JP7247502B2 - 包装材及び包装容器 - Google Patents

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Description

本発明は、包装材及びこれを用いた包装容器に関する。
絵柄印刷により装飾が施されるプラスチック系包装材には、基材の外層側に絵柄印刷層が形成される、いわゆる表刷りのものと、透明基材の内層側に絵柄印刷層が形成される、いわゆる裏刷りのものとがある。
表刷りの場合は、あらゆる基材に印刷することができ、印刷イメージどおりの外観が得られやすい。その反面、包装材の外表面への衝撃や摩擦等により絵柄印刷に傷や剥離が生じやすいという短所がある。
これに対して、裏刷りは、透明基材の内層側(裏側)に印刷されるため、包装材の外表面への衝撃や摩擦等に対しても、絵柄印刷の傷や剥離は生じにくいという長所を有している。
また、裏刷りした包装材の光沢を調整して装飾効果を高めるために、透明基材の外層側の表面にマット層を形成することも従来から行われている(特許文献1)。
特開平5-305962号公報
しかしながら、特許文献1のように外層側にマット層を形成した包装材は、照明条件、包装容器を配置する場所、及び観察する人の違い等の各種条件により、光沢感が異なるように感じられるケースが頻発した。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、光沢感の印象の差異を抑制し得る包装材及びこれを用いた包装容器を提供することを目的とする。
本発明は、以下の[1]~[2]を提供するものである。
[1]外層側から、マット層、プラスチックフィルム及び絵柄層をこの順に有してなり、JIS Z8741:1997に準拠して外層側から測定した20度鏡面光沢度の平均及び60度鏡面光沢度の平均を、それぞれG20及びG60とした際に、G20が15.0%以下であり、G60/G20が5.0以下である、包装材。
[2]上記[1]に記載の包装材で形成されてなる包装容器。
本発明の包装材及びこれを用いた包装容器は、光沢感の印象の差異を抑制することができる。
本発明の包装材の一実施形態を示す断面図である。 比較例1のマット層の垂直断面のイメージ図である。 実施例1のマット層の垂直断面のイメージ図である。 比較例2のマット層の垂直断面のイメージ図である。 本発明の包装容器の一実施形態を示す背面図である。
以下、本発明の包装材及びこれを用いた包装容器について説明する。なお、本明細書中の「AA~BB」との数値範囲の表記は、「AA以上BB以下」であることを意味する。
[包装材]
本発明の包装材は、外層側から、マット層、プラスチックフィルム及び絵柄層をこの順に有してなり、JIS Z8741:1997に準拠して外層側から測定した20度鏡面光沢度の平均及び60度鏡面光沢度の平均を、それぞれG20及びG60とした際に、G20が15.0%以下であり、G60/G20が5.0以下であるものである。
図1は、本発明の包装材100の積層構成の例を示す概略断面図である。
図1においては、上が外層側(表面側)であり、下が内層側(裏面側)である。本発明の包装材100は、図1に示すように、外層側から、マット層10、プラスチックフィルム20及び絵柄層30をこの順に有している。
包装材100は、その他の層を構成層として含んでいてもよい。例えば、図1の包装材100は、絵柄層30の内層側に、接着剤層40、ガスバリア層50及びシーラント層60を備えている。
<鏡面光沢度>
本発明の包装材は、JIS Z8741:1997に準拠して外層側から測定した20度鏡面光沢度の平均及び60度鏡面光沢度の平均を、それぞれG20及びG60とした際に、G20が15.0%以下であり、G60/G20が5.0以下であるものである。
まず、本発明の包装材は、G20(20度鏡面光沢度の平均)が15.0%以下であることを要する。G20が15.0%を超える場合、外光の反射の抑制が不十分であり、マット層により装飾効果を高めることができない。
20は12.5%以下であることが好ましく、10.0%以下であることがより好ましく、9.0%以下であることがさらに好ましい。
なお、G20が小さすぎると、マット層及びプラスチックフィルムの厚みによっては絵柄層が視認し難くなる場合がある。このため、G20は2.0%以上であることが好ましく、3.0%以上であることがより好ましく、5.0%以上であることがさらに好ましい。
また、本発明の包装材は、G20(20度鏡面光沢度の平均)に対するG60(60度鏡面光沢度の平均)が5.0以下であることを要する。
60/G20が5.0以下であることは、20度鏡面光沢度に対する60度鏡面光沢度の増加率が小さいことを意味している。したがって、G60/G20が5.0以下であることは、角度に関する要因(照明の位置、包装容器が陳列される位置及び観察者の位置。ここでの位置は三次元的な位置である。)に関わらず、光沢感の印象の差異を抑制できることを意味している。また、G60/G20が5.0以下であることは、室内環境及び陳列状態の相違に関わらず、様々な消費者に対して同等の宣伝広告効果を付与でき、包装材として極めて有用な効果を奏しているといえる。
一方、G60/G20が5.0を超える場合、前述の角度に関する要因による光沢感の印象の差異を抑制できない。
