JP6371467B2 - X線ct装置、再構成演算装置およびx線ct画像生成方法 - Google Patents

X線ct装置、再構成演算装置およびx線ct画像生成方法 Download PDF

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Description

本発明は、X線CT装置におけるアーチファクト低減技術に関し、特に、金属を含む被検体を撮影した場合における金属アーチファクト低減技術による画質劣化を生じない再構成演算装置およびそれを搭載したX線CT装置、X線CT画像生成方法に関する。
X線CT装置では、被検体を透過し、透過した被検体内の物質(組織)のX線減弱係数に応じて減衰したX線をX線検出器で受光し、得られた電気信号に対して各種の処理を行い、被検体内部のX線減弱係数の分布図として、X線CT画像を得る。用いられるX線は、多色X線であり、物質に応じたビームハードニング補正が行われている。
金属は、水や骨など通常の被検体に含まれる物質と極端に異なる高い減弱特性を有し、ビームハードニングの影響も大きい。このため、インプラントなど、撮像範囲に金属が含まれると、水や骨に対するビームハードニング補正では対応できず、画像上にアーチファクトを生じさせる。金属によるアーチファクトは、金属によるビームハードニングに伴うダークバンドや、フォトン数不足に起因して生じるストリークアーチファクトである。
これらの金属に起因するアーチファクトを、まとめて、金属アーチファクトと呼ぶ。これらの金属アーチファクトは、金属辺縁にとどまらず、金属から離れた構造物にも影響し、画質を劣化させ、病変の視認性を悪化させる。
このような金属アーチファクトを低減させる画像再構成手法が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。特許文献1の技術では、再構成画像から抽出した金属部画像を順投影処理することで撮影投影データにおける金属部を特定する。また、再構成画像において金属部を周辺組織の値などで置き換え、これにバイラテラルフィルタなどのエッジ保存平滑化処理を適用することにより組織分類画像を生成し、その組織分類画像を順投影処理することで組織分類投影データを得る。組織分類投影データで、撮影投影データの金属部を置換え、金属アーチファクトを補正した補正後投影データを得、これを画像再構成し、得られた再構成画像上に金属部を付加し、補正画像を得る。また、特許文献2の技術では、特許文献1と同様に再構成画像から抽出した金属部画像を順投影処理することで撮影投影データにおける金属部を特定する。
また、再構成画像から、軟部組織、骨、空気などの組織毎に所定の値に置き換えることにより組織分類画像を生成し、その組織分類画像を順投影処理することで組織分類投影データを得る。組織分類投影データを、金属部を特定した撮影投影データに混合し、金属アーチファクトを補正した補正後投影データを得、これを画像再構成し、得られた再構成画像上に金属部を付加し、補正画像を得る。混合する際、撮影投影データを組織分類投影データで規格化(除算)処理して、規格化投影データを得、規格化投影データ上で、金属に対応する領域のデータをその周囲のデータで線形補間後、逆規格化処理(組織分類投影データを乗算)し、画像再構成して補正画像を得る。
また、特許文献1、2の技術では、撮影投影データ上で、金属に対応する領域のデータをその周囲のデータで線形補間後、画像を再構成し補正画像を得る。
米国特許第8233586号明細書 米国特許出願公開第2011/0007956号明細書
上記特許文献1および特許文献2の技術によれば、金属によるアーチファクトを低減するために、サイノグラム(撮影投影データ)上で、金属部分に重なる組織は、全て置き換えられた後、画像再構成される。置き換えられるデータは組織分類画像を順投影処理することにより得られる。この組織分類画像はアーチファクトのある画像データから作成され、組織分類画像でアーチファクトに埋もれた骨などの組織や正しく分類できなかった軟部組織の構造の情報は損なわれる。従って、金属が含まれる領域を透過する投影データの情報が欠損し、そこにある構造物の情報も失われる。このため、本来画像に残したい構造物まで影響を受け、画像上で不鮮明になりやすく、画質が劣化する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、X線CT装置において、金属を含む被検体を撮影した場合、画質劣化を生じさせずに、短時間の処理で金属アーチファクトを低減することを目的とする。
本発明では、金属に起因するアーチファクト成分の少なくとも一部を取り除いた一次補正投影データと、撮影で取得した撮影投影データとの差分である誤差投影データにおいて、高周波成分が構造物であることを利用し、高周波成分を抽出する。そして、金属アーチファクトを抑えるよう重み付けを行いながら抽出した高周波成分を前記一次補正投影データに復元後、画像を再構成する。また、一次補正投影データ作成時に用いる、金属投影データを、金属領域のCT値から軟部組織相当のCT値を差し引いた値から算出する。
X線CT装置において、金属を含む被検体を撮影した場合、画質劣化を生じさせずに、短時間の処理で金属アーチファクトを低減できる。
第一の実施形態のX線CT装置の全体外観図 第一の実施形態のX線CT装置の機能構成図 (a)は、従来手法で再構成した再構成画像例を、(b)は、第一の実施形態手法で再構成した再構成画像例を、それぞれ説明するための説明図 第一の実施形態の再構成演算装置の機能ブロック図 第一の実施形態の再構成処理のフローチャート 第一の実施形態の再構成処理を説明するための説明図 (a)は、第一の実施形態の重みの変化態様を示すグラフであり、(b)は、変形例の重みの変化態様を示すグラフ (a)は、第一の実施形態の高周波成分抽出および復元処理のフローチャートであり、(b)は、第三の実施形態の高周波成分抽出および復元処理のフローチャート 第二の実施形態の再構成演算装置の機能ブロック図 第二の実施形態の再構成処理のフローチャート 第二の実施形態の再構成処理を説明するための説明図
本発明に係る再構成演算装置は、CTスキャンにより得られた投影データである撮影投影データから、金属に起因するアーチファクト成分の少なくとも一部を取り除いて一次補正投影データを生成する一次補正投影データ生成部と、前記一次補正投影データを、前記撮影投影データから減算し、誤差投影データを生成する誤差投影データ生成部と、前記誤差投影データから高周波成分を抽出し、高周波成分投影データとして生成する高周波成分抽出部と、前記高周波成分投影データに予め定めた投影データに応じた重みを乗算して前記一次補正投影データに加算することにより、二次補正投影データを生成する高周波成分復元部と、前記二次補正投影データに基づいて、補正後画像データを生成する補正後画像データ生成部と、を備えることを特徴とする。
また、前記一次補正投影データ生成部は、前記撮影投影データから初期画像データを生成する初期画像データ生成部と、前記初期画像データから組織分類画像データを生成する組織分類画像データ生成部と、前記組織分類画像データを順投影し組織分類投影データを生成する組織分類投影データ生成部と、前記撮影投影データの金属透過領域の投影値を、前記組織分類投影データの当該金属透過領域の投影値に置き換え、前記一次補正投影データを生成する金属透過領域置換部と、を備え、前記組織分類画像データ生成部は、前記初期画像データの各画素を、予め定めた複数の組織に分類し、組織毎に予め定めたCT値に置換することにより、前記組織分類画像データを生成することを特徴とする。
