以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.ゲームシステム
図1に、本実施形態のゲームシステムにより実現される全体システム構成の例を示す。図1では、サーバシステム500(情報処理システム)が、ネットワーク510を介して、ゲーム管理装置MN、ゲーム装置GM1〜GM4、端末装置TMと通信接続される。例えばサーバシステム500はホストであり、ゲーム管理装置MN、ゲーム装置GM1〜GM4、端末装置TMはクライアントである。具体的には、店舗等のアミューズメント施設には、複数のゲーム装置GM1〜GM4と、ゲーム装置GM1〜GM4に通信接続されるゲーム管理装置MNが設置される。ゲーム管理装置MNはターミナルとも呼ばれ、ゲームプレイはできない非ゲーム装置であるが、ゲーム装置GM1〜GM4についての種々の管理処理を行う。そしてゲーム管理装置MNは、ゲーム装置GM1〜GM4に対しては親機となり、ゲーム管理装置MNとゲーム装置GM1〜GM4とはLAN等により通信接続される。そしてサーバシステム500とゲーム装置GM1〜GM4との間の通信接続は、ゲーム管理装置MNを介して行われる。
サーバシステム500は例えば1又は複数のサーバ(管理サーバ、ゲームサーバ、課金サーバ、サービス提供サーバ、コンテンツ配信サーバ、認証サーバ、データベースサーバ、IDサーバ、カードサーバ又は通信サーバ等)により実現できる。このサーバシステム500は、コミュニティ型ウェブサイトやオンラインゲームを運営するための各種サービスを提供し、ゲーム実行に必要なデータの管理や、クライアントプログラム及び各種データ等の配信を行うことができる。
ネットワーク510(配信網、通信回線)は、例えばインターネットや無線LAN等を利用した通信路であり、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網や無線LAN等の通信網を含むことができる。また通信方法については有線/無線を問わない。
端末装置TMは、ネット接続機能(インターネット接続機能)を有する端末である。これらの端末装置TMとしては、スマートフォン、タブレット型PC、携帯型ゲーム装置、携帯電話機又はフューチャーフォン等の携帯型通信端末を用いることができる。
図2にゲーム装置GM1〜GM4、ゲーム管理装置MNの例を示す。GM1〜GM4の各ゲーム装置は、後述する図3の表示部190として機能するディスプレイ10や、操作部160として機能するハンドル20、ブレーキ22、アクセル24、シフトレバー26や、カードリーダー28などを有する。プレーヤは、このゲーム装置のシートに着座し、ハンドル20、ブレーキ22、アクセル24、シフトレバー26などを操作して、車によるレースゲームを楽しむ。
ゲーム管理装置MNは、各種情報を表示したり各種情報を入力するためのタッチパネル型のディスプレイ42や、ゲームカード(広義には携帯型情報記憶媒体)のカードリーダー44や、プレーヤが購入したゲームカードの搬出口46や、引き継ぎ用磁気カードの投入口48などを有する。タッチパネル型のディスプレイ42が後述する図3の表示部190や操作部160として機能する。
図3に本実施形態のゲーム装置(GM1〜GM4)、ゲーム管理装置(MN)、端末装置(TM)の構成例を示す。なお、ゲーム装置、ゲーム管理装置、端末装置の構成は図3に限定されず、その構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
操作部160は、プレーヤが操作データを入力するためのものであり、その機能は、方向指示キー、操作ボタン、アナログスティック、レバー、各種センサ(角速度センサ、加速度センサ等)、マイク、或いはタッチパネル型ディスプレイなどにより実現できる。
撮像部162(カメラ)は、被写体の撮像を行うものであり、CCDやCMOSセンサなどの画像センサと、フォーカスレンズ等により構成される光学系などにより実現される。
記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(DRAM、SRAM、VRAM)、HDD(ハードディスクドライブ)、或いはSSD(ソリッドステートドライブ)などにより実現できる。
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(DVD、CD等)、HDD、或いはメモリ(ROM等)などにより実現できる。処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち情報記憶媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータ(操作部、処理部、記憶部、出力部を備える装置)を機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶される。
表示部190は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、LCD、有機ELディスプレイ、CRT、各種プロジェクター型ディスプレイ、或いはHMDなどにより実現できる。表示部190はタッチパネル型のディスプレイであってもよい。音出力部192は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
I/F(インターフェース)部194は、携帯型情報記憶媒体195とのインターフェース処理を行うものであり、その機能はI/F処理用のASICなどにより実現できる。携帯型情報記憶媒体195は、プレーヤがゲームプレイするための各種情報が記憶されるものであり、ICカード(メモリーカード)、USBメモリー、或いは磁気カードなどにより実現できる。
携帯型情報記憶媒体195がICカード(ゲームカード)である場合に、I/F部194は、ICカードから情報を読み取る図2のカードリーダー28、44により実現できる。
通信部196は、有線や無線のネットワークを介して外部装置(例えば他のゲーム装置、ゲーム管理装置、サーバシステム等)との間で通信を行うものであり、その機能は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより実現できる。
なお本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(データ)は、サーバシステム(ホスト装置)が有する情報記憶媒体からネットワーク及び通信部196を介して情報記憶媒体180(あるいは記憶部170)に配信してもよい。このようなサーバシステムによる情報記憶媒体の使用も本発明の範囲内に含めることができる。
処理部100(プロセッサ)は、操作部160からの操作データやプログラムなどに基づいて、ゲーム処理、表示処理、或いは音処理などを行う。
処理部100の各部が行う本実施形態の各処理(各機能)はプロセッサ(ハードウェアを含むプロセッサ)により実現できる。例えば本実施形態の各処理は、プログラム等の情報に基づき動作するプロセッサと、プログラム等の情報を記憶するメモリにより実現できる。プロセッサは、例えば各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよいし、或いは各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)であってもよい。但し、プロセッサはCPUに限定されるものではなく、GPU(Graphics Processing Unit)、或いはDSP(Digital Signal Processor)等、各種のプロセッサを用いることが可能である。またプロセッサはASICによるハードウェア回路であってもよい。メモリ(記憶部170)は、SRAM、DRAM等の半導体メモリであってもよいし、レジスターであってもよい。或いはハードディスク装置(HDD)等の磁気記憶装置であってもよいし、光学ディスク装置等の光学式記憶装置であってもよい。例えば、メモリはコンピュータにより読み取り可能な命令を格納しており、当該命令がプロセッサにより実行されることで、処理部100の各部の処理(機能)が実現されることになる。ここでの命令は、プログラムを構成する命令セットでもよいし、プロセッサのハードウェア回路に対して動作を指示する命令であってもよい。
