JPH10275168A - 設計支援方法および設計支援システム - Google Patents

設計支援方法および設計支援システム

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JPH10275168A
JPH10275168A JP9080290A JP8029097A JPH10275168A JP H10275168 A JPH10275168 A JP H10275168A JP 9080290 A JP9080290 A JP 9080290A JP 8029097 A JP8029097 A JP 8029097A JP H10275168 A JPH10275168 A JP H10275168A
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JP
Japan
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data
failure
design know
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JP9080290A
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English (en)
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Tazu Nomoto
多津 野本
Hideaki Kobayashi
秀明 小林
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Publication of JPH10275168A publication Critical patent/JPH10275168A/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P90/00Enabling technologies with a potential contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02P90/02Total factory control, e.g. smart factories, flexible manufacturing systems [FMS] or integrated manufacturing systems [IMS]
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P90/00Enabling technologies with a potential contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02P90/30Computing systems specially adapted for manufacturing

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  • Automatic Assembly (AREA)
  • General Factory Administration (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】設計ノウハウ、すなわち、過去に設計された製
品における該製品または該製品を構成する各要素の特性
および特性値と、その特性・特性値に関連して発生した
と考えられる不良現象別不良発生件数とを、容易に知得
する。 【解決手段】製品を構成する要素(例えば、部品など)
の特性および該特性の特性値と、該製品における不良現
象別不良発生件数とを含む設計ノウハウデータを保持す
るための設計ノウハウデータベース1200を設ける。
この設計ノウハウデータは、不良実績データベースと組
立情報データベースとを参照することにより作成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、設計方法が適切で
ないことが原因となって発生する製造不良を防止するた
めの設計支援方法および設計支援システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、製造不良に対して、製造工程全般
にわたり該当不良製品の製造条件をヒアリングあるい
は、書類に基づき調査し、原因を分析、類推していた。
この製造不良は、各装置に設定した製造条件、作業環境
等、製造方法に起因するもの(以下、製造要因の製造不
良と呼ぶ)と、製品の材質・形状、部品の種類・形状・
取付位置等、使用部品の選定も含めた設計方法に起因す
るもの(以下、設計要因の製造不良と呼ぶ)とが相互に
影響して発生している。
【0003】このうち、製造要因の製造不良において
は、特開平7−114601号公報に記載の製造不良解
析システム、方法およびこれに関連したデータベースの
生成方法において、製造工程の解析専門家の知識を蓄積
したチェック項目データベースを用いて、不良原因を自
動推定することにより、不良発生後、即座に対策を行う
ことが可能である。設計要因の製造不良においても、チ
ェック項目データベースにその解析方法が記述されてい
れば、同様に対策を行うことが可能である。
【0004】また、LSIのパターンデータの中から製
造プロセス上不良発生頻度の高いパターン配置あるいは
デバイス特性上加工精度が要求されるパターン配置等が
存在する領域を抽出する、特開平5−47882号公報
に記載のLSIパタン診断システムでは、パターン設計
者がLSIの不良事例の重要度を指定することにより、
不良事例のあるパターンデータを抽出する方法が述べら
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】設計要因の製造不良を
含んだ製品は、初期立ち上げ時の生産性が極めて悪く、
多くの製造不良を生み出す。設計要因の製造不良への対
策を行い、初期不良を低減するためには、製造工程管理
者が、製造不良データの中から設計要因の製造不良を分
析・摘出して、設計に不良対策指示を行わなければなら
ない。しかし、初期立ち上げ時の製造工程管理者の業務
は、製造不良への対応の他に、部品の管理や設計変更時
の装置の動作チェック、作業者への作業指示等、立ち上
げ時に発生する広汎な問題全てへの対応が短期間で要求
されるものが山積している。従って、製造工程管理者が
設計要因の製造不良を分析・摘出することは、製造不良
データと図面との突き合わせ等、多大の時間、工数を要
するだけでなく、その具体的手段が不明確であり、実施
が困難である。
【0006】そこで、本発明では、設計ノウハウ、すな
わち、過去に設計された製品における該製品または該製
品を構成する各要素の特性および特性値と、その特性・
特性値に関連して発生したと考えられる不良現象別不良
発生件数とを、容易に知得することができる設計支援方
法および設計支援システムを提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、製品を構成する要素(例えば、部品な
ど)の特性および該特性の特性値と、該製品における不
良現象別不良発生件数とを含む設計ノウハウデータを保
持するための設計ノウハウデータベースを保持する情報
処理システムである設計支援システムが提供される。こ
こで、設計ノウハウデータは、不良現象に対する対策を
通知すべき関連部署に関する情報と、該不良現象に対す
る対策内容とを、さらに含むことが望ましい。
【0008】なお、上述の特開平5−47882号公報
に記載のLSIパタン診断システムでは、パターン設計
者がLSIの不良事例の重要度を指定することができれ
ば、LSIのパターンデータの中から製造プロセス上不
良発生頻度の高いパターン配置あるいはデバイス特性上
加工精度が要求されるパターン配置等が存在する領域を
抽出することが可能である。しかし、設計者は設計要因
の製造不良を低減するための設計ノウハウを十分持って
いないため、設計要因の製造不良が発生する可能性を含
んだ製品を繰返し設計する場合が多い。その設計者に、
不良事例の重要度の指定を一任することは困難である。
【0009】しかし、本発明では、設計ノウハウデータ
に不良発生件数が含まれている。この不良発生件数また
はそれから求められる指数(例えば、不良件数を不良事
例数などの母数で割って求められる不良発生率など)
は、該不良現象の重要度として用いることができる。
【0010】本発明の設計支援システムは、製品を構成
する要素ごとに、該要素の特性と、該特性の特性値とが
少なくとも一組登録された製品ごとの組立情報を保持す
る組立情報データベースを、さらに保持することが望ま
しい。この場合、本発明の設計支援システムは、発生し
た不良ごとに、該不良の現象と該不良の発生した要素の
情報とが登録された不良実績情報を少なくとも一つ保持
する不良実績データベースと、この不良実績データベー