また、前記初期画像データは、非金属画像データであり、前記初期画像データ生成部は、前記撮影投影データを再構成し、撮影画像データを生成する撮影画像データ生成部と、前記撮影画像データから金属領域を抽出して得た金属画像データを生成する金属画像データ生成部と、前記金属画像データを順投影し金属投影データを生成する金属投影データ生成部と、前記撮影投影データの前記金属透過領域に対し、補間処理を行い、非金属投影データを生成する非金属投影データ生成部と、前記非金属投影データを再構成し、前記非金属画像データを生成する非金属画像データ生成部と、を備え、前記金属透過領域は、前記金属投影データの投影値が所定の閾値以上の領域であること を特徴とする。
また、前記初期画像データは、撮影画像データであり、前記初期画像データ生成部は、前記撮影投影データを再構成し、前記撮影画像データを生成する撮影画像データ生成部を備えることを特徴とする。
また、前記金属透過領域置換部は、前記組織分類投影データの前記金属透過領域に対し、前記補間処理を行い、組織分類補間投影データを得、前記組織分類投影データと前記組織分類補間投影データとの差分を前記非金属投影データに加算することにより、前記一次補正投影データを生成することを特徴とする。
また、前記高周波成分抽出部は、前記誤差投影データを平滑化し、平滑化誤差投影データを得、前記誤差投影データから当該平滑化誤差投影データを減算することにより、前記高周波成分投影データを生成することを特徴とする。
また、前記補正後画像データ生成部は、前記二次補正投影データに前記金属投影データを付加し、補正後投影データを生成し、当該補正後投影データを再構成することにより前記補正後画像データを得ることを特徴とする。
また、前記補正後画像データ生成部は、前記二次補正投影データを再構成して二次補正後画像データを得、当該二次補正後画像データに前記撮影画像データの金属領域のCT値を付加することにより、前記補正後画像データを得ることを特徴とする。
また、前記二次補正投影データが生成される毎に、前記非金属投影データを当該二次補正投影データで置き換え、前記一次補正投影データおよび前記二次補正投影データの生成を、予め定めた回数繰り返す反復処理部をさらに備えることを特徴とする。
また、前記高周波成分抽出部は、前記誤差投影データを平滑化する際、平滑化フィルタを用いることを特徴とする。
また、前記高周波成分抽出部は、2以上の平滑化フィルタを用い、前記高周波成分復元部は、用いた平滑化フィルタの種類に応じた投影データを用いて前記重みを生成することを特徴とする。
また、前記重みの値は、所定の投影値の範囲で、投影値が大きくなるほど、大きくなるよう定められることを特徴とする。
また、前記重みの値は、前記投影データの各投影値を逆対数変換したリニア値を用いて、所定のリニア値の範囲で、前記リニア値が大きくなるほど、小さくなるように定められることを特徴とする。
また、前記非金属画像データ生成部が前記非金属画像データを生成する際、用いられる再構成FOVは最大FOVであり、再構成中心位置は前記CTスキャン時の回転中心であることを特徴とする。
また、前記予め定めた複数の組織は、空気、軟部組織、金属を含み、前記組織分類画像データ生成部は、前記空気に分類された空気領域のCT値を当該空気領域の平均CT値に、前記軟部組織に分類された軟部組織領域のCT値を当該軟部組織領域の平均CT値に、前記金属に分類された金属領域のCT値を前記軟部組織領域の平均CT値に、それぞれ置換することを特徴とする。
また、前記予め定めた複数の組織は、軟部組織および金属を含み、前記組織分類画像データ生成部は、前記軟部組織に分類された軟部組織領域のCT値を、組織構造を保存し、かつ、予め定めた閾値以下の振動成分を除去された値とし、前記金属に分類された金属領域のCT値を、前記軟部組織のCT値とすることを特徴とする。
また、本発明に係るX線CT装置は、X線を照射するX線管と、被検体を挟んで対向する位置に設置され、前記被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、前記被検体に対しCTスキャンを行うよう前記X線管と前記X線検出器とを制御する中央制御装置と、前記X線検出器で検出したX線から撮影投影データを得る信号処理装置と、前記撮影投影データから再構成画像を生成する再構成演算装置と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係るX線CT画像生成方法は、CTスキャンによって得られた投影データである撮影投影データから金属に起因するアーチファクト成分の少なくとも一部を取り除いて一次補正投影データを生成し、前記生成した一次補正投影データを前記撮影投影データから減算し、誤差投影データを生成し、前記誤差投影データから高周波成分を抽出して高周波成分投影データとし、前記高周波成分投影データに予め定めた投影データに応じた重みを乗算して前記一次補正投影データに加算することにより、二次補正投影データを生成し、前記二次補正投影データに基づいて補正後画像データを再構成することを特徴とする。
<<第一の実施形態>>
以下、添付図面を用いて本発明の第一の実施形態を説明する。各実施形態を説明する全図において、同一機能を有するものは、特に断らない限り、同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
[X線CT装置]
まず、本実施形態のX線CT装置を説明する。図1は、本実施形態のX線CT装置(マルチスライスCT装置)100の外観図である。本実施形態のX線CT装置100は、撮影用に用いるスキャナ110と、被検体101をのせて移動するための寝台150と、スキャナで取得したデータを処理するとともに、ユーザインタフェースとして機能する操作ユニット130と、を備える。操作ユニット130による指示に従って、スキャナ110が、寝台150に載置される被検体101のスキャン処理(撮影)を行う。
図2は、本実施形態のX線CT装置100の機能構成図である。スキャン方式はローテート−ローテート方式(第3世代)であり、大きくは、図1に示すように、スキャナ110と操作ユニット130と寝台150と、で構成される。
スキャナ110は、X線発生装置(X線管)111と、高電圧発生装置112と、X線検出器113と、コリメータ114と、プリアンプ115と、信号処理装置116と、寝台移動計測装置117と、駆動装置118と、X線制御装置121と、スキャナ制御装置122と、コリメータ制御装置123と、寝台制御装置124と、中央制御装置125と、を備える。
また、操作ユニット130は、演算装置131と、入出力装置141と、を備える。演算装置131は、再構成演算装置132と、画像処理装置133と、を備え、入出力装置141は、入力装置142と、表示装置143と、記憶装置144と、を備える。
入力装置142は、マウスやキーボードなどで構成され、寝台移動速度情報や再構成位置など計測・再構成パラメータを入力するために用いられる。表示装置143は、ディスプレイなどで構成され、再構成画像(CT画像)を表示する。画像処理装置133は、再構成演算装置132で得たCT画像を、必要に応じて加工する。
