JPH10186652A - 硬化塗膜用樹脂組成物、これを用いたカラーフィルタ保護膜、カラーフィルタおよび液晶表示素子 - Google Patents

硬化塗膜用樹脂組成物、これを用いたカラーフィルタ保護膜、カラーフィルタおよび液晶表示素子

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JPH10186652A
JPH10186652A JP34088196A JP34088196A JPH10186652A JP H10186652 A JPH10186652 A JP H10186652A JP 34088196 A JP34088196 A JP 34088196A JP 34088196 A JP34088196 A JP 34088196A JP H10186652 A JPH10186652 A JP H10186652A
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weight
color filter
monomer
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resin composition
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Application number
JP34088196A
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English (en)
Inventor
Seiji Haruhara
聖司 春原
Michio Uruno
道生 宇留野
Akihiro Kobayashi
明洋 小林
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、耐薬品性、密着性、塗布性、透明
性、耐傷性等の全ての要求特性を満足した上で、さらに
保存安定性の良好な新規な硬化塗膜用樹脂組成物、これ
を用いたカラーフィルタ保護膜、カラーフィルタおよび
液晶表示素子を提供する。 【解決手段】 下記、(A),(B)および(C)を必
須成分として含有してなる硬化塗膜用樹脂組成物、これ
を用いたカラーフィルタ保護膜、カラーフィルタおよび
液晶表示素子。 (A):下記一般式(I)で表わされる単量体ユニット
をモノマー成分として含む(共)重合体100重量部 【化1】 (B):多価カルボン酸無水物および多価カルボン酸か
らなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物5〜10
0重量部、および (C):官能性シランカップリング剤0.1〜100重
量部

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、保存安定性の良好
な硬化塗膜用樹脂組成物、これを用いたカラーフィルタ
保護膜、カラーフィルタおよび液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カラーフィルタを内蔵したカラー
液晶表示素子が種々発表されている。このカラー液晶表
示素子の作製にあたっては、ガラス等の透明基板上にカ
ラーフィルタを設け、この上にインジウムチンオキシド
(ITO)等からなる無機薄膜を蒸着し、フォトリソグ
ラフィー法によって、パターニングして透明電極を形成
した後、液晶配向膜を形成し、さらにその上に液晶を配
置する方法が主流になっている。この場合、カラーフィ
ルタには、この上にITOを蒸着して、フォトリソグラ
フィー法で透明電極を形成するプロセスに耐え得るだけ
の耐熱性、耐薬品性が備わっていないため、ITOを蒸
着する前にカラーフィルタ上に保護膜を形成しておく必
要がある。
【0003】このカラーフィルタ保護膜に要求される特
性としては、耐熱性、耐薬品性の他にガラス基板やカラ
ーフィルタとの密着性、コーティング性、透明性、耐傷
性、耐湿性等があげられる。
【0004】このような要求を満たす組成物として熱硬
化性樹脂、すなわちエポキシ樹脂、メラミン樹脂、およ
び熱硬化型のグリシジル(メタ)アクリレート樹脂等が
使用されている。しかしながら、これらの樹脂は主剤樹
脂と硬化剤とからなる熱硬化性樹脂であるために保存安
定性が悪く、一般には使用直前まで主剤溶液と硬化剤溶
液を混合せずに二液に分けて保存しておく必要がある。
【0005】そのため保管や取扱いが不便であり、混合
不良等のトラブルが起こりやすく、また混合後の可使時
間が短いために作業能率が低下するといった問題点があ
った。
【0006】これらの問題点を解決するための手段とし
ては、官能基濃度を低く抑えて保存安定性を改良する方
法、硬化剤に潜在性硬化剤を使用する方法等があげられ
る。
【0007】しかしながら官能基濃度を低く抑えると、
架橋密度が低下して保護膜の耐熱性や硬度が低下してし
まうといった問題がある。また、硬化剤に潜在性硬化剤
を使用すると、特性と保存安定性の相反するものしか得
ることができない。すなわち、保存安定性の優れている
ものは、一般に高温で加熱硬化する必要があるため、保
護膜の膜減りや着色が起こる傾向があり、低温で硬化で
きるものは、保存安定性が悪いといった傾向がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように従来から提
案されている一液型のコーティング材料では、カラ−フ
ィルタ保護膜としての特性に欠点があり、またカラ−フ
ィルタ保護膜としての特性の良好な組成物で一液型また
は保存安定性の良好なコ−ティング材料はまだ得られて
いないのが現状である。
【0009】本発明は前記した従来の材料の欠点を解決
し、耐熱性、耐薬品性、密着性、塗布性、透明性、耐傷
性等の全ての要求特性を満足した上で、さらに保存安定
性の良好な新規な硬化塗膜用樹脂組成物、これを用いた
カラーフィルタ保護膜、カラーフィルタおよび液晶表示
素子を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
