JP7183981B2 - 虚像表示装置 - Google Patents

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Description

この明細書による開示は、虚像表示装置に関する。
特許文献1には、視認領域に眼球が位置するヒトにより視認可能な虚像を表示する虚像表示装置が開示されている。この装置は、表示器及び導光光学系を備えている。導光光学系は、回折光学素子の一種である第1ホログラム及び第2ホログラムを有している。第1ホログラム及び第2ホログラムは、ゴースト像を除去するように配置されている。
特許第2556020号公報
さて、近年、表示器の画面の大型化が図られている。こうした状況下、回折光学素子による導光にも起因した、虚像の像倒れ現象が発生し得る。この像倒れ現象により、虚像の一部分においてボケが認識されてしまい、虚像の視認性が低下することが懸念されている。
この明細書の開示による目的のひとつは、虚像の視認性が高い虚像表示装置を提供することにある。
また、ここに開示された態様の他のひとつは、視認領域(VA)に眼球(EB)が位置するヒトにより視認可能な虚像(VRI)を表示する虚像表示装置であって、
画面(21,221,421,521)に画像を表示する表示器(20,220,420,520)と、
表示器からの画像の光を視認領域へ導光する光路(OP)を形成する導光光学系(30)と、を備え、
導光光学系は、
画像の光を回折によって反射する回折構造を有する第1回折光学素子(31,531)と、
光路において第1回折光学素子よりも視認領域側に配置され、画像の光を回折によって反射する回折構造を有する第2回折光学素子(36,336,536)と、を備え、
視認領域から虚像までの表示距離は、有限であり、
画像の光の第1回折光学素子への入射角をαと定義し、
画像の光の第1回折光学素子からの射出角をβと定義し、
画像の光の第2回折光学素子への入射角をαと定義し、
画像の光の第2回折光学素子からの射出角をβと定義すると、
色分散方向の条件式
Figure 0007183981000001
と、
発散起点の条件式
Figure 0007183981000002
と、が成立し、
前記ヒトの前記眼球の焦点距離をf と定義し、
前記ヒトの前記眼球の分解能に対応する許容錯乱円の直径をσと定義し、
前記ヒトの前記眼球の最小FナンバーをFと定義し、
前記視認領域から前記虚像までの表示距離をLと定義し、
前記表示器から前記視認領域までの光路全体を構成する光学系全体の横倍率をγと定義し、
前記画像の光の前記第1回折光学素子経由時の光線高さをH と定義し、
前記画像の光の前記第2回折光学素子経由時の光線高さをH と定義すると、
像倒れ深度の条件式
Figure 0007183981000003
が成立し、fp -(σ・F・L) ≦0のとき、前記像倒れ深度の条件式の左辺は無限大であるものとする。
このような態様によると、色分散方向の条件式を成立させたことにより、第1回折光学素子での回折にて生じる色分散の方向と、第2回折光学素子での回折にて生じる色分散の方向とは、逆になる。したがって、回折光学素子を用いた導光光学系において発生する色分散を抑制することができる。
さらに、発散起点の条件式を成立させたことにより、乗員から各色の光が発散しているように認識される発散の起点を、第2回折型光学素子よりも表示器側に設定することができる。故に、各色の光が互いに同じ位置又は近い位置から発散しているように、乗員に認識させることができるので、有限距離に表示される虚像の色ずれを抑制することができる。以上により、虚像の視認性が高い虚像表示装置を提供することができる。
また、ここに開示された態様の他のひとつは、視認領域(VA)に眼球(EB)が位置するヒトにより視認可能な虚像(VRI)を表示する虚像表示装置であって、
画面(21,221,421,521)に画像を表示する表示器(20,220,420,520)と、
表示器からの画像の光を視認領域へ導光する光路(OP)を形成する導光光学系(30)と、を備え、
導光光学系は、
画像の光を回折によって反射する回折構造を有する第1回折光学素子(31,131,531)と、
光路において第1回折光学素子よりも視認領域側に配置され、画像の光を回折によって反射する回折構造を有する第2回折光学素子(36,136,336,536)と、を備え、
ヒトの眼球の焦点距離をfと定義し、
ヒトの眼球の分解能に対応する許容錯乱円の直径をσと定義し、
ヒトの眼球の最小FナンバーをFと定義し、
視認領域から虚像までの表示距離をLと定義し、
表示器から視認領域までの光路全体を構成する光学系全体の横倍率をγと定義し、
画像の光の第1回折光学素子への入射角をαと定義し、
画像の光の第1回折光学素子からの射出角をβと定義し、
画像の光の第2回折光学素子への入射角をαと定義し、
画像の光の第1回折光学素子経由時の光線高さをHと定義し、
画像の光の第2回折光学素子経由時の光線高さをHと定義すると、
像倒れ深度の条件式
Figure 0007183981000004
が成立し、f -(σ・F・L)≦0のとき、像倒れ深度の条件式の左辺は無限大であるものとする。