入力装置142から撮影条件(寝台移動速度、管電流、管電圧、スライス位置など)、再構成パラメータ(関心領域、再構成画像サイズ、逆投影位相幅、再構成フィルタ関数など)および各種の指示が入力される。入力された撮像条件、再構成パラメータおよび指示に基づいて、撮影に必要な制御信号が中央制御装置125から、X線制御装置121と、寝台制御装置124と、スキャナ制御装置122とに送られ、撮影スタート信号を受けて撮影を開始する。
撮影が開始されると、入力された撮影条件に基づき、X線制御装置121により高電圧発生装置112に制御信号が送られ、高電圧(管電圧)がX線発生装置111に印加される。そして、印加された高電圧に応じたエネルギーの電子が陰極から放出され、放出された電子がターゲット(陽極)に衝突することで電子エネルギーに応じたエネルギーのX線がX線発生装置111(X線管)のX線源から被検体101へ照射される。
同時に、スキャナ制御装置122から駆動装置118に制御信号が送られ、X線発生装置111、X線検出器113、プリアンプ115等が被検体101の周りで周回させられる。すなわち、スキャナ制御装置122は、中央制御装置125からの指示に従って、被検体101に対し、CTスキャンを行うよう、X線発生装置111およびX線検出器113を制御する。一方、寝台制御装置124により被検体101を乗せた寝台150が静止(ノーマルスキャン時)、又は体軸方向に平行移動(らせんスキャン時)させられる。
照射されたX線は、コリメータ114により照射領域を制限され、被検体101内の各組織で吸収(減衰)され、被検体101を通過し、X線検出器113で検出される。このとき、透過した被検体101内の物質(組織)のX線減弱係数に応じて減衰したX線が、X線源に対向する位置に配置されたX線検出器113で受光(検出)される。
X線検出器113で検出されたX線は、電流(電気信号)に変換され、プリアンプ115で増幅され、A/Dコンバータを備える信号処理装置116でデジタルデータ(X線減弱データ)に変換され、各種補正処理や対数(LOG)変換処理などがほどこされ、投影データとして演算装置131に入力される。すなわち、信号処理装置116は、X線検出器113で検出したX線から投影データを生成する。なお、信号処理装置116で行われる各種の処理には、例えば、リファレンス補正処理、キャリブレーションなどが含まれる。
演算装置131に入力された投影データは、演算装置131内の再構成演算装置132で画像再構成処理される。例えば、投影データに再構成フィルタを重畳してフィルタ補正投影データを得る。そして、このフィルタ補正投影データに対して再構成処理を施すことにより再構成画像を得る。この再構成画像は、被検体101内部のX線減弱係数の分布図であり、非破壊的に得られる断層像である。なお、以後、信号処理装置116で生成され、演算装置131に入力された投影データを、撮影投影データと呼ぶ。
得られた再構成画像は、入出力装置141内の記憶装置144に保存され、表示装置143にCT画像として表示される。もしくは、画像処理装置133にて加工された後、表示装置143にCT画像として表示される。
スキャナ110の中央制御装置125をはじめとする各種の制御装置および演算装置131は、CPUとメモリと記憶装置とを備える。そして、これらが実現する各機能は、記憶装置144に格納されたプログラムを、CPUがメモリにロードして実行することにより実現される。また、全部または一部の機能は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(field-programmable gate array)などのハードウェアによって実現されてもよい。各機能の処理に用いる各種のデータ、処理中に生成される各種のデータは、記憶装置144に格納される。
ここで、X線CT装置100では、撮影時に多色X線を用いることが多い。多色X線を用いる場合、補正せずに画像化すると、得られる再構成画像には、ビームハードニングによる影響でシェーディングが発生する。これは、CTにおける画像再構成処理が単色X線で撮影した投影データを対象としている、すなわち、物質に応じて減弱係数が不変であることを前提としているためである。
一般的なX線CT装置では、画像再構成処理において、水や骨のビームハードニングの影響を補正する処理が組み込まれている。例えば、被検体101の大部分を占める軟部組織は水に類似した減弱特性を有することから、水に対するビームハードニング補正を行い、被検体101におけるシェーディングなどのビームハードニングの影響を補正している。また、被検体101内に水の減弱特性と大きく異なる骨が多く含まれる場合は、再構成画像から骨を抽出するとともに抽出された骨の投影量に応じてビームハードニング補正を行い、骨から生ずるダークバンドなどの影響を抑制する。
しかしながら、上述のように、インプラントで使用される金属など、水や骨とは極端に異なる高い減弱特性を有する物質が被検体101内に含まれる場合、水や骨に対するビームハードニング補正では画質劣化を抑制することはできない。
例えば、図3(a)に示すように、再構成画像300内に散乱線や金属によるビームハードニングに伴うダークバンドや、フォトン数不足に起因して生ずるストリークアーチファクトを生ずる。以下、これらの被検体画像内に発生した、金属に起因するアーチファクトをまとめて金属アーチファクト301と呼ぶ。この金属アーチファクトは金属辺縁にとどまらず、金属から離れた構造物にも影響し、病変の視認性を著しく悪化させる。
上述のように、特許文献1または特許文献2に開示の手法では、金属アーチファクトは除かれるが、それに伴い、構造物の情報も失われ、画質が劣化する。本実施形態では、本来残したい構造物を画像に残す、すなわち、構造物の劣化を抑制しつつ、金属アーチファクトを低減する。
これを実現するため、本実施形態の再構成演算装置132は、信号処理装置116から出力される投影データ信号(以下、撮影投影データと呼ぶ。)に対し、各種の処理を施して補正し、画質の劣化を最小限に抑え、金属アーチファクトを除いた再構成画像(CT画像)を得る画像再構成処理を行う。
この画像再構成処理時に、再構成演算装置132は、金属アーチファクトが含まれるCT画像を補正するため、撮影投影データ上の金属対応箇所を金属アーチファクト成分の少なくとも一部を低減した投影データで代替する。また、代替後の投影データと撮影投影データとの差分データにおいて、補間箇所の高周波成分を抽出し、金属アーチファクトの強さに応じて代替後の投影データに復元する。以下、本実施形態の再構成演算装置132における再構成処理の詳細を説明する。
[再構成演算装置]
まず、上記処理を実現する本実施形態の再構成演算装置132の機能構成を説明する。
本実施形態の再構成演算装置132は、図4に示すように、撮影投影データから金属に起因するアーチファクト成分の少なくとも一部を取り除いて一次補正投影データを生成する一次補正投影データ生成部210と、一次補正投影データを、撮影投影データから減算し、誤差投影データを生成する誤差投影データ生成部220と、誤差投影データから高周波成分を抽出し、高周波成分投影データとして生成する高周波成分抽出部230と、高周波成分投影データに予め定めた投影データに応じた重みを乗算して前記一次補正投影データに加算することにより、二次補正投影データを生成する高周波成分復元部240と、二次補正投影データに基づいて、補正後画像データを生成する補正後画像データ生成部250と、を備える。