60/G20は4.7以下であることが好ましく、3.0以下であることがより好ましく、2.5以下であることがさらに好ましい。なお、G60/G20の下限は1.5程度である。
角度によって鏡面光沢度が変化する理由を、図2及び図3を用いて説明する。
図2は比較例1のマット層の垂直断面のイメージ図であり、図3は実施例1のマット層の垂直断面のイメージ図である。図2及び図3の凹凸面のうち平滑面に入射した光は、入射光に対して正反射方向に反射して、鏡面光沢度を上昇することになる。例えば、入射角度が20度の場合、平滑面に入射した光は-20度の方向に正反射する。一方、図2及び図3の凹凸面の斜面に入射した光は、鏡面光沢度の上昇には殆ど寄与しない。
入射角度が20度の場合、凹凸面のうちの平滑な箇所に光が入射する確率は、図2及び図3の凹凸面でほぼ同一である。このため、図2及び図3の20度鏡面光沢度は同程度の値となる。
一方、入射角度が60度の場合、光が平滑面に入射する確率は、図2及び図3の凹凸面では相違する。まず、図2の凹凸面では、入射角度20度よりも射角度60度の方が、光が平滑面に入射する確率が大きく上昇する。このため、図2の凹凸面は、20度鏡面光沢度に比べて、60度鏡面光沢度が大きく上昇する。図2の凹凸面を深い角度から視認した場合、凸部の頂部の平滑面が見える割合が大きく増加することをイメージすると、この現象を理解しやすい。次に、図3の凹凸面では、局所的に存在する標高の高い凸部の光の進行側に位置する標高の低い凸部は、その頂部の平滑面が標高の高い凸部に隠された状態となり、さらに、標高の高い凸部の斜面に入射する光の割合が増加するため、光が平滑面に入射する確率の上昇率は図2の凹凸面に比べて低くなる。
以上のことから、G20(20度鏡面光沢度の平均)がほぼ同等であったとしても、表面形状の違いにより、G60/G20に違いが生じるものと考えられる。
なお、図4は比較例2のマット層の垂直断面のイメージ図である。図4の凹凸面は、図3の凹凸面と同様に、深い角度から視認しても凸部の頂部の平滑面が見える割合が大きく増加するわけではない。このため、図4のように、局所的に存在する標高の高い凸部と、残部の平滑部とから形成されている凹凸面は、G60/G20が小さくなる傾向にある。しかし、図4の凹凸面は平滑面の割合が多すぎるため、防眩性を満足する程度にG20を小さくできないものとなる。
本明細書において、G20及びG60は、20箇所の測定値の平均値とする。
なお、絵柄層が多層の場合は、絵柄層の積層構成が実質的に同一である20箇所で鏡面光沢度を測定することが好ましい。また、後述するクリア層等の他の層がマット層上の一部に形成されている場合、他の層を有さない箇所(=マット層が最外層となっている箇所)で鏡面光沢度を測定することが好ましい。
<マット層>
マット層は、プラスチックフィルムの外層側に形成される。
マット層は、プラスチックフィルム上の一部のみに有していてもよいし、プラスチックフィルムの全面に有していてもよいが、意匠性の観点から、プラスチックフィルムの全面に有することが好ましい。
マット層は、型に樹脂を流し込むなどして、粒子を含まずに形成したものであってもよいが、耐擦過性の観点から、バインダー樹脂及び粒子を含むものが好ましい。
<<粒子>>
粒子は、有機粒子、無機粒子から選ばれる1種以上を用いることができる。
有機粒子としては、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル-スチレン共重合体、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ベンゾグアナミン-メラミン-ホルムアルデヒド縮合物、シリコーン、フッ素系樹脂及びポリエステル系樹脂等からなる粒子が挙げられる。
無機粒子としては、シリカ、沈降性バリウム、アルミナ、アンチモン、ジルコニア及びチタニア等からなる粒子が挙げられる。
これらの中でも、耐擦過性を良好にしやすい無機粒子が好ましい。無機粒子は、包装材の端部をヒートシールする際の耐熱性に優れる点でも好適である。また、無機粒子の中でも、マット層の白化を抑制しやすいシリカが好ましい。
無機粒子は、表面が疎水化処理された無機粒子が好ましい。無機粒子の表面を疎水化処理することにより、マット層内において無機粒子の凝集を抑制しやすくできる。そして、無機粒子の凝集を抑制しつつ、平均粒子径の異なる2種類の無機粒子を用いることにより、マット層の断面形状を図3のようなイメージにしやすくでき、G60/G20を上記範囲にしやすくできる。また、マット層内で粒子が凝集すると、粒子間に空隙が生じ、擦過時に該空隙が消失することによって擦過の痕跡が目立ちやすくなる現象を生じることがあるが、粒子の凝集を抑制することにより、該現象を抑制できる。
なお、表面が疎水化処理された無機粒子とは、無機粒子の表面に、無機粒子の表面の官能基と、表面処理剤との反応物を有するものである。無機粒子の表面の官能基としては、例えばシリカ粒子のシラノール基が挙げられる。
表面処理剤としては、トリメチルシリルクロライド、ジメチルジクロロシラン、トリメチルシリルトリフロロメタンスルホネート、クロロメチルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラザン、トリエチルシラン、トリエチルシリルクロライド、トリイソプロピルシリルクロライド、t-ブチルジメチルシラン、t-ブチルジメチルシリルクロライド、オクチルシラン、ヘキサデシルシラン、アリルトリメチルシラン、トリメチルビニルシラン、アミノシラン、メタクリルシラン及びポリジメチルシロキサン等から選ばれる1種以上が挙げられる。