このような態様によると、像倒れ深度の条件式を成立させたことにより、ヒトにおいて想定される被写界深度の範囲内に虚像が収まるように、第1回折光学素子の入射角及び射出角及び第2回折光学素子の入射角が設定されている。故に、導光光学系に導光されて視認領域から視認可能となる虚像の一部分にボケが認識されることが抑制される。虚像として表示された画像の大部分を明確に視認することが可能となる。以上により、虚像の視認性が高い虚像表示装置を提供することができる。
なお、括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。
第1実施形態のHUD装置の車両への搭載状態を示す図である。 第1実施形態のHUD装置の構成を示す図である。 第1実施形態における像倒れ深度比及び被写界深度比を説明するための図である。 参考実施例の色ずれを説明するための図である。 第1実施形態の色ずれを説明するための図である。 第2実施形態の表示器の画面の配置を説明するための図である。 第3実施形態の第2回折光学素子を説明するための図である。 第4実施形態のHUD装置の構成を示す図である。 第5実施形態のHUD装置の構成を示す図である。
以下、複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
(第1実施形態)
図1に示すように、本開示の第1実施形態による虚像表示装置は、車両としての自動車1に搭載されるように構成され、当該自動車1のインストルメントパネル内に収容されているヘッドアップディスプレイ装置(以下、HUD装置)100となっている。ここで車両とは、自動車、鉄道車両の他、航空機、船舶、移動しないゲーム用筐体等の各種乗り物を含むように広義に解される。
HUD装置100は、表示器20から発せられた画像の光を、導光光学系30及び自動車1のウインドシールド3を経由して、自動車1の室内に設定された視認領域VAに到達させる(図2も参照)。これにより、HUD装置100は、視認領域VAに眼球EBが位置する自動車1の乗員(例えば運転者)により視認可能な虚像VRIを表示する。すなわち、視認領域VAに眼球EBが位置する乗員は、画像の光を虚像VRIとして網膜に結像させ、知覚する。そして乗員は、虚像VRIとして表示される各種情報を認識することができる。虚像VRIとして表示される各種情報としては、例えば車速、燃料残量等の自動車1の状態を表す情報、視界補助情報、道路情報等が挙げられる。
以下において特に断り書きがない限り、前、後、上、下、左及び右が示す各方向は、水平面HP上の自動車1を基準として表記される。
自動車1のウインドシールド3は、例えばガラスないし合成樹脂により透光性の板状に形成された透明部材である。ウインドシールド3は、インストルメントパネル2よりも上方に配置されている。ウインドシールド3は、前方から後方へ向かう程、インストルメントパネル2に対して上方へ離間するように傾斜している。ウインドシールド3は、画像の光が投影される投影部3aを、滑らかな凹面状又は平面状に形成している。
視認領域VAは、HUD装置100により表示される虚像VRIが所定の規格を満たすように(例えば虚像VRI全体が所定の輝度以上となるように)視認可能となる空間領域であって、アイボックスとも称される。視認領域VAは、典型的には、自動車1のアイリプスと重なるように設定される。アイリプスは、両眼それぞれに対して設定され、乗員のアイポイントの空間分布を統計的に表したアイレンジに基づいて、楕円体状の仮想的な空間として設定されている(JISD0021:1998も参照)。例えばアイリプスは、座席のヘッドレスト近傍に位置する。
このようなHUD装置100の具体的構成を、以下に説明する。HUD装置100は、筐体11、表示器20、及び導光光学系30等により構成されている。
筐体11は、例えば合成樹脂ないし金属により遮光性の壁部を形成し、壁部に囲まれた内部空間をもつ中空箱状を呈している。筐体11は、表示器20、表示器20を制御する制御回路基板、導光光学系30等を、内部空間に収容すると共に保持している。筐体11において投影部3aと上下方向に対向する上部には、画像の光を透過させるために光学的に開口している窓部12が設けられている。窓部12は、物理的に開口していてもよく、透光性の薄板状に形成された防塵シート13によって覆われていてもよい。
表示器20は、虚像VRIとして結像されることとなる画像を画面21上に実像表示又は虚像表示する。表示器20としては、透過型又は反射型の液晶パネルを用いて画像を表示する液晶表示器、マイクロLEDを配列して画面21を構成するマイクロLED式表示器、レーザスキャナ方式の表示器、DMD(Digital Micromirror Device)を用いたDLP(Digital Light Processing;登録商標)方式の表示器等を採用することができる。ここで特に本実施形態の表示器20は、カラー画像を表示した画面21から、赤色光、緑色光、及び青色光が組み合わされた画像の光を導光光学系30へ向けて射出する。なお、表示器20は、可視領域の各波長を広帯域に含む白色光を、画像の光として射出してもよい。
