JPH05227124A - 符号分割多元アクセス通信方式 - Google Patents

符号分割多元アクセス通信方式

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JPH05227124A
JPH05227124A JP4023883A JP2388392A JPH05227124A JP H05227124 A JPH05227124 A JP H05227124A JP 4023883 A JP4023883 A JP 4023883A JP 2388392 A JP2388392 A JP 2388392A JP H05227124 A JPH05227124 A JP H05227124A
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JP
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signal
station
base station
terminal
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Withdrawn
Application number
JP4023883A
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English (en)
Inventor
Naoki Okamoto
直樹 岡本
Takeshi Okamoto
猛 岡本
Masashi Higashimoto
雅至 東本
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 端末局数の増加を可能にするとともにパケッ
トデータによるランダムアクセスを可能にするCDMA
通信方式を提供する。 【構成】 1つの基地局と複数の端末局とがそれぞれに
割当てられた符号を用いて送受信するCDMA通信方式
であって、基地局は短周期符号により拡散されたパイロ
ット信号と、短周期符号の1周期を1ビットとし、各端
末局に対応する長周期符号により拡散された情報伝達用
信号とを合成する合波器と、各端末局に対応する受信用
長周期符号を用いて受信した情報伝達用信号を逆拡散す
る逆拡散器とを備え、各端末局は割当てられた受信用の
長周期符号を用いて受信した情報伝達用信号を逆拡散す
る逆拡散器と、送信用の長周期符号を用いて情報伝達用
信号を拡散する逆拡散器とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、無線通信における回
線接続(アクセス)方法の中の符号分割多元アクセス通
信方式(Code division multiple access 、以下CDM
A通信方式と称する)に関するもので、特に1つの基地
局と複数の端末局とが各々に割当てられた符号を用いて
アクセスするCDMA通信方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】伝達すべき情報信号(ベースバンド信
号)で変調された搬送波をさらにビットレートの高いパ
ルス符号列で変調することにより、スペクトル拡散(変
調)して通信を行なうスペクトル拡散通信方式がある。
この方式によると、受信側では送信側と同じパルス符号
列を用いて受信波を逆拡散することにより、拡散前の変
調波に戻すことができる。
【0003】復調は同期検波により行なわれるが、符号
列との乗算は伝送路で加わる干渉(他の通信装置からの
混信、妨害、選択性フェージング)に対してスペクトル
拡散の作用をするため、復調された原信号に混入する干
渉電力を小さく抑えることができる。また、伝送路中の
信号電力スペクトラム密度が低いこと、および拡散符号
を知らなければ復調できないことから秘匿性にも優れて
いる。このスペクトル拡散通信方式の応用例として、複
数の拡散符号によるCDMA通信方式がある。
【0004】この通信方式によると複数の端末局とラン
ダムにアクセスすることができ、時分割のごとくシステ
ム全体の制御を必要とせず、周波数分割のごとく狭帯域
フィルタ群を用意する必要がないので、簡単にベースバ
ンド信号、符号を多重化することができる。
【0005】図12はこのようなCDMA通信方式の従
来例を示す図である。このCDMA通信方式は、1つの
基地局51と、複数の端末局52、53、54…とを備
える。基地局51には、符号G〜Lが割当てられ、端末
局52には、符号G,Hが、端末局53には、符号I,
Jが、端末局54には、符号K,Lがそれぞれ割当てら
れる。その他の端末局にも、それぞれ符号が割当てら
れ、各符号は、それぞれ同じビット長にされる。基地局
51と各端末局52〜54とは、割当てられた符号を用
い双方向に通信する。
【0006】次に、情報の送受信動作について説明す
る。基地局51と端末局52とは、双方向に通信してお
り、基地局51から端末局52へは符号Gにより直接ス
ペクトル拡散した信号が伝送され、端末局52は、直接
スペクトル拡散された信号を受信し、符号Gを用いて逆
拡散を行ない情報を得る。
【0007】端末局52から基地局51に送信する場合
には、符号Hを用いて直接スペクトル拡散した信号を伝
送する。基地局51は、この信号を受信し、符号Hを用
いて逆拡散を行ない情報を得る。同様に端末局53およ
び54においても、各々符号I,JおよびK,Lを用い
て基地局51との通信を行なう。
【0008】また、図示していないが、すべての変調並
びに復調はBPSK変調方式を用いており、搬送波周波
数はすべて同一である。
【0009】このように、CDMA通信においては、各
々の復号のキーとなる符号が別であるので、たとえばG
という符号で拡散した信号は端末局52の符号Gの復号
器(逆拡散器)でのみ逆拡散を行なうことが可能であ
り、他の端末局で受信することはできない。また、逆拡
散時に受信利得が得られ、これにより他の端末局に与え