粒子の平均粒子径は0.1~15.0μmであることが好ましく、1.0~10.0μmであることがより好ましく、2.0~7.5μmであることがさらに好ましく、2.7~5.0μmであることがよりさらに好ましい。
本明細書において、粒子の平均粒径は、レーザー光回折法による粒度分布測定における質量平均値d50として測定したものである。
また、粒子は、平均粒子径の異なる2種の粒子を含むことが好ましい。すなわち、マット層は、バインダー樹脂、及び、平均粒子径の異なる2種の粒子を含むことが好ましい。
平均粒子径の異なる2種の粒子を含むことにより、平均粒子径の小さい粒子によってG20を15.0%以下としやすくでき、また、平均粒子径の小さい粒子に平均粒子径の大きい粒子が追加されることによって、マット層の表面形状を図3のようなイメージとしてG60/G20を5.0以下にしやすくできる。
なお、本発明の効果を阻害しない範囲で、3種以上の粒子を含んでもよい。
平均粒子径の異なる2種の粒子のうち、平均粒子径の大きい粒子は、耐擦過性の観点から無機粒子であることが好ましく、マット層の白化抑制の観点からシリカであることがより好ましい。また、平均粒子径の異なる2種の粒子は、何れも無機粒子であることが好ましく、何れもシリカであることがより好ましい。平均粒子径の異なる2種の粒子を前述した構成とすることは、包装材の端部をヒートシールする際の粒子の耐熱性を良好にする点でも好適である。
また、平均粒子径の異なる2種の粒子は、少なくとも一方が表面が疎水化処理された無機粒子であることが好ましく、何れも表面が疎水化処理された無機粒子であることがより好ましい。
平均粒子径の異なる2種の粒子のうち、平均粒子径の大きい粒子の平均粒子径をD、前記マット層の平均厚みをTとした際に、2.0≦D/T≦5.0の関係を満たすことが好ましい。
/Tを2.0以上5.0以下とすることにより、G60/G20を上記範囲にしやすくできる。また、D/Tを5.0以下とすることにより、粒子径の大きい粒子の脱落を抑制しやすくでき、また、包装材の端部をヒートシールする際の加熱ムラを抑制できる。
/Tは、2.2以上4.0以下であることがより好ましく、2.5以上3.5以下であることがさらに好ましい。
また、平均粒子径の異なる2種の粒子のうち、平均粒子径の小さい粒子の平均粒子径をDとした際に、0.9≦D/T≦2.0の関係を満たすことが好ましい。
/Tを0.9以上2.0以下とすることにより、G20を上記範囲にしやすくできる。D/Tは、1.0以上1.8以下であることがより好ましく、1.3以上1.7以下であることがさらに好ましい。
また、平均粒子径の大きい粒子と平均粒子径の小さい粒子との粒子径の差(D-D)は、2.0μm以上5.0μm以下であることが好ましく、2.2μm以上4.0μm以下であることがより好ましく、2.5μm以上3.5μm以下であることがさらに好ましい。D-Dを前記範囲とすることにより、G60/G20を上記範囲にしやすくできる。
マット層中の粒子の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して1~100質量部であることが好ましく、3~50質量部であることがより好ましく、5~20質量部であることがさらに好ましい。
粒子の含有量を1質量部以上とすることにより、G20を上記範囲にしやすくできる。また、粒子の含有量を100質量部以下とすることにより、マット層中における粒子の結着性を良好にしやすくできる。
粒子として、平均粒子径の異なる2種の粒子を含む場合、平均粒子径の大きい粒子と平均粒子径の小さい粒子との質量比は、80:20:~20:80であることが好ましく、70:30~30:70であることがより好ましく、60:40~40:60であることがさらに好ましい。
平均粒子径の異なる2種の粒子を上記の質量比で用いることにより、G20及びG60/G20を上記範囲にしやすくできる。
マット層の平均厚みTは0.5~10.0μmであることが好ましく、1.0~5.0μmであることがより好ましく、1.5~2.5μmであることがさらに好ましい。
マット層の平均厚みTを0.5μm以上とすることにより、粒子の結着性を良好にして、耐擦過性を良好にしやすくできる。また、マット層の平均厚みTを10.0μm以下とすることにより、絵柄層の視認性が低下することを抑制できる。
本明細書において、各層の厚み(平均厚み)は、例えば、包装材を垂直方向に切断した断面の写真を撮像し、この断面写真に基づいて測定した20箇所の厚みの平均値として算出できる。なお、マット層の平均厚みTは、マット剤が存在しない20箇所の厚みの平均値として算出することが好ましい。
<<バインダー樹脂>>
マット層のバインダー樹脂としては、汎用の熱可塑性樹脂、硬化性樹脂を用いることができ、耐擦過性及びヒートシール時の耐熱性の観点から硬化性樹脂が好ましい。硬化性樹脂としては電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂が挙げられる。電離放射線硬化性樹脂は、マット層を硬くでき、耐擦過性を良好にし得るが、マット層を硬くしすぎた場合、加工時や流通時にマット層にひび割れが生じやすくなるため、熱硬化性樹脂が好ましい。特に、軟包装材の場合、マット層が硬過ぎると包装材に皺が生じた際にマット層にひび割れが生じやすいため、バインダー樹脂として熱硬化性樹脂を用いることが好適である。
