JP6892234B2 - 眼科撮影装置 - Google Patents

眼科撮影装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6892234B2
JP6892234B2 JP2016183606A JP2016183606A JP6892234B2 JP 6892234 B2 JP6892234 B2 JP 6892234B2 JP 2016183606 A JP2016183606 A JP 2016183606A JP 2016183606 A JP2016183606 A JP 2016183606A JP 6892234 B2 JP6892234 B2 JP 6892234B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blood vessel
unit
angle
image
blood flow
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016183606A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018046958A (ja
Inventor
酒井 潤
潤 酒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Topcon Corp
Original Assignee
Topcon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Topcon Corp filed Critical Topcon Corp
Priority to JP2016183606A priority Critical patent/JP6892234B2/ja
Publication of JP2018046958A publication Critical patent/JP2018046958A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6892234B2 publication Critical patent/JP6892234B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

この発明は、眼科撮影装置に関する。
眼科分野において画像診断は重要な位置を占める。近年では光コヒーレンストモグラフィ(Optical Coherence Tomography:OCT)の活用が進んでいる。OCTは、被検眼のBモード画像や3次元画像の取得だけでなく、Cモード画像やシャドウグラムなどの正面画像(en−face画像)の取得にも利用されるようになってきている。
更に、被検眼の特定部位を強調した画像を取得することや、機能情報を取得することも行われている。例えば、OCTにより収集された時系列ボリュームデータに基づいて、網膜血管や脈絡膜血管が強調されたBモード画像や正面画像(血管強調画像、アンギオグラム)を構築することができる。この技術は、OCT血管造影(OCT Angiography)などと呼ばれる。また、OCTにより収集されたデータの位相情報に基づいて血流情報を取得することができる。この技術は、OCT血流計測などと呼ばれる。
特表2015−515894号公報 特開2013−184018号公報
OCT血流計測では、対象となる血管の向きを推定することが必要である。これは、血管に対する測定光の入射方向と血流の方向(血管の向き)との間の角度に応じて変化するドップラー周波数シフトを利用して血流情報を求めるからである。OCT血流計測を精度良く行うには、好適な向きの血管を選択する必要がある。
しかし、従来の技術では、眼底カメラやSLO(Scanning Laser Ophthalmoscope)により得られた眼底の正面画像を参照して血管を選択していたため、ドップラー周波数シフトに影響する血管の向き成分を把握することは困難であった。そのため、準備的な計測を行って得た血管の向きを評価して好適な血管を探索するなど、検者や被検者に時間的、労力的な負担を強いていた。
この発明の目的は、OCT血流計測における負担の軽減を図ることにある。
例示的な実施形態に係る眼科撮影装置は、データ収集部と、血管強調画像形成部と、血管角度算出部と、評価処理部と、表示制御部と、正面画像取得部とを備える。データ収集部は、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)を用いて被検眼の眼底の3次元データセットを収集する。血管強調画像形成部は、データ収集部により収集された3次元データセットに基づいて血管強調画像を形成する。血管角度算出部は、血管強調画像形成部により形成された血管強調画像に基づいて、Aスキャン方向に対する眼底の血管の傾斜角度を求める。評価処理部は、血管角度算出部により求められた傾斜角度に基づいて、OCT血流計測の対象位置としての適性を評価する。表示制御部は、評価処理部により得られた評価結果を表示手段に表示させる。正面画像取得部は、眼底の正面画像を取得する。血管角度算出部は、血管強調画像形成部により形成された血管強調画像に基づいて、眼底の1以上の位置における血管のAスキャン方向に対する傾斜角度を表す血管角度分布を求める。評価処理部は、当該1以上の位置の少なくとも一部における血管の傾斜角度に基づいて、OCT血流計測の対象位置としての適性の評価を行う。表示制御部は、当該1以上の位置の少なくとも一部について評価処理部により取得された評価結果の分布と、正面画像取得部により取得された正面画像とを、表示手段に表示させる。
実施形態によれば、OCT血流計測における負担の軽減を図ることが可能である。
例示的な眼科撮影装置の構成を表す概略図。 例示的な眼科撮影装置の構成を表す概略図。 例示的な眼科撮影装置が実行する処理を説明するための概略図。 例示的な眼科撮影装置が実行する処理を説明するための概略図。 例示的な眼科撮影装置の動作を表すフローチャート。 例示的な眼科撮影装置の動作を表すフローチャート。 例示的な眼科撮影装置の動作を説明するための概略図。 例示的な眼科撮影装置の動作を表すフローチャート。 例示的な眼科撮影装置の構成を表す概略図。 例示的な眼科撮影装置の動作を表すフローチャート。 例示的な眼科撮影装置の構成を表す概略図。 例示的な眼科撮影装置の動作を表すフローチャート。 例示的な眼科画像処理装置の構成を表す概略図。
この発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この明細書で引用する文献の記載内容を実施形態に援用することができる。
実施形態は、OCT血管造影を用いて眼底の1以上の位置における血管の傾斜角度を求める。眼底の位置と血管の傾斜角度とを対応付けることにより、眼底血管の傾斜角度の分布(血管角度分布)が得られる。血管角度分布は、例えば、診断や他のモダリティのために用いることができる。他のモダリティの典型例としてOCT血流計測がある。
血管の傾斜角度は、任意の方向を基準(角度=0度)に定義されてよい。例えば、OCTにおけるA(Axial)スキャンの方向(Aラインの方向)を基準とすることができる。血管の傾斜角度の基準方向は、傾斜角度が測定される全ての位置について共通に設定されてもよいし、それぞれの位置について設定されてもよい。或いは、全ての位置を2以上の群に分割し、これら群のそれぞれについて基準方向を設定してもよい。
OCT血管造影では、眼底の実質的に同じ範囲が繰り返しスキャンされ、それにより得られた複数の2次元データセットを含む3次元データセットに基づいて血管強調画像が形成される。3次元データセットは、例えば、複数のB断面(横断面)をそれぞれ所定回数ずつ(例えば4回ずつ)スキャンして、各B断面における画像(Bモード画像)を所定枚数ずつ形成し、これらを同じ3次元座標系に埋め込むことによって(更に、それをボクセル化することによって)取得される。このような画像形成技術は既知である。
実施形態の眼科撮影装置は、OCTを実行するための光学系や駆動系や制御系やデータ処理系を含む。実施形態の眼科撮影装置は、例えばフーリエドメインOCTを実行可能に構成される。
フーリエドメインOCTには、スペクトラルドメインOCTと、スウェプトソースOCTとが含まれる。スペクトラルドメインOCTは、広帯域の低コヒーレンス光源と分光器とを用いて、干渉光のスペクトルを空間分割で取得し、それをフーリエ変換することによって被検眼を画像化する手法である。スウェプトソースOCTは、波長掃引光源(波長可変光源)と光検出器(バランスドフォトダイオード等)とを用いて、干渉光のスペクトルを時分割で取得し、それをフーリエ変換することによって被検眼を画像化する手法である。OCTの手法はフーリエドメインOCTには限定されず、タイムドメインOCTやアンファスOCTでもよい。
眼科撮影装置は、眼及び/又は他の部位を画像化するためのモダリティ(例えば、OCT以外のモダリティ)を含んでいてもよい。その典型例として、眼底カメラ、SLO、スリットランプ顕微鏡、眼科手術用顕微鏡などがある。また、眼科撮影装置は、眼及び/又は他の部位の特性を測定するための構成や、検査を行うための構成を含んでいてもよい。
実施形態に係る眼科画像処理装置は、眼科撮影装置に含まれる画像処理機能を含む(OCT機能は含まなくてよい)。
実施形態に係る眼科撮影装置及び眼科画像処理装置におけるデータ処理機能(演算機能、画像処理機能、制御機能等)は、例えば、プロセッサ、記憶装置等のハードウェアと、演算プログラム、画像処理プログラム、制御プログラム等のソフトウェアとが協働することによって実現される。なお、ハードウェアの一部は、眼科撮影装置(眼科画像処理装置)と通信可能な外部装置に設けられていてよい。また、ソフトウェアの少なくとも一部は、眼科撮影装置(眼科画像処理装置)に予め格納されてよく、及び/又は、外部装置に予め格納されてよい。
〈眼科撮影装置の第1実施形態〉
〈構成〉
眼科撮影装置の例示的な実施形態を説明する。眼科撮影装置の構成例を図1に示す。眼科撮影装置1は、OCTを用いて眼底の3次元データセットを収集し、この3次元データセットに基づいて血管強調画像を形成し、この血管強調画像に基づいて眼底の血管の傾斜角度(例えば血管角度分布)を求め、この傾斜角度に基づいてOCT血流計測の対象位置としての当該位置の適性を評価する。それにより、例えば、眼底の位置と評価の結果とが対応付けられた評価結果分布が得られる。眼科撮影装置1は、評価結果分布、それから得られた情報、血管角度分布、それから得られた情報などを、表示デバイス2に表示することができる。表示デバイス2は眼科撮影装置1の一部であってもよいし、眼科撮影装置1に接続された外部装置であってもよい。また、眼科撮影装置1は、評価結果分布、それから得られた情報、血管角度分布、それから得られた情報などを、コンピュータ、記憶装置、眼科装置等に送ることができる。
眼科撮影装置1は、制御部10と、記憶部20と、データ収集部30と、データ処理部40と、操作部50と、正面画像取得部60とを含む。
〈制御部10〉
制御部10は、眼科撮影装置1の各部を制御する。制御部10はプロセッサを含む。「プロセッサ」は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(例えば、SPLD(Simple Programmable Logic Device)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array))等の回路を意味する。制御部10は、例えば、記憶回路や記憶装置(記憶部20、外部装置等)に格納されているプログラムを読み出し実行することで、実施形態に係る機能を実現することができる。
また、制御部10は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット、専用線等の通信回線を介してデータの送受信を行うための通信デバイスを含んでよい。
〈表示制御部11〉
制御部10は表示制御部11を含む。表示制御部11は、表示デバイス2に情報を表示するための制御を実行する。表示制御部11は、記憶部20に格納された情報に基づいて表示制御を実行することができる。
表示制御部11は、表示デバイス2に表示される情報に関する処理(生成、加工、合成等)を行うことができる。例えば、表示制御部11は、評価結果分布(又はそれから得られた情報)や、血管角度分布(又はそれから得られた情報)などを、正面画像取得部60により取得された画像(正面画像)に重ねて表示することができる。また、表示制御部11は、評価結果分布(又はそれから得られた情報)と正面画像との合成画像や、血管角度分布(又はそれから得られた情報)と正面画像との合成画像を生成することができる。
