化されていてもよいカルボ
キシル基、アラルキル基(例、アリールC1-6アルキル
基等)、カルバモイル基、N−モノ置換カルバモイル基
(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、フェ
ニルカルバモイル等)、N,N−ジ置換カルバモイル基
(N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカル
バモイル、ピペリジノカルバモイル、モルホリノカルバ
モイル等)、スルファモイル基、N−モノ置換スルファ
モイル基(例、メチルスルファモイル、エチルスルファ
モイル、フェニルスルファモイル、p−トルエンスルフ
ァモイル等)、N,N−ジ置換スルファモイル基(N,N
−ジメチルスルファモイル、N−メチル−N−フェニル
スルファモイル、ピペリジノスルファモイル、モルホリ
ノスルファモイル等)、メルカプト基、スルホ基、シア
ノ基、アジド基、ニトロ基、ニトロソ基などが挙げられ
る。
【0016】R1またはR2で示される炭化水素残基、ア
シル基、スルホニル基および複素環基の置換基としての
脂肪族鎖式炭化水素基としては、直鎖状または分枝鎖状
の脂肪族炭化水素基、例えばアルキル基(好ましくはC
1-10アルキル基)、アルケニル基(好ましくはC2-10
ルケニル基)、アルキニル基(好ましくはC2-10アルキ
ニル基)などが挙げられる。該アルキル基の好適な例と
しては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチ
ル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペ
ンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシ
ル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、
3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、ヘキシ
ル、ペンチル、オクチル、ノニル、デシルなどが挙げら
れる。該アルケニル基の好適な例としては、例えばビニ
ル、アリル、イソプロペニル、1−プロペニル、2−メ
チル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、
3−ブテニル、2−エチル−1−ブテニル、3−メチル
−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3
−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペン
テニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセ
ニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニルなどが挙げられ
る。該アルキニル基の好適な例としては、例えばエチニ
ル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、
2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペ
ンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキ
シニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシ
ニル、5−ヘキシニルなどが挙げられる。
【0017】R1またはR2で示される炭化水素残基、ア
シル基、スルホニル基および複素環基の置換基としての
脂環式炭化水素基としては、飽和または不飽和のC3-8
脂環式炭化水素基、例えばC3-8シクロアルキル基、C
3-8シクロアルケニル基、C4-8シクロアルカジエニル基
などが挙げられる。該C3-8シクロアルキル基の好適な
例としては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シ
クロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シク
ロオクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ
[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチルなど
が挙げられる。該C3-8シクロアルケニル基の好適な例
としては、例えば2−シクロペンテン−1−イル、3−
シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−
イル、3−シクロヘキセン−1−イルなどが挙げられ
る。該C4-8シクロアルカジエニル基の好適な例として
は、例えば2,4−シクロペンタジエン−1−イル、2,
4−シクロヘキサジエン−1−イル、2,5−シクロヘ
キサジエン−1−イルなどが挙げられる。
【0018】R1またはR2で示される炭化水素残基、ア
シル基、スルホニル基および複素環基の置換基としての
アリール基は、単環式または縮合多環式芳香族炭化水素
基を意味し、好適な例としては、例えばフェニル、ナフ
チル、アントリル、フェナントリル、アセナフチレニル
などが挙げられ、なかでもフェニル、1−ナフチル、2
−ナフチルなどがより好ましく挙げられる。R1または
2で示される炭化水素残基、アシル基、スルホニル基
および複素環基の置換基としての芳香族複素環基の好適
な例としては、芳香族単環式複素環基(例えばフリル、
チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリ
ル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラ
ゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキ
サジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、フラザニ
ル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾ
リル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾ
リル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジ
ル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリア
ジニル等)、および、芳香族縮合複素環基(例えばベン
ゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ[b]チエニ
ル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリ
ル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、1,2
−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1,2
−ベンゾイソチアゾリル、1H−ベンゾトリアゾリル、
キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニ
ル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、
プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、α−カルボリ
ニル、β−カルボリニル、γ−カルボリニル、アクリジ
ニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジ
ニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、フェナト
リジニル、フェナトロリニル、インドリジニル、ピロロ
[1,2−b]ピリダジニル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジ
ル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル、イミダゾ[1,5−a]
ピリジル、イミダゾ[1,2−b]ピリダジニル、イミダゾ
[1,2−a]ピリミジニル、1,2,4−トリアゾロ[4,3
−a]ピリジル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−b]ピリダ
ジニル等)などが挙げられる。
【0019】R1またはR2で示される炭化水素残基、ア
シル基、スルホニル基および複素環基の置換基としての
非芳香族複素環基の好適な例としては、例えばオキシラ
ニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロ
リジニル、テトラヒドロフリル、チオラニル、ピペリジ
ル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホ
リニル、ピペラジニルなどが挙げられる。R1またはR2
で示される炭化水素残基、アシル基、スルホニル基およ
び複素環基の置換基としてのハロゲン原子の例として
は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素があげられ、とり
わけフッ素および塩素が好ましい。
【0020】R1またはR2で示される炭化水素残基、ア
シル基、スルホニル基および複素環基の置換基として
の、置換されていてもよいアミノ基としては、アミノ
基、N−モノ置換アミノ基およびN,N−ジ置換アミノ
基が挙げられる。該置換アミノ基としては、例えばC
1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニ
ル基、芳香族基、複素環基またはC1-10アシル基を、1
個または2個置換基として有するアミノ基(例、メチル
アミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミ
ノ、ジブチルアミノ、ジアリルアミノ、シクロヘキシル
アミノ、フェニルアミノ、N−メチル−N−フェニルア
ミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ベンゾイ
ルアミノ、ニコチノイルアミノ等)が挙げられる。
【0021】R1またはR2で示される炭化水素残基、ア
シル基、スルホニル基および複素環基の置換基としての
アシル基としては、(i)ホルミル、または、(ii)C1-10
アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基
もしくは芳香族基とカルボニル基が結合したもの(例、
アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バ
レリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘ
プタノイル、オクタノイル、シクロブタンカルボニル、
シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニ
ル、シクロヘプタンカルボニル、クロトニル、2−シク
ロヘキセンカルボニル、ベンゾイル、ニコチノイル等)
などが挙げられる。
【0022】R1またはR2で示される炭化水素残基およ
び複素環基の置換基としての置換されていてもよいヒド
ロキシ基としては、ヒドロキシ基およびこのヒドロキシ
基に適宜の置換基、特に保護基として用いられるものを
有したヒドロキシ基(例えばアルコキシ、アルケニルオ
キシ、アルキニルオキシ、アラルキルオキシ、アシルオ
キシ、アリールオキシ等)が挙げられる。該アルコキシ
としては、C1-10アルコキシ(例、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブト
キシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキ
シ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシ
ルオキシ、ヘプチルオキシ、ノニルオキシ、シクロブト
キシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ
等)が好ましい。該アルケニルオキシとしては、C2-10
アルケニルオキシ(例、アリル(allyl)オキシ、クロチル
オキシ、2−ペンテニルオキシ、3−ヘキセニルオキ
シ、2−シクロペンテニルメトキシ、2−シクロヘキセ
ニルメトキシなど)が好ましい。該アルキニルオキシと
しては、C2-10アルキニルオキシ(例、エチニルオキ
シ、2−プロピニルオキシ等)が好ましい。該アラルキ
ルオキシとしては、例えばフェニル−C1-4アルキルオ
キシなど(例、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ等)が
好ましい。該アシルオキシとしては、C2-4アルカノイ
ルオキシ(例、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、
ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ等)、C3-4アル
ケノイルオキシまたはC3-4アルキノイルオキシが好ま
しい。該アリールオキシとしては、フェノキシ、4−ク
ロロフェノキシなどが好ましい。
【0023】R1またはR2で示される炭化水素残基、ア
シル基、スルホニル基および複素環基の置換基としての
置換されていてもよいチオール基としては、チオール基
およびこのチオール基に適宜の置換基、特に保護基とし
て用いられるものを有したチオール基(例えばアルキル
チオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アラルキルチ
オ、アシルチオ、アリールチオなど)が挙げられる。該
アルキルチオとしては、例えばC1-10アルキルチオ
(例、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプ
ロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチ
ルチオ、tert−ブチルチオ、ペンチルチオ、イソペンチ
ルチオ、ネオペンチルチオ、ヘキシルチオ、ヘプチルチ
オ、ノニルチオ、シクロブチルチオ、シクロペンチルチ
オ、シクロヘキシルチオ等)が好ましい。該アルケニル
チオとしては、例えばC2-10アルケニルチオ(例、アリ
ル(allyl)チオ、クロチルチオ、2−ペンテニル
チオ、3−ヘキセニルチオ、2−シクロペンテニルメチ
ルチオ、2−シクロヘキセニルメチルチオ等)が好まし
い。該アルキニルチオとしては、例えばC2−10アル
キニルチオ(例、エチニルチオ、2−プロピニルチオ
等)が好ましい。該アラルキルチオとしては、例えばフ
ェニル−C1-4アルキルチオ(例、ベンジルチオ、フェネ
チルチオ等)が挙げられる。該アシルチオとしては、例
えばC2-4アルカノイルチオ(例、アセチルチオ、プロピ
オニルチオ、ブチリルチオ、イソブチリルチオ等)が好
ましい。該アリールチオとしては、例えばフェニルチ
オ、4−クロロフェニルチオなどが好ましい。
【0024】R1またはR2で示される炭化水素残基、ア
シル基、スルホニル基および複素環基の置換基としての
エステル化されていてもよいカルボキシル基としては、
カルボキシル基の他、例えばアルキルオキシカルボニル
基、アルケニルオキシカルボニル、アルキニルオキシカ
ルボニル、アラルキルオキシカルボニル基、アシルオキ
シカルボニル基、アリールオキシカルボニル基などが挙
げられる。該アルキルオキシカルボニル基におけるアル
キル基としては、C1-6アルキル基(例、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、se
c−ブチル、tert−ブチル等)が挙げられる。該アルケ
ニルオキシカルボニル基におけるアルケニル基として
は、C2-6アルケニル基(例、ビニル、アリル、1−プ
ロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニ
ル、2−メチルアリル等)が挙げられる。該アルキニル
オキシカルボニル基におけるアルキニル基としては、C
2-6アルキニル基(例、エチニル、2−プロピニル等)
が挙げられる。該アラルキルオキシカルボニル基におけ
るアラルキル基は、アリール−アルキル基を意味する。
該アリール−アルキル基におけるアリール基としては、
例えば、フェニル、ナフチルなどが挙げられ、これらは
上記R1またはR2で示される炭化水素基として例示した
アリール基が有するのと同様の置換基を有していてもよ
い。該アリール−アルキル基におけるアルキル基として
は、C1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチル等)が好ましい。該アラルキル基、即ちアリ
ール−アルキル基の好適な例としては、ベンジル、フェ
ネチル、3−フェニルプロピル、(1−ナフチル)メチ
ル、(2−ナフチル)メチルなどが挙げられ、なかでも
ベンジル、フェネチルなどが好ましい。該アシルオキシ
カルボニル基におけるアシル基としては、ホルミル、C
2-4アルカノイル基、C3-4アルケノイル基、C3-4アル
キノイル基などが挙げられる。該アリールオキシカルボ
ニル基におけるアリール基としては、フェニル、ナフチ
ルなどが挙げられる。R1またはR2で示される炭化水素
残基、アシル基、スルホニル基および複素環基の置換基
としてのアミド化されたカルボキシル基としては、−C
ON(R1)(R2)で表されるものが挙げられる(R1およ
びR2は、上記の定義と同意義である)。
【0025】R1またはR2で示される炭化水素残基、ア
