JP6439520B2 - 半導体デバイス製造用組成物及び加工基板の製造方法 - Google Patents

半導体デバイス製造用組成物及び加工基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体デバイス製造用組成物及び加工基板の製造方法に関する。
半導体装置等の微細化に伴い、より高い集積度を得るために多層レジストプロセスが用いられている。この多層レジストプロセスでは、基板上に半導体デバイス製造用組成物を用いて無機膜を形成し、この無機膜上に有機材料を用いて無機膜とエッチング速度が異なるレジスト膜を形成する。このレジスト膜にレジストパターンを形成し、このレジストパターンをドライエッチングにより無機膜及び基板に転写することにより、所望のパターンが形成された加工基板が得られる(特開2001−284209号公報及び特開2008−39811号公報参照)。上記半導体デバイス製造用組成物は、上記レジスト下層膜等に対してより優れたエッチング選択性を有する無機膜を形成できることが求められており、この要請に対し、上記無機膜として、メタロキサン骨格を有する金属含有化合物を用いて金属含有膜を形成すること等が検討されている(特表2005−537502号公報参照)。
かかる金属含有膜で多層レジストプロセスにおけるパターン形成後に残存するものは、通常フッ酸等を用いて溶解させることにより除去することができる。しかし、フッ酸等を用いたのでは形成された加工基板が影響を受けるという不都合がある。従って、残存する金属含有膜をフッ酸以外の例えばアルカリ液を用いて除去する技術が求められている。
特開2001−284209号公報 特開2008−39811号公報 特表2005−537502号公報
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、優れたエッチング耐性を発揮しつつ、アルカリ液を用いて除去可能な金属含有膜を形成できる半導体デバイス製造用組成物及び加工基板の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた発明は、加水分解性基を有する金属化合物(以下、「金属化合物(I)」ともいう)、上記金属化合物(I)の加水分解縮合物若しくはこれらの組み合わせを含む金属含有化合物(以下、「[X]金属含有化合物」ともいう)と、少なくとも1種の有機化合物(以下、「[Y]有機化合物」ともいう)とを混合して得られる錯体(以下、「[a]錯体」ともいう)又はこの錯体を加水分解縮合して得られたもの(以下、「[b]加水分解縮合物」ともいう)を含有し(以下、[a]錯体と[b]加水分解縮合物とをまとめて「[A]化合物」ともいう)、上記[Y]有機化合物がアルカリ可溶性を有する第1化合物(以下、「化合物(I)」ともいう)、アルカリ液の作用により分解してアルカリ液に対する溶解度が増大する第2化合物(以下、「化合物(II)」ともいう)又は酸の作用により分解してアルカリ液に対する溶解度が増大する第3化合物(以下、「化合物(III)」ともいう)であり、かつ上記[Y]有機化合物が合計2〜4個の−OH、−COOH、−NCO、−NR又は−COR−(以下、これらをまとめて「特定基」ともいう)を有し、上記R及びRがそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基、上記Rが炭素数1〜20の2価の有機基である半導体デバイス製造用組成物である。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、基板の一方の面側に金属含有膜を形成する工程、上記金属含有膜の基板と反対の面側にレジストパターンを形成する工程、上記レジストパターンをマスクとした1又は複数回のドライエッチングにより基板パターンを形成する工程、及び残存する上記金属含有膜をアルカリ液を用いて除去する工程を備え、上記金属含有膜を、当該半導体デバイス製造用組成物により形成する加工基板の製造方法である。
本発明の半導体デバイス製造用組成物及び加工基板の製造方法によれば、上記特定の化合物から選ばれる有機化合物を用いて形成される錯体を使用することにより、優れたエッチング耐性を発揮しつつ、アルカリ液を用いて金属含有膜を除去することが可能となる。従って、これらは今後ますます微細化が進むと想定される半導体デバイス製造におけるパターン形成に好適に用いることができる。
<半導体デバイス製造用組成物>
当該半導体デバイス製造用組成物は、例えば半導体デバイス製造における多層レジストプロセス等で形成される金属含有膜を得るために用いることができる。
当該半導体デバイス製造用組成物は、[A]化合物を含有し、好適成分として[B]溶媒及び/又は[C]架橋促進剤を含有していてもよく、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の任意成分を含有していてもよい。以下、各成分について説明する。
<[A]化合物>
[A]化合物は、[a]錯体又は[b]加水分解縮合物である。[b]加水分解縮合物は、[a]錯体を加水分解縮合して得られたものである。「加水分解縮合」とは、[a]錯体が有する加水分解性基が水の作用により加水分解して−OHに変換され、生成した2個の−OHから水分子が脱離して縮合し−O−を形成する反応をいう。
[[a]錯体]
[a]錯体は、[X]金属含有化合物と[Y]有機化合物とを混合して得られる錯体である。[X]金属含有化合物と[Y]有機化合物とを混合することにより、[X]金属含有化合物を構成する金属原子に、[Y]有機化合物が有する2〜4個の特定基がキレート配位、金属原子間の架橋等をすることにより[a]錯体を形成すると考えられる。[a]錯体は、金属原子を1種又は2種以上含んでいてもよい。
([X]金属含有化合物)
[X]金属含有化合物は、金属化合物(I)、金属化合物(I)の加水分解物又はこれらの組み合わせである。
[X]金属含有化合物が含む金属原子としては、例えば第3族、第4族、第5族、第6族、第7族、第8族、第9族、第10族、第11族、第12族若しくは第13族の金属原子又はこれらの組み合わせ等が挙げられる。これらの中で、第4族、第5族、第6族、第9族及び第13族の金属原子が好ましく、第4族及び第6族の金属原子がより好ましい。[X]金属含有化合物がこれらの族の金属原子を有することで、金属含有膜のエッチング耐性をより向上させることができる。
上記金属原子としては、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、ハフニウム、タングステン、モリブデン、タンタル、コバルト及びこれらの組み合わせがより好ましく、チタン、ジルコニウム及びタングステンがさらに好ましい。[X]金属含有化合物がこれらの金属原子を有することで、金属含有膜のエッチング耐性をより向上させることができる。
[X]金属含有化合物は、配位子を含んでいてもよい。この配位子としては、例えば後述する単座配位子、多座配位子等が挙げられる。
(金属化合物(I))
金属化合物(I)は、加水分解性基を有する金属化合物である。金属化合物(I)が加水分解性基を有することで、その加水分解及び加水分解縮合により、金属原子が−O−により連結された金属化合物を含む[A]化合物を形成することができ、その結果、金属含有膜のエッチング耐性をより向上させることができる。
加水分解性基は、水と反応させることにより−OHに変換することが可能な基である。この加水分解性基としては、例えば
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基;
フェノキシ基、トリルオキシ基、ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基;
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;
ホルミルオキシ基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基等のアシロキシ基;
イソシアネート基等が挙げられる。これらの中で、アルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基及びブトキシ基がより好ましい。
金属化合物(I)としては、例えば下記式(2)で表される化合物(以下、「金属化合物(I−1)」ともいう)等が挙げられる。金属化合物(I−1)は、加水分解性基(Z)と共に配位子(L)を有していてもよい単核錯体である。このような金属化合物を加水分解又は加水分解縮合させると、金属原子間を−O−で架橋し、かつ配位子を有していてもよい多核錯体を容易かつ安定に形成することができ、その結果、金属含有膜のエッチング耐性をさらに向上させることができる。
Figure 0006439520
上記式(2)中、Mは、第3族、第4族、第5族、第6族、第7族、第8族、第9族、第10族、第11族、第12族又は第13族の金属原子である。Lは、配位子である。kは、0〜3の整数である。kが2以上の場合、複数のLは同一でも異なっていてもよい。Zは、加水分解性基である。mは、2〜6の整数である。複数のZは同一でも異なっていてもよい。但し、k×2+mは6以下である。
金属化合物(I−1)は、加水分解性基(Z)と共に配位子(L)を有していてもよい単核錯体である。このような金属化合物を加水分解又は加水分解縮合させると、金属原子間を−O−で架橋し、かつ配位子を有していてもよい多核錯体を容易かつ安定に形成することができ、その結果、金属含有膜のエッチング耐性をさらに向上させることができる。