られた信号と区別できる。このことを詳細に説明する。
【0010】たとえば符号G〜Lが各々127チップ
(ビット)の周期を持つ符号であり、基地局51から各
々WG =WI =WK の電力で送信されたと仮定する。あ
る端末局での受信電力は、WG ´、WI ´、WK ´に減
衰する。この場合において、端末局52が符号Gを用い
て逆拡散すると、複合された出力は、WG に対する出力
はWG ´であるが、WI およびWG に対する出力は、各
々WL ´/127およびWK ´/127となり、受信利
得が大きく異なる。これにより、自己に伝送された信号
と他局に伝送された信号とを区別することができる。
【0011】このようなCDMA通信方式の利点は次の
とおりである。 符号にて各端末局を区別しかつ同一の周波数を用い
ているため、周波数分割多元アクセス方式(FDMA)
のように周波数にて区別した場合と比べガードバンドを
分ける必要がなくなる。このため周波数の利用効率がよ
い。
【0012】 符号にて拡散し広帯域信号となってい
るため、屋内などで使用する場合において、狭帯域信号
で問題となるマルチパスフェージングの影響が少なく、
回線品質がよい。
【0013】 符号にて区別しているため、この符号
を用意した端末局でのみ復号でき、秘匿性が高い。
【0014】 符号にて区別しているため、任意のと
きにアクセスすることができる。FDMAや時分割多元
アクセス方式のごとく空きチャンネルや空きスロットと
いう概念がないため、同一符号にて使用している局がな
い限り任意にアクセスすることができる。
【0015】このような直接スペクトラム拡散の復号
(逆拡散)方式には、種々の方式があるが、大きく分け
て、能動型と受動型の2方式があり、能動型のものとし
て、ディレーロックループ(DLL)を用いたもの、受
動型のものとして、整合フィルタを用いたものが代表的
である。
【0016】能動型では、受信符号と同期して符号を発
生し、その符号と受信波とを乗算するため、復号後の信
号は、スペクトラム拡散しないときの符号と同様に復調
できるので、一般のBPSK復調器を用いることができ
る。
【0017】一方、受動型では、予め符号と同一の符号
パターンを用意しておき、順次入力される符号が一致し
たときにパルス波の復号信号を得ることができる。
【0018】すなわち、能動型のものは、どのような符
号に対しても同期することができ、復号も簡単である
が、同期までに時間がかかるため、1度同期がはずれる
と再び同期するまでに時間がかかる。このことから、伝
送路が安定、情報が連続かつ長時間のものに向く。しか
し、パケット状の情報や伝送路が不安定でマルチパスが
発生しやすいような屋内での使用は不向きである。この
ような条件では同期がはずれやすいからである。
【0019】一方受動型のものは、必ず符号の1周期以
内で逆拡散信号が得られることから、パケット状の情報
や伝送路が不安定な場合にも適用できる。しかし符号が
長くなると情報を検出することが困難となってくる。
【0020】したがって、目的や用途などに応じ能動型
および受動型の使い分けをする必要がある。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】従来のCDMA通信方
式では、基地局と各端末局とにそれぞれ符号を割当て、
端末局を区別することにより、ランダムアクセスを可能
にしている。したがって、同時に同一符号を用いること
ができない。そのため、設定できる端末局の数は符号数
しか設定できず、1度局数を決めると後から増設するこ
とは困難である。このことをもう少し詳しく説明する。
【0022】符号発生器としていわゆるリニアシフトバ
ックシフトレジスタ(M系列)を用いた場合には、12
7チップでは18種類、511チップでは48種類しか
疑似乱数が存在しないため、基地局と端末局との間で同
一の周波数を用いる場合には、その半分の局数しか設定
できず、仮に基地局と端末局との間で別々の周波数を用
いても、その数は各々18,48局となる。このチャネ
ルが少数しか取れないという問題を解決する方法とし
て、チップ数を増やす方法が考えられるが、その場合に
は、以下の問題が生じる。
【0023】チップ数を増やした場合には、従来例に記
載したように能動型の受信機しか使用できなくなり、パ
ケット状の情報やマルチパスなどによりパス長さが変化
する伝送路には用いることができなくなる。
【0024】さらに、使用する端末局がたとえば100
0局程度欲しいときには、周期は30000チップ程度
となり、(MK列にて32768の周期で1800種)
ハード面および使用する帯域面から実現が困難となる。
【0025】また、1種類の符号に10ないし50局程
度割当て、その割当てた局内で他の局が通信していない
ときにその符号を使用することも考えられる。しかし、
この場合にはCDMA通信方式のランダムアクセスに制
限が加わることになる。さらに回線接続率を上げるに
は、1局につき数種の符号を用意し、マルチチャネルア
クセスのごとく符号選択のための制御を行なう必要があ
り、本来のCDMA通信方式のランダムアクセスの利点
がなくなってしまう。
【0026】この発明は、以上の問題を解消するために
なされたものであり、CDMA通信方式のランダムアク
セス性を保ちながら、多数の端末局に各々独自の符号を
割当てることを可能にするCDMA通信方式を提供する
ものである。
【0027】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
のこの発明は、1つの基地局と複数の端末局とが各々に
割当てられた符号を用いてアクセスする符号分割多元ア
クセス通信方式であって、前記符号は、前記基地局と各
前記端末局とに割当てられる短周期符号と、各々が前記
短周期符号の長さを少なくとも1ビットとする送信用お
よび受信用の長周期符号とを含み、前記基地局は前記短
周期符号を用いてパイロット信号を拡散する手段と、各
