JP6719129B2 - 超音波スピーカ駆動装置及び超音波スピーカ駆動方法 - Google Patents
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このため、出力する音声の伝搬方向に指向性を持たせ、局所的な場所のみに音声を伝達する超音波スピーカとして、超指向性パラメトリックスピーカが開発されている。超指向性パラメトリックスピーカは、例えば、第1の超音波と、第2の超音波に対してAM変調をかけた変調超音波とを同時にスピーカから空間に放射する。そして、空間に放射された第1超音波と変調超音波が、空間において交差する領域で可聴音を合成する(例えば、非特許文献1参照)。
超音波素子数を低減した際には、より少ない超音波素子数で超音波スピーカの指向性を維持する必要がある。
しかしながら、上述した超指向性パラメトリックスピーカは、可聴音信号を連続して放射するために、超音波を連続して放射している。このため、超指向性パラメトリックスピーカを小型化するために、超音波の周波数を高く設定した場合、超指向性パラメトリックスピーカを構成する超音波素子の各々に対し、小型化する前に比較してより高い電圧が連続的に印加されることになる。このため、小型化する前の周波数における駆動に比較して、より高い周波数で駆動することで、超音波素子がより高い温度まで上昇し、超音波素子の劣化の進行が早く進むことになる。
以下、本発明の第1の実施形態による超音波スピーカ駆動装置について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態による超音波スピーカ駆動装置を用いた超音波スピーカシステムの構成例を示す図である。本実施形態においては、可聴音の情報を含む超音波をバースト波として超音波スピーカから空間に放射し、空間においてバースト波の超音波から可聴音を生成する。この図1において、超音波スピーカシステム100は、超音波スピーカ駆動装置1と超音波スピーカ2とを備えている。
バースト周期設定部11は、超音波スピーカ2から放射されるバースト波の周期であるバースト周期が設定される。このバースト周期は、図示しない外部装置あるいはキーボードなどの入力手段により供給され、バースト周期設定部11が自身の内部の記憶部に対して書き込んで記憶させる。また、バースト周期設定部11は、内部の記憶部に記憶されているバースト周期をバースト信号生成部14に対して出力する。
図2(a)は、パルス信号と論理積をとってバースト信号を生成するためのバースト周期パルスの波形を示している。図2(b)は、発振部13が生成するパルス信号の波形を示している。図2(c)は、パルス信号とバースト周期パルスとの論理積を取ることで生成されたバースト信号の波形を示している。また、WPERIODは、バースト周期パルスの周期、すなわちバースト周期を示している。WPULSEは、バースト周期パルスのパルス幅、すなわちパルス数設定部12から供給されたパルス数に対応した幅を示している。
超音波スピーカ2は、自身を構成する超音波素子の各々にバースト駆動信号が供給され、超音波素子それぞれから超音波のバースト波を放射する。
図3におけるバースト波の周期は、図2(a)のバースト周期パルスの周期WPERIODと同様である。また、バースト波の超音波パルスのパルス数は、バースト周期パルスの幅WPULSEに含まれるパルス数である。バースト波の波形の強度Pは、バースト波を生成する基となるバースト信号のパルスの波形の強度に対応している。すなわち、バースト信号のパルスの強度を、バースト信号単位で調整することにより、バースト波に含まれる波形の強度が制御される。
このため、本実施形態によれば、超音波スピーカの小型化に比例して、指向性を維持するために、超音波スピーカを構成する超音波素子に対して、より高い電圧を印加する構成とした場合においても、超音波素子が発熱する時間をバースト波の超音波パルスのパルス数で決定する時間幅に制限することができ、かつバースト周期の間には発熱しないため、超音波素子の温度の上昇を連続波に比較して低減することができ、超音波素子の劣化を抑制することができる。
また、超音波スピーカ2は、超音波のバースト波が平面波として放射されるように、超音波の放射面が平面状の超音波素子を用いて構成しても良い。
また、超音波スピーカ2は、超音波のバースト波が焦点に向かって集中して伝搬するように、超音波素子を曲面上に配置して構成しても良い。
また、図4(b)は、曲面型の基板300に対して、凹形状の内側の面に複数の超音波素子500を配列させた超音波スピーカ2の平面図である。図4(c)は、図4(b)の線A−Aにおける超音波スピーカ2の線視断面図である。超音波素子500は、球面の内周面側に配列される。基板300は、中心をQとした球面となっている。基板300に配列された超音波素子500の各々は、球の中心であるQに向かってバースト波を放射するため、超音波のバースト波が球の中心である焦点に向かって集中して伝搬する。
次に、本発明の第2の実施形態による超音波スピーカ駆動装置について、図面を参照して説明する。図5は、本発明の第2の実施形態による超音波スピーカ駆動装置を用いた超音波スピーカシステムの構成例を示す図である。この図5において、超音波スピーカシステム100Aは、超音波スピーカ駆動装置1Aと超音波スピーカ2とを備えている。
超音波スピーカ駆動装置1Aは、バースト周期設定部11Aと、パルス数設定部12Aと、発振部13と、バースト信号生成部14Aと超音波スピーカ駆動部15Aとの各々を備えている。
図6(a)は、バースト周期設定部11Aの記憶部に記憶される識別情報と、この識別情報に対して設定されたバースト周期との対応を示すテーブルである。この図6(a)のテーブルにおいて、識別情報毎のレコード毎に、識別情報とバースト周期とが記憶されている。