Mで表される金属元素としては、第4族、第5族、第6族、第9族及び第13族の金属原子並びにこれらの組み合わせが好ましく、第4族及び第6族の金属原子並びにこれらの組み合わせがより好ましい。また、上記金属原子としては、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、ハフニウム、タングステン、モリブデン、タンタル、コバルト及びこれらの組み合わせが好ましく、チタン、ジルコニウム、タングステン及びこれらの組み合わせがより好ましい。
Lで表される配位子としては、単座配位子及び多座配位子が挙げられる。
単座配位子としては、例えばヒドロキソ配位子、カルボキシ配位子、アミド配位子等が挙げられる。
アミド配位子としては、例えば無置換アミド配位子(NH)、メチルアミド配位子(NHMe)、ジメチルアミド配位子(NMe)、ジエチルアミド配位子(NEt)、ジプロピルアミド配位子(NPr)等が挙げられる。
多座配位子としては、例えばヒドロキシ酸エステル、β−ジケトン、β−ケトエステル、β−ジカルボン酸エステル及びπ結合を有する炭化水素、カルボキシレートアニオン、アンモニア等が挙げられる。
ヒドロキシ酸エステルとしては、例えばグリコール酸エステル、乳酸エステル、2−ヒドロキシシクロヘキサン−1−カルボン酸エステル、サリチル酸エステル等が挙げられる。
β−ジケトンとしては、例えばアセチルアセトン、メチルアセチルアセトン、エチルアセチルアセトン、3−メチル−2,4−ペンタンジオン等が挙げられる。
β−ケトエステルとしては、例えばアセト酢酸エステル、α−アルキル置換アセト酢酸エステル、β−ケトペンタン酸エステル、ベンゾイル酢酸エステル、1,3−アセトンジカルボン酸エステル等が挙げられる。
β−ジカルボン酸エステルとしては、例えばマロン酸ジエステル、α−アルキル置換マロン酸ジエステル、α−シクロアルキル置換マロン酸ジエステル、α−アリール置換マロン酸ジエステル等が挙げられる。
π結合を有する炭化水素としては、例えば
エチレン、プロピレン等の鎖状オレフィン;
シクロペンテン、シクロヘキセン、ノルボルネン等の環状オレフィン;
ブタジエン、イソプレン等の鎖状ジエン;
シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、ペンタメチルシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ノルボルナジエン等の環状ジエン;
ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサメチルベンゼン、ナフタレン、インデン等の芳香族炭化水素などが挙げられる。
配位子としては、[A]化合物の安定性の観点から多座配位子が好ましく、ヒドロキシ酸エステル、β−ジケトン、β−ケトエステル、β−ジカルボン酸エステル及びπ結合を有する炭化水素基がより好ましく、乳酸エステル、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル、マロン酸ジエステル及び環状ジエンがさらに好ましい。
kとしては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましい。
Zの加水分解性基としては、アルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基及びブトキシ基がより好ましい。
mとしては2〜4の整数が好ましく、2及び3がより好ましく、2がさらに好ましい。
金属化合物(I)としては、例えばテトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラメトキシチタン、テトラ−i−プロポキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラメトキシジルコニウム等の加水分解性基を4個有する金属化合物;
メチルトリメトキシチタン、メチルトリエトキシチタン、メチルトリ−i−プロポキシチタン、メチルトリブトキシジルコニウム、エチルトリメトキシジルコニウム、エチルトリエトキシジルコニウム、エチルトリ−i−プロポキシジルコニウム、エチルトリブトキシジルコニウム、ブチルトリメトキシチタン、フェニルトリメトキシチタン、ナフチルトリメトキシチタン、フェニルトリエトキシチタン、ナフチルトリエトキシチタン、アミノプロピルトリメトキシチタン、アミノプロピルトリエトキシジルコニウム、2−(3,4―エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシジルコニウム、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシジルコニウム、3−イソシアノプロピルトリメトキシジルコニウム、3−イソシアノプロピルトリエトキシジルコニウム、トリエトキシモノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−プロポキシモノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−i−プロポキシモノ(アセチルアセトナート)チタン、トリエトキシモノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシモノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−i−プロポキシモノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、チタントリブトキシモノステアレート等の加水分解性基を3個有する金属化合物;
ジメチルジメトキシチタン、ジフェニルジメトキシチタン、ジブチルジメトキシジルコニウム、ジ−i−プロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−i−プロポキシビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−ブトキシビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム等の加水分解性基を2個有する金属化合物;
トリメチルメトキシチタン、トリフェニルメトキシチタン、トリブチルメトキシチタン、トリ(3−メタクリロキシプロピル)メトキシジルコニウム、トリ(3−アクリロキシプロピル)メトキシジルコニウム等の加水分解性基を1個有する金属化合物などが挙げられる。
金属化合物(I)としては、加水分解性基を2〜4個有するものが好ましく、テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、チタントリブトキシモノステアレート、ジ−i−プロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−i−プロポキシビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム及びトリエトキシモノ(アセチルアセトナート)ジルコニウムがより好ましい。金属化合物(I)としてこれらの化合物を用いることで、金属原子が−O−で架橋された多核錯体をより容易かつ安定に形成させることができ、その結果、金属含有膜のエッチング耐性をより向上させることができる。
金属化合物(I)等の加水分解縮合反応は、例えば水を含有する溶媒中で行うことができる。この加水分解縮合反応には、金属化合物(I)を1種又は2種以上を用いることができる。この加水分解縮合反応における水の量の下限としては、上記化合物に対して、1倍モルが好ましく、2倍モルがより好ましく、3倍モルがさらに好ましい。上記量の上限としては、20倍モルが好ましく、15倍モルがより好ましく、10倍モルがさらに好ましい。加水分解縮合反応における水の量を上記範囲とすることで、[X]金属含有化合物における加水分解縮合物の割合を高めることができ、その結果、金属含有膜のエッチング耐性をより向上させることができる。また、上記加水分解縮合反応は、加水分解反応及び縮合反応促進の観点から、水に加え、無水マレイン酸等の酸及び/又は酸無水物を添加して行ってもよい。
反応に用いる溶媒(以下、「反応溶媒1」ともいう)としては特に限定されず、後述する[B]溶媒として例示したものと同様の溶媒を用いることができる。これらの中で、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒及び炭化水素系溶媒が好ましく、1価の脂肪族アルコール、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、ヒドロキシ酸エステル、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボン酸エステル、ラクトン、環状エーテル及び芳香族炭化水素がより好ましく、炭素数2以上の1価の脂肪族アルコール、炭素数6以上のアルキレングリコールモノアルキルエーテル、炭素数4以上のヒドロキシ酸エステル、炭素数6以上のアルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボン酸エステル、炭素数4以上のラクトン、炭素数4以上の環状エーテル及び炭素数7以上の芳香族炭化水素がさらに好ましく、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、乳酸エチル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン及びトルエンが特に好ましい。
反応溶媒1は、反応後に除去することなくそのまま[a]錯体の合成の混合溶媒、[b]加水分解物の合成の反応溶媒又は当該半導体デバイス製造用組成物の[B]溶媒とすることもできる。
反応の温度の下限としては、0℃が好ましく、10℃がより好ましい。上記反応の温度の上限としては、150℃が好ましく、120℃がより好ましい。上記反応の時間の下限としては、30分が好ましく、1時間がより好ましく、2時間がより好ましい。上記反応の時間の上限としては、24時間が好ましく、20時間がより好ましく、15時間がさらに好ましい。