【0011】本発明は、下記(A),(B)および
(C)を必須成分として含有してなる硬化塗膜用樹脂組
成物に関する。 (A):下記(a1),(a2)および(a3)をモノ
マー成分として含む(共)重合体(重合体または共重合
体を意味する。以下同じ)100重量部 (a1):下記一般式(I)で表わされる単量体ユニッ
ト(モノマー成分(a1),(a2)および(a3)の
総量を基準として20〜100重量%)
【0012】
【化2】
【0013】[式中、Rは水素原子または低級アルキル
基であり、nは1〜5の整数である](a2):必要に
応じて用いられる、メタクリル酸グリシジルエステルお
よび/またはアクリル酸グリシジルエステル(モノマー
成分(a1),(a2)および(a3)の総量を基準と
して0〜50重量%) (a3):必要に応じて用いられる、(a1)および
(a2)と共重合可能な不飽和単量体(モノマー成分
(a1),(a2)および(a3)の総量を基準として
0〜50重量%) (B):多価カルボン酸無水物および多価カルボン酸か
らなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物5〜10
0重量部、および (C):官能性シランカップリング剤0.1〜100重
量部
【0014】また、本発明は、前記(A),(B)およ
び(C)に加えて、下記(D)をさらに含有してなる硬
化塗膜用樹脂組成物に関する。 (D):下記(d1)50〜90重量%をモノマー成分
として含む共重合体10〜200重量部。 (d1):メタクリル酸グリシジルエステルおよび/ま
たはアクリル酸グリシジルエステル
【0015】また、本発明は、前記(A),(B)およ
び(C)、または(A),(B),(C)および(D)
に加えて、下記(E)をさらに含有してなる硬化塗膜用
樹脂組成物に関する。 (E):下記(e1),(e2)および(e3)をモノ
マー成分として含む共重合体 20〜200重量部 (e1):N−置換マレイミド (e2):アクリル酸および/またはメタクリル酸 (e3):必要に応じて用いられる、(e1)および
(e2)と共重合可能な不飽和単量体
【0016】さらに、本発明は、いずれかの前記硬化塗
膜用樹脂組成物を用いたカラーフィルタ保護膜、カラー
フィルタおよび液晶表示素子に関する。
【0017】
【発明の実施の形態】
I.硬化塗膜用樹脂組成物 本発明の硬化塗膜用樹脂組成物は、下記(A),(B)
および(C)を必須成分として含有する。 1.必須成分(A) 本発明における必須成分(A)は、下記(a1),(a
2)および(a3)をモノマー成分とする(共)重合体
である。 (1)モノマー成分(a1) 必須成分(A)のモノマー成分(a1)は、下記一般式
(I)で表わされる単量体ユニットである。
【0018】
【化3】
【0019】[式中、Rは水素原子または低級アルキル
基であり、nは1〜5の整数である] この一般式(I)において、Rの低級アルキル基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基等をあげることが
できる。このようなモノマー成分(a1)としては、具
体的にはアクリル酸−β−メチルグリシジル、メタクリ
ル酸−β−メチルグリシジル、α−エチルアクリル酸−
β−メチルグリシジル、アクリル酸−3−メチル−3,
4−エポキシブチル、メタクリル酸−3−メチル−3,
4−エポキシブチル、アクリル酸−4−メチル−4,5
−エポキシペンチル、メタクリル酸−4−メチル−4,
5−エポキシペンチル、アクリル酸−5−メチル−5,
6−エポキシヘキシル、メタクリル酸−5−メチル−
5,6−エポキシヘキシル等がある。これらの成分は単
独で用いても2種類以上を併用しても良い。
【0020】(2)モノマー成分(a2) 必須成分(A)のモノマー成分(a2)としては、メタ
クリル酸グリシジルエステルまたはアクリル酸グリシジ
ルエステルを使用する。この場合、これらを併用しても
よい。耐熱性の点からはメタクリル酸グリシジルエステ
ル単独である方が好ましい。
【0021】(3)モノマー成分(a3) 必須成分(A)のモノマー成分(a3)として、前記モ
ノマー成分(a1)、必要に応じて用いられるモノマー
成分(a2)のほかに、必要に応じて、モノマー成分
(a1)および(a2)と共重合可能な不飽和単量体
(モノマー成分(a3))を使用してもよい。このよう
なモノマー成分(a3)としては、具体的には不飽和脂
肪酸エステル、芳香族ビニル化合物、N−置換マレイミ
ド、シアン化ビニル化合物等がある。
【0022】上記不飽和脂肪酸エステルとしては、例え
ば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸
アルキルエステル;アクリル酸シクロヘキシル、アクリ
ル酸メチルシクロヘキシル、アクリル酸ノルボルニル、
アクリル酸ノルボルニルメチル、アクリル酸アダマンチ
ル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン
−8−イル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−3(または4)−イルメチル、アクリ
ル酸ボルニル、アクリル酸イソボルニル等のアクリル酸
シクロアルキルエステル;アクリル酸フェニル、アクリ
ル酸ベンジル等のアクリル酸芳香族エステル;アクリル
酸2−ヒドロキシエチル等のアクリル酸エステル;メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブ
チル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル
酸アルキルエステル;メタクリル酸シクロヘキシル、メ
タクリル酸メチルシクロヘキシル、メタクリル酸ノルボ
ルニル、メタクリル酸ノルボルニルメチル、メタクリル
酸アダマンチル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.
