JPH07306696A - 音声合成用韻律情報決定方法 - Google Patents

音声合成用韻律情報決定方法

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JPH07306696A
JPH07306696A JP6097589A JP9758994A JPH07306696A JP H07306696 A JPH07306696 A JP H07306696A JP 6097589 A JP6097589 A JP 6097589A JP 9758994 A JP9758994 A JP 9758994A JP H07306696 A JPH07306696 A JP H07306696A
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Koji Matsuoka
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 連語あるいは多義の短単位単語であるかを正
しく認識して、アクセント、ポーズを正しく与えること
を可能とする。 【構成】 格連語候補単位に、アクセント処理単語フラ
グ、文節末連語フラグ、共起する承接属性、短単位単語
と共起する格のパターンを辞書に登録しておき、形態素
解析処理された分かち書き単語列を入力し、「たまの」
は文節末連語フラグ=0で、格パターンがなく、承接属
性の単語が存在しないので分割単語と判定し、「たま」
「の」を出力し、「について」は文節末連語フラグ=
0、格パターンなし、承接属性の単語なしで連語と判定
し、アクセント処理単語フラグ=1により、連語「につ
いて」を出力し、「てい」は同様にして連語と判定し、
アクセント処理単語フラグ=0により、「て」、「い」
に分割し、これら間のポーズを抑止して出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、入力文から合成音声
を生成する過程において、アクセント句、アクセント
型、およびポーズを決定するために、連語を短単位単語
に分割する音声合成用韻律情報決定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】漢字かな混じり文を入力し、アクセント
情報およびポーズ情報を付与した読み列に変換した後、
この入力された文を合成音声として出力する音声合成出
力装置は既に実用化されている。そして、このような合
成音声出力装置を使用して電子メール、新聞記事その他
の文の内容を電話その他の音声伝送装置を介して伝送
し、音声により出力することができるサービスも既に実
現されている。しかし、現在の技術レベルにおいては、
人間の発声音声と合成音声を比較した場合、読み、アク
セント、ポーズの何れについても誤り、不自然さが残存
している。これが原因となって、このサービスの適用範
囲は限定され、利用者数の伸びは低迷している。
【0003】日本語の漢字かな混じり文を入力して合成
音声を出力するには、合成音声装置の内部において、入
力された文に含まれる漢字に対して読みを付与すること
は最小限必要とされる。このために、合成音声出力装置
による処理手順としては、先ず、入力された文に対して
自然言語処理の一技術である形態素解析処理を施して、
その入力文を単語単位に分割して個々の単語の読みを決
定する。
【0004】更に、単なる棒読みになることを防止する
ために、各単語についてのアクセント型を求める。ここ
でアクセント型とは、分割された単語の読みのどこにア
クセントを付与すればよいかを示す情報であり、語頭か
らアクセント核(ピッチ周波数のピーク部分)があるモ
ーラ(かな文字一文字に対応する発声単位)までのモー
ラの個数(ただし、拗音、濁音、半濁音の文字は数えな
い)により表現する。すなわち、語頭からn番目のモー
ラにアクセント核がある場合にアクセント型をn型と呼
ぶ。なお、単語にアクセント核が存在しない場合には0
型と呼ぶ。
【0005】例えば、「端」、「箸」、「橋」のアクセ
ントは、それぞれ、「ハシ」、「ハ¬シ」、「ハシ¬」
と表される。ここで、記号¬は、その直前のモーラにア
クセント核があることを表す。これらの単語のアクセン
ト型は、順に0型、1型、2型である。単語が連接して
文となるときに単語固有のアクセントが変化して、アク
セント核が移動し、消失し、新たなアクセント核が生成
する。このため、複数の単語をまとめて、1つのアクセ
ント句を生成する。ここで、アクセント句とは、自然に