シル基、スルホニル基および複素環基上の前述の置換基
は、置換可能な任意の位置に、さらにそれぞれ適当な置
換基を1個以上、好ましくは1〜3個有していてもよ
い。該置換基としては、上記R1またはR2で示される炭
化水素残基および複素環基上の置換基として例示したも
のと同様な、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、
2-10アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、C3-8
クロアルケニル基、C4-8シクロアルカジエニル基、ア
リール基、芳香族複素環基、非芳香族複素環基、アラル
キル基(例、アリールC1-6アルキル基等)、アミノ
基、N−モノ置換アミノ基、N,N−ジ置換アミノ基、
アミジノ基、アシル基、カルバモイル基、N−モノ置換
カルバモイル基(例、メチルカルバモイル、エチルカル
バモイル、フェニルカルバモイル等)、N,N−ジ置換
カルバモイル基(N,N−ジメチルカルバモイル、N,N
−ジエチルカルバモイル、ピペリジノカルバモイル、モ
ルホリノカルバモイル等)、スルファモイル基、N−モ
ノ置換スルファモイル基(例、メチルスルファモイル、
エチルスルファモイル、フェニルスルファモイル、p−
トルエンスルファモイル等)、N,N−ジ置換スルファ
モイル基(N,N−ジメチルスルファモイル、N−メチル
−N−フェニルスルファモイル、ピペリジノスルファモ
イル、モルホリノスルファモイル等)、カルボキシル
基、C1-10アルコキシカルボニル基(例、メトキシカル
ボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニ
ル、sec−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニ
ル、tert−ブトキシカルボニル等)、ヒドロキシ基、C
1-10アルコキシ基、C2-10アルケニルオキシ基、C3-7
シクロアルキルオキシ基、アラルキルオキシ基、アリー
ルオキシ基、メルカプト基、C1-10アルキルチオ基、ア
ラルキルチオ基、アリールチオ基、スルホ基、シアノ
基、アジド基、ニトロ基、ニトロソ基、ハロゲンなどが
挙げられる。
【0026】上記の式(I)中、Rで表される置換されて
いてもよい該複素環基における複素環基としては、例え
ば、上記R1またはR2について定義したものと同様なも
のが挙げられる。Rで表される置換されていてもよい複
素環基における複素環基としては、例えば(i)1個の硫
黄原子、1個の窒素原子もしくは1個の酸素原子を含む
5〜7員複素環基、(ii)2〜4個の窒素原子を含む5〜
6員複素環基、または、(iii)1〜2個の窒素原子およ
び1個の硫黄もしくは酸素原子を含む5〜6員複素環基
が挙げられ、(iv)これらの複素環基は、2個以下の窒素
原子を含む6員環、ベンゼン環または1個の硫黄原子を
含む5員環と縮合していてもよい。これらの該複素環基
は、その環上の置換可能な任意の位置に置換基を1〜3
個有していてもよい。かかる置換基としては、上記R1
またはR2で示される炭化水素残基および複素環基上の
置換基として定義したものと同様な、C1-10アルキル
基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-8
シクロアルキル基、C3-8シクロアルケニル基、C4-8
クロアルカジエニル基、アリール基、芳香族複素環基、
非芳香族複素環基、アラルキル基(例、アリールC1-6
アルキル基等)、アミノ基、N−モノ置換アミノ基、
N,N−ジ置換アミノ基、アミジノ基、アシル基、カル
バモイル基、N−モノ置換カルバモイル基(例、メチル
カルバモイル、エチルカルバモイル、フェニルカルバモ
イル等)、N,N−ジ置換カルバモイル基(N,N−ジメ
チルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、ピ
ペリジノカルバモイル、モルホリノカルバモイル等)、
スルファモイル基、N−モノ置換スルファモイル基
(例、メチルスルファモイル、エチルスルファモイル、
フェニルスルファモイル、p−トルエンスルファモイル
等)、N,N−ジ置換スルファモイル基(N,N−ジメチ
ルスルファモイル、N−メチル−N−フェニルスルファ
モイル、ピペリジノスルファモイル、モルホリノスルフ
ァモイル等)、カルボキシル基、C1-10アルコキシカル
ボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ル、イソプロポキシカルボニル、sec−ブトキシカルボ
ニル、イソブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボ
ニル等)、ヒドロキシ基、C1-10アルコキシ基、C2-10
アルケニルオキシ基、C3-7シクロアルキルオキシ基、
アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、メルカプト
基、C1-10アルキルチオ基、アラルキルチオ基、アリー
ルチオ基、スルホ基、シアノ基、アジド基、ニトロ基、
ニトロソ基、ハロゲンなどが挙げられる。
【0027】これら複素環基上の置換基は、さらに、置
換可能な任意の位置に適当な置換基を1個以上、好まし
くは1〜3個有していてもよく、該置換基としては、上
記したものと同様な、C1-10アルキル基、C2-10アルケ
ニル基、C2-10アルキニル基、C3-7シクロアルキル
基、C3-7シクロアルケニル基、C4-8シクロアルカジエ
ニル基、アリール基、芳香族複素環基、非芳香族複素環
基、アラルキル基(例、アリールC1-6アルキル基)、
アミノ基、N−モノ置換アミノ基、N,N−ジ置換アミ
ノ基、アミジノ基、アシル基、カルバモイル基、N−モ
ノ置換カルバモイル基、N,N−ジ置換カルバモイル
基、スルファモイル基、N−モノ置換スルファモイル
基、N,N−ジ置換スルファモイル基、カルボキシル
基、C1-10低級アルコキシカルボニル基、ヒドロキシ
基、C1-10低級アルコキシ基、C2-10低級アルケニルオ
キシ基、C3-7シクロアルキルオキシ基、アラルキルオ
キシ基、アリールオキシ基、メルカプト基、C1-10低級
アルキルチオ基、アラルキルチオ基、アリールチオ基、
スルホ基、シアノ基、アジド基、ニトロ基、ニトロソ
基、ハロゲンなどが挙げられる。
【0028】Rで表される置換されていてもよい複素環
基の例としては、2−イミダゾリル、1,2,4−トリア
ゾール−3−イル、2−チアゾリル、2−オキサゾリ
ル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−
ベンゾイミダゾリルなどが好ましい。上記の式(I)中、
Xは、酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子、また
は−(CH2)q−(q は0〜5の整数、好ましくは0〜
3の整数を表す)を示す。Xとして表される酸化されて
いてもよい硫黄原子としては、チオ基、スルフィニル基
およびスルホニル基が挙げられ、このうちチオ基が好ま
しい。Xとして表される−(CH2)q−としては、q が
0である場合が好ましい。
【0029】上記の式(I)中、YはC−G(Gはエステ
ル化されていてもよいカルボキシル基を示す)を示す。
Gで表されるエステル化されていてもよいカルボキシル
基は、式−COOR3(R3は水素原子、アルキル基、ア
ラルキル基またはアリール基を示す。)で表される。R3
で示されるアルキル基としては、C1-6アルキル基(例
えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等)が挙
げられる。R3で示されるアラルキル基としては、アリ
ール基を置換基として有するアルキル基(例、アリール
1-6アルキル基等)を意味する。該アリールアルキル
基におけるアリール基としては、例えば、フェニル、ナ
フチルなどが挙げられる。R3で示されるアラルキル基
として好ましくは、ベンジル、フェネチル、3−フェニ
ルプロピル、(1−ナフチル)メチル、(2−ナフチル)メ
チルなどが挙げられる。Yとして好ましくは、C−CO
OR3(R3はC1-4アルキル基)、とりわけ、C−CO
OC25などが挙げられる。上記の式(I)中、Mは水素
原子、置換されていてもよいアシル基、置換されていて
もよいカルバモイル基、置換されていてもよいチオカル
バモイル基、置換されていてもよいアルコキシカルボニ
ル基または置換されていてもよいスルホニル基を示す。
Mで示される置換されていてもよいアシル基としては、
上記R1またはR2で示される置換されていてもよい炭化
水素残基、アシル基、スルホニル基および複素環基の置
換基としてのアシル基として例示したものと同様のアシ
ル基が挙げられ、例えば、アセチル、ベンゾイル、4−
クロロベンゾイルなどが挙げられる。Mで示される置換
されていてもよいカルバモイル基としては、R1NHC
Oで表されるものが挙げられ(R1は上記と同意義)、
例えばフェニルカルバモイル、メチルカルバモイルなど
が挙げられる。Mで示される置換されていてもよいチオ
カルバモイル基としては、R1NHCSで表されるもの
が挙げられ(R1は上記と同意義)、例えばフェニルチ
オカルバモイル、メチルチオカルバモイルなどが挙げら
れる。Mで示される置換されていてもよいアルコキシカ
ルボニル基としては、−COOR3で表されるものが挙
げられ(R3は上記と同意義)、例えばエトキシカルボ
ニル、ベンジルオキシカルボニルなどが挙げられる。M
で示される置換されていてもよいスルホニル基として
は、R1SO2で表されるものが挙げられ(R1は上記と
同意義)、例えばベンジルスルホニルなどが挙げられ
る。
【0030】上記の式(I)中、環Bは、隣接するチオフ
ェン環の炭素二重結合部分と共に、置換されていてもよ
い窒素原子を含む5〜7員環を形成していることを示す
が、より好ましくは置換されていてもよい窒素原子を含
む6員環が挙げられる。環Bで示される窒素原子を含む
6員環が、完全飽和6員環である場合には、上記の式
(I)においてnは0であり、また部分飽和6員環である
場合には、上記の式(I)においてnは0または1であ
る。即ち、環Bおよび(M)nとして具体的には例えば、
【化43】 などが好ましく挙げられる。
【0031】上記の式(I)中、環Aはその環上の置換可
能な任意の位置に、同一または異なっていてもよい、1
〜4個、好ましくは1個または2個の置換基を有してい
てもよい。環A上の該置換基としては例えば、ハロゲン
原子、ニトロ基、置換されていてもよいアルキル、置換
されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよい
チオール基、置換されていてもよいアミノ基、アシル
基、エステル化されていてもよいカルボキシル基または
置換されていてもよい芳香族環基が用いられる。環Aの
置換基としてのハロゲンの例としては、フッ素、塩素、
臭素およびヨウ素があげられ、とりわけフッ素および塩
素が好ましい。環Aの置換基としての置換されていても
よいアルキル基としてはC1-10直鎖状アルキル基、C
3-10分枝状アルキル、C3-10環状アルキルのいずれでも
よく、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチ
ル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシ
ル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、シクロプロ
ピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、シクロヘプチルなどが挙げられる。
【0032】環Aの置換基としての置換されていてもよ
いヒドロキシ基としては、ヒドロキシ基およびこのヒド
ロキシ基に適宜の置換基、特にヒドロキシ基の保護基と
して用いられるものを有したもの(例えばアルコキシ、
アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アラルキルオキ
シ、アシルオキシ、アリールオキシ等)が挙げられる。
該アルコキシとしては、C1-10アルコキシ(例、メト
キシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキ
シ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、
ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオ
キシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、ノニルオキ
シ、シクロブトキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘ
キシルオキシ等)が好ましい。 該アルケニルオキシと
しては、C2-10アルケニルオキシ(例、アリル(allyl)
オキシ、クロチルオキシ、2−ペンテニルオキシ、3−
ヘキセニルオキシ、2−シクロペンテニルメトキシ、2
−シクロヘキセニルメトキシ等)が好ましい。 該アル
キニルオキシとしては、C2-10アルキニルオキシ(例、
エチニルオキシ、2−プロピニルオキシ等)が好まし
い。 該アラルキルオキシとしては、例えばフェニル−
1-4アルキルオキシ(例、ベンジルオキシ、フェネチ
ルオキシ等)が挙げられる。 該アシルオキシとして
は、C2-4アルカノイルオキシ(例、アセチルオキシ、プ
ロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキ
シ等)が好ましい。該アリールオキシとしてはフェノキ
シ、4−クロロフェノキシなどが挙げられる。
【0033】環Aの置換基としての置換されていてもよ
いチオール基としては、チオール基およびこのチオール
基に適宜の置換基、特にチオール基の保護基として用い
られるものを有したもの(例えばアルキルチオ、アルケ
ニルチオ、アルキニルチオ、アラルキルチオ、アシルチ
オ、アリールチオ等)が挙げられる。 該アルキルチオ
としては、C1-10アルキルチオ(例、メチルチオ、エチ
ルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチ
オ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチル
チオ、ペンチルチオ、イソペンチルチオ、ネオペンチル
チオ、ヘキシルチオ、ヘプチルチオ、ノニルチオ、シク
ロブチルチオ、シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチ
オ等)が好ましい。 該アルケニルチオとしては、C
2-10アルケニルチオ(例、アリル(allyl)チオ、クロチ
ルチオ、2−ペンテニルチオ、3−ヘキセニルチオ、2
−シクロペンテニルメトキシ、2−シクロヘキセニルメ
トキシ等)が好ましい。 該アルキニルチオとしては、
2-10アルキニルチオ(例、エチニルチオ、2−プロピ
ニルチオ等)が好ましい。 該アラルキルチオとして
は、例えばフェニル−C1-4アルキルチオ(例、ベンジル
チオ、フェネチルチオ等)が挙げられる。 該アシルチ
オとしては、炭素数2〜4のアルカノイルチオ(例、ア
セチルチオ、プロピオニルチオ、ブチリルチオ、イソブ
チリルチオ等)が好ましい。 該アリールチオとして
は、フェニルチオ、4−クロロフェニルチオなどが好ま
しい。
【0034】環Aの置換基としての置換されていてもよ
いアミノ基としては、アミノ基に加え、置換アミノ基、
例えば、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10
ルキニル、芳香族基、複素環基またはC1-10アシル基を
1個または2個置換基として有するアミノ基(例、メチ
ルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルア
ミノ、ジブチルアミノ、ジアリルアミノ、シクロヘキシ
ルアミノ、フェニルアミノ、N−メチル−N−フェニル
アミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ベンゾ
イルアミノ、ニコチノイルアミノ等)が挙げられる。環
Aの置換基としてのアシル基としては、ホルミル、また
は、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキ
ニルもしくは芳香族基がカルボニル基と結合したもの
(例、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリ
ル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイ
ル、ヘプタノイル、オクタノイル、シクロブタンカルボ
ニル、シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカル
ボニル、シクロヘプタンカルボニル、クロトニル、2−
シクロヘキセンカルボニル、ベンゾイル、ニコチノイル
等)が挙げられる。
【0035】環Aの置換基としてのエステル化されてい
てもよいカルボキシル基としては、カルボキシル基の
他、例えば、アルキルオキシカルボニル基、アルケニル
オキシカルボニル基、アルキニルオキシカルボニル基、
アラルキルオキシカルボニル基、アシルオキシカルボニ
ル基、アリールオキシカルボニル基などが挙げられ、こ
れらは式−COOR4(R4は水素原子、C1-6アルキル
基、アリールC1-6アルキル基またはアリール基)で表
される。該アルキルオキシカルボニル基におけるアルキ
ル基としては、C1-6アルキル基(例えば、メチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、
sec−ブチル、tert−ブチル等)などが挙げられる。該
アラルキルオキシカルボニル基におけるアラルキル基