また、加水分解縮合反応で得られた反応液に、上述の乳酸エチル等の多座配位子などの配位子を添加して[X]金属含有化合物としてもよい。
([Y]有機化合物)
[Y]有機化合物は、化合物(I)、化合物(II)及び化合物(III)のうちの少なくとも1種であり、かつ合計2〜4個の−OH、−COOH、−NCO、−NR又は−COR−の特定基を有する化合物である。上記R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。上記Rは、炭素数1〜20の2価の有機基である。
[Y]有機化合物は、合計2〜4個の特定基を有しているので、当該半導体デバイス製造用組成物において、[X]金属含有化合物を構成する金属原子を架橋して、多核錯体である[a]錯体又は[b]加水分解縮合物を形成していると考えられる。また、この[a]錯体等を構成していると考えられる[Y]有機化合物は、上記特定のアルカリ液に対する性質を有している。そのため、多層レジストプロセスにおける残存する金属含有膜の除去工程において、この[Y]有機化合物はアルカリ液に対する溶解性が高いものとなっているので、金属含有膜をアルカリ液に可溶なものとすることができると考えられる。その結果、金属含有膜は優れたエッチング耐性を発揮しつつ残存する金属含有膜をアルカリ液で除去することが可能になる。
(化合物(I))
化合物(I)は、アルカリ可溶性を有する化合物である。化合物(I)は、アルカリ可溶部位を有することが好ましい。「アルカリ可溶部位」とは、アルカリ液に対して高い溶解性を示す部位である。
アルカリ可溶部位としては例えば−COOH、フェノール性水酸基、フッ素化アルコール基、スルホ基、スルホンアミド基、スルホンイミド基等を含む部位などが挙げられる。
フェノール性水酸基を含む部位としては、例えばヒドロキシスチリル基、ヒドロキシ−メチルスチリル基、ヒドロキシナフチル基等を含む部位などが挙げられる。
フッ素化アルコール基を含む部位としては、例えば−C(R)(R)OH(R及びRは、それぞれ独立して、フッ素原子又はフッ素化アルキル基である)を含む部位等が挙げられ、このような部位として、例えばヒドロキシジフルオロメチル基、ヒドロキシジ(トリフルオロメチル)メチル基を含む部位などが挙げられる。
スルホンアミド基を含む部位としては、メチルアミノスルホニル基、トリフルオロメチルアミノスルホニル基等を含む部位などが挙げられる。
スルホンイミド基を含む部位としては、メチルスルホニルアミノスルホニル基、トリフルオロメチルスルホニルアミノスルホニル基等を含む部位などが挙げられる。
アルカリ可溶部位としては、アルカリ液に対する溶解性がより高くなる観点から、−COOHを含む部位、フェノール性水酸基を含む部位及びスルホ基を含む部位が好ましく、−COOHを含む部位がより好ましい。
(化合物(II))
化合物(II)は、アルカリ液の作用により分解してアルカリ液に対する溶解度が増大する化合物である。化合物(II)は、アルカリ液の作用により分解してアルカリ液に対する溶解度が増大する部位(以下、「アルカリ分解部位」ともいう)を有することが好ましい。[Y]有機化合物は、アルカリ分解部位を有することで、アルカリ液と接触することによりこの部位が分解してアルカリ可溶部位となり、その結果、アルカリ液に対する溶解性が高まる。
アルカリ分解部位としては、例えば
ラクトン構造を含む部位、ラクタム構造を含む部位等の環構造中に−CO−Y−(Yは、−O−、−S−、−NR’−又は−PR’−である。R’は、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。)を含む部位、スルトン構造を含む部位、環状カーボネート構造を含む部位、酸イミド構造等の環構造を含み、この環構造がアルカリ液の作用により分解して−COOHを生じる部位;
酸無水物構造を有する部位などが挙げられる。
ラクトン構造を含む部位のラクトン構造としては、例えば
ブチロラクトン構造、バレロラクトン構造、カプロラクトン構造等の単環のラクトン構造;
ノルボルナンラクトン構造等の多環のラクトン構造などが挙げられる。
ラクタム構造を含む部位のラクタム構造としては、例えばブチロラクタム構造、バレロラクタム構造、カプロラクタム構造等の単環のラクタム構造;
ノルボルナンラクタム構造等の多環のラクタム構造などが挙げられる。
アルカリ分解部位としては、アルカリ液による分解の容易性が高い観点から、環構造を含み、この環構造がアルカリ液の作用により分解して−COOHを生じる部位が好ましく、環構造中に−CO−Yを含む部位がより好ましく、ラクトン構造を含む部位がさらに好ましく、ブチロラクトン構造が特に好ましい。
(化合物(III))
化合物(III)は、酸の作用により分解してアルカリ液に対する溶解度が増大する化合物である。化合物(III)は、酸の作用により分解してアルカリ液に対する溶解度が増大する部位(以下、「酸分解部位」ともいう)を有することが好ましい。[Y]有機化合物は、酸分解部位を有することで、例えば当該半導体デバイス製造用組成物が酸発生体等を含有する場合、この酸発生体等から発生する酸の作用によりこの分解してアルカリ可溶部位を生じ、その結果、アルカリ液に対する溶解性が高まる。
酸分解部位としては、例えば−COOH、フェノール性水酸基、スルホ基等のアルカリ可溶部位を構成する基の水素原子を、酸の作用により解離する酸解離性基で置換した基を含む部位等が挙げられる。酸分解部位の具体例としては、例えば下記式(3)で表される構造を含む部位等が挙げられる。
Figure 0006439520
上記式(3)中、Aは、−CO−、−SO−又は置換若しくは非置換の炭素数6〜20のアレーンジイル基である。Rは、水素原子、炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基である。R及びRは、それぞれ独立して炭素数1〜20の1価の炭化水素基若しくは炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を表す。
上記式(3)で表される構造を含む部位は、アルカリの作用により−CRが脱離して分解し、−A−OHを生じるので、アルカリ液に対する溶解度が増大する。
Aで表される炭素数6〜20のアレーンジイル基としては、例えばベンゼンジイル基、トルエンジイル基、キシレンジイル基、ナフタレンジイル基等が挙げられる。
アレーンジイル基の置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
、R及びRで表される炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基などの鎖状炭化水素基、
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等のシクロアルキル基;
シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、ノルボルネニル基等のシクロアルケニル基などの脂環式炭化水素基、
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基などの芳香族炭化水素基などが挙げられる。
、R及びRで表される炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基としては、例えば
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基;
エテニルオキシ基、プロペニルオキシ基、ブテニルオキシ基等のアルケニルオキシ基;
エチニルオキシ基、プロピニルオキシ基、ブチニルオキシ基等のアルキニルオキシ基などのオキシ鎖状炭化水素基、
シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、アダマンチルオキシ基等のシクロアルキルオキシ基;
シクロペンテニルオキシ基、シクロヘキセニルオキシ基、ノルボルネニルオキシ基等のシクロアルケニルオキシ基などのオキシ脂環式炭化水素基、
フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、ナフチルオキシ基、アントリルオキシ基等のアリールオキシ基;
ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、ナフチルメトキシ基等のアラルキルオキシ基などのオキシ芳香族炭化水素基などが挙げられる。
、R及びRの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造としては、例えば
シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、ノルボルナン構造、アダマンタン構造等のシクロアルカン構造;
シクロプロペン構造、シクロブテン構造、シクロペンテン構造、シクロヘキセン構造、ノルボルネン構造等のシクロアルケン構造などの脂環構造、
オキサシクロペンタン構造、オキサシクロヘキサン構造、オキサシクロヘプタン構造、オキサノルボルナン構造等のオキサシクロアルカン構造;
オキサシクロペンテン構造、オキサシクロヘキセン構造、オキサシクロヘプテン構造、オキサノルボルネン構造等のオキサシクロアルケン構造などの酸素原子を環構成原子として有する脂肪族複素環構造などが挙げられる。
酸分解部位としては、上記式(3)におけるAが−CO−である基を含む部位が好ましく、t−アルキル基を含む部位及び1−アルキル−1−シクロアルキルカルボニル基を含む部位がより好ましい。
化合物(I)のアルカリ可溶部位、化合物(II)のアルカリ分解部位及び化合物(III)の酸分解部位をまとめて、以下、「特定部位」ともいう。
(特定基)
