JPH08289895A - 縫合器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】内視鏡下の手術に使用でき、切除する範囲を少
なくできる縫合器を提供することにある。 【構成】曲線状の複数のステープル７列を有するカート
リッジ９と、このカートリッジ９との間で組織を挟む面
を持つアンビル８と、前記ステープル７を前記アンビル
８へ向けて打出すステープル押出し板１５と、前記アン
ビル８を前記カートリッジ９へ向けて移動させ、かつス
テープル押出し板１５をステープル７列に沿って駆動す
るステープル打出しレバーとを備えた縫合器において、
前記ステープル押出し板１５と前記ステープル打出しレ
バーとをワイヤー２０で接続し、このワイヤー２０の一
端がステープル打出しレバーに固定され、中途部がカー
トリッジ９の先端近傍を通過し、前記ステープル押出し
板１５と摺動自在に接続した後、他端がカートリッジ９
に接続されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、腹壁等を貫通して体
腔内に挿入し、体腔内の生体組織を縫合する縫合器に関
する。

【０００２】

【従来の技術】内視鏡下外科手術等においては腹壁等を
貫通して体腔内に挿入して体腔内の組織を縫合する縫合
器が用いられている。この種の縫合器には従来、例え
ば、特開平３−１２１２６号公報で知られている。

【０００３】特開平３−１２１２６号公報は、経皮的に
体腔内に挿入され、体腔内組織を縫合する縫合器で、挿
入部と、この挿入部の先端部に開閉自在に設けられ一方
がアンビル、他方がステープルを保持するカートリッジ
からなる縫合器本体と、前記挿入部の先端部に設けられ
カートリッジからステープルを打出すファイリングレバ
ーと、縫合器本体を開閉せしめる縫合開閉レバーとから
構成されている。

【０００４】前記ステープルは、チタン等の金属製のＵ
字形状で、ステープルを直線状に組織に打出し変形させ
た後、ステープル列の間をリニアカッターで切除するよ
うになっている。この縫合器は、内視鏡下手術において
トラカールカニューラから入れて体腔内で縫合と切除が
同時に行え、手術時間の短縮という点で大きく貢献して
いる。

【０００５】しかし、前記リニアカッターは直線状に組
織の縫合を行うため、組織を切除する範囲が大きく、ま
た１ケ所を部分切除をするために３回〜４回使用する必
要があり、手術時間が長く患者にとって負担の大きいも
のであった。

【０００６】また、曲線状に組織の縫合切除を行うこと
ができる外科器具は、特開平６−１２１７９８号公報で
知られているが、この器具はステープルを生体吸収性樹
脂としており、開腹手術用の構造をしている。同様の器
具でワイヤ駆動式の外科器具はＳＵ １，０１１，１１
６Ａにおいても知られている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平３−１２１２６号公報の縫合器具は、直線状の縫合
切除を行うため、正常な組織の切除範囲が広くなり、ま
た、１ケ所切除するのに３〜４回のカートリッジ交換を
必要としていた。カートリッジの交換をするためにはト
ラカールカニューラから１回毎に器具を体外に取り出す
必要があり、術者にとって使いづらいものであった。ま
た、切除範囲が広くなるという点で患者に負担が大き
く、術後の回復も遅れる可能性もあった。

【０００８】さらに、内視鏡部分全体が直線形状である
ため、内視鏡下の手術において内視鏡部分先端が見えに
くく、操作性が悪くなるという問題点があった。また、
ＳＵ １，０１１，１１６Ａは直接駆動手段とステープ
ル押し出し手段５を接続しているため、大きいスライド
力量を必要としていた。特開平６−１２１７９８号公報
の縫合器具は曲線状に切除縫合ができるものの、内視鏡
下手術には使用できないものであった。さらにハンドル
部分から先端まで全体が一定の曲率をもち、内部の構成
品を一定の曲率で曲がった形状をしているため、小さな
曲率構造にはできなかった。