1.02,6]デカン−8−イル、メタクリル酸トリシクロ
[5.2.1.02.6]デカン−3(または4)−イル
メチル、メタクリル酸ボルニル、メタクリル酸イソボル
ニル等のメタクリル酸シクロアルキルエステル;メタク
リル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル
酸芳香族エステル;メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
等のメタクリル酸エステル等があげられる。耐熱性の点
からはメタクリル酸エステルが好ましい。
【0023】芳香族ビニル化合物としては、例えば、ス
チレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン等の
α−置換スチレン;クロロスチレン、ビニルトルエン、
t−ブチルスチレン等の核置換スチレン等がある。
【0024】前記N−置換マレイミドとしては、公知の
ものが使用できるが、N−メチルマレイミド、N−エチ
ルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−ブチルマ
レイミド等のN−アルキル基置換マレイミド;N−シク
ロヘキシルマレイミド等のN−シクロアルキル基置換マ
レイミド、およびN−フェニルマレイミド等のN−アリ
ール基置換マレイミドからなる群より選ばれる少なくと
も1種の化合物を使用することができる。
【0025】前記シアン化ビニル化合物としては、例え
ば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等がある。
【0026】(4)モノマー成分の配合割合 前記したモノマー成分(a1),(a2)および(a
3)の配合割合は、これらの総量を基準として、モノマ
ー成分(a1)を20〜100重量%、必要に応じて用
いられるモノマー(a2)を0〜50重量%、さらに必
要に応じて用いられるモノマー成分(a3)を0〜50
重量%の範囲内とされる。上記の範囲外では、十分な架
橋密度の膜が得られないために耐熱性や耐湿性が低下
し、また逆に多すぎると得られる塗膜と基板との密着性
や保存安定性が不十分となる傾向がある。
【0027】(5)モノマー成分の重合 必須成分(A)は、前記モノマー成分(a1)、必要に
応じてモノマー成分(a2)およびモノマー成分(a
3)を配合し、(共)重合(重合または共重合を意味す
る。以下同じ)させることにより製造することができ
る。(共)重合するにあたっては、ラジカル重合やイオ
ン重合等の公知の方法を使用できる。例えば、重合開始
剤の存在下で塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳
化重合法等の方法で製造できる。
【0028】重合開始剤としては、例えば、過酸化ベン
ゾイル、過酸化ラウロイル、ジ−t−ブチルペルオキシ
ヘキサヒドロフタレート、t−ブチルペルオキシ−2−
エチルヘキサノエート、1,1−ジ−t−ブチルペルオ
キシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン等の有
機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−
4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾ
ビスシクロヘキサノン−1−カルボニトリル、アゾジベ
ンゾイル等のアゾ化合物;過硫酸カリウム、過硫酸アン
モニウムに代表される水溶性触媒および過酸化物あるい
は過硫酸塩と還元剤の組み合わせによるレドックス触媒
等、通常のラジカル重合に使用できるものはいずれも使
用することができる。重合触媒は前記モノマー成分(a
1)、必要に応じて用いられるモノマー成分(a2)お
よびモノマー成分(a3)の総量に対して0.01〜1
0重量%の範囲で使用するのが好ましい。
【0029】また、重合調節剤としてメルカプタン系化
合物、チオグリコール、四臭化炭素、α−メチルスチレ
ンダイマー等を分子量調節のために必要に応じて添加す
ることができる。重合温度は、0〜200℃の範囲で適
宜選択するのが好ましく、特に50〜120℃であるの
が好ましい。
【0030】溶液重合における溶剤としては、通常のラ
ジカル重合に使用される溶剤が使用できる。具体例とし
ては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶
剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;ジエチル
エーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテ
ル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジ
エチルエーテル等のエーテル系溶剤;酢酸エチル、酢酸
−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチ
ル、乳酸メチル、乳酸エチル、エチレングリコールモノ
メチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノエ
チルエーテルアセタート、エチレングリコールモノブチ
ルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノエチ
ルエーテルアセタート、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテルアセタート、プロピレングリコールモノエチ
ルエーテルアセタート、プロピレングリコールジアセタ
ート、γ−ブチロラクトン等のエステル系溶剤;ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピ
ロリドン等のアミド系溶剤等が挙げられる。これらの溶
剤のうち、エステル系溶剤およびケトン系溶剤が好まし
く、単独で、または、2種類以上を混合して使用するこ
とができる。なお、硬化塗膜用樹脂組成物として用いる
場合は溶剤を含有しているので、同じ溶剤を用いて溶液
重合法によって重合するのが好ましいが、重合体製造後
メタノール再沈法等の方法によりポリマーを単離し、他
の溶剤に溶解して使用に供することも可能である。
【0031】必須成分(A)の分子量は、本発明の組成
物を基体に均一な膜として塗布することができる限り特
に制限はないが、通常5,000〜300,000(ポ
リスチレン換算重量平均分子量)であり、形成する硬化
塗膜の膜厚、塗布方法等の塗膜形成の目的や条件に応じ
て適宜選択することができる。
【0032】2.必須成分(B) 本発明においては、必須成分(B)として多価カルボン
酸無水物および多価カルボン酸からなる群より選ばれる
少なくとも1種の化合物を使用する。
【0033】多価カルボン酸無水物としては、無水イタ
コン酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水シトラコ
ン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水テトラヒドロフタ
ル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒ
ドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水
エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水メチルエン
ドメチレンテトラヒドロフタル酸等の脂肪族ジカルボン
酸無水物; シクロペンタンテトラカルボン酸二無水
物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物
等の脂肪族多価カルボン酸二無水物; 無水フタル酸、
無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸、3,3´,4,4´−ジフ
ェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物等の芳香族多
価カルボン酸無水物; エチレングリコールビストリメ
リテート、グリセリントリストリメリテート等のエステ
ル基含有酸無水物を挙げることができる。また、多価カ
ルボン酸としてはイタコン酸、マレイン酸、コハク酸、
シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフ
タル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、シクロペンタン
テトラカルボン酸等の脂肪族多価カルボン酸; フタル
酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピ
ロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の芳
香族多価カルボン酸を挙げることができる。
【0034】多価カルボン酸無水物および多価カルボン
酸は1種類のみで用いても、2種類以上を組み合わせて
もよい。耐熱性の点から芳香族多価カルボン酸無水物お
よび芳香族多価カルボン酸が好ましく、また耐熱性と溶
剤に対する溶解性のバランスの点から無水トリメリット
酸が特に好ましい。
【0035】本発明の組成物において、必須成分(B)
の配合割合は必須成分(A)の(共)重合体100重量
部に対して、5〜100重量部であり、好ましくは10
〜50重量部である。配合割合が5重量部未満であると
耐熱性が不十分となる傾向があり、100重量部を超え
ると耐薬品性が不十分となる傾向がある。
【0036】3.必須成分(C) また本発明においては、密着性の向上のために必須成分
(C)成分として官能性シランカップリング剤を使用す
る。官能性シランカップリング剤としては、ビニル基、
メタクリロイル基、水酸基、カルボキシル基、アミノ
基、イソシアネート基、エポキシ基等の反応性置換基を
有するシランカップリング剤、具体的にはビニルトリメ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナ
ートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。特
にエポキシ基を有するシランカップリング剤が密着性、
耐薬品性等に優れているため好ましい。これらの官能性
シランカップリング剤は、1種類のみで用いても、2種
類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0037】前記必須成分(C)の配合割合は、必須成
分(A)である(共)重合体100重量部に対して0.