スおよび組立情報データベースとを参照して、設計ノウ
ハウデータを作成し、設計ノウハウデータベースに格納
する設計ノウハウ獲得部とをさらに備えることが望まし
い。この設計支援システムによれば、容易に設計ノウハ
ウデータベースを構築することができる。
【0011】なお、ここで設計ノウハウ獲得部は、不良
実績データベースを参照し、不良発生要素ごとに、不良
現象ごとの不良発生件数を集計し、不良発生要素情報
と、該要素に発生した不良現象別不良発生件数とを保持
する第1のレコードを作成する第1の手段と、組立情報
データベースを参照し、不良発生要素に対応する特性値
を検出して、第1のレコードに、該特性値を付加して第
2のレコードとする第2の手段と、この第2のレコード
のうち、上記不良現象の組合せが共通または類似するレ
コードをグルーピングし、該グルーピングした第2のレ
コードにおける不良現象別不良発生件数を集計して、こ
のグルーピングした第2のレコードに共通する特性値
と、該集計した不良現象別不良発生件数とを含む設計ノ
ウハウデータを作成し、設計ノウハウデータベースに登
録する第3の手段とを備える。
【0012】また、本発明では、この請求項3記載の設
計支援システムを用いて、上述の第1〜第3の手段によ
り設計ノウハウデータベースを構築するステップを備え
る設計支援方法が提供される。
【0013】なお、第2のレコードのグルーピングは、
例えば、第2のレコードに含まれる不良現象別不良発生
件数を変数として、該第2のレコード間、該第2のレコ
ードと上記グルーピングされた第2のレコード群との
間、または、グルーピングされた第2のレコード群間の
論理的距離を算出し、該距離が所定の閾値より短い上記
第2のレコードまたは上記第2のレコード群をグルーピ
ングすることにより行なうことができる。
【0014】さらに、本発明では、上述の設計ノウハウ
データベースを備える設計支援システムを用いた設計支
援方法として、要素の特性および特性値の入力を受け付
けるステップと、設計ノウハウデータベースを検索し
て、入力された特性および特性値と同じ特性および特性
値を含む設計ノウハウデータを検出するステップと、検
出した設計ノウハウデータの内容を出力するステップと
を備える設計支援方法が提供される。この設計支援方法
によれば、これから設計しようとする製品の要素の特性
・特性値を入力することにより、その製品に類似するす
でに製品化済の製品に関する設計ノウハウを、容易に知
得することができる。
【0015】また、関連部署の情報処理システムに、通
信回線を介して接続された、上述の関連部署および対策
内容を含む設計ノウハウデータを保持する設計ノウハウ
データベースを備える設計支援システムを用いた設計支
援方法として、設計ノウハウデータの内容を、該設計ノ
ウハウデータに登録された関連部署の情報処理システム
に、通信回線を介して転送する設計支援方法が提供され
る。この方法によれば、対策をとるべき部署に、容易か
つ速やかに、不良現象、対策内容などを通知することが
できる。
【0016】また、本発明では、上述の組立情報データ
ベースと設計ノウハウデータベースとを備える設計支援
システムを用いた設計支援方法として、設計ノウハウデ
ータベースに保持された設計ノウハウデータごとに、処
理対象の製品の要素のうち、組立情報データベースに保
持された該要素の特性および特性値が、該設計ノウハウ
データに含まれる要素の特性および特性値と一致する要
素を検出するステップと、一致する要素が検出された設
計ノウハウデータの内容を出力するステップとを備える
設計支援方法が提供される。この方法によれば、過去に
製品化された類似の製品における不良現象および不良件
数を表示されるので、製品の設計後に、設計した製品に
おける不良の発生を、容易に予測することができる。
【0017】さらに、本発明では、設計対象製品を構成
する要素の操作指示の入力を受け付ける手段と、該指示
された操作を実行する手段とを備えるCAD(計算機援
用設計)システムであって、製品を構成する要素の特性
および該特性の特性値と、該製品における不良現象別不
良発生件数とを含む設計ノウハウデータを保持する設計
ノウハウデータベースと、要素ごとに、該要素の特性お
よび該特性の特性値を保持する部品データベースと、設
計ノウハウデータベースを検索して、操作が指示された
要素の特性および特性値と一致する特性および特性値を
含む設計ノウハウデータを検出し、該検出した設計ノウ
ハウデータの内容を出力する手段とを、さらに備えるC
ADシステムが提供される。このCADシステムによれ
ば、設計中に、用いる部品に応じた設計ノウハウデータ
を参照することができるため、設計段階で、設計に起因
する不良を回避することが容易にできる。
【0018】
【発明の実施の形態】
<実施例1>以下、本発明の設計ノウハウ獲得方法、設
計ノウハウ提示方法、不良発生予測方法および管理・対
策支援方法を用いた設計支援システムの一実施例とし
て、プリント板の実装において発生する製造不良の回避
のための設計支援システムについて説明する。
【0019】A.適用対象ライン 始めに、図3を用いて、本実施例の適用されるプリント
板実装ラインについて説明する。本実施例で処理対象と
したプリント板実装ラインは、印刷機、実装機、挿入
機、リフローはんだ装置、フローはんだ装置等の製造装
置と、外観検査装置、インサーキットテスタ、ファンク
ションテスタ等の検査装置、はんだ修正工程、目視検査
工程、後付け−修正工程等の人手による工程から構成さ
れる。
【0020】基板は、先頭工程から投入され、印刷機に
よりはんだペーストが基板上に塗られ(工程1)、実装
機により部品が搭載され(工程2)、リフローはんだ装
置により、はんだペーストが融解されて部品と基板とが
電気的に接続される(工程3)。外観検査装置では、は
んだの状態を検査し、はんだ不足、はんだブリッジ、あ
るいははんだ過剰、等のはんだ付けの不良及び、部品の
搭載位置ずれ、極性相違(逆付)等の組込不良が検出さ
れる(工程4)。はんだ修正工程では、外観検査装置で
発見された不良、あるいは、後述の目視検査工程等で発
見された不良の修正、即ち、部品の付替、はんだの付け
直し等が、修正作業担当者により行われる(工程5)。
つぎに、挿入機により挿入部品が搭載され(工程6)、
フローはんだ装置によりはんだ付けされた後(工程
7)、作業担当者の手作業による部品の搭載が行なわれ
る(工程8)。つぎの目視検査工程では、検査者により
はんだ付けの不良及び組込不良の有無が検査される(工
程9)。後付け−修正工程では、目視検査工程で発見さ
れた不良の修正と、人手実装部品の、搭載及びはんだ付
けが行われる(工程10)。インサーキットテスタで
は、はんだブリッジ、ショートオープン、実装部品の良
否等が判定され(工程11)、ファンクションテスタで
は機能ごとにテストが行われる(工程12)。
【0021】本実施例において処理対象としている実装
工程における不良とその発生原因とには、表1に示すよ
うなものがある。
【0022】
【表1】
【0023】不良現象には、その現象を引き起こした直
接の原因が製造側にある場合でも、真の原因は設計の側
にあるもの、すなわち、製造しにくい設計が要因となっ
て製造側で不良の発生原因を生じさせ、当該不良が誘発
されるものもある。このような不良を回避するために
は、設計側で決定される製品の特性(すなわち、製品
(本実施例では基板にあたる)の形状、材質、使用部
品、使用部品の形状、実装位置)ごとに不良の発生傾向
の有無を分析し、不良が多発していれば、次回設計時に
はその不良が多発している製品特性値を回避するよう
に、不良発生傾向を設計者に指示する必要がある。
【0024】そこで本実施例では、上記外観検査装置
(工程4)、あるいは目視検査工程(工程9)、インサ
ーキットテスタ(工程11)、ファンクションテスタ
(工程12)から不良実績(不良発生基板、不良発生部
品、不良位置、不良内容等)を収集し、その不良発生傾
向を抽出し、製造不良防止のための設計ノウハウとし
て、基板および部品ごとの不良発生傾向データを獲得す
る。
【0025】B.システム構成 本実施例の設計支援システムの機能構成を、図1に示
す。本実施例の設計支援システム10は、不良実績デー
タを保持する不良実績データベース500と、基板の組
立情報を保持する組立情報データベース600と、設計
ノウハウを保持するための設計ノウハウデータベース1
200と、不良に関連する部署に関する情報を保持する
FB部署データベース1300と、不良実績データベー
ス500と、組立情報データベース600とを参照して
設計ノーハウデータを作成し、設計ノウハウデータベー
スに格納する設計ノウハウ獲得部11と、設計ノウハウ
データベースに蓄積された情報を提示する設計ノウハウ
提示部12と、設計ノウハウデータベースに蓄積された
情報をもとに、設計された製品の不良の発生を予測する
不良発生予測部13と、設計ノウハウデータベースに蓄
積された情報をもとに、対策を提示する管理・対策支援
部14とを備える。
【0026】本実施例において用いた設計支援システム