【０００９】この発明は前記事情に着目してなされたも
ので、その目的とするところは、内視鏡下の手術に使用
でき、切除する範囲を少なくできる縫合器を提供するこ
とを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この発明は前記目的を達
成するために、曲線状の複数のステープル列を有するス
テープル収容手段と、このステープル収容手段との間で
組織を挟む面を持つステープル変形手段と、前記ステー
プルを前記ステープル変形手段へ向けて打出すステープ
ル打出し手段と、前記ステープル変形手段を前記ステー
プル収容手段へ向けて移動させ、かつステープル打出し
手段をステープル列に沿って駆動する駆動手段とを備え
た縫合器において、前記ステープル打出し手段と前記駆
動手段とを接続する細長軟性手段を設け、この細長軟性
手段は一端が駆動手段に固定され、中途部が前記ステー
プル収容手段の先端近傍を通過し、前記ステープル打出
し手段と摺動自在に接続した後、他端が前記ステープル
収容手段に接続されていることを特徴とする。

【００１１】

【作用】駆動手段により細長軟性手段に引く力が加わる
と、ステープル打出し手段と接する部分にステープル収
容手段の先端向きの力が加わり、ステープル打出し手段
がステープル収容手段の先端へ向けて移動し、ステープ
ル収容手段内の曲線状に並ぶステープルをステープル変
形手段へ向けて順次打ち出す。各ステープルは組織に変
形固定され、曲線状にステープル列が複数できる。

【００１２】

【実施例】以下、この発明の各実施例を図面に基づいて
説明する。図１〜図６は第１の実施例を示し、図１は縫
合器の全体図である。この縫合器は、挿入部１とこの挿
入部１の基端部に設けられた操作部２および挿入部１の
先端部に設けられた縫合部３とから構成されている。

【００１３】操作部２には術者が把持するハンドル部４
が設けられ、このハンドル部４には駆動手段として開閉
自在のステープル打出しレバー５とアンビル開閉ノブ６
が設けられている。縫合部３には後述するステープル７
を受けて変形させるステープル変形手段であるアンビル
８とステープル７を複数放出可能に収容するステープル
収容手段であるカートリッジ９とが設けられている。

【００１４】アンビル８とカートリッジ９は長手方向に
対し横向きにある曲率を持って湾曲しており、アンビル
８はハンドル部４のアンビル開閉ノブ６を操作すること
により開閉自在であり、閉じた状態ではカートリッジ９
の上面とアンビル８の下面はほぼ平行な位置関係になっ
ている。ここで、アンビル８及びカートリッジ９の中心
線の曲率はＲ３０以上、好ましくはＲ３０となってい
る。

【００１５】また、図２〜図４に示すように、アンビル
８はステンレスなどの金属・合金を用いて射出成形、鋳
造などで作られ、下面にステープル変形手段としての複
数の変形凹部１０の列がアンビル８の曲率に沿って曲線
状に配置されている。カートリッジ９のステーブル７列
間には後述するカッター１１がスライドするカッター溝
１２が設けられている。

【００１６】さらに、カートリッジ９は挿入部１に固定
されているカートリッジホルダ１３に対してラッチ，カ
ムピンなどの機構を用いて着脱自在であり、カートリッ
ジ９の上面に開口を持つスロット１３ａを有している。
スロット１３ａにはチタン合金、もしくはステンレス製
のＵ型のステープル７が上面に脚先端を向けた状態でス
ライド自在に収納されており、ステープル７の下部には
ポリカーボンなどの樹脂製ステープルホルダ１４がスラ
イド自在に収容されている。

【００１７】前記スロット１３ａは曲線状に並べられて
おり、４列〜６列の配列となっている。また、各列ごと
のスロット１３ａの数は外側列から内側列へ向けて順次
少なくしてもよいし、スロット１３ａの大きさ自体を内
側列へいくに従って列毎に小さくしてもよい。なお、同
様にステープル７の幅も変化させている。