熱硬化性樹脂は、塗工液を長時間使用可能にする観点から、2液硬化型樹脂を用いることが好ましい。2液硬化型樹脂としては、ポリオールとイソシアネートとの2液硬化型樹脂が好ましい。
ポリオールとしては、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、エポキシポリオール等が挙げられ、これらのうち、アクリルポリオールが好ましい。アクリルポリオールとしては、塩化ビニル変性アクリルポリオール、塩化ビニル-酢酸ビニル変性アクリルポリオール、塩素化ポリオレフィン変性アクリルポリオール、メチル(メタ)アクリレート-2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、オクチル(メタ)アクリレート-エチルヘキシル(メタ)アクリレート-2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート-ブチル(メタ)アクリレート-2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート-スチレン共重合体等が挙げられるが、これらのうち、塩化ビニル変性アクリルポリオールが好ましい。
また、イソシアネートとしては、公知の化合物を使用することができる。例えば、2,4-トリレンジイソシアネート(略称:TDI)、ナフタレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(略称:HMDI)、イソホロンジイソシアネート(略称:IPDI)、メチレンジイソシアネート(略称:MDI)、キシリレンジイソシアネート(略称:XDI)、水素添加トリレンジイソシアネート;水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式イソシアネート等のポリイソシアネートが挙げられる。また、これらのイソシアネートの付加体又は多量体、例えば、トリメチルプロパンのTDI付加体、TDIの3量体等も挙げられる。
マット層中には、本発明の効果を妨げない範囲において、安定剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の光安定剤、分散剤、増粘剤、乾燥剤、帯電防止剤等の任意の添加剤を添加することができる。
マット層は、例えば、バインダー樹脂及び粒子等を含むマット層用インキを用いた印刷によりプラスチックフィルム上に形成することができる。印刷方式は、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、シルクスクリーン印刷等が挙げられる。これらのうち、グラビア印刷が好ましい。
<プラスチックフィルム>
プラスチックフィルムの材料としては、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS)樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン-ビニルエステル共重合体ケン化物、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、各種ナイロン(Ny)等のポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂(PVDC)等が挙げられる。これらの中でも、汎用性の観点からは、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、耐熱性や強度等の観点からは、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂が好ましい。
プラスチックフィルムは、上記のうちの2種以上の樹脂のフィルムが積層された複合フィルムであってもよい。
プラスチックフィルムは、第1方向の引張強度をT1、前記第1方向と直交する方向である第2方向の引張強度をT2とした際に、T2/T1が4.0以上であることが好ましい。
T2/T1が4.0以上であることにより、プラスチックフィルムを分子の配向性の高い第2方向(延伸方向)に直線的に容易に引き裂くことができ、ひいては、包装材を同方向に引き裂きやすくすることができる。T2/T1は、4.5以上であることが好ましく、5.0以上であることがより好ましい。
なお、T2/T1が大き過ぎると、プラスチックフィルム単体での取り扱い性が低下する傾向がある。このため、T2/T1は10.0以下であることが好ましく、8.0以下であることがより好ましい。
プラスチックフィルムのT2/T1は、幅方向及び流れ方向の延伸倍率の比で調整できる。すなわち、幅方向及び流れ方向の何れかの延伸倍率を大きくし、他方の延伸倍率を小さくするほど、T2/T1を大きくすることができる。一方、幅方向及び流れ方向の延伸倍率を同程度とすれば、T2/T1を1.0に近づけることができる。
第1方向の引張強度T1は、第2方向への引き裂きの容易性と、プラスチックフィルム単体での取り扱い性とのバランスの観点から、20~100MPaであることが好ましく、30~80MPaであることがより好ましい。