また、本実施形態の一次補正投影データ生成部210は、撮影投影データから初期画像データを生成する初期画像データ生成部211と、撮影画像データから組織分類画像データを生成する組織分類画像データ生成部217と、組織分類画像データを順投影し、組織分類投影データを生成する組織分類投影データ生成部218と、撮影投影データの金属透過領域の投影値を、組織分類投影データの金属透過領域の投影値に置き換え、一次補正投影データを生成する金属透過領域置換部219と、を備え、組織分類画像データ生成部217は、初期画像データの各画素を、予め定めた複数の組織に分類し、組織毎に予め定めたCT値に置換することにより、前記組織分類画像データを生成する。
なお、初期画像データは、非金属画像データであり、初期画像データ生成部211は、撮影投影データを再構成し、撮影画像データを生成する撮影画像データ生成部212と、撮影画像データから金属領域を抽出して得た金属画像データを生成する金属画像データ生成部213と、金属画像データを順投影し、金属投影データを生成する金属投影データ生成部214と、撮影投影データの金属透過領域に対し、補間処理を行い、非金属投影データを生成する非金属投影データ生成部215と、非金属投影データを再構成し、非金属画像データを生成する非金属画像データ生成部216と、を備える。このとき、金属透過領域は、金属投影データの投影値が所定の閾値以上の領域とする。
さらに、補正後画像データ生成部250は、二次補正投影データに金属投影データを付加し、補正後投影データを生成する金属投影データ付加部251を備え、補正後投影データを再構成することにより前記補正後画像データを得る。
以下、各部の処理の詳細を、図5および図6を用いて説明する。図5は、本実施形態の再構成演算装置132による、金属アーチファクトの補正を伴う再構成処理の処理フローであり、図6は、再構成処理の流れを説明するための説明図である。以下、画像データの各画素値をCT値、投影データの各検出素子に対応する位置の値を、投影値と呼ぶ。また、投影データから画像データを生成する処理を再構成、画像データから投影データを生成する処理を順投影と呼ぶ。また、図6においては、画像データを画像、投影データを投影と記載する。
[撮影画像データ生成処理]
まず、撮影画像データ生成部212が、撮影画像データ生成処理を行う(ステップS1101)。撮影画像データ生成処理では、撮影画像データ生成部212は、以下の式(1)に示すように、撮影投影データporgに対し、画像再構成処理R-1を施し、撮影画像データforgを生成する。画像再構成処理R-1には、例えば、逆ラドン変換などを用いる。
forg=R-1(porg) ・・・(1)
このとき、再構成FOVをフルFOV、再構成中心を回転中心、再構成フィルタを腹部フィルタとする。このようにフルFOVで再構成することにより、被検体101全体の金属領域を考慮することができ、再構成FOV内に含まれない金属がある場合でも、その金属によるアーチファクトを補正できる。ここでフルFOVとは被検体全体を包含するFOVサイズを意味する。
ここで、撮影部位が頭部などのように小さいことが明らかである場合には、再構成FOVを撮影部位(たとえば頭部)が含まれる程度に小さく設定するのが望ましい。その切り替えは、投影データや寝台高さから推定した被検体のサイズや重心、再構成フィルタ(頭部用、腹部用、心臓用など)や撮影プロトコル(腹部、頭部、骨盤など)に応じて行うことができる。
[金属画像データ生成処理]
次に、金属画像データ生成部213は、金属画像データ生成処理を行う(ステップS1102)。金属画像データ生成処理では、以下の式(2)に示すように、撮影画像データforgから金属部分のみを抽出し、さらに、軟部組織に相当するCT値vsftを差し引き、金属画像データfmtlを生成する。
fmtl=Emtl(forg)−vsft ・・・(2)
ここで、Emtlは、金属領域のセグメンテーション処理を示し、例えば、閾値処理などにより実現される。
ここで、軟部組織相当のCT値vsftを差し引くのは、後述する金属投影データ付加部251による金属投影データ付加処理において、金属投影データを加算する際に投影値が過大とならないようにするためである。過大となるのは、後述する金属投影データ付加処理で金属投影データを付加する際にベースとなる組織分類投影データの金属領域が空気ではなく軟部組織相当の投影値を有するためである。
金属投影データは、ビームハードニングを考慮したものを用いてもよい。この時、具体的には、従来の水や骨のビームハードニング補正と同様に、既知のサイズの金属の実測投影値とシミュレーションにより算出した理想投影値との間の関係式に基づき補正を行う。
[金属投影データ生成処理]
金属画像データfmtlが生成されると、金属投影データ生成部214は、金属投影データ生成処理を行う(ステップS1103)。金属投影データ生成部214は、以下の式(3)に示すように、金属画像データfmtlを順投影処理Rし、金属投影データpmtlを生成する。
pmtl=R(fmtl) ・・・(3)
順投影処理Rは、例えば、ラドン変換などで実現する。
[非金属投影データ生成処理]
金属投影データpmtlが生成されると、非金属投影データ生成部215は、投影データ上で金属透過領域を隣接する投影値で補間し、非金属投影データを生成する非金属投影データ生成処理を行う(ステップS1104)。
非金属投影データ生成部215は、まず、金属投影データpmtlにおいて投影値が予め定めた閾値以上の領域を、投影データ上の金属透過領域として特定する。なお、金属透過領域は、X線検出器113において、被検体101の金属領域を透過したX線が検出された領域である。そして、式(4)に示すように、撮影投影データporgにおける金属透過領域に対し、補間処理Mを行い、非金属投影データplinを生成する。
plin=M(porg) ・・・(4)
補間処理は、閾値を越えているデータ部である金属透過領域の、チャンネル方向の両端部に隣接する、閾値を超えていない領域のデータを用いて、線形補間により行う。また、金属透過領域を特定する際に用いる閾値は、たとえば1.0とする。
[非金属画像データ生成部]
非金属投影データplinが生成されると、非金属画像データ生成部216は、非金属画像データ生成処理を行う(ステップS1105)。非金属画像データ生成部216は、以下の式(5)に示すように、非金属投影データplinに画像再構成処理R-1を施し、金属が排除された非金属画像データflinを生成する。
flin=R-1(plin) ・・・(5)
このとき、撮影画像データ生成処理と同様に、再構成FOVをフルFOV、再構成中心を回転中心とし、再構成フィルタに比較的ノイズの少ないフィルタ、例えば腹部用フィルタを用いて画像再構成処理を行う。なお、回転中心は、CTスキャン時のX線発生装置111とX線検出器113との回転中心である。ここで、撮影部位が頭部などのように小さいことが明らかである場合には、再構成FOVを撮影部位(たとえば頭部)が含まれる程度に小さく設定するのが望ましい。その切り替えは、投影データや寝台高さから推定した被検体サイズや重心、再構成フィルタ(頭部用、腹部用、心臓用など)や撮影プロトコル(腹部、頭部、骨盤など)に応じて行うことができる。
このようにフルFOVで再構成することにより、被検体101全体を含む非金属画像データflinを生成することができる。これにより、後述する組織分類投影データ生成処理において、被検体101のはみ出しのない撮影投影データに近い値を有する組織分類投影データを、生成することができる。従って、再構成FOVが被検体101の全体を含まない場合においても高精度に金属アーチファクトを補正することができる。
[組織分類画像データ生成処理]
