JPH0669904A - スペクトル拡散通信装置の受信機及び送信機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 単一の相関器で復調できるスペクトル拡散通
信装置において、他局干渉を生じても確実なデータ復調
をなし得るスペクトル拡散通信装置の送受信機の提供。 【構成】 図１は本発明の送信機の実施例であり、送信
データａはシリアル−パラレル変換回路１０１により、
複数のチャンネルの信号に変換される（説明上、チャン
ネル数をＮとする）。また送信データａはシリアル−パ
ラレル変換回路１０１により変換されるが、その各出力
はより遅い伝達速度に変換される。例えば、１／Ｎの伝
送速度、または送信データａの伝送速度よりも任意に遅
い伝送速度のパラレルデータに変換される。次に、シリ
アル−パラレル変換回路１０１からの各チャンネルの信
号は、スイッチ群１０２のそれぞれのスイッチ回路の制
御信号として入力されスペクトル拡散変調が行なわれ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はスペクトル拡散通信装置
に関し、特に、相関器が一つでも高速データ伝送を可能
とするスペクトル拡散通信装置におけるデータ復調方式
に関する。

【０００２】

【従来の技術】単一の相関器を用いて高速データ通信を
実現する方法として、特願平２−１５３９９８号があ
る。更に、特願平３−１８０４３２号は上述の特願平２
−１５３９９８号における２値化回路について、それぞ
れの具体的なサウンダパルス検出方法及びその回路を示
している。

【０００３】そして、上記特願平３−１８０４３２号で
は、相関ピークを２値化するために相関ピーク検出回路
とスプリアスピーク検出回路を独立に設け、その各情報
によりしきい値設定回路でしきい値を設定し、相関ピー
クに対応する相関パルスの検出を行なう。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記相
関パルスの検出方式では、例えば、希望局の送受信機間
で用いられている擬似雑音符号（以下、ＰＮ符号と記
す）とは別のＰＮ符号を用いている他局のスペクトル拡
散（以下、ＳＳ信号と記す）による干渉が生じた場合、
受信機の相関器では他局のＳＳ信号による相互相関値
（スプリアス成分となる）を発生する。

【０００５】そのスプリアスレベルが希望とする自己相
関値（相関ピーク）よりも大きい場合、２値化回路では
相関ピークに対応する相関パルスを発生することができ
ないという問題点があった。この結果、確実なデータ復
調が行なわれずデータの誤りを生ずるという不都合があ
った。

【０００６】本発明は上記問題点及び不都合に鑑みてな
されたものであり、単一の相関器で復調できるスペクト
ル拡散通信装置において、他局干渉を生じても確実なデ
ータ復調をなし得るスペクトル拡散通信装置の送受信機
を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明のスペクトル拡散通信装置の送信機は、送信
データを複数のチャンネルの信号に変換するシリアル−
パラレル変換手段と、ＰＮ符号を発生するＰＮ符号発生
器と、複数のチャンネルに対応して設けられ、ＰＮ符号
を入力して該各々のチャンネルの信号状態に応じてＰＮ
符号を２つの出力の一方に選択的に出力する複数のスイ
ッチ手段と、各スイッチ手段に対応して設けられ各スイ
ッチ手段の出力を入力し、それぞれ所定時間ずつずれた
遅延を与える複数の遅延手段と、各遅延手段の出力を加
算する加算手段と、を含むことを特徴とする。

【０００８】また、本発明のスペクトル拡散通信装置の
受信機は、受信信号と所定パターンとの相関をとる相関
器と、相関器出力を２値化し相関パルスを出力する２値
化回路と、前記相関パルスから同期的に得られる相関パ
ルス位置を検出するサウンダパルス検出手段と、該サウ
ンダパルス検出手段の検出結果に基づきサンプリング信
号を生成するサンプリングパルス生成手段と、相関器出
力を前記サンプリング信号に基づいてサンプリングする
情報検出手段と、を含むことを特徴とする。

【０００９】

【作用】上記構成により本発明のスペクトル拡散通信装
置の送信機は、シリアル−パラレル変換手段により送信
データを複数のチャンネルの信号に変換し、ＰＮ符号発
生器によりＰＮ符号を発生し、複数のスイッチ手段が複
数のチャンネルに対応して設けられ、ＰＮ符号を入力し
て該各々のチャンネルの信号状態に応じてＰＮ符号を２
つの出力の一方に選択的に出力する。そして、各スイッ
チ手段に対応して設けられた複数の遅延手段が各スイッ
チ手段の出力を入力し、それぞれ所定時間ずつずれた遅
延を与えスペクトル拡散変調信号を得る。得られた複数
のスペクトル拡散変調信号とサウンダチャンネルの信号
を加算手段で加算して多重化する。