本明細書において、プラスチックフィルムの引張強度は、JIS K7127:1999に準じて測定した、10個のサンプルの平均値から算出したものとする。
プラスチックフィルムの厚みは、包装材の用途に応じて適宜設定することができるが、通常、5~50μm程度であることが好ましく、より好ましくは8~40μm、さらに好ましくは10~25μmである
プラスチックフィルムは、JIS K7361-1:1997の全光線透過率が85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。また、プラスチックフィルムは、JISK7136:2000のヘイズが1.0%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましく、0.3%以下であることがさらに好ましい。
全光線透過率及び/又はヘイズを上記範囲とすることにより、絵柄層の視認性を良好にすることができる。
プラスチックフィルム及び後述するシーラント層は、それぞれ同系統の樹脂を主成分として含むことが好ましい。例えば、プラスチックフィルム及び後述するシーラント層は、それぞれポリプロピレンを主成分として含むことが好ましい。該構成を有することにより、包装材のリサイクル性を良好にしやすくできる。
包装材が後述する中間基材をさらに有する場合、プラスチックフィルム、シーラント層及び中間基材が同系統の樹脂を主成分として含むことが好ましい。その際、同系統の樹脂はポリプロピレンであることが好ましい。
なお、主成分とは、各層を構成する全樹脂の50質量%以上であることを意味し、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、よりさらに好ましくは95質量%以上である。
<絵柄層>
絵柄層は、プラスチックフィルムの内層側に形成される。
絵柄層とは、例えば、文字(商品名、製品表示、品質表示等)、図形、写真、記号、模様、パターン等を含む広い概念である。また、絵柄層はベタ印刷であってもよい。
絵柄層は、例えば印刷により形成することができる。絵柄層は、図1のように単層であってもよいし、2以上の層から形成されるものであってもよい。
絵柄層の形成に用いられるインキ(絵柄層形成用インキ)としては、バインダー樹脂に顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合したものが使用される。顔料としては、汎用の有色顔料の他、パール顔料及び金属鱗片等の光輝性顔料を用いてもよい。
バインダー樹脂としては特に制限はなく、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
絵柄層は、絵柄層を構成する各成分を含む絵柄層形成用インキを調製し、該インキを塗布し、必要に応じて乾燥、硬化することにより形成できる。絵柄層形成用インキは、溶剤臭を抑制するため無溶剤であることが好ましい。
絵柄層を塗布する手段としては、グラビア印刷、オフセット印刷及びフレキソ印刷等が挙げられる。
絵柄層の総厚みは、特に限定されるものではないが、通常、0.5~10μm程度であることが好ましく、より好ましくは1.0~5μmである。
<シーラント層>
包装材は、絵柄層の内層側にシーラント層を有することが好ましい。
シーラント層は、包装材の最内層に形成され、内層側の面が被包装物と接触し、被包装物を保護するものである。被包装物が液状の場合には、シーラント層は液状物に対する耐浸透性を有していることが好ましい。
また、シーラント層は、包装材を包装袋の形態にしやすくするために、内層側がヒートシール性を有していることが好ましい。
シーラント層の総厚みは、特に限定されるものではなく、包装材の用途及び被包装物の種類や性質等に応じて適宜設定されるが、通常、10~200μm程度であることが好ましい。
包装材で包装袋が形成される場合、シーラント層の厚みは、より好ましくは15~150μm、さらに好ましくは20~100μmである。
シーラント層を構成する材料としては、例えば、低密度PE(LDPE)、直鎖状低密度PE(LLDPE)、中密度PE(MDPE)、高密度PE(HDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体、プロピレン単独重合体、エチレン-プロピレンブロック共重合体、エチレン-プロピレンランダム共重合体等のポリオレフィン系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上の樹脂を用いることができる。シーラント層は、単層で構成しても、2層以上の多層で構成してもよい。
シーラント層は、ヒートシールの際の収縮を抑制するために、前述した樹脂からなる無延伸のフィルムであることが好ましい。例えば、シーラント層は、無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)であることが好ましい。
<接着剤層>
接着剤層は、包装材を構成する層間密着性を向上するために、必要に応じて形成される。図1の包装材100の場合、絵柄層30とガスバリア層50との間に接着剤層40が形成されている。
なお、プラスチックフィルムとして上述した引き裂き性に優れたものを用いる場合、接着剤層によって層間密着性を高めることにより、プラスチックフィルムの引き裂き性が内層側まで伝播しやすくなり、包装材全体としての第2方向への引き裂き性を良好にし得る点で好ましい。