このような処理は、例えば、表示制御部11と他の要素(制御部10の他の要素、データ処理部40等)との連係により実行されてもよい。
〈記憶部20〉
記憶部20には各種情報が記憶される。本例においては、条件情報21が予め記憶される。なお、条件情報21は、外部装置に格納されてもよい。
〈条件情報21〉
条件情報21は、血管の傾斜角度に関する1以上の条件を含み、後述の評価処理部43によって参照される。条件情報21に含まれる条件の幾つかの例を説明する。
条件の第1の例は、OCT血流計測のための角度条件情報である。OCT血流計測ではドップラーOCT信号を利用するため、測定光の投射方向(Aスキャン方向)と血流方向との間の角度が適切でなければ良好な信号が得られない。血流方向は、測定光の投射位置における血管の向きと実質的に同一と考えられる。よって、OCT血流計測では、Aスキャン方向に対する血管の傾斜角度を評価することが重要である。
角度条件情報には、Aスキャン方向に対する血管の傾斜角度を評価するための1以上の条件が含まれている。条件は、傾斜角度の閾値及び/又は範囲を含んでよい。また、角度条件情報は、被検眼に関する条件や、被検眼と眼科撮影装置1との関係についての条件を含んでよい。被検眼に関する条件の例として瞳孔径がある。被検眼と眼科撮影装置1との関係についての条件の例として、被検眼と眼科撮影装置1の光学系との相対位置(例えば、被検眼の軸と光学系の軸との変位)がある。
角度条件情報の例を図2に示す。角度条件情報21aは条件情報21に含まれている。角度条件情報21aは、例えば、評価欄と角度条件欄とを含むテーブル情報である。評価欄には、評価のランクとして、「H」、「M」及び「N」が与えられている。角度条件欄には、血管の傾斜角度に関する条件として、Hランクに対応する角度条件「75〜80度」と、Mランクに対応する角度条件「75〜80度に補正可能」と、Nランクに対応する角度条件「75〜80度に補正不可能」とが与えられている。
評価のランクは、OCT血流計測への適性のランクを表す。例えば、Hランクは適性「高」を表し、Mランクは適性「中」を表し、Nランクは適性「無」を表す。
Hランクに対応する角度条件は、OCT血流計測に高程度に適した血管傾斜角度(Aスキャン方向に対する角度)を表す。本例では、例えば実験的又は臨床的に得られた角度条件「75〜80度」がHランクに割り当てられる。
Mランクに対応する角度条件は、OCT血流計測に中程度に適した血管傾斜角度を表す。本例では、所定の補正処理によって好適な角度条件「75〜80度」を実現可能であるという条件が、Mランクに割り当てられる。補正処理については後述する。
Nランクに対応する角度条件は、OCT血流計測に適さない血管傾斜角度を表す。本例では、所定の補正処理によっても好適な角度条件「75〜80度」を実現不可能であるという条件が、Nランクに割り当てられる。
Mランク及びNランクの判定に用いられる補正処理について説明する。補正処理は、例えば、被検眼の軸に対する測定光の経路のシフト(相対位置の変化)を含む。このシフトの量は瞳孔径に制限される。瞳孔径は、被検眼の測定値でも標準値(統計値等)でもよい。また、散瞳剤の投与後の瞳孔径や、散瞳剤の投与による推定瞳孔径でもよい。
例示的な補正処理において、評価処理部43は、瞳孔径を制約条件として測定光の経路を被検眼の軸に対してシフトさせたときに、好適な角度条件「75〜80度」が実現されるか否か判定する。被検眼の軸に対する測定光の経路のシフトと、測定光の投射方向(Aスキャン方向)の変化との関係について、以下に説明する。なお、前述したように、血管の傾斜角度はAスキャン方向を基準として定義されるので、Aスキャン方向の変化は血管の傾斜角度の変化と同値である。
図3を参照する。符号LS0及びLS1のそれぞれは、測定光の経路(測定経路)を示す。被検眼Eの外部において、測定経路LS0及びLS1は互いに平行であり、これらに直交する方向に距離dだけ離間している。つまり、測定経路LS1は、測定経路LS0に対して距離dだけシフトした経路である。また、被検眼E内における測定光路LS0の長さをTとする。
このとき、測定経路LS0と測定経路LS1とが眼底において成す角度Δθは、次式によって算出される:Δθ=arctan(d/T)。また、角度Δθの符号、つまり、血管傾斜角度の補正量の符号(+/−)は、測定経路LS0に対する測定経路LS1のシフト方向に応じて決定される。シフト方向が血管の長さ方向に沿う場合(より一般に、シフトを表すベクトルが血管の長さ方向の成分を含む場合や、当該成分が十分に大きい場合)、血管傾斜角度の補正が行われる。一方、シフト方向が血管の長さ方向に沿わない場合(より一般に、シフトを表すベクトルが血管の長さ方向の成分を含まない場合や、当該成分が十分に小さい場合)、血管傾斜角度の補正は行われない。
条件の第2の例を説明する。第2の例は、被検眼を診断するための局所的角度分布情報である。診断の対象となる疾患には、血管の(特徴的な)変形を生じる疾患が含まれる。局所的角度分布情報には、血管の特徴的な変形に対応する血管傾斜角度の局所的な分布が含まれる。典型的な例として、腫瘍や体液漏出等によって眼底血管が角膜方向又はその反対方向に突出することがある。この突出は、例えば、Aスキャン方向に対する傾斜角度が漸次的に減少する区間と漸次的に増加する区間とが傾斜角度90度の位置を挟んで隣接しているような局所的分布として表現される。局所的角度分布情報には、このような特徴的局所的分布が少なくとも1つ含まれている。
局所的角度分布情報をOCT血流計測に利用することができる。例えば、角度条件情報21a等を用いた評価において、局所的角度分布情報が表す条件を満足する位置をOCT血流計測の対象位置として選択することや、局所的角度分布情報が表す条件を満足する位置をOCT血流計測の対象位置から除外することができる。
条件の第3の例を説明する。第3の例は、被検眼を診断するための経時的角度変化情報である。第2の例の局所的角度分布情報は、(或る時点における)血管の形状を表す。これに対し、第3の例の経時的角度変化情報は、血管の形状の経時変化を表す。典型的な例として、腫瘍や体液漏出等の進行とともに血管の変形(前述の突出)も増加する。このような突出の変化は、例えば、傾斜角度の漸次的減少区間の幅の変化、漸次的増加区間の幅の変化、漸次的減少区間における高低差の変化、漸次的増加区間における高低差の変化、漸次的減少区間における傾きの変化、漸次的増加区間における傾きの変化などとして表現される。経時的角度変化情報には、このような特徴的変化が少なくとも1つ含まれている。
経時的角度変化情報をOCT血流計測に利用することができる。例えば、角度条件情報21a等を用いた評価において、経時的角度変化情報が表す条件を満足する位置をOCT血流計測の対象位置として選択することや、経時的角度変化情報が表す条件を満足する位置をOCT血流計測の対象位置から除外することができる。
〈データ収集部30〉
データ収集部30は、被検眼に対してOCTを実行することにより3次元データセットを収集する。データ収集部30は、例えばスペクトラルドメインOCT又はスウェプトソースOCTを利用した計測を実行するための構成を含む。この構成には、従来と同様に、光学系、駆動系、データ収集システム(DAQ)、制御系などが含まれる。この光学系は、例えば、干渉光学系と光スキャナと光検出器とを含む。干渉光学系は、光源から出力された光を測定光と参照光とに分割し、この測定光を被検眼に投射し、被検眼からの測定光の戻り光を参照光と重ね合わせて干渉光を生成する。光スキャナは、ガルバノスキャナ等を含み、測定光を偏向する。光検出器は、干渉光学系により生成された干渉光(のスペクトル)を検出する。
OCT血管造影において、データ収集部30は、被検眼の3次元領域をスキャンする。そのときのスキャンモードは、例えばラスタースキャン(3次元スキャン)である。このラスタースキャンは、例えば、複数のB断面のそれぞれを所定回数ずつスキャンするように、つまり、複数のB断面を所定回数ずつ順次にスキャンするように実行される。データ収集部30により収集された3次元データセットはデータ処理部40に送られる。
OCT血流計測において、データ収集部30は、注目血管に交差する注目断面を繰り返し走査する。そのときのスキャンモードは、例えばラインスキャン(Bスキャン)である。このラインスキャンは、例えば、所定の周波数で繰り返し実行される。各ラインスキャンにおいてデータ収集部30により収集されたデータはデータ処理部40に送られる。
OCT血流計測において、更に、データ収集部30は、注目断面における注目血管の傾斜角度を求めるためのスキャンを行うことができる。このスキャンは、例えば、注目血管に交差する2つの断面に対して実行される。ここで、2つの断面を注目断面の近傍に配置することができる。或いは、2つの断面の一方を注目断面の近傍に配置しつつ、他方は注目断面であってよい。この場合、上記した注目断面の繰り返しスキャンにより得られたデータを利用することができる。つまり、OCT血流計測で実行されるスキャンは、注目断面の繰り返しスキャンと他の2つの断面のスキャンとの組み合わせでもよいし、注目断面の繰り返しスキャンと他の1つの断面のスキャンとでもよい。
注目断面における注目血管の傾斜角度を求めるためのスキャンの態様は、これらに限定されない。例えば、3以上の断面をスキャンすることができる。或いは、注目断面を含む3次元領域をスキャンすることができる(3次元スキャン)。他の例として、注目断面に交差し、且つ、注目血管に沿った断面をスキャンすることができる。
〈データ処理部40〉
データ処理部40は、各種のデータ処理を行う。例えば、データ処理部40は、被検眼の画像データに対して画像処理や解析処理を施す。その典型例として、データ処理部40は、3次元コンピュータグラフィクス(3DCG)等のレンダリングを実行する。データ処理部40は、画像形成部41と、血管角度算出部42と、評価処理部43と、血流情報生成部44とを含む。
〈画像形成部41〉
画像形成部41は、データ収集部30により収集されたデータセットに基づいて、OCT画像を形成する。例えば、画像形成部41は、データ収集部30により収集された3次元データセットに基づいて、各B断面について複数の断面像(Bスキャン画像)を形成する。画像形成処理は、例えば従来のOCT技術と同様に、ノイズ除去(ノイズ低減)、フィルタ処理、FFT(Fast Fourier Transform)などを含む。
画像形成部41は、これら断面像を単一の3次元座標系に埋め込むことによりスタックデータを形成することができる。このスタックデータにおいては、各B断面に所定枚数の断面像が割り当てられている。更に、画像形成部41は、このスタックデータに対して補間処理等を施すことによりボリュームデータ(ボクセルデータ)を形成することができる。このボリュームデータについても、各B断面に相当する位置に所定数のボクセル群が割り当てられている。スタックデータやボリュームデータは、3次元データセットの例である。
画像形成部41は、3次元データセットに各種のレンダリングを施すことで、Bモード画像(縦断面像、軸方向断面像)、Cモード画像(横断面像、水平断面像)、プロジェクション画像、シャドウグラムなどを形成することができる。Bモード画像やCモード画像のような任意断面の画像は、指定された断面上の画素(ピクセル、ボクセル)を3次元データセットから選択することにより形成される。プロジェクション画像は、3次元データセットを所定方向(Z方向、深さ方向、Aスキャン方向)に投影することによって形成される。シャドウグラムは、3次元データセットの一部(例えば特定層に相当する部分データ)を所定方向に投影することによって形成される。Cモード画像、プロジェクション画像、シャドウグラムのような、被検眼の正面側を視点とする画像を正面画像と呼ぶ。
画像形成部41は、レンダリングの他にも各種の画像処理を実行することが可能である。例えば、特定の組織や組織境界を求めるためのセグメンテーションや、組織のサイズ(層厚、体積等)を求めるためのサイズ解析などがある。セグメンテーションにより特定層(又は特定の層境界)が求められた場合、その特定層が平坦になるようにBモード画像や正面画像を再構築することが可能である。そのような画像を平坦化画像と呼ぶ。
