JP7276645B2 - 磁気記録媒体用ガラス基板 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気記録媒体用ガラス基板に関する。
磁気記録装置は、磁気記録媒体用基板上に磁性層を成膜した磁気記録媒体を備えており、該磁性層を用いて情報を記録することができる。従来まで、磁気記録装置に用いられる磁気記録媒体用基板としてアルミニウム合金基板が使用されてきたが、現在では、高記録密度化の要求に伴い、アルミニウム合金基板に比べて、硬度、平坦性や平滑性に優れるガラス基板が主に使用されている。
近年では、更なる高記録密度化のニーズに応えるため、エネルギーアシスト磁気記録方式を用いた磁気記録媒体、すなわちエネルギーアシスト磁気記録媒体が検討されている。エネルギーアシスト磁気記録媒体についても、ガラス基板が使用されると共に、ガラス基板の表面上に磁性層等が成膜される。エネルギーアシスト磁気記録媒体では、磁性層の磁性材料として大きな磁気異方性係数Ku(以下、「高Ku」と称する)を有する規則合金が用いられる。
磁性層の規則化の程度(規則度)を高めて高Ku化を図るため、磁性層の成膜時、或いは成膜前後に、ガラス基板を含む基材を600℃~700℃程度の高温で熱処理することがあり、また磁性層の成膜後に、ガラス基板を含む基材に対して、レーザー照射を施すこともある。このような熱処理やレーザー照射は、FePt系合金等を含む磁性層のアニール温度や保磁力を高めるという目的もある。
ところで、磁気記録媒体用ガラス基板には、高速回転時に大きな変形を起こさないために、高い剛性(ヤング率)を有することが求められる。
詳述すると、ディスク状の磁気記録媒体では、媒体を中心軸の周りに高速回転させつつ、磁気ヘッドを半径方向に移動させながら、回転方向に沿って情報の書き込み、読み出しを行う。近年、この書き込み速度や読み出し速度を上げるための回転数は5400rpmから7200rpm、更には10000rpmと高速化の方向に進んでいるが、ディスク状の磁気記録媒体では、予め中心軸からの距離に応じて情報を記録するポジションが割り当てられるため、ガラス基板が回転中に変形を起こすと磁気ヘッドの位置ズレが起こり、正確な読み取りが困難になる。
また、近年、磁気ヘッドにDFH(Dynamic Flying Height)機構を搭載させることで、磁気ヘッドの記録再生素子部と磁気記録媒体表面との間隙の大幅な狭小化(低浮上量化)を達成し、更なる高記録密度化を図ることが行われている。DFH機構とは、磁気ヘッドの記録再生素子部の近傍に極小のヒーター等の加熱部を設けて、素子部周辺のみを媒体表面方向に向けて熱膨張させる機構である。このような機構を備えることにより、磁気ヘッドと媒体の磁性層との距離が近づくため、より小さい磁性粒子の信号も拾うことができるようになり、高記録密度化を達成することが可能となる、その一方で、磁気ヘッドの記録再生素子部と磁気記録媒体の表面との間隙が、例えば2nm以下と極めて小さくなるため、僅かな衝撃によっても磁気ヘッドが磁気記録媒体の表面に衝突する虞がある。この傾向は、高速回転になる程、顕著となる。よって、高速回転時には、この衝突の原因になるガラス基板の撓みやバタツキ(フラッタリング)の発生を防ぐことが重要になる。
更に、磁気記録媒体用ガラス基板には、磁気記録媒体の記録再生の信頼性を高めるために、適正な熱膨張係数を有することも求められる。詳述すると、磁気記録媒体を組み込んだHDD(ハードディスクドライブ)は、中央部分をスピンドルモーターのスピンドルで押圧して、磁気記録媒体自身を回転させる構造を備えている。このため、ガラス基板とスピンドル材料の熱膨張係数差が大き過ぎると、周囲の温度変化に対して、両者の熱膨張・熱収縮が相違するため、磁気記録媒体が変形するという現象が生じる。このような現象が生じると、書き込んだ情報を磁気ヘッドで読み出せなくなってしまい、記録再生の信頼性を損なう虞がある。よって、磁気記録媒体用ガラス基板には、スピンドル材料(例えばステンレス等)の熱膨張係数に整合する熱膨張係数を有していることが望ましい。
そこで、本発明は上記事情に鑑み成されたものであり、その目的は、高速回転時に撓みやバタツキ(フラッタリング)が発生し難く、スピンドル材料(例えばステンレス等)の熱膨張係数に整合する磁気記録媒体用ガラス基板を創案することである。
本発明者は、種々の実験を繰り返した結果、ガラス基板の熱膨張係数とヤング率を所定値以上に高めることにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として、提案するものである。すなわち、本発明の磁気記録媒体用ガラス基板は、30~380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数が30×10-7/℃以上、且つヤング率が80GPa以上であることを特徴とする。ここで、「30~380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数」は、ディラトメーターで測定可能である。「ヤング率」は、周知の共振法で測定可能である。