1〜100重量部であり、好ましくは1〜50重量部で
ある。配合割合が0.1重量部未満であると密着性が不
十分となる傾向があり、100重量部を超えると塗布性
や耐熱性が低下する傾向がある。
【0038】4.成分(D) また本発明においては成分(D)として、モノマー成分
(d1)であるメタクリル酸グリシジルエステルおよび
/またはアクリル酸グリシジルエステル 50〜90重
量%をモノマー成分として含む共重合体を用いることが
できる。
【0039】モノマー成分(d1)であるメタクリル酸
グリシジルエステルまたはアクリル酸グリシジルエステ
ルは、併用してもよい。耐熱性の点からはメタクリル酸
グリシジルエステル単独である方が好ましい。
【0040】成分(D)の共重合体の、モノマー成分
(d1)のほかのモノマー成分である、(d1)と共重
合可能な不飽和単量体モノマー成分(d2)としては、
不飽和脂肪酸エステル、芳香族ビニル化合物、N−置換
マレイミド、シアン化ビニル化合物等があり、これらの
具体例としては、必須成分(A)の共重合体のモノマー
成分(a3)として例示した単量体をあげることができ
る。
【0041】前記したモノマー成分(d1)および(d
2)の配合割合は、これらの総量を基準として、モノマ
ー成分(d1)を50〜90重量%、およびモノマー成
分(d2)を50〜10重量%の範囲内の割合で使用す
ることが好ましい。モノマー成分(d1)の配合量が5
0重量%未満であると、得られる硬化塗膜の耐熱性が不
十分となる傾向があり、90重量%を超えると密着性や
コーティング性に不都合を生じる傾向がある。
【0042】成分(D)である共重合体は、前記モノマ
ー成分(d1)、および必要に応じてモノマー成分(d
2)を配合し、共重合させることにより製造することが
できる。この場合における重合法、使用しうる重合開始
剤、重合調節剤、重合温度、溶液重合における溶媒につ
いては、必須成分(A)である共重合体の場合と同様で
ある。
【0043】成分(D)の共重合体を組成物として用い
る場合の配合割合は、必須成分(A)の共重合体100
重量部に対して10〜200重量部であり、好ましくは
10〜100重量部である。成分(D)の共重合体の配
合量が200重量部を超えると保存安定性が不十分とな
り、10重量部未満であると、耐熱性が低下する傾向が
ある。
【0044】5.成分(E) また本発明においては成分(E)として、下記(e
1),(e2)および(e3)をモノマー成分として含
む共重合体を用いることができる。 (e1):N−置換マレイミド (e2):アクリル酸および/またはメタクリル酸 (e3):必要に応じて用いられる、(e1)および
(e2)と共重合可能な不飽和単量体
【0045】成分(E)の共重合体のモノマー成分(e
1)としては、必須成分(A)または成分(D)の共重
合体のモノマー成分(a3)または(d2)としての他
の共重合可能な不飽和単量体として例示したN−置換マ
レイミドをあげることができる。これらのうちでもN−
シクロヘキシルマレイミドおよびN−フェニルマレイミ
ドが好ましい。
【0046】本発明における成分(E)である共重合体
のモノマー成分(e2)としては、アクリル酸またはメ
タクリル酸が用いられ、これらを併用してもよい。
【0047】成分(E)の共重合体のモノマー成分とし
て、(e1),(e2)以外の他の共重合可能な不飽和
単量体(モノマー成分(e3))を使用してもよい。こ
のような不飽和単量体としては、不飽和脂肪酸エステ
ル、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物等があ
り、これらの具体例としては、必須成分(A)または成
分(D)の共重合体のモノマー成分(a3)または(d
2)としての他の共重合可能な不飽和単量体として例示
したものを挙げることができる。
【0048】前記したモノマー成分(e1),(e2)
および(e3)の配合割合は、これらの総量を基準とし
て、モノマー成分(e1)成分を20〜70重量%、モ
ノマー成分(e2)を5〜30重量%およびモノマー成
分(e3)を0〜50重量%の範囲内の割合で使用する
ことが好ましい。モノマー成分(e1)の配合割合が2
0重量%未満であると、得られる硬化塗膜の耐熱性が不
十分となり、70重量%を超えると密着性やコーティン
グ性に不都合を生じる傾向がある。モノマー成分(e
2)の配合割合が5重量%未満であると、得られる塗膜
の耐熱性、耐傷性が不十分となる傾向があり、30重量
%を超えると塗布性や塗膜の耐薬品性が低下する傾向が
ある。他の不飽和単量体の配合割合が50重量%を超え
ると本発明の効果が不十分となりやすい。
【0049】成分(E)である共重合体は、前記モノマ
ー成分(e1),(e2)および(e3)の各単量体を
配合し、共重合させることにより製造することができ
る。この場合における重合法、使用しうる重合開始剤、
重合調節剤、重合温度、溶液重合における溶媒について
は、必須成分(A)または成分(D)である共重合体の
場合と同様である。
【0050】成分(E)の共重合体を組成物として用い
る場合の配合割合は、必須成分(A)の共重合体100
重量部に対して20〜200重量部であり、好ましくは
20〜100重量部である。成分(E)の共重合体の配
合量割合が20重量部未満であるか200重量部を超え
ると硬度や耐熱性が不十分となる傾向がある。
【0051】6.硬化促進剤 また、本発明の組成物においては硬化促進剤を配合する