本実施形態の表示器20は、筐体11の内部空間において下側に配置され、上方に、画像の光を発するようになっている。画像の光のうち画面中央から射出される主光線の方向(例えば射出される強度が最も大きな方向)は、画面21の法線の方向に沿っている。
導光光学系30は、表示器20から発せられた画像の光を、装置100外部の投影部3aを経由して視認領域VAへと導光する光路OPを形成している。当該光路OPの形成によって、視認領域VAから虚像VRIまでの表示距離L(図3も参照)を稼ぐことができる。本実施形態の導光光学系30は、2つの回折光学素子31,36を含む構成である。
なお、表示距離Lの視認領域VA側の基準位置(起点)には、例えば基準アイポイントの中心が採用され得る。基準アイポイントの中心とは、各自動車1に設定された仮想の点であり、通常の運転状態における運転者の左眼及び右眼の位置を代表する点である。基準アイポイントの中心は、一般的に、シーティングリファレンスポイントの直上635mmの高さに設定される。シーティングリファレンスポイントとは、人体模型をISO6549-1980に規定する着座方法により運転席に着座させた場合における人体模型H点(当該模型の股関節点)の位置又はこれに相当する座席上に設定した設計標準位置をいう。
両回折光学素子31,36は、画像の光を回折によって反射する回折構造を有している。例えば両回折光学素子31,36は、その媒質中に周期的な屈折率分布をもつ素子である。詳細に、両回折光学素子31,36は、ホログラム層を、一対の透光性基板によって挟むことにより、薄板状に、特に平板状に形成されたホログラフィック光学素子となっている。ホログラム層での周期的な屈折率分布が、回折構造として機能する。なお、ホログラフィック光学素子としては、回折効率及び波長依存性を考慮して、体積型のホログラフィック光学素子が採用されることが好適である。
一対の透光基板層は、例えば合成樹脂ないしガラス等により透光性を有する薄板状に形成され、ホログラム層を保護し、補強している。ホログラム層は、予め、ホログラム材料に、物体光の振幅及び位相の情報を、参照光との干渉縞として記録した状態で形成されている。ここでいう干渉縞とは、上述の周期的な屈折率分布により具現された干渉縞である。ホログラム材料には、合成樹脂を主体とした材料、ゼラチン感光材料、銀塩感光材料等、屈折率の空間的な変調によって物体光の振幅及び位相の情報を記録可能な材料が選択的に採用され得る。
両回折光学素子31,36の回折に利用される回折利用波長領域の成分は、互いに共通となるように設定されている。具体的に、本実施形態における回折利用波長領域は、可視領域のうち、赤色波長、緑色波長、青色波長を含む波長領域である。両回折光学素子31,36の干渉縞における基準波長(設計の基準となる波長)は、回折利用波長領域のうち、緑色波長となっている。下記入射角α,α及び射出角β,βも基準波長に対応する角度として定義される。
第1回折光学素子31は、光路OP上において、第2回折光学素子36よりも表示器20側、例えば表示器20と第2回折光学素子36との間に配置されている。第1回折光学素子31において画像の光が入射する表面32は、前方かつ下方の斜め方向を向いて配置されている。
第1回折光学素子31のホログラム層には、画像の光をブラッグ反射させるような干渉縞が形成されている。例えば、当該干渉縞において屈折率が変調する変調方向は、第1回折光学素子31の表面32に対して傾斜した方向に設定される。これにより、回折次数のうち回折効率が最も高い1次の回折光にて、当該表面32の法線Nを基準とした入射角αと射出角βとは、互いに異なったものとなる。画像の光の第1回折光学素子31での反射は、入射角αと射出角βとが異なる非対称反射となる。
ホログラム層の干渉縞は、画像の光の入射箇所に依らず変調方向が同じ方向となるように形成されている。これにより、第1回折光学素子31の光学パワーは、実質的に0となっている。
本実施形態において画面21中央から射出された主光線の第1回折光学素子31における入射角αは、射出角βよりも小さく設定される。
第2回折光学素子36は、光路OP上において、第1回折光学素子31よりも視認領域VA側、例えば第1回折光学素子31と投影部3aとの間に配置されている。第2回折光学素子36において画像の光が入射する表面37は、後方かつ上方の斜め方向を向いて配置されている。
第2回折光学素子36のホログラム層には、画像の光をブラッグ反射させるような干渉縞が形成されている。例えば、当該干渉縞において屈折率が変調する変調方向は、第2回折光学素子36の表面37に対して傾斜した方向に設定される。これにより、1次回折光にて、当該表面37の法線Nを基準とした入射角αと射出角βとは、互いに異なったものとなる。第2回折光学素子36における変調方向の表面37に対する傾斜角は、第1回折光学素子31における変調方向の表面32に対する傾斜角とは異なる。画像の光の第2回折光学素子36での反射は、入射角αと射出角βとが異なる非対称反射となる。
さらにホログラム層の干渉縞は、画像の光の入射位置に応じて変調方向が変化するように形成されている。これにより、第2回折光学素子36の光学パワーは正であり、第2回折光学素子36は画像の光を集光する機能を有する。集光機能により、虚像VRIのサイズを拡大することができる。
