JPH07105951B2 - デイジタルコンバ−ゼンス装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、カラーテレビジョン受像機のコンバーゼンス
を補正する装置に関し、精度よく調整ができ、入力同期
信号の周波数が異なるものに対しても十分に対応可能な
ディジタルコンバーゼンス装置に関するものである。

従来例の構成とその問題点 一般にカラーテレビジョン受像機では、赤，緑，青の３
色を蛍光面上あるいは、投与されたスクリーン上で合成
して画像を作り出しているが、この場合３色の位置合せ
を正確に行なうこと即ちコンバーゼンス調整が画質を左
右する重要な課題になる。

ここでは投与型カラーテレビジョン受像機を例にあげて
そのコンバーゼンスずれについて説明する。

第１図において、１は画像を映し出すための投与スクリ
ーンを示し、2,3,4はけい光面に得られた像を前記投与
スクリーン１に結像させる光学レンズを備えた投与型受
像管でそれぞれのけい光面には赤，緑，青の３色の像が
得られる。第１図に示すように、これらの受像管を横方
向に配列した場合、投与スクリーン１に対する投与角度
がそれぞれ異なるので、投与されたラスターは各色ごと
に第２図に示す様な位置ずれを生じる。

第２図において、実線3lは緑色光の受像管３による投与
ラスタ、破線4lは青色光の受像管４による投与ラスタ、
一点鎖線2lは赤色光の受像管２による投与ラスタを示
す。

この位置ずれを補正するには、投与形受像管2,3,4に主
偏向ヨークとは別にコンバーゼンス調整用コイルを設
け、水平走査周期の鋸歯状波電流を垂直周期で振幅変調
し、各色で独立にその振幅を調整すればよい。

しかしながら、この色ずれ量は、各受像管の取り付け位
置のばらつき、光学レンズ系の構成におけるばらつき、
投与スクリーン位置の変動等により変わるので、高精度
のコンバーゼンス調整を行なうには、単なる鋸歯状波電
流や、パラボラ状電流の組合せでは不可能である。

このようなコンバーゼンス調整を実現する方法としてデ
ィジタル方式による補正波形形成部を有するコンバーゼ
ンス回路が考えられている。

以下第３図を用いて従来のディジタルコンバーゼンス装
置を詳細に説明する。偏向電流周期に同期した、水平及
び垂直周期パルスが同期信号として加えられ、これによ
り読み出しアドレス制御部５を駆動する。この読み出し
アドレス制御部５からのパルスを利用してクロスハッチ
パターン発生器６を駆動し、投与スクリーン上にクロス
ハッチパターンを映写する。第３図にクロスハッチ表示
画面を示す。一方コントロールパネル12のアドレスキー
で、コンバーゼンス補正を必要とする位置のクロスハッ
チ点（例えば第３図に示すクロスハッチ表示画面のＡ
点）を指定し、書き込みアドレス制御部８に位置アドレ
スをセットする。次に補正を行ないたい色、例えばコン
トロールパネル12に設けた赤のデータ書き込みキーで、
画面を見ながら、データ可逆カウンタ11を通して、１フ
レームメモリ10に補正量を書き込む。通常この１フレー
ムメモリへの書き込みは、映像信号のブランキング期間
に行なうように、マルチプレクサ９により切り替え制御
する。従って読み出しが損なわれることはない。以上の
ようにして各調整点において同様の操作を行なう。次に
１フレームメモリ10の読み出しは、読み出しアドレス制
御部５によりスクリーン上の各クロスハッチのクロス位
置に対して読み出され、読み出しアドレス制御部５によ
り駆動されるレジスタ18を介し、垂直方向挿間処理部Ｂ
でクロスハッチ間の垂直走査方向における補正量処理を
行ない、補正量が記憶されていない走査線の補正量を求
めている。次にその出力信号は第３図のD/A変換部14で
アナログ量に変換する。次に低減通過フィルタ（LPF）1
5を通して、水平方向の補正量を平滑し、出力増幅部16
に加えられ、コンバーゼンスコイル17に補正電流を供給
する。以上のようにして各調整点のコンバーゼンス調整
を行う。

しかしながら従来のディジタルコンバーゼンス装置で
は、入力される同期信号の水平走査周波数が、異なる場
合、その都度、水平方向の補正量を平滑するためのLPF
のカットオフ周波数を変更しなければ、補正量が完成に
平滑されないため不連続の補正波形になったり、位相差
が生じるため、精度よくコンバーゼンス調整ができない
と問題点を有していた。また水平走査周波数に対応して
メモリ制御系のアドレス信号を変えるということは、メ
モリの速度及び回路動作点が変化するため、動作点が不
安定であると共に広範囲の水平走査周波数に対応できな
いという問題点を有していた。