こともできる。硬化促進剤としては、通常エポキシ樹脂
の硬化に際して用いられるものをそのまま使用できる。
具体的には、塩酸等の無機酸;酢酸、シュウ酸等の有機
酸;トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン等の第
三級アミン類;1−ベンジル−2−メチルイミダゾー
ル、2−エチル−4−メチルイミダゾール;1−シアノ
エチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミ
ダゾール類;トリフェニルホスフィン等のホスフィン
類;BF3等のルイス酸またはルイス酸塩等を使用する
ことができる。
【0052】また、硬化促進剤を用いる場合の配合割合
は、必須成分(A)の共重合体100重量部に対して、
好ましくは0.1〜10重量部であり、さらに好ましく
は0.5〜5重量部である。硬化促進剤の配合割合が1
0重量部を超えると耐湿性、耐薬品性、保存安定性が低
下する傾向があり、0.1重量部未満であると硬度が不
十分となる傾向がある。
【0053】また、本発明の組成物には必要に応じて、
エピビス型やノボラック型等のエポキシ樹脂、界面活性
剤、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定剤等を添加する
こともできる。
【0054】7.塗膜の形成 本発明の組成物は、通常、溶剤に溶解して基材に塗布
し、加熱硬化させることによって塗膜を形成させること
ができる。溶剤としては、本発明の組成物を溶解し、か
つこれらの成分と反応しないものであれば、特に制限は
ない。具体的には、本発明の必須成分(A)または
(B)の共重合体を、溶液重合させる際の溶媒として例
示した溶剤が挙げられる。これらの溶剤のうちエステル
系溶剤およびケトン系溶剤が好ましく、単独でまたは2
種類以上を混合して使用することができる。
【0055】本発明の組成物を溶剤に溶解して、組成物
溶液を調製する方法には特に制限はなく、全成分を同時
に溶剤に溶解して組成物溶液を調製してもよく、必要に
応じて各成分を適宜2つ以上の溶液としておいて、使用
時にこれらの溶液を混合して組成物溶液としてもよい。
このようにして組成物溶液を調製する場合の溶剤の使用
量は、塗布に供せられる最終的な組成物溶液全重量のう
ち50〜95重量%とすることが好ましい。50重量%
未満では固形分濃度が高すぎて塗膜のレベリング性が低
下したり、塗膜の透明性が低下したりする場合があり、
一方95重量%を越える場合は固形分濃度が低すぎて、
塗膜の耐薬品性等が不十分となる場合がある。
【0056】8.塗布方法 本発明の組成物溶液を塗布する方法は特に限定されず、
浸漬法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法等の
他、スクリーン印刷、オフセット印刷等の印刷による塗
布方法等により基材に塗布することができる。本発明の
組成物の加熱硬化条件は組成物の各成分の具体的種類、
配合割合等によって適宜選択されるが、通常、50〜3
00℃で0.1〜10時間、好ましくは100〜250
℃で10分から5時間程度である。
【0057】II.カラーフィルタ保護膜 本発明の組成物により形成される硬化塗膜はガラス、金
属、プラスチック等の種々の材料に対して優れた密着性
を示し、平滑、強靱で耐光性、耐熱性、耐水性、耐溶剤
性、透明性に優れているため、各種物品のコーティング
膜として有用である。特にカラーフィルタ保護膜とし
て、ゼラチン、グリュー、ポリビニルアルコール、アク
リル系樹脂等の種々のバインダー樹脂を染料による染色
や、顔料分散によって着色して得られる種々のカラーフ
ィルタの表面保護層、平坦化層として有用である。カラ
ーフィルタ保護膜として用いる場合は加熱硬化後の膜厚
が0.005〜30μm、好ましくは0.1〜10μm
程度となるように、適宜、塗布して用いることができ
る。
【0058】従来の一液型のコーティング材料では、カ
ラ−フィルタ保護膜としての特性に欠点があり、またカ
ラ−フィルタ保護膜に要求される特性である耐熱性、耐
薬品性の良好な組成物で一液型または保存安定性の良好
なコ−ティング材料は得られていなかったが、ポリグリ
シジル(メタ)アクリレート樹脂のエポキシ基にメチル
基を導入することにより、従来のポリグリシジル(メ
タ)アクリレート樹脂の欠点である耐アルカリ性を向上
させることが可能となるとともに、保存安定性も格段に
向上させることが可能となる。さらに本発明の樹脂組成
物はカラーフィルタ保護膜に要求されるその他の特性で
ある密着性、塗布性、透明性、耐傷性等をバランス良く
満足させることができる。本発明のカラーフィルタ保護
膜を用いて、常法によりカラーフィルタを得ることがで
き、また、このカラーフィルタを用いて液晶表示素子を
得ることができる。
【0059】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例によって限定されるもの
ではない。 [製造例1] 共重合体溶液(A−1)の合成 攪拌機、温度計、窒素導入管、還流冷却管および滴下ロ
ートの備わった1リットルのフラスコに、エチルセロソ
ルブアセテート(エチレングリコールモノエチルエーテ
ルアセタート)(ECA)260重量部を仕込み、フラ
スコ内を窒素置換した。メタクリル酸ノルボルニル60
重量部、メタクリル酸−β−メチルグリシジル140重