処理部100は、入力処理部102、演算処理部110、出力処理部140を含む。演算処理部110は、ゲーム処理部111、受け付け処理部112、アイテム処理部114、特典処理部116、表示処理部120、音処理部130を含む。上述したように、これらの各部により実行される本実施形態の各処理は、プロセッサ(或いはプロセッサ及びメモリ)により実現できる。なお、これらの構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
入力処理部102は、操作情報を受け付ける処理や、記憶部170から情報を読み出す処理や、通信部196を介して情報を受信する処理を、入力処理として行う。例えば入力処理部102は、操作部160を用いてプレーヤが入力した操作情報を取得する処理や、読み出し命令で指定された情報を、記憶部170から読み出す処理や、外部装置(サーバ等)からネットワークを介して情報を受信する処理を、入力処理として行う。ここで受信処理は、通信部196に情報の受信を指示したり、通信部196が受信した情報を取得して記憶部170に書き込む処理などである。
演算処理部110は、各種の演算処理を行う。例えばゲーム処理、表示処理、或いは音処理などの演算処理を行う。
ゲーム処理部111(ゲーム処理のプログラムモジュール)はプレーヤがゲームをプレイするための種々のゲーム処理を行う。ゲーム処理は、例えば、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、開始したゲームを進行させる処理、ゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理、或いはゲーム成績を演算する処理などである。
受け付け処理部112(受け付け処理のプログラムモジュール)は、プレーヤの入力等の受け付け処理を行う。アイテム処理部114(アイテム処理のプログラムモジュール)はアイテムについての種々の処理を行う。特典処理部116(特典処理のプログラムモジュール)はプレーヤに付与する特典についての種々の処理を行う。例えば記憶部170はアイテム情報記憶部172、セル・シート情報記憶部173、特典情報記憶部174を含み、アイテム処理部114、特典処理部116は、これらの各記憶部に記憶される情報に基づいてアイテム処理、特典処理を行う。受け付け処理部112、アイテム処理部114、特典処理部116の詳細については後述する。
表示処理部120(表示処理のプログラムモジュール)は、表示部190への画像の表示処理を行う。例えば処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示部190に表示する。音処理部130(音処理のプログラムモジュール)は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行う。具体的には、楽曲(音楽、BGM)、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、ゲーム音を音出力部192に出力させる。
出力処理部140は各種の情報の出力処理を行う。例えば出力処理部140は、記憶部170に情報を書き込む処理や、通信部196を介して情報を送信する処理を、出力処理として行う。例えば出力処理部140は、書き込み命令で指定された情報を、記憶部170に書き込む処理や、外部の装置(サーバ等)に対してネットワークを介して情報を送信する処理を行う。送信処理は、通信部196に情報の送信を指示したり、送信する情報を通信部196に指示する処理などである。
図4に本実施形態のサーバシステム500の構成例を示す。サーバシステム500は、処理部600、操作部660、記憶部670、通信部696を含む。なお、サーバシステム500の構成は図4に限定されず、その構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。また図3のゲーム装置、ゲーム管理装置又は端末装置の処理部100が行う各処理は、サーバシステム500の処理部600により実現してもよいし、サーバシステム500の処理部600とゲーム装置、ゲーム管理装置又は端末装置の処理部100との分散処理により実現してもよい。
処理部600は、入力処理部602、演算処理部610、出力処理部640を含む。演算処理部610は、ゲーム処理部611、受け付け処理部612、アイテム処理部614、特典処理部616、認証処理部617、課金処理部618、管理処理部619、表示処理部620、音処理部630を含む。入力処理部602、演算処理部610、出力処理部640は、図3の入力処理部102、演算処理部110、出力処理部140と同様の処理を行う。ゲーム処理部611、受け付け処理部612、アイテム処理部614、特典処理部616も、図3のゲーム処理部111、受け付け処理部112、アイテム処理部114、特典処理部116と同様の処理を行うため、詳細な説明は省略する。
認証処理部617はプレーヤの認証処理を行う。例えば、端末装置TM等にログインしたプレーヤの認証処理を行う。この認証処理は、例えばプレーヤが入力するパスワードやアカウント情報などに基づいて行う。
課金処理部618は、種々の課金処理(課金の決定処理、課金データの作成処理、保存処理等)を行う。記憶部670の課金情報記憶部676は、課金処理部618の課金処理の対象となる課金情報を記憶する。
管理処理部619は、サーバの各種の管理処理を行う。例えば、サーバが提供する各種サービスの管理処理や、サーバ管理情報などの各種情報の管理処理を行う。例えばプレーヤは、サーバシステム500が提供するサービスを利用するために、所定の手続きを行ってアカウントを取得する。取得したアカウントと対応づけられるパスワードを入力してログインすることで、プレーヤは、ネットワークゲームのプレイや、ゲーム用サイトでのサービスや、アイテム等のオンライショッピングや、プレーヤ間でのメッセージ交換や、フレンドユーザの登録などの各種サービスを利用できるようになる。管理処理部619は、このようなプレーヤのアカウント情報の管理処理等も行う。
表示処理部620は、ゲーム装置、ゲーム管理装置又は端末装置の表示部に画像を表示するための処理を行う。例えば当該画像を生成するための画像生成用データを生成する。或いはゲーム装置、ゲーム管理装置又は端末装置の表示部に画像を表示する制御を行ってもよい。音処理部630は、ゲーム装置、ゲーム管理装置又は端末装置の音出力部から音を出力するための処理を行う。例えば、当該音(音声、ゲーム音、効果音)を生成するための音生成用データを生成する。或いはゲーム装置、ゲーム管理装置又は端末装置の音出力部から音を出力する制御を行ってもよい。
操作部660は、システムの管理者(運営者)が種々の情報を入力するためのものである。
記憶部670は各種の情報を記憶する。例えばデータベース形式で各種情報を記憶する。記憶部670は、アイテム情報記憶部672、セル・シート情報記憶部673、特典情報記憶部674、課金情報記憶部676、ユーザ情報記憶部678を含む。課金情報記憶部676は、課金処理部618により行われる課金処理の情報を記憶する。ユーザ情報記憶部678は、プレーヤの個人情報(名前、性別、生年月日、メールアドレス等)をユーザ情報として記憶する。例えば、前述したプレーヤのアカウント情報もユーザ情報として記憶される。課金情報記憶部676に記憶される課金情報は、各プレーヤの各アカウント情報に対応づけられる。
情報記憶媒体680は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、HDD、メモリ、或いは光ディスクなどにより実現できる。通信部696は、有線や無線のネットワーク510を介してゲーム管理装置MN、ゲーム装置GM1〜GM4、端末装置TM等との通信を行うものであり、その機能は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより実現できる。