10は、図2に示すように、上記各データベース50
0,600,1200,1300や、部品抽出条件式等
を保持する外部記憶装置(本実施例では、磁気ディスク
装置)201と、各部11〜14を実現するための各種
演算を行う処理装置202と、フロッピーディスク入力
装置203と、補助入力装置(本実施例ではキーボード
およびマウス)204と、画像表示装置206と、補助
出力装置(本実施例ではプリンタ)205とを備える情
報処理システムである。処理装置202は、主記憶装置
(図示せず)および中央演算処理装置(図示せず)とを
備える情報処理装置である。
【0027】設計ノウハウ獲得部11、設計ノウハウ提
示部12、不良発生予測部13、および、管理・対策支
援部14は、外部記憶装置201にあらかじめ保持さ
れ、実行時に処理装置202の主記憶装置に読み込まれ
たプログラムを、処理装置202の中央演算処理装置が
実行することにより実現されるが、本発明はこのような
ソフトウエアによる手段に限られず、例えば、この獲得
方法を実行するハードワイヤードロジックを含む特定の
ハードウエア装置、あるいはプログラムされた汎用情報
処理装置と特定のハードウエア装置との組合せによって
実現されてもよい。 以下に、各部11〜14における
処理の概要について説明する。なお、本実施例では、各
部11〜14が一つの処理装置202により実現される
が、本発明はこれに限られず、各部11〜14が、それ
ぞれ一つの独立した処理装置により実現されてもよい。
また、各部11〜14のすべてを備えていなくてもよ
く、例えば、設計ノウハウ獲得部11および設計ノウハ
ウ提示部12、設計ノウハウ獲得部11および不良発生
予測部13、設計ノウハウ獲得部11および管理・対策
支援部14など、必要に応じて適宜選択した処理部11
〜14により設計支援システムを構成してもよい。
【0028】C.設計ノウハウ獲得処理 設計ノウハウ獲得部11の処理手順を、図4に示す。設
計ノウハウ獲得部11は、不良実績データベース500
および組立情報データベース600から、不良実績と組
立情報とを読み込み(ステップ101,102)、製品
の特性(すなわち部品特性および基板特性)ごとに不良
発生傾向を抽出し(ステップ103)、設計ノウハウデ
ータを生成して、設計ノウハウデータベース1210に
格納することにより、本発明の設計ノウハウ獲得方法が
実現される。以下、各ステップの処理内容を詳述する。
【0029】(1)ステップ101 設計ノウハウ獲得部11は、磁気ディスク装置201に
保持された不良実績データベース500から、不良実績
データ(図5)を読み込む。不良実績データは、図5に
例示するように、不良の発生ごとに、組図番号501お
よびシリアル番号502と、検査工程で不良とみなされ
た不良部品名503、不良部品が基板に実装されている
位置を表す実装位置504、不良部品を発見した検査工
程505、不良部品を発見した日時である発見日50
6、不良部品の不良内容を表す不良現象507、不良原
因508、および、その原因である確率(百分率で算
出)509とを備える。本実施例では、これらのデータ
は、不良実績データベース500にあらかじめ不良の発
生ごとに登録されているが、不良原因が未解析の場合、
不良原因508および原因確率509は未登録でもよ
い。
【0030】(2)ステップ102 つぎに、設計ノウハウ獲得部11は、ステップ101に
て読み込んだ、組図番号501に対応して組立情報デー
タベース600に保持された組立情報を読み込む。組立
情報は、図6に示すように、設計情報から得られる、組
立に必要な基板に関する情報と実装される部品の情報と
からなる。基板に関する情報としては、組図番号601
と、基板の種類を表す基板名602と、基板の材質60
3と、基板サイズ604と、実装される部品数605と
がある。実装される部品の情報としては、使用部品名6
06と、使用部品の種類を表す部品種607と、基板に
実装される位置を表す実装位置608と、実装する工程
609と、実装する面610と、実装する部品の方向を
表す実装方向611と、極性の有無を表す極性612
と、部品の形状のタイプ及び寸法を表す部品形状613
とがある。なお、ここで部品形状記憶領域613に保持
される「部品の形状のタイプ」としては、図7に示すよ
うに、形状のタイプに応じてあらかじめ定められた番号
が用いられる。
【0031】(3)ステップ103 続いて、設計ノウハウ獲得部11は、ステップ102に
おいて読み込んだ組立情報を基に、ステップ101にお
いて読み込んだ不良実績データを分析し、製品特性(本
実施例では、基板の材質、部品の種類・実装密度・実装
位置等の基板・部品特性)ごとの不良発生傾向を抽出す
る。このステップ103における処理の流れを図8に示
す。
【0032】ステップ103において、設計ノウハウ獲
得部11は、まず、不良実績データから、不良現象別の
不良件数を集計し、不良件数テーブル900を作成する
(ステップ801)。ここで集計される不良件数は、図
9に示すように、不良現象ごと、および、不良実績デー
タの集計最小単位(ここで示した例では部品)ごとの、
配列の形式で保持される。なお、図9において、Bi
部品を、Fjは不良現象を、Cijは部品Biにおける不良
現象Fjの発生件数を、それぞれ示す。すなわち、この
例では、行ごとに、異なる部品が、列ごとに、異なる故
障現象が、それぞれ表されている。
【0033】つぎに、設計ノウハウ獲得部11は、ステ
ップ101で読み込んだ不良実績データに、不良原因5
08と、その原因である確率509とが登録されている
場合、その原因が製造要因であれば、不良件数Cijをそ
の確率分だけ削減し、新たにCijとして不良件数テーブ
ル900に格納する(ステップ802)。このステップ
は、製造要因と設計要因とが絡み合って発生している不
良の件数を、製造要因の確率の分だけ減らすことによ
り、設計要因の製造不良件数を抽出することを目的とし
ている。
【0034】以上により不良発生件数Cijが確定するの
で、つぎに、設計ノウハウ獲得部11は、つぎのステッ
プ803〜805の処理を、基板種ごとに行う。
【0035】まず、設計ノウハウ獲得部11は、抽出の
条件式を磁気ディスク装置201から読み出し、その条
件式により、部品不良が多発している部品(Bi)を抽
出する(ステップ803)。すなわち、条件式を満たす
不良現象のみを、設計にフィードバックするための検討
対象とし、この条件を満たさない不良現象については、
以降の処理対象としない。本実施例では、つぎの数式
(数1)を、条件式として用いた。
【0036】
【数1】
【0037】ここでμは、下記数式(数2)により求め
られる。
【0038】
【数2】
【0039】本実施例では、条件式として、磁気ディス
ク装置201にあらかじめ保持されている式を用いる。
従って、この磁気ディスク装置201に保持された式を
変更することにより、容易に抽出のための条件式を変更
することができる。処理対象は、その時の不良の発生件
数や製品により異なることがあるため、その抽出の条件
式は、本実施例のように自由に設定できるようにしてお
くことが望ましい。なお、不良現象の全てを設計にフィ
ードバックしたいのであれば、このステップ803は行
わなくてもよい。
【0040】つぎに、設計ノウハウ獲得部11は、階層
的クラスタ分析手法(すなわち、類似するデータを一つ
のグループ(クラスタ)にすることにより、データを分
類する手法)を用い、不良発生傾向の類似した部品のグ
ルーピング(クラスタリング)を行い、グルーピングさ
れた部品の不良現象別不良件数Cijを、不良現象ごとに
加算する(ステップ804)。
【0041】階層的クラスタ分析のためには、(1)2つ
のデータ間の近さを表す類似度の算出方法、(2)既存の
クラスタと新規のクラスタとの類似度の算出方法、(3)
クラスタリング終了の指標(クラスタ数、(2)のしきい
値等)が必要である。本実施例では、(1)としてマハラ
ノビスの2乗距離法を用い、(3)の指標には、所定のし
きい値を用いる。(2)には最長距離法、群間平均法、群
内平均法等あるが、何れの方法でもよく、本実施例で
は、群間平均法を用いた。
【0042】なお、BiとBjのマハラノビスの2乗距離d
BiBjは、つぎの数式(数3)により算出される。本実施
例では、このdBiBjが最も近いBi,Bj(i,j=1,
…,m)をグルーピングして新しいクラスタとする。
【0043】
【数3】
【0044】また、(3)の指標には、あらかじめ定めら
れたしきい値Lを用いる。すなわち、設計ノウハウ獲得
部11は、つぎの条件式(数4)を満たすクラスタGp
とGqとをグルーピングする。式(数4)において、L
は定数である。設計ノウハウ獲得部11は、この条件式
(数4)を満たすクラスタが無くなった時点で、グルー
ピングを終了し、不良現象別不良件数Cijの集計を行な
う。
【0045】
【数4】
【0046】つぎに、設計ノウハウ獲得部11は、ステ
ップ804においてグルーピングした部品群ごとに、共
通する部品特性を抽出し、部品特性別不良発生傾向テー