【００１８】前記カートリッジ９の下面のスロット１３
ａ列の間には、ステープル打出し手段としての斜面１５
ａを有するステープル押出し板１５をスライドするため
のスライド溝１６が２本または各スロット１３ａ列ごと
に設けられている。ステープルホルダ１４は下部にカム
面１４ａもしくは面取り部を持っていてステープル押出
し板１５の斜面１５ａと摺動するようになっている。

【００１９】前記カートリッジホルダ１３は上面にカー
トリッジ９を受ける部分を持ち断面がＵ型形状をしてい
る。そして、カートリッジホルダ１３の下面の先端部に
は固定プーリ１６が回転自在に軸支されている。また、
カートリッジホルダ１３の下面の後端にはカートリッジ
ホルダ１３の中心線に沿って設けられたスリット状のプ
ーリガイド１７の中を駆動プーリ１８がスライド自在に
設けられている。

【００２０】また、図５に示すように、駆動プーリ１８
の上面で、カートリッジホルダ１３の内側にはステープ
ル押出し板１５およびカッター１１が接続されている。
さらに駆動プーリ１８にはこれを後方に付勢するコイル
バネ、ゴムなどの弾性部材１９が接続されている。

【００２１】カートリッジホルダ１３の下面には細長軟
性手段としてのワイヤー２０が設けられている。なお、
ワイヤー２０の材質は炭素繊維、ＳＵＳまたは合成樹脂
の線状部材、軟性部材でもよい。前記ワイヤー２０の一
端はカートリッジホルダ１３の下面に固定され、駆動プ
ーリ１８の周りを回って、固定プーリ１６を囲み、さら
にハンドル部４のステープル打出しレバー５と接続され
ている。

【００２２】前記ステープル押出し板１５は厚みが０．
２〜０．３のステンレス板材、もしくは樹脂の板材の両
端を折り曲げた形状をしており、スライド溝１６に沿っ
て摺動する際、曲率に沿って変形可能になっている。さ
らにステープル押出し板１５の中央部には図６に示すよ
うに、駆動プーリ１８と嵌合するための嵌合孔２１が穿
設され、この嵌合孔２１の前方にはスリット２２が設け
られている。

【００２３】前記アンビル８の後部にはカムピン２３が
突設されており、このアンビル８の後部にはアンビル開
閉部材２４がスライド可能に嵌合されている。アンビル
開閉部材２４の側面にはカムピン２３と係合するカム溝
２５が設けられている。さらにアンビル開閉部材２４の
後部には開閉ワイヤ２６がロー付け、カシメなどの方法
で固定され、ハンドル部４内においてアンビル開閉ノブ
６と固定されている。

【００２４】アンビル開閉部材２４の後方には挿入部１
内に固定されたコイルスプリング２７が設けられ、アン
ビル開閉部材２４を先端側へ付勢している。なお、コイ
ルスプリング２７に代ってゴム、弾性金属、弾性樹脂を
介在してもよい。

【００２５】前記挿入部１の先端部には長軸方向に対し
て垂直方向にカムスリット２８が設けられ、アンビル８
の後端のカムピン２３がアンビル開閉部材２４のカム溝
２５を通ってカムスリット２８と嵌合している。さら
に、アンビル８の後端には開閉する際の回転中心となる
突起２９が設けられ、この突起２９は挿入部１の先端部
と回動自在に嵌合している。

【００２６】次に、前述のように構成された縫合器の作
用について説明する。図７および図８に示すように、生
体の体壁３０に孔３１を開け、トラカール３２を挿入し
た後、アンビル８とカートリッジ９を閉じた状態でトラ
カール３２を通して体腔３３内へ挿入する。このとき、
トラカール３２のシース３２ａはテフロン（商品名）、
塩化ビニール、ゴア（商品名）などの合成樹脂または軟
性材でできているためアンビル８とカートリッジ９が湾
曲していても挿通可能となる。さらに、トラカール３２
の口金３２ｂには弁手段、シール手段（いずれも図示し
ない）が設けられているため、体腔３３内を気腹してい
るＣＯ₂ ガスなどが漏出することはない。