非金属画像データflinが生成されると、組織分類画像データ生成部217は、初期画像データである非金属画像データflinから組織分類画像データを生成する組織分類画像データ生成処理を行う(ステップS1106)。
組織分類画像データ生成部217は、以下の式(6)に示すように、非金属画像データflinに対し、組織分類処理Esftを行い、組織分類画像データfpriorを生成する。
fprior=Esft(flin) ・・・(6)
ここで、Esftは、軟部組織の、セグメンテーション処理(組織分類処理)を示す。
組織分類処理Esftでは、組織分類画像データ生成部217は、まず、非金属画像データflinの各画素のCT値に対し、閾値処理を行い、非金属画像データflinの各画素を、例えば、空気、軟部組織、骨、金属の4つの組織に分類する。そして、空気および軟部組織と分類された両領域については、各画素のCT値を、それぞれ、当該領域の平均CT値[HU]に置き換える。一方、骨および金属とされた両領域については、そのままのCT値とし、組織分類画像データfpriorを生成する。
なお、組織分類処理に際し、ノイズやアーチファクトによる影響を軽減するために非金属画像データに対して事前に公知の平滑化フィルタ処理を行ってもよい。また、金属と分類された金属領域については、軟部組織とされた領域の平均CT値に置き換えてもよい。
また、軟部組織に分類された領域については、必ずしも平均値に置き換えなくてもよい。
組織構造物を保存し、細かい振動成分(所定の閾値以下の振動数の振動成分)を除去したCT値であればよい。このようなCT値は、例えば、非金属画像データにTV(Total Variation)フィルタ等のエッジ保存型画像フィルタを適用することにより得られる。
[組織分類投影データ生成処理]
組織分類画像データfpriorが生成されると、組織分類投影データ生成部218は、組織分類投影データ生成処理を行う(ステップS1107)。組織分類投影データ生成部218は、以下の式(7)に示すように、組織分類画像データfpriorを順投影処理Rし、組織分類投影データppriorを生成する。
pprior=R(fprior) ・・・(7)
[金属透過領域置換処理]
組織分類投影データppriorが生成されると、金属透過領域置換部219は、金属透過領域置換処理を行う(ステップS1108)。本実施形態では、金属透過領域置換部219は、撮影投影データporgの金属透過領域を線形補間して得た非金属投影データplinの、線形補間部(金属透過領域)を、金属透過領域端部境界での連続性を保つ、滑らかな変化を示す値(置換値)に置き換えて、一次補正投影データpfstcを生成する。
ここで、置換値は、組織分類投影データppriorから算出する。なお、金属透過領域は、上述のように、撮影投影データporg上で、金属投影データpmtlにおいて投影値が予め定めた閾値以上の領域である。
具体的には、金属透過領域置換部219は、組織分類投影データppriorの金属透過領域に対し、補間処理Mを行い、組織分類補間投影データM(pprior)を得、組織分類投影データppriorと組織分類補間投影データM(pprior)との差分を、非金属投影データplinに加算することにより、一次補正投影データpfstcを生成する。具体的には、以下の式(8)に示すように、組織分類投影データpprior上で、金属透過領域を、非金属投影データplin生成時と同様に補間処理Mを行ったデータと、線形補間前のデータとの差分を算出し、当該差分を、非金属投影データplinに加算し、一次補正投影データpfstcを生成する。
pfstc=pprior−M(pprior)+plin ・・・(8)
なお、補間処理Mは、非金属投影データplin生成時と同様の処理であり、組織分類投影データの金属透過領域を、金属透過領域の両端にチャンネル方向に隣接する投影値で補間する処理である。この金属透過領域置換処理により、金属領域の境界(撮影投影データと組織分類投影データの間の境界)で、連続性を保った補正投影データを得ることができる。
なお、この金属透過領域置換処理(一次補正投影データの生成)は、上記手法に限定されない。例えば、以下の手法を用いてもよい。
例えば、以下の式(9)に示す、Linear baseline shiftアプローチを用いて、一次補正投影データpfstcを生成してもよい。具体的には、まず、撮影投影データporgから組織分類投影データppriorを差分する。そして得られた差分データに対し、非金属投影データ生成時と同様の補間処理Mを行う。最後に、線形補間後の投影データに組織分類投影データppriorを加算する。
pfstc=M(porg−pprior)+pprior ・・・(9)
また、例えば、以下の式(10)に示す手法で一次補正投影データpfstcを生成してもよい。具体的には、まず、撮影投影データporgを組織分類投影データppriorで除算する。そして得られた除算後の投影データに対し、非金属投影データ生成時と同様の補間処理Mを行う。最後に、線形補間後の投影データに組織分類投影データppriorを乗算する。
pfstc=M(porg/pprior)×pprior ・・・(10)
[誤差投影データ生成処理]
一次補正投影データpfstcが生成されると、誤差投影データ生成部220は、誤差投影データ生成処理を行う(ステップS1109)。具体的には、誤差投影データ生成部220は、以下の式(11)に示すように、撮影投影データporgから、一次補正投影データpfstcと金属投影データpmtlとを差し引き、誤差投影データperrを生成する。
perr=porg−pfstc−pmtl ・・・(11)
[高周波成分抽出処理]
誤差投影データperrが生成されると、高周波成分抽出部230は、高周波成分抽出処理を行う(ステップS1110)。高周波成分抽出処理では、高周波成分抽出部230は、以下の式(12)に示すように、誤差投影データperrを平滑化し、平滑化誤差投影データを得、誤差投影データperrからその平滑化誤差投影データを減算することにより、誤差投影データperrから高周波成分を抽出し、高周波成分投影データphfrqを生成する。なお、平滑化は、平滑化フィルタSを用いた平滑化処理によりなされる。
phfrq=perr-S(perr) ・・・(12)
ここでは、誤差投影データperrのうち、金属アーチファクト成分(ビームハードニング成分)は低周波成分に相当し、構造物や離散誤差成分は高周波成分に相当することを利用し、誤差投影データperrから高周波成分を抽出することにより、構造物や離散誤差成分を抽出する。
すなわち、平滑化処理Sは、誤差投影データからノイズや構造物や離散誤差成分を分離するためになされる。平滑化処理に用いる平滑化フィルタSのカーネルは、例えば、チャネル方向の1次元、もしくはチャネルと列の2次元とする。カーネルサイズは、画素サイズやスライス間隔に応じて決定する。例えば、画素サイズやスライス間隔が広い場合は、カーネルサイズが大きくなるよう決定する。このようにすることで画素サイズやスライス間隔に起因した離散誤差を効果的に低減することができる。
[高周波成分復元処理]
高周波成分投影データphfrqが生成されると、高周波成分復元部240は、高周波成分復元処理を行う(ステップS1111)。高周波成分復元部240は、高周波成分投影データphfrqの各投影値に、金属投影データpmtlの投影値に応じた重みWprj(pmtl)を乗算し、一次補正投影データpfstcに加算し、高周波成分を復元した二次補正投影データpcorrを生成する。