接着剤層は、例えば、ドライラミネート用接着剤を用いた方法により形成することができる。
ドライラミネート用接着剤としては、ポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂及びメラミン樹脂等のアミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤(例えば、ポリオールとイソシアネート化合物との硬化物)、反応型(メタ)アクリル酸系接着剤、クロロプレンゴム、ニトリルゴム及びスチレン-ブタジエンゴム等のゴム系接着剤、シリコーン系接着剤、アルカリ金属シリケート及び低融点ガラス等の無機系接着剤等が挙げられる。
また、接着剤層は、溶融押し出し法により形成することもできる。溶融押し出し法により形成した接着剤層は溶剤臭を無くすことができる点で好ましい。
溶融押し出し法用の接着剤は、溶融押し出し可能であり、かつ、接着性を付与できる樹脂であれば特に制限されることなく使用でき、例えば、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体及びエチレン-酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体及びエチレン-酢酸ビニル共重合体は、蒸着膜との接着性に優れる点で好ましい。
接着剤層の厚みは、1~15μmであることが好ましく、2~10μmであることがより好ましく、3~7μmであることがさらに好ましい。
<ガスバリア層>
包装材は、ガスバリア層を有していてもよい。
ガスバリア層は、プラスチックフィルムよりも内層側に形成することが好ましく、絵柄層より内層側に形成することがより好ましい。
また、包装材がシーラント層を有する場合には、ガスバリア層は、絵柄層とシーラント層との間に形成することが好ましい。その際、絵柄層とガスバリア層との間には接着剤層を形成することがより好ましい。
ガスバリア層は、包装材による被包装物と包装材の外部環境との間で、酸素や水蒸気等の透過を遮断するものである。また、可視光や紫外線等の透過を遮断する遮光性をも付与するものであってもよい。ガスバリア層は、1層で構成されていても、2層以上の多層で構成されていてもよい。ガスバリア層は、公知の材料により構成することができ、例えば、アルミ箔や、プラスチックフィルム又はシーラント層表面に蒸着膜や塗布膜を形成した構成とすることができる。塗布膜を形成する場合は、ガスバリア性の向上の観点から、蒸着膜の表面に形成されることが好ましい。
なお、蒸着膜や塗布膜の密着性向上の観点から、プラスチックフィルム又はシーラント層には、予め表面処理を施しておいてもよい。表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガスや窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、酸化剤処理、アンカーコート剤の塗布等が挙げられる。
前記蒸着膜としては、例えば、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、スズ、ナトリウム、ホウ素、チタン、鉛、ジルコニウム、イットリウム等の無機物又はこれらの酸化物により形成することができる。
蒸着膜の形成方法としては、例えば、真空蒸着やスパッタリング、イオンプレーティング等の物理蒸着(PVD)法、プラズマ化学気相成長や熱化学気相成長、光化学気相成長等の化学蒸着(CVD)法等が挙げられる。
蒸着膜の膜厚は、成膜材料や要求されるガスバリア性能等によって異なるが、通常、5~200nm程度であることが好ましく、より好ましくは5~150nm、さらに好ましくは10~100nmである。ケイ素酸化物やアルミニウム酸化物等の無機酸化物の場合は、5~100nm程度であることが好ましく、より好ましくは5~50nm、さらに好ましくは10~30nmである。
前記塗布膜としては、例えば、一般式R1 M(OR2m(式中、R1、R2は炭素数1~8の有機基、Mは金属原子である。nは0以上の整数、mは1以上の整数を表し、n+mはMの原子価である。)で表される1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン-ビニルアルコール共重合体とを、ゾル-ゲル法触媒、酸、水及び有機溶剤の存在下で、ゾル-ゲル法により重縮合して得られた塗工液を塗布し、50~300℃で、0.05~60分間加熱処理することにより形成することができる。
塗布方法としては、例えば、グラビアロールコーター等のロールコート、スプレーコート、スピンコート、ディッピング、刷毛、バーコート、アプリケータ等の塗布手段により行うことができる。1回又は複数回の塗布で、塗布膜の乾燥膜厚が0.01~30μm程度となることが好ましく、より好ましくは0.05~20μm、さらに好ましくは0.1~10μmである。
<クリア層>
包装材は、マット層上の一部にクリア層を有していてもよい。かかる構成とすることにより、クリア層を有する箇所と、クリア層を有さない箇所とで光沢の差が生じ、意匠性をより良好にできる点で好ましい。
クリア層の厚みは、0.5~15μm程度であることが好ましく、より好ましくは1~10μm、さらに好ましくは2~7μmである。