画像形成部41は、血管強調画像(アンギオグラム)を形成することができる。血管強調画像は、OCTデータを解析することで血管に相当する画像領域(血管領域)を特定し、この血管領域の表現態様を変更することでそれを強調した画像である。血管領域の特定には、被検眼の実質的に同じ範囲を繰り返しスキャンして得られた複数のOCTデータが用いられる。実施形態においては、平面画像としての血管強調画像を表示するために3次元データセットが用いられる。
血管強調画像は、例えば、OCTスキャンされた眼底の3次元領域における血管の分布(つまり、血管の3次元的な分布)を表現する。血管強調画像を形成するための手法には幾つかの種類がある。そのための典型的な手法を説明する。この処理には、被検眼の複数のB断面のそれぞれを繰り返しスキャンすることにより、時系列に並んだ複数のBモード画像をB断面ごとに含む3次元データセットが用いられる。なお、実質的に同じB断面を繰り返しスキャンするための手法として、固視やトラッキングがある。
血管強調画像を形成する処理では、まず、複数のBモード画像の位置合わせがB断面ごとに実行される。この位置合わせは、例えば、公知の画像マッチング技術を用いて行われる。その典型例として、各Bモード画像における特徴領域の抽出と、抽出された複数の特徴領域の位置合わせによる複数のBモード画像の位置合わせとを実行することができる。
続いて、位置合わせされた複数のBモード画像の間で変化している画像領域を特定する処理が行われる。この処理は、例えば、異なるBモード画像の間の差分を求める処理を含む。各Bモード画像は、被検眼の形態を表す輝度画像データであり、血管以外の部位に相当する画像領域は実質的に不変であると考えられる。一方、干渉信号に寄与する後方散乱が血流によってランダムに変化することを考慮すると、位置合わせされた複数のBモード画像の間で変化が生じた画像領域(例えば、差分がゼロでない画素、又は差分が所定閾値以上である画素)は血管領域であると推定することができる。
このようにして特定された画像領域には、それが血管領域である旨を示す情報が割り当てられる。複数のB断面について上記処理を実行することにより、3次元的に分布した血管領域が得られる。このような3次元血管強調画像をレンダリングすることで、血管分布を表す正面画像、任意断面の画像、任意範囲のシャドウグラムなどが生成される。
血管強調画像を形成する処理はこれに限定されない。例えば、ドップラーOCTを利用した従来の手法で血管領域を特定することや、従来の画像処理手法を用いて血管領域を特定することが可能である。また、部位に応じて異なる手法を用いることにより、部位ごとに血管領域を特定することが可能である。例えば、網膜については上記の典型的な手法やドップラーOCTの手法を用いて血管領域を特定し、脈絡膜については画像処理手法を用いて血管領域を特定することができる。
〈血管角度算出部42〉
血管角度算出部42は、画像形成部41により形成された3次元血管強調画像に基づいて、眼底の血管の傾斜角度を求める。典型的には、血管角度算出部42は、3次元血管強調画像に基づいて血管角度分布を求める。この血管角度分布は、眼底の1以上の位置における血管の傾斜角度を表し、典型的には2以上の位置における血管の傾斜角度を表す。血管の傾斜角度の求め方の例を以下に説明する。なお、傾斜角度が求められる位置は、例えば、3次元データセットにおけるAスキャン位置であってもよいし、隣接する2つのAスキャン位置の間の位置であってもよい。
第1の例において、血管角度算出部42は、3次元血管強調画像における血管領域の細線化を行うことで血管軸線モデルを作成する。この処理は、公知の細線化アルゴリズムを用いて行うことができる。
血管角度算出部42は、この血管軸線モデルの任意の位置(注目位置)における傾きを算出することにより、注目位置における血管傾斜角度を求めることができる。注目位置において血管軸線モデルが微分可能である場合、血管角度算出部42は、微分演算によって傾きを算出することができる。他方、注目位置において血管軸線モデルが微分不可能である場合には、例えば、注目位置における血管軸線の位置と、その近傍位置(1以上の近傍位置)における血管軸線の位置とに基づいて、注目位置における傾き(の近似値)を算出することができる。
第2の例について説明する。図4を参照する。符号B0は、血管傾斜角度が算出される注目位置を含む断面(注目断面)を表す断層像(注目断層像)を示す。注目断層像B0には、血管領域V0が描出されている。符号B11及びB12は、注目断面B0の近傍に位置する2つの断面(近傍断面)を表す2つの断層像(近傍断層像)を示す。近傍断層像B11には、血管領域V0と同じ血管(注目血管)の他の断面における血管領域V11が描出されている。同様に、近傍断層像B12には、注目血管の他の断面における血管領域V12が描出されている。
ここで、例えば、ラベリングやリージョングローイング等の公知の処理を3次元血管強調画像に適用することにより、注目血管の位置(分布)を把握して近傍断面を設定することができる。なお、注目断面及び近傍断面の少なくとも一方をユーザが設定するための表示及びグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)を提供することも可能である。
血管角度算出部42は、注目断層像B0と近傍断層像B11及びB12とに基づいて、注目断面における注目血管の傾きを算出する。なお、参照される近傍断層像の個数は2つに限定されず、1以上の任意個数であってよい。
血管角度算出部42は、血管領域V0、V11及びV12と断面間距離とに基づいて、注目断面における注目血管の傾きを算出する。断面間距離は、近傍断層像B11と近傍断層像B12との間の距離を含んでよい。また、断面間距離は、近傍断層像B11と注目断層像B0との間の距離、及び、近傍断層像B12と注目断層像B0との間の距離の少なくとも一方を含んでよい。近傍断層像B11(B12)と注目断層像B0との間隔をLとする。
図4に示すAスキャン方向(下方を示す矢印が指す方向)は、例えば、注目断層像B0に含まれるAスキャン像(例えば、注目断層像B0に含まれる複数のAスキャン像の中央に位置するAスキャン像)の向きを示す。本例において、注目断面におけるAスキャン方向と注目血管の向きAとが成す角度を、当該注目断面における当該注目血管の傾斜角度として定義することができる。
1つの例において、血管角度算出部42は、3つの血管領域V0、V11及びV12の位置関係に基づいて、注目断面における注目血管の向きAを算出することができる。この位置関係は、例えば、3つの血管領域V0、V11及びV12を結ぶことによって得られる。具体的には、血管角度算出部42は、3つの血管領域V0、V11及びV12のそれぞれの特徴点を特定し、これら特徴点を結ぶ。この特徴点としては、中心位置(軸線位置)、重心位置、最上部などがある。また、これら特徴点の結び方としては、線分で結ぶ方法、近似曲線(スプライン曲線、ベジェ曲線等)で結ぶ方法などがある。
更に、血管角度算出部42は、これら特徴点を結ぶ線に基づいて向きAを算出する。線分が用いられる場合、血管角度算出部42は、例えば、注目断層像B0内の血管領域V0の特徴点と近傍断層像B11内の血管領域V11の特徴点とを結ぶ第1線分の傾きと、血管領域V0の当該特徴点と近傍断層像B12内の血管領域V12の特徴点とを結ぶ第2線分の傾きとに基づいて、向きAを算出することができる。この算出処理の例として、2つの線分の傾きの平均値を求めることができる。また、近似曲線で結ぶ場合の例として、近似曲線と注目断面との交差位置における近似曲線の傾きを求めることができる。
この例では、3つの断面における血管領域を考慮しているが、2つの断面の血管領域を考慮して傾きを求めることも可能である。具体例として、近傍断層像B11内の血管領域V11と近傍断層像B12内の血管領域V12とに基づいて、注目断面における注目血管の向きAを求めることができる。また、近傍断層像B11内の血管領域V11と注目断層像B0内の血管領域V0とに基づいて、注目断面における注目血管の向きAを求めることもできる。例えば、上記の第1線分又は第2線分の傾きを求め、これを注目血管の向きAとして採用することができる。
また、上記の例では血管の向きを1つだけ求めてそれを向きAとして採用しているが、血管領域V0中の2以上の位置(又は領域)についてそれぞれ傾きを求めてもよい。この場合、得られた2以上の傾きの値を別々に用いることもできるし、これら傾きの値から統計的に得られる1つの値(例えば平均値)を向きAとして用いることもできる。
〈評価処理部43〉
評価処理部43は、血管角度算出部42により求められた傾斜角度に基づいて、OCT血流計測の対象位置としての適性を評価する。眼底の複数の位置について血管の傾斜角度が求められた場合(つまり、血管角度分布が得られた場合)、評価処理部43は、複数の位置のうちの1以上の位置のそれぞれについて、当該位置における傾斜角度に基づき当該位置の適性を評価することができる。
より一般に、評価処理部43は、血管角度算出部42により取得された傾斜角度傾斜角度が所定条件を満足するか判定することができる。また、血管角度分布が得られた場合、評価処理部43は、所定条件を満足する眼底の1以上の位置を特定することができる。所定条件は条件情報21に含まれている。
角度条件情報が適用される場合、評価処理部43は、血管角度算出部42により取得された傾斜角度と角度条件情報とを比較することにより、この傾斜角度(これに対応する眼底の位置)がOCT血流計測に適しているか評価することができる。このような処理によれば、血管角度分布が得られた場合、この血管角度分布に含まれる複数の位置の少なくとも一部に対し、評価のランクを割り当てることができる。
例えば、図2に示す角度条件情報21aが適用される場合、血管角度算出部42により取得された傾斜角度(これに対応する眼底の位置)に対し、Hランク、Mランク及びNランクの少なくとも1つが割り当てられる。典型的には、Hランクの位置、Mランクの位置、及びNランクの位置をそれぞれ特定することができる。また、OCT血流計測への適性が高程度であるHランクの位置のみを割り当てることができる。また、OCT血流計測への適性が中程度であるMランクの位置のみを割り当てることができる。また、OCT血流計測に適さないNランクの位置のみを割り当てることができる。
局所的角度分布情報が評価に用いられる場合、評価処理部43は、例えば、血管角度算出部42により取得された血管角度分布と局所的角度分布情報とに基づいて、特徴的な変形が生じている血管の部位(血管が特徴的な形状を有する部位)を特定することができる。前述したように、特徴的な変形は、例えば腫瘍や体液漏出に起因する突出である。また、血管の蛇行や、血管径の局所的変化などを特徴的な変形として検出することも可能である。また、このような処理の結果を、OCT血流計測のための適性の評価に利用することができる。
経時的角度変化情報が評価に用いられる場合、評価処理部43は、例えば、血管角度算出部42により取得された血管角度分布と経時的角度変化情報とに基づいて、血管形状の経時変化が特徴的である部位を特定することができる。前述したように、血管形状の特徴的な経時変化は、例えば腫瘍や体液漏出等の進行に起因する。また、血管の蛇行状態の経時変化や、血管径の経時的変化などを特徴的な経時変化として検出することも可能である。また、このような処理の結果を、OCT血流計測のための適性の評価に利用することができる。
〈血流情報生成部44〉
血流情報生成部44は、OCT血流計測のために動作する。血流情報生成部44は、OCT血流計測のためにデータ収集部30により収集されたデータと、血管の傾斜角度とに基づいて、当該血管における血流状態を表す血流情報を生成する。
データ収集部30により収集されたデータは、注目血管に交差する注目断面を繰り返し走査することにより収集されたデータ(第1データ)を少なくとも含み、注目血管に交差し、且つ、注目断面と異なる1以上の断面(注目断面の近傍の断面)を走査することにより得られたデータ(第2データ)を更に含んでよい。第2データが含まれない場合には、例えば、OCT血流計測とは別途に取得された、注目断面の位置又はその近傍位置における注目血管の傾斜角度を用いることができる。その例として、血管角度算出部42により求められた傾斜角度を用いることが可能である。
血流情報生成部44が実行する処理の例を説明する。典型的な例において、血流情報生成部44は、データ収集部30により収集されたデータに基づいて、眼底の断層像と位相画像とを形成する。