前記端末局に対応する送信用の長周期符号を用いて情報
伝達信号を拡散する手段と、前記拡散されたパイロット
信号と情報伝達信号とを同一タイミングで送信するよう
に制御するタイミング制御手段と、前記複数の端末局の
うちのある端末局からの情報伝達信号を当該端末局に対
応する受信用の長周期符号を用いて逆拡散する手段とを
含み、各前記端末局は前記短周期符号を同期タイミング
とし、前記割当てられた受信用の長周期符号を用いて前
記基地局からの情報伝達信号を逆拡散する手段と、前記
短周期符号を同期タイミングとし、前記割当てられた送
信用の長周期符号を用いて前記基地局への情報伝達信号
を拡散する手段とを含む。
【0028】また、他の発明の符号分割多元アクセス通
信方式において、前記端末局は基地局への送信に際して
の初期同期のための短周期符号が割当てられ、前記短周
期符号を用いて初期同期のためのパイロット信号を拡散
する手段を含む。
【0029】さらに、他の発明の符号分割多元アクセス
通信方式において、前記基地局および前記端末局の双方
または一方は自局のパイロット信号の発生タイミングと
多局の情報伝達信号またはパイロット信号の発生タイミ
ングとの時間差に基づいて自局と他局との間の伝送路の
長さを検出する手段と、前記検出された伝送路の長さに
基づいて自局の送信電力を制御する送信電力制御手段と
を含む。
【0030】
【作用】以上のこの発明では、短周期の符号により拡散
されたパイロット信号と、短周期の符号のビット長を少
なくとも1ビットとする長周期の符号により拡散された
情報伝達用信号の2つの波を用いて、基地局と各端末局
との回線接続を行なうことができる。この2つの信号の
送信タイミングは、タイミング制御手段により一致する
ように制御されているので、同期および復号が迅速に行
なわれる。
【0031】そして、長周期の符号と情報レートとの関
係を短周期符号の長さを1ビットとし、かつ長周期の1
部分または全部を情報の1ビットとすることにより、長
周期の符号が長くなっても、ハード面および使用する帯
域幅に負担はなくなる。その結果、長周期符号のチップ
数に基づいて端末局数を設定することができるので、局
数を増大させることができる。また、長周期符号を用い
ているにもかかわらずマルチパスにも強くパケット状の
情報を伝送することのできるCDMA通信方式を構築す
ることができる。
【0032】また、端末局に1基地局への送信に際して
の初期同期のための短周期符号が割当て、端末局が短周
期符号を用いて初期同期のためのパイロット信号を拡散
する手段を含む場合には、情報伝送信号の同期複合をさ
らに迅速に行なうことができる。
【0033】さらに、基地局および端末局の双方または
一方が自局と他局との間の伝送路の長さを検出する手段
と、送信電力を制御する手段とを含む場合には、伝送路
の長さの相違に起因する各端末局での受信利得の差を是
正することができる。そのため、各端末局は自局に送信
されたことを認識することができ、かつ自局から送信す
べき適正な電力を知ることができる。さらに、伝送路の
長さを知ることができるので、基地局のサービスエリア
にあるかどうかを知ることができる。
【0034】
【実施例】図1は、この発明の一実施例を示すブロック
図である。図1を参照して、このCDMA通信方式は、
図12のCDMA通信方式と同様に1つの基地局1と、
複数の端末局2、3、4とを備えるが、基地局1と各端
末局2〜4との間の通信に用いられる符号は図12とは
相違する。
【0035】基地局1は、短周期符号Pと、各端末局2
〜4に対応する送信用および受信用の長周期符号(A,
B)(C,D)、(E,F)を有する。この短周期符号
Pと長周期符号A〜Fとは後で詳述する。基地局1は、
短周期符号Pを用いてパイロット信号を拡散するととも
に、送信用の長周期符号A、EおよびFを用いて送信デ
ータを拡散する。また、基地局1は受信用の長周期符号
B、DおよびFを用いて各端末局2〜4からの情報信号
を逆拡散する。
【0036】端末局2は、短周期符号Pおよび長周期符
号A,Bを有する。端末局2は、短周期符号Pを用いて
基地局からのパイロット信号を逆拡散しかつ長周期符号
Aを用いて受信した情報信号を逆拡散する。また、端末
局2は、長周期符号Bを用いて送信データを拡散する。
【0037】端末局3は短周期符号Pおよび長周期符号
C,Dを有する。端末局3は、短周期符号Pを用いてパ
イロット信号を逆拡散しかつ長周期符号Cを用いて受信
した情報信号を逆拡散する。また、端末局3は、長周期
符号Dを用いて送信データを逆拡散する。
【0038】端末局4は、前述した端末局2および3と
同様に短周期符号Pおよび長周期符号E,Fを有する。
端末局4も同様に短周期符号Pを用いて基地局1からの
パイロット信号を逆拡散しかつ長周期符号Eを用いて受
信した情報信号を逆拡散する。さらに、送信する場合に
は、長周期符号Fを用いて送信データを拡散する。
【0039】図2は、図1に示した基地局のブロック図
である。図2を参照して、基地局1は、タイミングおよ
び回線制御装置5、パイロット信号発生回路6、短周期
符号Pを発生する符号P発生器7、符号P拡散器8、端
末局2に対する送受信部9、端末局3に対する送受信部
10、端末局4に対する送受信部11とを備える。さら
に、基地局1は、符号P拡散器8により変調された変調
信号と送受信部9〜11により変調された信号とを合成
するための合波器16と、合波器16により合成された
信号を高周波処理するRF処理回路17と、サーキュレ
ータ18と、アンテナ26と、アンテナ26並びにサー
キュレータ18を通して入力される受信信号を高周波処
理するRF処理回路28と、RF処理された信号を送受
信部9〜11に分配する分配器27とを備える。
【0040】タイミング回線制御装置5は、パイロット
信号発生回路6、符号P発生器7、拡散器8および送受
信部9〜11をコントロールするためのタイミング信号
を発生するとともに回線接続の制御を行う。(以後、タ