量部、アゾビスイソブチロニトリル1.0重量部をエチ
ルセロソルブアセテート100重量部に溶解し、前述の
1リットルのフラスコに窒素気流中90℃で3時間かけ
て滴下した。さらに90℃で1時間攪拌した後、アゾビ
スイソブチロニトリル0.2重量部をエチルセロソルブ
アセテート40重量部に溶解した溶液を添加し、その後
120℃に昇温して2時間保った。
【0060】得られた共重合体溶液は粘度が140セン
チポアズ(25℃)であり、この共重合体をHLC分析
(GPCモード;カラム:日立化成工業(株)製 ゲル
パックA−120+ゲルパックA−140+ゲルパック
A−150、溶離液;テトラヒドロフラン、検出器:示
差屈折計)したところ、ポリスチレン換算の重量平均分
子量は約41,000であった。
【0061】[製造例2] 共重合体溶液(A−2)の
合成 製造例1において、メタクリル酸ノルボルニルの代わり
にメタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デ
カン−8−イルを用いたこと以外は製造例1と全く同様
に行ったところ、得られた共重合体溶液は粘度が170
センチポアズ(25℃)であり、この共重合体をHLC
分析したところ、ポリスチレン換算の重量平均分子量は
約40,000であった。
【0062】[製造例3] 共重合体溶液(A−3)の
合成 製造例1において、メタクリル酸ノルボルニル60重量
部、メタクリル酸−β−メチルグリシジル70重量部、
メタクリル酸グリシジル70重量部を用いたこと以外は
製造例1と全く同様に行ったところ、得られた共重合体
溶液は粘度が200センチポアズ(25℃)であり、こ
の共重合体をHLC分析したところ、ポリスチレン換算
の重量平均分子量は約40,000であった。
【0063】[参考製造例1] 共重合体溶液(D−
1)の合成 製造例1において、メタクリル酸−β−メチルグリシジ
ルの代わりにメタクリル酸グリシジルを用いた以外は製
造例1と全く同様に行ったところ、得られた共重合体溶
液は粘度が270センチポアズ(25℃)であり、この
共重合体をHLC分析したところ、ポリスチレン換算の
重量平均分子量は約40,000であった。
【0064】[参考製造例2] 共重合体溶液(E−
1)の合成 攪拌機、温度計、窒素導入管、還流冷却管、および滴下
ロートの備わった1リットルフラスコに、エチルセロソ
ルブアセテート150重量部を仕込み、フラスコ内を窒
素置換した。N−フェニルマレイミド100重量部、メ
タクリル酸40重量部、アクリル酸エチル60重量部、
アゾビスイソブチロニトリル3.0重量部をエチルセロ
ソルブアセテート300重量部に溶解し、前述の1リッ
トルフラスコに窒素気流中90℃で3時間かけて滴下し
た。さらに90℃で1時間攪拌した後、アゾビスイソブ
チロニトリル0.2重量部をエチルセロソルブアセテー
ト16.7重量部に溶解した溶液を添加し、その後12
0℃に昇温して2時間保った。
【0065】得られた共重合体溶液は粘度が80センチ
ポアズ(25℃)であり、この共重合樹脂をHLC分析
したところ、ポリスチレン換算の重量平均分子量は約1
5,000であった。
【0066】[実施例1〜7]表1に示す配合(配合の
単位は重量部である)で共重合体溶液とその他の配合物
にECAを加えて室温で均一に混合、溶解させ、初期粘
度が15〜20センチポアズ(25℃)の溶液を作成し
た。
【0067】この溶液を、孔径0.2μmのメンブラン
フィルタで濾過した後、スピンコーターを用いてガラス
板(ダウコーニング社製、7059材、無アルカリガラ
ス)上に回転数700rpmで回転塗布した。塗布後、
ガラス板を200℃のクリーンオーブン中にて1時間処
理し、塗膜を硬化させた。得られた塗膜の表面は極めて
平滑であり、ピンホール等は全く見られなかった。触針
式膜厚計(日本真空技術社製;商品名;Dektak3
ST)によって測定した膜厚は1.5〜2.0μmであ
った。
【0068】このようにして作製した塗膜について以下
の試験を行った。塗膜のガラス板との密着性を調べるた
めにテープ剥離によるゴバン目試験(JIS−K−54
00)を行った。その結果、残存数100/100であ
り、剥離は全く見られなかった。次に、塗膜の400n
m〜800nmにおける吸収スペクトルを塗布したもの
と同じガラス板をリファレンスとして測定したところ、
光線透過率は全領域で95%以上であった。
【0069】また、この塗膜をつけたガラス板をプレッ
シャークッカーテスト(120℃、2気圧)10時間
(以下、PCT処理という)、N−メチルピロリドン中
に室温で1時間浸漬(以下、NMP処理という)、5重
量%水酸化ナトリウム水溶液中に室温で1時間浸漬(以
下、NaOH処理という)、5重量%塩酸水溶液中に室
温で1時間浸漬(以下、HCl処理という)の処理を別
々に行い、各処理後で上記のゴバン目試験および光線透
過率の測定を行った。これらの結果を塗膜硬化直後の試
験結果と比較したところ、いずれの場合も接着性や光線
透過率は良好であった。なお、ゴバン目試験結果を表2
に、および光線透過率試験結果を表3に示す。
【0070】[比較例1〜3]実施例1〜7と同様にし
て表1に示す配合(配合の単位は重量部である)で共重
合体溶液とその他の配合物にECAを加えて室温で均一
に混合、溶解させ、初期粘度が15〜20センチポアズ
(25℃)の溶液を作成した。得られた溶液を実施例と