[Y]有機化合物は、合計2〜4個の−OH、−COOH、−NCO、−NR又は−COR−を有する。R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の有機基である。Rは、炭素数1〜20の2価の有機基である。[Y]有機化合物が上記特定基を上記特定数有することで、[X]金属含有化合物と[Y]有機化合物とから錯体を形成することができる。その結果、当該半導体デバイス製造用組成物から形成される金属含有膜がエッチング耐性を発揮することができる。なお、特定基と上記特定部位とは構造上重複する部分を有していてもよい。
及びRで表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば炭素数1〜20の1価の炭化水素基、この炭化水素基の炭素−炭素間又は結合手側の末端に2価のヘテロ原子含有基を含むヘテロ原子を有する基、上記炭化水素基及び上記ヘテロ原子を有する基の水素原子の一部又は全部を1価のヘテロ原子含有基で置換した基等が挙げられる。
炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば上記R、R及びRの炭化水素基として例示したものと同様の基等が挙げられる。
2価のヘテロ原子含有基としては、例えば−O−、−S−、−NR”−(R”は、水素原子又は炭素数1〜20の有機基である)、−CO−、−CS−、これらを組み合わせた基等が挙げられる。
1価のヘテロ原子含有基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
及びRとしては、水素原子及び炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基及びエチル基がより好ましい。
で表される炭素数1〜20の2価の有機基としては、例えば上記R及びRの1価の有機基として例示したものから1個の水素原子を除いた基等が挙げられる。
としては、炭素数1〜20のアルカンジイル基が好ましく、炭素数1〜5のアルカンジイル基がより好ましく、メタンジイル基及びエタンジイル基がさらに好ましく、エタンジイル基が特に好ましい。
上記特定基としては、−OH、−COOH及び−COR−が好ましく、−OH、−COOH、−COCH−及び−COCHCH−がより好ましい。
[Y]有機化合物としては、例えば下記式(4)で表される化合物(以下、「有機化合物(I)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 0006439520
上記式(4)中、Rは、炭素数1〜20のn価の有機基である。Xは、−OH、−COOH、−NCO、−NR又は−CORC’である。R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。RC’は、炭素数1〜20の1価の有機基である。Xが−CORC’の場合、RC’とRとは互いに結合して環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。nは、2〜4の整数である。複数のXは同一でも異なっていてもよい。但し、式(4)中に少なくとも1つの特定部位を有する。
有機化合物(I)としては、例えば下記式(4−1)〜(4−5)で表される化合物(以下、「有機化合物(I−1)〜(I−5)」ともいう。)等が挙げられる。
Figure 0006439520
上記式(4−1)〜(4−5)中、R、R、R、RC’及びnは、上記式(4)と同義である。但し、式(4−1)〜(4−5)中に少なくとも1つの特定部位を有する。
有機化合物(I−1)としては、例えば
nが2のものとして、カルボキシエチレングリコール、カルボキシジエチレングリコール、カルボキシシクロヘキサンジオール、カルボキシベンゼンジメタノール等の特定部位を有する2価アルコール;カルボキシハイドロキノン、カルボキシビスフェノール等の特定部位を有する2価フェノールなどが挙げられ、
nが3のものとして、カルボキシグリセリン、カルボキシシクロヘキサントリオール等の特定部位を有する3価アルコール;カルボキシピロガロール等の特定部位を有する3価フェノールなどが挙げられ、
nが4のものとして、カルボキシエリスリトール等の特定部位を有する3価アルコール;カルボキシベンゼンテトラオール等の特定部位を有する3価フェノール等などが挙げられる。
有機化合物(I−2)としては、例えば
nが2のものとして、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸等の鎖状飽和ジカルボン酸;マレイン酸、フマル酸等の鎖状不飽和ジカルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、アダマンタンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸などが挙げられ、
nが3のものとして、1,2,3−プロパントリカルボン酸等の鎖状飽和トリカルボン酸;1,2,3−プロペントリカルボン酸等の鎖状不飽和トリカルボン酸;1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸等の脂環式トリカルボン酸;トリメリット酸、2,3,7−ナフタレントリカルボン酸等の芳香族トリカルボン酸などが挙げられ、
nが4のものとして、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸等の鎖状飽和テトラカルボン酸;1,2,3,4−ブタジエンテトラカルボン酸等の鎖状不飽和テトラカルボン酸;1,2,5,6−シクロヘキサンテトラカルボン酸、2,3,5,6−ノルボルナンテトラカルボン酸等の脂環式テトラカルボン酸;ピロメリット酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸等の芳香族テトラカルボン酸などが挙げられる。
有機化合物(I−3)としては、例えば
nが2のものとして、カルボキシエチレンイソシアネート等の特定部位を有するジイソシアネートなどが挙げられ、
nが3のものとして、カルボキシトリメチレントリイソシアネート等の特定部位を有するトリイソシアネートなどが挙げられ、
nが4のものとして、カルボキシテトラメチレンテトライソシアネート等の特定部位を有するテトライソシアネートなどが挙げられる。
有機化合物(I−4)としては、例えば
nが2のものとして、カルボキシエチレンジアミン等の特定部位を有するジアミンなどが挙げられ、
nが3のものとして、カルボキシトリアミノプロパン等の特定部位を有するトリアミンなどが挙げられ、
nが4のものとして、カルボキシテトラアミノブタン等の特定部位を有するテトラアミンなどが挙げられる。
有機化合物(I−5)としては、例えば
nが2のものとして、カルボキシアセチルアセトン等の特定部位を有するジケトンなどが挙げられ、
nが3のものとして、カルボキシアセチルアセチルアセトン等の特定部位を有するトリケトンなどが挙げられ、
nが4のものとして、カルボキシジアセチルアセチルアセトン等の特定部位を有するテトラケトンなどが挙げられる。
有機化合物(I−5)としては、上述の化合物の他にも、例えば1,3−ジカルボニル構造を有する化合物等が挙げられる。有機化合物(I−5)が1,3−ジカルボニル構造を有すると、[Y]有機化合物と[X]金属含有化合物との配位等の相互作用がより高まり、その結果、当該半導体デバイス製造用組成物から形成される金属含有膜のアルカリ液への溶解性がより向上する。
1,3−ジカルボニル構造を有する化合物としては、例えば下記式(1)で表される化合物(以下、「有機化合物(I−5−1)」ともいう)等が挙げられる。有機化合物(I−5−1)は、アルカリ分解部位として、−COY−を含む環構造を有する。この環構造がアルカリ液の作用により分解して−COOHが生じる。
Figure 0006439520
上記式(1)中、Yは、−O−、−S−、−NR’−又は−PR’−である。R’は、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。Rは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。Rは、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。Rは、炭素数1〜20の1価の有機基である。
有機化合物(I−5−1)は、アルカリ分解部位として、−COY−を含む環構造を有する。この環構造がアルカリ液の作用により分解して−COOHが生じる。
で表される炭素数1〜20の2価の有機基としては、例えば上記Rの2価の有機基として例示したものと同様の基等が挙げられる。R及びRで表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば上記R及びRの1価の有機基として例示したものと同様の基等が挙げられる。
Yとしては、−O−及び−NR’−が好ましく、−O−がより好ましい。
としては、2価の鎖状炭化水素基及び2価のカルボニル鎖状炭化水素基が好ましく、アルカンジイル基及びカルボニルアルカンジイル基がより好ましく、メタンジイル基、エタンジイル基、プロパンジイル基及びカルボニルメタンジイル基がさらに好ましく、エタンジイル基が特に好ましい。上記Rとしては、水素原子が好ましい。上記Rとしては、1価の炭化水素基が好ましく、アルキル基がより好ましく、炭素数1〜3のアルカンジイル基がさらに好ましく、メチル基が特に好ましい。
有機化合物(I−5−1)としては、例えば下記式(i−1)〜(i−16)で表される化合物(以下、「有機化合物(i−1)〜(i−16)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 0006439520