【００１０】また、本発明のスペクトル拡散通信装置の
受信機は、相関器により受信信号と所定パターンとの相
関をとり、２値化回路で相関器出力を２値化し相関パル
スを出力する。そして、サウンダパルス検出手段により
相関パルスから周期的に得られる相関パルス位置を検出
し、サンプリングパルス生成手段がサウンダパルス検出
手段の検出結果に基づいてサンプリング信号を生成し、
情報検出手段が相関器出力をサンプリング信号に基づい
てサンプリングする。なお、このサンプリング結果をパ
ラレル−シリアル変換手段によりシリアルデータに変換
することにより送信データを復元できる。

【００１１】

【実施例】図１は本発明に基づくスペクトル拡散通信装
置の送信機の一実施例の構成を示すブロック図であり、
図２はスペクトル拡散通信装置の受信機の一実施例の構
成を示すブロック図である。図１において、送信機はシ
リアル−パラレル変換回路１０１、スイッチ群１０２、
遅延器群１０３、加算器１０４、ＰＮ符号（コード）発
生器１０５、高周波キャリア発生器１０６、乗算器１０
７から構成されている。なお、ＰＮ符号発生器１０５及
びスイッチ群１０２をもってスペクトル拡散変調器を構
成している。

【００１２】また、図２において、受信機は相関器とし
てのコンボルバ２０１、乗算器２０２、高周波キャリア
発生器２０３、ＰＮ符号発生器２０４、バンドパスフィ
ルタ（以下、ＢＰＦと記す）２０５、増幅器２０６、検
波器２０７、２値化回路２０８、サウンダパルス検出回
路２０９、サンプリング信号生成回路２１０、情報検出
回路２１１及びパラレル−シリアル変換回路２１２から
構成されている。

【００１３】〈送信機の動作〉図１において、送信デー
タａはシリアル−パラレル変換回路１０１により、複数
のチャンネルの信号に変換される。本実施例の説明上、
チャンネル数をＮとする。また送信データａはシリアル
−パラレル変換回路１０１により、その各出力はより遅
い伝達速度に変換される。例えば、１／Ｎの伝送速度、
または送信データａの伝送速度よりも任意に遅い伝送速
度のパラレルデータに変換される。次に、シリアル−パ
ラレル変換回路１０１からの各チャンネルの信号は、ス
イッチ群１０２のそれぞれのスイッチ回路の制御信号と
して入力されスペクトル拡散変調（以下、ＳＳ変調と記
す）が行なわれる。このＳＳ変調は、以下の動作をな
す。

【００１４】〈ＳＳ変調の動作〉まず、シリアル−パラ
レル変換回路１０１の各チャンネルの信号の極性に応じ
てＰＮ符号の出力経路を切り換える（この動作を実現す
るために、ＰＮ符号（ＰＮ１）発生用にＰＮ符号発生器
１０５及びスイッチ群１０２をもってスペクトル拡散変
調器を構成している）。次に、スペクトル拡散変調器の
各スイッチの出力は遅延器群１０３の各々の遅延器に入
力される。遅延器群１０３の各遅延器の出力はデータ復
調用の基準信号となるサウンダチャンネルのＰＮ符号
（ここではＰＮ１）の位相を基準として、各々異なる任
意の遅延量が設定されたＳＳ変調信号（情報チャンネ
ル）が得られる。この様子を図３に示す。

【００１５】なお、図３は、情報チャンネルをＩ１〜Ｉ
８のＭ＝８（２Ｎに相当）とした場合を示している。図
３では、情報チャンネルの１つを見るとスイッチ回路に
入力される信号の極性に応じて遅延量の異なるＰＮ符号
が出力されていることが示されており、また、送信デー
タの伝送速度が各情報チャンネルの遅い伝送速度に変換
されていることも示されている（図３では１／４の伝送
速度に変換されている）。各遅延器より得られたＭ個の
情報チャンネルのＳＳ変調信号とサウンダチャンネルの
信号とを加算器１０４でアナログ加算（多重化）を行な
い、加算器１０６の出力との乗算を行ない、多重化ＳＳ
信号を得る。