クリア層は、マット層表面に、例えば、グロスニス(OPニス)でコーティングすることにより形成することができる。このような部分的なコーティングは、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷により行うことができる。これらのうち、グラビア印刷、フレキソ印刷が好ましい。
グロスニスとしては、水性ニス及び油性ニスのいずれを用いることもできる。
水性ニスとしては、例えば、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリル-スチレン共重合体等の樹脂成分を、水と少量の揮発性有機溶剤に溶解又は分散させたものを用いることができる。揮発性溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類やアセトン、メチルエチルケトン、エチルアセテート等が挙げられる。
油性ニスとしては、例えば、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂等の樹脂成分を、揮発性有機溶剤に溶解又は分散させたものを用いることができる。揮発性溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、トルエン、エタノール、イソプロパノール等が挙げられる。
水性ニス及び油性ニスには、さらに、必要に応じて、潤滑剤や界面活性剤等の添加剤を添加することができる。水性ニス及び油性ニス中の樹脂成分は、40~85質量%であることが好ましい。
<中間基材>
中間基材は、例えば、絵柄層よりも内層側に形成することができる。
中間基材は、包装材の強度の向上や加工適性の向上、他の層(ガスバリア層等)を形成するための基材として、必要に応じて設けられる。
中間基材は、プラスチックフィルムが挙げられる。中間基材としてのプラスチックフィルムの構成材料としては、上述したプラスチックフィルムと同様の材料を用いることができる。
中間基材の厚みは、1~50μm程度であることが好ましく、より好ましくは2~40μm、さらに好ましくは3~30μmである。
[包装容器]
本発明の包装容器は、少なくとも一部が上述した本発明の包装材で形成されてなるものである。
包装容器としては、包装袋、蓋付容器、カップ及びトレー等が挙げられる。
包装袋の形態は、筒型の胴への背シールと上下のシールがされたピロー袋(合掌袋)、三辺がシールされている三方シール袋、四辺がシールされている四方シール袋、袋の底が立体的に確保されており自立可能なスタンディングパウチ、両サイド又は底がV字型に畳まれているガゼット袋が挙げられる。
これら包装容器は、少なくとも一部が上述した本発明の包装材から形成されてなるものである。
包装袋の場合、包装材は最内層にシーラント層を有するものを用い、該シーラント層の一部をシールして形成されてなるものが好ましい。
図5は、ピロー袋(合掌袋)200の一実施形態を示す背面図である。
ピロー袋200は、例えば、1枚の長方形のシート状の包装材100の内層側(例えばシーラント層)をシールすることにより製袋される。シール部は、背シール部101、下シール部102及び上シール部103がある。
なお、ピロー袋(合掌袋)200は図示しないノッチ部等の切れ込みを有していても良い。
プラスチックフィルムとして引き裂き性を有するものを用いた場合、包装袋は、シール部の任意の箇所に、第2方向と略平行な方向に延びる切れ込み部を有することが好ましい。当該構成を有することにより、切れ込み部を出発点として、第2方向に沿って包装袋を引き裂きやすくすることができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は、これにより限定されるものではない。
1.測定及び評価
実施例及び比較例で得られた包装材について、以下の測定及び評価を行った。結果を表1に示す。なお、測定時の雰囲気は、温度は23℃±5℃、湿度40~65%とした。また、測定開始前に、前記雰囲気にサンプルを30分以上晒した。
1-1.表面形状
JIS Z8741:1997に準拠して、実施例及び比較例で得られた包装材の外層側(マット層側)から、20度鏡面光沢度及び60度鏡面光沢度を20箇所で測定し、20度鏡面光沢度の平均(G20)及び60度鏡面光沢度の平均(G60)を算出した。また、G60/G20を算出した。
1-2.光沢感の印象の差異
天井に一つの蛍光灯が配置された室内で、実施例及び比較例で得られた包装材の外層側の光沢感を評価した。具体的には、20歳代、30歳代、40歳代、50歳代の4つの年代から、男女5名ずつ合計40名が、包装材を様々な角度に傾けながら光沢感を評価した。
角度により光沢の違いを感じ難いものを3点、どちらとも言えないものを2点、角度により光沢の違いを感じやすいものを1点として、上記40人の評価の平均点を算出した。
本評価では、包装材を様々な角度に傾けながら光沢感を評価しているため、角度に関する要因(照明の位置、包装容器が陳列される位置及び観察者の位置)を考慮した評価であるといえる。
<評価基準>
A:平均点が2.5以上
B:平均点が2.0以上2.5未満
C:平均点が2.0未満
1-3.防眩性
上記1-2の評価の際に、包装材の外層側の表面への蛍光灯の映り込みが気になるか否かを評価した。蛍光灯の映り込みが気にならないものを3点、どちらとも言えないものを2点、蛍光灯の映り込みが気になるものを1点として、上記1-2と同様の40人が評価し、その平均点を算出した。