は、アリール−アルキル基を意味する。該アリール−ア
ルキル基におけるアリール基としては、例えば、フェニ
ル、ナフチルなどが挙げられ、これらは上記R1または
2で示される炭化水素基として例示したアリール基が
有するのと同様の置換基を有していてもよい。該アリー
ル−アルキル基におけるアルキル基としては、C1-6
ルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、ブチル等)
が好ましい。該アラルキル基、即ちアリール−アルキル
基の好適な例としては、ベンジル、フェネチル、3−フ
ェニルプロピル、(1−ナフチル)メチル、(2−ナフチ
ル)メチルなどが挙げられ、なかでもベンジル、フェネ
チルなどが好ましい。
【0036】環Aの置換基としての置換されていてもよ
い芳香族環基としては、フェニル、ナフチル、アントリ
ル等C6-14芳香族炭化水素残基に加えてピリジル、フリ
ル、チエニル、イミダゾリル、チアゾリル等の複素芳香
族残基が挙げられる。環A上の置換基は、好ましくは、
環Aの3位および/または4位に位置する。これら置換
基は環A上の置換基が互いに隣接しているときは、隣接
する置換基が連結して、−(CH2)m−または−O−(C
2)l−O−[式中、mは3〜5の整数を、lは1〜3の
整数を示す]で示される環を形成していてもよく、かか
る環は、ベンゼン環の炭素原子とともに形成される5〜
7員環を含む。環Aは、少なくとも1個のC1-6アルコ
キシ基、好ましくはC1-3アルコキシ基、とりわけメト
キシ基、またはヒドロキシ基で置換されていることが好
ましい。さらに好ましくは、環Aは同一または異なる2
個のアルコキシ基、好ましくは2個のC1-3アルコキシ
基、とりわけ2個のメトキシ基で置換されている。具体
的には例えば、環Aの3位および4位がともにメトキシ
基で置換されているものが特に好ましい。上記の式(I)
で表される化合物のうち、特に好ましいものは、nが1
で、Mが水素原子、ベンゾイル、4−クロロベンゾイ
ル、アセチル、フェニルカルバモイル、エトキシカルボ
ニル、フェニルスルホニル、ベンジルオキシカルボニ
ル、環Bが窒素原子を含む6員環、YがC−G(Gはエ
トキシカルボニル)、−X−Rは、N,N−ジエチルア
ミノ、1,2,4−トリアゾール−1−イル、3−(1,
2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル、2−オキ
ソピロリジン−1−イルまたは1−メチル−イミダゾー
ル−2−イルチオ、環Aの3位および4位がともにメト
キシ基またはヒドロキシ基で置換されている化合物であ
る。
【0037】本発明の目的化合物(I)の塩としては薬学
的に許容される塩が好ましく、例えば無機塩基との塩、
有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性
または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。無機塩基
との塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリ
ウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシ
ウム塩などのアルカリ土類金属塩;ならびにアルミニウ
ム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。有機塩基との
塩の好適な例としては、例えばトリメチルアミン、トリ
エチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシ
クロヘキシルアミン、N,N'−ジベンジルエチレンジア
ミンなどとの塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例
としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン
酸などとの塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例と
しては、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマー
ル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハ
ク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアル
ギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸
性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアスパラ
ギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
【0038】本発明の目的化合物(I)は、薬学的に許
容される担体と配合し、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散
剤などの固形製剤;またはシロップ剤、注射剤などの液
状製剤として経口または非経口的に投与することができ
る。薬学的に許容される担体としては、製剤素材として
慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、固形
製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤;液状製
剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩
衝剤、無痛化剤などとして配合される。また必要に応じ
て、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤などの製剤添加
物を用いることもできる。
【0039】賦形剤の好適な例としては、例えば乳糖、
白糖、D−マンニトール、デンプン、結晶セルロース、
軽質無水ケイ酸などが挙げられる。滑沢剤の好適な例と
しては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン
酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙げられ
る。結合剤の好適な例としては、例えば結合セルロー
ス、白糖、D−マンニトール、デキストリン、ヒドロキ
シプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。崩壊
剤の好適な例としては、例えばデンプン、カルボキシメ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウ
ム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチル
スターチナトリウムなどが挙げられる。溶剤の好適な例
としては、例えば注射用水、アルコール、プロピレング
リコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油など
が挙げられる。
【0040】溶解補助剤の好適な例としては、例えばポ
リエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マ
ンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスア
ミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、
炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられ
る。懸濁化剤の好適な例としては、例えばステアリルト
リエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリ
ルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウ
ム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン
などの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリ
ビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリ
ウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロースなどの親水性高分子などが挙げられる。
【0041】等張化剤の好適な例としては、例えば塩化
ナトリウム、グリセリン、D−マンニトールなどが挙げ
られる。緩衝剤の好適な例としては、例えばリン酸塩、
酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げら
れる。無痛化剤の好適な例としては、例えばベンジルア
ルコールなどが挙げられる。防腐剤の好適な例として
は、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタ
ノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、
デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。抗酸化剤
の好適な例としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸
などが挙げられる。上記化合物(I)は例えば次の様に
して製造できる。すなわち、
【0042】A法
【化44】 [式中、M1は置換されていてもよいアシル基、置換さ
れていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよい
アルコキシカルボニル基、置換されていてもよいスルホ
ニル基または置換されていてもよいチオカルバモイル基
を、Qは脱離基を、Y1はC−G1を示す。G1はエステ
ル化されたカルボキシル基、X1は酸素原子またはイオ
ウ原子を示し、他の記号は上記と同意義を有する。] 一般式(II−1)中、Qで表される脱離基としては、
例えばハロゲン、好ましくは塩素、臭素またはヨウ素や
エステル化することにより活性化されたヒドロキシ基、
例えば有機スルホン酸の残基(例、p-トルエンスルホニ
ルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基等)や有機リン
酸の残基であるジフェニルホスホリルオキシ基、ジベン
ジルホスホリルオキシ基、ジメチルホスホリルオキシ基
などが、G1で表されるエステル化されたカルボキシル
基としてはGで表されるエステル化されたカルボキシル
基として例示したものと同様のものが、M1で表される
置換されていてもよいアシル基、置換されていてもよい
カルバモイル基、置換されていてもよいアルコキシカル
ボニル基、置換されていてもよいスルホニル基または置
換されていてもよいチオカルバモイル基としては、それ
ぞれMで表される置換されていてもよいアシル基、置換
されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよ
いアルコキシカルボニル基、置換されていてもよいスル
ホニル基または置換されていてもよいチオカルバモイル
基として例示したものと同様のものが挙げられる。
【0043】本法では(II−1)を塩基の存在下(I
II)と反応させて(I−1)を製造する。(II−
1)と(III)の反応は適宜の溶媒中で行われる。該
溶媒としては例えばベンゼン、トルエン、キシレンなど
の芳香族炭化水素、ジオキサン、テトラヒドロフラン、
ジメトキシエタンなどのエ−テル類、メタノ−ル、エタ
ノ−ル、プロパノ−ルなどのアルコ−ル類、酢酸エチ
ル、アセトニトリル、ピリジン、N,N-ジメチルホルムア
ミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、クロロホル
ム、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、1,1,2,2-テ
トラクロロエタン、アセトン、2-ブタノン及びこれらの
混合溶媒があげられる。(II−1)と(III)の反
応は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどのアルカ
リ金属塩、炭酸銀(Ag2CO3)、水素化ナトリウム、水素化
カリウム、ピリジン、トリエチルアミン、N,N-ジメチル
アニリン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノン-5-エン、1,
4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8-ジアザビシク
ロ[5.4.0]ウンデ-7-エン等のアミン類、などの適宜の塩
基の存在下に行われ、これら塩基の使用量は化合物(I
I−1)に対し1〜5モル当量程度が好ましい。本反応
は通常−20゜C〜150゜C、好ましくは約−10゜
C〜100゜Cで行われる。このようにして得られるチ
エノピリジン誘導体(I−1)は公知の分離精製手段例
えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、
クロマトグラフィーなどにより単離精製することができ
る。
【0044】B法
【化45】 [式中、pは1から6の整数を示し、他の記号は上記と
同意義を有する。] 本法では(II−2)を塩基の存在下(IV)と反応さ
せて(I−2)を製造する。(II−2)と(IV)の
反応は適宜の溶媒中で行われる。該溶媒としては例えば
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、
ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンな
どのエ−テル類、メタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−
ルなどのアルコ−ル類、酢酸エチル、アセトニトリル、
ピリジン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル
スルホキシド(DMSO)、クロロホルム、ジクロロメタン、
1,2-ジクロロエタン、1,1,2,2-テトラクロロエタン、ア
セトン、2-ブタノン及びこれらの混合溶媒があげられ
る。(II−2)と(IV)の反応は水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、
炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属塩、ピリジン、
トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン等のアミ
ン類、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの適宜の
塩基の存在下に行われ、これら塩基の使用量は化合物
(II−2)に対し1〜5モル当量程度が好ましい。本
反応は通常−20゜C〜150゜C、好ましくは約−1
0゜C〜100゜Cで行われる。本反応は、また、過剰
量の(IV)を塩基として使用することによっても行わ
れる。このようにして得られるチエノピリジン誘導体
(I−2)は公知の分離精製手段例えば濃縮、減圧濃
縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィ
ーなどにより単離精製することができる。
【0045】C法
【化46】 [式中、M2は置換されていてもよいアシル基または置
換されていてもよいアルコキシカルボニル基を示し、他
の記号は上記と同意義を有する。] 一般式(I−3)中、M2で表される置換されていても
よいアシル基または置換されていてもよいアルコキシカ
ルボニル基としては、それぞれMで表される置換されて
いてもよいアシル基または置換されていてもよいアルコ
キシカルボニル基として例示したものと同様のものが挙
げられる。本法では(I−3)を酸の存在下加水分解反
応に付し、(I−4)を製造する。(I−3)の加水分
解反応は含水または無水の溶媒中で行われる。該溶媒と
しては例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメ
トキシエタンなどのエ−テル類、メタノ−ル、エタノ−
ル、プロパノ−ル、ブタノール、2−メトキシエタノー
ルなどのアルコ−ル類、アセトニトリル、N,N-ジメチル
ホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ア
セトン、2-ブタノン、酢酸及びこれらの混合溶媒があげ
られる。酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸な
どが挙げられ、これら酸の使用量は化合物(I−3)に
対し大過剰量、5〜50モル当量程度が好ましい。本反
応は通常30゜C〜150゜C、好ましくは約50゜C
〜120゜Cで行われ、反応時間は通常1〜100時間
である。本反応は、塩基の存在下に含水または無水の溶
媒中で行うこともできる。該溶媒としては、例えば、ジ
オキサン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなど
のエーテル類、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール、2−メトキシエタノールなどのアルコ
ール類と水の混合溶媒が好ましい。また、該塩基として
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウ
ム、水酸化リチウムなどが挙げられ、これら塩基の使用
量は化合物(I−3)に対して通常大過剰量、2〜50
