JP3947649B2 - 超音波合成による可聴帯音波発生方法及び装置 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、2つの超音波を空間内で合成することにより可聴帯音波を発生する方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気的な周波数合成方法として、例えば特開昭58−120305号公報に記載のものが知られている。これは、相異なる周波数をもった2つのクロック信号をフィルタを介して加算、或は乗算した後、整流した上、ローパスフィルタを通して高周波成分を除去することによって正弦波信号を得るものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この従来の周波数合成方法は、あくまでも電気回路上での周波数合成に係るものであり、空間内で超音波を合成することにより可聴帯音波を発生することはできない。
【0004】
本発明の目的は、空間内で超音波を合成することによって可聴帯音波を発生することのできる可聴帯音波発生方法及び装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、超音波の合成により空間内の任意の点に可聴帯音波を発生させる方法であって、加算出力の2つの信号に超音波基本周波数で互に180度位相の遅れたフィードバックをかけ、該フィードバックをかけた2つの信号に各々外部可聴帯音波信号の振幅を加算して振幅変調し、該振幅変調した出力振幅変調信号を超音波基本周波数の半周期毎に交互に有効にし、該交互に有効にした出力振幅変調信号から正弦波の超音波を作成し、該作成した2つの超音波を2方向から空間の任意の1点で交叉するように放射し、交叉点で2つの超音波が合成されることによって可聴帯音波を発生するようにしたことによって達成される。
【0006】
また、上記の目的は、加算出力の2つの信号に超音波基本周波数で互に180度位相の遅れたフィードバックをかけるフィードバック回路と、該フィードバック回路によって互の出力に180度位相が遅れたフィードバックがかけられた2つの信号に各々外部可聴帯音波信号の振幅を加算して振幅変調する信号加算器と、
該各信号加算器を超音波基本周波数の半周期毎に交互に有効にする信号加算器選択信号発生回路と、上記各信号加算器の出力振幅変調信号から正弦波を作成する正弦波作成回路と、該作成された2つの超音波を2方向から空間の任意の1点で交叉するように放射する電気音響変換装置とを備えたことによって達成される。
【0007】
上記の手段によれば、フィードバック回路によって2つの信号加算器の互の出力が基本周波数で180度位相の遅れたフィードバックがかけられ、反対側の信号加算器に入力する。いずれの信号加算器にも他の入力端子には外部からの可聴帯音波信号が入力しており、上記フィードバックした180度位相が遅れた信号に外部可聴帯音波信号の振幅が加算され振幅変調が行なわれる。上記の2つの信号加算器には、信号加算器選択信号発生回路から選択信号が加えられ基本周波数の半周期毎に交互に有効に制御される。これにより2つの信号加算器から基本周波数で標本化された振幅変調パルス信号が交互に180度の位相差で出力する。正弦波作成回路は各信号加算器から出力する各振幅変調パルス信号が+側パルス信号であるから、この+側パルスが180度位相が遅れた−側パルスを付加して正弦波超音波を作成する。こうして作成された正弦波超音波は180度位相差を有する超音波Aと超音波Bが得られる。
【0008】
次に、この作成された2つの超音波AとBを2つの電気音響変換装置(スピーカ)に入力し、2方向から空間に放射する。放射方向は空間の任意の1点で放射された超音波AとBが交叉するように放射させる。こうして交叉点では2つの超音波が合成される。2つの超音波AとBは、同一周波数で、180度位相が異なり振幅変調されて振幅が異なっており、これが合成されることによって他の超音波Cに合成される。この合成超音波Cには可聴音波帯域の変調成分が含まれており、耳のローパスフィルタ特性を介して聴けば可聴帯音波を聴取できる。2つのスピーカによる放射方向は空間内の任意の点に交叉させることができ、任意の点に可聴帯音波を発生させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態の可聴帯音波発生装置の概略構成図を示し、図2が、その超音波を合成して可聴帯音波を発生する原理を説明するものである。
【0011】
図1において、マイク3から音声入力された三角波信号を音声増幅器4で増幅した後、信号加算器5及び6の入力端子に各々入力する。また、2つの信号加算器5、6の出力をフィードバック回路7及び8で超音波基本周波数で180度位相が遅れたフィードバックをかけ、それに互に反対側の信号加算器5、6の入力端子に入力する。基本信号発振器1は超音波基本周波数信号を発生し、この基本信号を基に信号加算器選択信号発生回路2で半周期毎に2つの信号加算器5、6を交互に有効にする信号を作り、信号加算器5、6に加える。また基本信号発振器1の基本周波数信号はフィードバック回路7、8に加えられ、信号加算器5、6の出力に基本周波数で180度位相が遅れたフィードバックがかけられるよう制御する。信号加算器5、6の出力は正弦波作成回路9及び10で正弦波に作成され、スピーカ11及び12から超音波A及びBとして空間に放射される。
【0012】
以上の装置による超音波合成による可聴帯音波の発生動作を図2を用いて説明する。音声の三角波信号はマイク3から入力し音声増幅器4によって増幅される。マイク入力信号は基本周期超音波の180度位相毎に+▲1▼,+▲2▼,+▲3▼,+▲2▼,+▲1▼,0,−▲1▼,−▲2▼,−▲3▼,−▲2▼,−▲1▼,0,+▲1▼,…と変化するものとする。