具体的には、二次補正投影データpcorrは、以下の式(13)により算出される。すなわち、上述のように、高周波成分投影データphfrqに、重みWprj(pmtl)を乗算し、一次補正投影データpfstcに加算することにより算出される。
pcorr=pfstc+Wprj(pmtl)phfrq ・・・(13)
このとき、重みWprj(pmtl)は、例えば、以下の式(14)に示すように決定される。
Figure 0006371467
ここで、tminおよびtmaxは、tmin<tmaxを満たす、金属投影データpmtlの投影値である。これらは、重みWprj(pmtl)を決定するための閾値である。この、重みWprj(pmtl)の変化態様を示すグラフ410を、図7(a)に示す。
高周波成分投影データphfrqには、構造物、ノイズ、わずかな金属アーチファクト成分、および、順投影時の離散誤差が含まれる。金属アーチファクト成分の大きさ(金属アーチファクトの強さ)が、金属の減弱の大きさ、すなわち、金属投影データpmtlの大きさに比例することに着目し、上記重みWprj(pmtl)を決定する。
すなわち、重みWprj(pmtl)は、上記式(14)に示すように、金属投影データpmtlの投影値が大きい場合、小さな値に、同投影値が小さい場合、大きな値になるよう決定される。これにより、金属投影データpmtlの投影値が小さいビューでの離散誤差を低減できる。また、再構成後の画像において違和感のない程度のノイズを付加でき、かつ、構造物を回復することができる。
なお、金属透過領域置換処理の式(10)で記載した規格化投影データ上で誤差データや高周波成分データを算出するなどの高周波成分復元処理を行ってもよい。
ここで、本実施形態の高周波成分抽出処理と高周波成分復元処理との流れを、図8(a)を用いて説明する。
まず、高周波成分抽出部230は、平滑化フィルタSを用いて誤差投影データperrを平滑化し、平滑化誤差投影データを生成する(ステップS1201)。そして、誤差投影データperrからその平滑化誤差投影データを減算することにより、高周波成分投影データphfrqを生成する(ステップS1202)。
次に、高周波成分復元部240は、金属投影データpmtlの投影値に応じた重みWprj(pmtl)を生成する(ステップS1203)。そして、高周波成分投影データphfrqに、重みWprj(pmtl)を乗算し、一次補正投影データpfstcに加算する、すなわち高周波成分を付加することにより二次補正投影データpcorrを生成する(ステップS1204)。
[金属投影データ付加処理]
二次補正投影データpcorrが生成されると、金属投影データ付加部251は、金属投影データ付加処理を行う(ステップS1112)。金属投影データ付加部251は、以下の式(15)に示すように、二次補正投影データpcorrに、金属投影データpmtlを加算し、補正後投影データpcormを生成する。
pcorm=pcorr+pmtl ・・・(15)
このように投影データ上で金属投影データpmtlを付加することで、補正後画像の金属部に再構成フィルタの影響を反映することができ、違和感のない画像を得ることができる。
[補正後画像データ生成処理]
最後に、補正後画像データ生成部250は、補正後画像データ生成処理を行う(ステップS1113)。補正後画像データ生成部250は、以下の式(16)に示すように、補正後投影データpcormに画像再構成処理R-1を施し、補正後画像データfcormを生成する。
fcorr=R-1(pcorm) ・・・(16)
このとき、所望の再構成フィルタ、所望の再構成FOV、所望の再構成位置で画像再構成を行う。
図3(a)に示す画像を再構成した撮影投影データから、本実施形態の再構成演算装置132による再構成処理により得られた補正後画像データ310を図3(b)に示す。本図に示すように、本実施形態の再構成処理により、金属アーチファクト(図3(a)の301)が抑えられ、かつ、構造物は残存していることがわかる。
以上説明したように、本実施形態のX線CT装置は、X線を照射するX線管(X線発生装置)111と、前記X線管と被検体101を挟んで対向する位置に設置され、前記被検体101を透過したX線を検出するX線検出器113と、前記被検体101に対しCTスキャンを行うよう前記X線管と前記X線検出器113とを制御する中央制御装置125と、前記X線検出器113で検出したX線から撮影投影データを得る信号処理装置116と、前記撮影投影データから再構成画像を生成する再構成演算装置132と、を備える。
そして、再構成演算装置132は、前記撮影投影データから金属に起因するアーチファクト成分の少なくとも一部を取り除いて一次補正投影データを生成する一次補正投影データ生成部210と、前記一次補正投影データを、前記撮影投影データから減算し、誤差投影データを生成する誤差投影データ生成部220と、前記誤差投影データから高周波成分を抽出し、高周波成分投影データとして生成する高周波成分抽出部230と、前記高周波成分投影データに予め定めた投影データに応じた重みを乗算して前記一次補正投影データに加算することにより、二次補正投影データを生成する高周波成分復元部240と、前記二次補正投影データに基づいて、補正後画像データを生成する補正後画像データ生成部250と、を備える。
前記一次補正投影データ生成部210は、前記撮影投影データから初期画像データを生成する初期画像データ生成部211と、前記初期画像データから組織分類画像データを生成する組織分類画像データ生成部217と、前記組織分類画像データを順投影し組織分類投影データを生成する組織分類投影データ生成部218と、前記撮影投影データの金属透過領域の投影値を、前記組織分類投影データの当該金属透過領域の投影値に置き換え、前記一次補正投影データを生成する金属透過領域置換部219と、を備え、前記組織分類画像データ生成部217は、前記初期画像データの各画素を、予め定めた複数の組織に分類し、組織毎に予め定めたCT値に置換することにより、前記組織分類画像データを生成する。
前記初期画像データは、非金属画像データであり、前記初期画像データ生成部211は、前記撮影投影データを再構成し、撮影画像データを生成する撮影画像データ生成部212と、前記撮影画像データから金属領域を抽出して得た金属画像データを生成する金属画像データ生成部213と、前記金属画像データを順投影し金属投影データを生成する金属投影データ生成部214と、前記撮影投影データの前記金属透過領域に対し、補間処理を行い、前記非金属投影データを生成する非金属投影データ生成部215と、前記非金属投影データを再構成し、前記非金属画像データを生成する非金属画像データ生成部216と、を備え、前記金属透過領域は、前記金属投影データの投影値が所定の閾値以上の領域である。
このように、本実施形態によれば、投影データ上の金属透過領域を、隣接するデータで補間して一次補正投影データpfstcを生成する。そして、当該一次補正投影データpfstcの撮影投影データporgに対する誤差投影データperr上で、構造物に相当する高周波成分を抽出し、一次補正投影データpfstcに付加する。これにより、構造物の情報を回復することができる。また、金属領域周辺の細かなノイズも回復することができ、より自然な画像を得ることができる。
さらに、高周波成分を一次補正投影データpfstcに付加する際、金属投影データpmtlの投影値の大きさに応じて、重み付けを行う。これにより、金属アーチファクトが強いものほど、寄与を抑えることができる。このため、抽出された高周波成分に金属アーチファクト成分が含まれていたとしても、その復元を抑えることができる。さらに、金属投影データpmtlの投影値が小さいビューでの離散誤差が低減される。