本実施形態において画面21中央から射出された主光線の第2回折光学素子36における入射角αは、射出角βよりも大きく設定される。
表示器20から発せられた画像の光は、導光光学系30により形成された光路OPを、第1回折光学素子31、第2回折光学素子36の順に回折反射され、さらに投影部3aに正反射されて、視認領域VAへと到達する。乗員は、視認領域VAに到達した画像の光を、瞳孔から眼球EB内に取り込むと共に、角膜及び水晶体により網膜に結像させる。そうすることで、乗員は、投影部3aを挟んだ視認領域VAとは反対側の自動車の室外空間に、虚像VRIを視認可能となる。ここで投影部3aは、透明部材としてのウインドシールド3に設けられているので、虚像VRIは、ウインドシールド3を通して視認される室外の景色と重畳して表示される。
ここで、両回折光学素子31,36の入射角α,α及び射出角β,βの設定について、詳細に説明する。まず、両回折光学素子31,36は、以下の数4に示される色分散方向の条件式を成立させる。
Figure 0007183981000005
この条件式における左辺の第1項は、第1回折光学素子31における入射角αと射出角βとの差、すなわち第1回折光学素子31での画像の光の反射における非対称性を示す項である。左辺の第2項は、第2回折光学素子36における入射角αと射出角βとの差、すなわち第2回折光学素子36での画像の光の反射における非対称性を示す項である。条件式において、第1項と第2項との積が0より小さいということは、第1項と第2項との間にて符号の正負が異なるということを示す。
回折における色分散の方向は、実質的に、各項の符号の正負で決まる。したがって、上述の条件式が成立すれば、第1回折光学素子31における色分散の方向と、第2回折光学素子36における色分散の方向とが、逆方向になる。導光光学系30全体での色分散の発生が抑制されることとなる。
さらに両回折光学素子31,36は、以下の数5に示される発散起点の条件式を成立させる。
Figure 0007183981000006
この条件式は、第1回折光学素子31での色分散が第2回折光学素子36での色分散よりも大きいことを意味する。そうすると、乗員の眼球EBに入射し、虚像VRIの結像に寄与する画像の光の各色が互いに同じ位置から発散しているように、当該乗員に認識させることができる。
本実施形態では、虚像VRIの表示距離Lは、有限に設定される。表示距離Lは、例えば2.5~15mの範囲、あるいは2.5~5.0mの範囲に設定される。そうすると、第1回折光学素子31に共役な位置と、虚像VRIの表示位置とが互いに近づく。こうして、第1回折光学素子31に共役な位置を起点に画像の光の各色が発散しているように、乗員に対して認識させることができる。こうして、有限距離の虚像VRIから違和感なく光が発散しているように認識されると共に、色ずれ(横の色収差)が感じられ難くなる。
さて、上述の2つの条件式を成立させるように入射角α,α及び射出角β,βが設定されると、両回折光学素子31,36での画像の光の反射の非対称性により、虚像VRIの像倒れ現象が発生し易い。虚像VRIの像倒れ現象とは、虚像VRIの各画角(各画素)の主光線間に光路差が生じ、当該光路差に基づいて虚像VRIが水平面HPに垂直な鉛直面に対して傾斜する現象である。
虚像VRIの像倒れ現象における深度比ΔD/Lは、以下の数6に示される数式で表される。
Figure 0007183981000007
ここで、上述のようにLは、虚像VRIの表示距離である。図3に示すようにΔDは、像倒れした虚像VRIの最近点から最遠点までの距離である。γは、表示器20から視認領域VAまでの光路全体を構成する光学系全体の横倍率である。H1は、画像の光の第1回折光学素子31経由時の光線高さである。H2は、画像の光の第2回折光学素子36経由時の光線高さである。なお、本実施形態における光線高さとは、虚像VRIの最近点に対応する画角の主光線が対象の回折光学素子31又は36に入射する入射位置と、虚像VRIの最遠点に対応する画角の主光線が対象の回折光学素子31又は36に入射する入射位置との距離を意味する。
一方、ヒトとしての乗員に想定される眼球EBの被写界深度比ΔD/Lは、以下の数7に示される数式で表される。
Figure 0007183981000008
ここで、ΔDは、最小錯乱円の位置を表示距離Lに合わせた場合の被写界深度の最近点から最遠点までの距離である。fは、ヒトの眼球EBの焦点距離であり、例えばfの代表値として22.4mmが採用される。この代表値についての詳細は、“A. Gullstrand, Appendices II and IV. In Helmholtz’s Handbuch der Physiologischen Optik, 1909.”の記載を参照により援用することができる。σは、ヒトの眼球EBの分解能に対応する許容錯乱円の直径であり、例えばσの代表値として視力1.0の眼球EBに対する直径6.5μmが採用される。この代表値についての詳細は、“F. W. Campbell, Optical quality of the human eye, J. Physiol., 1966.”の記載を参照により援用することができる。Fは、ヒトの眼球EBの最小Fナンバーである。