喋ったときに1個のまとまりとして発声される複数の単
語からなる単位であって、アクセント核を1個有する単
位として定義される。アクセント句は一般に文節の境界
で分割する。なお、形態素解析処理で得た単語列をアク
セント句に分割する処理をアクセント句分割処理と呼
ぶ。
【0006】アクセント句を構成する単語の性質に基づ
いて、アクセント句のアクセント型を決定する。(匂
坂、佐藤:「日本語単語連鎖のアクセント規則」電子情
報学会論文誌Vol.J66−D,No7、PP.84
9−856参照)。例えば、アクセント句「食べるよう
だ」のアクセント型は次のようにして求められる。動詞
「食べる」のアクセント型=2型である。助動詞「よう
だ」のアクセント結合様式=不完全支配型である。ここ
で、不完全支配型とは、アクセント核を有しない自立語
に対してのみ付属語のアクセント核(この単語は第一モ
ーラ「ヨ」にアクセント核が存在する)が現れる結合型
である。したがって、アクセント核を有する自立語であ
る動詞「食べる」のアクセント型がそのままこのアクセ
ント句のアクセント型になる。すなわち、 タベ¬ル +ヨ¬ウダ → タベ¬ルヨウダ となる。以上の例に示すように、単語のアクセント型と
アクセント結合様式からアクセント句のアクセント型を
得る処理がアクセント結合処理である。なお、アクセン
ト句分割処理とアクセント結合処理をまとめてアクセン
ト付与処理と呼ぶ。
【0007】ポーズは、適度な間隔をおいて、その内容
を理解しやすいような文法上や意味上の切れ目に適切な
長さで設定する。このため、隣接するアクセント句の間
の結合の強さやアクセント句のモーラの個数を調べて、
ポーズを設定する処理がポーズ付与処理である。以上で
得られた、読み、アクセント型、ポーズ位置に基づいて
合成音声を生成する。これらの情報は、文から単語を切
り出す形態素解析処理が基本となっている。例えば、ア
クセント句は、単語の品詞により文節境界を求めること
により分割される。アクセント句のアクセント型は、単
語のアクセント型とアクセント結合様式から生成され
る。ポーズは、アクセント句の境界にのみ設定し、単語
の内部には設定しない。すなわち、形態素解析により単
語に分割し、単語の品詞を認定することが、アクセント
句分割、アクセント型、およびポーズ位置といった韻律
情報の品質を向上する上で重要である。
【0008】ところが、形態素解析処理で、連語とし
て長単位の単語に認定するか、連語を構成する個々の
単語の意味を有する分割単語に認定するかを判定しにく
い場合がある。ここで、連語として以下に示す種類を用
意する。 (1)アクセント句分割の精度を向上するための連語 ひらがなの文字列の単語などで、見出しが同一で品詞が
異なる単語が存在するために多義が生じる場合に、前後
の単語を含めて連語とすることにより、形態素解析の単
語認定精度を上げることができる。 例1 「いる」 例1−1 鳥がいる。
【0009】「い」は動詞語幹、「る」は動詞終止形語
尾である。「鳥が」と「いる」は、文節が異なるので、
それぞれ別のアクセント句となる。 例1−2 鳥を見ている。 「い」は補助動詞語幹、「る」は補助動詞終止形語尾で
ある。補助動詞の場合には前の単語と同一の文節となる
ので、「見ている」で1つのアクセント句となる。「み
て」と「いる」をそれぞれ別のアクセント句とすると、
句がとぎれて不自然になる。これらを1つのアクセント
句とするためには、「い」を本動詞でなく、補助用言と
認定する必要がある。しかし、「い」は、補助動詞や本
動詞(「居る」、「要る」、「入る」のひらがな表記)
の多義がある。接続助詞「て」と補助動詞「い」は共起
するので、1つにまとめて連語「てい」を辞書収録する
ことで補助動詞と認定し、正しくアクセント句を生成で
きる。 (2)アクセント型の精度を向上するための連語 複数の短単位単語がまとまって、慣用句として使用され
る場合に独特のアクセント型を持つために一語と見なす
べき単語である。 例2 「たまの」 例2−1 たまの重さ 「たま」は名詞であり、「の」は格助詞である。アクセ
ントは、「タマ¬ノ」(2型)となる。
【0010】例2−2 たまの休み 「たまの」は連体詞である。アクセントは、「タマノ」
(0型のアクセント)となる。 (3)ポーズの精度を向上するための連語 意味上一つの付属語として扱われる表現であり、助詞的
な働きを持つ格助詞相当語(「に対して」、「につい
て」など)や助動詞的な働きを持つ助動詞相当語(「な
ければならない」「ではいけない」)がある。連語を構