そして図3に示すように本実施形態のゲームシステムは、受け付け処理部112、アイテム処理部114、表示処理部120を含む。また特典処理部116を含むことができる。なお以下では、本実施形態のゲームシステムの各処理が、図3の装置により実現される場合を主に例にとり説明するが、本実施形態のゲームシステムの各処理は、図4のサーバシステムにより実現してもよいし、図3の装置と図4のサーバシステムとの分散処理により実現してもよい。
受け付け処理部112は、プレーヤの入力を受け付ける処理を行う。例えばプレーヤが行った各指示についての入力の受け付け処理を行う。プレーヤの入力の受け付け処理は、操作部160によりプレーヤが入力した操作情報等に基づいて行われる。また表示部190としてタッチパネル型のディスプレイが用いられる場合には、タッチパネル型のディスプレイのタッチ操作に基づき入力された操作情報に基づいて、プレーヤの入力の受け付け処理が行われる。このように表示部190がタッチパネル型ディスプレイである場合には、表示部190は操作部160の機能も兼ねることになる。
表示処理部120は、表示部190への画像の表示処理を行う。具体的には表示処理部120は、複数のセル(抽選子)が配置されたシート(広義には表示物)を表示部190に表示する処理を行う。セルは、一例としてはスクラッチシートにおけるマスであり、例えばプレーヤが、セルの選択によりアイテムを獲得(取得)した場合に、当該アイテムが表示される領域である。シートには、複数のセルが例えばアレイ状に配置されている。例えばM×N(M、Nは2以上の整数)の格子状にセルが配置される。但し、シートへのセルの配置態様としては種々の変形実施が可能であり、例えば複数のセルを円状等にシートに配置してもよい。
アイテム処理部114は、アイテムの処理を行う。具体的にはアイテム処理部114は、シートの複数のセルの中からプレーヤによりセルが選択された場合に、選択されたセルに宛がわれたアイテムをプレーヤに付与する処理を行う。セルに宛がわれたアイテムは、プレーヤによる当該セルの選択により獲得可能になるように割り振られるアイテムである。例えばセルにアイテムを宛がう処理は、後述するように各セルに各アイテムを予め対応づけておくことで実現してもよいし、セルが選択された場合に抽選処理を行って、セルの選択による獲得アイテムを抽選により決定することで実現してもよい。またアイテムは、例えばプレーヤの収集対象となるものであり、例えばプレーヤは、獲得したアイテムをゲーム内において使用できるようになる。例えばアイテムとしては、ゲームに登場する移動体(乗り物又はキャラクタ等)、装飾物(マーク、ステッカー、宝飾品又は衣服等)、ゲーム媒体(カード等)、各種グッズ、或いはゲーム内で各種の効果を発生するものなどの種々のアイテムを想定できる。
そして本実施形態では表示処理部120は、複数のシートの中からプレーヤの指示に応じたシートを選択自在に表示部190に表示する処理を行う。即ち本実施形態のゲームシステムでは、プレーヤの指示により、複数あるシートから表示するシートを自在に選択指示可能になっている。そして表示処理部120は、複数のシートの中からプレーヤの指示に応じて選択されたシートの画像を、表示部190に表示する処理を行う。ここでプレーヤの指示は、例えば受け付け処理部112により受け付けられる。そして表示処理部120は、受け付けられた指示に基づき選択されたシートの画像を表示する。プレーヤの指示は、例えば後述するような戻るボタンや進むボタンなどを選択(タッチ)することによる指示であってもよいし、シートの番号等を直接に指示するものであってもよい。また、複数のシートの中からプレーヤの指示に応じたシートが選択自在になるのは、表示対象となる複数のシートが出現したタイミングの後であればよい。
例えば本実施形態ではシートの複数のセルに対して複数のアイテムが予め対応づけられている。例えばセル・シート情報記憶部173において、アイテム情報記憶部172にその情報(内容)が記憶されるアイテムが、シートの各セルに対応づけられて記憶されている。そしてアイテム処理部114は、プレーヤによりセルが選択された場合に、選択されたセルに対応づけられたアイテムを、選択されたセルに宛がわれたアイテムとして、プレーヤに付与する処理を行う。即ち、この場合には、セルに宛がわれたアイテムとは、セルに対して予め対応づけられたアイテムである。
また、アイテム処理部114は、複数のセルに対する複数のアイテムの対応づけを可変に変更してもよい。即ち、複数のセルの各セルに対する複数のアイテムの各アイテムの対応づけは、必ずしも固定されている必要はなく、各セルに対する各アイテムを、所定の条件や所定の情報に基づいて可変に変化させてもよい。
具体的にはアイテム処理部114は、プレーヤの過去のセルの選択履歴情報及び他のシートでのセルの選択履歴情報の少なくとも一方に基づいて、複数のセルに対する複数のアイテムの対応づけを可変に変更する。プレーヤの過去の選択履歴情報は、プレーヤが過去のプレイにおいてどのようにセルを選択したかについての履歴情報である。他のシートでのセルの選択履歴情報は、例えば表示部190に表示されているシートとは異なる他のシートにおいて、プレーヤがどのようにセルを選択したかについての履歴情報である。そしてアイテム処理部114は、例えば選択履歴情報に基づいて選択される可能性が高いと判断されるセルやその周辺のセルにおいて、レアアイテムやレア素材アイテムなどの特定アイテムの獲得(取得)の確率が高くなるように、或いは逆に低くなるように、各セルに対する各アイテムの対応づけを変更する。なお選択履歴情報以外の情報や条件に基づいて、各セルに対する各アイテムの対応づけを可変に変更してもよい。例えばプレーヤのプレレベル(初心者、中級者、上級者等)、課金情報又は使用アイテム等に基づいて、各セルに対する各アイテムの対応づけを可変に変更してもよい。
またアイテム処理部114は、プレーヤによりセルが選択された場合に、抽選処理を行い、抽選処理により抽選されたアイテムを、選択されたセルに宛がわれたアイテムとして、プレーヤに付与する処理を行ってもよい。即ち、各セルに対して各アイテムを予め対応づけておくのではなく、セルの選択時にプレーヤに付与されるアイテムを、抽選処理により決定する。即ち、この場合には、セルに宛がわれたアイテムとは、セルの選択時に行われる抽選処理により抽選されたアイテムである。
また本実施形態では、複数のシートの全体に対して設定されたアイテム群(宛がわれたアイテム群)の種類及び個数は、第1のプレーヤと第2のプレーヤとで同一であってもよい。即ち、例えばK種類のL個(K、Lは2以上の整数)のアイテムを用意する。例えばK種類のL個のアイテムの情報を、アイテム情報記憶部172に記憶しておく。そして第1、第2のプレーヤなどの複数のプレーヤのいずれがプレイする場合にも、これらのK種類のL個のアイテムが、複数のシートの全体(全シートの全セル)に対して割り振られるようにする。即ち、いわゆるボックスガチャのように、どのプレーヤがプレイする場合にも、プレーヤが獲得可能なアイテムの種類及び個数が同一になるようにする。
またアイテム処理部114は、複数のシートのうちの少なくとも2つのシートのセルに設定された少なくとも2つのレア素材アイテムをプレーヤが獲得した場合に、少なくとも2つのレア素材アイテムに基づくレアアイテムをプレーヤに付与する処理を行う。例えば第1〜第P(Pは2以上の整数)のシート(P枚のシート)に設定された第1〜第Pのレア素材アイテムをプレーヤが獲得した場合に、第1〜第Pのレア素材アイテムの合成(組合わせ)により生成されるレアアイテムをプレーヤに付与する。
またアイテム処理部114は、複数のシートのうちの少なくとも2つのシートのセルに対して、レアアイテム又はレア素材アイテムを設定する。例えば第1〜第Pのシートに対して第1〜第Pのレアアイテムを設定する。或いは第1〜第Pのシートに対して第1〜第Pのレア素材アイテムを設定する。即ち、複数のシートにまたがって複数のレアアイテムやレア素材アイテムを設定する。なお、各シートに設定されるレアアイテムやレア素材アイテムは、1つであってもよいし、複数であってもよい。