【００１６】〈受信機の動作〉送信機で得られた多重化
ＳＳ信号がコンボルバ２０１の一方の入力端子に受信信
号として入力される。コンボルバのもう一方の入力端子
には、ＰＮ符号発生器２０４で得られるＰＮ符号（ＰＮ
１）に対し時間的に反転した関係にあるＰＮ符号（ＰＮ
１）と高周波キャリア発生器２０３の出力との乗算を乗
算器２０２で行ない、その出力である高周波変調された
ＰＮ符号を参照符号として入力する。

【００１７】コンボルバ２０１では受信信号と参照信号
の相関演算が行なわれ、高周波の相関出力を得る。な
お、ここにおけるコンボルバのゲート長（処理時間）τ
は２Ｔに相当すると仮定する。これにより、前述のサウ
ンダチャンネルのＰＮ符号の位相を基準として、各遅延
量によって設定された異なる位相関係にある情報チャン
ネルのＰＮ符号に対応した、時間的に分離した相関ピー
クが得られる。

【００１８】次に、コンボルバの出力をＢＰＦ２０５及
び増幅器２０６を介して検波器２０７で検波し、ベース
バンド情報帯域の信号に変換する。検波器２０７の出力
は分配されて一方は２値化回路２０８へ、さらにもう一
方は情報検出回路２１１に入力される。２値化回路２０
８では相関ピークとスプリアスレベルとを分離するしき
い値により、相関ピークに対応する相関パルスを発生す
る。

【００１９】２値化された相関パルスはサウンダパルス
検出回路２０９に入力される。相関パルスにおいて、サ
ウンダチャンネルに対応するものは常に周期的な相関ピ
ークを発生する。これにより、サウンダパルス検出回路
２０９ではその相関パルスを検出し、基準となる相関ピ
ークの位置を求める。

【００２０】このように、基準とされる信号を設けるこ
とと前述の送信機で送信データをより低速の伝送速度の
情報チャンネル（図３参照）にすることで、通常のＤＳ
−ＳＳ方式における拡散符号同期を不用としている。言
い替えれば、コンボルバ上における受信信号のＰＮ符号
の位相と参照信号のＰＮ符号の位相同期を行なう方式
（ＤＳ−ＳＳ方式）でなく、単なる、符号同期過程を省
いた、非同期方式を行なっている。

【００２１】なお、実施例では相関器にコンボルバを用
いた場合について述べているが、マッチドフィルタ等の
相関器を用いてもよい。但し、この場合、参照信号を生
成する箇所は、マッチドフィルタ上のパターンに置き換
わるので、不用となる。また、サウンダチャンネルを情
報チャンネルの一つで兼用することは可能である。

【００２２】図４は、サウンダチャンネルを情報チャン
ネルの一つで兼用した実施例の構成を示すブロック図で
ある。図４では送信機だけを示しているが、受信機の構
成は図２と同様である。また、図４と図１の記号の意味
も同じである。送信初期時において、計数回路４１によ
り出力信号が出力されるまで選択回路４２は、定常状態
の信号（例えば、デジタル信号のＬＯＷレベル“０”）
をスイッチ回路１０２−１に出力する。この期間がサウ
ンダチャンネルに相当する。そして、計数回路４１から
出力信号が選択回路４２に入力されたなら、以後シリア
ル−パラレル変換回路１０１の出力１０１−１をスイッ
チ回路に１０２−１に出力する（通常の情報チャンネル
となる）。また、実施例の方式は非同期方式であるが、
本発明は他の実施例として同期方式にも適用できる。こ
の場合、コンボルバのゲート長が２Ｔと仮定されている
ため、送信データａをシリアル−パラレル変換回路１０
１で１／Ｎの伝送速度に変換する時に、その伝送速度を
１／(２Ｔ)に等しくすればよい。なお、受信機について
も同様であるため説明を省略する。

【００２３】次に、サウンダパルスが検出されれば、サ
ウンダチャンネルのＰＮコードの位相を基準に設定され
た各情報チャンネルの遅延量（時間）により、各情報チ
ャンネルに対応する相関ピークの位置が分かる。従っ
て、サンプリング信号生成回路２１０では、上記により
各情報チャンネルに対応する相関ピークの位置にサンプ
リング信号を生成する（図５参照）。なお、コンボルバ
を相関器として使用する場合、コンボルバに入力される
受信信号と参照信号は対行するので、相関ピークはゲー
ト長（遅延時間）τ／２で発生する。言い替えれば、図
３に示した送信機の各情報チャンネルの遅延量（τ１〜
τ８）に対応する相関ピークτ１／２〜τ８／２ほど時
間的に分離して生じる（図５参照）。従ってサンプリン
グ信号生成回路２１０は上記を考慮してサンプリング信
号を生成するよう構成する。