成する短単位単語間にポーズを設定しないための連語で
ある。 例3 「について」 例3−1 経済について議論する。
【0011】「について」は連語であり、格助詞に相当
する役割を持つ1つの単語(格助詞相当語)である。し
たがって、「に」の直後にポーズを置かない。 例3−2 シールが紙について剥がれない。 「について」は、格助詞「に」、動詞連用形「つい」、
接続助詞「て」に分割される。したがって、「に」の直
後にポーズを置いてもよい。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来の形態素解析処理
では、短単位単語では多義があるために単語を正しく認
定できない場合や文意に応じて連語とその分割単語を適
切に選択できない場合があった。このため、アクセント
句分割やアクセント型を誤ったり、連語の中に誤ってポ
ーズを設定することがあった。
【0013】なお連語を採用するに当たって、アクセン
ト処理に対応しない単語が出現し得る点に注意する必要
がある。例えば、上記(1)の連語「てい」は、形態素
解析の便宜上、人工的に作成した単語であるので、単語
としてアクセント型とアクセント結合様式を定義でき
ず、アクセント型を導出することができない。このよう
なアクセント付与処理の対象とならない単語(非アクセ
ント処理単語)をアクセント付与処理の対象となる単語
(アクセント処理単語)に分割する機能を設ける必要が
ある。
【0014】この発明は以上説明したような従来の技術
が有する問題点に鑑みなされたものであって、より自然
な合成音声を出力することができる音声合成用韻律情報
決定方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明によれ
ば、連語であるか短単位単語であるかの多義を有する各
連語候補単語について、アクセント型とアクセント結合
様式を有するマクセント処理単語であるか否かを示すア
クセント処理フラグと、連語を構成する個々の単語の意
味を有する分割単語か、あるいは連語を構成するアクセ
ント処理単語かを短単位単語として辞書に収録してお
き、形態素解析処理で生成した連語処理前分かち書き単
語列100の入力単語が連語候補単語か分割単語である
か否かを連語/分割単語判定ステップで判定し、上記入
力単語が連語候補単語でないとき、その入力単語を出力
し、上記入力単語が連語候補単語であり、かつ連語/分
割単語判定ステップにより分割単語であると判定される
第1の条件のとき、その短単位単語を、連語処理後分か
ち書き単語列106として分割単語分割ステップで出力
し、入力単語をアクセント処理フラグによりアクセント
処理単語であるか否かをアクセント処理単語判定ステッ
プで判定し、上記第1の条件でなく、かつアクセント処
理単語判定ステップによりアクセント処理単語であると
判定される第2の条件のとき、連語処理後分かち書き単
語列106として上記入力単語を出力し、上記第2の条
件でないとき、その短単位単語間のポーズを抑止し、連
語処理後分かち書き単語列106として上記短単位単語
を出力することをアクセント処理単語分割ステップで行
う。
【0016】請求項3乃至4の発明によれば、請求項1
の発明において各連語候補単語について、文節末に固定
的に出現する文節末連語であるか否かを示す文節末連語
フラグと、用言である短単位単語と共起する格の種類を
示す格パターンと、連語と共起する意味カテゴリを示す
承接属性とのそれぞれ、又はその複数を辞書に追加収録
しておき、上記連語/分割単語判定ステップで、入力単
語が上記文節末連語フラグにより文節末連語と判定さ
れ、かつその入力単語が文節末以外に位置するとき、あ
るいは上記入力単語の前方に上記の格パターンと共起す
る格要素が存在するとき、あるいは上記入力単語の前後
に連語と共起する意味カテゴリの単語が存在しないと
き、分割単語と判定する。
【0017】
【作用】このような構成であるため、連語と分割単語
を文意に応じて選択し、分割単語の場合に短単位単語と
して出力し、非アクセント処理単語である連語をアク
セント処理単語に分割し、短単位単語として出力し、こ
の間のポーズを抑止することになる。
【0018】従来の技術では、短単位単語では多義があ
るために単語を認定できない場合や、連語として独特の
アクセントを設定する場合や、連語としてポーズを抑止
する場合に連語を設定して、その分割単語を文意に応じ
て選択することができなかった。しかしこの発明では、
連語と分割単語を文意に応じて選択して分割単語を短単