また、一次補正投影データpfstcは、撮影投影データから再構成した撮影画像データにおいて、金属領域のCT値から軟部組織相当のCT値を差し引いた値から算出される金属投影データに基づいて算出する。従って、一次補正投影データpfstcにおける金属透過領域の投影値が実際に近いものとなる。
従来の手法では、撮影投影データにおける金属透過領域を補正する際、サイノグラム上で金属部分に重なる組織は、全て組織分類投影データに置き換えられる。置換後の投影データから再構成した画像上では、金属アーチファクトに埋もれた骨や、正しくセグメンテーションできなかった軟部組織の構造など、組織分類画像データでセグメンテーションできなかった構造物は、損なわれる。
しかしながら、本実施形態によれば、この高周波成分復元処理において、誤差投影データperrの高周波成分を抽出し、抽出された高周波成分に重み付けして一次補正投影データpfstcに加算し、組織分類投影データppriorに含まれない欠損した構造物成分を復元する。このため、本実施形態では、サイノグラム上で金属領域に重なる組織の欠損を改善できる。
また、従来技術によれば、撮影投影データにおける金属透過領域を補正する際、ノイズのない組織分類画像から作成した順投影データで置き換えるため、補正後画像の金属周辺はノイズがない違和感のある画像となる。しかしながら、本実施形態によれば、高周波成分復元処理においてノイズ成分を含む高周波成分投影データphfrqを一次補正後投影データpfstcに付加するため、この課題が改善され、金属周辺でも違和感のない画像が得られる。
また、従来技術によれば、撮影投影データにおける金属透過領域を補正する際、ノイズやビームハードニング効果、アーチファクト、CT値調整誤差、セグメンテーション精度などにより組織分類投影データの投影値に誤差がある場合、被補正投影との切り替わり部で不連続を生じ、金属辺縁からストリークアーチファクトを生じる場合がある。
しかしながら、本実施形態によれば、金属透過領域置換処理において、組織分類投影データppriorにおいて、金属透過領域を線形補間処理した組織分類補間投影データを組織分類投影データppriorから差分すると共に非金属投影データplinに加算する。すなわち、金属領域を線形補間処理した箇所が、なめらかに接続されるよう、置換を行う。このため、投影データの不連続性を改善でき、金属辺縁でのストリークアーチファクトを抑制できる。
また、金属投影データを生成する際、例えば、所望する再構成スライス間隔が広い場合(スライス厚が厚い場合;例えば5mm厚画像)や所望するFOVサイズが大きい場合(例えば、FOVサイズ450mm)、従来の手法によれば、画素の粗い金属画像を順投影処理することとなる。従って、金属投影データpmtlに離散誤差が生じ、これが、最終的に得られる補正後画像データfcormのアーチファクトとなる。
このとき、従来技術によれば、高精度な金属投影データを生成するために、所望するスライス厚やFOVサイズとは異なる細かい画素の金属画像を生成すると、最後に付加する金属画像データを所望の再構成スライス厚や所望のFOVサイズで再構成し直さなければならず、計算時間の増大を伴う。
さらに、従来技術によれば、組織分類投影データを作成する際、組織分類投影データfpriorにも離散誤差が発生し、これが補正後画像データfcormにおいてアーチファクト(たとえば風車状アーチファクト)となる。
しかしながら、本実施形態によれば、上述のように、離散誤差が低減されるため、再構成間隔が広い場合(スライス厚が厚い場合)やFOVが大きい場合であっても、補正後画像データfcormのアーチファクトを抑えることができる。
また、組織分類画像を生成する際、本実施形態によれば、非金属画像データflin生成時に、ノイズの少ない、特定のフィルタを用いることができる。従来の技術によれば、平滑化に用いる再構成フィルタによっては、セグメンテーション精度が悪化し、ひいては所望の補正精度が得られないことがある。しかしながら、本実施形態では、セグメンテーション精度の悪化を改善できる。
また、本実施形態によれば、非金属画像データflinを、フルFOVで再構成する。これにより、被検体101全体が画像に含まれ、被検体101が画像からはみ出すことがない。よってその後の組織分類画像データ生成時に、適切に組織分類がなされる。
また、組織分類投影を作成する際、例えば、再構成FOVが小さく被検体が画像からはみ出す場合(被検体全体が画像に含まれない場合)、従来手法によれば、被検体情報が損なわれ、組織分類投影データが過小評価され、大きな誤差を生ずる。しかしながら、本実施形態によれば、このような誤差は抑えられ、良好な結果が得られる。
<<第二の実施形態>>
次に、本発明の第二の実施形態を説明する。本実施形態では、二次補正投影データpcorrを得る毎に、非金属投影データplinに置き換え、反復処理を行う。
本実施形態のX線CT装置は、基本的に第一の実施形態のX線CT装置100と同様の構成を有する。ただし、金属アーチファクトの補正を伴う再構成処理において、反復処理を行う。このため、本実施形態の再構成演算装置132は、図9に示すように、反復処理を行う反復処理部260をさらに備える。以下、本実施形態について、第一の実施形態と異なる構成に主眼をおいて説明する。
[反復処理]
本実施形態の反復処理部260は、二次補正投影データpcorrが生成される毎に、二次補正投影データpcorrを非金属投影データplinに置き換え、一次補正投影データpfstcおよび二次補正投影データpcorrの生成を、予め定めた回数繰り返す。
すなわち、本実施形態の反復処理部260は、非金属投影データplinが生成されると、非金属画像データ生成部216による非金属画像データ生成処理から、高周波成分復元部240による二次補正投影データpcorrの生成処理までを、予め定めた回数、繰り返す。このとき、非金属投影データplinを高周波成分復元部240が生成した二次補正投影データpcorrで置き換え、処理を繰り返す。なお、繰り返す各処理の処理内容は、第一の実施形態と同様である。
以下、本実施形態の処理の流れを、第一の実施形態と異なる箇所に主眼をおいて、図10および図11を用いて説明する。図10は、本実施形態の再構成演算装置132による、金属アーチファクトの補正を伴う再構成処理の処理フローであり、図11は、再構成処理の流れを説明するための説明図である。
撮影画像データ生成部212による撮影画像データ生成処理(ステップS2101)、金属画像データ生成部213による金属画像データ生成処理(ステップS2102)、金属投影データ生成部214による金属投影データ生成処理(ステップS2103)、非金属投影データ生成部215による非金属投影データ生成処理(ステップS2104)は、第一の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
全繰り返し回数をN、繰返し回数のカウンタをnとすると、まず、反復処理部260は、繰返し回数のカウンタnを初期化(n=1)する(ステップS2105)。
非金属画像データ生成部216は、以下の式(17)に示すように、非金属投影データplinに画像再構成処理R-1を施し、金属が排除された非金属画像データflin nを生成する(ステップS2106)。
flin n=R-1(pcorr n-1) ・・・(17)