ブル1020(図10に図示)を作成する(ステップ8
05)。すなわち、設計ノウハウ獲得部11は、まず図
10(a)に示すように、グループごとに、該グループ
を構成する部品ごとの部品特性と不良現象別不良件数と
を保持する部品別不良件数テーブル1010を作成し、
つぎにこれを編集して、図10(b)に示すような、
「グループごとの不良発生傾向データ(すなわち、部品
特性と不良件数とを対応付けた情報)」を保持する、グ
ループ別不良発生傾向テーブル1020を作成する。な
お、ここで、部品特性とは、部品種、実装位置、サイズ
等を表す。本実施例では、抽出された部品特性ごとの不
良現象別不良件数が、ステップ803で用いた値μ以上
の不良現象を、その特性が起因して発生する傾向のある
不良として、後続する処理の対象とし、μ未満の不良現
象は、処理対象から除外した。
【0047】ここで、図10に示した編集例について説
明しておく。基板種αを構成する部品B1〜B4が、ステ
ップ804において、部品B1およびB2のグループ10
01と、部品B3およびB4のグループ1002との2つ
の部品群にグルーピングされたとする。グループ100
1の部品B1は、部品種A1、実装位置L1、サイズS1
いう部品特性を持つ。同グループの部品B2は、部品種
1、実装位置L1、サイズS2という部品特性を持つ。
従って、設計ノウハウ獲得部11は、図10(a)に示
すような部品不良件数テーブル1010を作成する。
【0048】つぎに、設計ノウハウ獲得部11は、この
部品不良件数テーブル1010を編集し、各グループご
とに、該グループを構成する部品に共通する部品特性を
抽出し、図10(b)に示すようなグループ別不良発生
傾向テーブル1020を作成する。この図10(b)に
示したグループ別不良発生傾向テーブル1020は、こ
れらの不良発生傾向を保持するテーブルであり、基板種
ごとに作成される。
【0049】図10(a)に示した例では、グループ1
001を構成する部品B1およびB2に共通な部品特性
は、部品種A1および実装位置L1である。このことか
ら、グループ1001に対して、「部品種A1、実装位
置L1に不良F1、F3が発生している」という部品特性
ごとの不良発生傾向が得られる。同様に、グループ10
02については「不良F2が発生している」という部品
特性ごとの不良発生傾向が得られる。なお、グループ1
002のように共通する部品特性が無い場合も、「部品
特性に関係なく不良F2が発生している」という解釈を
することで、部品特性ごとの不良発生傾向と考えること
ができる。
【0050】なお、本実施例では、グループを構成する
すべての(すなわち100%の)部品に共通する部品特
性が抽出されるが、抽出される部品特性の共通する部品
の割合は、100%でなくてもよい。例えば、磁気ディ
スク装置201にあらかじめ「共通割合」を登録してお
き、ある部品特性を有する部品の数の、グループを構成
する部品の総数に対する割合が、この「共通割合」以上
であれば、当該部品特性を、「グループを構成する部品
に共通する部品特性」として抽出するようにしてもよ
い。
【0051】以上のステップ803〜805により、基
板種ごとにグループ別不良発生傾向テーブル1020が
作成されたので、つぎに、設計ノウハウ獲得部11は、
得られた基板種ごとのグループ別不良発生傾向テーブル
1020を編集し、基板特性別不良発生傾向テーブル1
100(図11に図示)を作成する(ステップ80
6)。すなわち、設計ノウハウ獲得部11は、ステップ
805において基板種ごとに編集された不良発生傾向テ
ーブル1020を参照し、該テーブル1020の各行に
保持された「部品特性ごとの不良発生傾向データ(すな
わち、部品特性と不良現象別不良件数とを示すデー
タ)」のうち、不良現象およびその組合せが同一のもの
をあわせて、1つの「基板・部品特性ごとの不良発生傾
向データ」を作成する。ここで、基板特性とは、材質、
実装密度、サイズ等である。なお、この「基板・部品特
性ごとの不良発生傾向データ」は、グループ番号と、部
品特性と、不良現象別不良件数と、基板特性とを含む。
【0052】このステップ806における編集の例を、
図11を用いて説明する。ここで用いている例では、上
述のように、基板種αの不良現象は、グループ1001
および1002にグルーピングされ、それぞれのグルー
プの「部品特性ごとの不良発生傾向」データは、図10
に図示した部品特性別不良発生傾向テーブル1020に
保持されている。設計ノウハウ獲得部11は、図11
(a)に示すように、このテーブル1020に、さらに
基板種αの基板特性に関する情報を追加し、基板特性別
不良発生傾向テーブル1100を作成する。
【0053】ここで、基板種にはαの他にβもあり、基
板種βの不良現象は、グループ1101および1102
があるとすると、この基板種βについても、設計ノウハ
ウ獲得部11は、図11(b)に示すように、ステップ
805において作成したテーブル1020に、さらに基
板種βの基板特性に関する情報を追加し、基板特性別不
良発生傾向テーブル1100を作成する。
【0054】このようにして、すべての基板種について
の基板特性別不良発生傾向テーブル1100を作成した
後、設計ノウハウ獲得部11は、図11(c)示すよう
に、編集処理する。すなわち、設計ノウハウ獲得部11
は、不良現象およびその組合せが同一の行をグルーピン
グして、グルーピングした行に共通する基板特性をその
データの基板特性とし、グルーピングした行に共通する
部品特性をそのデータの部品特性とし、グルーピングし
た各行の、ステップ805にて抽出された不良現象の不
良件数Cijを不良現象ごとに加算して、不良現象の不良
件数Cijとして、一つの行(すなわち一つの「基板・部
品特性ごとの不良発生傾向データ」)とする。
【0055】例えば、図11に示した例では、設計ノウ
ハウ獲得部11は、まず、各基板種のテーブルを合わせ
て一つのテーブルとした後、不良現象が共通する行を検
索する。図11(a)および(b)の各行のうち、不良
現象が共通する行は、グループ1002およびグループ
1102である。そこで、設計ノウハウ獲得部11は、
これらの行をまとめて一行(図11(c)の行111
0)にする。
【0056】つぎに、設計ノウハウ獲得部11は、その
行1110の不良現象別不良件数の格納領域1130
の、共通する不良現象の欄に、各グループにおける該不
良現象の件数を合計した値を格納する。ここで用いてい
る例では、グループ1002および1102に共通する
不良現象は「F2」のみであり、この不良現象の件数
は、いずれのグループにおいても「10」であることか
ら、合計の「20」が、行1110の不良現象別不良件
数格納領域1130の不良現象「F2」の欄1131に
格納される。
【0057】続いて、設計ノウハウ獲得部11は、グル
ープ1002および1102の基板特性をお比較し、共
通する特性(ここで用いている例では、材質「X」)を
抽出し、行1110の基板特性格納領域1140に格納
する。最後に、グループ1002および1102には、
共通する部品特性がないことから、設計ノウハウ獲得部
11は、行1110の部品特性格納領域1120に空白
を格納する。
【0058】これにより、「材質Xに不良F2が発生し
ている」という一つの「基板・部品特性ごとの不良発生
傾向」が生成されたことになる。なお、グループ100
1または1101の不良現象およびその組合せに共通す
るグループはないため、図11(a)および(b)の各
行に保持された内容が、そのまま維持される。以上の処
理により、この例では3つの基板・部品特性ごとの不良
発生傾向データが抽出されたことになる。
【0059】なお、本実施例では、基板特性の抽出にお
いても、グループを構成するすべての(すなわち100
%の)基板に共通することを条件としているが、部品特
性の抽出の場合と同様、ある基板特性の登録された行数
の、グループを構成する全行数に対する割合が、あらか
じめ登録された値以上であれば、当該基板特性を、「グ
ループを構成する行に共通する基板特性」として抽出す
るようにしてもよい。
【0060】(4)ステップ104 以上により「基板・部品特性ごとの不良発生傾向デー
タ」が抽出されたので、つぎに設計ノウハウ獲得部11
は、この「基板・部品特性ごとの不良発生傾向データ」
を、設計ノウハウデータとして、設計ノウハウデータベ
ース1200に蓄積する。
【0061】設計ノウハウデータベースは、図12
(1)に示すように、不良傾向ID(識別子)格納領域
1201と、基板特性、部品特性、不良現象、重要度の
識別を保持するための特性種別格納領域1202と、デ
ータ1の格納領域1203と、データ2の格納領域12
04とを備え、各行1210をそれぞれ1レコードとす
る。設計ノウハウデータは、このデータベース1200
に格納されたレコードのうち、不良傾向IDが同一のレ
コードの集合である。なお、データ1とデータ2に格納
される情報は、特性種別に、つぎの表2のようになる。
【0062】
【表2】
【0063】図12(1)の例では、不良傾向IDが