本発明の磁気記録媒体用ガラス基板は、30~380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数を30×10-7/℃以上に規制している。このようにすれば、ガラス基板とスピンドル材料の熱膨張係数差が小さくなるため、周囲の温度変化に対して、両者の熱膨張・熱収縮が整合し易くなる。結果として、磁気記録媒体が変形し難くなり、磁気記録媒体の記録再生の信頼性を高めることができる。更に熱処理やレーザー照射して、高Ku化を図る際に、ガラス基板とスピンドル材料の熱収縮差を低減することができる。
更に、本発明の磁気記録媒体用ガラス基板は、ヤング率を80GPa以上に規制している。このようにすれば、高速回転時に、ガラス基板の撓みやバタツキ(フラッタリング)が発生し難くなるため、情報記録媒体と磁気ヘッドの衝突を防止することができる。
また、本発明の磁気記録媒体用ガラス基板は、軟化点が700℃以上であることが好ましい。このようにすれば、高温で熱処理やレーザー照射を行っても、ガラス基板に歪みが生じ難く、磁性層の高Ku化を図り易くなる。なお、熱処理やレーザー照射時にガラス基板に歪みが生じると、この歪みがガラス基板と磁気ヘッドの衝突を引き起こす原因になる虞がある。ここで、「軟化点」は、ASTM C336の方法に基づいて測定した値を指す。
また、本発明の磁気記録媒体用ガラス基板は、ガラス組成として、質量%で、SiO 53~66%、Al 7~34%、B 0~8%、MgO 0~22%、CaO 1~15%、Y+La+ZrO 0~20%を含有することが好ましい。ここで、「Y+La+ZrO」は、Y、La及びZrOの合量を指す。
また、本発明の磁気記録媒体用ガラス基板は、表面の表面粗さRaが1.0nm以下であることが好ましい。このようにすれば、高記録密度化のためにビットサイズが微細化されても、磁気特性の改善が可能になる。ここで、「表面の表面粗さRa」は、端面を除く主表面(両表面)の表面粗さRaを指し、例えば、原子間力顕微鏡(AFM)で測定することができる。
また、本発明の磁気記録媒体用ガラス基板は、光路長1mm、波長範囲350~1500nmにおける平均直線透過率が70%以上であることが好ましい。このようにすれば、レーザー照射して高Ku化を図る際に、レーザー光が十分に磁性層に照射されるため、磁気記録媒体を効率良く高記録密度化することができる。ここで、「光路長1mm、波長範囲350~1500nmにおける平均直線透過率」は、市販の分光光度計で測定可能であり、例えば、島津製作所製分光光度計UV-3100が使用可能である。
また、本発明の磁気記録媒体用ガラス基板は、ディスク形状、つまり円盤形状であり、且つ中心部に円形の開口部が形成されている形状(図1参照)であることが好ましい。
ディスク形状を示すための上方斜視図である。
本発明の磁気記録媒体用ガラス基板において、30~380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数は30×10-7/℃以上であり、好ましくは31×10-7~70×10-7/℃、32×10-7~65×10-7/℃、36×10-7~62×10-7/℃、37×10-7~60×10-7/℃、38×10-7~55×10-7/℃、40×10-7~53×10-7/℃、42×10-7~51×10-7/℃、特に好ましくは42×10-7~50×10-7/℃である。30~380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数が低過ぎると、ガラス基板とスピンドル材料の熱膨張係数差が大きくなるため、周囲の温度変化に対して、両者の熱膨張・熱収縮が整合し難くなる。結果として、磁気記録媒体が変形し易くなり、磁気記録媒体の記録再生の信頼性が低下し易くなる。
本発明の磁気記録媒体用ガラス基板において、ヤング率は80GPa以上であり、好ましくは84GPa以上、特に好ましくは87~120GPaである。ヤング率が低過ぎると、高速回転時に、ガラス基板の撓みやバタツキ(フラッタリング)が発生し易くなるため、情報記録媒体と磁気ヘッドが衝突し易くなる。
本発明の磁気記録媒体用ガラス基板は、ガラス組成として、質量%で、SiO 53~66%、Al 7~34%、B 0~8%、MgO 0~22%、CaO 1~15%、Y+La+ZrO 0~20%を含有することが更に好ましい。上記のように各成分の含有量を限定した理由を以下に示す。なお、各成分の含有量の説明において、%表示は、特に断りがある場合を除き、質量%を表す。