有機化合物(I−5’)としては、有機化合物(i−1)〜(i−7)及び(i−11)〜(i−13)が好ましく、有機化合物(i−1)、(i−2)、(i−4)、(i−7)、(i−11)、(i−12)及び(i−13)がより好ましく、有機化合物(i−1)がさらに好ましい。
[a]錯体を合成するための[X]金属含有化合物と[Y]有機化合物との混合は、例えば溶媒(以下、「混合溶媒」ともいう)中で行うことができる。混合する[X]金属含有化合物及び[Y]有機化合物は、それぞれ1種又は2種以上を用いることができる。
混合溶媒としては、特に限定されず、後述する[B]溶媒として例示したものと同様の溶媒を用いることができる。これらの中で、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒及び炭化水素系溶媒が好ましく、1価の脂肪族アルコール、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、ヒドロキシ酸エステル、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボン酸エステル、ラクトン、環状エーテル及び芳香族炭化水素がより好ましく、炭素数2以上の1価の脂肪族アルコール、炭素数6以上のアルキレングリコールモノアルキルエーテル、炭素数4以上のヒドロキシ酸エステル、炭素数6以上のアルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボン酸エステル、炭素数4以上のラクトン、炭素数4以上の環状エーテル及び炭素数7以上の芳香族炭化水素がさらに好ましく、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、乳酸エチル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン及びトルエンが特に好ましい。
混合溶媒は、混合後に除去することなくそのまま当該半導体プロセス製造用組成物の[B]溶媒とすることもできる。
混合における温度の下限としては、0℃が好ましく、10℃がより好ましい。上記温度の上限としては、100℃が好ましく、70℃がより好ましい。混合における時間の下限としては、1分が好ましく、10分がより好ましく、1時間がより好ましい。上記時間の上限としては、8時間が好ましく、5時間がより好ましく、3時間がさらに好ましい。
また、上記混合で得られた混合液に、上述の乳酸エチル等の多座配位子などの配位子を添加して[a]錯体としてもよい。
[b]加水分解物を合成するための[a]錯体の加水分解縮合は、例えば水を含有する溶媒中で行うことができる。この加水分解縮合反応における水の量の下限としては、上記化合物に対して、1倍モルが好ましく、2倍モルがより好ましく、3倍モルがさらに好ましい。上記量の上限としては、20倍モルが好ましく、15倍モルがより好ましく、10倍モルがさらに好ましい。加水分解縮合反応における水の量を上記範囲とすることで、[b]加水分解縮合物における加水分解縮合物の割合を高めることができ、その結果、金属含有膜のエッチング耐性をより向上させることができる。また、上記加水分解縮合反応は、加水分解反応及び縮合反応促進の観点から、水に加え、無水マレイン酸等の酸及び/又は酸無水物を添加して行ってもよい。
加水分解縮合反応に用いる溶媒(以下、「反応溶媒2」ともいう)としては特に限定されず、後述する[B]溶媒として例示したものと同様の溶媒を用いることができる。これらの中で、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒及び炭化水素系溶媒が好ましく、1価の脂肪族アルコール、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、ヒドロキシ酸エステル、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボン酸エステル、ラクトン、環状エーテル及び芳香族炭化水素がより好ましく、炭素数2以上の1価の脂肪族アルコール、炭素数6以上のアルキレングリコールモノアルキルエーテル、炭素数4以上のヒドロキシ酸エステル、炭素数6以上のアルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボン酸エステル、炭素数4以上のラクトン、炭素数4以上の環状エーテル及び炭素数7以上の芳香族炭化水素がさらに好ましく、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、乳酸エチル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン及びトルエンが特に好ましい。
反応溶媒2は、反応後に除去することなくそのまま当該半導体デバイス製造用組成物の[B]溶媒とすることもできる。
反応の温度の下限としては、0℃が好ましく、10℃がより好ましい。上記温度の上限としては、150℃が好ましく、120℃がより好ましい。反応の時間の下限としては、30分が好ましく、1時間がより好ましく、2時間がより好ましい。上記時間の上限としては、24時間が好ましく、20時間がより好ましく、15時間がさらに好ましい。
また、加水分解縮合反応で得られた反応液に、上述の乳酸エチル等の多座配位子などの配位子を添加して[b]加水分解縮合物としてもよい。
得られた[a]錯体と[b]加水分解縮合物とを混合して[A]化合物としてもよい。混合する[a]錯体及び[b]加水分解縮合物は、それぞれ1種又は2種以上を用いることができる。
[A]化合物のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)の下限としては、1,000が好ましく、2,000がより好ましく、3,000がさらに好ましく、5,000が特に好ましい。上記Mwの上限としては、50,000が好ましく、30,000がより好ましく、20,000がさらに好ましく、15,000が特に好ましい。
[A]化合物のGPCにより測定される数平均分子量(Mn)に対するMwの比の下限としては、通常1であり、1.1が好ましい。上記比の上限としては、通常5であり、3が好ましく、2がより好ましく、1.8がさらに好ましい。
[A]化合物の含有量の下限としては、当該半導体デバイス製造用組成物中の全固形分に対して、70質量%が好ましく、80質量%がより好ましく、85質量%がさらに好ましい。当該半導体デバイス製造用組成物は、[A]化合物を1種又は2種以上含有していてもよい。
<[B]溶媒>
当該半導体デバイス製造用組成物は、通常[B]溶媒を含有する。[B]溶媒は、少なくとも[A]化合物及び所望により含有される[C]架橋促進剤及びその他の任意成分等を溶解又は分散させることができるものであれば特に限定されない。
[B]溶媒としては、例えばアルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒等が挙げられる。
アルコール系溶媒としては、例えば
4−メチル−2−ペンタノール、n−ヘキサノール等の炭素数1〜18の脂肪族モノアルコール系溶媒;
シクロヘキサノール等の炭素数3〜18の脂環式モノアルコール系溶媒;
1,2−プロピレングリコール等の炭素数2〜18の多価アルコール系溶媒;
プロピレングリコールモノメチルエーテル等の炭素数3〜19の多価アルコール部分エーテル系溶媒などが挙げられる。
エーテル系溶媒としては、例えば
ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル等のジアルキルエーテル系溶媒;
テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル系溶媒;
ジフェニルエーテル、アニソール等の芳香環含有エーテル系溶媒などが挙げられる。
ケトン系溶媒としては、例えば
アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、2−ヘプタノン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン等の鎖状ケトン系溶媒;
シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン等の環状ケトン系溶媒;
2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン等が挙げられる。
アミド系溶媒としては、例えば
N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドン等の環状アミド系溶媒;
N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド等の鎖状アミド系溶媒などが挙げられる。
エステル系溶媒としては、例えば
酢酸n−ブチル、乳酸エチル等のモノカルボン酸エステル系溶媒;
プロピレングリコールアセテート等の多価アルコールカルボキシレート系溶媒;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒;
シュウ酸ジエチル等の多価カルボン酸ジエステル系溶媒;
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート系溶媒などが挙げられる。
炭化水素系溶媒としては、例えば
n−ペンタン、n−ヘキサン等の炭素数5〜12の脂肪族炭化水素系溶媒;
トルエン、キシレン等の炭素数6〜16の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。