「1」の設計ノウハウデータは、基板特性の特性名称
「材質」の特性値が「X」であるとするレコード121
1と、不良現象が「F2」であるとするレコード121
2と、重要度が30%(母数100に対して不良件数が
30件)であるとするレコード1213とからなる。こ
れは、「基板の材質Xに不良F2が発生していて、その
重要度は30%である」と解釈される。ここで、重要度
とは、各々の「基板・部品特性ごとの不良発生傾向」の
持つ不良現象の不良件数Cijを合計を、ステップ101
にて読み込んだ不良実績データの総不良数で除算し、百
分率に換算した値である。重要度が大きいほど、そのデ
ータは製造不良を防止するために有用なデータであるこ
とを表す。
【0064】以上の処理により生成された設計ノウハウ
データベース1200には、基板・部品の特性と、発生
する不良およびその確率との関連を示す情報である設計
ノウハウデータが蓄積されている。従って、基板の次回
設計時に、このデータベース1200を参照することに
より、設計対象の基板と類似した基板・部品特性に関す
る設計ノウハウ(不良発生傾向データ)を得ることがで
きるため、これを設計に役立てることができる。
【0065】例えば、図11(c)に示した、グループ
1001に対する「基板の材質X、実装密度90、サイ
ズK1の部品種A1、実装位置L1に不良F1、F3が発生
している」という不良発生傾向データは、その内容を維
持したまま、設計ノウハウデータとして設計ノウハウデ
ータベース1200に蓄積される。そこで、次回設計時
には、この蓄積された設計ノウハウデータを参照するこ
とにより、「設計時に部品種A1を実装する位置をL1
すると、不良F1,F3が発生する可能性が有るので、他
の位置に実装するべきである」という知識を取得するこ
とができるため、本実施例の設計ノウハウ獲得方法によ
り獲得・蓄積された設計ノウハウは、製造不良を防止す
るために有効である。
【0066】なお、設計ノウハウデータを構成するレコ
ードとして、図12(2)に示すように、対策に関する
レコード1214(すなわち、特性種別格納領域120
2に、「対策」を保持し、データ1格納領域1205に
対策部署を、データ2格納領域1206に対策内容を、
それぞれ保持するレコード)を追加してもよい。
【0067】ここで、対策内容とは、上記の「設計時に
部品種A1を実装する位置をL1にすると、不良F1,F3
が発生する可能性が有るので、他の位置に実装する」と
いう設計ノウハウにおける、「他の位置に実装する」に
相当する。「基板・部品ごとの不良発生傾向」だけでは
対策内容がわからない若年設計者を支援するためには、
このように対策内容を付加することが望ましい。
【0068】設計ノウハウデータへの対策レコードの付
加方法例を図13に示す。対策レコードの付加が指示さ
れると、まず、設計ノウハウ獲得部11は、ステップ1
04により作成された設計ノウハウデータベース120
0を、磁気ディスク装置201から読み込み(ステップ
1301)、付加する対策レコードの格納領域1214
を確保して、該領域1214の特性種別格納領域120
2に「対策」を格納する。
【0069】つぎに、設計ノウハウ獲得部11は、FB
部署データベース1300を参照して、付加対象の設計
ノウハウデータの部品・基板特性や不良現象に関係する
部署、すなわち、設計ノウハウをフィードバックすべき
部署(以下、FB部署と呼ぶ)を検出し、確保した領域
1214のデータ1格納領域1205に検出したFB部
署を格納する(ステップ1302)。
【0070】ここで用いるFB部署データベース130
0は、図14に示すように、設計ノウハウデータベース
と同様の特性種別格納領域1402および特性名称格納
領域1403に、対策部署格納領域1401が対応付け
られた構成となっている。対策部署格納領域1401に
は、部署ごとに0または1の数値が格納されている。本
実施例では、「0」は、特性と部署に関連がないこと
を、「1」は関連があることを表す。従って、図14に
示した例における1行目のレコードは、「基板特性の材
質には、設計2Gが関連していること」を示している。
つまり、材質は、設計2Gで何らかの決定がされている
ことを示す。なお、データベース1300の検索を省略
し、次のステップ1303にて部署のキーボードからの
入力を受け付けるようにしてもよい。この場合には、こ
のFB部署データベース1300をあらかじめ用意する
必要がない。
【0071】つぎに、設計ノウハウ獲得部11は、ディ
スプレイ206に、付加対象の設計ノウハウデータに登
録された不良発生傾向データと、ステップ1302にお
いて検出したFB部署とを表示して、対策内容の入力を
受け付け、得られた対策内容を、ステップ1301にお
いて確保された領域1214のデータ2格納領域120
6に格納する(ステップ1303)。このステップ13
03において表示される入力画面は、図15(1)に示
すように、不良発生傾向1501およびFB部署150
2の表示された領域と、対策内容の入力を受け付ける領
域1503とを備える。対策内容入力領域1503への
入力は、キーボード204を介して受け付けられる。な
お、図15(2)に示す入力画面を表示するようにして
もよい。
【0072】D.設計ノウハウ提示処理 設計ノウハウ提示部12の処理手順を、図16に示す。
補助入力手段204を介して、設計ノウハウの提示が指
示されると、設計ノウハウ提示部12が起動される。
【0073】設計ノウハウ提示部12は、まず、補助入
力手段204を介して、検索キーとなる基板や部品の特
性および特性値と、検索条件との入力を受け付ける(ス
テップ1601)。本実施例では、複数の検索キーの入
力を受け付け可能とした。このステップ1601におい
て設計ノウハウ提示部12が画像表示装置206に表示
する検索キー入力画面例を、図17(1)および(2)
に示す。この検索キー入力画面は、特性種別の選択領域
1701と、特性値の入力領域1702と、検索条件の
選択領域1703と、検索範囲の選択領域1704とを
備える。
【0074】本実施例では、図17(1)に示すよう
に、特性種別選択領域1701がクリックされると、設
計ノウハウ提示部12は、特性種別の候補を表示するウ
インドウ1705を表示し、表示した候補のいずれかが
クリックされると、該候補の特性を列挙するウインドウ
1706を表示して、特性の指定を受け付ける。また、
特性値入力領域1702がクリックされると、設計ノウ
ハウ提示部12は、キーボードを介して、特性値の入力
を受け付ける。検索条件選択領域1703がクリックさ
れると、設計ノウハウ提示部12は、検索条件の候補を
表示するウインドウ1706を表示し、表示した候補の
選択を受け付ける。
【0075】ここで検索条件とは、「以下」「以上」
「完全一致」「〜を含む」等で、特性値の検索範囲を示
す。検索範囲選択領域1704は、検索対象を、蓄積さ
れたすべての設計ノウハウデータにするか、あるいは、
対策内容が登録されている設計ノウハウデータのみにす
るかの選択を受け付ける領域である。これは、不良発生
傾向だけでは設計として何をすればよいかわからない設
計者のために用意されている。
【0076】なお、図17(1)の画面の代わりに、図
17(2)に示す画面を表示するようにしてもよい。こ
の場合、設計ノウハウ提示部12は、キー入力指示領域
1708がクリックされると、検索条件設定ウインドウ
1709を表示する。特性種別の選択領域1701、特
性値の入力領域1702、および、検索条件の選択領域
1703は、このウインドウ1708に設けられてお
り、設計ノウハウ提示部12は、上述の場合と同様にし
てこれらの領域への入力を受け付け、検索キーとし、検
索指示領域1710がクリックされると、該検索キーを
用いて検索を開始する。
【0077】この図17(2)に示した画面は、類似度
やFB部署などの入力を受け付けるための抽出範囲入力
領域1711を、さらに備えている。ここで類似度が入
力されると、設計ノウハウ提示部12は、つぎのステッ
プ1602における処理において、類似度がその入力さ
れた値である設計ノウハウデータを抽出する。また、F
B部署などの特性値が入力されると、設計ノウハウ提示
部12は、検索範囲の設計ノウハウデータのうち、その
特性値を含むもののみを、つぎのステップ1602にお
ける検索対象とする。
【0078】つぎに、設計ノウハウ提示部12は、指定
された検索範囲の設計ノウハウデータごとに、該データ
における特性値と、入力された特性値との類似度を、つ
ぎの数式(数5)および(数6)により算出し、類似度
Aおよび類似度Bの少なくともいずれかが1(ステップ
1601において類似度が入力された場合には、その
値)である設計ノウハウデータを、類似基板の設計ノウ
ハウデータとする。
【0079】
【数5】
【0080】
【数6】
【0081】なお、類似度Aが1であることは、その設
計ノウハウデータに登録された特性の中に、検索キーが
全て含まれていることを示し、類似度Bが1であること
は、検索キーの中にその設計ノウハウデータに登録され