語単位として出力し、アクセント処理の対象にならない
非アクセント処理単語である連語をアクセント処理単語
に分割して短単位単語として出力することにより、アク
セント分割、アクセント型、ポーズの誤りを抑えること
ができる。
【0019】
【実施例】この発明の実施例を図を参照して説明する。
まずこの発明が適用される合成音声出力方式の一般的構
成を図9に示す。漢字かな混じり文10は、形態素解析
処理手段20に入力され、ここにおいて単語に分割され
ると共に連語処理前分かち書き単語列100とされる。
連語処理手段30は、連語処理前分かち書き単語列10
0の各単語について、連語であるかその分割単語である
かを決定し、非アクセント処理単語をアクセント処理単
語に分割して連語処理後分かち書き単語列106を生成
する。アクセント付与処理手段40は、連語処理後分か
ち書き単語列106をアクセント句にまとめて、そのア
クセント型を付与するところである。ポーズ付与処理手
段50は、文法上、あるいは意味上の切れ目に該当する
アクセント句の末尾にポーズを設定し、アクセント/ポ
ーズ情報付きカナ文60を出力する。合成音声出力手段
70は、入力された文の意味内容に対応する合成音声を
出力する。
【0020】図10は形態素解析処理手段20による処
理を説明するフローチャートである。漢字かな混じり文
10が入力され(ステップ:S1)、これに形態素解析
処理を施し(ステップ:S2)、分割された各単語に品
詞と読みが付与された連語処理前分かち書き単語列10
0を生成してこれを出力する(ステップ:S3)。な
お、形態素解析処理は既存技術であり、実用に耐え得る
技術として確立されている。形態素解析処理は、文頭か
ら順に1文字づつずらしながら辞書検索を行い、各文字
を先頭とする単語候補を抽出する。これらの単語候補に
対して、位置的接続条件(先行単語の末尾の文字と後
続単語の先頭の文字が隣接するか)、文法的接続条件
(先行単語と後続単語が品詞的に接続することができる
か)を満足する単語連鎖を選択する。このとき、各単語
の品詞と活用形を決定することができる。(吉村、日
高、吉田:「文節数最小法を用いたべた書き日本語文の
形態素解析」、情報処理学会論文誌、Vol.24,N
o.1,pp.40−46,参照)図10では、漢字か
な混じり文「たまの重さについて考えている」を具体例
として形態素解析処理を行なう。辞書上で連語、あるい
は短単位単語であり得る単語の品詞を連語候補単語とし
て予め設定しておく。本例では、形態素解析処理で連語
候補単語として「たまの」、「について」、「てい」を
抽出する。
【0021】図1はこの発明の方法の実施例が適用され
た音声合成用韻律情報決定装置の要部の例を示し、図1
0中の連語処理手段30の部分に該当する。ここでの処
理つまり、この発明による音声合成用韻律情報決定方法
の1実施例による処理を図2に示し、以下の処理の説明
をしながら図1の説明も行う。形態素解析処理手段20
において生成された連語処理前分かち書き単語列100
が入力され(ステップ:S4)、連語候補単語が分割単
語、あるいは非アクセント処理単語である場合に短単位
単語に分割し、非アクセント処理単語を分割して生成し
たアクセント処理単語間のポーズを抑止し(ステップ:
S5)、連語処理後分かち書き単語列106を出力する
(ステップ:S6)。なお、連語処理手段30の処理手
順は、後で詳述する。本例では、連語候補単語「たま
の」を、名詞「たま」、格助詞「の」に分割する。また
連語候補単語「てい」を、接続助詞「て」と補助動詞語
幹「い」に分割し、両単語の間のポーズを抑止する。こ
こで、ポーズを抑止した箇所を下線で示す。
【0022】形態素解析処理より得られた連語処理前分
かち書き単語列100はまず図1中の分割単語分割手段
103に入力される。この分割単語分割手段103によ
る処理を説明するフローチャートを図3に示す。形態素
解析処理部20で生成した連語処理前分かち書き単語列
100の入力単語が連語候補単語であるか判定する(ス
テップ:S20)。連語単語候補でない場合に入力単語
を連語処理後分かち書き単語列106に加える(ステッ
プ:S21)。連語候補単語である場合に連語/分割単
語判定手段102により連語であるか分割単語であるか
を判定する(ステップ:S22)。連語である場合に入
力単語をアクセント処理単語分割手段105に出力する
(ステップ:S23)。分割単語である場合に辞書部1
01に収録された短単位単語を連語処理後分かち書き単
語列106に加える(ステップ:S24)。
【0023】図1中の連語/分割単語判定手段102に