発明の目的 本発明は上記従来の問題点を解消するもので入力同期信
号の水平走査周波数が異なるものに対しても、精度のよ
いコンバーゼンス調整を行うディジタルコンバーゼンス
装置を提供することを目的とする。

発明の構成 本発明は、各調整点に対するコンバーゼンス補正量をデ
ィジタル的に記憶する手段と、受像機に入力される同期
信号から水平走査周波数を検出する手段とこの検出され
た信号により、水平方向の調整点間時間がほぼ一定にな
るように水平方向の調整点数を設定する手段と、前記新
たに設定された調整点の補正量を、前記記憶された調整
点のコンバーゼンス補正量の左右の調整点の補正量から
演算して求める水平方向調整点処理手段とを備えたディ
ジタルコンバーゼンス装置であり入力の水平走査周波数
に応じて水平方向の調整点数を設定し、この調整点の補
正量は、あらかじめ記憶された各調整点のコンバーゼン
ス補正量の左右の調整点の補正量から演算して求めるこ
とにより、常にメモリ制御系のアドレスを一定とすると
共に水平方向の補正量を平滑するためのLPFのカットオ
フ周波数を一定とし、入力の水平走査周波数が異なるも
のに対しても、精度のよいコンバーゼンス調整を行うこ
とのできるものである。

実施例の説明 第４図は本発明の第１の実施例におけるディジタルコン
バーゼンス装置のブロック図を示すものである。第４図
において第３図と同じ動作をするものは同じ番号で示し
説明は省略する。第４図において26は水平走査周波数検
出部27は水平方向調整点設定部、28は水平方向挿間処理
部であり、入力される同期信号より水平走査周波数を検
出する水平走査周波数検出物26とこの検出された信号に
より、水平方向の調整点数を設定する水平方向調整点設
定部27と前記設定された調整点のコンバーゼンス補正量
を、あらかじめ記憶された調整点のコンバーゼンス補正
量の左右の調整点の補正量から演算して求める水平方向
挿間処理部28とで構成されている。

以上のように構成されたこの実施例のディジタルコンバ
ーゼンス装置について以下その動作を説明するため、第
５図の波形図及び第６図，第７図の画面図を用いる。

偏向電流周期に同期した第５図ａに示す水平走査周波数
が_H1の水平周期パルスと垂直周期パルスが同期信号と
して加えられ、これにより読み出しアドレス制御部５を
駆動する。この読み出しアドレス制御部５からのパルス
を利用してクロスハッチパターン発生器６を駆動し、投
与スクリーン上に第６図ａに示す様にたとえば水平方向
７本のクロスハッチパターンを映写する。

第６図ａ及び第５図ｂに示す調整点ＥからＫについて補
正量を１フレームメモリ10に書き込み、第５図ｃの実施
例に示す様な階段波，補正波形がD/A14から出力され
る。次にLPF15を通して水平方向の補正量を平滑し、第
５図ｃの破線に示す様な補正波形が得られる。

第５図a,dに示す水平走査周波数 の同期信号が本発明の水平走査周波数検出部26に加えら
れる。水平走査周波数検出部26はカウンタ等で構成さ
れ、水平走査周波数を検出し、水平方向調整点数設定部
27に加わる。水平方向調整設定部27は、基準の水平走査
周波数_H1と他方の水平走査周波数_H2と、基準の水平
方向の調整点数Ｌから 本の水平方向調整点数Ｎを求め、水平方向挿間処理部28
に加えられる。したがって、_H2入力時は第６図ｂに示
す様に水平方向14本の調整点と、BLK2本となる。又書き
込みアドレス制御部８、読み出し制御アドレス制御に加
え水平方向調整点数毎の動作に切換えを行う。水平方向
挿間処理部28は水平方向調整点数Ｎより、第６図ｂの破
線に示す新たに設けられた調整点の補正量を第５図ｃに
示す前記あらかじめ記憶された調整点のコンバーゼンス
補正量の左右の調整点の補正量から演算して求められ
る。したがって第５図ｃに示すあらかじめ記憶された調
整点E,F,G,H,I,J,Kのコンバーゼンス補正量はそのまま
読み出される。第７図ｂに示す新たに設けられた調整点
L,M,N,O,P,Qのコンバーゼンス補正量は前記左右の調整
点の補正量から求められ となり第５図ｇ′の実線に示す数は階段波形がD/A14か
ら出力される。次に同一の_C（カットオフ周波数）のL
PFを通して水平方向の補正量を平滑して第５図ｇの破線
に示す様な補正波形が得られる。第５図e,fは本発明を
実施しない時の波形を示し、同一の_CのLPFであると第
５図ｆに示す様に、完全に平滑されないため、ミスコン
バーゼンスが生じることは言うまでもない。