た特性が全て含まれていることを示している。
【0082】このようにして類似する基板の設計ノウハ
ウデータを検出した設計ノウハウ提示部12は、この検
出したデータを、画像表示手段206(他の出力手段で
もよい)に表示する(ステップ1603)。本実施例に
おいてこのとき出力される設計ノウハウ提示画面例を、
図18に示す。この設計ノウハウ提示画面は、検索キー
表示領域1801と、検索結果である設計ノウハウデー
タの表示領域1802と、検索範囲選択領域1704に
よる選択結果を表示する検索範囲表示領域1803とを
備える。
【0083】本実施例によれば、検索キーとして、特性
および特性値と検索条件とを入力するだけで、類似した
基板における設計ノウハウを得ることができる。従っ
て、本実施例の方法を設計初期段階で用いれば、製造不
良を防止するための設計ノウハウを設計前に得ることが
でき、例えば、部品の選定を行うときに、不良が多く発
生している部品の不良発生傾向を確認することにより、
代替部品の検討をする、といった設計方法を立案するこ
とができる。
【0084】なお、本実施例では、登録された特性の中
に検索キーが全て含まれているか、または、検索キーの
中に登録された特性が全て含まれていることを、類似の
条件としたが、この条件は、適宜変更してもよい。例え
ば、類似度Aまたは類似度Bが、所定の値以上であれ
ば、類似するとし、ステップ1603における表示対象
にするようにしてもよい。この場合、設計ノウハウ提示
画面に、類似度の値を表示するようにすることが望まし
い。
【0085】E.不良発生予測処理 不良発生予測部13の処理手順を、図22に示す。補助
入力手段204を介して、製品不良の発生予測が指示さ
れると、不良発生予測部13が起動される。不良発生予
測部13は、まず、組立情報データベース600から予
測対象の製品の組立情報を、設計ノウハウデータベース
1200から設計ノウハウデータを、それぞれ読み込む
(ステップ2201)。なお、組立情報データベース6
00は、図6に示すように、基板に関する情報601〜
605からなるレコードと、実装される部品ごとの、部
品に関する情報606〜613からなるレコードとを含
む。
【0086】つぎに、不良発生予測部13は、設計ノウ
ハウデータごとに、該データに一致する組立情報のレコ
ードを検索し、チェック結果テーブルを作成して、レコ
ードの一致が検出された設計ノウハウデータの不良傾向
IDと、その設計ノウハウデータにおける一致が検出さ
れたレコード数とを格納する(ステップ2202)。な
お、チェック結果テーブル2400は、図24に示すよ
うに、不良傾向IDの格納領域2401と、一致したレ
コードの数である一致数の格納領域2402とを備える
テーブルである。また、設計ノウハウデータに一致する
組立情報のレコードとは、予測対象製品の組立情報デー
タベースに含まれるレコードのうち、その設計ノウハウ
データに登録された基板・部品特性と同じものが登録さ
れたレコードである。
【0087】このステップ2202において、設計ノウ
ハウデータベースに登録されたすべての設計ノウハウデ
ータごとに行なわれる処理を、詳述する。
【0088】まず、不良発生予測部13は、設計ノウハ
ウデータに含まれる基板特性が、処理対象の組立情報に
含まれる基板特性と一致するか否か検査する。ここで、
設計ノウハウデータに基板特性が含まれていなければ、
基板特性は常に一致すると判断される。基板特性が一致
しなければ、不良発生予測部13は、その設計ノウハウ
データの処理を終了する。基板特性が一致すれば、不良
発生予測部13は、処理対象の組立情報に含まれる部品
のレコードごとに、それに登録された特性が、設計ノウ
ハウデータに含まれる部品特性と一致するか否か検査す
る。ここで、設計ノウハウデータに部品特性が含まれて
いなければ、該組立情報のすべての部品レコードについ
て、部品特性が一致すると判断される。部品特性が一致
する部品レコードがなければ、不良発生予測部13は、
その設計ノウハウデータの処理を終了する。部品特性が
一致する部品レコードがあれば、不良発生予測部13
は、チェック結果テーブル2400の不良傾向ID格納
領域2401に、その設計ノウハウデータの不良傾向I
Dを格納し、一致した部品レコードの数を、一致数格納
領域2402に格納する。
【0089】このステップ2202における検索例を、
図23を用いて説明する。ここでは、不良傾向IDが
「3」で、「部品種QFP−実装面A→ブリッジ」とい
う設計ノウハウデータ2301を用いる。なお、このデ
ータは、<不良傾向ID:1,特性種別:部品特性,特
性名称:「部品種」,特性値:「QFP」>というレコ
ードと、<不良傾向ID:1、特性種別:部品特性、特
性名称:「実装面」、特性値:「A」>というレコード
と、<不良傾向ID:1、特性種別:「不良現象」、不
良現象:「ブリッジ」>というレコードとからなり、
「部品種QFPの部品を実装面Aに実装した製品におい
て「ブリッジ」という不良現象が発生している」という
設計ノウハウを表している。
【0090】ステップ2202において、不良発生予測
部13は、基板特性が含まれていないことから、組立情
報データベース600の部品レコード群から、この設計
ノウハウデータの部品特性「部品種QFP−実装面A」
と同じ内容の部品レコード2302,2303を検索す
る。図23に示した例では、2件あるので、この不良傾
向ID「3」の設計ノウハウデータにおける一致数は
「2」となる。
【0091】最後に、不良発生予測部13は、チェック
結果テーブル2400に登録された内容と、ステップ2
201で読み込んだ設計ノウハウデータとから、発生が
予測される不良の一覧表を作成し、画像表示装置206
(または他の出力手段)に出力する(ステップ220
3)。ここで出力される予測表示画面例を、図25に示
す。この予測表示画面は、組立情報データベース600
から読み込まれた組図番号601を表示する領域250
1と、レコードの一致が見られた設計ノウハウデータの
数(すなわち、チェック結果テーブル2400の行数)
を表示する領域2502と、レコードの一致が見られた
設計ノウハウデータの内容を表示する領域2502とを
備える。本実施例では、この領域2502には、設計ノ
ウハウデータに登録された不良現象、基板特性、部品特
性、重要度、FB部署および対策内容と、一致したレコ
ードの数とが表示される。
【0092】この方法により、実装設計終了時に製造不
良の発生予測チェックを行えば、設計者、製造工程管理
者などが製品の製造前に製造不良の発生予測情報を得る
ことができるため、その予測に応じて適宜対策を採るこ
とが可能になる。
【0093】なお、本実施例のステップ2202では、
設計ノウハウデータベース1200に登録されたすべて
の設計ノウハウデータがチェックされるが、対策内容の
登録されている設計ノウハウデータのみをチェックする
ようにしてもよい。また、設計ノウハウ提示部12のス
テップ1601における処理と同様に、チェック対象
を、すべてのデータにするか、対策内容の登録されたデ
ータにするかの指示入力を受け付けるようにしてもよ
い。
【0094】F.管理・対策支援処理 管理・対策支援部14の処理手順を、図26に示す。補
助入力手段204を介して、管理・対策の支援が指示さ
れると、管理・対策支援部14が起動される。なお、管
理・対策支援機能を使用する際には、設計支援システム
を、各FB部署に設置された端末(図示せず)に、通信
回線(図示せず)によりあらかじめ接続しておく。
【0095】管理・対策支援部14は、設計ノウハウデ
ータベース1200から設計ノウハウデータを読み込み
(ステップ2601)、表示形式の指定を補助入力手段
204を介して受け付けて、指定された形式で、設計ノ
ウハウデータを画像表示装置206(または他の出力手
段)に出力する(ステップ2602)。
【0096】本実施例では、このステップ2602にお
いて表示されるデータ形式は、設計ノウハウ獲得部11
によりステップ1303において表示される対策内容入
力画面(図15(1)または(2)に図示)と同様の形
式の対策内容表示画面と、グラフ形式の不良件数表示画
面との2種類である。
【0097】グラフ形式が指示されると、このステップ
2602において管理・対策支援部14は、集計対象の
入力を受け付け、入力された集計対象に該当する設計ノ
ウハウデータを対象にして、登録されたすべての特性お
よび特性ごとの不良件数を集計し、グラフ表示する。
【0098】ここで表示されるグラフ形式の不良件数表
示画面は、図27に示すように、グラフ表示領域270
0と、表示切り替え領域2701とを備える。この表示
切り替え領域2701がクリックされると、管理・対策
支援部14は、特性種別の候補を表示するウインドウ2
702を表示し、候補の選択を受け付ける。いずれかの
候補が選択されると、管理・対策支援部14は、その特
性種別に応じた特性の候補を表示するウインドウ270
3を表示し、候補の選択を受け付ける。ここで入力の終
了が指示されると、管理・対策支援部14は、選択され