また表示処理部120は、所定の条件が満たされた場合に、複数のシートのうちのいずれかのシートを、表示部190に表示可能なシートとしてアンロックする処理を行う。例えば第1のシートが表示されている状態で所定条件が満たされた場合に、第2のシートの表示をアンロックして、表示部190に表示できるようにする。また第2のシートが表示されている状態で所定条件が満たされた場合に、第3のシートの表示をアンロックして、表示部190に表示できるようにする。この場合の所定条件は、例えばレアアイテムなどの特定アイテムをプレーヤが獲得したという条件である。或いは、プレーヤが所定のゲーム成果を獲得したり、所定のアイテムを使用した場合に、所定条件が満たされたとして、シートのアンロック処理を行うようにしてもよい。
また特典処理部116は、所定の条件が満たされた場合に、プレーヤに対して特典の付与処理を行う。特典は、例えばプレーヤのプレイを有利にするための特典、又はプレーヤを優遇するための特典などである。例えば、特典が付与されたプレーヤは、その特典を付与されていないプレーヤに比べて、より有利にゲーム等を進めることができる。或いは特典は装飾物のようなものであってもよい。また、所定条件を満たしたか否かは、例えば連続プレイの回数、レアタイムの獲得状況、プレーヤの課金情報、特殊アイテムの使用の有無、或いは確変状態であるか否かなどに基づいて判断できる。この特典についての種々の情報(特典の種類の情報、特典付与の所定条件についての情報等)は、特典情報記憶部174に記憶される。
例えば特典処理部116は、特典の付与処理として、シートのセルの選択のプレイコストの低減処理を行う。例えばプレイコストの低減処理として、シートのセルの選択に必要なゲーム内通貨(仮想通貨)の額を減らしたり、同じ額のゲーム内通貨で、複数回、セルの選択ができるようにする。
また特典処理部116は、特典の付与処理として、アイテムについてのヒント情報の提示処理を行う。例えばアイテムの獲得に必要なヒント情報を表示部190に表示したり、ヒント情報を説明する音声等を音出力部192から出力させる。具体的には特典処理部116は、ヒント情報として、シートでのアイテムの配置場所についてのヒント情報の提示処理を行う。例えばレアアイテムやレア素材アイテムのシートでの配置場所に関するヒント情報を提示する。ヒント情報の提示は、画像の表示態様の変化などで実現してもよいし、文字や数字などの表示により実現してもよいし、音の出力により実現してもよい。
なお以上に説明した受け付け処理部112、アイテム処理部114、特典処理部116、表示処理部120での各処理は、図4のサーバシステム500の受け付け処理部612、アイテム処理部614、特典処理部616、表示処理部620により実現してもよい。或いは図3の受け付け処理部112、アイテム処理部114、特典処理部116、表示処理部120と、図4の受け付け処理部612、アイテム処理部614、特典処理部616、表示処理部620との分散処理により実現してもよい。
2.本実施形態の手法
2.1 スクラッチゲーム
図5に本実施形態の車ゲームにおいて生成されるゲーム画像の例を示す。プレーヤは、自車PCA(プレーヤカー)を操作して、走行エリアを走行して、敵車RCA(コンピュータカー)とのレース対戦を行う。敵車RCAはコンピュータ(或いは他のプレーヤ)により制御される車である。本実施形態ではこのようなメインゲームである車ゲームのサブゲームとして、スクラッチゲームをプレーヤがプレイできるようになっている。このスクラッチゲームは、プレーヤがスクラッチのシートのセル(マス)をけずることで、様々なアイテムを獲得できるゲームである。
スクラッチゲームは例えば図2のゲーム管理装置MN(ターミナル)においてプレイ可能になっている。例えばゲーム管理装置MNのディスプレイ42に対して図6に示すようなメニュー画面が表示される。このメニュー画面においてプレーヤが「スクラッチシートをけずる」を選択すると、図7に示すようなゲーム画面が表示される。なお図6のメニュー画面では、スクラッチゲームで獲得できるレアアイテムであるチューンカーのシルエット画像などが表示されている。
図7のゲーム画面では、複数のセルが配置されたシート(シート1)が表示されている。セルは、スクラッチゲームにおいてはマスと呼ばれるものである。図7のシートには、5×10=50個のセルがマトリクス状に配置されており、未だ開けられていないセルにはハテナマークが表示されている。プレーヤは、シートにおいて、自身が所望するセルにタッチする。これによりそのセルの場所がけずられて、そのセルが開き、そのセルに宛がわれたアイテムが表示される。
プレーヤは、例えば1日に1回だけ無料で、セル(マス)を開けるゲームをプレイできる。その後は、ゲーム内通貨(仮想通貨)を支払うことで、セルを開けるスクラッチゲームを更に継続してプレイできる。例えばゲーム内通貨として50コインで1回のゲームをプレイできる。100コインを支払えば2回のゲームをプレイできる。シートにおいてどのセルを開けたかについての情報は、例えば図3のセル・シート情報記憶部173に記憶される。アイテムの画像情報等はアイテム情報記憶部172に記憶される。セル・シート情報記憶部173等に記憶された情報は、ネットワーク510を介して図4のサーバシステム500にアップロードされて、セル・シート情報記憶部673に記憶される。このようにすることで、プレーヤは、次回に当該店舗や他の店舗を訪れた時に、前回の状態のシートで、ゲームプレイを続行できるようになる。
図7のA1に示すタブをプレーヤがタッチすると、図8に示すような獲得アイテムのリスト画面が表示される。またA2に示すタブをタッチすると、スクラッチゲームのゲームモードが終了する。
図8の獲得アイテムのリスト画面では、例えば図7のシート1において獲得したアイテムについての情報が表示される。例えばシート1に設定される各アイテムの個数とプレーヤの獲得数とが、各アイテムの画像や名前に対応づけて表示される。またシート1でのアイテムの獲得率も表示される。
なおレアアイテムであるチューンカーについてはその名前が明記されておらず、画像もシルエット画像になっている。またレアアイテムは、例えば1つのシートに1個だけ設定(配置)されている。このレアアイテムであるチューンカーを獲得することで、図5において当該チューンカーを使用して車ゲームをプレイできるようになる。またシートには、レアアイテム以外にも、チームステッカーやマーカなどの種々の種類のアイテムが設定されている。プレーヤは、獲得したチームステッカーやマーカなどの装飾品を、自車の装飾品等として用いることができる。
以上のように本実施形態では、ゲーム画面上でスクラッチのシートをけずるスクラッチゲームをプレーヤは楽しむことができる。そして、いわゆるボックスガチャのように、プレーヤが獲得できるアイテムの個数及び種類は、プレーヤ間で差異がなく、同一であり、例えばシートには1個のレアアイテムが必ず入っている。このため、レアアイテムの獲得を目指しているプレーヤは、セルを開けるにしたがって、レアアイテムの獲得の確率が高まり、図7の5×10=50個の全てのセルを開ければ、レアアイテムを必ず獲得できることが保証される。従って、運が悪くてレアアイテムを全く獲得できないというような事態が防止され、ゲームプレイへのプレーヤの熱中度や没入度を向上できる。
なお本実施形態では、メインゲームである車ゲームのサブゲームとして、本実施形態のゲーム(スクラッチゲーム)をプレーヤがプレイする場合について説明したが、本実施形態のゲームはメインのゲームであってもよい。例えば本実施形態のゲームは、いわゆるSNSのゲーム(ソーシャルゲーム)であってもよい。また本実施形態では、図2のゲーム管理装置MNで本実施形態のゲームをプレーヤがプレイする場合について説明するが、本実施形態のゲームは、図1、図2のゲーム装置GM1〜GM4や端末装置TMでプレイできるものであってもよい。この場合に本実施形態の各処理は、図4のサーバシステム500により実現してもよいし、サーバシステム500と図3の装置(ゲーム管理装置、ゲーム装置又は端末装置等)との分散処理により実現してもよい。