よる処理を説明するフローチャートを図4に示す。この
フローチャートの詳細を説明する前に、連語と分割単語
の判定方法の基本的な考え方を説明する。 (1)文節末連語フラグによる判定 連語は、文中で現れる位置が必ず文節末である連語
(文節末連語)と、文節末以外でもあり得る連語(非
文節末連語)の2種に分類される。これらを区別するた
め、図5に示すように辞書部101に収録する連語候補
単語に文節末連語フラグを設けて、文節末連語の場合に
文節末連語フラグ=1とし、非文節末連語の場合に文節
末連語フラグ=0とする。次の条件を満足するとき、分
割単語と判定する。
【0024】条件1 連語候補単語の文節末連語フラグ
=1、かつこの連語候補単語が文節末に位置していな
い。例えば、連語候補単語「をめぐる」は文節末連語で
あるので、文節末に位置しないときには分割単語と判定
する。例えば、「湖をめぐるのがヨット」では、連語候
補単語「をめぐる」の文節末連語フラグ=1であり、か
つ文節末(「めぐるのが」の直後)に位置しないので、
分割単語(格助詞「を」、動詞語幹「めぐ」、動詞連体
形語尾「る」)と判定する。 (2)格パターンによる判定 分割単語に用言が含まれている場合に、この用言と共起
する格要素が存在するときに、分割単語と判定できる。
このため、図5に示すように辞書部101の連語候補単
語に格パターンというフィールドを設けて、分割単語に
用言が含まれる場合にその用言と共起する格を収録す
る。次の条件を満足するとき、分割単語と判定する。
【0025】条件2 連語候補単語の前方に格パターン
と一致する格要素が存在する。図5に示すように、例え
ば、連語候補単語「によって」は分割単語に動詞連用形
「よっ」(終止形「よる」)が含まれており、これと共
起する格パターンとして「で」格が収録してある。例文
「出張で会社によって行く」では、連語候補単語「によ
って」の前方に「で」格があるので、分割単語と判定す
る。 (3)承接属性による判定 連語は、特定の意味カテゴリを持つ単語と共起する場合
がある。例えば、連語候補単語「たまの」は自然現象
(「たまの大雪」など)、時間(「たまの休み」な
ど)、人(「たまの客」など)の意味カテゴリの単語と
共起する。図5に示すように辞書部101の連語候補単
語に承接属性というフィールドを設けて、連語と共起す
る意味カテゴリを予め収録し、次の条件を満足すると
き、連語と判定する。
【0026】条件3 連語候補単語の前方あるいは後方
に、連語と共起する意味カテゴリの単語が存在する。例
えば、「たまの休み」は、連語候補単語「たまの」の後
方に、意味カテゴリ時間を持つ単語「休み」が存在する
ので、連語と判定する。以上の判定方法に基づいて、図
4のフローチャートを説明する。まず連語処理前分かち
書き単語列100の連語候補単語が前記条件1を満足す
るかを判定する(ステップ:S10)。
【0027】条件1を満足する場合は、その連語候補単
語を分割単語と判定する(ステップ:S11)。条件1
を満足しない場合は、前記条件2を判定する(ステッ
プ:S12)。条件2を満足する場合は、連語候補単語
を分割単語と判定する(ステップ:S11)。条件2を
満足しない場合は、前記条件3を満足するかを判定する
(ステップ:S13)。条件3を満足する場合は、連語
候補単語を連語と判定し(ステップ:S14)、条件3
を満足しない場合は、連語候補単語を分割単語と判定す
る(ステップ:S11)。
【0028】連語/分割単語判定手段102で連語と判
定された。入力単語はアクセント処理単語判定手段10
4でアクセント処理単語であるか非アクセント処理単語
であるかの判定が図6に示す処理により行われる。この
ため、図5に示すように予め辞書部101に収録する連
語候補単語にアクセント処理単語フラグを次のように設
定しておく。アクセント処理単語である場合にアクセン
ト処理単語フラグ=1とし、非アクセント処理単語であ
る場合にアクセント処理単語フラグ=0とする。以上の
準備のもとに図6のフローチャートを説明する。
【0029】連語のアクセント処理単語フラグ=1であ
るか否かを判定する(ステップ:S30)。アクセント
処理単語フラグ=1である場合に、連語をアクセント処
理単語と判定し(ステップ:S31)、アクセント処理
単語フラグ=0である場合に、連語を非アクセント処理
単語であると判定する(ステップ:S32)。アクセン
ト処理単語判定手段104で非アクセント処理単語と判
定された入力単語はアクセント処理単語分割手段105