モル当量程度が好ましい。本反応は、通常30℃〜15
0℃、好ましくは50℃〜100℃で行われ、反応時間
は通常1〜100時間である。このようにして得られる
チエノピリジン誘導体(I−4)は公知の分離精製手段
例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転
溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製することが
できる。
【0046】D法
【化47】 [式中、各記号は上記と同意義を有する。] 本法では(I−4)を酸化反応に付し、(I−5)を製
造する。本反応は適宜の溶媒中酸化剤の存在下に行われ
る。該溶媒としては例えば、ベンゼン、トルエン、キシ
レンなどの芳香族炭化水素、ジオキサン、テトラヒドロ
フラン、ジメトキシエタンなどのエ−テル類、酢酸エチ
ル、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタ
ン、1,1,2,2-テトラクロロエタン及びこれらの混合溶媒
があげられる。酸化剤としては、二酸化マンガン、硝酸
などが挙げられ、これら酸化剤の使用量は化合物(I−
4)に対し大過剰量、5〜50モル当量程度が好まし
い。本反応は通常30゜C〜150゜C、好ましくは約
50゜C〜120゜Cで行われ、反応時間は通常1〜1
00時間である。このようにして得られるチエノピリジ
ン誘導体(I−5)は公知の分離精製手段例えば濃縮、
減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグ
ラフィーなどにより単離精製することができる。
【0047】E法
【化48】 [式中、各記号は上記と同意義を有する。] 本法では(I−4)をD法と同様の酸化反応に付し、
(I−6)を製造する。本反応はD法と同様にして行わ
れる。このようにして得られるチエノピリジン誘導体
(I−6)は公知の分離精製手段例えば濃縮、減圧濃
縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィ
ーなどにより単離精製することができる。
【0048】F法
【化49】 [式中、R5は置換されていてもよい炭化水素残基また
は置換されていてもよい複素環基を示し、他の記号は上
記と同意義を有する。] 一般式(V)中、R5で表される置換されていてもよい
炭化水素残基または置換されていてもよい複素環基とし
てはR1で表される置換されていてもよい炭化水素残基
または置換されていてもよい複素環基として例示したも
のと同様のものが挙げられる。本法では(I−4)を塩
基の存在下(V)と反応させて(I−7)を製造する。
(I−4)と(V)の反応は適宜の溶媒中で行われる。
該溶媒としては例えばベンゼン、トルエン、キシレンな
どの芳香族炭化水素、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、ジメトキシエタンなどのエ−テル類、酢酸エチル、
アセトニトリル、ピリジン、N,N-ジメチルホルムアミド
(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、クロロホルム、
ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、1,1,2,2-テトラ
クロロエタン、アセトン、2-ブタノン及びこれらの混合
溶媒があげられる。(I−4)と(V)の反応は水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナト
リウム、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属塩、炭
酸銀(Ag2CO3)、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ピ
リジン、トリエチルアミン、N,N-ジメチルアニリン、1,
5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノン-5-エン、1,4-ジアザビシ
クロ[2.2.2]オクタン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウン
デ-7-エン等のアミン類、などの適宜の塩基の存在下に
行われ、これら塩基の使用量は化合物(I−4)に対し
1〜5モル当量程度が好ましい。本反応は通常−20゜
C〜150゜C、好ましくは約−10゜C〜100゜C
で行われる。このようにして得られるチエノピリジン誘
導体(I−7)は公知の分離精製手段例えば濃縮、減圧
濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフ
ィーなどにより単離精製することができる。
【0049】G法
【化50】 [式中、各記号は上記と同意義を有する。] 本法では(I−4)と(VI)の反応により(I−8)
を製造する。(I−4)と(VI)の反応は適宜の溶媒
中で行われる。該溶媒としては例えばベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジオキサン、テト
ラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエ−テル類、
酢酸エチル、アセトニトリル、ピリジン、N,N-ジメチル
ホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ク
ロロホルム、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、1,
1,2,2-テトラクロロエタン、アセトン、2-ブタノン及び
これらの混合溶媒があげられる。(VI)の使用量は化
合物(I−4)に対し1〜5モル当量程度が好ましい。
本反応は通常−50゜C〜150゜C、好ましくは約−
20゜C〜100゜Cで行われる。このようにして得ら
れるチエノピリジン誘導体(I−8)は公知の分離精製
手段例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、
転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製すること
ができる。
【0050】H法
【化51】 [式中、各記号は上記と同意義を有する。] 本法では化合物(VII)またはカルボキシル基におけ
る反応性誘導体またはその塩を、化合物(I−4)と反
応させることにより(I−9)を製造する。化合物(V
II)のカルボキシル基における好適な反応性誘導体と
しては、酸ハロゲン化物、酸無水物、活性化アミド、活
性化エステル等が挙げられる。反応性誘導体の好適な例
としては、酸塩化物;酸アジ化物;例えばジアルキルリ
ン酸、フェニルリン酸、ジフェニルリン酸、ジベンジル
リン酸、ハロゲン化リン酸等の置換されたリン酸、ジア
ルキル亜リン酸、亜硫酸、チオ硫酸、硫酸、例えばメタ
ンスルホン酸等のスルホン酸、例えば酢酸、プロピオン
酸、酪酸、イソ酪酸ピバリン酸、ペンタン酸、イソペン
タン酸、トリクロロ酢酸等の脂肪族カルボン酸または例
えば安息香酸等の芳香族カルボン酸のような酸との混合
酸無水物;対称酸無水物;イミダゾ−ル、4−置換イミ
ダゾ−ル、ジメチルピラゾ−ル、トリアゾ−ルまたはテ
トラゾ−ルとの活性化アミド;または例えばシアノメチ
ルエステル、メトキシメチルエステル、ジメチルイミノ
メチルエステル、ビニルエステル、プロパルギルエステ
ル、p-ニトロフェニルエステル、トリクロロフェニルエ
ステル、ペンタクロロフェニルエステル、メシルフェニ
ルエステル、フェニルアゾフェニルエステル、フェニル
チオエステル、p-ニトロフェニルエステル、p-クレジル
チオエステル、カルボキシメチルチオエステル、ピラニ
ルエステル、ピリジルエステル、ピペリジルエステル、
8-キノリルチオエステル等の活性化エステル、または例
えば N,N-ジメチルヒドロキシアミン、1-ヒドロキシ-2-
(1H)-ピリドン、N-ヒドロキシスクシンイミド、N-ヒド
ロキシフタルイミド、1-ヒドロキシ-1H-ベンゾトリアゾ
−ル等の N-ヒドロキシ化合物とのエステル等が挙げら
れる。これら反応性誘導体は、使用する化合物(VI
I)の種類によって任意に選択することができる。化合
物(VII)の反応性誘導体の好適な塩としては、例え
ばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、例え
ばカルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属
塩、アンモニウム塩、例えばトリメチルアミン塩、トリ
エチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、ジシクロヘ
キシルアミン塩、N,N-ジベンジルエチレンジアミン塩等
の有機塩基塩等のような塩基塩が挙げられる。反応は通
常、水、例えばメタノ−ル、エタノ−ル等のアルコ−ル
類、アセトン、ジオキサン、アセトニトリル、クロロホ
ルム、塩化メチレン、塩化エチレン、テトラヒドロフラ
ン、酢酸エチル、N,N-ジメチルホルムアミド、ピリジン
のような常用の溶媒中で行われるが、反応に悪影響を及
ぼさない溶媒であればその他のいかなる有機溶媒中でも
反応を行うことができる。これら常用の溶媒は水との混
合物として使用してもよい。この反応において、化合物
(VIII)を遊離酸の形またはその塩の形で使用する
場合には、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド;N-
シクロヘキシル-N'-モルホリノエチルカルボジイミド;
N-シクロヘキシル-N'-(4-ジエチルアミノシクロヘキシ
ル)カルボジイミド;N,N'-ジエチルカルボジイミド、
N,N'-ジイソプロピルカルボジイミド、N-エチル-N'-(3
-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド;N,N'-カル
ボニルビス(2-メチルイミダゾ−ル);ペンタメチレン
ケテン-N-シクロヘキシルイミン;ジフェニルケテン-N-
シクロヘキシルイミン;エトキシアセチレン;1-アルコ
キシ-1-クロロエチレン;亜リン酸トリアルキル;ポリ
リン酸エチル;ポリリン酸イソプロピル;オキシ塩化リ
ン;ジフェニルホスホリルアジド;塩化チオニル;塩化
オキサリル;例えばクロロギ酸エチル;クロロギ酸イソ
プロピル等のハロギ酸低級アルキル;トリフェニルホス
フィン;2-エチル-7-ヒドロキシベンズイソオキサゾリ
ウム塩、2-エチル-5-(m-スルホフェニル)イソオキサ
ゾリウムヒドロキシド分子内塩;N-ヒドロキシベンゾト
リアゾ−ル;1-(p-クロロベンゼンスルホニルオキシ)-
6-クロロ-1H-ベンゾトリアゾ−ル;N,N'-ジメチルホルム
アミドと塩化チオニル、ホスゲン、クロロギ酸トリクロ
ロメチル、オキシ塩化リン等との反応によって調製した
いわゆるビルスマイヤ−試薬等のような常用の縮合剤の
存在下に反応を行うのが望ましい。反応はまたアルカリ
金属炭酸水素塩、トリ(低級)アルキルアミン、ピリジ
ン、N-(低級)-アルキルモルホリン、N,N-ジ(低級)ア
ルキルベンジルアミン等のような無機塩基または有機塩
基の存在下に行ってもよい。反応温度は特に限定されな
いが、通常は冷却下ないし加温下に反応が行われる。こ
のようにして得られるチエノピリジン誘導体(I−9)
は公知の分離精製手段例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽
出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどによ
り単離精製することができる。N−アルコキシカルボニ
ル体の製造は、H法と同様にして行われ、例えば、Cl
COOR3(R3は上記と同意義)との反応により得るこ
とができる。化合物(I)の製造に用いる原料化合物
は、例えば次のような方法で製造することができる。
【0051】I法
【化52】 [式中、各記号は上記と同意義を有する。] 化合物(X)は、ジャ−ナル オブ メディシナル ケ
ミストリ−(Journal of Medicinal Chemistry)、17
巻、624頁(1974年)記載の方法に従い、化合物
(VIII)、化合物(IX)及びイオウを塩基の存在
下、溶媒中で反応することにより製造される。該溶媒と
しては例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香
族炭化水素、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメト
キシエタンなどのエ−テル類、メタノ−ル、エタノ−
ル、プロパノ−ルなどのアルコ−ル類、クロロホルム、
ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、1,1,2,2-テトラ
クロロエタン及びこれらの混合溶媒があげられる。該塩
基としては、トリエチルアミン、ジエチルアミン、モル
ホリン、ピペリジン、N,N-ジメチルアニリン等のアミン
類の適宜の塩基の存在下に行われ、これら塩基の使用量
は化合物(VIII)に対し1〜5モル当量程度が好ま
しい。本反応は通常−20゜C〜150゜C、好ましく
は約−10゜C〜100゜Cで行われる。ついで化合物
(X)と化合物(XI)の反応のより、化合物(II−
3)を製造する。(X)と(XI)の反応は、塩化アル
ミニウム、塩化亜鉛等のルイス酸、塩酸、硫酸、トリフ
ルオロ酢酸、p-トルエンスルホン酸等の適宜の酸の存在
下、溶媒中で行われる。該溶媒としてはベンゼン、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエ−テル類、
メタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ルなどのアルコ−
ル類、酢酸エチル、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、
ジメチルスルホキシド(DMSO)、クロロホルム、ジクロロ
メタン、1,2-ジクロロエタン、1,1,2,2-テトラクロロエ
タンおよびこれらの混合溶媒があげられる。化合物(X
I)の使用量は化合物(X)に対し1.0〜2.0モル
当量程度が好ましい。酸の使用量は化合物(X)に対し
0.05〜2.0モル当量程度が好ましい。本反応は通
常0゜C〜200゜C、好ましくは約20゜C〜120
゜Cで行われる。反応時間は0.5〜20時間、好まし
くは1〜10時間である。このようにして得られるチエ
ノピリジン誘導体(II−3)は、公知の分離精製手段
例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転
溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製することが
できる。
【0052】A法〜I法は、窒素原子を含むB環が6員
環であるチエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジン
誘導体の合成法を提供するものであるが、これらの方法
は、一般的にB環が、5員環、6員環、7員環の場合に
応用される。J法
【化53】 [式中、k、rは同一または異なって1、2または3を
表し、他の記号は前記と同意義を有する。] 本法はI法と同様にして行われる。化合物(XII)と
化合物(IX)の反応では化合物(XIII)と化合物
(XIV)の混合物が生成する。化合物(XIII)と
化合物(XIV)は、それぞれ単離精製の後化合物(X
I)との反応に付し、化合物(II−4)および(II
−5)をそれぞれ製造する。本法で製造した化合物(I
I−4)および(II−5)は、A法に従って化合物
(III)との反応に、B法に従って化合物(IV)と
の反応に、C法に従ってアシル基またはアルコキシカル
ボニル基の除去反応に用いられる。さらに、このアシル
基またはアルコキシカルボニル基の除去反応による生成
物から、D法と同様の方法でB環の飽和体を、F法に従
って化合物(V)との反応でN−スルホニル体を、G法
に従って化合物(VI)との反応でN−カルバモイル体
またはN−チオカルバモイル体を、H法に従って化合物
(VII)との反応でN−アシル体をそれぞれ製造す
る。A法〜J法で製造されるチエノピリジン誘導体が、
環Aの置換基としてイソプロポキシ基を有するとき、四
塩化チタンで処理することによりイソプロポキシ基をヒ
ドロキシ基に変換することができる。本反応は、クロロ
ホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素等の溶媒中、−5
0〜30℃、好ましくはー10〜20℃で行われる。
【0053】本発明によって提供される化合物(I)ま
たはそれらの塩は、抗炎症作用を有し、さらにヒトのリ
ウマチ様関節炎に類似した関節炎を発症するアジュバン
ト関節炎の実験モデルで優れた抗関節炎作用が確認され
た。また、本発明の化合物は、優れた骨吸収抑制作用を
有し、関節炎に伴う骨破壊、骨粗鬆症等の予防・治療に
有用である。さらに、本発明化合物は、免疫性サイトカ
イン産生抑制作用を有しており、免疫の関与していると
考えられる疾患の予防・治療、または/および臓器移植
後の拒絶反応の予防にも有効である。また、本発明の化
合物の毒性は低い。従って、本発明の目的化合物はヒト
を含む哺乳動物(例、ヒト、ウマ、ウシ、ブタ、イヌ、
ネコなど)の関節に炎症症状を呈する総ての関節炎の予
防および治療剤として、骨破壊もしくは骨粗鬆症の予防
または治療剤として、また免疫抑制剤として用いること
ができる。本発明の免疫抑制剤または医薬組成物は、特
に、免疫性サイトカイン[例えば、インターロイキン−
2(IL−2)、インターフェロン−γ(IFN−γ)
など]の産生を抑制する作用を有しているものであり、
人を含む哺乳動物の自己免疫疾患を含む免疫の関与して