また本実施形態では、複数のセルが配置されるシートがスクラッチゲームのシートである場合を例にとり説明するが、本実施形態はこれに限定されない。即ち、シートは、少なくとも複数のセル(セル群)が配置される表示物であればよく、その形状や表示態様はスクラッチゲームのシートの形状や表示態様に限定されるものではない。例えばセルの配置態様、表示態様や、シートの表示態様については種々の変形実施が可能である。
2.2 複数のシートを用いたゲームプレイ
図7のようなシートでスクラッチゲームをプレイした場合に、例えばレアアイテムが出現してしまうと、レアアイテムの獲得を目指しているプレーヤにとっては、当該シートは、価値がないものになってしまう。このため、レアアイテムの出現以降は、当該プレーヤの継続したゲームプレイを望めなくなってしまう。例えば図5のメインゲームのサブゲームとして本実施形態のスクラッチゲームを提供した場合には、スクラッチゲームでのアイテムの獲得が動機となって、店舗(広義にはアミューズメント施設)へのプレーヤの来客を促すことが可能になる。しかしながら、レアアイテム等が出現して無価値になったシートでは、このようなプレーヤの来客を促すことができず、ゲームシステムの稼働率の向上等を図れない。
そこで本実施形態では、スクラッチゲーム(スクラッチガチャ)において、複数のシート間の自由な行き来を可能にして、飽きか来ないように工夫されたゲームシステムを実現する。具体的には本実施形態では図7に示すように複数のセルが配置されたシート(複数のセルが設定された表示物)を表示部190に表示する。そしてシートの複数のセルの中からプレーヤによりセルが選択された場合に、選択されたセルに宛がわれたアイテム(割り振られたアイテム)をプレーヤに付与する。そして複数のシートの中からプレーヤの指示に応じたシートを選択自在に表示する。つまり、プレーヤの指示により、複数あるシートから表示するシートを自在に選択指示可能になるようにする。
例えば図9では、D1に示すようにレアアイテムが配置されたセルが選択されることで、レアアイテムであるチューンカーが出現している。この場合には例えばD2に示すようなポップアップ画面が表示され、シート1から次のシート2に移行する。例えば自動的にシート1からシート2に移行する。即ちシート2の表示がアンロックされて、シート2を用いたスクラッチゲームのプレイが可能になる。なお、プレーヤの移行の指示や移行の承認があったことを条件に、シート1から次のシート2に移行するようにしてもよい。
このようにシートの移行が行われると、図10に示すようなゲーム画面が表示される。このゲーム画面では、複数のセルが配置された次のシート2の画像が表示されている。このシート2では、プレーヤが未だ1つもセルを開けていないため、全てのセルに対してハテナマークが表示されている。このシート2においても、図7のシート1と同様に、プレーヤが所望のセルにタッチすることで、そのセルに対応するアイテム(宛がわれたアイテム)が、ハテナマークの代わりに表示されて、当該アイテムがプレーヤに付与される。
そして図10ではE1に示す戻るボタンにタッチ(選択)することで、図11に示すようにシート1の画面に戻ることができる。この図11のシート1は、図9のD1に示すようにレアアイテム等が出現した前の状態でのシートであり、シートの初期化は行われていない。つまり、プレーヤは、シート1の画面に戻ることで、前に遊んだ時のシート及びセルの状態のままで、シート1を用いたスクラッチゲームを、引き続き楽しむことができる。
そして図11のシート1の画面において、プレーヤは、F1に示す進むボタンを押すことで、図10のシート2の画面に移行できる。即ち、プレーヤは、自身の指示により、シート1とシート2の間を自由に行き来して、スクラッチゲームを楽しむことができる。
また図10のシート2において、プレーヤのセルのタッチにより、当該シート2に設定されたレアアイテムが出現すると、図9のD2と同様のポップ画面が表示されて、次のシート3に移行できるようになる。即ち、シート3の表示がアンロックされて、シート3を用いたスクラッチゲームのプレイが可能になる。
この場合には図10のE2に示すように、シート2の画面に対して進むボタンが表示されるようになる。例えばシート3の画面からシート2の画面に戻ったプレーヤが、E2の進むボタンにタッチすることで、シート3に再度進むことが可能になる。
図12は全てのシート1〜シート6がアンロックされた状態でのシート間の移動を説明する図である。例えばシート1〜シート6の全てにおいて、各シートに対応するレアアイテムが出現することで、図12のような状態になる。本実施形態では例えば6枚のシート1〜シート6が用意されており、プレーヤは、最終的にはこれらの6枚のシート1〜シート6間で自由に行き来できるようになる。なおシートの枚数は6枚には限定されず、2〜5枚又は7枚以上であってもよい。
例えば図12において、シート1の画面において進むボタンを押すことで、シート2に移行でき、シート2の画面において進むボタンを押すことで、シート3に移行できる。同様にして、シート4、シート5、シート6の画面に移行できる。またシート6の画面において戻るボタンを押すことでシート5に移行でき、シート5の画面において戻るボタンを押すことでシート4に移行できる。同様にしてシート3、シート2、シート1の画面に移行できる。なおシート6において進むボタンを押すことでシート1に移行し、シート1において戻るボタンを押すことでシート6に移行できるようにしてもよい。
ここでシートの各セルに宛がわれるアイテムは、例えば最初に全てのセルにアイテムを対応づけておき、セルが選択された際に表示されるアイテムであってもよいし、セルが選択された際に抽選により決定されたアイテムであってもよい。
例えば図13では、シート1〜シート6の複数のセルに対して複数のアイテムが予め対応づけられている。そしてプレーヤによりセルが選択された場合には、選択されたセルに対応づけられたアイテムを、選択されたセルに宛がわれたアイテムとして、プレーヤに付与する。
即ち図13において、シート1のセルCA1〜CA100に対してはアイテムIA1〜IA100が予め対応づけられており、シート2のセルCB1〜CB100に対してはアイテムIB1〜IB100が予め対応づけられている。シート6のセルCF1〜CF100に対してはアイテムIF1〜IF100が予め対応づけられている。他のシート3〜シート5も同様である。そして例えばシート1のセルCA1、CA2、CA3・・・CA100がプレーヤにより選択されると、アイテムIA1、IA2、IA3・・・IA100が出現して、プレーヤに付与されるようになる。シート2のセルCB1、CB2、CB3・・・CB100がプレーヤにより選択されると、アイテムIB1、IB2、IB3・・・IB100が出現して、プレーヤに付与されるようになる。他のシート3〜シート6についても同様である。
これらのシート、セル、アイテムの対応づけのテーブル情報は例えば図3のセル・シート情報記憶部173に記憶される。このような対応づけを予め行っておくことで、各シートの各セルに対応するアイテムを、テーブル情報を読み出すだけというような簡素な処理で特定して、プレーヤに付与できるようになる。
また本実施形態では、図14(A)に示すように、複数のセルに対する複数のアイテムの対応づけを可変に変更してもよい。この場合に、複数のシートの全体に対するアイテムの対応づけを可変に変更してもよいし、図14(B)に示すように各シートのセルに対するアイテムの対応づけを可変に変更してもよい。例えば各シートが50個のセルを有しており、シートの数が6枚であった場合に、50×6=300個のセルに対する300個のアイテムの対応づけを可変に変更してもよい。或いは、図14(B)に示すように、シート1の50個のセルに対する50個のアイテムの対応づけを可変に変更し、シート2の50個のセルに対する50個のアイテムの対応づけを可変に変更するというように、各シートごとにセルに対するアイテムの対応づけを可変に変更してもよい。
このようにセルに対するアイテムの対応づけを随時に変化させることで、アイテムの出現の仕方に多様性を持たせることができ、より飽きが来にくいスクラッチゲームの実現が可能になる。