【００２４】情報検出回路２１１はサンプリング信号生
成回路２１０からのサンプリング信号を基にパラレル
（Ｎ列）のデータを生成する。図６は情報検出回路２１
１の具体的構成例であり、６１−１〜６１−Ｍは記憶
部、６２−１〜６２−Ｍは比較器である。以下、情報検
出回路の動作を述べる。

【００２５】各情報チャンネルの相関ピークに対応する
サンプル信号により、各相関ピーク値を記憶部６１−１
〜記憶部６１−Ｍに記憶する。そして、送信機のスイッ
チ群１０２の各スイッチ回路の２つの出力に対応する記
憶部の出力を比較器６２−１〜比較器６２−Ｎの内の対
応する比較器で大小判定する。言い替えれば、各スイッ
チ回路の２つの出力は、送信データａを低速な伝送速度
に変換したパラレルのデータの極性でＳＳ変調されてい
るため、実際はどちらかの出力にだけＳＳ信号が存在す
る。従って、相関ピークは同時には発生せずどちらか一
方にある。

【００２６】そこで、比較器で比較することで極性に応
じた出力が得られる。なお、比較器群６２から出力され
るＮ個のパラレルデータは送信機のシリアル−パラレル
変換回路１０１でシリアル−パラレル変換された後の低
速な伝送速度と等しいデータ列である。そして、情報検
出回路２１１のＮ個のパラレルデータ列をパラレル−シ
リアル変換器２１２でシリアルデータに変換してデータ
を復元する（図５参照）。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、コ
ンボルバやマッチドフィルタを相関器に用い、かつ、一
つの相関器を使用した場合、相関器の処理時間によって
扱えるデータの伝送速度の上限を越えて高速のデータ伝
送を容易に実現することができる。また、高速データ伝
送を行なっても擬似雑音符号（ＰＮ符号）のクロック周
波数を高くする必要がないので使用する通信帯域を広げ
ることがない。従って、他の通信系への干渉がない。更
に、データ復調に関し、しきい値を設定して相関ピーク
の有無を判定することがないので、信頼の高いデータ通
信を可能とする。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に基づくスペクトル通信装置の送信機の
一実施例の構成を示すブロック図である。

【図２】本発明に基づくスペクトル通信装置の受信機の
一実施例の構成を示すブロック図である。

【図３】サウンダチャンネルのＰＮ符号の位相と任意の
遅延量が設定された情報チャンネルとの関係の説明図で
ある。

【図４】サウンダチャンネルを情報チャンネルの一つで
兼用した実施例の構成を示すブロック図である。

【図５】相関器出力とサンプリングパルスとの関係の説
明図である。

【図６】情報検出回路の具体的構成例である。

【符号の説明】

１０１ シリアル−パラレル変換回路 １０２ スイッチ群 １０３ 遅延器群 １０４ 加算器 １０５ ＰＮ符号発生器 ２０１ コンボルバ（相関器） ２０８ ２値化回路 ２０９ サウンダパルス検出回路 ２１０ サンプリング信号生成回路 ２１１ 情報検出回路

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 送信データを複数のチャンネルの信号に
   変換するシリアル−パラレル変換手段と、ＰＮ符号を発
   生するＰＮ符号発生器と、前記複数のチャンネルに対応
   して設けられ、前記ＰＮ符号を入力して該各々のチャン
   ネルの信号状態に応じて前記ＰＮ符号を２つの出力の一
   方に選択的に出力する複数のスイッチ手段と、前記各ス
   イッチ手段に対応して設けられ前記各スイッチ手段の出
   力信号を入力し、それぞれ所定時間ずつずれた遅延を与
   える複数の遅延手段と、前記各遅延手段の出力を加算す
   る加算手段と、を含むことを特徴とするスペクトル拡散
   通信装置の送信機。
2. 【請求項２】 受信信号と所定パターンとの相関をとる
   相関器と、相関器出力を２値化し相関パルスを出力する
   ２値化回路と、前記相関パルスから同期的に得られる相
   関パルス位置を検出するサウンダパルス検出手段と、該
   サウンダパルス検出手段の検出結果に基づきサンプリン
   グ信号を生成するサンプリングパルス生成手段と、前記
   相関器出力を前記サンプリング信号に基づいてサンプリ
   ングする情報検出手段と、を含むことを特徴とするスペ
   クトル拡散通信装置の受信機。