イミング制御回路5と称する。)このタイミング制御装
置5により短周期符号Pと長周期符号A〜Fとの発生タ
イミングについて同期がとられる。パイロット信号発生
回路6は、タイミング信号に応答してパイロット信号を
発生する。このパイロット信号には後述するタイムマー
クが含まれる。
【0041】符号P発生器7は、127チップの短周期
符号を発生する。この符号Pは前述したように各端末局
でも共有される。
【0042】符号P拡散器8は、符号P発生器7により
発生された符号Pに基づいてパイロット信号を拡散す
る。このようにして、符号P拡散器8は、タイムマーク
を含むデジタルのパイロット信号をベースバンド信号と
し、符号Pを搬送波とする変調信号を発生する。
【0043】送受信部9は、データ発生器12、符号A
発生器13、符号A拡散器14、制御スイッチ15、符
号B発生器19、符号B逆拡散器20、およびBPSK
復調器21を備える。データ発生器12は、端末局2に
伝送するための送信データを発生する。符号A発生器1
3は、端末局2に割当てられた符号Aと同じ符号Aを発
生する。この符号Aの発生タイミングはタイミング制御
装置5により制御される。符号A拡散器14は、符号A
に基づいてデータ発生器12にからの送信データを拡散
する。制御スイッチ15は、タイミング制御装置5によ
り制御され、送信時のみスイッチオンの状態となる。符
号B発生器19は、タイミング制御装置5からのタイミ
ング信号に応答して符号Bを発生する。符号B逆拡散器
20は、分波器27をとおして与えられる情報信号を符
号Bに基づいて逆拡散(復号)する。BPSK復調器2
1は、復号された情報信号をBPSK復調し、受信デー
タを出力する。送受信部10および11は、前述した送
受信部9と同様な構成であるが、発生される符号のみが
異なる。
【0044】図3は、基地局により発生される短周期符
号と長周期符号とを説明するための図である。図3を参
照して、短周期符号の1周期は、127チップ(ビッ
ト)であり、各ビットの値はπと−πとに位相変調され
る。長周期符号の1周期は、524287チップであ
り、127チップの短周期符号を4128個続けること
により構成される。したがって、長周期符号127チッ
プを基準に部分的に分割し、情報1ビットに割当てる
と、4128ビットを割当てることができる。すなわち
長周期符号を先頭から127チップずつ分割し、NO1
〜NO4128までの番号を割り振って、グループ分け
することができる。
【0045】この条件においてパイロット信号の先頭チ
ップは、タイミング制御装置5により各々のループの先
頭チップと同期させられる。すなわち、各グループの
1,128,255…の各々のチップが短周期符号の先
頭チップと同一タイミングで送出される(後述する図5
参照)。
【0046】さらに、パイロット信号には、NO1〜N
O4128のどこのグループを送出しているかのタイム
マークが信号として含まれており、これを受信並びに復
調することにより、現在どこのグループが伝送されてい
るかを知ることができる。
【0047】図4は、端末局の構成を示すブロック図で
ある。図4に示される端末局は代表としての端末局2で
あり、その他の端末局については長周期符号を除いて同
様な構成であるので省略する。図4を参照して、端末局
2は、アンテナ31と、受信波と送信波とを切換えるサ
ーキュレータ32と、サーキュレータ32をとおして与
えられる受信波を中間周波信号に変換するRF処理回路
33と、短周期相関回路34と、データ復調器35と、
符号A発生器36と、符号A拡散器27と、BPSK復
調器38と、符号B拡散器39と、符号B発生器40
と、符号B拡散器39の出力を高周波の信号に変換する
RF処理回路41とを含む。
【0048】短周期相関回路34は、RF処理回路33
の出力信号と短周期符号Pとの相関をとり、この相関を
とった信号をデータ復調器35に与える。データ復調器
35は、短周期相関回路34の出力信号を移相遷移復調
してタイムマーク信号を復元する。前述したようにタイ
ムマークは長周期符号のどのグループかを特定するため
の信号である。符号A発生器36は、データ復調器35
により復元されたタイムマークに応答して長周期符号A
の特定グループに対応する部分符号を発生する。符号A
逆拡散器37は、RF処理回路33の出力信号を符号A
発生器36からの部分符号に基づいて逆拡散する。BP
SK復調器38は、符号A逆拡散器37により逆拡散さ
れた信号を移相遷移復調して、基地局1で発生した送信
データを復元し、これを情報信号として出力する。
【0049】図5は、基地局1の送信タイムスケジュー
ルと端末局2および3の受信タイムスケジュールとを示
す図であり、図6は、端末局2および3から基地局1へ
送信するためのタイムスケジュールを示す図である。な
お、端末局を端末局2および3に限定したのは、説明を
簡略化するためである。
【0050】図5および図6を参照して、パイロット信
号はタイムマークT1〜T4128を含み、127チッ
プの短周期符号Pで拡散される。拡散されたパイロット
信号は基地局1から常時発射されている。
【0051】情報信号は、図3で前述したように1周期
が524287チップの長周期符号A〜Dで拡散/逆拡
散される。長周期符号の1周期には、第1ビットから第
4128ビットの情報が含まれ、第1ビットから第41
28ビットの情報がどの時点で発生したかがパイロット
信号のタイムマークT1〜T4128により特定され
る。なお、情報の番号とタイムマークとは必ずしも一致
しない。タイムマークはすべての端末局に対して共通の
時間情報として用いられるのに対し、情報の番号は、長
周期の1周期をグループ別に割り振るために用いられる
からである。
【0052】次に、図1ないし図4に示したCDMA通
信方式の動作を、図5および図6を用いて説明する。
【0053】まず、基地局1から端末局2に情報を伝達
する場合を説明する。基地局1は、常時タイムマークを