いると考えられる疾患の治療または予防に有用である。
かかる対象疾患としては、例えば全身性エリセマトーデ
ス、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)、多発
性硬化症、乾癬、慢性肝炎、膀胱ガン、乳ガン、子宮頸
部ガン、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、大腸
ガン、結腸ガン、直腸ガン、ヘリコバクターピロリ感染
症、ホジキン病、インスリン依存性糖尿病、悪性黒色
腫、多発性骨髄腫、非ホジキン性リンパ腫、非小細胞肺
ガン、卵巣ガン、消化性潰瘍、前立腺ガン、敗血症ショ
ック、結核、不妊症、動脈硬化、ベーチュット病、喘
息、アトピー性皮膚炎、腎炎、全身性真菌感染症、急性
バクテリア髄膜炎、急性心筋梗塞、急性膵炎、急性ウイ
ルス脳炎、成人呼吸促迫症候群、バクテリア肺炎、慢性
膵炎、単純ヘルペスウイルス感染症、水痘−帯状疱疹ウ
イルス感染症、AIDS、ヒトパピローマウイルス感染
症、インフルエンザ、侵襲性ブドウ状球菌感染症、末梢
血管疾患、敗血症、間質性肝疾患、時周性回腸炎、多発
性硬化症などが挙げられる。本発明の免疫抑制剤は、と
りわけ、全身性エリセマトーデス、慢性肝炎、間質性肝
疾患、喘息、乾癬、潰瘍性大腸炎、クローン病、限局性
回腸炎または多発性硬化症などの予防または治療に対し
好ましく用いられる。また、本発明の免疫抑制剤は、臓
器移植後の拒絶反応の予防においても有用である。本発
明で使用する化合物(I)の投与量は、投与経路、治療
すべき患者の症状により種々選択できるが、通常、成人
1人あたり、経口投与の場合、5mg〜1000mg、
非経口投与の場合、1mg〜100mgの範囲から選択
でき、これらを1日1〜3回に分けて投与できる。
【0054】
【発明の実施の形態】つぎに本発明の化合物(I)また
はそれらの塩の薬理作用を裏付けるための試験方法びそ
の結果を示す。 試験例1 ラット・アジュバント関節炎に対する作用 雄性 ルイス(Lewis)系ラット(7週令、日本クレア)
の右後肢足蹠皮内に完全フロイントアジュバント[ Fre
und's complete adjuvant(0.5% 結核死菌の流動パラフ
ィン懸濁液)]0.05ml を注射して感作した。被検
薬剤(6.25mg/kg)を0.5%メチルセルロー
スに懸濁して感作直前(day 0) から14日間1日1回
経口投与した。感作直前(Day 0) および 14日目(D
ay 14)に左後肢容積および体重を,それぞれプレサイ
スモメーター( Ugo Basile 社製、イタリア )と電子天
秤( EB-3200D、島津社製、日本)で測定し、非感作ラ
ットに対する足蹠の膨脹抑制率(%)及び体重増加率
(%)を求めた。結果は、各群(N=6) の平均±S.E. で
表し、ダンネット(Dunnet)法で比較・検定した。ま
た、危険率 5% 未満を有意とした。表1に示した通り、
本発明の化合物は足蹠の浮腫抑制及び体重増加に見られ
る全身症状の改善において効果を示した。
【表1】
【0055】試験例2 骨吸収抑制作用 骨吸収作用の測定はロイスの方法[ジャーナル・オブ・
クリニカル・インベスティゲーション(J.Clin.Inves
t.), 44,103-116(1965)]によった。すなわち、妊娠 1
8日目の Sprague-Dawley 系ラット1匹に 45Ca(カルシ
ウムの同位元素、CaCl2溶液)を 50μCi 皮下注射し、
翌日開腹し、無菌的に胎仔ラットを取り出し、解剖顕微
鏡下で胎児ラットの左右の前腕骨(橈骨、尺骨)を躯幹
より切り離し、さらに可能な限り結合織、軟骨を除いて
骨培養サンプルとした。BGJb メテ゛ィウム (Fitton-Jackson
modification;GIBCO Laboratories,米国) に牛血清ア
ルブミン(終濃度 2 mg/ml)を添加した培地 0.6ml に、
骨を1片ずつ加えて 37℃で24 時間培養した。この骨
を、化合物(終濃度 10μM )を加えた上記メディウム
で 2 日間培養した。骨からメディウム中へ放出した45C
a の比率(%)は、メディウム中の45Caの放射活性と骨
中の45Ca の放射活性を測定して数1の式に従って求め
た。
【数1】 同腹の胎仔から得た骨を化合物を加えないで同様に 2
日間培養したものを対称群とした。各群 5 個の骨から
得られた値の平均値±標準偏差を求め、この値の対称群
の値に対する比率(%)を求め、表2に示した。
【表2】
【0056】参考例1 ω−シアノ−3,4−ジメトキシアセトフェノン(1
0.54g)、イオウ(1.77g)、1−(4−クロ
ロベンゾイル)−4−ピペリドン(13.1g)、モル
ホリン(4.67ml)およびエタノ−ル(100m
l)の混合物を還流下に2時間かきまぜた。反応混合物
を氷−水に注ぎ析出結晶をろ取、エタノールから再結
晶、2−アミノ−6−(4−クロロベンゾイル)−3−
(3,4−ジメトキシベンゾイル)−4,5,6,7−
テトラヒドロチエノ[2,3−c]ピリジン(21.3
3g,91%)を得た。淡黄色針状晶。融点 138〜
140℃。 参考例2、参考例3 参考例1と同様にして、表3の化合物を得た。
【0057】
【表3】 参考例4 2−アミノ−6−(4−クロロベンゾイル)−3−
(3,4−ジメトキシベンゾイル)−4,5,6,7−
テトラヒドロチエノ[2,3−c]ピリジン(20.5
5g)、4−クロロアセト酢酸エチル(8.17g)、
塩酸−エタノール(23%,7.34g)およびエタノ
ール(80ml)の混合物を還流下に2.5時間かきま
ぜた。析出結晶をろ取、酢酸エチルから再結晶、7−
(4−クロロベンゾイル)−2−クロロメチル−4−
(3,4−ジメトキシフェニル)−5,6,7,8−テ
トラヒドロチエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリ
ジン−3−カルボン酸エチル(構造式下記)(12.3
8g,47%)を得た。淡黄色結晶。融点 132〜1
33℃。
【化54】
【0058】参考例5、参考例6 参考例4と同様にして、表4の化合物を得た。
【表4】
【0059】参考例7 参考例1と同様にして、ω−シアノ−3,4−ジメトキ
シアセトフェノン、1−べンジルオキシカルボニル−3
−ピロリドンおよびイオウとの反応により、2−アミノ
−5−ベンジルオキシカルボニル−3−(3,4−ジメ
トキシベンゾイル)−4,6−ジヒドロチエノ[2,3
−c]ピロールを得、エタノールから再結晶した。淡黄
色プリズム晶。融点 195〜196℃。 参考例8 参考例7で得た化合物(1.0g)、4−クロロアセト
酢酸エチル(3.4g)、p-トルエンスルホン酸1水和
物(0.607g)およびベンゼン(300ml)の混
合物を還流下に、生成する水を分離しつつ5時間加熱し
た後反応混合物は、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液、水の順に洗浄、乾燥 (MgSO4) し、減圧下に濃縮し
た。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し、酢酸エチル−ヘキサン(1:1,v/v)で溶出す
る部分より、2−ベンジルオキシカルボニル−6−クロ
ロメチル−8−(3,4−ジメトキシフェニル)−2,
3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3’,4’:4,5]チ
エノ[2,3−b]ピリジン−7−カルボン酸エチル
(構造式下記)(5.7g,63%)を得た。酢酸エチ
ル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点
137〜138℃。
【0060】
【化55】
【0061】参考例9 参考例1と同様にして、ω−シアノ−3,4−メチレン
ジオキシアセトフェノン、1−ベンゾイル−4−ピペリ
ドンおよびイオウとの反応により、2−アミノ−6−ベ
ンゾイル−3−(3,4−メチレンジオキシベンゾイ
ル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[2,3−
c]ピリジンを得、クロロホルム−ヘキサンから再結晶
した。淡黄色プリズム晶。融点 211〜212℃。 参考例10 参考例4と同様にして、参考例9で得た化合物および4
−クロロアセト酢酸エチルとの反応により、7−ベンゾ
イル−2−クロロメチル−4−(3,4−メチレンジオ
キシフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ
[2,3−b:5,4−c’]ジピリジン−3−カルボ
ン酸エチルを得、酢酸エチル−ヘキサンから再結晶し
た。無色プリズム晶。融点 185〜186℃。 参考例11〜参考例13 参考例1と同様にして、表5の化合物を得た。
【0062】
【表5】 参考例14〜参考例16 参考例4と同様にして、表6の化合物を得た。
【表6】
【0063】参考例17 参考例1と同様にして、ω−シアノ−4−イソプロポキ
シ−3−メトキシアセトフェノン、1−(4−クロロべ
ンゾイル)−4−ピペリドンおよびイオウとの反応によ
り、2−アミノ−6−(4−クロロベンゾイル)−3−
(4−イソプロポキシ−3−メトキシベンゾイル)−
4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[2,3−c]ピ
リジンを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。
淡黄色プリズム晶。融点 118〜119℃。 参考例18 参考例4と同様にして、参考例17で得た化合物および
4−クロロアセト酢酸エチルとの反応により、7−(4
−クロロベンゾイル)−2−クロロメチル−4−(4−
イソプロポキシ−3−メトキシフェニル)−5,6,
7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−b:5,4−
c’]ジピリジン−3−カルボン酸エチルを得、酢酸エ
チルから再結晶した。淡黄色針状晶。融点 135〜1
36℃。 参考例19 3,4−ジメトキシ安息香酸エチル(17.8g)およ
びアセトニトリル(7.0g)のトルエン(30ml)
溶液を、油性水素化ナトリウム(60%,6.8g)の
トルエン(170ml)および N,N-ジメチルホルムア
ミド (DMF) (17ml)懸濁駅に100℃で滴下し
た。滴下後さらに100℃で3時間かきまぜ、反応混合
物を氷−水に注ぎ有機層を分取した。水層を2N塩酸で
酸性化し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は水
洗、乾燥 (MgSO4) し、減圧下に濃縮し、ω−シアノ−
3,4−ジメトキシアセトフェノン(14.0g,80
%)を得、酢酸エチルから再結晶した。無色針状晶。融
点 141〜142℃。 参考例20〜参考例25 参考例19と同様にして、表7の化合物を得た。
【0064】
【表7】 1)NMR (δ ppm in CDCl3) : 1.25 (3H,t,J=7.0Hz), 2.7
0 (2H,q,J=7.0Hz), 4.08(2H,s), 7.33 (2H,d,J=8.0Hz),
7.84 (2H,d,J=8.0Hz)。 2)NMR (δ ppm in CDCl3) : 0.95 (3H,t,J=7.4Hz), 1.6
7 (2H,m), 2.67 (2H,q,J=7.4Hz), 4.07 (2H,s), 7.32
(2H,d,J=8.2Hz), 7.84 (2H,d,J=8.2Hz)。 3)NMR (δ ppm in CDCl3) : 1.28 (6H,d,J=7.0Hz), 2.9
9 (1H,m), 4.08 (2H,s),7.37 (2H,d,J=8.6Hz), 7.86 (2
H,d,J=8.6Hz)。 4)NMR (δ ppm in CDCl3) : 4.06 (2H,s), 7.51 (2H,d,
J=8.8Hz), 7.87 (2H,d,J=8.8Hz)。
【0065】参考例26 1−ベンジルオキシカルボニル−3−ピペリドン(9.
1g)、ω−シアノ−3,4−ジメトキシアセトフェノ
ン(8.0g)、イオウ(1.3g)、モルホリン
(3.6ml)およびエタノール(150ml)の混合
物を還流下に3時間加熱した。反応混合物を減圧下に濃
縮し、残留物に酢酸エチルを加え、不溶物をろ別、ろ液
は水洗、乾燥 (MgSO4) し、減圧下に濃縮した。残留物
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エ
チル−ヘキサン(2:3,v/v)で溶出する部分よ
り、2−アミノ−7−ベンジルオキシカルボニル−3−
(3,4−ジメトキシベンゾイル)−4,5,6,7−
テトラヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン(2.76
g,16%)を得た。淡黄色プリズム晶。融点 177
〜178℃。 参考例27 参考例26のカラムクロマトグラフィーにおいて、参考
例26の化合物につづいて溶出する部分より、2−アミ
ノ−5−ベンジルオキシカルボニル−3−(3,4−ジ
メトキシベンゾイル)−4,5,6,7−テトラヒドロ
チエノ[3,2−c]ピリジン(6.50g,37%)
を得た。淡黄色粉末。NMR (δ ppm in CDCl3) : 2.6-2.
7 (2H,m), 3.72 (2H,t,J=5.8Hz), 3.8-4.1 (8H,m), 5.0
7 (2H,s), 6.2-6.4 (1H,m) 6.7-7.5 (9H,m)。 参考例28 参考例26同様にして、ω−シアノ−3,4−ジメトキ
シアセトフェノン、1−(4−クロロべンゾイル)−3
−ピペリドンおよびイオウとの反応により、2−アミノ
−5−(4−クロロベンゾイル)−3−(3,4−ジメ
トキシベンゾイル)−4,5,6,7−テトラヒドロチ
エノ[3,2−c]ピリジンを粉末として得た。NMR
(δ ppm in CDCl3) : 2.6-2.8 (2H,m), 3.4-4.0 (4H,
m), 3.93 (6H,s), 6.2-7.5 (9H,m)。
【0066】参考例29 参考例4と同様にして、参考例28で得た化合物および
4−クロロアセト酢酸エチルとの反応により、6−(4
−クロロベンゾイル)−2−クロロメチル−4−(3,
4−ジメトキシフェニル)−5,6,7,8−テトラヒ
ドロチエノ[2,3−b:4,5−c’]ジピリジン−
3−カルボン酸エチルを粉末として得た。NMR (δ ppm
in CDCl3) : 0.98 (3H,t,J=7.2Hz), 2.9-3.2 (2H,m),
3.6-4.2 (6H,m), 3.98 (6H,s), 4.85 (2H,s), 6.5-7.5
(7H,m)。 参考例30 参考例4と同様にして、参考例26で得た化合物および
4−クロロアセト酢酸エチルとの反応により、8−ベン
ジルオキシカルボニル−2−クロロメチル−4−(3,
4−ジメトキシフェニル)−5,6,7,8−テトラヒ
ドロチエノ[2,3−b:5,4−b’]ジピリジン−
3−カルボン酸エチルを得、酢酸エチル−ヘキサンから
再結晶した。無色プリズム晶。融点 178〜179
℃。 参考例31 参考例4と同様にして、参考例27で得た化合物および
4−クロロアセト酢酸エチルとの反応により、6−ベン
ジルオキシカルボニル−2−クロロメチル−4−(3,
4−ジメトキシフェニル)−5,6,7,8−テトラヒ
ドロチエノ[2,3−b:4,5−c’]ジピリジン−
3−カルボン酸エチルを得、酢酸エチル−ヘキサンから
再結晶した。無色プリズム晶。融点 125〜126
℃。
【0067】実施例1 参考例5で得た化合物(0.80g)、ジエチルアミン
(0.64g)およびジクロロメタン(25ml)の混
合物を還流下に4時間かきまぜた。反応混合物は、水
洗、乾燥(MgSO4)後溶媒を留去した。残留物はシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィ−に付し、酢酸エチル−ヘキ
サン(2:1,v/v)で溶出する部分から、7−ベン
ゾイル−2−(N,N−ジエチルアミノメチル)−4−
(3,4−ジメトキシフェニル)−5,6,7,8−テ
トラヒドロチエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリ
ジン−3−カルボン酸エチル(構造式下記)(0.60
g,70%)を不定形固体として得た。融点 86〜8
7℃。 NMR (δ ppm in CDCl3): 0.93 (3H,t,J=7.2Hz), 0.95
(6H,t,J=7.0Hz), 1.95-2.16 (2H,broad), 2.00-2.18 (2
H,m), 2.54 (4H,q,J=7.0Hz), 3.36-3.70 (2H,broad),
3.86 (3H,s), 3.91 (2H,s), 3.93 (2H,q,J=7.2Hz), 4.6
2-4.73 (1H,broad),4.73-5.16 (1H,broad), 6.81-6.92
(3H,m), 7.43 (5H,s)。
【化56】
【0068】実施例2 参考例4で得た化合物を実施例1と同様の反応に付し、
7−(4−クロロベンゾイル)−2−(N,N−ジエチ
ルアミノメチル)−4−(3,4−ジメトキシフェニ
ル)−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−
b:5,4−c’]ジピリジン−3−カルボン酸エチル
(構造式下記)を不定形固体として得た。融点 96〜
98℃。 NMR (δ ppm in CDCl3): 0.93 (3H,t,J=7.4Hz), 0.95
(6H,t,J=7.0Hz), 2.09 (2H,broad), 2.54 (4H,q,J=7.0H
z), 3.86 (3H,s), 3.94 (2H,q,J=7.0Hz), 3.95 (3H,
s), 4.73 (1H,s), 4.96 (1H,s), 6.81-6.93 (3H,s), 7.