でアクセント処理単語に図7の処理により分割される。
このため、図5に示すように非アクセント処理単語を分
割してできたアクセント処理単語を辞書部101の短単
位単語のフィールドに予め収録しておく。以上の準備の
もとに図7のフローチャートを説明する。
【0030】アクセント処理単語判定手段104により
入力単語がアクセント処理単語であるかを判定する(ス
テップ:S40)。アクセント処理単語であるとき、入
力単語を連語処理後分かち書き単語列106に加える
(ステップ:S41)。アクセント処理単語でないと
き、入力単語を短単位単語に分割し(ステップ:S4
2)、アクセント処理単語間のポーズを抑止し(ステッ
プ:S43)、これらのアクセント処理単語を連語処理
後分かち書き単語列106に加える(ステップ:S4
4)。
【0031】このようにして得られた連語処理後分かち
書き単語列106は図9中のアクセント付与処理手段4
0で図8に示すように複数の単語をアクセント句にまと
め、単語のアクセント型とアクセント結合様式からアク
セント句のアクセント型が決定され(ステップ:S
6)、ポーズ付与処理手段50でアクセント句の境界の
前後の単語により、文法上、意味上の切れ目を見つけて
ポーズが設定され(ステップ:S7)、アクセント/ポ
ーズ情報付きカナ文60が出力される(ステップ:S
8)。
【0032】先に説明し、図5に示したようにこの発明
では辞書部101には、連語候補単語が収録され、連語
候補単語の見出しを検索キーとして検索し、文節末連語
フラグ、承接属性、格パターン、アクセント処理単語フ
ラグ、短単位単語を出力する。ここで、短単位単語のフ
ィールドには、、連語候補単語を構成する短単位単語を
集録するが、アクセント処理単語フラグの値に応じて次
のように内容が異なる。アクセント処理単語フラグ=0
の場合(例えば、「てい」)は、非アクセント処理単語
である連語を分割したアクセント処理単語を収録する。
アクセント処理単語フラグ=1の場合(例えば、「たま
の」、「について」、「による」)は、分割単語を収録
する。
【0033】次に、図2に示した連語処理前分かち書き
単語列の具体例についてこの発明の動作を説明する。 例4 連語候補単語「たまの」 連語/分割単語判定手段102は、次の条件を調べる。
文節末連語フラグ=0であるので、条件1を満足しな
い。格パターンがなしであるので、条件2を満足しな
い。承接属性にある自然現象、時間、人の意味カテゴリ
の単語が存在しないので、条件3を満足しない。したが
って、分割単語と判定する。分割単語分割手段103
は、連語処理後分かち書き単語列106として、短単位
単語である名詞「たま」、格助詞「の」を出力する。 例5 連語候補単語「について」 連語/分割単語判定手段102は次の条件を調べる。文
節末連語フラグ=0であるので、条件1を満足しない。
格パターンがなしであるので、条件2を満足しない。承
接属性は全ての単語であるので、条件3を満足する。し
たがって、連語と判定する。
【0034】アクセント処理単語判定手段104は、ア
クセント処理単語フラグ=1により、アクセント処理単
語と判定し、アクセント処理単語分割手段105は連語
処理後分かち書き単語列106として連語「について」
を出力する。 例6 連語候補単語「てい」 連語/分割単語判定手段102は次の条件を調べる。文
節末連語フラグ=0であるので、条件1を満足しない。
格パターンがなしであるので、条件2を満足しない。承
接属性は全ての単語であるので、条件3を満足する。し
たがって、連語と判定する。
【0035】アクセント処理単語判定手段104は、ア
クセント処理単語フラグ=0により、非アクセント処理
単語と判定する。アクセント処理単語分割手段105
は、短単位単語である接続助詞「て」、補助用言語幹
「い」に分割し、これらの単語の間のポーズを抑止し
て、連語処理後分かち書き単語列106として出力す
る。上記の連語候補単語以外の単語はステップS20に
より、そのまま連語処理後分かち書き単語列106とし
て出力する。図2において、具体例の連語処理前分かち
書き単語列の単語を先頭から順に処理すると、図2中に
示す連語処理後分かち書き単語列が生成できることが分
かる。
【0036】上述において入力単語を分割単語と判定す
る条件としての、連語と共起する意味カテゴリの単語が
存在しない時、前方に格パターンと共起する格要素が存
在するとき、文節末連語と判定されかつ文節末以外に位
置するときは互いに独立であるから、これらを少くとも
1つ用いるだけでもよく、多く同時に用いる程分割単語