含むパイロット信号を短周期符号Pを用いて拡散し、こ
れをアンテナ19を介して各端末局に送信する。このパ
イロット信号に含まれるタイムマークT1〜T4128
によりすべての端末局の同期タイミングを規制する。
【0054】次に、情報の第1ビットが長周期符号のN
O1のグループのときに発生したとすると、基地局1は
情報の第1ビットを長周期符号AのNO1のグループ
(1〜127チップ)を用いて拡散を行ない、情報の第
2ビットを長周期符号のNO2のグループ(128〜2
54)を用いて拡散する。以下、同様に情報の第3ビッ
ト〜第4128ビットを拡散していく。端末局2は、基
地局1により発射された送信波をアンテナ31により受
信し、サーキュレータ32をとおしてRF処理回路33
に与える。RF処理回路33に与えられた受信波は、こ
こで中間周波信号に変換されて短周期相関回路34およ
び符号A逆拡散器37に与えられる。短周期相関回路3
4に与えられた中間周波信号はここで短周期符号Pによ
り逆拡散されたのちデータ復調回路35に与えられる。
逆拡散された信号はデータ復調器35により復調され、
それによりタイムマークが復元される。この復元された
タイムマークにより現在長周期符号Aがどのグループに
あり、長周期符号Aのどの部分で相関をとればよいかを
知ることができる。復元されたタイムマークは符号A発
生器36に与えられ、符号A発生器36はタイムマーク
に基づいてNO1〜NO4128の内の特定のグループ
に対応した部分符号を発生し、それを符号A逆拡散器3
7に与える。逆拡散器37には、RF処理回路33から
中間周波信号が与えられており、この中間周波信号は符
号A発生器36からの部分符号に基づいて逆拡散された
のち、BPSK復調器38に与えられる。逆拡散された
信号は、BPSK復調器38により元の情報信号に復元
される。
【0055】端末局2では、以上のようにして、受信波
をスペクトラム逆拡散(相関)を行なうのであるが、こ
のときのパイロット信号と情報信号とは同期して受信さ
れる。絶対的な時間は、伝送路の長さだけ遅延している
が、この2つは同期しておりかつマルチパスなどの複雑
な伝送路においても、同一の周波数帯を用いていること
から、パイロット信号と情報信号のうちの一方だけが遅
延することはない。この結果、マルチパスによるフェー
ジングの影響を防止することができる。
【0056】次に、基地局1から端末局3に情報を伝達
する場合を説明する。基地局1から端末局3に情報を伝
達する場合において、図5の情報信号(符号C)に示す
ごとくNO3のときに情報の第1ビットが発生したとす
ると、情報の第1ビットを長周期符号Cに255〜38
1チップを用いて拡散を行ない、以下同様に情報の第2
ビットから第4128ビットを拡散していく。
【0057】端末局3は、基地局1から伝送される信号
を受信し、前述した端末局2と同様にパイロット信号を
基準に情報信号を復元する。このとき、端末局3での受
信タイミングの絶対時間は、端末局2と伝送路の長さが
異なるが、やはり端末局3のみではパイロット信号と情
報信号とは同一タイミングで到達するので問題は生じな
い。また、端末局2と端末局3との信号妨害は各々の部
分相互相関となるが、長周期符号がAとCとで異なるた
め、部分相互相関は非常に低いと考えられ、また低くな
る符号を選択することによって端末局間の信号妨害を完
全に防止できる。
【0058】このように基地局と端末局とを接続する場
合において、パイロット信号と情報信号とを同期して送
出することで、長周期符号を用いて端末局間を区別する
ことができ、この実施例における524287周期で
は、27594種(M系列の場合)の符号により端末局
を区分することができる。また、端末局間では長周期符
号が異なるため、各端末局に与える情報信号も各端末局
に対しグループ毎の任意のタイミング(図5ではNO1
グループとNO3グループ)で発することができ、ラン
ダムアクセスを保つことができる。
【0059】次に端末局2および3から基地局1に信号
を発する場合について説明する。端末局は多数あり、各
端末局が異なるパイロット信号を持つことは不可能であ
るので端末局ではパイロット信号として基地局から発す
るパイロット信号を用いて、それにタイミングを合わせ
て送信する。この動作は図4と図6を用いて説明する。
【0060】前述したように基地局1では常にパイロッ
ト信号を発射している。端末局2は、パイロット信号を
受信し、前述の情報信号の復調動作と同様にして、パイ
ロット信号に含まれるタイムマークを復元し、これを符
号B発生器40に与える。符号B発生器40は、タイム
マーク信号の入力タイミングに併せて長周期符号Bを発
生する。発生された長周期符号Bは符号B拡散器39に
与えられ、符号B拡散器39は長周期符号Bに基づいて
送信データを拡散する。このとき、拡散に用いる長周期
グループは、パイロット信号により読取り知り得たグル
ープを用いる。長周期符号Bにより拡散されたデータは
RF処理回路41により高周波信号に変換されたのち、
サーキュレータ30、さらにアンテナ31をとおして基
地局1に送信される。
【0061】基地局1は、端末局2からの信号を受取
り、自ら発したグループ番号により逆拡散を行なう。端
末局からの信号は、このグループ番号に則っているはず
なので、逆拡散を行なうことができる。実際には基地局
1→端末局2→基地局1という手順で伝送されるため、
遅延が生じ受信タイミングは数チップ遅れる可能性が生
ずる(図6の基地局受信を参照)。しかし長周期符号の
グループが明確でありかつ僅か数チップ以内で到達信号
の符号を予測できるので、基地局は容易に逆拡散するこ
とができ、その結果回線接続が可能となる。
【0062】以上説明したように、この実施例では多数
の端末局を持ちながら、その制御はパイロット信号によ
りすべて行なうので、パケット状の情報やマルチパスな
どの伝送路の長さがしばしば変化する場合にも用いるこ
とができ、かつ端末局もその取り得る長周期符号は数万