【００２７】そして、術者が縫合器のハンドル部４を把
持し、アンビル８およびびカートリッジ９を目的部位に
導き、アンビル８とカートリッジ９との間に組織３４を
置き、ハンドル部４のアンビル開閉ノブ６を回転させ、
開閉ワイヤ２６、アンビル開閉部材２４をハンドル部４
側へスライドさせる。すると、アンビル８の後部のカム
ピン２３はカム溝２５に沿って上側へ移動し、アンビル
８が突起２９を支点として回動してカートリッジ９に対
して閉じられる。

【００２８】その後、ステープル打出しレバー５を閉じ
ると、ステープルワイヤ２０はハンドル部４側に引か
れ、カートリッジホルダ１３の下面にある駆動プーリ１
８と固定プーリ１７の回りのステープルワイヤ２０のル
ープが縮小し、結果として駆動プーリ１８はプーリガイ
ド１７に沿ってカートリッジ９の先端側へスライドして
いく。同時にステープル押出し板１５およびカッター１
１も各々スライド溝１６、カッター溝１２の中をカート
リッジ９の先端までスライドする。このときステープル
押出し板１５の斜面１５ａによって各ステープルホルダ
１４、ステープル７はアンビル８の変形凹部１０に向け
て押し出され、アンビル８、カートリッジ９間の組織３
４を挟んだ状態で閉じた形に順次変形されて縫合され
る。

【００２９】さらに、組織３４に固定された曲線状のス
テープル７列の間をカッター溝１２に沿ってカッター１
１が前進し、組織３４を切断していく。カッター１１に
よってカートリッジ９の先端部分まで組織３４を切断し
た後、ステープル打出しレバー５を開くと、駆動プーリ
１８はコイルバネ１９によりカートリッジ９の後部まで
引き戻され、同時にカッター１１もカートリッジ９の後
部まで引き戻される。ステープル押出し板１５は駆動プ
ーリ１８が引き戻される際、スリット２２を通って戻る
ためカートリッジ９の先端側へとり残されることにな
る。

【００３０】本実施例によれば、アンビル８、カートリ
ッジ９が湾曲しているため対象組織が見易く、挟み込み
易くなる。また、ステープル打出しレバー５とステープ
ル押出し板１５とをワイヤー２０で接続したことにより
曲線に沿って進むステープル押出し板１５への伝達ロス
が少なくなる。さらにカートリッジ９、アンビル８に大
きな曲率をつけられ、組織切除範囲が少なくなり、かつ
カートリッジ９の交換回数も減って医療費削減、手術時
間の短縮にもつながる。

【００３１】ワイヤー２０をループを介してステープル
押出し板１５とステープル打出しレバー５を接続したた
め滑車の原理により駆動力が小さくなる。また、伸長部
分を設けたことにより、処置の際に組織が見易くなり、
かつ挿入部１の径をφ１２以下とすると、内視鏡下手術
に使用できる。

【００３２】図９および図１０は第２の実施例を示し、
第１の実施例のワイヤー２０の代わりに帯状板体からな
る複数の駆動板３５を連結ピン３６によって横方向に回
動自在に連結すると共に、駆動板３５とステープル押出
し板１５とを連結ピン３５ａによって横方向に回転自在
に連結した構成である。さらに、駆動板３５の連結部３
５ｂは幅が他の部分に比べ広幅に形成され、カートリッ
ジホルダ１３の側壁と摺動するようになっている。

【００３３】したがって、ステープル押出しレバー５を
閉じると、各駆動板３５はカートリッジホルダ１３内を
スライドし、カートリッジホルダ１３の曲がりに沿って
駆動板３５の連結部３５ｂが連結ピン３６を支点として
屈曲してステープル押出し板１５、カッター１１へと力
を伝達していく。