40 (4H,s)。
【化57】
【0069】実施例3 参考例4で得た化合物(1.16g)、イソニペコチン
酸エチル(0.40g)、炭酸カリウム(0.50g)
および N,N-ジメチルホルムアミド(10ml)の混合
物を室温で3時間かきまぜた後、水に注ぎ酢酸エチルで
抽出した。酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgSO4)後溶媒を
留去した。残留物はシリカゲルカラムクロマトグラフィ
−に付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:1,v/v)で
溶出する部分から、7−(4−クロロベンゾイル)−4
−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−(4−エトキ
シカルボニルピペリジノメチル)−5,6,7,8−テ
トラヒドロチエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリ
ジン−3−カルボン酸エチル(構造式下記)(0.70
g,50%)を不定形固体として得た。融点 99〜1
01℃。 NMR (δ ppm in CDCl3): 0.95 (3H,t,J=7.2Hz), 1.23
(3H,t,J=7.2Hz), 1.50-1.90 (4H,m), 2.00-2.36 (5H,
m), 2.75-2.88 (2H,m), 3.50 (2H,broad s), 3.84 (2H,
s), 3.871 (3H,s), 3.95 (3H,s), 4.10 (2H,q,J=7.2H
z), 4.73 (1H,broad),4.98 (1H,broad), 6.81-6.95 (3
H,m), 7.33-7.44 (4H,m)。
【化58】
【0070】実施例4 参考例6で得た化合物(6.49g)、ジエチルアミン
(2.71g)およびテトラヒドロフラン(50ml)
の混合物を還流下に17時間かきまぜた後、反応混合物
を、水に注ぎ酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は水
洗、乾燥(MgSO4)後溶媒を留去し、7−ベンゾイル−4
−(4−クロロフェニル)−2−(N,N−ジエチルア
ミノメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ
[2,3−b:5,4−c’]ジピリジン−3−カルボ
ン酸エチル(構造式下記)(5.81g,84%)を得
た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色針状
晶。融点 177〜178℃。
【化59】
【0071】実施例5 実施例1で得た化合物(4.02g)および3NHCl
(12ml)の混合物を80℃で13.5時間かきまぜ
た。反応混合物を1NNaOHでアルカリ性とした後、
酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgS
O4)後溶媒を留去した。残留物はシリカゲルカラムクロ
マトグラフィ−に付し、クロロホルム−メタノール(3
0:1,v/v)で溶出する部分から、2−(N,N−
ジエチルアミノメチル)−4−(3,4−ジメトキシフ
ェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,
3−b:5,4−c’]ジピリジン−3−カルボン酸エ
チル(構造式下記)(2.30g,70%)を不定形固
体として得た。融点 72〜75℃。 NMR (δ ppm in CDCl3): 0.94 (3H,t,J=7.6Hz), 0.96
(3H,t,J=7.2Hz), 1.95-2.15 (2H,m), 2.54 (4H,q,J=7.2
Hz), 2.91 (2H,t,J=5.8Hz), 3.86 (3H,s), 3.92 (2H,
s), 3.94 (3H,s), 3.95 (2H,q,J=7.6Hz), 4.11 (2H,s),
6.82-6.87 (3H,m)。
【化60】
【0072】実施例6 実施例4で得た化合物(2.09g)および濃塩酸(8
ml)−水(16ml)の混合物を90℃で4時間かき
まぜた。反応混合物を1NNaOHでアルカリ性とした
後、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は水洗、乾燥
(MgSO4)後溶媒を留去、残留固体を酢酸エチル−ヘキサ
ンから再結晶し、4−(4−クロロフェニル)−2−
(N,N−ジエチルアミノメチル)−5,6,7,8−
テトラヒドロチエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピ
リジン−3−カルボン酸エチル(構造式下記)(1.3
4g,79%)を得た。無色針状晶。融点 104〜1
06℃。
【化61】
【0073】実施例7 実施例5で得た化合物(10.16g)、活性化二酸化
マンガン(30.93g)およびトルエン(200m
l)の混合物を還流下で11.5時間かきまぜた。反応
混合物をろ過し、ろ液を減圧下に濃縮した。残留物はシ
リカゲルカラムクロマトグラフィ−に付し、酢酸エチル
−ヘキサン−メタノール(20:20:1,v/v)で
溶出する部分から、2−(N,N−ジエチルアミノメチ
ル)−4−(3,4−ジメトキシフェニル)チエノ
[2,3−b:5,4−c’]ジピリジン−3−カルボ
ン酸エチル(構造式下記)(3.1g,31%)を得
た。酢酸エチルから再結晶した。無色針状晶。融点 1
63〜165℃。
【化62】
【0074】実施例8 実施例7のカラムクロマトグラフィ−において続いて溶
出する部分から、2−(N,N−ジエチルアミノメチ
ル)−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,6−
ジヒドロチエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジ
ン−3−カルボン酸エチル(構造式下記)(3.1g,
31%)を得た。融点 118〜120℃を得た。 NMR (δ ppm in CDCl3): 0.95 (3H,t,J=7.2Hz), 0.96
(6H,t,J=7.2Hz), 2.08 (2H,t,J=8.0Hz), 2.55 (4H,q,J=
7.2Hz), 3.63 (2H,dt,J=8.0&2.2Hz), 3.87 (3H,s), 3.9
5 (2H,s), 3.96 (2H,q,J=7.2Hz), 6.78-6.88 (2H,m),
6.93 1H,d,J=8.0Hz), 8.36 (1H,t,J=2.2Hz)。
【化63】
【0075】実施例9 実施例5で得た化合物(0.96g)、塩化ベンゼンス
ルホニル(0.43g)、トリエチルアミン(0.42
ml)およびテトラヒドロフラン(20ml)の混合物
を室温で14時間かきまぜた。反応混合物を水に注ぎ酢
酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgS
O4)後溶媒を留去し、残留物はシリカゲルカラムクロマ
トグラフィ−に付した。酢酸エチル−ヘキサン−メタノ
ール(20:20:1,v/v)で溶出する部分から、
7−ベンゼンスルホニル−2−(N,N−ジエチルアミ
ノメチル)−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−
5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−b:
5,4−c’]ジピリジン−3−カルボン酸エチル(構
造式下記)(0.96g,76%)を得た。酢酸エチル
−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点 161
〜162℃。
【化64】
【0076】実施例10 実施例9と同様にして、2−(N,N−ジエチルアミノ
メチル)−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−7−
メタンスルホニル−5,6,7,8−テトラヒドロチエ
ノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジン−3−カル
ボン酸エチル(構造式下記)を得た。酢酸エチル−ヘキ
サンから再結晶した。無色針状晶。融点147〜148
℃。
【化65】
【0077】実施例11 実施例5で得た化合物(1.0g)、フェニルイソチオ
シアナート(0.31g)およびテトラヒドロフラン
(20ml)の混合物を室温で14時間かきまぜた後、
減圧下に濃縮した。残留物はシリカゲルカラムクロマト
グラフィ−に付し、酢酸エチル−ヘキサン−メタノール
(20:20:1,v/v)で溶出する部分から、2−
(N,N−ジエチルアミノメチル)−4−(3,4−ジ
メトキシフェニル)−7−フェニルチオカルバモイル−
5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−b:
5,4−c’]ジピリジン−3−カルボン酸エチル(構
造式下記)(1.03g,80%)を得た。酢酸エチル
−ヘキサンから再結晶した。無色結晶。融点 104〜
106℃。
【化66】
【0078】実施例12 実施例5で得た化合物(1.0g)、フェニルイソシア
ナート(0.27g)およびテトラヒドロフラン(20
ml)の混合物を室温で3時間かきまぜた後、減圧下に
濃縮した。残留物はシリカゲルカラムクロマトグラフィ
−に付し、酢酸エチル−ヘキサン−メタノール(20:
20:1,v/v)で溶出する部分から、2−(N,N
−ジエチルアミノメチル)−4−(3,4−ジメトキシ
フェニル)−7−フェニルカルバモイル−5,6,7,
8−テトラヒドロチエノ[2,3−b:5,4−c’]
ジピリジン−3−カルボン酸エチル(構造式下記)
(1.10g,88%)を得た。酢酸エチル−ヘキサン
から再結晶した。無色プリズム晶。融点 154〜15
5℃。
【化67】
【0079】実施例13 実施例5で得た化合物(1.22g)、メチルイソシア
ナート(0.17g)およびテトラヒドロフラン(20
ml)の混合物を室温で5時間かきまぜた後、減圧下に
濃縮した。残留物はシリカゲルカラムクロマトグラフィ
−に付し、酢酸エチル−ヘキサン−メタノール(20:
20:1,v/v)で溶出する部分から、2−(N,N
−ジエチルアミノメチル)−4−(3,4−ジメトキシ
フェニル)−7−メチルカルバモイル−5,6,7,8
−テトラヒドロチエノ[2,3−b:5,4−c’]ジ
ピリジン−3−カルボン酸エチル(構造式下記)(0.
30g,22%)を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再
結晶した。無色プリズム晶。融点 153〜155℃。
【化68】
【0080】実施例14 実施例5で得た化合物(1.12g)、クロロ炭酸エチ
ル(0.35g)、炭酸カリウム(0.47g)および
テトラヒドロフラン(20ml)の混合物を室温で3時
間かきまぜた。反応混合物は、水に注ぎ酢酸エチルで抽
出、酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgSO4)後溶媒を留去し
た。残留物はシリカゲルカラムクロマトグラフィ−に付
し、酢酸エチル−ヘキサン(1:1,v/v)で溶出す
る部分から、2−(N,N−ジエチルアミノメチル)−
4−(3,4−ジメトキシフェニル)−7−エトキシカ
ルボニル−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,
3−b:5,4−c’]ジピリジン−3−カルボン酸エ
チル(構造式下記)(0.89g,56%)を得た。酢
酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。
融点 119〜120℃。
【化69】
【0081】実施例15 実施例5で得た化合物(2.00g)、塩化アセチル
(0.19g)、トリエチルアミン(0.37ml)お
よびテトラヒドロフラン(10ml)の混合物を氷冷下
に3時間かきまぜた。反応混合物は、水に注ぎ酢酸エチ
ルで抽出した。酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgSO4)後溶
媒を留去、残留物はシリカゲルカラムクロマトグラフィ
−に付した。クロロホルム−メタノール(100:1,
v/v)で溶出する部分から、7−アセチル−2−
(N,N−ジエチルアミノメチル)−4−(3,4−ジ
メトキシフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロチ
エノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジン−3−カ
ルボン酸エチル(構造式下記)(0.65g,60%)
を不定形固体として得た。融点 72〜75℃。 NMR (δ ppm in CDCl3): 0.94 (3H,t,J=7.6Hz), 0.96
(6H,t,J=7.2Hz), 1.95-2.15 (2H,m), 2.54 (4H,q,J=7.2
Hz), 2.91 (2H,t,J=5.8Hz), 3.86 (3H,s), 3.92 (2H,
s), 3.94 (3H,s), 3.95 (2H,q,J=7.6Hz), 4.11 (2H,s),
6.82-6.87 (3H,m)。
【化70】
【0082】実施例16 参考例8で得た化合物(3.3g)、ジエチルアミン
(2.2g)およびテトラヒドロフラン(70ml)の
混合物を還流下に6時間加熱した後、減圧下に濃縮し
た。残留物に酢酸エチルを加え水洗、乾燥 (MgSO4) し
減圧下に濃縮した。残留物をシリカゲル カラムクロマ
トグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:1,
v/v)で溶出する部分より、2−ベンジルオキシカル
ボニル−8−(3,4−ジメトキシフェニル)−6−ジ
エチルアミノメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ
[3’,4’:4,5]チエノ[2,3−b]ピリジン
−7−カルボン酸エチル(2.42g,69%)を得
た。イソプロピルエーテルから再結晶した。無色プリズ
ム晶。融点 142〜143℃。 実施例17 参考例8で得た化合物(1.9g)、1H−1,2,4
−トリアゾール(0.347g)、炭酸カリウム(0.
463g)およびアセトン(50ml)の混合物を還流
下に6時間加熱した後、減圧下に濃縮した。残留物に酢
酸エチルを加え水洗、乾燥 (MgSO4) し減圧下に濃縮し
た。残留物をシリカゲル カラムクロマトグラフィーに
付し、酢酸エチル−メタノール(6:1,v/v)で溶
出する部分より、2−ベンジルオキシカルボニル−8−
(3,4−ジメトキシフェニル)−2,3−ジヒドロ−
6−(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)−
1H−ピロロ[3’,4’:4,5]チエノ[2,3−
b]ピリジン−7−カルボン酸エチル(0.96g,4
8%)を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。
無色プリズム晶。融点 166〜167℃。
【0083】実施例18 実施例17のカラムクロマトグラフィーにおいて実施例
17の化合物に続いて溶出する部分より、2−ベンジル
オキシカルボニル−8−(3,4−ジメトキシフェニ
ル)−2,3−ジヒドロ−6−(1,2,4−トリアゾ
ール−4−イルメチル)−1H−ピロロ[3’,4’:
4,5]チエノ[2,3−b]ピリジン−7−カルボン
酸エチル(0.218g,11%)を得た。無色粉末。 実施例19 2−ピロリドン(1.0g)の N,N-ジメチルホルムア
ミド(60ml)溶液に油性水素化ナトリウム(60
%,0.504g)を加え20分間室温でかきまぜた。
ついで参考例10で得た化合物(4.5g)を加え、6
0℃で20分間かきまぜた後反応混合物を水に注ぎ析出
固体をろ取した。この結晶はシリカゲルカラムクロマト
グラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:1,v
/v)で溶出する部分より、7−ベンゾイル−4−
(3,4−メチレンジオキシフェニル)−2−(2−オ
キソ−1−ピロリジニルメチル)−5,6,7,8−テ
トラヒドロチエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリ
ジン−3−カルボン酸エチル(0.93g,19%)を
得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。淡黄色プ
リズム晶。融点 270〜271℃。
【0084】実施例20 実施例17と同様にして、参考例5で得た化合物と1H
−1,2,4−トリアゾールとの反応により、7−ベン
ゾイル−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,
6,7,8−テトラヒドロ−2−(1,2,4−トリア
ゾール−1−イルメチル)チエノ[2,3−b:5,4
−c’]ジピリジン−3−カルボン酸エチルを得た。酢
酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。
融点 193〜194℃。 実施例21 水素化リチウムアルミニウム(0.164g)を実施例
20で得た化合物(5.0g)のテトラヒドロフラン
(50ml)溶液に加え、室温で2時間かきまぜた。反
応混合物に水を加えた後酢酸エチルで抽出した。酢酸エ
チル層は、水洗後、乾燥 (MgSO4) し減圧下に濃縮し
た。残留物をシリカゲル カラムクロマトグラフィーに
付し、クロロホルム−メタノール(50:1,v/v)
で溶出する部分より、4−(3,4−ジメトキシフェニ
ル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−(1,2,
4−トリアゾール−1−イルメチル)チエノ[2,3−
b:5,4−c’]ジピリジン−3−カルボン酸エチル
(3.08g,75%)を得た。酢酸エチル−ヘキサン
から再結晶した。無色プリズム晶。融点 164〜16
5℃。 実施例22 実施例21で得た化合物を実施例7と同様に処理し、4
−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−(1,2,4
−トリアゾール−1−イルメチル)チエノ[2,3−
b:5,4−c’]ジピリジン−3−カルボン酸エチル
を得た。酢酸エチルから再結晶した。無色プリズム晶。
融点 172〜174℃。
【0085】実施例23 参考例2で得た化合物および5−(1−メチルイミダゾ
ール−2−イル)−3−オキソペンタン酸エチルを参考
例4と同様に処理し、7−ベンゾイル−4−(3,4−
ジメトキシフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ
−2−[2−(1−メチルイミダゾール−2−イル)エ
チル]チエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジン
−3−カルボン酸エチルを得た。酢酸エチルから再結晶
した。無色プリズム晶。融点 170〜17℃。 実施例24 参考例2で得た化合物および3−オキソ−5−(1−ト
リチル−1,2,3−トリアゾール−4−イル)ペンタ
ン酸エチルを参考例4と同様に処理し、7−ベンゾイル
−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,6,7,
8−テトラヒドロ−2−[2−(1,2,3−トリアゾ
ール−4−イル)エチル]チエノ[2,3−b:5,4
−c’]ジピリジン−3−カルボン酸エチルを得た。酢
酸エチルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 18
4〜185℃。 実施例25 実施例17と同様にして、参考例5で得た化合物とヒド
ロキシルアミン塩酸塩との反応により、7−ベンゾイル