なお、最小Fナンバーは、F=f/φの数式により算出できる。φは、ヒトの眼球EBの夜間における最大の瞳の直径である。φは、ムーン・スペンサー(Moon and Spencer)の式φ=4.9-3・tanh(0.4・logLu)を用いて導出される。この式の導出についての詳細は、“A. B. Watson, A unified formula for light-adapted pupil size, J. Vision, 2012.”の記載を参照により援用することができる。Luには、照明された道路の夜間輝度が代入される。この夜間輝度についての詳細は、“Night-time traffic in urban areas, VTI report, 650A, 2009.”の記載を参照により援用することができる。これらの計算によって、例えばφの代表値として5.0mmが採用される。その結果、例えばFの代表値として4.48が採用される。
この像倒れ現象における像倒れ深度は、虚像VRIの全体が乗員の眼球EBの被写界深度に納まる条件にて、設定されるべきである。このために、両回折光学素子31,36は、以下の数8に示される像倒れ深度の条件式を成立させる。
Figure 0007183981000009
なお、f -(σ・F・L)≦0のとき、左辺は無限大であるものとする。この条件式は、虚像VRIの像倒れ深度比ΔD/Lは、被写界深度比ΔD/Lよりも小さいことを意味する。本実施形態では、以上の3つの条件式が同時成立するように、両回折光学素子31,36の入射角α,α及び射出角β,βが設定される。一般的に、色分散方向の条件式が成立すると、像倒れが大きくなる傾向にあるため、色分散の抑制と像倒れの抑制とは背反の関係にあるが、以上説明した構成により、色分散及び像倒れを乗員に認識され難い程度で両立することができる。
(作用効果)
以上説明した第1実施形態の作用効果を以下に改めて説明する。
第1実施形態によると、像倒れ深度の条件式を成立させたことにより、ヒトにおいて想定される被写界深度の範囲内に虚像VRIが収まるように、第1回折光学素子31の入射角α及び射出角β、並びに第2回折光学素子36の入射角αが設定されている。故に、導光光学系30に導光されて視認領域VAから視認可能となる虚像VRIの一部分にボケが認識されることが抑制される。虚像VRIとして表示された画像の大部分を明確に視認することが可能となる。以上により、虚像VRIの視認性が高いHUD装置100を提供することができる。
また、第1実施形態によると、色分散方向の条件式を成立させたことにより、第1回折光学素子31での回折にて生じる色分散の方向と、第2回折光学素子36での回折にて生じる色分散の方向とは、逆になる。したがって、回折光学素子31,36を用いた導光光学系30において発生する色分散を抑制することができる。
さらに、発散起点の条件式を成立させたことにより、乗員から各色の光が発散しているように認識される発散の起点を、第2回折光学素子36よりも表示器20側に設定することができる。故に、各色の光が互いに同じ位置又は近い位置から発散しているように、乗員に認識させることができるので、有限距離に表示される虚像VRIの色ずれを抑制することができる。以上により、虚像VRIの視認性が高いHUD装置100を提供することができる。
ここで参考実施例を用いて、発散起点の条件式について補足説明する。図4に示す参考実施例は、両回折光学素子131,136の色分散が略同じである場合を示している。この場合では、第1回折光学素子131で発散された各色の画像の光が、第2回折光学素子136で回折される際に、第1回折光学素子131とは逆方向の色分散の作用を受ける。この結果、第2回折光学素子136から射出される各色の画像の光の向きは、揃えられる。しかしながら、各色の画像の光が第2回折光学素子136へ入射する際の入射位置は、第1回折光学素子131での発散により、相互にずれている。したがって、各色の画像の光は、互いにずれた入射位置から、平行に視認領域VAへ到達する。故に、虚像VRIの表示位置が有限の場合には、入射位置のずれがそのまま虚像VRIの色ずれとなって認識され得る。
一方、図5に示すように、第1回折光学素子31での色分散を、第2回折光学素子36での色分散よりも大きくした第1実施形態の構成を考える。この場合では、第2回折光学素子36での入射位置のずれは、参考実施例よりも大きくなるものの、第2回折光学素子36から射出される各色の画像の光は、第1回折光学素子31での発散の影響を残した発散光となる。故に、第2回折光学素子36よりも第1回折光学素子31及び表示器20側の位置、又はこの位置に共役な虚像VRIの表示位置の近くに、各色の画像の光が発散される起点を形成することができる。したがって、虚像VRIの表示位置の近くから各色が発散しているように乗員に認識させることができる。
なお、図4,5では、ウインドシールド3の図示が省略されている。また、図4,5の眼球EBの下の吹き出し部分の中に、虚像VRIの表示が模式的に示されている。