これらの中で、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒及びエステル系が好ましく、多価アルコール部分エーテル系溶媒、環状ケトン系溶媒及びモノカルボン酸エステル系溶媒がより好ましく、多価アルコール部分アルキルエーテル、シクロアルカノン及びヒドロキシカルボン酸がさらに好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノン及び乳酸エステルが特に好ましい。当該半導体デバイス製造用組成物は、[B]溶媒を1種又は2種以上含有していてもよい。
[B]溶媒の含有量の下限としては、[A]化合物100質量部に対して、100質量部が好ましく、500質量部がより好ましく、1,000質量部がさらに好ましく、2,000質量部が特に好ましい。上記含有量の上限としては、1,000,000質量部が好ましく、100,000質量部がより好ましく、20,000質量部がさらに好ましく、10,000質量部が特に好ましい。
<[C]架橋促進剤>
[C]架橋促進剤は光又は熱によって酸又は塩基を発生する化合物である。当該半導体デバイス製造用組成物は、[C]架橋促進剤を含有することで、有機溶媒耐性及びエッチング耐性をより向上させることができる。[C]架橋促進剤としては、例えばスルホニウム塩、ヨードニウム塩等のオニウム塩化合物、N−スルホニルオキシイミド化合物等が挙げられる。[C]架橋促進剤としては、熱によって酸又は塩基を発生する熱架橋促進剤が好ましく、オニウム塩化合物がより好ましく、ヨードニウム塩及びアンモニウム塩がさらに好ましい。当該半導体デバイス製造用組成物は、[C]架橋促進剤を1種又は2種以上含有していてもよい。
当該半導体デバイス製造用組成物が[C]架橋促進剤を含有する場合、[C]架橋促進剤の含有量の下限としては、[A]化合物100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、1質量部がより好ましい。上記含有量の上限としては、10質量部が好ましく、5質量部がより好ましい。[C]架橋促進剤の含有量を上記範囲とすることで、当該半導体デバイス製造用組成物は、有機溶媒耐性及びエッチング耐性をさらに向上させることができる。
<その他の任意成分>
当該半導体デバイス製造用組成物は、上記[A]〜[C]成分以外にもその他の任意成分を含有することができる。その他の任意成分としては、例えば界面活性剤等が挙げられる。当該半導体デバイス製造用組成物は、その他の任意成分を1種又は2種以上含有していてもよい。
[界面活性剤]
界面活性剤は塗布性、ストリエーション等を改良する作用を示す成分である。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤などが挙げられる。界面活性剤の市販品としては、KP341(信越化学工業社)、ポリフローNo.75、同No.95(以上、共栄社化学社)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(以上、トーケムプロダクツ社)、メガファックF171、同F173(以上、DIC社)、フロラードFC430、同FC431(以上、住友スリーエム社)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(以上、旭硝子社)等が挙げられる。
界面活性剤の含有量の下限としては、[A]化合物100質量部に対して、0.01質量部が好ましく、0.1質量部がより好ましく、0.2質量部がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、5質量部が好ましく、2質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましい。
<半導体デバイス製造用組成物の調製方法>
当該半導体デバイス製造用組成物は、例えば[A]化合物及び[B]溶媒、並びに必要に応じて[C]架橋促進剤等の任意成分を所定の割合で混合し、好ましくは得られた混合物を孔径0.2μm程度のフィルターでろ過することにより調製することができる。
当該半導体デバイス製造用組成物の固形分濃度の下限としては、0.1質量%が好ましく、0.2質量%がより好ましく、0.5質量%がさらに好ましく、1質量%が特に好ましい。上記固形分濃度の上限としては、50質量%が好ましく、30質量%がより好ましく、10質量%がさらに好ましく、5質量%が特に好ましい。固形分濃度を上記範囲とすることで、当該半導体デバイス製造用組成物の塗布性をより向上させることができる。「固形分濃度」とは、当該半導体デバイス製造用組成物における[B]溶媒以外の成分の合計質量割合をいう。
<加工基板の製造方法>
当該加工基板の製造方法は、基板の一方の面側に金属含有膜を形成する工程(以下、「金属含有膜形成工程」ともいう)、上記金属含有膜の基板と反対の面側にレジストパターンを形成する工程(以下、「レジストパターン形成工程」ともいう)、上記レジストパターンをマスクとした1又は複数回のドライエッチングにより基板パターンを形成する工程(以下、「基板パターン形成工程」ともいう)、及び残存する上記金属含有膜をアルカリ液を用いて除去する工程(以下、「除去工程」ともいう)を備える。当該加工基板の製造方法は、上記金属含有膜を当該半導体デバイス製造用組成物により形成する。
当該加工基板の製造方法は、上記金属含有膜形成工程後に、上記金属含有膜の基板と反対の面側に反射防止膜を形成する工程(以下、「反射防止膜形成工程」ともいう)及び上記金属含有膜形成工程前に、基板の一方の面側にレジスト下層膜を形成する工程(以下、「レジスト下層膜形成工程」ともいう)をさらに備えていてもよい。
当該加工基板の製造方法によれば、上述の当該半導体デバイス製造用組成物を用いているので、優れたエッチング耐性を発揮する金属含有膜を形成することができ、かつ基板パターン形成工程後に残存する金属含有膜をアルカリ液により除去することが可能となる。その結果、良好な品質の基板パターンを得ることができる。以下、各工程について説明する。
[レジスト下層膜形成工程]
本工程では、レジスト下層膜形成組成物を用い基板上に、当該半導体デバイス製造用組成物から形成される金属含有膜とは異なるレジスト下層膜を形成する。上記レジスト下層膜は、有機膜であっても無機膜であってもよい。上記レジスト下層膜形成組成物としては、従来公知のものを使用できるが、例えばJSR社の「NFC HM8005」等が挙げられる。上記レジスト下層膜は、基板上にレジスト下層膜形成組成物を塗布することにより塗膜を形成し、この塗膜を加熱処理、又は紫外光の照射及び加熱処理を行うことにより硬化させることで形成できる。レジスト下層膜形成組成物を塗布する方法としては、例えばスピンコート法、ロールコート法、ディップ法等が挙げられる。
上記加熱処理の温度の下限としては、150℃が好ましく、180℃がより好ましい。上記温度の上限としては、500℃が好ましく、350℃がより好ましい。上記加熱処理の時間の下限としては、30秒が好ましく、45秒がより好ましい。上記時間の上限としては、1,200秒が好ましく、600秒がより好ましい。上記紫外光の照射の条件は、レジスト下層膜形成組成物の組成等に応じて適宜選択される。形成されるレジスト下層膜の平均膜厚としては、50nm以上が好ましく、500nm以下が好ましい。
さらに、上記レジスト下層膜とは異なる他の下層膜を上記基板表面に形成してもよい。この他の下層膜は、反射防止機能、塗布膜平坦性、CF等のフッ素系ガスに対する高エッチング耐性等が付与された膜である。
[金属含有膜形成工程]
本工程では、基板の一方の面側に金属含有膜を形成する。この金属含有膜を当該半導体デバイス製造用組成物により形成する。レジスト下層膜形成工程を備えない場合、金属含有膜は基板上に形成され、レジスト下層膜形成工程を備える場合、金属含有膜はレジスト下層膜上に形成される。基板としては、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、ポリシロキサン等の絶縁膜、並びに市販品であるAMAT社の「ブラックダイヤモンド」、ダウケミカル社の「シルク」、JSR社の「LKD5109」等の低誘電体絶縁膜で被覆したウェハ等が挙げられる。また、この基板としては、配線講(トレンチ)、プラグ溝(ビア)等のパターン化された基板を用いてもよい。金属含有膜は、当該半導体デバイス製造用組成物を基板の表面に塗布することにより塗膜を形成し、この塗膜を加熱処理、又は紫外光の照射及び加熱処理を行うことにより硬化させることで形成できる。当該半導体デバイス製造用組成物を塗布する方法としては、例えばスピンコート法、ロールコート法、ディップ法等が挙げられる。
加熱処理の温度の下限としては、150℃が好ましく、180℃がより好ましい。上記温度の上限としては、500℃が好ましく、350℃がより好ましい。上記加熱処理の時間の下限としては、30秒が好ましく、45秒がより好ましい。上記時間の上限としては、1,200秒が好ましく、600秒がより好ましい。上記紫外光の照射の条件は、当該半導体デバイス製造用組成物の組成等に応じて適宜選択される。形成される金属含有膜の平均膜厚の下限としては、1nmが好ましく、5nmがより好ましく、10nmがさらに好ましく、20nmが特に好ましい。上記平均膜厚の上限としては、1,000nmが好ましく、100nmがより好ましく、70nmがさらに好ましく、50nmが特に好ましい。
[レジストパターン形成工程]
本工程では、金属含有膜形成工程で形成した金属含有膜の基板と反対の面側にレジストパターンを形成する。このレジストパターンを形成する方法としては、例えばレジスト組成物を用いる方法等が挙げられる。このレジスト組成物を用いる方法では、レジストパターン形成工程は、レジスト組成物で上記金属含有膜の上面側にレジスト膜を形成する工程(以下、「レジスト膜形成工程」ともいう)、上記レジスト膜を露光する工程(以下、「露光工程」ともいう)、及び上記露光されたレジスト膜を現像する工程(以下、「現像工程」ともいう)を備える。
以下、各工程について説明する。