−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−(N−ヒ
ドロキシ−N−メチルアミノメチル)−5,6,7,8
−テトラヒドロチエノ[2,3−b:5,4−c’]ジ
ピリジン−3−カルボン酸エチルを得た。酢酸エチル−
ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 12
9〜130℃。
【0086】実施例26 参考例1で得た化合物および3−オキソ−5−(1,
2,4−トリアゾール−1−イル)ペンタン酸エチルを
参考例4と同様に処理し、7−(4−クロロベンゾイ
ル)−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,6,
7,8−テトラヒドロ−2−[2−(1,2,4−トリ
アゾール−1−イル)エチル]チエノ[2,3−b:
5,4−c’]ジピリジン−3−カルボン酸エチルを得
た。酢酸エチルから再結晶した。無色プリズム晶。融点
195〜197℃。 実施例27 参考例1で得た化合物および3−オキソ−6−(1,
2,4−トリアゾール−1−イル)ヘキサン酸エチルを
参考例4と同様に処理し、7−(4−クロロベンゾイ
ル)−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,6,
7,8−テトラヒドロ−2−[3−(1,2,4−トリ
アゾール−1−イル)プロピル]チエノ[2,3−b:
5,4−c’]ジピリジン−3−カルボン酸エチルを得
た。酢酸エチルから再結晶した。無色プリズム晶。融点
114〜116℃。 実施例28 参考例1で得た化合物および3−オキソ−7−(1,
2,4−トリアゾール−1−イル)ペプタン酸エチルを
参考例4と同様に処理し、7−(4−クロロベンゾイ
ル)−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,6,
7,8−テトラヒドロ−2−[4−(1,2,4−トリ
アゾール−1−イル)ブチル]チエノ[2,3−b:
5,4−c’]ジピリジン−3−カルボン酸エチルを得
た。酢酸エチルから再結晶した。無色プリズム晶。融点
165〜166℃。
【0087】実施例29 実施例27で得た化合物(5.99g)、4NKOH
(24ml)およびエタノール(30ml)の混合物を
還流下に1時間かきまぜた。反応混合物を水に注ぎ酢酸
エチルで抽出した。酢酸エチル層は、水洗後、乾燥 (Mg
SO4) し減圧下に濃縮した。残留物をトルエン(80m
l)に溶かし、活性化二酸化マンガン(3.25g)を
加え14.5時間還流下に加熱した。不溶物をろ別し、
ろ液を減圧下に濃縮した。残留物はシリカゲル カラム
クロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン−メ
タノール(10:10:1,v/v)で溶出する部分よ
り、4−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−[3−
(1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]チ
エノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジン−3−カ
ルボン酸エチル(1.54g,33%)を得た。酢酸エ
チル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点
127〜129℃。 実施例30 実施例28で得た化合物を実施例29と同様に処理し、
4−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−[4−
(1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブチル]チエ
ノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジン−3−カル
ボン酸エチルを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶
した。無色プリズム晶。融点 118〜119℃。 実施例31 実施例16で得た化合物(0.3g)およびHBr−酢
酸(25%,0.804g)の混合物を室温で50分間
かきまぜた後、減圧下に濃縮した。残留物にエチルエー
テルを加え固体をろ取した。この固体をジクロロメタン
に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水の順に洗
浄、乾燥 (MgSO4) し減圧下に濃縮、8−(3,4−ジ
メトキシフェニル)−6−ジエチルアミノメチル−2,
3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3’,4’:4,5]チ
エノ[2,3−b]ピリジン−7−カルボン酸エチル
(0.21g,90%)を粉末として得た。 NMR (δ p
pm in CDCl3) : 0.94 (3H,t,J=7.4Hz), 1.01 (6H,t,J=
7.0Hz), 2.62 (4H,q,J=7.0Hz), 3.51-3.75 (2H,m), 3.8
7 (3H,s), 3.89-4.06 (7H,m), 4.29-4.41 (2H,m), 6.78
-6.88 (2H,m), 6.92 (1H,d,J=8.8Hz)。 実施例32 実施例31で得た化合物を実施例15と同様に処理し、
2−アセチル−8−(3,4−ジメトキシフェニル)−
6−ジエチルアミノメチル−2,3−ジヒドロ−1H−
ピロロ[3’,4’:4,5]チエノ[2,3−b]ピ
リジン−7−カルボン酸エチルを得た。酢酸エチル−ヘ
キサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 123
〜124℃。 実施例33〜実施例35 実施例6と同様にして、表8の化合物を得た。
【0088】
【表8】 実施例36〜実施例38 実施例12と同様にして、表9の化合物を得た。
【0089】
【表9】 実施例39〜実施例41 実施例14と同様にして、表10の化合物を得た。
【0090】
【表10】 実施例42〜実施例44 実施例9と同様にして、表11の化合物を得た。
【0091】
【表11】 実施例45〜実施例46 実施例7と同様にして、表12の化合物を得た。
【0092】
【表12】
【0093】実施例47 実施例21で得た化合物を実施例7と同様に処理し、4
−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−(1,2,4
−トリアゾール−1−イルメチル)チエノ[2,3−
b:5,4−c’]ジピリジン−3−カルボン酸エチル
を得た。酢酸エチルから再結晶した。無色プリズム晶。
融点 172〜174℃。 実施例48 実施例16と同様にして、参考例18で得た化合物およ
びジエチルアミンとの反応により、7−(4−クロロベ
ンゾイル)−2−ジエチルアミノメチル−4−(4−イ
ソプロポキシ−3−メトキシフェニル)−5,6,7,
8−テトラヒドロチエノ[2,3−b:5,4−c’]
ジピリジン−3−カルボン酸エチルを得た。酢酸エチル
−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。NMR (δ
ppm in CDCl3) : 0.92 (3H,t,J=7.2Hz), 0.99 (6H,t,J=
7.2Hz), 1.40 (3H,d,J=6.2Hz), 1.43 (3H,d,J=6.2Hz),
2.13 (2H,br s), 2.53 (4H,q,J=7.2Hz), 3.49 (2H,br
s),3.89 (3H,s), 3.94 (2H,q,J=7.2Hz), 4.62 (1H,m),
4.72 (1H,br s), 4.96 (1H,br s), 6.78-6.82 (2H,m),
6.94 (1H,d,J=8.4Hz), 7.40 (4H,s)。 実施例49 実施例48で得た化合物(8.9g)、4NKOH(1
8ml)およびエタノール(150ml)の混合物を還
流下に5時間かきまぜた。反応混合物を水に注ぎ酢酸エ
チルで抽出した。酢酸エチル層は、水洗後、乾燥 (MgSO
4) し減圧下に濃縮した。残留物はシリカゲル カラム
クロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン
(4:1,v/v)で溶出する部分より、2−ジエチル
アミノメチル−4−(4−イソプロポキシ−3−メトキ
シフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ
[2,3−b:5,4−c’]ジピリジン−3−カルボ
ン酸エチル(6.5g,88%)を得た。酢酸エチル−
ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。NMR (δ pp
m in CDCl3) : 0.91 (3H,t,J=7.0Hz), 0.92 (3H,t,J=7.
0Hz), 0.95 (3H,t,J=7.2Hz), 1.39 (3H,d,J=6.2Hz), 1.
42 (3H,d,J=6.2Hz), 1.96-2.06 (4H,q,J=7.0Hz), 2.91
(2H,t,J=5.8Hz), 3.83 (3H,s), 3.91 (2H,s), 3.93(2H,
q,J=7.2Hz), 4.10 (2H,s), 4.60 (1H,m), 6.78-6.82 (2
H,m), 6.91 (1H,d,J=8.6Hz)。
【0094】実施例50 実施例49で得た化合物を実施例7と同様に処理し、2
−ジエチルアミノメチル−4−(4−イソプロポキシ−
3−メトキシフェニル)チエノ[2,3−b:5,4−
c’]ジピリジン−3−カルボン酸エチルを油状物とし
て得た。NMR (δ ppm in CDCl3) : 0.95 (3H,t,J=7.2H
z), 0.98 (6H,t,J=7.0Hz), 1.44 (3H,d,J=6.0Hz), 1.49
(3H,d,J=6.0Hz), 2.58 (4H,q,J=7.0Hz), 3.82 (3H,s),
3.99 (2H,q,J=7.2Hz), 4.00 (2H,s), 4.69 (1H,m), 6.
81 (1H,dd,J=5.6&0.8Hz), 6.89-6.93 (2H,m), 7.07 (1
H,d,J=8.6Hz), 8.33 (1H,d,J=5.6Hz), 9.13 (1H,d,J=0.
8Hz)。 実施例51 実施例50で得た化合物(1.0g)のジクロロメタン
(35ml)溶液に四塩化チタン(0.85ml)を氷
冷下に滴下し、0℃で1.5時間かきまぜた。反応混合
物を氷−水に注ぎジクロロメタンで抽出した。ジクロロ
メタン層は水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水の順
に洗浄、乾燥 (MgSO4) し減圧下に濃縮した。残留物
は、シリカゲル カラムクロマトグラフィーに付し、酢
酸エチル−クロロホルム(1:1,v/v)で溶出する
部分より、2−ジエチルアミノメチル−4−(4−ヒド
ロキシ−3−メトキシフェニル)チエノ[2,3−b:
5,4−c’]ジピリジン−3−カルボン酸エチル
(0.41g,44%)を得た。酢酸エチルから再結晶
した。無色プリズム晶。融点 179〜181℃。 実施例52 実施例17と同様にして、参考例5で得た化合物と1−
メチルヒダントインとの反応により、7−ベンゾイル−
4−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−(1−メチ
ルヒダントイン−3−イルメチル)−5,6,7,8−
テトラヒドロチエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピ
リジン−3−カルボン酸エチルを得た。酢酸エチルから
再結晶した。無色プリズム晶。融点 185〜187
℃。
【0095】実施例53 実施例16と同様にして、参考例29で得た化合物およ
びジエチルアミンとの反応により、6−(4−クロロベ
ンゾイル)−2−ジエチルアミノメチル−4−(3,4
−ジメトキシフェニル)−5,6,7,8−テトラヒド
ロチエノ[2,3−b:4,5−c’]ジピリジン−3
−カルボン酸エチルを得た。酢酸エチル−ヘキサンから
再結晶した。無色プリズム晶。融点 91〜92℃。 実施例54 実施例53で得た化合物(1.8g)、水酸化カリウム
(0.6g)の水(10ml)溶液およびエタノール
(20ml)の混合物を還流下に5時間加熱した後、水
に注いで酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は水洗、
乾燥 (MgSO4) し減圧下に濃縮、2−ジエチルアミノメ
チル−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,6,
7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−b:4,5−
c’]ジピリジン−3−カルボン酸エチルを油状物とし
て得た。NMR (δ ppm in CDCl3) : 0.93 (3H,t,J=7.2H
z), 0.95 (6H,t,J=7.2Hz), 2.54 (4H,q,J=7.2Hz), 2.7
-3.3 (6H,m), 3.85 (3H,s), 3.91 (2H,s), 3.92 (2H,q,
J=7.2Hz), 3.93 (3H,s), 6.7-7.0 (3H,m)。 実施例55 実施例7と同様にして、実施例54で得た化合物および
活性化二酸化マンガンとの反応により、2−ジエチルア
ミノメチル−4−(3,4−ジメトキシフェニル)チエ
ノ[2,3−b:4,5−c’]ジピリジン−3−カル
ボン酸エチルを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶
した。無色プリズム晶。融点 141〜142℃。
【0096】実施例56 実施例17と同様にして、参考例30で得た化合物およ
び1H−1,2,4−トリアゾールとの反応により、8
−ベンジルオキシカルボニル−4−(3,4−ジメトキ
シフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−
(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)チエノ
[2,3−b:5,4−b’]ジピリジン−3−カルボ
ン酸エチルを得た。酢酸エチル−クロロホルムから再結
晶した。無色プリズム晶。融点 184〜185℃。 実施例57 実施例56のカラムクロマトグラフィーにおいて実施例
56の化合物に続いて溶出する部分より、8−ベンジル
オキシカルボニル−4−(3,4−ジメトキシフェニ
ル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−(1,2,
4−トリアゾール−4−イルメチル)チエノ[2,3−
b:5,4−b’]ジピリジン−3−カルボン酸エチル
を得た。酢酸エチル−クロロホルムから再結晶した。無
色プリズム晶。融点 184〜185℃。
【0097】実施例58 実施例16と同様にして、参考例30で得た化合物およ
びジエチルアミンとの反応により、8−ベンジルオキシ
カルボニル−2−ジエチルアミノメチル−4−(3,4
−ジメトキシフェニル)−5,6,7,8−テトラヒド
ロチエノ[2,3−b:5,4−b’]ジピリジン−3
−カルボン酸エチルを得た。酢酸エチル−ヘキサンから
再結晶した。無色プリズム晶。融点 138〜139
℃。 実施例59 実施例17と同様にして、参考例31で得た化合物およ
び1H−1,2,4−トリアゾールとの反応により、6
−ベンジルオキシカルボニル−4−(3,4−ジメトキ
シフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−
(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)チエノ
[2,3−b:4,5−c’]ジピリジン−3−カルボ
ン酸エチルを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶し
た。無色プリズム晶。融点 169〜170℃。 実施例60 実施例59のカラムクロマトグラフィーにおいて実施例
59の化合物に続いて溶出する部分より、6−ベンジル
オキシカルボニル−4−(3,4−ジメトキシフェニ
ル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−(1,2,
4−トリアゾール−4−イルメチル)チエノ[2,3−
b:4,5−c’]ジピリジン−3−カルボン酸エチル
を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プ
リズム晶。融点 181〜182℃。
【0098】実施例61 実施例58で得た化合物(0.6g)、ラネーニッケル
(1.0g)およびエタノール(30ml)の混合物を
室温、1気圧で接触還元反応に付した。触媒をろ別し、
ろ液を減圧下に濃縮、2−ジエチルアミノメチル−4−
(3,4−ジメトキシフェニル)−5,6,7,8−テ
トラヒドロチエノ[2,3−b:5,4−b’]ジピリ
ジン−3−カルボン酸エチルを油状物として得た。NMR
(δ ppmin CDCl3) : 0.90-0.99 (9H,m), 1.65-1.72 (2
H,m), 1.86-1.89 (2H,m), 2.53 (4H,q,J=7.2Hz), 3.27
-3.30 (2H,m), 3.84 (2H,s), 3.87 (3H,s), 3.92 (2H,
q,J=7.0Hz), 3.93 (3H,s), 6.83-6.86 (3H,m)。 実施例62 実施例31と同様にして、実施例56で得た化合物よ
り、4−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,6,
7,8−テトラヒドロ−2−(1,2,4−トリアゾー
ル−1−イルメチル)チエノ[2,3−b:5,4−
b’]ジピリジン−3−カルボン酸エチルを油状物とし
て得た。NMR (δ ppm in CDCl3) : 0.89 (3H,t,J=7.0H
z), 1.68-1.74 (2H,m), 1.86-1.92 (2H,m), 3.27-3.30
(2H,m), 3.85 (3H,s), 3.93 (3H,s), 3.94 (2H,q,J=7.0
Hz), 5.54 (2H,d,J=1.8Hz), 6.79-6.89 (3H,m), 7.91
(1H,s), 8.21 (1H,s)。 実施例63 実施例31と同様にして、実施例59で得た化合物よ
り、4−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,6,
7,8−テトラヒドロ−2−(1,2,4−トリアゾー
ル−1−イルメチル)チエノ[2,3−b:4,5−
c’]ジピリジン−3−カルボン酸エチルを無色粉末と
して得た。融点 180〜181℃。NMR (δppm in CD
Cl3) : 0.88 (3H,t,J=7.0Hz), 2.91 (2H,t,J=5.3Hz),
3.11 (2H,t,J=5.3Hz), 3.21-3.22 (2H,m), 3.84 (3H,
s), 3.93 (3H,s), 3.95 (2H,q,J=7.0Hz),5.66 (2H,s),
6.77-6.91 (3H,m), 7.93 (1H,s), 8.26 (1H,s)。
【0099】実施例64 実施例7と同様にして、実施例61で得た化合物および
活性化二酸化マンガンとの反応により、2−ジエチルア
ミノメチル−4−(3,4−ジメトキシフェニル)チエ
ノ[2,3−b:5,4−b’]ジピリジン−3−カル
ボン酸エチルを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶
した。無色プリズム晶。融点 156〜157℃。 実施例65 実施例7と同様にして、実施例62で得た化合物および