OCT血流計測では、眼底に対して2種類の走査(補助的走査及び本走査)を行う。補助的走査は、注目断面と異なる1以上の断面(注目断面の近傍の断面)を走査して第2データを収集するために実行される。典型的な補助的走査では、注目血管に交差する2以上の断面が測定光で走査される。補助的走査により取得されたデータは、注目断面における注目血管の傾斜角度を求めるために用いられる。一方、本走査は、注目血管に交差する注目断面を測定光で反復的に走査して第1データを収集するために実行される。補助的走査が行われる断面は、注目断面の近傍に配置される。本走査は、OCTを用いたドップラー計測である。
補助的走査及び本走査の対象断面は、例えば、注目血管の走行方向に対して直交するように向き付けられる。また、補助的走査の対象断面と注目断面との間の距離(断面間距離)は、事前に設定されるか、或いは、検査ごとに設定される。後者の例として、注目断面又はその近傍における注目血管の曲率や、検査精度等の所定のファクターに基づいて、断面間距離を設定することが可能である。また、ユーザが所望の断面間距離を設定するようにしてもよい。
本走査は、患者の心臓の少なくとも1心周期の間にわたって実行されることが望ましい。それにより、心臓の全ての時相における血流情報が得られる。本走査の実行時間は、予め設定された一定の時間であってもよいし、患者ごとに又は検査ごとに設定された時間であってもよい。
血流情報生成部44は、例えば、注目断面の近傍に設定された2つの補助的断面に対する補助的走査により収集されたデータに基づいて、第1補助的断面の形態を表す断層像と、第2補助的断面の形態を表す断層像とを形成する。このとき、加算平均等の技術を利用して画質向上を図ることや、各補助的断面の2以上の断層像から最適な1枚を選択することが可能である。
更に、血流情報生成部44は、注目断面に対する本走査(反復的走査)により収集されたデータに基づいて、注目断面の形態の時系列変化を表す断層像群を形成する。この処理は、例えば、走査の反復ごとに収集されたデータから断層像を形成することにより実現される。或いは、所定反復数ごとに収集された2以上のデータから2以上の断層像を形成し、これらの平均(加算平均、移動平均等)を求めることによって画質の向上を図ってもよい。
血流情報生成部44が実行する処理は、例えば従来のOCT技術と同様に、ノイズ除去(ノイズ低減)、フィルタ処理、FFT(Fast Fourier Transform)などを含む。なお、ここで説明した断層像形成処理は、画像形成部41が実行する処理と同様である。したがって、断層像形成処理を画像形成部41にて行うことができる。
血流情報生成部44は、注目断面に対する本走査により収集されたデータに基づいて、注目断面における位相差の時系列変化を表す位相画像を形成する。この処理に用いられるデータは、注目断面の断層像(群)を形成するために用いられるデータと同じである。よって、注目断面の断層像と位相画像との間には自然な位置対応関係があり、レジストレーションは容易である。
位相画像の形成方法の例を説明する。典型的な例において、位相画像は、隣り合うAライン複素信号(隣接する走査点に対応する信号)の位相差を算出することにより得られる。換言すると、この例の位相画像は、注目断面の断層像の各画素について、その画素の画素値(輝度値)の時系列変化に基づき形成される。任意の画素について、血流情報生成部44は、その輝度値の時系列変化のグラフを考慮する。血流情報生成部44は、このグラフにおいて所定の時間間隔Δtだけ離れた2つの時点t1及びt2(t2=t1+Δt)の間における位相差Δφを求める。そして、この位相差Δφを時点t1(より一般に2つの時点t1及びt2の間の任意の時点)における位相差Δφ(t1)として定義する。予め設定された多数の時点のそれぞれについてこの処理を実行することで、当該画素における位相差の時系列変化が得られる。
位相画像は、各画素の各時点における位相差の値を画像として表現したものである。この画像化処理は、例えば、位相差の値を表示色や輝度で表現することで実現できる。このとき、時系列に沿って位相が増加したことを表す色(例えば赤)と、減少したことを表す色(例えば青)とを違えることができる。また、位相の変化量の大きさを表示色の濃さで表現することもできる。このような表現方法を採用することで、血流の向きや大きさを色や濃度で提示することが可能となる。以上の処理を各画素について実行することにより位相画像が形成される。
なお、位相差の時系列変化は、上記の時間間隔Δtを十分に小さくして位相の相関を確保することにより得られる。このとき、測定光の走査において断層像の分解能に相当する時間未満の値に時間間隔Δtを設定したオーバーサンプリングが実行される。
血流情報生成部44は、例えば、血管領域特定処理と、傾斜角度算出処理と、血流情報生成処理とを実行することができる。血流情報生成処理は、例えば、血流速度算出処理と、血管径算出処理と、血流量算出処理とを含んでよい。
血管領域特定処理において、血流情報生成部44は、注目血管に対応する断層像中の血管領域を特定する。更に、血流情報生成部44は、注目血管に対応する位相画像中の血管領域を特定する。血管領域の特定は、各画像の画素値を解析することにより行われる(例えば閾値処理)。断層像中の血管領域と、断層像と位相画像とのレジストレーション結果とに基づいて、位相画像中の血管領域を特定するようにしてもよい。
傾斜角度算出処理において、血流情報生成部44は、補助的走査により取得されたデータに基づいて、注目断面における注目血管の傾斜角度を算出する。例えば、血流情報生成部44は、断面間距離と血管領域の特定結果とに基づいて、注目断面における注目血管の傾斜角度を算出することができる。この処理は、血管角度算出部42が実行する処理(図4参照)と同様である。なお、血管角度算出部42により取得された傾斜角度をOCT血流計測に用いる場合には、傾斜角度算出処理を実行する必要はない。
血流情報生成処理において、血流情報生成部44は、本走査(ドップラーOCT)により取得されたデータ(位相画像)と、傾斜角度算出処理により算出された血管の傾斜角度(又は、血管角度算出部42により求められた傾斜角度など)とに基づいて、注目血管に関する血流情報を生成する。前述のように、典型的な例の血流情報生成処理は、血流速度算出処理と、血管径算出処理と、血流量算出処理とを含む。
血流情報生成部44は、位相画像として得られる位相差の時系列変化に基づいて、注目血管内を流れる血液の注目断面における血流速度を算出することができる。本処理により算出される値は、或る時点における血流速度でもよいし、血流速度の時系列変化(血流速度変化情報)でもよい。前者の場合、例えば心電図の所定の時相(例えばR波の時相)における血流速度を選択的に取得することが可能である。また、後者における時間の範囲は、注目断面を走査した時間の全体又は任意の一部である。
血流速度変化情報が得られた場合、血流情報生成部44は、当該時間の範囲における血流速度の統計値を算出することができる。この統計値としては、平均値、標準偏差、分散、中央値、最大値、最小値、極大値、極小値などがある。また、血流速度の値についてのヒストグラムを作成することもできる。
血流情報生成部44は、前述のようにドップラーOCTの手法を用いて血流速度を算出することができる。血流速度の算出には、例えば次の関係式が用いられる。
Figure 0006892234
Δf:測定光の散乱光が受けるドップラーシフト
n:媒質(血液)の屈折率
v:媒質の流速(血流速度)
θ:測定光の入射方向と媒質の流れの方向とが成す角度(傾斜角度)
λ:測定光の中心波長
典型的な例において、媒質の屈折力nと測定光の中心波長λはそれぞれ既知であり、ドップラーシフトΔfは位相差の時系列変化から得られ、傾斜角度θは傾斜角度算出処理又は血管角度分布から得られる。血流情報生成部44は、これらの値を上記関係式に代入することにより、血流速度vを算出することができる。
血管径算出処理において、血流情報生成部44は、注目断面における注目血管の径を算出する。この算出方法の例として、眼底の正面画像を用いる第1の算出方法と、断層像を用いる第2の算出方法がある。
第1の算出方法が適用される場合、注目断面の位置を含む眼底の部位の撮影が予め行われる。この眼底撮影は、例えば正面画像取得部60により行われる。或いは、過去に取得されて保存された眼底の正面画像を読み出してもよい。
血流情報生成部44は、撮影画角(撮影倍率)、ワーキングディスタンス、眼球光学系の情報など、画像上のスケールと実空間でのスケールとの関係を決定する各種ファクターに基づいて、眼底の正面画像におけるスケールを設定する。このスケールは実空間における長さを表す。具体例として、このスケールは、隣接する画素の間隔と、実空間におけるスケールとを対応付けたものである(例えば画素の間隔=10μm)。なお、上記ファクターの様々な値と、実空間でのスケールとの関係を予め算出し、この関係をテーブル形式やグラフ形式で表現した情報を記憶しておくことも可能である。この場合、上記ファクターに対応するスケールが選択的に適用される。
血流情報生成部44は、このスケールと血管領域に含まれる画素とに基づいて、注目断面における注目血管の径、つまり血管領域の径を算出する。具体例として、血流情報生成部44は、血管領域の様々な方向の径の最大値や平均値を求めることができる。或いは、血流情報生成部44は、血管領域の輪郭を円近似又は楕円近似し、その円又は楕円の径を求めることができる。なお、血管径が決まれば血管領域の面積を(実質的に)決定することができるので、血管径を求める代わりに当該面積を算出するようにしてもよい。
第2の算出方法について説明する。第2の算出方法では、注目断面における眼底の断層像が用いられる。この断層像は、本走査に基づく断層像でもよいし、これとは別に取得されたものでもよい。この断層像におけるスケールは、測定光の走査態様に応じて決定される。注目断面の長さは、ワーキングディスタンス、眼球光学系の情報など、画像上のスケールと実空間でのスケールとの関係を決定する各種ファクターに基づいて決定される。血流情報生成部44は、例えば、注目断面の長さに基づいて隣接する画素の間隔を求め、第1の算出方法と同様にして注目断面における注目血管の径を算出することができる。
血流量算出処理において、血流情報生成部44は、血流速度の算出結果と血管径の算出結果とに基づいて、注目血管内を流れる血液の流量を算出する。この処理の一例を以下に説明する。
血管内における血流がハーゲン・ポアズイユ流(Hagen−Poiseuille flow)と仮定する。また、血管径をwとし、血流速度の最大値をVmとする。この場合、血流量Qは次の関係式で表される。
Figure 0006892234
血流情報生成部44は、血管径算出処理により得られた血管径wと、血流速度算出処理により得られた血流速度における最大値Vmとを上記関係式に代入することにより、血流量Qを算出することができる。
〈操作部50〉
操作部50は、眼科撮影装置1に対してユーザが指示を入力するために使用される。操作部50は、眼科装置やコンピュータに用いられる公知の操作デバイスを含んでよい。例えば、操作部50は、マウス、タッチパッド、トラックボール、キーボード、ペンタブレット、操作パネル、ジョイスティック、ボタン、スイッチ等を含んでよい。また、操作部50は、タッチパネルを含んでよい。この場合、制御部10は、眼科撮影装置1を操作するためのGUIをタッチパネルに表示することができる。
〈正面画像取得部60〉
正面画像取得部60は、眼底の正面画像を取得する。正面画像を取得するための処理は任意である。第1の例において、正面画像取得部60は、眼底を撮影するための構成を含んでよい。例えば、正面画像取得部60は、眼底カメラの光学系、SLOの光学系などを含んでよい。
第2の例において、正面画像取得部60は、当該被検眼の眼底の正面画像を外部装置から取得するための構成を含んでよい。例えば、正面画像取得部60は、LAN、インターネット、専用線等の通信回線を介してデータの送受信を行うための通信デバイスを含んでよい。この場合、正面画像取得部60は、例えば電子カルテシステムや画像アーカイビングシステムに格納されている当該被検眼の眼底の正面画像を、患者IDやDICOMタグ等を検索クエリとして取得することができる。
第3の例において、正面画像取得部60は、OCTによって正面画像を形成することができる。OCT正面画像としては、Cモード画像、プロジェクション画像、シャドウグラムなどがある。
血管強調画像の形成に用いられた3次元データセットをレンダリングすることによって正面画像が形成される場合、共通の3次元データセット(つまり共通の3次元座標系)を介して血管強調画像と正面画像とをレジストレーションすることが可能である。一般に、血管強調画像と正面画像との間のレジストレーションは、例えば、双方の画像から特徴部位(視神経乳頭、黄斑部、血管、病変部、レーザ瘢痕等)を検出する処理と、双方の特徴部位を基準として双方の画像を位置合わせする処理とを通じて行うことができる。