また、図6(b)は、パルス数設定部12Aの記憶部に記憶される識別情報と、この識別情報に対して設定されたパルス数との対応を示すテーブルである。この図6(b)のテーブルにおいて、識別情報毎のレコード毎に、識別情報とパルス数とが記憶されている。
すなわち、バースト信号生成部14Aは、識別情報毎のバースト周期とパルス数との組合わせの各々に対応して、それぞれ識別情報に対応したバースト周期パルスを、第1の実施形態と同様に生成する。そして、バースト信号生成部14Aは、発振部13から供給されるパルス信号と、識別情報毎のバースト周期パルスとの各々により、識別情報に対応したバースト信号それぞれを生成する。また、バースト信号生成部14Aは、生成した識別情報毎のバースト信号の各々を、超音波スピーカ駆動部15Aに対して出力する。
図7(a)、図7(b)及び図7(c)の各々のバースト信号は、バースト信号生成部14Aにより、それぞれがバースト信号のバースト周期と、バースト信号におけるパルス数と、パルス信号の波形の強度とが調整されて生成されている。
したがって、本実施形態においては、識別情報「1」から識別情報「15」までの、15種類のバースト周期、パルス数及びパルスの波形の強度の組合わせのバースト信号を生成することができる。そして、この15種類のバースト周期、パルス数及びパルスの波形の強度の各々あるいはバースト周期、パルス数及びパルスの波形の強度の全てが異なる組合わせのバースト信号の各々を、超音波スピーカ2における超音波素子2_1から超音波素子2_15のそれぞれに供給する。
また、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、間欠して放射されるバースト波を用いて可聴音信号を放射する構成のため、超音波素子の各々が発熱する時間を、それぞれのバースト駆動信号のバースト幅に対応した時間に制限することができ、全ての超音波素子の温度の上昇を低減することができ、超音波素子の劣化を抑制することができる。
このとき、バースト信号生成部14は、超音波スピーカ2における超音波素子の配列順に、バースト波を順番に、異なる超音波素子に対応する超音波素子駆動部に対して出力するように構成しても良い。この構成の場合、間欠したバースト波を放射する際、超音波スピーカにおける超音波素子を順番に使用するため、各超音波素子が駆動する頻度を、超音波素子の数に対応して低減する(駆動するまでの時間間隔を長くする)ことができ、より超音波素子それぞれの劣化の程度を低減させることができる。
そして、バースト信号生成部14Aには、バースト周波数(識別情報)毎のスペクトル強度の情報が、周波数解析を行なった外部装置から供給される。
これにより、バースト信号生成部14Aは、識別情報の各々に対応するバースト信号の強度を、外部装置から供給されるスペクトル強度の情報に対応させて超音波スピーカ駆動部15Aに対して出力する。
超音波素子2_1から超音波素子2_nの各々は、入力される識別情報に対応したバースト駆動信号に対応して駆動され、それぞれバースト波を出力する。
また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWW(World Wide Web )システムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、各請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせを含む。
2…超音波スピーカ
2_1,2_2,2_n…超音波素子
11,11a…バースト周期設定部
12,12a…パルス数設定部
13…発振部
14,14a…バースト信号生成部
15,15a…超音波スピーカ駆動部
15_1,15_2,15_n…超音波素子駆動部
100,100A…超音波スピーカシステム
Claims (5)
- 超音波を発生するためのパルス信号を生成する発振部と、
超音波が所定の可聴音信号として放射される周期に設定されたバースト周期に対応させ、前記パルス信号からバースト信号を生成するバースト信号生成部と、
前記バースト信号により超音波スピーカを駆動し、超音波をバースト波として当該超音波スピーカから放射させる超音波スピーカ駆動部と
を備えることを特徴とする超音波スピーカ駆動装置。 - 前記バースト信号生成部が、
放射される前記可聴音信号の信号波形を調整する前記バースト信号におけるパルス数を設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波スピーカ駆動装置。 - 前記超音波スピーカが複数の超音波素子から構成されており、
前記バースト信号生成部が、
前記超音波素子の各々に対し、それぞれ異なる前記バースト周期の前記バースト信号を生成する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波スピーカ駆動装置。 - 前記バースト信号生成部が、
前記バースト信号におけるパルスの強度を、前記バースト信号単位で調整する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の超音波スピーカ駆動装置。 - 超音波を発生するためのパルス信号を発振部により生成する過程と、
超音波が所定の可聴音信号として放射される周期に設定されたバースト周期に対応させ、前記パルス信号からバースト信号を生成する過程と、
前記バースト信号により超音波スピーカを駆動し、超音波をバースト波として当該超音波スピーカから放射させる過程と
を含むことを特徴とする超音波スピーカ駆動方法。
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