活性化二酸化マンガンとの反応により、4−(3,4−
ジメトキシフェニル)−2−(1,2,4−トリアゾー
ル−1−イルメチル)チエノ[2,3−b:5,4−
b’]ジピリジン−3−カルボン酸エチルを得た。酢酸
エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融
点 180〜182℃。 実施例66 実施例7と同様にして、実施例63で得た化合物および
活性化二酸化マンガンとの反応により、4−(3,4−
ジメトキシフェニル)−2−(1,2,4−トリアゾー
ル−1−イルメチル)チエノ[2,3−b:4,5−
c’]ジピリジン−3−カルボン酸エチルを得た。酢酸
エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融
点 166〜167℃。
【0100】
【発明の効果】本発明によれば、優れた抗炎症作用を有
し、抗炎症剤、特に慢性関節リウマチなどの関節炎治療
剤として有用な、また、骨吸収抑制作用を有し、骨破
壊、骨粗鬆症等の予防・治療に有用な、さらには、免疫
性サイトカイン産生抑制作用を有しており、免疫の関与
していると考えられる疾患の予防・治療または/および
臓器移植後の拒絶反応の予防にも有効な新規チエノピリ
ジン誘導体、その製造方法およびそれを含んでなる抗炎
症剤、特に関節炎治療剤、骨破壊、骨粗鬆症の予防・治
療剤、免疫の関与していると考えられる疾患の予防・治
療剤を提供することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/435 ADT A61K 31/435 ADT AED AED 31/445 ABA 31/445 ABA 31/505 ABG 31/505 ABG

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 [式中、YはC−G(Gはエステル化されていてもよい
    カルボキシル基を示す)を、Xは酸素原子、酸化されて
    いてもよいイオウ原子または −(CH2)q−(qは0
    から5の整数を示す)を、Rは置換されていてもよいア
    ミノ基または置換されていてもよい複素環基を示す。環
    Bは置換されていてもよい窒素原子を含む5〜7員環を
    形成していることを示し、Mは水素原子、置換されてい
    てもよいアシル基、置換されていてもよいカルバモイル
    基、置換されていてもよいチオカルバモイル基、置換さ
    れていてもよいアルコキシカルボニル基または置換され
    ていてもよいスルホニル基を、nは0または1を示す。
    環Aは置換基を有していてもよい。]で表される化合物
    またはその塩。
  2. 【請求項2】 Rで示される置換されていてもよいアミ
    ノ基が、−N(R1)(R2)(式中、R1およびR2は、それ
    ぞれ同一または異なって、水素原子、それぞれ置換され
    ていてもよい炭化水素残基、アシル基、スルホニル基も
    しくは置換されていてもよい複素環基を示し、またはR
    1とR2が互いに結合して含窒素5〜7員環を形成してい
    てもよい)であり、 Rで示される置換されていてもよい複素環基が、それぞ
    れ同一または異なって、芳香族単環式複素環基、芳香族
    縮合複素環基または非芳香族複素環基であり、 環Bで示される置換されていてもよい5〜7員環が、置
    換されていてもよい1個の窒素原子を含む6員複素環で
    あり、 環Aが、ハロゲン原子、ニトロ基、置換されていてもよ
    いアルキル基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置
    換されていてもよいチオール基、置換されていてもよい
    アミノ基、置換されていてもよいアシル基、エステル化
    されていてもよいカルボキシル基または置換されていて
    もよい芳香族環基で置換されていてもよい請求項1記載
    の化合物またはその塩。
  3. 【請求項3】 R1またはR2で示される置換されていて
    もよい炭化水素残基が、置換されていてもよいC1-6
    ルキル基であり、R1またはR2で示される置換されてい
    てもよい複素環基が2〜3個のヘテロ原子を含む芳香族
    5員複素環基である請求項2記載の化合物またはその
    塩。
  4. 【請求項4】 Rで示される置換されていてもよい複素
    環基が、(i)1個の硫黄、窒素もしくは酸素原子を含む
    5〜7員複素環基、(ii)2〜4個の窒素原子を含む5〜
    6員複素環基、(iii)1〜2個の窒素原子および1個の
    硫黄もしくは酸素原子を含む5〜6員複素環基または(i
    v)上記3種の複素環基のいずれかが2個以下の窒素原子
    を含む6員環、ベンゼン環もしくは1個の硫黄原子を含
    む5員環と縮合したものである請求項1記載の化合物ま
    たはその塩。
  5. 【請求項5】 Xが−(CH2)q−(qは0〜3の整数
    を表す)である請求項1記載の化合物またはその塩。
  6. 【請求項6】 qが0である請求項5記載の化合物また
    はその塩。
  7. 【請求項7】 GがC1-6アルコキシカルボニル基であ
    る請求項1記載の化合物またはその塩。
  8. 【請求項8】 環Aの置換基がC1-6アルコキシ基また
    はヒドロキシ基である請求項2記載の化合物またはその
    塩。
  9. 【請求項9】 式(I)で示される化合物が、 7−ベンゾイル−2−(N,N−ジエチルアミノメチ
    ル)−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,6,
    7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−b:5,4−
    c’]ジピリジン−3−カルボン酸エチル、 7−(4−クロロベンゾイル)−2−(N,N−ジエチ
    ルアミノメチル)−4−(3,4−ジメトキシフェニ
    ル)−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−
    b:5,4−c’]ジピリジン−3−カルボン酸エチ
    ル、 2−(N,N−ジエチルアミノメチル)−4−(3,4
    −ジメトキシフェニル)−5,6,7,8−テトラヒド
    ロチエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジン−3
    −カルボン酸エチル、 2−(N,N−ジエチルアミノメチル)−4−(3,4
    −ジメトキシフェニル)チエノ[2,3−b:5,4−
    c’]ジピリジン−3−カルボン酸エチル、 2−(N,N−ジエチルアミノメチル)−4−(3,4
    −ジメトキシフェニル)−7−フェニルカルバモイル−
    5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−b:
    5,4−c’]ジピリジン−3−カルボン酸エチル、 7−アセチル−2−(N,N−ジエチルアミノメチル)
    −4−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,6,7,
    8−テトラヒドロチエノ[2,3−b:5,4−c’]
    ジピリジン−3−カルボン酸エチル、 7−(4−クロロベンゾイル)−4−(3,4−ジメト
    キシフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−
    [3−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピ
    ル]チエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジン−
    3−カルボン酸エチル、 7−(4−クロロベンゾイル)−4−(3,4−ジメト
    キシフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−
    [4−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブチ
    ル]チエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジン−
    3−カルボン酸エチル、または4−(4−エチルフェニ
    ル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−(N,N−
    ジエチルアミノメチル)チエノ[2,3−b:5,4−
    c’]ジピリジン−3−カルボン酸エチルである請求項
    1記載の化合物。
  10. 【請求項10】 式(II−1): 【化2】 [式中、M1は置換されていてもよいアシル基、置換さ
    れていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよい
    アルコキシカルボニル基、置換されていてもよいスルホ
    ニル基または置換されていてもよいチオカルバモイル基
    を、Qは脱離基を、Y1はC−G1を示す。G1はエステ
    ル化されたカルボキシル基を示す。]で表される化合物
    を溶媒中、塩基の存在下で式(III): R−X1H [式中、X1は酸素原子またはイオウ原子を示す。]で
    表される化合物と反応させて式(I−1): 【化3】 [式中、Rは置換されていてもよいアミノ基または置換
    されていてもよい複素環基を示し、M1、Q、Y1および
    1は前記定義に同じ。]で表される化合物を得るか;
    あるいは式(II−2): 【化4】 [式中、pは1から6の整数を示し、M1、Q、および
    1は前記定義に同じ。]で表される化合物を溶媒中、
    塩基の存在下で式(IV): 【化5】 [式中、R1およびR2は、それぞれ同一または異なっ
    て、水素原子、それぞれ置換されていてもよい炭化水素
    残基、アシル基、スルホニル基もしくは置換されていて
    もよい複素環基を示し、またはR1とR2が互いに結合し
    て含窒素5〜7員環を形成していてもよい。]で表され
    る化合物と反応させて式(I−2): 【化6】 [式中、M1、Y1、R1、R2およびpは前記定義に同
    じ。]で表される化合物を得るか;あるいは式(I−
    3): 【化7】 [式中、M2は置換されていてもよいアシル基または置
    換されていてもよいアルコキシカルボニル基を示し、X
    は酸素原子、酸化されていてもよいイオウ原子または
    −(CH2)q−(qは0から5の整数を示す)を示し、
    1およびRは前記定義に同じである。]で表される化
    合物を含水または無水の溶媒中、酸または塩基の存在下
    で加水分解反応に付して式(I−4): 【化8】 [式中、X、Y1およびRは前記定義に同じである。]
    で表される化合物を得るか;あるいは式(I−4): 【化9】 [式中、X、Y1およびRは前記定義に同じである。]
    で表される化合物を溶媒中、酸化剤の存在下で酸化反応
    に付して式(I−5): 【化10】 [式中、X、Y1およびRは前記定義に同じである。]
    で表される化合物を得るか;あるいは式(VIII): 【化11】 [式中、M1は前記定義に同じ。]で表される化合物、
    式(IX): 【化12】 で表される化合物およびイオウを溶媒中、塩基の存在下
    で反応させて式(X): 【化13】 [式中、M1は前記定義に同じである。]で表される化
    合物を得、次いで式(X)で表される化合物を溶媒中、
    酸の存在下で式(XI): QCH2COCH2−G1 [式中、G1およびQは前記定義に同じである。]で表
    される化合物と反応させて式(II−3): 【化14】 [式中、M1、G1およびQは前記定義に同じである。]
    で表される化合物を得るか;あるいは式(XII): 【化15】 [式中、kおよびrは同一または異なって1、2または
    3を表し、M1は前記定義に同じ。]で表される化合
    物、式(IX)で表される化合物およびイオウを溶媒
    中、塩基の存在下で反応させて、式(XIII): 【化16】 [式中、M1、kおよびrは前記定義に同じである。]
    で表される化合物と、式(XIV): 【化17】 [式中、M1、kおよびrは前記定義に同じである。]
    で表される化合物との混合物を得、該混合物から式(X
    III)で表される化合物および式(XIV)で表され
    る化合物を単離精製し、次いで、 式(XIII)で表される化合物を溶媒中、酸の存在下
    で式(XI)で表される化合物と反応させて式(II−
    4): 【化18】 [式中、M1、G1、Q、kおよびrは前記定義に同じで
    ある。]で表される化合物を得るか、または式(XI
    V)で表される化合物を溶媒中、酸の存在下で式(X
    I)で表される化合物と反応させて式(II−5): 【化19】 [式中、M1、G1、Q、kおよびrは前記定義に同じで
    ある。]で表される化合物を得ることを特徴とする式
    (I): 【化20】 [式中、YはC−G(Gはエステル化されていてもよい
    カルボキシル基を示す)を示し、XおよびRは前記定義
    に同じ。環Bは置換されていてもよい窒素原子を含む5
    〜7員環を形成していることを示し、Mは水素原子、置
    換されていてもよいアシル基、置換されていてもよいカ
    ルバモイル基、置換されていてもよいチオカルバモイル
    基、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基また
    は置換されていてもよいスルホニル基を、nは0または
    1を示す。環Aは置換基を有していてもよい。]で表さ
    れる化合物の製法。
  11. 【請求項11】 一般式(I): 【化21】 [式中、YはC−G(Gはエステル化されていてもよい
    カルボキシル基を示す)を、Xは酸素原子、酸化されて
    いてもよいイオウ原子または −(CH2)q−(qは0
    から5の整数を示す)を、Rは置換されていてもよいア
    ミノ基または置換されていてもよい複素環基を示す。環
    Bは置換されていてもよい窒素原子を含む5〜7員環を
    形成していることを示し、Mは水素原子、置換されてい
    てもよいアシル基、置換されていてもよいカルバモイル
    基、置換されていてもよいチオカルバモイル基、置換さ
    えていてもよいアルコキシカルボニル基または置換され
    ていてもよいスルホニル基を、nは0または1を示す。
    環Aは置換基を有していてもよい。]で表される化合物
    またはその薬学的に許容される塩を含有してなる医薬組
    成物。
  12. 【請求項12】 炎症の予防または治療のための請求項
    11記載の医薬組成物。
  13. 【請求項13】 関節炎の予防または治療のための請求
    項11記載の医薬組成物。
  14. 【請求項14】 リウマチの予防または治療のための請
    求項11記載の医薬組成物。
  15. 【請求項15】 慢性関節リウマチの予防または治療の
    ための請求項11記載の医薬組成物。
  16. 【請求項16】 骨吸収抑制作用を有する請求項11記
    載の医薬組成物。
  17. 【請求項17】 骨粗鬆症の予防または治療のための請
    求項11記載の医薬組成物。
  18. 【請求項18】 サイトカインの産生抑制作用を有する
    請求項11記載の医薬組成物。
  19. 【請求項19】 自己免疫疾患の予防または治療のため
    の請求項11記載の医薬組成物。
  20. 【請求項20】 臓器移植後の拒絶反応の予防のための
    請求項11記載の医薬組成物。
JP9107139A 1996-04-25 1997-04-24 チエノピリジン誘導体およびそれらを含んでなる医薬 Withdrawn JPH1059977A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9107139A JPH1059977A (ja) 1996-04-25 1997-04-24 チエノピリジン誘導体およびそれらを含んでなる医薬

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-105916 1996-04-25
JP10591696 1996-04-25
JP9107139A JPH1059977A (ja) 1996-04-25 1997-04-24 チエノピリジン誘導体およびそれらを含んでなる医薬

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1059977A true JPH1059977A (ja) 1998-03-03

Family

ID=26446133

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9107139A Withdrawn JPH1059977A (ja) 1996-04-25 1997-04-24 チエノピリジン誘導体およびそれらを含んでなる医薬

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1059977A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5747486A (en) Thienopyridine or thienopyrimidine derivatives and their use
EP0634169B1 (en) Quinoline or quinazoline derivatives and their use in the manufacture of a medicament for the treatment of osteoporosis
EP0232328B1 (en) Zwitterionic bicyclic compounds and their salts, solvates, hydrates and esters
KR100224135B1 (ko) 퀴놀린 또는 퀴나졸린 유도체, 그 제조 및 용도
EP1474427A1 (en) Polymorphs of clopidogrel hydrochloride and their use as antithrombic compounds
US6214838B1 (en) Thienodipyridine derivatives, production and use thereof
US6403606B1 (en) Thienopyridine derivatives and their use
EP1259515B1 (en) Thienopyridine derivatives and their use as anti-inflammatory agents
JPH1036374A (ja) チエノピリジン誘導体およびそれらを含んでなる医薬
JPH1059977A (ja) チエノピリジン誘導体およびそれらを含んでなる医薬
US5641788A (en) Quinoline derivatives and pharmaceutical composition containing them
JPH0769890A (ja) キノリンまたはキナゾリン誘導体を含んでなる医薬組成物
JP2002255971A (ja) 縮合複素環誘導体、その製造法および用途
JPH08225577A (ja) チエノピリジンまたはチエノピリミジン誘導体およびそれらを含んでなる医薬
JPH0853419A (ja) キノリン誘導体およびそれらを含んでなる医薬

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20040706