(レジスト膜形成工程)
本工程では、レジスト組成物を上記金属含有膜の上面側に塗布することで塗膜を形成し、この塗膜をプレベーク(PB)等することにより、塗膜中の溶媒を揮発させレジスト膜を形成する。上記レジスト組成物としては、例えば酸解離性基を有する重合体と感放射線性酸発生剤とを含有する化学増幅型レジスト組成物、アルカリ可溶性樹脂とキノンジアジド系感光剤とを含有するポジ型レジスト組成物、アルカリ可溶性樹脂と架橋剤とを含有するネガ型レジスト組成物等が挙げられる。このようなレジスト組成物として、市販品のレジスト組成物を使用することもできる。
レジスト組成物の塗布方法としては、例えばスピンコート法等が挙げられる。なお、レジスト組成物を塗布する際、得られるレジスト膜が所望の膜厚となるように塗布するレジスト組成物の量を調整する。
PBの温度の下限としては、使用するレジスト組成物の種類等に応じ適宜調整されるが、30℃が好ましく、50℃がより好ましい。上記温度の上限としては、200℃がが好ましく、150℃がより好ましい。PBの時間の下限としては、30秒が好ましく、45秒がより好ましい。上記時間の上限としては、200秒が好ましく、120秒がより好ましい。形成されるレジスト膜の平均膜厚の下限としては、1nmが好ましく、10nmがより好ましい。上記平均膜厚の上限としては、500nmが好ましく、300nmがより好ましい。なお、このレジスト膜の表面にさらに他の膜を設けてもよい。
(露光工程)
本工程では、上記形成されたレジスト膜を露光する。この露光は、通常フォトマスクを介してレジスト膜に選択的に放射線を照射することにより行う。露光に用いる放射線としては、レジスト組成物に使用されている酸発生剤の種類に応じて、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、極端紫外線(EUV)、X線、γ線等の電磁波;電子線、分子線、イオンビーム等の粒子線などから適切に選択されるが、遠紫外線、EUV及び電子線が好ましく、KrFエキシマレーザー光(248nm)、ArFエキシマレーザー光(193nm)、EUV及び電子線がより好ましい。また、液浸露光法も採用することができる。この場合、レジスト膜上に液浸上層膜形成組成物を用いて液浸上層膜を形成してもよい。
露光後に、レジスト膜の解像度、パターンプロファイル、現像性等を向上させるため、ポストベークを行うことが好ましい。このポストベークの温度の下限としては、使用されるレジスト組成物の種類等に応じて適宜調整されるが、50℃が好ましく、70℃がより好ましい。上記温度の下限としては、180℃が好ましく、150℃以下がより好ましい。ポストベークの時間の下限としては、30秒が好ましく、45秒がより好ましい。上記時間の上限としては、200秒が好ましい、120秒がより好ましい。
(現像工程)
本工程では、上記露光されたレジスト膜を現像する。現像に用いる現像液としては、使用されるレジスト組成物の種類に応じて適宜選択することができる。上記化学増幅型レジスト組成物及びポジ型レジスト組成物の場合、上記現像液としてアルカリ性水溶液を用いることができる。このようにアルカリ性水溶液を用いることで、ポジ型のレジストパターンを形成できる。
アルカリ性水溶液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性水溶液が挙げられる。これらの中で、TMAH水溶液が好ましく、2.38質量%TMAH水溶液がより好ましい。これらのアルカリ性水溶液は、水溶性有機溶媒、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類や、界面活性剤を適量添加したものであってもよい。
また、上記化学増幅型レジスト組成物の場合、上記現像液として有機溶媒を用いることもできる。このように有機溶媒を用いることでネガ型のレジストパターンを形成できる。有機溶媒としては、例えば当該半導体デバイス製造用組成物の[B]溶媒として例示した溶媒と同様のもの等が挙げられる。これらの中で、エステル系溶媒が好ましく、酢酸ブチルがより好ましい。
上記レジストパターンは、ナノインプリントリソグラフィー法を用いる方法、自己組織化組成物を用いる方法等により形成することもできる。
ナノインプリントリソグラフィー法を用いる方法により上記レジストパターンを形成する場合、上記レジストパターン形成方法は、ナノインプリント用感放射線性組成物を用いて上記金属含有膜上にパターン形成層を形成する工程、表面に反転パターンを有するモールドの表面を疎水化処理する工程、疎水化処理した上記モールドの表面をパターン形成層に圧接する工程、上記モールドを圧接した状態でパターン形成層を露光する工程、及び露光されたパターン形成層から上記モールドを剥離する工程を備える。
自己組織化組成物を用いる方法により上記レジストパターンを形成する場合、上記レジストパターン形成方法は、自己組織化組成物を上記金属含有膜上に塗布しアニーリング等を行うことにより自己組織化膜を形成する工程、及びこの自己組織化膜の一部の相を除去する工程を備える。ここで、自己組織化組成物とは、自己組織化により相分離構造を形成する組成物であり、例えばブロック共重合体を含有する組成物等が挙げられる。
[基板パターン形成工程]
本工程では、レジストパターン形成工程で形成したレジストパターンをマスクとした1又は複数回のドライエッチングにより基板パターンを形成する。当該加工基板の製造方法における基板パターン形成工程においては、通常複数回のドライエッチングを行う。すなわち、レジストパターンをマスクとした1又は複数回のドライエッチングによる転写を行うことによって金属含有膜パターンを形成し、次に、この金属含有膜パターンをマスクとした1又は複数回のドライエッチングによる転写を行うことによって最終的に基板パターンを形成する。上記レジスト下層膜を形成していない場合、レジストパターンをマスクとして、例えば金属含有膜及び基板を順次ドライエッチングすることにより基板パターンを得る。上記レジスト下層膜を形成している場合は、レジストパターンをマスクとして金属含有膜、レジスト下層膜及び基板を順次ドライエッチングして基板パターンを形成する。マスクとして用いた金属含有膜パターンは、この基板パターン形成工程後に基板、レジスト下層膜等の上に残存する。
ドライエッチングは、公知のドライエッチング装置を用いて行うことができる。また、ドライエッチング時のソースガスとしては、被エッチング物の元素組成にもよるが、O、CO、CO等の酸素原子を含むガス、He、N、Ar等の不活性ガス、Cl、BCl等の塩素系ガス、CHF、CF等のフッ素系ガス、H、NHのガス等を使用することができる。なお、これらのガスは混合して用いることもできる。
[除去工程]
本工程では、残存する金属含有膜をアルカリ液を用いて除去する。当該加工基板の製造方法によれば、金属含有膜を上述の当該半導体デバイス製造用組成物により形成しているので、基板パターン形成工程後に残存して金属含有膜をアルカリ液を用いて除去することができる。その結果、フッ酸等による金属含有膜の通常の除去方法のように、基板パターンが除去液により悪影響を受けることが少なく、品質の良い基板パターンを得ることができる。
除去に用いるアルカリ液としては、例えばレジストパターン形成工程の現像液として例示したアルカリ水溶液と同様のもの等が挙げられる。これらの中で、TMAH水溶液が好ましく、2.38質量%TMAH水溶液がより好ましい。
金属含有膜を除去する方法としては、例えば金属含有膜が残存する加工基板をアルカリ液に浸漬する方法等が挙げられる。浸漬の時間の下限としては、10秒が好ましく、30秒がより好ましく、45秒がさらに好ましい。上記時間の上限としては、600秒が好ましく、300秒がより好ましく、120秒がさらに好ましい。
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定的に解釈されるものではない。
<半導体デバイス製造用組成物の調製>
[実施例1]
n−ブタノール100gとハフニウムテトラ−n−ブトキシド18gとの混合液中にイオン交換水0.3gをゆっくりと滴下し、室温で120分攪拌した後、さらにα−アセチル−γ−ブチロラクトン3.5gを加え、65℃に加温して180分攪拌した。この混合液を減圧で濃縮し、ハフニウム含有化合物(A1−1)のn−ブタノール溶液を得た。この溶液を0.1μmのPTFEフィルターで濾過することで、半導体デバイス製造用組成物(J−1)を得た。
[実施例2]
エタノール100gとジルコニウムトリブトキシモノエチルアセトアセテート13gとα−アセチル−δ−バレロラクトン5.1gとの混合液中にイオン交換水1.1gをゆっくりと滴下し、室温で60分攪拌した後、さらに50℃に加温して120分攪拌した。この混合液にプロピレングリコールモノエチルエーテル100gを加えた後に減圧で濃縮して、ジルコニウム含有化合物(A1−2)のプロピレングリコールモノエチルエーテル溶液を得た。この溶液を0.1μmのPTFEフィルターで濾過することで、半導体デバイス製造用組成物(J−2)を得た。
[実施例3]
ジルコニウムトリブトキシモノアセチルアセトナート30gに3−ベンゾイル−1−メチル−2−ピロリジノン9.4gを添加し、60℃で2時間撹拌混合した。この混合物10gを、プロピレングリコールモノエチルエーテル40g、酢酸ブチル10g、アセト酢酸エチル20g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート20gの混合液に加えて希釈し、ジルコニウム含有化合物(A1−3)の溶液を得た。この溶液を0.1μmのPTFEフィルターで濾過することで、半導体デバイス製造用組成物(J−3)を得た。
[実施例4]