(第2実施形態)
図6に示すように、第2実施形態は第1実施形態の変形例である。第2実施形態について、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。
第2実施形態の表示器220は、両回折光学素子31,36における画像の光の反射の非対称性に基づき、各画角の主光線間に発生する光路差を補正する構成となっている。具体的に、画像の光のうち画面221中央に位置する画素から射出される主光線の方向は、この光路差を縮小するように、画面221の法線の方向に対して傾斜している。換言すると、画面221が主光線に対して傾斜配置されている。
具体的に、第2回折光学素子36の正の光学パワーに基づき、導光光学系30より表示器20側に形成される導光光学系30の焦点FP0,FP1,FP2は、各画角の主光線毎に定義される。画面221の前側端部に位置する画素から射出される主光線に定義される焦点FP1は、画面221中央に位置する画素から射出される主光線に定義される焦点FP0よりも、導光光学系30に対して遠くに位置する。すなわち、焦点FP1における焦点距離は、焦点FP0における焦点距離よりも長くなる。また、画面221の後側端部に位置する画素から射出される主光線に定義される焦点FP2は、画面221中央に位置する画素から射出される主光線に定義される焦点FP0よりも、導光光学系30に対して近くに位置する。すなわち、焦点FP2における焦点距離は、焦点FP0における焦点距離よりも短くなる。
こうして画面221は、その接線方向を、各焦点の位置を結ぶ仮想平面VPの延伸方向に略沿うように配置される。こうした配置形態によって、上述の光路差が縮小される。
第2実施形態においても、以上の3つの条件式が同時成立するように、両回折光学素子31,36の入射角α,α及び射出角β,βが設定される。
以上説明した第2実施形態によると、画面221は、画像の光のうち画面221中央から射出される主光線に対して傾斜して配置されている。こうした傾斜配置により、虚像VRIの像倒れ深度比ΔD/Lの調整を図ることができるため、像倒れ深度の条件式を容易に成立させることができる。以上により、虚像VRIの視認性が高いHUD装置100を容易に提供することができる。
(第3実施形態)
図7に示すように、第3実施形態は第1実施形態の変形例である。第3実施形態について、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。
第3実施形態の第2回折光学素子336において画像の光が入射する表面337は、水平面HPに略沿うように、上方を向いて配置されている。そして、射出角βが入射角αよりも小さく設定されており、第2回折光学素子336から射出されてウインドシールド3へ向かう画像の光は、上方かつ後方の斜め方向へ向かうようになっている。すなわち、ウインドシールド3の投影部3aへ向かう画像の光は、投影部3aに対して前方側から入射することとなる。
一方、自動車1の室外から室内へウインドシールド3の投影部3aを透過して、画像の光と逆行する外光(例えば太陽光)が想定される。しかしながら、上述の第2回折光学素子336の配置によって、画像の光と逆行する外光は、光路OPと分離される。具体的に、外光が第2回折光学素子336の表面337にて正反射されると、αよりも小さな反射角にてより前方へと反射されていく。そして、第2回折光学素子336に正反射された外光は、ウインドシールド3において投影部3aよりも前方に配置された外光入射部3bに、投影部3aへの入射時よりも小さな入射角で入射する。故に、外光の外光入射部3bでの反射率は低く、多くの外光は、自動車1の室外へと透過する。
第3実施形態においても、以上の3つの条件式が同時成立するように、両回折光学素子31,336の入射角α,α及び射出角β,βが設定される。
以上説明した第3実施形態によると、第2回折光学素子336は、ウインドシールド3を透過し、画像の光と逆行して入射し得る外光を、自動車1の前方へ正反射する。故に、外光が画像の光と共に視認領域VAに到達し、虚像VRIの視認を妨害することを抑制することができる。虚像VRI視認時の防眩効果が発揮されることで、虚像VRIの視認性はさらに高まる。
(第4実施形態)
図8に示すように、第4実施形態は第1実施形態の変形例である。第4実施形態について、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。
第4実施形態の表示器420は、特に液晶パネルを用いた液晶表示器である。液晶パネルの複数色のカラーフィルタの透過率特性に応じたスペクトルをもつ画像の光が、画面421から射出される。このスペクトルは、可視領域において幅広く成分を有する。
また、表示器420と第2回折光学素子36との間の光路上には、バンドバスフィルタ441が配置されている。バンドバスフィルタ441は、例えばガラスないし合成樹脂からなる透光性基材の表面に、誘電体多層膜を蒸着形成すること等により積層してされている。
バンドバスフィルタ441は、画面421から射出された画像の光のうち、両回折光学素子31,36の回折に利用される回折利用波長領域の成分を第1回折光学素子31側へ透過させ、それ以外の波長領域の成分を反射して光路OPから遮断する。