た特性種別を、表示切り替え領域2701に表示して、
その特性種別が登録された設計ノウハウデータを集計対
象とする。また、いずれかの特性候補が選択されると、
管理・対策支援部14は、その特性に応じた特性値の候
補を表示するウインドウ2704を表示し、候補の選択
を受け付け、選択された候補に応じた特性および特性値
を、表示切り替え領域2701に表示して、その特性お
よび特性値が登録された設計ノウハウデータを集計対象
とする。
【0099】このグラフ形式の不良件数表示画面によれ
ば、特定の特性における不良発生傾向を把握できる。例
えば、図27に示した例では、「実装密度90%の基板
に搭載されている部品種B1にブリッジ不良が50件発
生している」という不良発生傾向がわかる。
【0100】対策内容表示画面は、図15(1)または
(2)に示した対策内容入力画面と同様に、不良発生傾
向表示領域1501およびFB部署表示領域1502を
備えるが、対策内容入力領域1503の代わりに、対策
内容が表示される領域を備える。管理・対策支援部14
は、設計ノウハウデータベース1200に登録された、
FB部署および対策内容の登録されたすべての設計ノウ
ハウデータの内容を、不良発生傾向表示領域1501に
表示し、設計ノウハウデータの選択を受け付け、選択さ
れた設計ノウハウデータに登録されたFB部署および対
策内容を、FB部署表示領域1502および対策内容表
示領域に表示する。
【0101】この対策内容表示画面によれば、特性ごと
の組合せが引き起こす不良現象が把握できる。例えば、
図15(1)に示した例では、「実装密度70%で部品
種ICの実装位置左上に未はんだが30件発生してい
る」という不良発生傾向がわかる。
【0102】つぎに、管理・対策支援部14は、補助入
力手段204を介して指示の入力を受け付け、対策指示
することが指示されれば(ステップ2603)、設計ノ
ウハウデータの内容を、該データに登録されたFB部署
に通信回線(図示せず)を介して通知する(ステップ2
604)。ここで通知される設計ノウハウデータは、不
良件数表示画面表示中であれば、設計ノウハウデータベ
ース1200に保持された、FB部署および対策内容を
備えるすべての設計ノウハウデータであり、対策内容表
示画面表示中であれば、該画面にFB部署および対策内
容が表示されている(すなわち、ステップ2602にお
いて選択された)設計ノウハウデータである。
【0103】この管理・対策支援部14により、設計ノ
ウハウデータベースを製造工程管理や、対策作業指示に
利用することができ、試作段階や量産時に責任部署へ迅
速な対策作業指示を行うことが可能になる。
【0104】G.本実施例の効果 本実施例によれば、製造不良を防止するための設計ノウ
ハウを、製造工程で発生した不良の実績データと、製品
の組立情報データとから抽出することができ、設計ノウ
ハウの情報を蓄積したデータベースを自動的に構築する
ことができる。従って、次製品の設計者などのユーザ
は、この作成された設計ノウハウデータベースを参照す
ることにより、容易に設計ノウハウを知得することがで
きる。このため、本実施例によれば、製品設計前に類似
製品の設計ノウハウを得ることができ、設計後に、設計
した組立情報データと設計ノウハウデータベースとに基
づき、製品の不良発生を予測することができる。また、
本実施例の設計支援システムは、設計ノウハウデータ
(すなわち不良発生傾向)を関連部署に通知することが
できるため、本実施例のシステムによれば、予測される
不良に対する対策の作業指示を関連部署に対して容易に
行うことができる。
【0105】<実施例2>実施例1において作成された
設計ノウハウデータベースは、CAD(計算機援用設
計)システムにおいて用いることができる。本実施例で
は、この設計ノウハウデータベースを参照するCADシ
ステムについて、プリント板設計業務への適用を例にと
って説明する。
【0106】始めに、図19を用いてプリント板設計業
務の一例を説明する。プリント板設計は、方式設計、回
路設計、実装設計に大別される。方式設計(ステップ1
902)、回路設計(ステップ1903)では、製品企
画(ステップ1901)に基づき、回路図の作成、使用
部品の決定が行われる。設計された回路図、使用部品は
実装設計(ステップ1904)におけるCADシステム
の入力データとなる。実装設計(ステップ1904)で
は、回路図に基づき部品の配置および配線の設計が行わ
れる。実装設計終了後、設計結果は、組立図面および組
立情報として出力され(ステップ1905)、プリント
板実装ラインへの作業指示に用いられる。
【0107】本実施例のCADシステムは、実施例1の
設計支援システムと同様のハードウエア構成を有する情
報処理装置であり、外部記憶装置201に、製品企画、
方式設計および回路設計(ステップ1901〜190
3)において作成された製品仕様データおよび部品デー
タを保持する製品仕様データベース191と部品データ
ベース192とを備え、さらに、回路設計(ステップ1
903)において作成された設計CADデータを保持す
る設計CADデータベース193と、設計ノウハウデー
タを保持する設計ノウハウデータベース1200と、組
立情報を保持するための組立情報データベースとを備え
る。
【0108】なお、部品データ192は、図21に示す
ように、使用部品名2101と、部品の種類を表す部品
種2102と、実装方式を表す実装形態2103と、極
性の有無を表す極性2104と、部品の形状のタイプお
よび寸法を表す部品形状2105とで構成される、部品
の実装設計に必要なデータである。
【0109】本実施例では、このCADシステムは、実
装設計(ステップ1904)の際に用いられ、設計中の
基板および使用部品の特性と、設計ノウハウデータの基
板特性あるいは部品特性とを比較し、その特性および特
性値が一致した場合、その設計ノウハウデータをCAD
システムの画像表示装置に表示する。
【0110】本実施例のCADシステムにおける設計ノ
ウハウの表示処理の流れを、図20を用いて説明する。
【0111】CADシステム端末2001に、部品20
02を操作する信号2003が入力されると、CADシ
ステムは、部品データ192を検索し、操作が指示され
た部品2002の部品特性・特性値を読み込む(ステッ
プ2004)。つぎに、CADシステムは、設計ノウハ
ウデータベース1200から設計ノウハウデータを読み
込み、ステップ2004で読み込んだ部品2002の特
性および特性値と同じ部品特性および特性値を含む設計
ノウハウデータを検出する(ステップ2005)。続い
て、CADシステムは、検出した設計ノウハウデータ
を、設計ノウハウ2007としてCADシステム端末2
001に表示する(ステップ2006)。
【0112】以上の方法により、CADシステムのユー
ザである設計者は、実装設計中に、製造不良防止のため
の設計ノウハウを獲得できる。なお、操作中の部品が部
品配置を完了している場合に、その情報を部品2002
の特性(実装位置)および特性値(実装座標)として付
加するようにすれば、ステップ2005において特性・
特性値の一致する設計ノウハウデータを検出する際に、
部品の実装位置をも比較するようにできる。
【0113】本実施例によれば、設計ノウハウデータベ
ースを用いて、製造不良を防止するための設計ノウハウ
を参照しながら、CADシステムによる製品設計を行う
ことができる。なお、本実施例と実施例1とを組み合わ
せて、設計ノウハウ獲得機能と、CAD機能とを併せ持
つ設計支援システムとしてもよい。
【0114】
【発明の効果】本発明によれば、設計ノウハウ、すなわ
ち、過去に設計された製品における該製品または該製品
を構成する各要素の特性および特性値と、その特性・特
性値に関連して発生したと考えられる不良現象別不良発
生件数とを、容易に知得することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の設計支援システムの機能構成図で
ある。
【図2】 実施例1の設計支援システムのハードウエア
構成図である。
【図3】 プリント板実装ラインの例を示す工程図であ
る。
【図4】 設計ノウハウ獲得処理を示す流れ図である。
【図5】 不良実績データベースのデータ構造例を示す
説明図である。
【図6】 組立情報データベースのデータ構造例を示す
説明図である。
【図7】 部品形状タイプの例を示す説明図である。
【図8】 不良傾向抽出処理を示す流れずである。
【図9】 不良件数テーブルのデータ構造例を示す説明
図である。
【図10】 部品不良件数テーブルおよびグループ別不
良不良発生傾向テーブルのデータ構造例および編集例を
示す説明図である。
【図11】 基板・部品特性別不良発生傾向テーブルの
データ構造例および編集例を示す説明図である。
【図12】 設計ノウハウデータのデータ構造例を示す
説明図である。
【図13】 対策内容の付加処理を示す流れ図である。
【図14】 FB部署データベースのデータ構造例を示
す説明図である。
【図15】 対策内容入力画面例を示す説明図である。