【００３４】本実施例によれば、複数の駆動板３５を回
転自在に連結しステープル押出し板１５へ接続したこと
により、簡単な構造で曲がりのあるカートリッジホルダ
１３内へ力を伝えることができる。さらに駆動板３５と
ステープル押出し板１５を回転可能に接続したことでカ
ートリッジ９の先端方向へ押す直線的な力が、曲がりの
接線方向へ向けられスムーズにステープル押出し板１５
をスライドさせることができる。

【００３５】図１１および図１２は第３の実施例を示
し、ステープル押出し板１５の斜面１５ａの先端に屈曲
して側方に伸びる位置決め材３７を設けた構成である。
位置決め材３７は隣接するステープル押出し板１５もし
くはカートリジホルダ１３の側壁と接しており、好まし
くは接する部分に上方へ折曲する折曲片３７ａが設けら
れている。

【００３６】したがって、ステープル押出し板１５がカ
ートリッジホルダ１３内を先端側へ向けてスライドする
際、折曲片３７ａを有する位置決め材３７はカートリッ
ジホルダ１３の側壁に押され、斜面１５ａの先端はステ
ープルホルダ１４の下部のカム面１４ａと接するように
位置決めされる。

【００３７】本実施例によれば、ステープル押出し板１
５の先端が常にスライド溝１６の中心に沿ってスライド
されるように位置決めされるため、ステープルホルダ１
４を収容するスロット１３ａに干渉されることなくスム
ーズにスライド溝１６を動くことができ、カートリッジ
９およびアンビル８の曲率を小さくすることができる。

【００３８】なお、本実施例の変形例として位置決め材
３７の代わりにステープル押出し板１５の斜面１５ａの
先端の下部に突起を設け、カートリッジホルダ１３の上
面にガイド溝を設けてもよい。この場合、構造が簡単に
なるという効果がある。

【００３９】図１３は第４の実施例を示し、挿入部１の
先端部近傍にその長軸方向に対して横方向に回転可能な
回転部３８を設けた構成である。回転部３８は挿入部１
の先端に突出部３９が設けられ、この突出部３９には上
下方向に突出する回転ピン４０が設けられている。ま
た、突出部３９の内部には開閉ワイヤ２６、ワイヤー２
０が通るように空洞に形成されている。

【００４０】さらに、突出部３９にはアンビル８および
カートリッジ９を支持する管状の支持部材４１が嵌合さ
れていて、この支持部材４１の突出部３９と嵌合する連
結部４２には回転ピン４０と係合する係合孔４３が設け
られている。さらに、連結部４２の後端部には回転ワイ
ヤー４４が接続され、回転ワイヤー４４は挿入部１の内
部を通って回転を操作するための制御手段である回転ノ
ブ４５に接続されている。この回転ノブ４５は挿入部１
の軸に対して回転もしくはスライド自在であり、回転運
動を軸方向に変換する手段、例えば、ネジカム機構によ
り回転ワイヤー４４に力を伝えるようになっている。な
お、回転ワイヤー４４に代って線状部材もしくは棒状部
材でもよい。

【００４１】したがって、回転ノブ４５を操作し、回転
部３８から先端側の支持部材４１、アンビル８、カート
リッジ９、ステープル押出し板１５等を横方向に回転さ
せることにより所望の方向へ向けることができる。

【００４２】本実施例によれば、アンビル８、カートリ
ッジ９をハンドル部４の回転ノブ４５により操作するこ
とで任意の方向へ向けることができ、操作性の向上につ
ながる。

【００４３】前述した実施態様によれば、次のような構
成が得られる。 （付記１）曲線状の複数のステープル列を有するステー
プル収容手段と、このステープル収容手段との間で組織
を挟む面を持つステープル変形手段と、前記ステープル
を前記ステープル変形手段へ向けて打出すステープル打
出し手段と、前記ステープル変形手段を前記ステープル
収容手段へ向けて移動させ、かつステープル打出し手段
をステープル列に沿って駆動する駆動手段とを備えた縫
合器において、前記ステープル打出し手段と前記駆動手
段とを接続する細長軟性手段を設け、この細長軟性手段
は一端が駆動手段に固定され、中途部が前記ステープル
収容手段の先端近傍を通過し、前記ステープル打出し手
段と摺動自在に接続した後、他端が前記ステープル収容
手段に接続されていることを特徴とする縫合器。