SiOは、ガラスのネットワークを形成する成分である。SiOの含有量は、好ましくは53~66%、55~64%、56~62%、特に57~60%である。SiOの含有量が少な過ぎると、ガラス化し難くなり、また耐熱性が低下し易くなる。一方、SiOの含有量が多過ぎると、溶融性や成形性が低下し易くなり、また熱膨張係数が低くなり過ぎる。
Alは、ヤング率や耐候性を高める成分である。Alの含有量は、好ましくは7~34%、8~26%、9~24%、11~23%、12~22%、14~21%、特に16~21%である。Alの含有量が少な過ぎると、ヤング率や耐熱性が低下し易くなる。一方、Alの含有量が多過ぎると、溶融性、成形性及び耐失透性が低下し易くなる。
は、ガラスのネットワークを形成する成分であるが、ヤング率や耐熱性を低下させる成分である。よって、Bの含有量は、好ましくは0~8%、0.1~7%、1~6%、特に3~5%である。
MgOは、ヤング率を大幅に高める成分であり、また高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。MgOの含有量は、好ましくは0~22%、0.5~21%、1~20%、2~19%、3~18%、4~16%、5~16%、7~16%、8~14%、特に9~12%である。MgOの含有量が少な過ぎると、上記効果を享受し難くなる。一方、MgOの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなる。
CaOは、高温粘度を低下させて、溶融性及び成形性を高める成分である。CaOの含有量は、好ましくは1~15%、2~12%、3~10%、特に5~8%である。CaOの含有量が少な過ぎると、上記効果を享受し難くなる。一方、CaOの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなる。
、La及びZrOは、ヤング率を高める成分である。Y、La及びZrOの合量は、好ましくは0~20%、0.1~18%、0.5~16%、1~15%、1~14%、1~12%、1.2~10%、1.3~8%、特に1.5~5%である。Y、La及びZrOの合量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなる。Yの含有量は、好ましくは0~15%、0.1~14%、0.5~13%、0.5~12%、0.5~10%、0.5~8%、0.5~6%、特に1~4%である。Laの含有量は、好ましくは0~6%、0~4%、特に0~2%である。ZrOの含有量は、好ましくは0~10%、0.1~6%、0.5~4%、特に1~3%である。Yの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなり、また原料コストが高騰し易くなる。Laの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなり、また原料コストが高騰し易くなる。ZrOの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなる。
上記成分以外にも、例えば以下の成分を添加してもよい。
LiO、NaO及びKOは、高温粘度を低下させて、溶融性及び成形性を高める成分であるが、耐水性や耐候性を低下させる成分である。溶融性及び成形性の観点から、LiO、NaO及びKOの合量は、好ましくは0.01~10%、0.05~8%、0.1~5%、0.3~3%、特に0.5~1%未満である。またLiO、NaO及びKOのそれぞれの含有量は、好ましくは0.01~10%、0.05~8%、0.1~5%、0.3~3%、特に0.5~1%未満である。耐水性や耐候性の観点から、~15%、0~10%、0~5%、0~1%、特に0.1~1%未満である。またLiO、NaO及びKOのそれぞれの含有量は、好ましくは0~10%、0~5%、特に0.1~1%未満である。
SrO及びBaOは、高温粘度を低下させて、溶融性及び成形性を高める成分である。SrO及びBaOは、それぞれ0~15%、0.1~12%、特に0.5~10%である。
ZnOは、高温粘性を下げて、溶融性を顕著に高める成分である。ZnOの含有量は、好ましくは0~7%、0.1~5%、特に0.5~3%である。ZnOの含有量が少な過ぎると、上記効果を享受し難くなる。なお、ZnOの含有量が多過ぎると、ガラスが失透し易くなる。
TiOは、耐水性や耐候性を高める成分であるが、ガラスを着色させる成分である。よって、TiOの含有量は、好ましくは0~0.5%、特に0~0.1%未満である。TiOの含有量が多過ぎると、波長範囲350~1500nmにおける平均直線透過率が低下し易くなる。
清澄剤として、SnO、Cl、SO、CeOの群(好ましくはSnO、SOの群)から選択された一種又は二種以上を0.05~0.5%添加してもよい。