を正しく検出することができる。
【0037】
【発明の効果】この発明は以上述べたように動作するた
め、短単位単語では多義があるために単語を認定できな
い場合や、連語として独特のアクセントを設定する場合
や、連語としてポーズを抑止する場合に、文意に適した
連語と短単位単語を選択することができる。このため、
アクセント句分割、アクセント型、ポーズの誤りを抑
え、自然な合成音声を出力できるという効果を奏するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明方法を適用した韻律情報決定装置の主
要部を示すブロック図。
【図2】図9中の連語処理手段30による処理例を示す
フローチャート。
【図3】図1中の分割単語分割手段103の処理例を示
すフローチャート。
【図4】図1中の連語/分割単語判定手段102の処理
例を示すフローチャート。
【図5】辞書部101の内容の例を示す図。
【図6】アクセント処理単語判定手段104の処理例を
示すフローチャート。
【図7】アクセント処理単語分割手段105の処理例を
示すフローチャート。
【図8】図9中のアクセント付与処理手段40とポーズ
付与処理手段50の処理例を示すフローチャート。
【図9】この発明の対象となる合成音声出力方式の例を
示すブロック図。
【図10】図9中の形態素解析手段20の処理例を示す
フローチャート。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力文から合成音声を生成する過程にお
    いて、その入力文を構成する単語を入力単語として連語
    を短単位単語に分割する音声合成用韻律情報決定方法に
    おいて、 各連語候補単語について、アクセント型とアクセント結
    合様式を有するアクセント処理単語であるか否かを示す
    アクセント処理フラグと、連語を構成する個々の単語の
    意味を有する分割単語か、あるいは連語を構成するアク
    セント処理単語かを短単位単語として辞書に収録してお
    き、 上記入力単語が連語であるか分割単語であるか否かを判
    定する連語/分割単語判定ステップと、 上記入力単語が、連語候補単語でないときその入力単語
    を出力し、上記入力単語が連語候補単語であり、かつ上
    記連語/分割単語判定ステップにより分割単語であると
    判定される第1の条件のとき、対応した短単位単語を上
    記辞書を用いて出力する分割単語分割ステップと、 上記第1の条件でなくかつ上記辞書のアクセント処理フ
    ラグによりアクセント処理単語であると判定される第2
    の条件のとき、その入力単語を出力するアクセント処理
    単語判定ステップと、 上記第2の条件でないとき、上記辞書から得たその対応
    短単位単語間のポーズを抑止し、その短単位単語を出力
    するアクセント処理単語分割ステップと、 を有することを特徴とする音声合成用韻律情報決定方
    法。
  2. 【請求項2】 上記各連語候補について連語と共起する
    意味カテゴリを示す承接属性を上記辞書に収録してお
    き、 上記連語/分割単語判定ステップで、上記入力単語の前
    後に連語と共起する意味カテゴリの単語が上記辞書に存
    在しないとき、その入力単語を分割単語と判定すること
    を特徴とする請求項1記載の音声合成用韻律情報決定方
    法。
  3. 【請求項3】 上記各連語候補について、用言である短
    単位単語と共起する格の種類を示す格パターンを上記辞
    書に収録しておき、 上記連語/分割単語判定ステップで、上記入力単語の前
    後の前方に、上記辞書の対応する連語候補に上記格パタ
    ーンと共起する格要素が存在するとき、その入力単語を
    分割単語と判定することを特徴とする請求項1又は2記
    載の音声合成用韻律情報決定方法。
  4. 【請求項4】 上記各連語候補について、文節末に固定
    的に出現する文節末連語であるか否かを示す文節末連語
    フラグを収録しておき、 上記連語/分割単語判定ステップで、上記入力単語が上
    記辞書の文節末連語フラグにより文節末連語と判定さ
    れ、その入力単語が文節末以外に位置するとき、その入
    力単語を分割単語と判定することを特徴とする請求項1
    乃至3の何れかに記載の音声合成用韻律情報決定方法。
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