〈動作〉
例示的な眼科撮影装置が実行可能な動作の幾つかの例を説明する。
〈第1動作例〉
第1動作例では、OCT血管造影を用いて得られた血管傾斜角度に基づいてOCT血流計測の対象位置の評価を行う。本例において実行される処理の流れを図5に示す。なお、患者ID等の入力、被検眼に対する光学系のアライメント、光学系のフォーカス調整、OCT光路長調整、固視位置の調整、OCTスキャン範囲の設定などの準備的処理は、既になされているものとする(他の動作例においても同様)。
(S1:眼底OCTにより3次元データセットを収集する)
OCT血管造影のために、データ収集部30は、制御部10による制御の下、OCTを用いて被検眼の眼底の3次元データセットを収集する。収集された3次元データセットは、データ処理部40に送られる。
(S2:眼底の血管強調画像を形成する)
画像形成部41は、ステップS1で収集された3次元データセットに基づいて、3次元血管強調画像を形成する。
(S3:血管角度分布を求める)
血管角度算出部42は、ステップS2で形成された3次元血管強調画像に基づいて、眼底の1以上の位置における血管の傾斜角度を表す血管角度分布を求める。求められた血管角度分布は、例えば、記憶部20に格納される。
(S4:評価結果分布を求める)
評価処理部43は、ステップS3で求められた血管角度分布に基づき、上記1以上の位置の少なくとも一部について、OCT血流計測の対象部位としての適性を評価する。それにより、眼底の1以上の位置における適性の評価結果を表す評価結果分布が得られる。
(S5:評価結果分布を表示する)
表示制御部11は、ステップS4で求められた評価結果分布を表示デバイス2に表示する。なお、表示制御部11は、評価結果分布に加えて他の情報を表示することができる。このとき、評価結果分布と他の情報とを並べて表示することや、一方を他方に重ねて表示することや、これらを合成して得られた情報を表示することや、これらを選択的に表示することが可能である。
〈第2動作例〉
第2動作例では、評価結果分布と眼底の正面画像とを表示する。本例において実行される処理の流れを図6に示す。
(S11〜S14)
ステップS11、S12、S13及びS14は、それぞれ、第1動作例のステップS1、S2、S3及びS4と同様にして実行される。
(S15:眼底の正面画像を取得する)
正面画像取得部60は、例えば、電子カルテシステム等にアクセスすることにより、眼底を撮影することにより、又は、ステップS11で収集された3次元データセットをレンダリングすることにより、眼底の正面画像を取得する。なお、正面画像の取得処理を行うタイミングは任意であってよい。
(S16:評価結果分布と正面画像を表示する)
表示制御部11は、ステップS14で作成された評価結果分布と、ステップS15で取得された正面画像とを表示デバイス2に表示する。このとき、表示制御部11又はデータ処理部40は、評価結果分布と正面画像との間のレジストレーションを行うことができる。
典型的な例において、表示制御部11は、レジストレーションの結果に基づき、正面画像に評価結果分布を重ねて表示することができる。このとき、評価結果分布のアルファ値の設定を行うことにより、評価結果分布の透過度を調整することができる。このような表示モードによれば、ユーザは、眼底における評価結果分布の分布を容易に把握することができる。
評価結果分布の表示モードについて説明する。表示制御部11は、例えば、評価結果に応じた疑似カラーを評価結果分布に割り当てて表示することができる。また、表示制御部11は、所定の評価結果に該当する位置のみを選択的に表示したり、そのような位置を他の位置と異なる態様で表示したりすることができる。
ステップS16で表示される情報の例を図7に示す。本例では、眼底の正面画像Gに評価結果分布がオーバーレイ表示される。この評価結果分布は、正面画像Gに描出されている血管C及びDに関する評価結果を含む。血管Cに関する評価結果には、第1部分C1と第2部分C2とが含まれる。第1部分C1は、図2に示す角度条件情報21aに基づきHランクと評価された位置(部位)を表し、第2部分C2は、Mランクと評価された位置(部位)を表す。同様に、血管Dに関する評価結果には、第1部分D1と第2部分D2と第3部分D3とが含まれる。第1部分D1及び第3部分D3は、Hランクと評価された位置(部位)を表し、第2部分D2は、Mランクと評価された位置(部位)を表す。ここで、Hランクの位置とMランクの位置とは、例えば、互いに異なる色で表現される。
〈第3動作例〉
第3動作例では、深さ領域ごとの評価結果分布(部分的評価結果分布)を正面画像とともに表示する。本例において実行される処理の流れを図8に示す。
(S21〜S24)
ステップS21、S22、S23及びS24は、それぞれ、第1動作例のステップS1、S2、S3及びS4と同様にして実行される。
(S25:1以上の深さ領域に対応する1以上の部分的評価結果分布を作成する)
データ処理部40及び/又は表示制御部11は、ステップS24で求められた評価結果分布に基づいて、1以上の深さ領域のそれぞれに対応する部分的評価結果分布を作成する。
深さ領域の例として、網膜、網膜の1以上のサブ組織、脈絡膜、脈絡膜の1以上のサブ組織、強膜、硝子体、視神経乳頭陥凹、篩状板などがある。深さ領域は、自動で又は手動で設定される。
本例では、血管の3次元的な分布を表す3次元血管強調画像から血管角度分布が生成され、この血管角度分布から評価結果分布が生成される。したがって、血管の3次元位置と、その3次元位置における評価結果とが対応付けられた評価結果分布が得られる。このような3次元評価結果分布のセグメンテーションを行うことによって部分的評価結果分布が得られる。このセグメンテーションは、例えば、ステップS21で収集された3次元データセットをセグメンテーションした結果、又は、この3次元データセットから形成された画像(通常のOCT画像、血管強調画像等)をセグメンテーションした結果を、3次元評価結果分布に反映させることにより実行される。それにより、部分的評価結果分布を作成することができる。
(S26:眼底の正面画像を取得する)
第2動作例のステップS15と同様にして、正面画像取得部60は、眼底の正面画像を取得する。このとき、1以上の深さ領域のそれぞれについての正面画像(シャドウグラム)を作成することができる。
(S27:部分的評価結果分布と正面画像を表示する)
表示制御部11は、ステップS25で作成された部分的評価結果分布と、ステップS26で取得された正面画像とを表示デバイス2に表示する。このとき、表示制御部11又はデータ処理部40は、部分的評価結果分布と正面画像との間のレジストレーションを行うことができる。
典型的な例において、表示制御部11は、レジストレーションの結果に基づき、部分的評価結果分布を正面画像に重ねて表示させる。このとき、部分的評価結果分布のアルファ値の設定を行うことにより、部分的評価結果分布の透過度を調整することができる。このような表示モードによれば、ユーザは、評価結果の分布を深さ領域ごとに把握することができる。
2以上の深さ領域に対応する2以上の部分的評価結果分布が作成された場合、これら部分的評価結果分布を選択的に表示することや、並べて表示することができる。また、異なる疑似カラーを割り当てられた2以上の部分的評価結果分布を重ねて表示することも可能である。
〈他の動作例〉
第1〜第3動作例又は他の動作例において、ユーザは、表示デバイス2に表示された情報(少なくとも評価結果分布が含まれる)を参照することにより、OCT血流計測を行う位置(注目血管、注目断面等)を指定することができる。OCT血流計測を行う位置の指定は、例えば、操作部50を用いたクリック操作又はドラッグ操作であってよい。
図7に示すように眼底の正面画像Gに評価結果分布がオーバーレイ表示された場合、ユーザは、例えば、Hランクの位置を含む血管C及び/又は血管DをOCT血流計測の対象(注目血管)として指定することができる。更に、ユーザは、Hランクに該当する部分(血管Cの第1部分C1、血管Dの第1部分D1及び第3部分D3)内の所望の位置に注目断面を設定することができる。
制御部10は、指定された注目断面におけるOCT血流計測を実行するようにデータ収集部30を制御する。データ収集部30は、注目血管に交差する注目断面を繰り返し走査することにより第1データを収集する。これに加え、データ収集部30は、注目血管に交差する補助的断面を走査することにより第2データを収集することができる。血流情報生成部44は、データ収集部30により収集された第1データと、注目断面における注目血管の傾斜角度とに基づいて、注目血管に関する血流情報を生成する。
制御部10は、生成された血流情報を表示デバイス2に表示することや、記憶部20に保存することや、外部装置に送信することができる。また、OCT血流計測において得られた情報(断層像、位相画像等)についても同様の処理を行うことが可能である。
〈眼科撮影装置の第2実施形態〉
眼科撮影装置の他の例示的な実施形態を説明する。本実施形態では、被検眼の瞳孔の大きさを検出して角度条件情報を補正することにより、それぞれの被検眼に応じた評価を実現する。このような眼科撮影装置の構成例を図9に示す。
眼科撮影装置1Aは、データ処理部40に瞳孔サイズ情報取得部45が設けられている点において、第1実施形態の眼科撮影装置1と異なる。第1実施形態と同様の要素には同じ符号を付す。特に言及しない限り、眼科撮影装置1Aの要素は、第1実施形態と同様の構成を備え、同様の動作を行う。
瞳孔サイズ情報取得部45は、被検眼の瞳孔のサイズを表す瞳孔サイズ情報を取得する。瞳孔サイズは、例えば、瞳孔の径若しくは面積、又は、瞳孔の近似円(又は近似楕円)の径又は面積として表される。
瞳孔サイズ情報取得部45は、例えば、被検眼の前眼部像を解析することにより瞳孔サイズ情報を取得することができる。この場合の例として、正面画像取得部60は、被検眼の前眼部の正面画像(前眼部像)を取得する。前眼部像は、例えば、眼底カメラ、スリットランプ顕微鏡等により取得される。また、前眼部OCTにより収集された3次元データセットに基づくプロジェクション画像又はシャドウグラムを前眼部像として用いることも可能である。瞳孔サイズ情報取得部45は、例えば、前眼部像の画素値に基づき瞳孔領域を特定し、この瞳孔領域の輪郭を円近似又は楕円近似し、その円又は楕円の径を求めることができる。なお、瞳孔径が決まれば瞳孔領域の面積を(実質的に)決定することができるので、瞳孔径の代わりに瞳孔面積を用いることができる。
他の例において、瞳孔サイズ情報取得部45は、外部装置(電子カルテシステム等)から通信回線を介して被検眼の瞳孔サイズ情報を取得するための通信デバイスを含んでいてよい。
評価処理部43は、瞳孔サイズ情報取得部45により取得された瞳孔サイズ情報に基づいて、角度条件情報に含まれる1以上の角度条件のうちの少なくとも1つを変更する。図2に示す角度条件情報21aにおいては、図3等に示すように測定光をシフトすることによって傾斜角度を好適範囲「75〜80度」に補正することが可能なMランクの角度条件と、当該補正が不可能なNランクの角度条件とが変更される。
角度条件を変更する処理においては、前述した関係式Δθ=arctan(d/T)が参照される。ここで、図3に示すように、Δθは、測定経路LS0と測定経路LS1とが眼底において成す角度であり、dは、測定経路LS0に対する測定経路LS1のシフト距離であり、Tは、被検眼内における測定光路LS0の長さである。瞳孔サイズは測定経路のシフト距離dの制約条件であり、瞳孔が大きいほどシフト距離dを大きくすることができる。典型的には、瞳孔径の半分の値(つまり瞳孔の半径)をシフト距離dの最大値に設定することができる。
本実施形態の動作例を説明する。本例において実行される処理の流れを図10に示す。これは、第1実施形態の第1動作例に角度条件情報の補正を付加した場合の例であるが、その他の動作例に角度条件情報の補正を付加する場合も同様である。
(S31:瞳孔サイズ情報を取得する)
まず、瞳孔サイズ情報取得部45等により、被検眼の瞳孔サイズ情報が取得される。
(S32:角度条件情報を変更する)
評価処理部43は、ステップS31において取得された瞳孔サイズ情報に基づいて、角度条件情報(21a)に含まれる1以上の角度条件のうちの少なくとも1つを変更する。