同様にしてガラス板上に塗布、加熱硬化させて、塗膜の
各種特性試験を行った。ゴバン目試験結果(残存数/1
00)を表2に、および光線透過率試験結果(400〜
800nm)を表3に示す。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】また実施例1〜7および比較例1〜3で作
成した溶液の室温(25℃)保存時の粘度変化を初期粘
度を1.0として表4に示す。
【0075】
【表4】
【0076】[実施例8]実施例1〜7で調製した組成
物溶液を一般的に知られている方法で作成したカラ−フ
ィルタ基板上に塗布した後、加熱硬化して保護膜を形成
し、保護膜付きカラ−フィルタの特性を調べた。
【0077】カラ−フィルタ基材は透明ガラス基板上に
ゼラチンと重クロム酸カリウム溶液を用いて、常法によ
りストライプ状の赤、緑、青の3色の染色式カラ−フィ
ルタがついた基材を作製した(ストライプ幅100μ
m)。この基材の表面凹凸を触針式膜厚計(日本真空技
術社製;商品名;Dektak3ST)によって測定し
た結果、1.0μmであった。
【0078】次に、このカラ−フィルタ基材上に前記組
成物溶液を700rpmで回転塗布し、200℃で1時
間乾燥することににより保護膜層を形成した。このよう
にして作製された保護膜付きカラ−フィルタ上に、イン
ジウムチンオキシド(ITO)を常法に従い蒸着した
後、フォトリソグラフィ−によりパタ−ニングした。こ
のITOのパタ−ンを有するカラ−フィルタを、光学顕
微鏡で詳細に観察した結果、カラ−フィルタや保護膜に
シワやクラック等は全く認められず、カラーフィルタと
保護膜、ITOと保護膜との密着性も表5に示すように
良好であった。
【0079】[比較例4]比較例1〜3で調製した組成
物溶液を用いた以外は実施例8と全く同様にしてカラー
フィルタ基材への適性を調べた。結果を表5に示す。
【0080】
【表5】
【0081】
【発明の効果】本発明の硬化塗膜用樹脂組成物は、保存
安定性に優れ、この樹脂組成物を用いて形成される塗膜
は平滑性、透明性、接着性、耐湿性、耐薬品性、耐熱
性、耐傷性等に極めて優れている。また本発明のカラ−
フィルタ保護膜は、前記硬化塗膜用樹脂組成物を用いて
形成され、前記樹脂組成物から形成される塗膜と同様の
優れた特性を有し、これにより優れた特性を備えたカラ
ーフィルタおよび液晶表示素子を得ることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A),(B)および(C)を必須
    成分として含有してなる硬化塗膜用樹脂組成物。 (A):下記(a1),(a2)および(a3)をモノ
    マー成分として含む(共)重合体100重量部 (a1):下記一般式(I)で表わされる単量体ユニッ
    ト(モノマー成分(a1),(a2)および(a3)の
    総量を基準として20〜100重量%) 【化1】 [式中、Rは水素原子または低級アルキル基であり、n
    は1〜5の整数である] (a2):必要に応じて用いられる、メタクリル酸グリ
    シジルエステルおよび/またはアクリル酸グリシジルエ
    ステル(モノマー成分(a1),(a2)および(a
    3)の総量を基準として0〜50重量%) (a3):必要に応じて用いられる、(a1)および
    (a2)と共重合可能な不飽和単量体(モノマー成分
    (a1),(a2)および(a3)の総量を基準として
    0〜50重量%) (B):多価カルボン酸無水物および多価カルボン酸か
    らなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物5〜10
    0重量部、および (C):官能性シランカップリング剤0.1〜100重
    量部
  2. 【請求項2】前記(A),(B)および(C)に加え
    て、下記(D)をさらに含有してなる請求項1記載の硬
    化塗膜用樹脂組成物。 (D):下記(d1)50〜90重量%をモノマー成分
    として含む共重合体10〜200重量部 (d1):メタクリル酸グリシジルエステルおよび/ま
    たはアクリル酸グリシジルエステル
  3. 【請求項3】 前記(A),(B)および(C)、また
    は(A),(B),(C)および(D)に加えて、下記
    (E)をさらに含有してなる請求項1または2記載の硬
    化塗膜用樹脂組成物。 (E):下記(e1),(e2)および(e3)をモノ
    マー成分として含む共重合体 20〜200重量部 (e1):N−置換マレイミド (e2):アクリル酸および/またはメタクリル酸 (e3):必要に応じて用いられる、(e1)および
    (e2)と共重合可能な不飽和単量体
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載の硬化
    塗膜用樹脂組成物を用いたカラーフィルタ保護膜。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のカラーフィルタ保護膜を
    備えたカラーフィルタ。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のカラーフィルタを備えた
    液晶表示素子。
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