タンタルペンタエトキサイド15gを乾燥窒素雰囲気下にてテトラヒドロフラン88.5g中に溶解し、ジエチレングリコール9gを加えて12時間室温にて撹拌した。この混合液にα−アセチル−γ−ブチロラクトン1.5gを加え、さらに45℃で2時間撹拌混合した。得られたタンタル含有ポリマー溶液に、プロピレングリコールモノメチルエーテル50gを加えた後、減圧濃縮することで、タンタル含有化合物(A1−4)のプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液を得た。この溶液を0.1μmのPTFEフィルターで濾過することで、半導体デバイス製造用組成物(J−4)を得た。
[実施例5]
tert−ブタノール45gとチタニウムトリブトキシモノステアレート5gとを混合し、この混合液をtert−ブタノール47.8gと水0.8gと3−アセチルテトラヒドロチオピラン−2−オン1.4gとの混合液中にゆっくりと滴下した。得られた溶液を70℃で150分間撹拌した後、減圧濃縮を行わずに室温まで冷却し、界面活性剤(日信化学社の「サーフィノール104H」)0.3gを添加して、チタン含有化合物(A1−5)のtert−ブタノール溶液を得た。この溶液を0.1μmのPTFEフィルターで濾過することで、半導体デバイス製造用組成物(J−5)を得た。
[実施例6]
イソプロパノール88gとチタンテトライソプロポキシド11gとの混合液中にα−アセチル−α−メチル−γ−ブチロラクトン11gをゆっくりと滴下した。得られた混合溶液中に、さらに水6.3gをゆっくりと滴下し、75℃で3時間撹拌した。この混合溶液にプロピレングリコールモノプロピルエーテル100gを加えた後に減圧濃縮し、チタン含有化合物(A1−6)のプロピレングリコールモノプロピルエーテル溶液を得た。この溶液を0.1μmのPTFEフィルターで濾過することで、半導体デバイス製造用組成物(J−6)を得た。
[実施例7]
プロピレングリコールモノエチルエーテル75.5g中に、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド12.5gを加え、さらに水1.2gを加えて常温で14時間撹拌を行った。この溶液を減圧濃縮し、さらに2−アセチルテトロン酸3.5gを加えることで、ジルコニウム化合物(A1−7)のプロピレングリコールモノエチルエーテル溶液を得た。この溶液を0.1μmのPTFEフィルターで濾過することで、半導体デバイス製造用組成物(J−7)を得た。
[比較例1]
実施例1において、α−アセチル−γ−ブチロラクトンの代わりに、アセチルアセトンを用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、ハフニウム含有化合物(A2−1)を含有する半導体デバイス製造用組成物(CJ−1)を得た。
[比較例2]
実施例4において、α−アセチル−γ−ブチロラクトンを加えなかった以外は、実施例4と同様の操作を行い、タンタル含有化合物(A2−2)を含有する半導体デバイス製造用組成物(CJ−2)を得た。
[比較例3]
実施例6において、α−アセチル−α−メチル−γ−ブチロラクトンの代わりに、アセト酢酸エチルを用いた以外は実施例6と同様の操作を行い、チタン含有化合物(A2−3)を含有する半導体デバイス製造用組成物(CJ−3)を得た。
<金属含有膜の形成>
塗布・現像装置(東京エレクトロン社の「Clean Track Act8」)を使用して、シリコンウェハ上に各半導体デバイス製造用組成物を回転塗布し、150℃、200℃及び250℃の各温度でそれぞれ1分間焼成した。塗布の際には焼成後の膜厚が50nmとなるよう回転数を適宜調整した。このようにして、金属含有膜が形成された基板を得た。
<評価>
上記形成した金属含有膜について、下記方法に従い、アルカリ現像液による剥離性、SC−1剥離液による剥離性及び有機溶媒に対する耐性の評価を行った。評価結果を下記表1〜3に示す。
[アルカリ現像液による剥離性の評価]
上記金属含有膜が形成された基板を、アルカリ現像液(JSR社の「PD523」、2.38%TMAH水溶液)に室温にて5分間浸漬し、その後十分量の超純水にて洗浄、乾燥することで金属含有膜の剥離を行った。剥離後の金属含有膜の膜厚を分光エリプソメーターM2000−D(J.A.Woollam社製)を用いて測定し、残膜が3nm未満である場合は「○」(良好)と、3nm以上45nm未満である場合は「△」(やや良好)と、45nm以上である場合は「×」(不良)と評価した。この結果を表1に示す。各実施例で形成した金属含有膜は比較例のものと比べて、アルカリ現像液により常温でも良好な剥離性を示すことが分かる。
[SC−1剥離液による剥離性の評価]
28%アンモニア水溶液と30%過酸化水素水と超純水を混合比1:2:10で混合し、SC−1剥離液を調製した。このSC−1剥離液を用いて、上記金属含有膜が形成された基板を室温にて3分間浸漬し、その後十分量の超純水にて洗浄、乾燥することで金属含有膜の剥離を行った。剥離後の金属含有膜の膜厚を分光エリプソメーターM2000−D(J.A.Woollam社製)を用いて測定し、残膜が3nm未満である場合は「○」(良好)と、3nm以上45nm未満である場合は「△」(やや良好)と、45nm以上である場合は「×」(不良)と評価した。この結果を表2に示す。各実施例で形成した金属含有膜は比較例のものと比べて、SC−1剥離液により常温でも良好な剥離性を示すことが分かる。
[有機溶媒に対する耐性の評価]
上記金属含有膜が形成された基板を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに室温にて5分間浸漬した。浸漬後の金属含有膜の膜厚を分光エリプソメーターM2000−D(J.A.Woollam社製)を用いて測定し、浸漬前と比べて膜厚の変化が1nm未満であった場合は「○」(良好)と、1nm以上3nm未満であった場合は「△」(やや良好)と、3nm以上であった場合は「×」(不良)と評価した。各実施例で形成された金属含有膜は、比較例のものと比べて十分に有機溶媒に対する耐性を持つことが分かる。
Figure 0006439520
Figure 0006439520
Figure 0006439520
本発明の半導体デバイス製造用組成物及び加工基板の製造方法によれば、上記特定の化合物から選ばれる有機化合物を用いて形成される錯体を使用することにより、優れたエッチング耐性を発揮しつつ、アルカリ液を用いて金属含有膜を除去することが可能となる。従って、これらは今後ますます微細化が進むと想定される半導体デバイス製造におけるパターン形成に好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 加水分解性基を有する金属化合物、上記金属化合物の加水分解縮合物若しくはこれらの組み合わせを含む金属含有化合物と、少なくとも1種の有機化合物とを混合して得られる錯体又はこの錯体を加水分解縮合して得られたものを含有し、
    上記有機化合物がアルカリ液の作用により分解してアルカリ液に対する溶解度が増大する化合物であり、かつ上記有機化合物が合計2〜4個の−OH、−COOH、−NCO、−NR又は−COR−を有し、
    上記R及びRがそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基、上記Rが炭素数1〜20の2価の有機基であり、
    上記有機化合物が1,3−ジカルボニル構造を有する化合物を含み、
    上記1,3−ジカルボニル構造を有する化合物が下記式(1)で表される半導体デバイス製造用組成物。
    Figure 0006439520
    (式(1)中、Yは、−O−、−S−、−NR’−又は−PR’−である。R’は、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。Rは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。Rは、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。Rは、炭素数1〜20の1価の有機基である。)
  2. 上記金属含有化合物が、第3族、第4族、第5族、第6族、第7族、第8族、第9族、第10族、第11族、第12族若しくは第13族の金属原子又はこれらの組み合わせを含む請求項1に記載の半導体デバイス製造用組成物。
  3. 上記金属原子が、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、ハフニウム、タンタル、コバルト又はこれらの組み合わせである請求項に記載の半導体デバイス製造用組成物。
  4. 上記金属化合物が、下記式(2)で表される請求項1から請求項のいずれか1項に記載の半導体デバイス製造用組成物。
    Figure 0006439520
    (式(2)中、Mは、第3族、第4族、第5族、第6族、第7族、第8族、第9族、第10族、第11族、第12族又は第13族の金属原子である。Lは、配位子である。kは、0〜3の整数である。kが2以上の場合、複数のLは同一でも異なっていてもよい。Zは、加水分解性基である。mは、2〜6の整数である。複数のZは同一でも異なっていてもよい。但し、k×2+mは6以下である。)
  5. 基板の一方の面側に金属含有膜を形成する工程、
    上記金属含有膜の基板と反対の面側にレジストパターンを形成する工程、
    上記レジストパターンをマスクとした1又は複数回のドライエッチングにより基板パターンを形成する工程、及び
    残存する上記金属含有膜をアルカリ液を用いて除去する工程
    を備え、
    上記金属含有膜を、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の半導体デバイス製造用組成物により形成する加工基板の製造方法。
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