例えば本実施形態では、プレーヤの過去のセルの選択履歴情報や他のシートでのセルの選択履歴情報に基づいて、複数のセルに対する複数のアイテムの対応づけを可変に変更する。
例えばプレーヤの過去のセルの選択履歴情報から、図15(A)のG1に示すようにプレーヤがシートの中央付近のセルを選択する傾向にあると判断されたとする。この場合に、例えばレアアイテムや後述のレア素材アイテム等の特定アイテムがシートの中央付近の領域に出現するように、セルに対するアイテムの対応づけを変更する。或いは、逆に、レアアイテム等の特定アイテムがシートの中央付近以外の領域(左側や右側の領域)に出現するように、セルに対するアイテムの対応づけを変更する。例えばレアアイテムがなかなか当たっていないと判断されるプレーヤの場合には、中央付近の領域にレアアイテムを出現させ、逆に、レアアイテムが当たり続けているプレーヤの場合には、中央付近以外の領域にレアアイテムを出現させる。こうすることで、プレーヤの過去のセルの選択履歴情報を有効利用した、より適切なアイテム配置を実現できるようになる。
また図15(B)のG2に示すようにシート1において、プレーヤが、左側の領域のセルを選択する傾向にあると判断されたとする。この場合に、図15(C)に示すように、シート2でのプレイの際に、G3に示す左側の領域にレアアイテム等が出現するように、セルに対するアイテムの対応づけを変更する。或いは、逆に左側以外の領域(中央付近や右側の領域)にレアアイテム等が出現するように、セルに対するアイテムの対応づけを変更する。即ち、他のシートでのセルの選択履歴情報に基づいてセルに対するアイテムの対応づけを変更する。
このようにすれば、複数のシートから表示するシートを自在に選択可能な本実施形態の手法において好適なセルとアイテムの対応づけの変更手法を実現できる。即ち、複数のシートをまたがったスクラッチゲームのプレイが可能な本実施形態の手法において、他のシートでのセルの選択履歴情報を利用してセルとアイテムの対応づけを変更できるようになり、これまでにないタイプのスクラッチゲームの実現が可能になる。
なお本実施形態では、プレーヤによりセルが選択された場合に、抽選処理を行い、抽選処理により抽選されたアイテムを、選択されたセルに宛がわれたアイテムとして、プレーヤに付与してもよい。例えば図16においてH1に示すセルがプレーヤにより選択された場合に、抽選処理が行われ、アイテム群の中から抽選されたアイテムがプレーヤに付与される。例えば確率テーブルなどを用いて抽選処理が行われ、レアアイテムやレア素材アイテムが一定の確率で当たるような抽選処理が行われて、プレーヤに付与されるアイテムが決定される。確率テーブルでの各アイテムの獲得確率は例えば各アイテムの種類ごとに設定され、レアアイテム等が当たる確率は他の種類のアイテムが当たる確率に比べて低くなっている。
このようにセルの選択時に付与されるアイテムを抽選処理により決定すれば、確率等に基づくランダムな処理で、プレーヤに対して付与するアイテムを決定できるようになる。なお、抽選処理の際の選択対象となるアイテム群は、各シート群ごとに設定されていてもよいし、複数のシートの全体に対して設定されるアイテム群であってもよい。例えば第1〜第Pの各シートにおいて第1〜第Pの各アイテム群から抽選処理により付与アイテムを決定してもよいし、第1〜第Pのシートの全体に対して設定される全体のアイテム群から付与アイテムを決定してもよい。
また本実施形態では、複数のシートの全体(全シートの全セル)に対して設定されたアイテム群の種類及び個数を、プレーヤ間で同一にすることが望ましい。即ち、アイテム群の種類及び個数はプレーヤごとに異ならない。
例えば図17(A)に示すように、第1のプレーヤにおいてシート1〜シート6(広義には第1〜第Pのシート)の全体に対して設定されたアイテム群の種類及び個数は、第2のプレーヤにおいてシート1〜シート6(広義には第1〜第Pのシート)の全体に対して設定されたアイテム群の種類及び個数と同一である。例えば各シートがM×N個のセルで構成され、シートの枚数(個数)がP枚(P個)であったとすると、全体のアイテム群のアイテムの個数は例えばL=M×N×Pとなる。この場合に、第1のプレーヤにおいてP枚のシートに宛がわれるアイテムの個数はL個であり、第2のプレーヤにおいてP枚のシートに宛がわれるアイテムの個数もL個である。また、全体のアイテム群でのアイテムの種類をK種類とした場合に、第1のプレーヤにおいてP枚のシートに宛がわれるアイテムの種類はK種類であり、第2のプレーヤにおいてP枚のシートに宛がわれるアイテムの種類もK種類である。プレーヤの人数が3人以上である場合も同様である。
このようにすれば、いわゆるボックスガチャのように、いずれのプレーヤにおいても、獲得対象(付与対象)となるアイテムの個数及び種類は同一になる。従って、複数回、プレイすれば、レアアイテム等の特定アイテムを必ず獲得できることが保証されるため、プレーヤのプレイ意欲を増すことができ、飽きが来にくいゲームの実現が可能になる。
この場合に、各プレーヤのアイテムの獲得状況、或いはシート、セルの状況を、各プレーヤが閲覧可能になるようにしてもよい。即ち、フレンドなどが獲得したアイテムや、スクラッチ状況を開示可能な機能をゲームシステムに持たせる。例えば図17(B)において、第1のプレーヤは、第2のプレーヤの獲得アイテムの状況や、シート、セルの状況(スクラッチ状況)を閲覧可能になっている。第2のプレーヤも、第1のプレーヤの獲得アイテムの状況や、シート、セルの状況を閲覧可能になっている。例えば第1のプレーヤと第2のプレーヤは、SNSゲーム等のゲームにおいてフレンドとして登録されている。獲得アイテムの状況は、例えば各プレーヤが獲得したアイテムの種類や個数等の情報である。シート、セルの状況は、例えば各プレーヤがアンロックしたシートの枚数や、開けたセルの位置や個数等の状況である。
例えばプレーヤが獲得できるレアアイテムの名前や種類などの情報については、当該レアアイテムを実際に獲得できるまでプレーヤに知らされないようにする。そして例えば第2のプレーヤは当該レアアイテムを既に獲得しており、第1のプレーヤは、当該アイテムを未だ獲得していないとする。この場合に図17(B)に示すように、第1のプレーヤが第2のプレーヤの獲得アイテム状況を閲覧できることで、第1のプレーヤは、当該レアアイテムの存在や名前等の情報を知ることが可能になる。これにより、当該レアアイテムを獲得することの効果的な動機づけを第1のプレーヤに与えることができ、第1のプレーヤのゲームプレイの没入度や熱中度を高めることが可能になる。また第1のプレーヤは、第2のプレーヤのシートやセルの状況を知ることで、第2のプレーヤのゲームの進み度合い等を知ることも可能になる。
また本実施形態では、複数のシートのうちの少なくとも2つのシートのセルに設定された少なくとも2つのレア素材アイテムをプレーヤが獲得した場合に、これらの少なくとも2つのレア素材アイテムに基づくレアアイテムをプレーヤに付与してもよい。
例えば図18では、シート1に対して車体のアイテムITFが設定され、シート2に対してマフラーのアイテムITGが設定され、シート3に対してタイヤのアイテムITHが設定されている。即ち、シート1、シート2、シート3に対してアイテムITF、ITG、ITHが宛がわれている。これらのアイテムITF、ITG、ITHはレア素材のアイテムである。そしてプレーヤがシート1〜シート3のスクラッチゲームをプレイして、レア素材のアイテムITF、ITG、ITHを獲得したとする。すると、これらのレア素材のアイテムITF、ITG、ITHの組合わせにより生成されるチューンカーのレアアイテムITXが出現し、例えば当該レアアイテムITXがプレーヤに付与される。
同様に図19では、レア素材のアイテムITJ、ITK、ITL、ITMがシート1、シート2、シート3、シート4に設定されている。そしてプレーヤがシート1〜シート4のスクラッチゲームで、アイテムITJ〜ITMを獲得すると、これらの組合わせからなるレアアイテムITYがプレーヤに付与される。ここで、レア素材(広義には素材)のアイテムITJ〜ITMは、レアアイテムITYの絵の各パーツとなるアイテムとなっている。アイテムITJ〜ITMのグループの全てが揃うと、価値の高いアイテムと見なされるコンビネーションのレアアイテムITYが出現する。ITJ〜ITMのグループの各アイテムのデザインは、一部分しかデザインされておらず、他が欠落したデザインとなっている。即ち、グループのアイテムが揃うことで、絵のデザインが完成する。