【0013】
増幅された信号は2つの信号加算器5、6でフィードバック回路7、8からのフィードバック信号に加算される。フィードバック回路7、8には基本信号発振器1から超音波の基本波(図2)が加わっており、これに信号加算器5、6の出力が入力し基本周波数で180度位相が遅れたフィードバックがかけられ、互に反対側の信号加算器5、6に入力する。
【0014】
信号加算器6は、選択信号発生回路2からの選択信号によって超音波基本波の正の半周期毎に有効となり、他方の信号加算器5の出力(3,8,9,6,1,0,…)がフィードバック回路7で180度位相が遅れたフィードバック信号に音声増幅器4からの三角波入力信号の振幅(+▲1▼,+▲3▼,+▲1▼,−▲1▼,−▲3▼,−▲1▼,+▲1▼…)を加算し振幅変調して出力する。したがって、この信号加算器6の出力信号は、超音波基本波で標本化された三角波信号で振幅変調された図2に示す超音波Aの+側パルス信号(+▲1▼=1,3+▲3▼=6,8+▲1▼=9,9−▲1▼=8,6−▲3▼=3,1−▲1▼=0,0+▲1▼=1,…)が作成されることになる。
【0015】
また、信号加算器5は、選択信号発生回路2からの選択信号によって超音波基本波の負の半周期毎に有効となり、他方の信号加算器6の出力(1,6,9,8,3,0,1,…)がフィードバック回路8で180度位相が遅れたフィードバック信号に音声増幅器4からの三角波入力信号の振幅(+▲2▼,+▲2▼,0,−▲2▼,−▲2▼,0,…)を加算し振幅変調して出力する。したがって、この信号加算器5の出力信号は、超音波Aと180度の位相差を有する三角波信号で振幅変調された図2に示す超音波Bの+側パルス信号(1+▲2▼=3,6+▲2▼=8,9+0=9,8−▲2▼=6,3−▲2▼=1,0+0=0,…)が作成されることになる。
【0016】
作成された超音波Aの+側パルス信号を信号加算器6から正弦波作成回路9に入力して、+側パルスが180度位相が遅れた−側パルス信号を付加して正弦波超音波A(図2)を作成し、スピーカ11に入力する。また超音波Bの+側パルス信号を信号加算器5から正弦波作成回路10に入力して、+側パルスが180度位相が遅れた−側パルス信号を付加して正弦波超音波B(図2)を作成し、スピーカ12に入力する。
【0017】
スピーカ11及び12は、同一周波数(超音波)で180度の位相差で振幅変調により振幅が異なる超音波Aと超音波Bを空間に放射するが、このときスピーカ11と12は放射方向が可変に設けられ、スピーカ11、12を放射超音波A、Bが空間の1点で交叉するように指向させると、その交叉点で超音波AとBが合成される。超音波AとBの合成波は図2に示す合成波Cの如くの超音波波形となる。この合成波Cには図2に点線で示すような三角波の可聴音波帯域の変調成分が含まれているから、これを耳のローパスフィルタ特性を介することによって可聴帯音波(三角波)のみを聴取することができる。
【0018】
スピーカ11と12の放射方向を可変し、2つの放射超音波の交叉点の位置を変えることによって空間の任意の位置にマイク3に入力した音声(三角波)を伝達させることができ、イヤホンなしでイヤホンのような使い方で、集会場等での呼び出しや、個々の人々に個別にメッセージを伝えること等が可能となる。
【0019】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、空間内で超音波の合成によって可聴帯音波を発生させるこができ、これを利用して音声を空間内の任意の点に伝達させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の構成図。
【図2】本発明の超音波合成原理を示す信号波形図。
【符号の説明】
1…基本信号発振器、2…信号加算器選択信号発生回路、3…マイク、4…音声増幅器、5、6…信号加算器、7、8…フィードバック回路、9、10…正弦波作成回路、11、12…スピーカ。
Claims (2)
- 超音波の合成により空間内の任意の点に可聴帯音波を発生させる方法であって、加算出力の2つの信号に超音波基本周波数で互に180度位相の遅れたフィードバックをかけ、該フィードバックをかけた2つの信号に各々外部可聴帯音波信号の振幅を加算して振幅変調し、該振幅変調した出力振幅変調信号を超音波基本周波数の半周期毎に交互に有効にし、該交互に有効にした出力振幅変調信号から正弦波の超音波を作成し、該作成した2つの超音波を2方向から空間の任意の1点で交叉するように放射し、交叉点で2つの超音波が合成されることによって可聴帯音波を発生するようにしたことを特徴とする超音波合成による可聴帯音波発生方法。
- 超音波の合成により空間内の任意の点に可聴帯音波を発生させる装置において、加算出力の2つの信号に超音波基本周波数で互に180度位相の遅れたフィードバックをかけるフィードバック回路と、該フィードバック回路によって互の出力に180度位相が遅れたフィードバックがかけられた2つの信号に各々外部可聴帯音波信号の振幅を加算して振幅変調する信号加算器と、該各信号加算器を超音波基本周波数の半周期毎に交互に有効にする信号加算器選択信号発生回路と、上記各信号加算器の出力振幅変調信号から正弦波の超音波を作成する正弦波作成回路と、該作成した2つの超音波を2方向から空間の任意の1点で交叉するように放射する電気音響変換装置とを備えたことを特徴とする超音波合成による可聴帯音波発生装置。
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