Feは、ガラス原料に不純物として不可避的に混入する成分であり、着色成分である。よって、Feの含有量は、好ましくは0.5%以下、0.001~0.1%、0.005~0.07%、0.008~0.03%、特に0.01~0.025%である。Feの含有量が多過ぎると、波長範囲350~1500nmにおける平均直線透過率が低下し易くなる。
、Cr、CoO及びNiOは、着色成分である。よって、V、Cr、CoO及びNiOのそれぞれの含有量は、好ましくは0.1%以下、特に0.01%未満である。V、Cr、CoO及びNiOのそれぞれの含有量が多過ぎると、波長範囲350~1500nmにおける平均直線透過率が低下し易くなる。
環境的配慮から、ガラス組成として、実質的にAs、Sb、PbO、Bi及びFを含有しないことが好ましい。ここで、「実質的に~を含有しない」とは、ガラス成分として積極的に明示の成分を添加しないものの、不純物として混入する場合を許容する趣旨であり、具体的には、明示の成分の含有量が0.05%未満であることを指す。
本発明の磁気記録媒体用ガラス基板は、以下の特性を有することが好ましい。
軟化点は、好ましくは700℃以上、800℃以上、900℃以上、930℃以上、特に950~1150℃である。軟化点が低過ぎると、高温で熱処理やレーザー照射を行う場合に、ガラス基板に歪みが生じ易くなり、磁性層の高Ku化を図り難くなる。更にこの歪みがガラス基板と磁気ヘッドの衝突を引き起こす原因になる虞がある。
光路長1mm、波長範囲350~1500nmにおける平均直線透過率は、好ましくは70%以上、80%以上、特に90%以上である。光路長1mm、波長範囲350~1500nmにおける平均直線透過率が低過ぎると、レーザー照射する際に、レーザー光が十分に磁性層に照射されず、磁性層の高Ku化を図り難くなる。
液相温度は、好ましくは1250℃以下、1200℃以下、1180℃以下、1160℃以下、特に1130℃以下である。液相粘度は、好ましくは103.8dPa・s以上、104.4dPa・s以上、104.6dPa・s以上、104.8dPa・s以上、特に105.0dPa・s以上である。このようにすれば、成形時に失透結晶が析出し難くなり、板状に成形し易くなるため、表面を研磨しなくても、或いは少量の研磨によって、表面粗さの算術平均Raを1.0nm以下、特に0.2nm以下にすることができる。結果として、ビットサイズの微細化によって磁気特性を高めることが可能になる。また失透結晶や研磨量の低減により、ガラス基板の製造コストを低廉化することができる。ここで、「液相温度」は、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れた後、温度勾配炉中に24時間保持して、結晶が析出する温度を測定することにより算出可能である。「液相粘度」は、液相温度におけるガラスの粘度を指し、白金球引き上げ法で測定可能である。
高温粘度102.5dPa・sにおける温度は、好ましくは1550℃以下、1500℃以下、1480℃以下、1200~1450℃、特に1300~1440℃以下である。高温粘度102.5dPa・sにおける温度が高過ぎると、溶融性や成形性が低下して、ガラス基板の製造コストが高騰する。ここで、「高温粘度102.5dPa・sにおける温度」は、白金球引き上げ法で測定可能である。
表面の表面粗さRaは、好ましくは1.0nm以下、0.7nm以下、0.4nm、特に0.2nm以下である。表面の表面粗さRaが大き過ぎると、高記録密度化のためにビットサイズを微細化しても、磁気特性の改善が見込めなくなる。
板厚は、好ましくは1.5mm以下、1.2mm以下、0.2~1.0mm、特に0.3~0.9mmである。板厚が上記範囲外になると、磁気記録媒体の基材に使用し難くなる。
本発明の磁気記録媒体用ガラス基板を製造する方法は、例えば、以下の通りである。まず所望のガラス組成になるように調合したガラス原料を連続溶融炉に投入して、1500~1700℃で加熱溶融し、清澄した後、溶融ガラスを成形装置に供給した上で板状に成形し、冷却することが好ましい。板状に成形した後に、所定寸法に切断加工する方法は、周知の方法を採用することができる。ガラス基板の成形方法として、種々の方法を採択することができる。例えば、オーバーフローダウンドロー法、スロットダウン法、ロールアウト法、リドロー法、フロート法、インゴット成型法等を採択することができる。特に、表面の平坦性や平滑性を高める観点から、オーバーフローダウンドロー法が好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、以下の実施例は単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
表1~9は、本発明の実施例(試料No.1~86)及び比較例(試料No.87)を示している。
Figure 0007276645000001
Figure 0007276645000002
Figure 0007276645000003