【図16】 設計ノウハウ提示処理を示す流れ図であ
る。
【図17】 検索キー入力画面例を示す説明図である。
【図18】 設計ノウハウ表示画面例を示す説明図であ
る。
【図19】 プリント板設計業務例を示す工程図であ
る。
【図20】 CADシステムにおける設計ノウハウ表示
処理を示す流れ図である。
【図21】 部品データのデータ構造例を示す説明図で
ある。
【図22】 不良発生予測処理を示す流れ図である。
【図23】 不良発生予測部における設計ノウハウデー
タの検索処理を示す説明図である。
【図24】 チェック結果テーブルのデータ構造例を示
す説明図である。
【図25】 不良発生予測画面例を示す説明図である。
【図26】 管理・対策支援処理を示す流れ図である。
【図27】 グラフ形式の不良件数表示画面例を示す説
明図である。
【符号の説明】
10…設計支援システム、11…設計ノウハウ獲得部、
12…設計ノウハウ提示部、13…不良発生予測部、1
4…管理・対策支援部、191…製品仕様データベー
ス、192…部品データベース、193…設計CADデ
ータベース、194…組立図、201…磁気ディスク装
置、202…処理装置、203…フロッピーディスク、
204…キーボード、205…プリンタ、206…ディ
スプレイ、500…不良実績データベース、600…組
立情報データベース、900…不良件数テーブル、10
10…部品不良件数テーブル、1020…グループ別不
良不良発生傾向テーブル、1100…基板特性別不良発
生傾向テーブル、1200…設計ノウハウデータベー
ス、1300…FB部署データベース、2001…CA
D端末、2400…チェック結果テーブル。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】製品を構成する要素の特性および該特性の
    特性値と、該製品における不良現象別不良発生件数とを
    含む設計ノウハウデータを保持するための設計ノウハウ
    データベースを保持する情報処理システムであることを
    特徴とする設計支援システム。
  2. 【請求項2】請求項1記載の設計支援システムにおい
    て、 上記設計ノウハウデータは、上記不良現象に対する対策
    を通知すべき関連部署に関する情報と、該不良現象に対
    する対策内容とを、さらに含むことを特徴とする設計支
    援システム。
  3. 【請求項3】請求項1記載の設計支援システムにおい
    て、 製品を構成する要素ごとに、該要素の特性と、該特性の
    特性値とが少なくとも一組登録された製品ごとの組立情
    報を保持する組立情報データベースを、さらに保持する
    ことを特徴とする設計支援システム。
  4. 【請求項4】請求項3記載の設計支援システムにおい
    て、 発生した不良ごとに、該不良の現象と該不良の発生した
    要素の情報とが登録された不良実績情報を少なくとも一
    つ保持する不良実績データベースと、 上記不良実績データベースおよび上記組立情報データベ
    ースとを参照して、上記設計ノウハウデータを作成し、
    上記設計ノウハウデータベースに格納する設計ノウハウ
    獲得部とをさらに備え、 上記設計ノウハウ獲得部は、 上記不良実績データベースを参照し、上記不良発生要素
    ごとに、上記不良現象ごとの不良発生件数を集計し、上
    記不良発生要素情報と、該要素に発生した不良現象別不
    良発生件数とを保持する第1のレコードを作成する第1
    の手段と、 上記組立情報データベースを参照し、上記不良発生要素
    に対応する上記特性値を検出して、上記第1のレコード
    に、該特性値を付加して第2のレコードとする第2の手
    段と、 上記第2のレコードのうち、上記不良現象の組合せが共
    通または類似するレコードをグルーピングし、該グルー
    ピングした第2のレコードにおける不良現象別不良発生
    件数を集計して、該グルーピングした第2のレコードに
    共通する上記特性値を抽出し、該抽出した特性値と、上
    記集計した不良現象別不良発生件数とを含む設計ノウハ
    ウデータを作成し、設計ノウハウデータベースに格納す
    る第3の手段とを備えることを特徴とする設計支援シス
    テム。
  5. 【請求項5】請求項3記載の設計支援システムを用いた
    設計支援方法であって、 上記不良実績データベースを参照し、上記不良発生要素
    ごとに、上記不良現象ごとの不良発生件数を集計し、上
    記不良発生要素情報と、該要素に発生した不良現象別不
    良発生件数とを保持する第1のレコードを作成する第1
    のステップと、 上記組立情報データベースを参照し、上記不良発生要素
    に対応する上記特性値を検出して、上記第1のレコード
    に、該特性値を付加して第2のレコードとする第2のス
    テップと、 上記第2のレコードのうち、上記不良現象の組合せが共
    通または類似するレコードをグルーピングし、該グルー
    ピングした第2のレコードにおける不良現象別不良発生
    件数を集計して、上記グルーピングした第2のレコード
    に共通する上記特性値を抽出し、該抽出した特性値と、
    上記集計した不良現象別不良発生件数とを含む設計ノウ
    ハウデータを作成し、設計ノウハウデータベースに格納
    する第3のステップとを備えることを特徴とする設計支
    援方法。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の設計支援方法おいて、 上記第3のステップにおける、上記第2のレコードのグ
    ルーピングは、 上記第2のレコードに含まれる不良現象別不良発生件数
    を変数として、該第2のレコード間、該第2のレコード
    と上記グルーピングされた第2のレコード群との間、ま
    たは、上記グルーピングされた第2のレコード群間の論
    理的距離を算出し、該距離が所定の閾値より短い上記第
    2のレコードまたは上記第2のレコード群をグルーピン
    グすることにより行なわれることを特徴とする設計支援
    方法。
  7. 【請求項7】請求項5に記載の設計支援方法おいて、 上記第3のステップにおける、上記第2のレコードに共
    通する特性値の抽出は、 当該特性値の登録された上記第2のレコードの数の、上
    記グルーピングされた第2のレコード群の総数に対する
    割合が、あらかじめ定められた値以上より大きい特性値
    を抽出することであることを特徴とする設計支援方法。
  8. 【請求項8】請求項1記載の設計支援システムを用いた
    設計支援方法であって、 要素の特性および特性値の入力を受け付けるステップ
    と、 上記設計ノウハウデータベースを検索して、上記入力さ
    れた特性および特性値と同じ特性および特性値を含む上
    記設計ノウハウデータを検出するステップと、 上記検出した設計ノウハウデータの内容を出力するステ
    ップとを備えることを特徴とする設計支援方法。
  9. 【請求項9】上記関連部署の情報処理システムに、通信
    回線を介して接続された、請求項2記載の設計支援シス
    テムを用いた設計支援方法であって、 上記設計ノウハウデータの内容を、該設計ノウハウデー
    タに含まれる上記関連部署の上記情報処理システムに、
    上記通信回線を介して転送することを特徴とする設計支
    援方法。
  10. 【請求項10】請求項3記載の設計支援システムを用い
    た設計支援方法であって、 上記設計ノウハウデータベースに保持された設計ノウハ
    ウデータごとに、処理対象の製品の要素のうち、上記組
    立情報データベースに保持された該要素の特性および特
    性値が、上記設計ノウハウデータに含まれる上記要素の
    特性および特性値と一致する要素を検出するステップ
    と、 上記一致する要素が検出された設計ノウハウデータの内
    容を出力するステップとを備えることを特徴とする設計
    支援方法。
  11. 【請求項11】設計対象製品を構成する要素の操作指示
    の入力を受け付ける手段と、該指示された操作を実行す
    る手段とを備えるCADシステムにおいて、 製品を構成する要素の特性および該特性の特性値と、該
    製品における不良現象別不良発生件数とを含む設計ノウ
    ハウデータを保持する設計ノウハウデータベースと、 上記要素ごとに、該要素の特性および該特性の特性値を
    保持する部品データベースと、 上記設計ノウハウデータベースを検索して、上記操作が
    指示された要素の特性および特性値と一致する特性およ
    び特性値を含む上記設計ノウハウデータを検出し、該検
    出した設計ノウハウデータの内容を出力する手段とを、
    さらに備えることを特徴とするCADシステム。
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