このように複数のシートにまたがってレア素材のアイテムを設定することで、複数のシートを用いる本実施形態の手法において、より飽きが来にくいゲームをプレーヤに提供できるようになる。例えば複数のシートの各シートにおいてレアアイテムが出現した後においても、プレーヤは、レア素材のアイテムを収集するゲームを楽しむことができる。そしてレア素材のアイテムを集めることで、新たなレアアイテムが出現するようになり、プレーヤの継続したゲームプレイを促すことが可能になる。例えば通常のスクラッチゲームでは、1枚のシートにおいてレアアイテムが出現すると、そのシートは無価値になってしまう。これに対して複数のシートの各シートにレア素材のアイテムを含ませれば、レアアイテムが出現したシートが無価値なシートになることが防止され、プレーヤの継続したゲームプレイを促すことが可能になる。
例えば本実施形態では、複数のシートのうちの少なくとも2つのシートのセルに対して、レアアイテム又はレア素材アイテムを設定している。即ち、複数のシートにまたがってレアアイテムやレア素材アイテムを設定している。例えば図20(A)では、シート1にはレアアイテムIR1(レア素材アイテム)が設定され、シート2にはレアアイテムIR2(レア素材アイテム)が設定され・・・・、シート6にはレアアイテムIR6(レア素材アイテム)が設定されている。このように各シートに対してレアアイテム(レア素材アイテム)を設定することで、複数のシートを用いる本実施形態の手法において、シートを次々に出現させて、出現したシートにおいてレアアイテムを探し当てるという楽しみをプレーヤに与えることができる。従って、複数のシートを用いるゲームにおいて、プレーヤの飽きが来にくいゲームプレイの実現が可能になる。また複数のシートにまたがってレア素材アイテムを設定することで、図18、図19で説明したように、レア素材アイテムを収集して新たなレアアイテムを出現させるという楽しみをプレーヤに与えることが可能になる。なお、レアアイテムやレア素材アイテムは、少なくとも2つのシートに設定されていればよく、全てのシートに対してレアアイテムやレア素材アイテムが設定されている必要はない。また1枚のシートに対して複数のレアアイテムやレア素材アイテムを設定するようにしてもよい。
そして本実施形態では、所定の条件が満たされた場合に、複数のシートのうちのいずれかのシートを、表示部に表示可能なシートとしてアンロックする処理を行っている。例えば図20(B)ではプレーヤはシート1のスクラッチゲームにおいてレアアイテムIR1を獲得している。このレアアイテムIR1の獲得により、次のシート2が、表示可能なシーとしてアンロックされる。即ち、この場合には所定の条件とはレアアイテムの獲得であり、レアアイテムの獲得を条件に次のシートがアンロックされる。
また図20(C)ではプレーヤはシート2のスクラッチゲームにおいてレアアイテムIR2を獲得している。このレアアイテムIR2の獲得により、次のシート3が、表示可能なシーとしてアンロックされる。このようにしてプレーヤは、次のシート3、シート4、シート5においてレアアイテムを獲得して行き、最後のシート6においてレアアイテムを獲得すると、全てのシートでのレアアイテムの獲得の完了となる。そして、このように全てのシートでのレアアイテムを獲得した後も、各シートにおいてレア素材アイテムを出現させれば、プレーヤは、レア素材アイテムの収集を目的に更にゲームをプレイするようになり、プレーヤの継続したゲームプレイを促すことが可能になる。
以上のように本実施形態では、プレーヤの指示により、複数のシートの中から表示するシートを自在に選択可能になっている。また例えば複数のシートの各シートにはレアアイテムやレア素材アイテムが設定されている。従って、プレーヤは、複数のシートを行き来してゲームを楽しむことが可能になり、飽きが来にくいゲームの実現が可能になる。例えば図20(B)、図20(C)に示すようにプレーヤは、シートのレアアイテムを獲得した後、次のシートに移行し、その次のシートでレアアイテムを獲得するというように、各シートのレアアイテムを次々に出現させて獲得して行くというゲームを楽しむことが可能になる。また例えば図18、図19のように複数のシートにレア素材アイテムを散在させることで、レア素材アイテムの収集による新たなレアアイテムの獲得という楽しみをプレーヤに与えることができる。このように本実施形態の手法によれば、プレーヤの飽きが来にくく、継続したゲームプレイを促すことができるゲームシステムの実現が可能になる。
2.3 特典付与
本実施形態では、所定の条件が満たされた場合に、プレーヤに対して特典を付与する処理を行ってもよい。例えばプレーヤが連続してゲームプレイを行った場合、レアアイテムが当たっていない状況の場合、プレーヤが課金を行った場合、プレーヤが特別なアイテムを使用した場合、或いは、レアアイテムが連続して出現している確変状態の場合などに、当該所定の条件が満たされて、プレーヤに対して特典が付与される。
ここで、プレーヤの連続したゲームプレイは、例えば1日や1時間などの所定期間内でのゲームプレイの回数(ゲーム内通貨等を支払ってセルを開ける回数)により判断できる。レアアイテムが当たっていない状況は、例えばレアアイテムの獲得に多くの時間や多くのプレイ回数を費やしている場合などである。プレーヤの課金は、プレーヤがゲーム内通貨等を支払ったか否かで判断できる。特別なアイテムは、その使用により、プレーヤへの特典の付与を可能にするアイテムである。また例えばプレーヤが連続してレアアイテムを獲得した場合や、短時間の間に複数のレアアイテムを獲得した場合などに、確変状態と判断できる。またプレーヤに付与する特典としては、プレイコストの低減処理や、アイテムについてのヒント情報の提示処理などがある。
図21は特典付与処理について説明するフローチャートである。まず、プレーヤの連続プレイ回数、レアアイテムの獲得状況、課金情報、特殊アイテムの使用の有無、又は確変の有無等について、所定の条件が満たされたか否かを判断する(ステップS1)。そして所定条件が満たされた場合には、プレイコストの低減、又はヒット情報の提示等の特典付与処理を行う(ステップS2)。
例えば本実施形態では、特典の付与処理として、シートのセルの選択のプレイコストの低減処理を行う。例えば図22(A)において、プレーヤはシートのセルを選択することで、一定距離内に位置するアイテムIL、IRを出現させて獲得している。そしてアイテムIL、IRは、例えば同一(或いは同じ種類)のアイテムであるため、図22(A)のI1に示すようなアイテムILのセルとアイテムIRのセルの間の領域のセルも開き、当該セルに設定されたアイテムがプレーヤに付与される。即ち、I1に示す領域のセルが一気に開く。このように、同一のアイテムIL、IRが出現することで所定条件が満たされて、プレーヤのプレイコストを低減するという特典がプレーヤに与えられている。なお、アイテムIL、IRは同一のアイテムである必要はなく、両者に特定の関係が成立していれば十分である。例えばアイテムIL、IRは、デザインが同じで色が異なるようなアイテムであってもよい。或いはトランプにおけるダイヤ、スペード、ハートのマークのように、数字は違うがマークが同一というようなアイテムであってもよい。
また図22(B)のシートでは、レアアイテムIRAがプレーヤに獲得されており、その価値が下がっていると考えられる。従って、この場合には、当該シートのセルの選択に必要なプレイコストを、レアアイテムが出現していない通常のシートに比べて低くする。例えば通常シートではゲーム内通貨で50コインが必要であった場合に、レアアイテム等の特定アイテムが出現したシートについては、例えばプレイコストを50コインよりも安くする。或いは、同じ50コインで、複数回のゲームプレイをできるようにする。例えば50コインで、2つ以上のセルを開けられるようにする。