<評価基準>
A:平均点が2.5以上
B:平均点が2.0以上2.5未満
C:平均点が2.0未満
2.包装材の作製
[実施例1]
プラスチックフィルム(一軸延伸ポリプロピレンフィルム、厚み20μm)の内層側(裏面)の一部に、下記処方の絵柄層用インキをグラビア印刷で裏刷りし、厚み1.0μmの絵柄層を形成した。
次いで、プラスチックフィルムの外層側(表面)の全面に、下記処方のマット層用インキをグラビア印刷し、厚み2.0μmのマット層を形成した。
次いで、シーラント層(CPP、エチレン-プロピレンブロック共重合体の単層フィルム、厚み25μm)上に厚み300~700Åのアルミ蒸着膜が形成されてなる積層体1を準備し、該積層体のアルミ蒸着膜上に、ポリオール及びイソシアネート化合物を含む接着剤層形成用塗布液を塗布、乾燥して、厚み3μmのポリウレタン系接着剤層を形成し、接着剤層、アルミ蒸着膜(金属層)及びシーラント層をこの順に有する積層体2を得た。
次いで、プラスチックフィルムの絵柄層を形成した側の面に、積層体2の接着剤層側の面をドライラミネートして、実施例1の包装材を得た。
実施例1の包装材は、マット層、プラスチックフィルム、絵柄層、接着剤層、アルミ蒸着膜(金属層)及びシーラント層をこの順に有するものであった。
次いで、実施例1の包装材を用い、シーラント層をヒートシールして、図5の形態のピロー袋を作製した。その際、プラスチックフィルムの延伸方向が図5の上下方向になるようにした。さらに、上シール部に縦方向(プラスチックフィルムの延伸方向と平行な方向)に線状のノッチ部を形成し、実施例1の包装袋(ピロー袋)を得た。
各層の構成材料の詳細及びインキの処方等を以下に示す。
<絵柄層用インキ>
・有機系赤色顔料:3質量部
・沈降防止剤(微粒子シリカ):2質量部
・バインダー樹脂(ポリウレタン系樹脂):20質量部
・溶剤1(ミネラルスピリット):7質量部
・溶剤2(プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸エチル、イソプロパノールの混合溶剤):70質量部
<マット層用インキ>
・疎水化処理シリカ粒子(平均粒径3.0μm):6質量部
・疎水化処理シリカ粒子(平均粒径6.0μm):6質量部
・バインダー樹脂(ポリオールとイソシアネートとの2液硬化型ポリウレタン樹脂):100質量部
・溶剤(酢酸ノルマルプロピル、酢酸エチル):適量
[実施例2~3]、[比較例1~2]
マット層用インキのシリカ粒子の平均粒子径、マット層中のシリカ粒子の含有量、並びに、マット層の厚みを表1の条件に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2~3及び比較例1~2の包装材及び包装袋を得た。
[比較例3]
マット層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例3の包装材を得た。
Figure 0007247502000001
表1に示した結果から、実施例1~3の包装材は、角度に関する要因に関わらず光沢感の印象の差異を抑制することができることが確認できる。このことは、室内環境及び陳列状態の相違に関わらず、様々な消費者に対して同等の宣伝広告効果を付与でき、包装材として極めて有用な効果を奏しているといえる。
10:マット層
20:プラスチックフィルム
30:絵柄層
40:接着剤層
50:ガスバリア層
60:シーラント層
100:包装材
101:背シール部
102:下シール部
103:上シール部
200:包装袋

Claims (8)

  1. 外層側から、マット層、プラスチックフィルム及び絵柄層をこの順に有してなり、
    前記マット層が、バインダー樹脂と、平均粒子径が異なる2種類のシリカ粒子を含み、
    前記平均粒子径の異なる2種のシリカ粒子のうち、平均粒子径の大きいシリカ粒子の平均粒子径をD 、前記マット層の平均厚みをTとした際に、2.0≦D /T≦5.0の関係を満たし、
    JIS Z8741:1997に準拠して外層側から測定した20度鏡面光沢度の平均及び60度鏡面光沢度の平均を、それぞれG20及びG60とした際に、G20が15.0%以下であり、G60/G20が5.0以下である、包装材。
  2. 前記シリカ粒子が、表面が疎水化処理されたシリカ粒子である、請求項1に記載の包装材。
  3. 平均粒子径が大きいシリカ粒子と平均粒子径が小さいシリカ粒子との質量比が、70:30~30:70である、請求項1または請求項2に記載の包装材。
  4. 前記G20が3.0%以上であり、前記G60/G20が1.5以上である、請求項1~3の何れか1項に記載の包装材。
  5. 前記平均粒子径の異なる2種のシリカ粒子のうち、平均粒子径の小さいシリカ粒子の平均粒子径をDとした際に、D-Dが2.2μm以上4.0μm以下である、請求項1~4の何れか1項に記載の包装材。
  6. 前記絵柄層よりも内層側にシーラント層を有する、請求項1~の何れか1項に記載の包装材。
  7. 前記プラスチックフィルム及び前記シーラント層が、それぞれ主成分としてポリプロピレンを含む、請求項に記載の包装材。
  8. 少なくとも一部が請求項1~の何れか1項に記載の包装材で形成されてなる包装容器。
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