第4実施形態においても、以上の3つの条件式が同時成立するように、両回折光学素子31,36の入射角α,α及び射出角β,βが設定される。
以上説明した第4実施形態によると、表示器420と第2回折光学素子36との間の光路上に波長選択光学素子としてのバンドバスフィルタ441が配置されている。バンドバスフィルタ441は、画面421から射出された画像の光のうち、回折利用波長領域の成分を透過させ、それ以外の波長領域の成分を光路OPから遮断する波長選択性を有する。故に、虚像VRIを結像させる画像の光の波長が回折利用波長領域に制限されるので、色分散による虚像VRIの視認性悪化を抑制することができる。
(第5実施形態)
図9に示すように、第5実施形態は第1実施形態の変形例である。第5実施形態について、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。
第5実施形態の表示器520は、筐体11の内部空間において前側に配置され、後方に、画像の光を発するようになっている。第1回折光学素子531において画像の光が入射する表面532は、前方かつ上方の斜め方向を向いて配置されている。第5実施形態において画面521中央から射出された主光線の第1回折光学素子531における入射角αは、射出角βよりも大きく設定される。
第2回折光学素子536は、筐体11の外部であって、ウインドシールド3の室内側の面に貼り付けられて配置されている。第2回折光学素子536において画像の光が入射する表面537は、後方かつ下方の斜め方向を向いて配置されている。第5実施形態において画面521中央から射出された主光線の第2回折光学素子536における入射角αは、射出角βよりも小さく設定される。
この第5実施形態では、表示器520から視認領域VAまでの光路OPは、自動車1の構成要素としてのウインドシールド3を、実質的に経由しない構成となっている。第5実施形態においても、以上の3つの条件式が同時成立するように、両回折光学素子531,536の入射角α,α及び射出角β,βが設定される。
以上説明した第5実施形態によると、第2回折光学素子536は、ウインドシールド3に配置されている。故に、HUD装置100の筐体11内部に配置する回折光学素子の数を抑制して自動車1への搭載性を高めつつ、虚像VRIの視認性を高めることができる。
(他の実施形態)
以上、複数の実施形態について説明したが、本開示は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
具体的に変形例1としては、第1回折光学素子31及び第2回折光学素子36のうち少なくとも一方は、平板状以外、例えば滑らかな曲面状の表面32,37を有する湾曲板状に形成されていてもよい。
変形例2としては、第1回折光学素子31の光学パワーは、正又は負に設定されていてもよい。
変形例3としては、第1回折光学素子31及び第2回折光学素子36のうち少なくとも一方は、露光によって作製されたホログラフィック光学素子でなくてもよい。例えば、露光以外の方法で、媒質中に屈折率分布をもたせて回折構造が実現されてもよい。また例えば、表面32,37に形成された凹凸等の機械的構造を用いた回折格子によって、回折構造が実現されてもよい。
変形例4としては、回折光学素子31,36による視認性向上効果が発揮可能な態様にて、光路OP上に、レンズ、ミラー、プリズム、偏光板、位相差板、光学フィルタ等が追加されてもよい。
第1~4実施形態に関する変形例5としては、投影部3aは、自動車1と別体に設けられたコンバイナに設定されてもよい。コンバイナは、HUD装置100の筐体11と連結して形成されていてもよく、HUD装置100とは離間した位置に設けられていてもよい。
第5実施形態に関する変形例6としては、第2回折光学素子536は、自動車1のウインドシールド3の室内側の面に貼り付けられていてよく、ウインドシールド3の内部に埋設されていてもよい。また、第2回折光学素子536は、自動車1と別体に設けられたコンバイナに形成されていてもよい。
変形例7としては、上述の3つの条件式が同時成立していなくてもよい。例えば、色分散方向の条件式及び発散起点の条件式が同時成立する一方、像倒れ深度の条件式が成立していなくてもよい。また例えば、像倒れ深度の条件式が成立する一方、色分散方向の条件式及び発散起点の条件式が成立していなくてもよい。
20,220,420,520:表示器、21,221,421,521:画面、30:導光光学系、31,131,531:第1回折光学素子、36,136,336,536:第2回折光学素子、100:HUD装置(虚像表示装置)、EB:眼球、OP:光路、VA:視認領域、VRI:虚像

Claims (7)

  1. 視認領域(VA)に眼球(EB)が位置するヒトにより視認可能な虚像(VRI)を表示する虚像表示装置であって、
    画面(21,221,421,521)に画像を表示する表示器(20,220,420,520)と、
    前記表示器からの前記画像の光を前記視認領域へ導光する光路(OP)を形成する導光光学系(30)と、を備え、