(原則的には無制限)となるので、CDMA通信方式の
特徴であるランダムアクセスが可能となる。したがって
多数の端末局の内の任意の端末局が任意の時間に基地局
と回線接続することができ、しかも伝送路の長さや情報
の種類によらないで非常に効率的でフレキシブルなCD
MA通信方式を構築することができる。
【0063】なお、この実施例ではパイロット信号を1
27チップ、情報信号を524287チップのM系列の
符号としたが、これはスペクトラム拡散に適した符号で
あれば、そのチップ数および種類などは問わない。ま
た、情報1ビットについてもパイロット信号の1周期
(ここでは127チップにする)必要はなく、回線の状
況により254チップにしたりまたそれ以外でも使用す
ることができる。また、チップレートも同一でなくてよ
い。
【0064】さらに、この実施例では周波数が同一とさ
れているが、基地局から端末局に伝送する周波数と端末
局から基地局へ伝送する周波数とを変えることも可能で
ある。
【0065】図7はこの発明の第2の実施例を示すブロ
ック図である。この実施例と第1の実施例とが異なると
ころは端末局の構成のみである。図7に示す端末局と図
4に示す端末局とが異なるところは、符号A逆拡散器に
代えて乗算器43が設けられ、タイミング発生器42が
追加されていることである。
【0066】動作において、アンテナ31から受信した
信号は、RF処理回路33により中間周波信号に変換さ
れ、中間周波信号は短周期相関回路34および乗算器4
3に与えられる。短周期相関回路34は短周期符号Bに
ついて相関をとり、相関をとった信号はデータ復調器3
5により復調される。ここまでの動作は図4の場合とほ
ぼ同様である。さらに、短周期相関回路34は、相関を
とったときの相関タイミングをタイミングジェネレータ
42に与える。タイミングジェネレータ42は、短周期
相関回路34から与えられたタイミング信号に応答して
チップの周期を正確に示す信号を発生し、これを符号A
発生器36に与える。符号A発生器36は、データ復調
器35からのタイムマーク信号とタイミング発生器42
からタイミング信号とに応答して、長周期符号Aを正確
なチップ位相で発生し、これを乗算器43に与える。乗
算器43はRF処理回路33からの中間周波信号と長周
期符号A発生器36からの参照となる部分符号とを乗算
することにより、逆拡散する。この逆拡散された信号は
BPSK復調器38により情報信号に復元される。
【0067】この第2の実施例では、パイロット信号と
情報信号とが同じ周波数かつ同じ帯域を占めることか
ら、同一のタイミングで端末局に達することを利用し、
パイロット信号のみ符号の同期捕捉を行ない、情報信号
についてはオープンループで乗算のみを行なう。その結
果、情報信号の符号にDLL(ディレーロックルー
プ)、タウディザループ、およびコリレータなどの符号
を同期・捕捉するための回路が不要となり、端末局の回
路構成を大幅に削減することができ、その結果端末局の
小型化および低消費電力、低コスト化などが図れるよう
になる。
【0068】図8は、この発明の第3の実施例を示すタ
イムスケジュールである。第1の実施例(図5)におい
ては、パイロット信号と情報信号とは、そのパイロット
信号のタイムマークにしたがい、同一のタイミングにて
送出していたが、この実施例においては既知のタイミン
グだけずらして送出する。たとえば、情報信号(符号
A)においては、2グループ分、情報信号(符号C)に
おいては、0.5グループ分(63チップ)ずらして送
出する。このタイミングのずらした分は、既知であるの
で、端末局2および3においても、また端末局2および
3から送り返したした信号においても、逆拡散する上に
おいて何ら支障はなく、この基地の分だけずらせばよ
い。
【0069】第1の実施例において説明したように、各
符号間の干渉は、信号間の部分相互相関に依存する。一
般に符号が異なればそれほど問題が生じないが、選ぶ符
号の種類によってはすべてのグループのうちのいくつか
で部分相互相関値が大きくなる場合が生ずる。そこで、
このようなことが生じた場合には各符号間のグループの
位置を既知のタイミングでずらすことにより回避でき
る。さらに、グループそのものをずらしてしまうので、
同一符号を複数の局に割当てても干渉は部分自己相関と
なり、問題が生じなくなる。この結果、端末局で選べる
符号がさらに増大することになる。
【0070】第3の実施例によれば、端末局に割当て可
能な符号の自由度が大幅に増え、その結果、符号による
端末局数の制限を緩和することができる。たとえば、当
初10000局で設定し、符号長さを決定したのち、増
設を必要とされた場合には、この第3の実施例を用いる
ことにより、同じシステムを保ったまま端末局の増設が
可能となる。
【0071】図9および図10は第4の実施例を示すブ
ロック図であり、図9は端末局のブロック図、図10は
基地局のブロック図である。
【0072】この発明の第1の実施例においては、基地
局側のみがパイロット信号を発生し、端末局はパイロッ
ト信号を発生していないが、この第4の実施例において
は、さらに新たに初期同期のための短周期のパイロット
信号を端末局側に用意する。
【0073】図9を参照して、この端末局2は短周期符
号P´を発生する符号P´発生器44と、短周期符号P
´に基づいて初期同期のための新たなパイロット信号を
拡散する符号P´拡散器45とを含む。次に、図10を
参照して、基地局1はすべての端末局と同様に短周期符
号P´を発生する符号P´発生器44と、短周期符号P
´に基づいて受信した信号を逆拡散する符号P´逆拡散
器47と、逆拡散された信号を位相変調して復調するB
PSK復調回路48とを備える。
【0074】動作において、端末局2は、基地局1に情
報を送信する場合には、初期同期のための新たなパイロ
ット信号を発生し、これを符号P´拡散器45に与える
とともに、符号P´発生器44を用いて短周期の符号P
´を発生される。符号P´拡散器は、初期同期のための