なお、瞳孔サイズ情報が示す値によっては、角度条件情報の変更を行わなくてよい場合がある。例えば、所定範囲の瞳孔サイズについて角度条件情報が作成された場合において、ステップS31で得られた瞳孔サイズ情報が示す値が所定範囲に含まれるときには、角度条件情報を変更する必要はない。
(S33〜S35)
ステップS33、S34及びS35は、それぞれ、第1動作例のステップS1、S2及びS3と同様にして実行される。
(S36:変更された角度条件情報を参照して評価結果分布を求める)
評価処理部43は、ステップS32で変更された角度条件情報と、ステップS35で求められた血管角度分布とに基づいて、評価結果分布を生成する。
(S37:評価結果分布を表示する)
表示制御部11は、ステップS36で求められた評価結果分布を表示デバイス2に表示する。ユーザは、表示された評価結果分布等を参照することにより、OCT血流計測を行う位置(注目血管、注目断面等)を指定することができる。更に、眼科撮影装置1Aは、指定された注目断面におけるOCT血流計測を実行することができる。
〈眼科撮影装置の第3実施形態〉
眼科撮影装置の他の例示的な実施形態を説明する。本実施形態では、散瞳剤が適用されていない状態における被検眼の瞳孔の大きさから散瞳剤適用時の瞳孔径を推定して角度条件情報を補正する。それにより、散瞳剤の適用を仮定した評価のシミュレーションが可能となる。このような眼科撮影装置の構成例を図11に示す。
眼科撮影装置1Bは、データ処理部40に瞳孔サイズ推定部46が設けられている点において、第2実施形態の眼科撮影装置1Aと異なる。第2実施形態と同様の要素には同じ符号を付す。特に言及しない限り、眼科撮影装置1Bの要素は、第1実施形態又は第2実施形態と同様の構成を備え、同様の動作を行う。
前述したように、瞳孔サイズ情報取得部45は、被検眼の瞳孔のサイズを表す瞳孔サイズ情報を取得する。本実施形態では、散瞳剤が適用されていない状態(つまり散瞳していない状態)の瞳孔サイズが取得される。例えば、散瞳剤が適用されていない状態の被検眼の前眼部を撮影することにより得られた前眼部像を解析することにより、散瞳剤が適用されていない状態の瞳孔サイズ情報を取得することができる。また、そのような瞳孔サイズ情報を、外部装置(電子カルテシステム等)から通信回線を介して取得してもよい。
瞳孔サイズ推定部46は、瞳孔サイズ情報取得部45により取得された瞳孔サイズ情報に基づいて、散瞳剤が適用された状態における被検眼の瞳孔のサイズを推定する。この推定は、例えば、次のいずれかを参照して行われる:散瞳剤による瞳孔サイズの変化量の標準値(臨床的に得られた統計値等);被検眼に対して過去に散瞳剤を適用したときの瞳孔サイズの変化量。
このような参照情報を、2種類以上の散瞳剤のそれぞれについて準備することができる。また、非散瞳時の瞳孔サイズの値に応じて、参照情報を段階的に準備することができる。また、診断名(確定診断名、疑い診断名等)、投与薬剤、病歴、薬剤歴、年齢、性別等の任意のファクターに応じて、複数の参照情報を準備することができる。このようなファクターに関する情報は、例えば、電子カルテシステム等から取得される。
評価処理部43は、瞳孔サイズ推定部46により推定された瞳孔サイズに基づいて、角度条件情報に含まれる1以上の角度条件のうちの少なくとも1つを変更する。角度条件の変更は、第2実施形態と同様にして実行される。
本実施形態の動作例を説明する。本例において実行される処理の流れを図12に示す。これは、第2実施形態の動作例に瞳孔サイズの推定を付加した場合の例であるが、その他の動作例に瞳孔サイズの推定を付加する場合も同様である。
(S41:瞳孔サイズ情報を取得する)
まず、瞳孔サイズ情報取得部45等により、被検眼の瞳孔サイズ情報が取得される。
(S42:散瞳時の瞳孔サイズを推定する)
瞳孔サイズ推定部46は、ステップS41において取得された瞳孔サイズ情報(及び前述の参照情報)に基づいて、散瞳時における被検眼の瞳孔サイズを推定する。
(S43:角度条件情報を変更する)
評価処理部43は、ステップS42において推定された瞳孔サイズに基づいて、角度条件情報(21a)に含まれる1以上の角度条件のうちの少なくとも1つを変更する。なお、瞳孔サイズの推定値が示す値によっては、角度条件情報の変更を行わなくてよい。
(S44〜S46)
ステップS44、S45及びS46は、それぞれ、第1動作例のステップS1、S2及びS3と同様にして実行される。
(S47:変更された角度条件情報を参照して評価結果分布を求める)
評価処理部43は、ステップS43で変更された角度条件情報と、ステップS46で求められた血管角度分布とに基づいて、評価結果分布を生成する。
(S48:評価結果分布を表示する)
表示制御部11は、ステップS47で求められた評価結果分布を表示デバイス2に表示する。ユーザは、表示された評価結果分布等を参照することにより、OCT血流計測を行う位置(注目血管、注目断面等)を指定することができる。更に、眼科撮影装置1Bは、指定された注目断面におけるOCT血流計測を実行することができる。
〈作用・効果〉
例示的な眼科撮影装置の作用及び効果について説明する。
例示的な眼科撮影装置(1、1A、1B)は、データ収集部(30)と、血管強調画像形成部(画像形成部41)と、血管角度算出部(42)と、評価処理部(43)と、表示制御部(11)とを備える。データ収集部は、OCTを用いて被検眼の眼底の3次元データセットを収集する。血管強調画像形成部は、この3次元データセットに基づいて血管強調画像を形成する。血管角度算出部は、この血管強調画像に基づいて、眼底の血管の傾斜角度を求める。評価処理部は、血管角度算出部により求められた傾斜角度に基づいて、OCT血流計測の対象位置としての適性を評価する。表示制御部は、評価処理部により得られた評価結果を表示手段(表示デバイス2)に表示させる。
実施形態において、評価処理部は、血管角度算出部により求められた傾斜角度と、1以上の角度条件を表す角度条件情報(21a)とを比較することにより、OCT血流計測の対象位置としての適性の評価を行うことができる。
例示的な眼科撮影装置(1A)は、被検眼の瞳孔のサイズを表す瞳孔サイズ情報を取得する瞳孔サイズ情報取得部(45)を備えていてよい。この場合、評価処理部は、瞳孔サイズ情報取得部により取得された瞳孔サイズ情報に基づいて、角度条件情報に含まれる1以上の角度条件の少なくとも1つを変更することができる。
実施形態において、瞳孔サイズ情報取得部は、散瞳剤が適用されていない状態における被検眼の瞳孔のサイズを表す瞳孔サイズ情報を取得することができる。更に、例示的な眼科撮影装置(1B)は、瞳孔サイズ情報取得部により取得された瞳孔サイズ情報に基づいて、散瞳剤が適用された状態における被検眼の瞳孔のサイズを推定する瞳孔サイズ推定部(46)を備えていてよい。この場合、評価処理部は、瞳孔サイズ推定部により推定された瞳孔のサイズに基づいて、角度条件情報に含まれる1以上の角度条件の少なくとも1つを変更することができる。
実施形態において、血管角度算出部は、Aスキャン方向に対する血管の角度を求めることができる。
実施形態において、血管角度算出部は、血管強調画像に基づいて、眼底の1以上の位置における血管の傾斜角度を表す血管角度分布を求めることができる。更に、評価処理部は、上記1以上の位置の少なくとも一部における傾斜角度に基づいて、OCT血流計測の対象位置としての適性の評価を行うことができる。
例示的な眼科撮影装置(1、1A、1B)は、眼底の正面画像を取得する正面画像取得部(60)を備えていてよい。表示制御部は、上記1以上の位置の少なくとも一部について評価処理部により取得された評価結果の分布(評価結果分布)と、正面画像とを、表示手段に表示させることができる。
実施形態において、表示制御部は、上記1以上の位置の少なくとも一部について評価処理部により取得された評価結果の分布(評価結果分布)に基づいて、眼底の1以上の深さ領域に対応する1以上の部分的評価結果分布を表示手段に表示させることができる。
例示的な眼科撮影装置(1、1A、1B)は、OCT血流計測の対象位置を指定するための操作部(50)を備えていてよい。データ収集部は、操作部を用いて指定された位置において血管に交差する断面を繰り返し走査することにより第1データを収集することができる。更に、例示的な眼科撮影装置(1、1A、1B)は、データ収集部により収集された第1データと、当該指定位置における当該血管の傾斜角度とに基づいて、当該血管における血流状態を表す血流情報を生成する血流情報生成部(44)を備えていてよい。
実施形態において、データ収集部は、当該血管に交差する2以上の断面を走査することにより第2データを収集することができる。この場合、血流情報生成部は、次のような2段階の処理を実行することができる:データ収集部により収集された第2データに基づいて、当該指定位置における当該血管の傾斜角度を算出する処理;これにより算出された傾斜角度と、データ収集部により収集された第1データとに基づいて、血流情報を生成する処理。
以上のような例示的な眼科撮影装置によれば、OCT血管造影により得られた(3次元)血管強調画像に基づいて血管の傾斜角度を求め、この傾斜角度がOCT血流計測に(どの程度)適しているか評価することができる。したがって、ドップラー周波数シフトに影響する血管の向き成分(奥行き方向、深さ方向における向きの成分)を把握することができる。よって、OCT血流計測において検者や被検者に掛かる負担を軽減することができる。
実施形態の作用及び効果はこれらに限定されず、実施形態として説明されたそれぞれの事項が提供する作用及び効果や、複数の事項の組み合わせが提供する作用及び効果も考慮されるべきである。また、所望の作用及び/又は効果を得るために、又は他の目的のために、前述したいずれかの実施形態、他の実施形態、公知技術等を任意に組み合わせることが可能である。
〈眼科画像処理装置の実施形態〉
例示的な眼科画像処理装置は、例えば上記実施形態の眼科撮影装置の一部又は全部を含んでよい。例示的な眼科画像処理装置の構成を図13に示す。なお、前述した例示的な眼科撮影装置(1、1A、1B)と同様の要素には同じ符号を付し、特に言及しない限りその説明は省略する。
眼科画像処理装置100は、眼科撮影装置1等と同様の制御部10、記憶部20、データ処理部40、操作部50及び正面画像取得部60を含む。これら要素のそれぞれは、上記実施形態で説明した機能の少なくとも一部を備える。更に、眼科画像処理装置100は、データ受付部70を含む。眼科画像処理装置100は、データ収集部30を備えていなくてよい。
データ受付部70は、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)を用いて収集された被検眼の眼底の3次元データセットを受け付ける。データ受付部70は、例えば、LAN、インターネット、専用線等の通信回線を介してデータの送受信を行うための通信デバイスを含んでよい。また、データ受付部70は、記録媒体からデータの読み取るためのデータリーダを含んでよい。
画像形成部41(血管強調画像形成部)は、データ受付部70により受け付けられた3次元データセットに基づいて血管強調画像を形成する。血管角度算出部42は、この血管強調画像に基づいて、眼底の血管の傾斜角度を求める。評価処理部43は、血管角度算出部42により求められた傾斜角度に基づいて、OCT血流計測の対象位置としての適性を評価する。
また、眼科画像処理装置100は、前述した例示的な眼科撮影装置により実行可能な処理の一部又は全部を実行することが可能である。
このような例示的な眼科画像処理装置100によれば、上記実施形態に係る眼科撮影装置1等と同様に、OCT血流計測において検者や被検者に掛かる負担を軽減することができる。
実施形態において、眼科画像処理装置は表示制御部を備えていなくてよい。例えば、眼科画像処理装置が通信回線上のサーバ(例えばクラウドサーバ)である場合、眼科画像処理装置は、処理結果(評価結果)を外部装置に送信するための通信デバイスを含む。
以上に説明した構成は、この発明を好適に実施するための一例に過ぎない。よって、この発明の要旨の範囲内における任意の変形(省略、置換、付加等)を適宜に施すことが可能である。
1、1A、1B 眼科撮影装置
2 表示デバイス
10 制御部
11 表示制御部
20 記憶部
21 条件情報
21a 角度条件情報
30 データ収集部
40 データ処理部
41 画像形成部
42 血管角度算出部
43 評価処理部
44 血流情報生成部
45 瞳孔サイズ情報取得部
46 瞳孔サイズ推定部
50 操作部
60 正面画像取得部
70 データ受付部
100 眼科画像処理装置