Figure 0007276645000004
Figure 0007276645000005
Figure 0007276645000006
Figure 0007276645000007
Figure 0007276645000008
Figure 0007276645000009
まず表中のガラス組成になるように、ガラス原料を調合したガラスバッチを白金坩堝に入れた後、1500~1700℃で24時間溶融、清澄、均質化を行った。ガラスバッチの溶解に際しては、白金スターラーを用いて攪拌し、均質化を行った。次いで、溶融ガラスをカーボン板上に流し出して、板状に成形した後、徐冷点付近の温度で30分間徐冷した。得られた各ガラス基板について、密度Density、30~380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数CTE30~380℃、ヤング率Young’s Modulus、剛性率Shear modulus、ポアソン比Poisson’s ratio、歪点Ps、徐冷点Ta、軟化点Ts、高温粘度104.0dPa・sにおける温度、高温粘度103.0dPa・sにおける温度、高温粘度102.5dPa・sにおける温度、液相温度TL、液相粘度logηを評価した。なお、表中の「N.A.」は、未測定を表している。
密度は、アルキメデス法によって測定した値である。
30~380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数CTE30~380℃は、ディラトメーターで測定した値である。
ヤング率、剛性率及びポアソン比は、共振法により測定した値を指す。
歪点、徐冷点、軟化点は、ASTM C336及びC338の方法に基づいて測定した値である。
高温粘度104.0dPa・s、103.0dPa・s、102.5dPa・sにおける温度は、白金球引き上げ法で測定した値である。
表から明らかなように、試料No.1~86は、30~380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数CTE30~380℃が33.2×10-7/℃以上、ヤング率が80.0GPa以上であるため、磁気記録媒体用ガラス基板として好適である。一方、試料No.87は、30~380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数CTE30~380℃が35.0×10-7/℃、ヤング率が76GPaであった。
表中の試料No.1~87のガラス組成になるように、ガラス原料を調合したガラスバッチを溶融窯に投入した後、1500~1700℃で24時間溶融、清澄、均質化を行い、板厚0.675mmになるように、オーバーフローダウンドロー法で板状に成形した。得られたガラス基板の表面の表面粗さRaを原子間力顕微鏡(AFM)で測定したところ、0.10~0.20nmであった。更に、得られたガラス基板について、光路長1mm、波長範囲350~1500nmにおける平均直線透過率を島津製作所製分光光度計UV-3100で測定したところ、何れも90%以上であった。

Claims (6)

  1. ガラス組成中のAl の含有量が7~34質量%、LiO+NaO+KOの含有量が1質量%未満、Bの含有量が4.4質量%以下であり、30~380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数が30×10-7/℃以上、且つヤング率が80GPa以上であることを特徴とする磁気記録媒体用ガラス基板。
  2. 軟化点が700℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
  3. ガラス組成として、質量%で、SiO 53~66%、Al 7~34%、B 0~2.5%、LiO+NaO+KO 0.01~1%未満、MgO 0~22%、CaO 1~15%、Y+La+ZrO 0~20%を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
  4. 表面の表面粗さRaが1.0nm以下であることを特徴とする請求項1~3の何れかに記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
  5. 光路長1mm、波長範囲350~1500nmにおける平均直線透過率が70%以上であることを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
  6. ディスク形状であることを特徴とする請求項1~5の何れかに記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
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