パイロット信号を短周期符号P´に基づいて拡散し、R
F処理回路41に与え、アンテナ31を介して基地局1
に伝送する。なお、新たなパイロット信号と情報信号と
は同じチップタイミングで発生されてかつ図示しない合
波器により合成される。
【0075】基地局1は各端末局から伝送されるパイロ
ット信号を受信し、符号P´を用いて逆拡散しさらにB
PSK復調器48により復元する。
【0076】第1ないし第3の実施例においては、回線
が接続されていないときに、端末局側から情報信号を発
する場合には、この情報信号の長周期符号のチップタイ
ミングは、基地局1からのパイロット信号と完全に同期
しているかまたは既知のタイミングがずらされているか
である。そのため、基地局側でそのチップタイミングは
知り得るが、いつ発生されたか、あるいは送信している
のかいないのかが不明である。したがって、その確認す
るプロセスが複雑となる。
【0077】それに対し、第4の実施例では、端末局か
ら初めて信号を発生する場合には、情報信号と同時に新
たな種類のパイロット信号を発生し、基地局側でそれを
受信しこれを復元したデータに基づいて同期を開始する
ことができる。このときのタイミングは、やはり基地局
側のパイロット信号と同期している。そして、回線が接
続された後は、初期同期のためパイロット信号の送信は
停止される。このようにすることにより、同期にかかる
時間は僅かであるので、1つの端末局がこの新たなパイ
ロット信号を発生している時間の割合は僅かであり、多
数の端末局が同一のパイロット信号を有していても、そ
の衝突確率は小さく、また衝突したとしても再び送り直
すことでほとんどの衝突は回避できる。
【0078】以上説明したように、新たなパイロット信
号を送信することにより、基地局側において端末局が信
号を発したことが、パイロット信号により分かるので、
端末局の通信要求がされているかどうかは新たなパイロ
ット信号のみをモニタしていればよく、前述した第1な
いし第3の実施例と比べて、迅速かつ効率的に回線の接
続を行なうことができる。
【0079】なお、第4の実施例においては、全端末局
で同じパイロット信号を用いたが、端末局が多い場合に
は、いくつかのパイロット信号を用意し、端末局数に対
応して分割するか複数の端末局にグループ分けして分割
することも可能である。それにより、さらに衝突確率を
減らすことができ、基地局側の接続も迅速に行なうこと
ができる。
【0080】次に、この発明の第5の実施例を説明す
る。第4の実施例においては、端末局側にも新たなパイ
ロット信号を用意したが、第5の実施例では、さらに端
末局側から初期同期に発するパイロット信号にその端末
局の認識番号(ID)を付加する。
【0081】前述した第4の実施例によれば、端末局が
信号を発するタイミングはすべてつかめるものの(符号
のグループおよびチップタイミングを利用するなどによ
り)、どの端末局が発しているか不明なために基地局1
では種々の端末局の符号に対して同期をとり、一致して
いるかどうかを確認しなければならない。しかし、第5
の実施例においては、そのパイロット信号のなかに認識
番号を入れることにより、どの端末局が信号を発してい
るかを基地局側において知ることができる。そのため、
発生すべき同周期符号を1つに絞ることができるので、
容易に同期をとることができる。端末局が非常に多いシ
ステムでは、この第5の実施例を用いることにより、基
地局の回線接続の手続が減少するとともに、回路構成が
簡単となる。また、同期時間が短くなりかつ回線接続の
効率がよくなる。
【0082】図11はこの発明の第6の実施例を示すブ
ロック図である。図11を参照して、基地局1には、基
地局1と端末局2との伝送路の長さを特定するための測
距部49と、伝送路の長さに応じて送信電力を制御する
パワーコントローラ50とが設けられる。
【0083】前述した第1ないし第5の実施例において
は、1つの基地局に対して多数の端末局が同時に回線接
続を行なうため、その信号のレベルが問題となる。
【0084】今、基地局1と端末局2との距離に比べ
て、基地局1と端末局3との距離が非常に長く、基地局
1での情報信号(符号B)の受信電力がW2であり、基
地局1での情報信号(符号D)の受信電力がW3であ
り、W2がW3よりも非常に大きい場合を考える。12
7ビットを1ビットに割当てている場合には、対応の符
号と異なる符号を用いて逆拡散すると、受信電力は12
7分の1となる。しかし、W2>W3/127の場合に
は、基地局1が長周期符号Dを用いて情報信号(符号
D)を逆拡散しても、受信電力は、情報信号(符号B)
の方が大きくなる。このため、基地局1において端末局
を区別することができなくなる。端末局が固定局である
場合には、予め距離を測定して電力を決めることが可能
であるが、移動局の場合には不可能である。
【0085】しかし、第6の実施例では、この問題を次
のようにして解消することができる。
【0086】第6の実施例においては、パイロット信号
は常に決まったタイミングで発しており、各端末局では
それを受信し、受信タイミングに合わせて自局の情報信
号あるいは初期同期のためのパイロット信号を発生す
る。したがって、基地局において対応の端末局の符号を
用いて同期をとった場合には、その同期をとった符号と
パイロット信号とのチップ遅れは、2局間の距離に比例
した時間遅れとなっている。したがって、この測距部4
9においてその時間差を測定し、基地局と端末局との現
在利用している伝送路の距離を測ることができる。受信
電力は、一般に距離の関数として表わされるので、測定
した距離を基準にしてパワーコントローラ50により電
力の制御を行なうことができる。こうすることにより、
伝送路の長さに応じて送信電力および受信電力を決める
ことができるので、移動局であってもいずれの端末局か
ら伝送されたかを判定できる。
【0087】さらに、端末局にも測距部とパワーコント
ローラとを設けることにより、その端末局が基地局の回