【００４４】（付記２）前記細長軟性手段は、線状部材
であることを特徴とする付記１記載の縫合器。 （付記３）前記細長軟性手段は、ステンレスワイヤーで
あることを特徴とする付記１記載の縫合器。

【００４５】（付記４）前記細長軟性手段は、炭素繊維
であることを特徴とする付記１記載の縫合器。 （付記５）前記細長軟性手段は、合成繊維であることを
特徴とする付記１記載の縫合器。

【００４６】（付記６）前記曲線状に並ぶステープル列
の間を切断する手段をステープル打出し手段に固定した
ことを特徴とする付記１記載の縫合器。 （付記７）前記ステープル列の曲率Ｒを３０ｍｍ以上と
したことを特徴とする付記１記載の縫合器。

【００４７】（付記８）曲線状の複数のステープル列を
有するステープル収容手段と、このステープル収容手段
との間で組織を挟む面を持つステープル変形手段と、前
記ステープルをステープル変形手段へ向けて打出し変形
させるステープル打出し手段と、前記ステープル変形手
段をステープル収容手段へ移動させかつステープル打出
し手段を駆動する駆動手段とで構成される縫合器におい
て、ステープル収容手段は各ステープル列に沿って曲線
状にステープル打出し手段をガイドするガイド手段を有
し、ステープル打出し手段はステープル打出し手段の先
端をガイド手段の中心に位置決めする手段を有すること
を特徴とする縫合器。

【００４８】（付記９）曲線状の複数のステープル列を
有するステープル収容手段と、このステープル収容手段
との間だけ組織を挟む面を有するステープル変形手段
と、前記ステープルをステープル変形手段へ向けて打出
し変形させるステープル打出し手段と、前記ステープル
変形手段をステープル収容手段へ向けて移動させかつス
テープル打出し手段を駆動する駆動手段とで構成される
縫合器において、前記ステープル打出し手段と駆動手段
は少なくとも１つの連絡手段と回転自在に接続されるこ
とを特徴とする縫合器。

【００４９】（付記１０）前記駆動手段とステープル収
容手段、ステープル打出し手段、ステープル変形手段を
細長支持手段により連結し、前記細長支持手段は少なく
とも１つの長軸に対して横方向に回転自在な回転部を有
することを特徴とする付記１記載の縫合器。

【００５０】（付記１１）前記ガイド手段は、ガイド溝
であることを特徴とする付記８記載の縫合器。 （付記１２）前記ステープル打出し手段は、少なくとも
１つのカム手段を有することを特徴とする付記８記載の
縫合器。

【００５１】（付記１３）前記連結手段は、板状の部材
よりなることを特徴とする付記９記載の縫合器。 （付記１４）前記連絡手段は、中間にくびれを有するこ
とを特徴とする付記９記載の縫合器。

【００５２】付記１によれば、駆動手段と打出し手段が
細長軟性手段で連結されるため曲線状のステープル列に
沿ってスムーズにステープル打出し手段が移動すること
ができ、ステープル変形に要する力も小さくすることが
できる。さらにステープルの曲率も小さくすることがで
き、組織切除範囲も少なくすることができる。また、ス
テープル打出し手段が滑車の原理を用いて移動させられ
るため、駆動手段に必要な力が小さくできる。

【００５３】付記２、３、４、５によれば、線状部材に
することにより、ステープル収容手段内に設置し易くな
る。また、ステープル収容手段のサイズも小さくでき
る。付記６によれば、一度に組織を曲線状に縫合、切除
することができ、手術時間の短縮につながる。付記７に
よれば、曲率Ｒを３０ｍｍとしたことにより、より一層
患部組織を効率よく切除することができる。