Claims (7)

  1. 光コヒーレンストモグラフィ(OCT)を用いて被検眼の眼底の3次元データセットを収集するデータ収集部と、
    前記3次元データセットに基づいて血管強調画像を形成する血管強調画像形成部と、
    前記血管強調画像に基づいて、Aスキャン方向に対する前記眼底の血管の傾斜角度を求める血管角度算出部と、
    前記血管角度算出部により求められた前記傾斜角度に基づいて、OCT血流計測の対象位置としての適性を評価する評価処理部と、
    前記評価処理部により得られた評価結果を表示手段に表示させる表示制御部と
    前記眼底の正面画像を取得する正面画像取得部と
    を備え
    前記血管角度算出部は、前記血管強調画像に基づいて、前記眼底の1以上の位置における血管のAスキャン方向に対する傾斜角度を表す血管角度分布を求め、
    前記評価処理部は、前記1以上の位置の少なくとも一部における前記傾斜角度に基づいて前記適性の評価を行い、
    前記表示制御部は、前記1以上の位置の少なくとも一部について前記評価処理部により取得された評価結果の分布と、前記正面画像とを、前記表示手段に表示させる
    ことを特徴とする眼科撮影装置。
  2. 前記評価処理部は、前記血管角度算出部により求められた前記傾斜角度と、1以上の角度条件を表す角度条件情報とを比較することにより、前記適性の評価を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の眼科撮影装置。
  3. 前記被検眼の瞳孔のサイズを表す瞳孔サイズ情報を取得する瞳孔サイズ情報取得部を備え、
    前記評価処理部は、前記瞳孔サイズ情報取得部により取得された前記瞳孔サイズ情報に基づいて、前記1以上の角度条件の少なくとも1つを変更する
    ことを特徴とする請求項2に記載の眼科撮影装置。
  4. 前記瞳孔サイズ情報取得部は、散瞳剤が適用されていない状態における前記被検眼の瞳孔のサイズを表す瞳孔サイズ情報を取得し、
    前記瞳孔サイズ情報取得部により取得された前記瞳孔サイズ情報に基づいて、散瞳剤が適用された状態における前記被検眼の瞳孔のサイズを推定する瞳孔サイズ推定部を備え、
    前記評価処理部は、前記瞳孔サイズ推定部により推定された瞳孔のサイズに基づいて、前記1以上の角度条件の少なくとも1つを変更する
    ことを特徴とする請求項3に記載の眼科撮影装置。
  5. 前記表示制御部は、前記1以上の位置の少なくとも一部について前記評価処理部により取得された評価結果の分布に基づいて、前記眼底の1以上の深さ領域に対応する1以上の部分的評価結果分布を前記表示手段に表示させる
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の眼科撮影装置。
  6. OCT血流計測の対象位置を指定するための操作部を備え、
    前記データ収集部は、前記操作部を用いて指定された位置において血管に交差する断面を繰り返し走査することにより第1データを収集し、
    前記データ収集部により収集された前記第1データと、当該指定位置における当該血管のAスキャン方向に対する傾斜角度とに基づいて、当該血管における血流状態を表す血流情報を生成する血流情報生成部を備える
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の眼科撮影装置。
  7. 前記データ収集部は、当該血管に交差する2以上の断面を走査することにより第2データを収集し、
    前記血流情報生成部は、前記データ収集部により収集された前記第2データに基づいて当該指定位置における当該血管のAスキャン方向に対する傾斜角度を算出し、算出された前記傾斜角度と前記第1データとに基づいて前記血流情報を生成する
    ことを特徴とする請求項に記載の眼科撮影装置。
JP2016183606A 2016-09-21 2016-09-21 眼科撮影装置 Active JP6892234B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016183606A JP6892234B2 (ja) 2016-09-21 2016-09-21 眼科撮影装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016183606A JP6892234B2 (ja) 2016-09-21 2016-09-21 眼科撮影装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018046958A JP2018046958A (ja) 2018-03-29
JP6892234B2 true JP6892234B2 (ja) 2021-06-23