線接続可能な範囲(サービスエリア)にあるかどうかの
判断を行なうことができる。
【0088】このように、第5の実施例によれば、伝送
路の長さが異なることによるパワーコントロールを行な
うことができ、さらには端末局の存在位置を知ることに
よる回線接続コントロールを行なうことができるので、
より効率のよいCDMA通信方式を構築することができ
る。
【0089】
【発明の効果】以上のこの発明のCDMA通信方式によ
れば、短周期の符号により拡散されたパイロット信号と
短周期符号の1周期を少なくとも1ビットとする長周期
符号により拡散された情報伝達用信号の2つの波を用い
て基地局と端末局との回線接続を行なうことにより、端
末局の数を増大させることができる。また、すべての端
末局は各々に割当てられる長周期符号により区別される
ので、完全なランダムアクセス性が保たれる。したがっ
て、回線接続を迅速に行ないかつ接続効率のよいCDM
A通信方式を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明のCDMA通信方式の1実施例
を示すブロック図である。
【図2】図1の基地局の構成を示すブロック図である。
【図3】基地局により発生される短周期符号と長周期符
号とを説明するための図である。
【図4】図1の端末局の構成を示すブロック図である。
【図5】基地局の送信タイムスケジュールと端末局の受
信タイムスケジュールとを示す図である。
【図6】端末局から基地局へ送信するためのタイムスケ
ジュールを示す図である。
【図7】この発明の第2の実施例を示す端末局のブロッ
ク図である。
【図8】この発明の第3の実施例を示すタイムスケジュ
ールである。
【図9】この発明の第4の実施例を示す端末局のブロッ
ク図である。
【図10】この発明の第4の実施例を示す基地局のブロ
ック図である。
【図11】この発明の第6の実施例を示すタイムスケジ
ュールである。
【図12】従来のCDMA通信方式のブロック図であ
る。
【符号の説明】
1 基地局 2,3,4 端末局 5 タイミングおよび回線制御装置 6 パイロット信号発生回路 7 符号P発生器 8 符号P拡散器 9,10,11 送受信部 13 符号A発生器 14 符号A拡散器 19 符号B発生器 20 符号B逆拡散器 22 符号C発生器 23 符号D発生器 24 符号E発生器 25 符号F発生器 34 短周期相関回路 35 データ復調器 36 符号A発生器 37 符号A逆拡散器 38 BPSK復調器 40 符号B発生器 39 符号B拡散器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つの基地局と複数の端末局とが各々に
    割当てられた符号を用いてアクセスする符号分割多元ア
    クセス通信方式であって、 前記符号は、前記基地局と各前記端末局とに割当てられ
    る短周期符号と、各々が前記短周期符号の長さを少なく
    とも1ビットとする送信用および受信用の長周期符号と
    を含み、 前記基地局は前記短周期符号を用いてパイロット信号を
    拡散する手段と、 各前記端末局に対応する送信用の長周期符号を用いて情
    報伝達信号を拡散する手段と、 前記拡散されたパイロット信号と情報伝達信号とを同一
    タイミングで送信するように制御するタイミング制御手
    段と、 前記複数の端末局のうちのある端末局からの情報伝達信
    号を当該端末局に対応する受信用の長周期符号を用いて
    逆拡散する手段とを含み、 各前記端末局は前記短周期符号を同期タイミングとし、
    前記割当てられた受信用の長周期符号を用いて前記基地
    局からの情報伝達信号を逆拡散する手段と、 前記短周期符号を同期タイミングとし、前記割当てられ
    た送信用の長周期符号を用いて前記基地局への情報伝達
    信号を拡散する手段とを含むことを特徴とする符号分割
    多元アクセス通信方式。
  2. 【請求項2】 前記端末局の逆拡散手段は、前記受信用
    の長周期符号と情報伝達信号とを乗算する手段を含み、
    前記乗算のタイミングは、前記パイロット信号を短周期
    符号により逆拡散して検出される短周期符号のタイミン
    グにより決定される、前記請求項1記載の符号分割多元
    アクセス通信方式。
  3. 【請求項3】 前記短周期符号により拡散されたパイロ
    ット信号は、タイムマークを時間情報として含み、前記
    タイミング制御手段は、このタイムマークを用いて短周
    期符号の発生タイミングと長周期符号の発生タイミング
    と所定の時間ずらす、前記請求項1記載の符号分割多元
    アクセス通信方式。
  4. 【請求項4】 前記請求項1の符号分割多元アクセス通
    信方式において、前記端末局は基地局への送信に際して
    の初期同期のための短周期符号が割当てられ、前記短周
    期符号を用いて初期同期のためのパイロット信号を拡散
    する手段を含むことを特徴とする符号分割多元アクセス
    通信方式。
  5. 【請求項5】 前記端末局から送信されるパイロット信
    号は、当該端末局の認識番号を含む、前記請求項4記載
    の符号分割多元アクセス通信方式。
  6. 【請求項6】 前記請求項1または請求項3の符号分割
    多元アクセス通信方式において、前記基地局および前記
    端末局の双方または一方は自局のパイロット信号の発生
    タイミングと他局の情報伝達信号またはパイロット信号
    の発生タイミングとの時間差に基づいて自局と他局との
    間の伝送路の長さを検出する手段と、 前記検出された伝送路の長さに基づいて自局の送信電力
    を制御する送信電力制御手段とを含むことを特徴とする
    符号分割多元アクセス通信方式。
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