【００５４】付記８によれば、ステープル打出し手段が
ガイド溝に沿って駆動手段によりステープル収容手段先
端側へ向けてスライドされる時、ガイド溝側壁と打出し
手段先端が摺動せずに移動する。したがって、ステープ
ル収容手段がガイド溝の側壁に干渉されることなくスム
ーズに摺動することができ、駆動する力も小さくでき
る。付記９によれば、駆動手段からの力が、ステープル
打出し手段に伝えられる際、ステープル打出し手段のス
ライドしようとする方向に応じ連結部材も回転する。し
たがって、ステープル打出し手段が、スムーズに曲線状
のステープル列に沿って移動することができる。

【００５５】付記１０によれば、回転部の角度を任意に
変えステープル収容手段ステープル打出し手段、ステー
プル変形手段を患部組織方向へ向ける。したがって、任
意の方向の組織を縫合することができ、かつ体腔内にお
ける操作性も向上する。付記１１によれば、ガイド手段
をガイド溝とすることにより、構造を簡単にすることが
できる。

【００５６】付記１２によれば、カム手段によりステー
プル打出しを行うことにより小さい力量でステープルを
押し出すことができ、構造も簡単になる。付記１３によ
れば、板材にすることでより簡単な構造にできる。また
ステープル収容手段も小型化できる。付記１４によれ
ば、曲線状のステープル列に沿ってスライドする際、周
囲と接する部分の面積が小さくなりスライドする力量が
小さくスムーズに移動できる。

【００５７】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、駆動手段とステープル打出し手段が細長軟性手段で
連結されるため曲線状のステープル列に沿ってスムーズ
にステープル打出し手段が移動することができ、ステー
プル変形に要する力も小さくすることができる。さらに
ステープルの曲率も小さくすることができ、組織切除範
囲も少なくすることができる。また、ステープル打出し
手段が滑車の原理を用いて移動させられるため、駆動手
段に必要な力が小さくできるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１の実施例に係る縫合器の全体の
斜視図。

【図２】同実施例の構成部品の分解斜視図。

【図３】同実施例の縫合部の縦断側面図。

【図４】同実施例のカートリッジの一部を断面した平面
図。

【図５】同実施例のステープル押出し板の斜視図。

【図６】同実施例のステープル押出し板およびカッター
の斜視図。

【図７】同実施例の作用説明図。

【図８】同実施例の作用説明図。

【図９】この発明の第２の実施例に係る縫合器のステー
プル押出し板およびカッターの斜視図。

【図１０】同実施例の作用説明図。

【図１１】この発明の第３の実施例に係る縫合器のカー
トリッジの一部を断面した平面図。

【図１２】同実施例のステープル押出し板を示し、
（ａ）は斜視図、（ｂ）はＡ部の正面図。

【図１３】この発明の第４の実施例に係る縫合器の斜視
図。

【符号の説明】

１…挿入部、２…操作部、３…縫合部、４…ハンドル
部、５…ステープル打出しレバー、６…アンビル開閉ノ
ブ、７…ステープル、８…アンビル、９…カートリッ
ジ、１０…変形凹部、１１…カッター、１５…ステープ
ル押出し板、２０…ワイヤー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 曲線状の複数のステープル列を有するス
   テープル収容手段と、このステープル収容手段との間で
   組織を挟む面を持つステープル変形手段と、前記ステー
   プルを前記ステープル変形手段へ向けて打出すステープ
   ル打出し手段と、前記ステープル変形手段を前記ステー
   プル収容手段へ向けて移動させ、かつステープル打出し
   手段をステープル列に沿って駆動する駆動手段とを備え
   た縫合器において、 前記ステープル打出し手段と前記駆動手段とを接続する
   細長軟性手段を設け、この細長軟性手段は一端が駆動手
   段に固定され、中途部が前記ステープル収容手段の先端
   近傍を通過し、前記ステープル打出し手段と摺動自在に
   接続した後、他端が前記ステープル収容手段に接続され
   ていることを特徴とする縫合器。