また本実施形態では、特典の付与処理として、アイテムについてのヒント情報を提示する。例えばヒント情報として、シートでのアイテムの配置場所などについてのヒント情報を提示する。
例えば図23(A)では、「このシートには伝説のチューンカーGTWRがある」というヒント情報が、プレーヤに対する特典として提示されている。このようなヒント情報を付与することで、当該シートでのスクラッチゲームのプレイの効果的な動機づけをプレーヤに与えることができる。プレーヤに提示するヒント情報としては、当該シートにあるレアアイテムやレア素材アイテムなどの特定アイテムについての種類や個数の情報などの種々の情報を想定できる。
また図23(B)では、「この辺りにレアアイテムがある」というレアアイテムの場所についての情報が、ヒント情報としてプレーヤに提示されている。例えばプレーヤがセルを選択し、そのセルに設定されたアイテムが表示され、当該セルを中心とした一定範囲内にレアアイテムが存在した場合には、例えば図23(B)に示すように表示態様が変化する。例えば、その一定範囲において色、輝度又は色調などの表示態様が変化する。こうすることで、その一定範囲内にレアアイテムが存在することを知ることができ、プレーヤはゲームを優位に進めることが可能になり、プレーヤを有利にする特典の付与処理を実現できるようになる。なおヒント情報は例えば音声などを用いてプレーヤに伝えてもよい。また、プレーヤに提示するヒント情報は図23(A)、図23(B)に示すものに限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。
図24は、ゲームカードを用いたセル情報、シート情報のダウンロード手法の説明図である。例えばプレーヤは、スクラッチゲームを開始する前に、図2のゲーム管理装置MNのカードリーダー44に対して、自身が所有するゲームカードをタッチする。ゲームカードは、ゲームデータ等の認証用のカードである。ゲームカードには、カードID(広義には媒体ID)が記憶されており、このカードIDと、ゲームデータであるセル情報IFC、シート情報IFSが関連づけられている。このセル情報IFC、シート情報IFSは、例えば図4のサーバシステム500のセル・シート情報記憶部673に対して、プレーヤのユーザ情報に対応づけて記憶され、サーバシステム500により管理されている。そしてプレーヤが図2のゲーム管理装置MNのカードリーダー44にゲームカードをタッチすると、ゲームカードのカードIDがサーバシステム500に送信される。そして、サーバシステム500は、カードIDに基づいてユーザを特定し、そのユーザの情報に対応づけられたセル情報IFC、シート情報IFSをゲーム管理装置MNにダウンロードする。ダウンロードされたセル情報IFC、シート情報IFSは、図3のセル・シート情報記憶部173に記憶される。
図24に示すようにセル情報IFCでは、各シートの各セルに対して、スクラッチフラグと、出現したアイテムの情報が関連づけられている。スクラッチフラグは、例えば対応するセルがプレーヤによって開けられた場合に1にセットされ、その他の場合には0にリセットされている。スクラッチフラグが1にセットされているセルに対しては、セルを開けたことにより出現したアイテムの情報が関連づけられる。またシート情報IFSでは、各シートのシート番号に対してアンロックフラグが関連づけられている。アンロックフラグは、シートがアンロックされた場合に1にセットされ、その他の場合には0にリセットされている。例えば前述の図20(B)の場合には、シート1、シート2のアンロックフラグが1にセットされ、その他のシート3〜シート6のアンロックフラグは0にリセットされている。図20(C)の場合には、シート1、シート2、シート3のアンロックフラグが1にセットされ、その他のシート4〜シート6のアンロックフラグは0にリセットされている。
このようなセル情報IFC、シート情報IFSを用いることで、プレーヤがゲームプレイを開始した時に、前のゲームプレイ時でのシート、セルの状態や、出現アイテムの状態を再現できるようになる。これによりプレーヤは、前のゲームプレイでのシート、セルの状態や、出現アイテムの状態で、ゲームを再開することが可能になり、プレーヤの継続したゲームプレイを実現することが可能になる。例えば店舗(アミューズメント施設)でスクラッチゲームを何回かプレイした後、例えば次の日に、同じ又は異なる店舗に訪れた場合に、プレーヤは、前の日のゲームプレイでのシート、セルの状態や、出現アイテムの状態で、ゲームを再開することが可能になる。従って、プレーヤは、複数のシートを用いたスクラッチゲームを、長期間に亘って楽しむことが可能になり、飽きかが来にくいゲームの提供が可能になる。また、このようなスクラッチゲームを用意することで、店舗へのプレーヤの来訪を誘因して、例えばメインゲームである車ゲーム等をプレーヤにプレイさせることが可能になる。これにより店舗でのゲームシステムの稼働率の向上等を図れるようになる。例えば1日に1回だけ無料で、セルを開けるゲームプレイを可能にすることで、店舗への来店の効果的な動機づけをプレーヤに与えることが可能になる。
3.詳細な処理
次に本実施形態の詳細な処理例について図25のフローチャートを用いて説明する。
まずセル・シート情報をダウンロードする(ステップS11)。例えば図24で説明したようなセル情報IFC、シート情報IFSをサーバシステム500からダウンロードする。次にシートを表示する(ステップS12)。例えば図7に示すようなシートが表示されたゲーム画面を表示する。そして、プレーヤが、未だ開けてないタッチにセルにタッチしたか否かを判断する(ステップS13)。そして、未だ開けてないタッチにセルにタッチした場合には、タッチしたセルに宛がわれたアイテムをプレーヤに付与する(ステップS14)。例えばタッチしたセルに宛がわれたアイテムを表示して、当該アイテムをプレーヤに獲得させる。セルにアイテムを宛がう処理としては、図13や図16で説明した処理などがある。
次に、プレーヤがレアアイテムを獲得したか否かを判断する(ステップS15)。そして、レアアイテムを獲得した場合には次のシートを表示する(ステップS16)。例えば図9、図20(B)のようにシート1においてレアアイテムが獲得された場合には、シート2をアンロックして、図10のようにシート2が表示されたゲーム画面を表示する。同様に図20(C)のようにシート2においてレアアイテムが獲得された場合には、シート3をアンロックして、シート3が表示されたゲーム画面を表示する。
次に、プレーヤが戻るボタン又は進むボタンをタッチしたか否かを判断する(ステップS17)。そしてタッチした場合には、対応するシートを表示する(ステップS18)。例えば図10のシート2のゲーム画面において、E1に示す戻るボタンをプレーヤがタッチした場合には、図11に示すシート1のゲーム画面を表示する。また図11のシート1のゲーム画面において、F1に示す進むボタンをプレーヤがタッチした場合には、図10に示すシート2のゲーム画面を表示する。このように本実施形態では、複数のシートの中から表示するシートを、プレーヤの指示により自在に選択可能になっている。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語(携帯型情報記憶媒体、媒体ID、表示物等)と共に記載された用語(ゲームカード、カードID、シート等)は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、シートやセルの表示処理、アイテムの付与処理、シートの選択処理、プレーヤの入力の受け付け処理、セルにアイテムを宛がう処理、特典付与処理等も本実施形態で説明したものに限定されず、これらと均等な手法も本発明の範囲に含まれる。また本発明は種々のゲームに適用できる。また本発明は、業務用ゲームシステム、家庭用ゲームシステム、多数のプレーヤが参加する大型アトラクションシステム、シミュレータ、マルチメディア端末、ゲーム画像を生成するシステムボード、携帯電話等の種々のゲームシステムに適用できる。