Family

ID=61765658

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016183606A Active JP6892234B2 (ja) 2016-09-21 2016-09-21 眼科撮影装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6892234B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7302184B2 (ja) * 2019-01-31 2023-07-04 株式会社ニデック 眼科画像処理装置、および眼科画像処理プログラム
EP3690888A1 (en) 2019-01-31 2020-08-05 Nidek Co., Ltd. Ophthalmologic image processing device and ophthalmologic image processing program
JP7302183B2 (ja) * 2019-01-31 2023-07-04 株式会社ニデック 眼科画像処理装置、および眼科画像処理プログラム
TWI746287B (zh) * 2020-11-26 2021-11-11 宏碁股份有限公司 影像處理系統及影像處理方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5166889B2 (ja) * 2008-01-17 2013-03-21 国立大学法人 筑波大学 眼底血流量の定量測定装置
JP5916110B2 (ja) * 2012-03-30 2016-05-11 株式会社トプコン 画像表示装置、画像表示方法、及びプログラム
CN104768446A (zh) * 2012-09-10 2015-07-08 俄勒冈健康科学大学 用光学相干断层扫描血管造影对局部循环进行量化
US9814384B2 (en) * 2013-09-30 2017-11-14 Carl Zeiss Meditec, Inc. High temporal resolution doppler OCT imaging of retinal blood flow
JP6798095B2 (ja) * 2014-12-02 2020-12-09 株式会社ニデック 光コヒーレンストモグラフィ装置、及びそれに用いる制御プログラム
JP6550745B2 (ja) * 2014-12-19 2019-07-31 国立大学法人旭川医科大学 血流計測装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018046958A (ja) 2018-03-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11935241B2 (en) Image processing apparatus, image processing method and computer-readable medium for improving image quality
US8687863B2 (en) Image processing apparatus, control method thereof and computer program
US20210224957A1 (en) Medical image processing apparatus, medical image processing method and computer-readable medium
JP6815798B2 (ja) 眼科撮影装置及び眼科画像処理装置
JP2017127506A (ja) 画像形成方法及び装置
EP2462563A1 (en) Non-linear projections of 3-d medical imaging data
JP6892234B2 (ja) 眼科撮影装置
JP6864450B2 (ja) 眼科撮影装置
JP2021168909A (ja) 眼の画像データ処理
JP7111874B2 (ja) 眼科撮影装置
JP7106304B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム
JP2020054812A (ja) 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム
JP7007125B2 (ja) 眼科情報処理装置及び眼科撮影装置
JP7386950B2 (ja) 眼科情報処理装置
Pavaskar Tools for creating wide-field views of the human retina using Optical Coherence Tomography
JP7297133B2 (ja) 眼科情報処理装置及び眼科撮影装置
JP7191166B2 (ja) 眼科撮影装置及び眼科情報処理装置
JP2019208845A (ja) 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム
JP7387812B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム
JP2019154715A (ja) 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム
Capps Visualization and Analysis of Microstructure in Images of the Living Human Retina

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20161226

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190823

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200729

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200811

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20201002

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210525

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210527

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6892234

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250