次に第７図ｂに示す水平走査周波数 の同期信号が入力された時は、前記述べた動作と同様に
水平走査周波数検出部26で水平走査周波数を検出し、こ
の検出された信号は水平方向調整点設部27に加わる。水
平方向調整点設定部27は基準の水平走査周波数_H1と入
力された水平走査周波数ｆ_H3と基準の水平方向の調整
点数Ｌから、 本の水平方向調整点数Ｎを求める。したがって_H3入力
時は第７図a,cに示す様に水平方向９本の調整点とBLK1
本となる。水平方向挿間処理部28は水平方向調整点数Ｎ
より、第７図ａの破線に示す新たに設けられた調整点の
補正量を第５図ｃに示す前記あらかじめ記憶された調整
点のコンバーゼンス補正量の左右の調整点の補正量から
演算して求められる。したがって第５図ｃに示すあらか
じめ記憶された調整点E,H,Kのコンバーゼンス補正量は
そのまま読み出される。第７図ａの破線に示す新たに設
けられた調整点R,S,T,U,V,Wのコンバーゼンス補正量
は、前記左右の調整点の補正量から演算で求められ、 となり、第７図ｄの実線に示す様な階段波形がD/A14か
ら出力される。次に同一の_CのLPFを通して水平方向の
補正量を平滑して、第７図ｄの破線に示す様な補正波形
が得られる。

発明の効果 本発明のディジタルコンバーゼンス装置は、各調整点に
対するコンバーゼンス補正量をディジタル的に記憶する
手段と、受像機に入力される同期信号から水平走査周波
数を検出する手段と、この検出された信号により、水平
方向の調整点間時間がほぼ一定になるように水平方向の
調整点数を設定する手段と、前記新たに設定された調整
点の補正量を、前記記憶された調整点のコンバーゼンス
補正量の左右の調整点の補正量から演算して求める水平
方向調整点処理手段を設けることにより入力の水平走査
周波数が異なるものに対しても、常に水平方向の補正量
を平滑するためのLPFのカットオフ周波数を一定にする
様に処理しているため、回路構成が容易で、制御応答が
常に一定であるため回路動作が安定であると共に広範囲
の水平周波数に対応できると同時に、精度のよいコンバ
ーゼンス調整を行うことができ、その実用効果は大き
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は投与形カラーTV受像機の原理を示す構成図，第
２図はそのコンバーゼンスずれを説明するための図、第
３図は従来のディジタルコンバーゼンス装置のブロック
図、第４図は本発明の実施例におけるディジタルコンバ
ーゼンス装置のブロック図、第５図，第６図，第７図は
本発明の動作を説明するための波形図及び画面の正面図
である。 26……水平走査周波数検出部、27……水平方向調整点設
定部、28……水平方向挿間処理部、14……D/A、15……L
PF、８……書き込みアドレス制御部、10……１フレーム
メモリ、５……読み出しアドレス制御部、６……クロス
スイッチ発生器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】カラーテレビジョン受像機の画面に水平及
   び垂直方向に複数個のコンバーゼンス調整点を発生し表
   示する表示手段と、前記調整点の位置情報を入力する入
   力手段と、前記入力手段に基づいて各調整点に対するコ
   ンバーゼンス補正量をディジタル的に記憶する記憶手段
   と、前記受像機に入力される同期信号から、水平走査周
   波数を検出する検出手段と、前記検出手段からの検出信
   号により、走査周波数にかかわらず常に一定の調整点時
   間間隔となるように前記水平方向の前記調整点を設定す
   る設定手段と、この設定手段によって新たに設定された
   調整点の補正量を前記記憶手段により記憶された調整点
   のコンバーゼンス補正量の左右の調整点の補正量から演
   算して求める水平方向調整点処理手段と、前記水平方向
   調整手段の出力がディジタル／アナログ変換手段を介し
   て入力される所定のカットオフ周波数を持つ低減通過フ
   ィルタ手段と、前記低減通過フィルタからの出力でコン
   バーゼンス調整を行う調整手段を設けることにより、前
   記調整点時間間隔を水平走査周波数にかかわらず、常に
   一定としたことを特徴とするディジタルコンバーゼンス
   装置。