    前記導光光学系は、
    前記画像の光を回折によって反射する回折構造を有する第1回折光学素子(31,531)と、
    前記光路において前記第1回折光学素子よりも前記視認領域側に配置され、前記画像の光を回折によって反射する回折構造を有する第2回折光学素子(36,336,536)と、を備え、
    前記視認領域から前記虚像までの表示距離は、有限であり、
    前記画像の光の前記第1回折光学素子への入射角をαと定義し、
    前記画像の光の前記第1回折光学素子からの射出角をβと定義し、
    前記画像の光の前記第2回折光学素子への入射角をαと定義し、
    前記画像の光の前記第2回折光学素子からの射出角をβと定義すると、
    色分散方向の条件式
    Figure 0007183981000010
    と、
    発散起点の条件式
    Figure 0007183981000011
    と、が成立し、
    前記ヒトの前記眼球の焦点距離をf と定義し、
    前記ヒトの前記眼球の分解能に対応する許容錯乱円の直径をσと定義し、
    前記ヒトの前記眼球の最小FナンバーをFと定義し、
    前記視認領域から前記虚像までの表示距離をLと定義し、
    前記表示器から前記視認領域までの光路全体を構成する光学系全体の横倍率をγと定義し、
    前記画像の光の前記第1回折光学素子経由時の光線高さをH と定義し、
    前記画像の光の前記第2回折光学素子経由時の光線高さをH と定義すると、
    像倒れ深度の条件式
    Figure 0007183981000012
    が成立し、fp -(σ・F・L) ≦0のとき、前記像倒れ深度の条件式の左辺は無限大であるものとする虚像表示装置。
  2. 前記画面は、前記画像の光のうち画面中央から射出される主光線に対して傾斜して配置されている請求項に記載の虚像表示装置。
  3. 前記表示器と前記第2回折光学素子との間の前記光路上に配置され、前記画面から射出された前記画像の光のうち、前記第1回折光学素子及び前記第2回折光学素子の回折に利用される回折利用波長領域の成分を透過させ、それ以外の波長領域の成分を前記光路から遮断する波長選択性を有する波長選択光学素子(441)を、さらに備える請求項1又は2に記載の虚像表示装置。
  4. 車両に搭載されるように構成された請求項1からのいずれか1項に記載の虚像表示装置であって、
    前記車両には、前記第2回折光学素子と前記視認領域との間の前記光路上に配置され、前記画像の光を反射する透明部材であるウインドシールド(3)が設けられ、
    前記第2回折光学素子は、前記ウインドシールドを透過し、前記画像の光と逆行して入射し得る外光を、前記車両の前方へ正反射する虚像表示装置。
  5. 車両に搭載されるように構成された請求項1からのいずれか1項に記載の虚像表示装置であって、
    前記第2回折光学素子は、前記車両に設けられたウインドシールドに配置されている虚像表示装置。
  6. 視認領域(VA)に眼球(EB)が位置するヒトにより視認可能な虚像(VRI)を表示する虚像表示装置であって、
    画面(21,221,421,521)に画像を表示する表示器(20,220,420,520)と、
    前記表示器からの前記画像の光を前記視認領域へ導光する光路(OP)を形成する導光光学系(30)と、を備え、
    前記導光光学系は、
    前記画像の光を回折によって反射する回折構造を有する第1回折光学素子(31,131,531)と、
    前記光路において前記第1回折光学素子よりも前記視認領域側に配置され、前記画像の光を回折によって反射する回折構造を有する第2回折光学素子(36,136,336,536)と、を備え、
    前記ヒトの前記眼球の焦点距離をfと定義し、
    前記ヒトの前記眼球の分解能に対応する許容錯乱円の直径をσと定義し、
    前記ヒトの前記眼球の最小FナンバーをFと定義し、
    前記視認領域から前記虚像までの表示距離をLと定義し、
    前記表示器から前記視認領域までの光路全体を構成する光学系全体の横倍率をγと定義し、
    前記画像の光の前記第1回折光学素子への入射角をαと定義し、
    前記画像の光の前記第1回折光学素子からの射出角をβと定義し、
    前記画像の光の前記第2回折光学素子への入射角をαと定義し、
    前記画像の光の前記第1回折光学素子経由時の光線高さをHと定義し、
    前記画像の光の前記第2回折光学素子経由時の光線高さをHと定義すると、
    像倒れ深度の条件式
    Figure 0007183981000013
    が成立し、fp-(σ・F・L)≦0のとき、前記像倒れ深度の条件式の左辺は無限大であるものとする虚像表示装置。
  7. 前記画像の光の前記第2回折光学素子からの射出角をβと定義すると、
    色分散方向の条件式
    Figure 0007183981000014
    がさらに成立する請求項に記載の虚像表示装置。
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