なお、非金属画像データflin nおよび二次補正投影データpcorrそれぞれの、右肩のn、n−1は、各データが生成された繰り返し回数を示す。すなわち、n回目の繰り返しに生成された画像データまたは投影データには、右肩にnを付す。ここで、pcorr 0=plinとする。
組織分類画像データ生成部217は、以下の式(18)に示すように、非金属画像データflin nから組織分類画像データfprior nを生成する(ステップS2107)。
fprior n=Esft(flin n) ・・・(18)
組織分類投影データ生成部218は、以下の式(19)に示すように、組織分類画像データfprior nから組織分類投影データpprior nを生成する(ステップS2108)。
pprior n=R(fprior n) ・・・(19)
金属透過領域置換部219は、以下の式(20)に示すように、組織分類投影データpprior n上で、金属透過領域を、非金属投影データ生成時と同様に補間処理Mを行ったデータと、線形補間前のデータとの差分を算出し、当該差分を、非金属投影データplin(ここでは、pcorr n-1)に加算し、一次補正投影データpfstc nを生成する(ステップS2109)。
pfstc n=pprior n−M(pprior n)+pcorr n-1 ・・・(20)
もちろん、本実施形態においても、一次補正投影データpfstc nの生成には、第一の実施形態と同様に、以下の式(21)、式(22)による手法を用いてもよい。
pfstc n=M(porg−pprior n)+pprior n ・・・(21)
pfstc n=M(porg/pprior n)×pprior n ・・・(22)
誤差投影データ生成部220は、以下の式(23)に示すように、撮影投影データporgから、一次補正投影データpfstc nと金属投影データpmtlとを差し引き、誤差投影データperr nを生成する(ステップS2110)。
perr n=porg−pfstc n−pmtl ・・・(23)
高周波成分抽出部230は、誤差投影データperr nから高周波成分を抽出し、高周波成分投影データphfrq nを生成する(ステップS2111)。
本実施形態においても、高周波成分は、以下の式(24)に示すように、誤差投影データperr nに対し、平滑化処理Sを施し、平滑化後のデータを、誤差投影データperr nから差し引くことにより抽出される。
phfrq n=perr n-S(perr n) ・・・(24)
そして、高周波成分復元部240は、高周波成分復元処理を行う(ステップS2112)。ここでは、生成した高周波成分投影データphfrq nの各投影値に、金属投影データpmtlの投影値に応じた重みWprj(pmtl)を乗算し、一次補正投影データpfstc nに加算し、高周波成分を復元した二次補正投影データpcorr nを生成する。
このとき、二次補正投影データpcorrは、以下の式(25)により算出される。すなわち、上述のように、高周波成分投影データphfrq nに、重みWprj(pmtl)を乗算し、一次補正投影データpfstc nに加算することにより算出される。ここで、重みWprj(pmtl)は、例えば、式(14)に示すように決定される。
pcorr n=pfstc n+Wprj(pmtl)phfrq n ・・・(25)
ここで、用いる重みWprj(pmtl)は、第一の実施形態と同様とする。
その後、反復処理部260は、繰返し回数nを繰り返し回数Nと比較し(ステップS2113)、Nに満たない場合は、nを1インクリメントし(ステップS2114)、処理を繰り返す。一方、N回処理を終えた場合、金属投影データ付加処理以降に処理を進める。その後の処理は、第一の実施形態と同様である。
すなわち、金属投影データ付加部251は、以下の式(26)のように、N回処理後の二次補正投影データpcorrに、金属投影データpmtlを加算し、補正後投影データpcormを生成する(ステップS2115)。
pcorm=pcorr N+pmtl ・・・(26)
そして、補正後画像データ生成部250は、以下の式(27)に示すように、補正後投影データpcormに画像再構成処理R-1を施し、補正後画像データfcormを生成する(ステップS2116)。
fcorr=R-1(pcorm) ・・・(27)
以上説明したように、本実施形態のX線CT装置100は、第一の実施形態と同様に、X線管(X線発生装置)111と、X線検出器113と、中央制御装置125と、信号処理装置116と、再構成演算装置132と、を備える。そして、再構成演算装置132は、一次補正投影データ生成部210と、誤差投影データ生成部220と、高周波成分抽出部230と、高周波成分復元部240と、補正後画像データ生成部250と、反復処理部260と、を備える。
前記一次補正投影データ生成部210は、初期画像データ生成部211と、組織分類画像データ生成部217と、組織分類投影データ生成部218と、金属透過領域置換部219と、を備え、前記初期画像データ生成部211は、撮影画像データ生成部212と、金属画像データ生成部213と、金属投影データ生成部214と、非金属投影データ生成部215と、非金属画像データ生成部216と、を備える。
そして、前記反復処理部260は、前記二次補正投影データが生成される毎に、前記非金属投影データを当該二次補正投影データで置き換え、前記一次補正投影データおよび前記二次補正投影データの生成を、予め定めた回数繰り返す。
このように、本実施形態によれば、第一の実施形態と同様の構成を備えるため、第一の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、本実施形態によれば、二次補正投影データpcorrを非金属投影データとして用いて、反復処理を行う。このとき、簡易的に金属部を除去する補間処理により生成した非金属投影データは大きな補間誤差を含むが、非金属投影データが比較的誤差の少ない二次補正投影データに置き換えられることにより、非金属投影データの精度が向上し、続いて生成されるこの二次補正投影データpcorrの精度も向上する。結果として、これに基づいて生成される補正後投影データpcormの精度も高まり、最終的な補正後画像データfcormが向上する。
<<第三の実施形態>>
次に、本発明の第三の実施形態を説明する。本実施形態では、高周波成分の抽出時に、複数回、平滑化処理を行う。このとき、用いるフィルタを変化させてもよい。
本実施形態のX線CT装置100は、基本的に第一の実施形態と同様の構成を有する。
ただし、高周波成分の抽出処理が異なるため、高周波成分抽出部230および高周波成分復元部240の処理が異なる。以下、本実施形態について、第一の実施形態と異なる構成に主眼をおいて説明する。
本実施形態では、高周波成分抽出部230は、2以上の異なる種類の平滑化フィルタを用い、高周波成分復元部240は、用いた平滑化フィルタの種類に応じた投影データを用いて乗算する重みを生成する。
本実施形態の高周波成分抽出部230は、第一の実施形態と同様に、誤差投影データperrから高周波成分を抽出し、高周波成分投影データphfrqを生成する。高周波成分の抽出は、第一の実施形態と同様に、平滑化処理を施すことにより行われる。ただし、本実施形態では、複数回、平滑化処理を繰り返す。
また、本実施形態の高周波成分復元部240は、第一の実施形態と同様に、高周波成分投影データphfrqの各投影値に、予め定めた種類の投影データpの投影値に応じた重みWprj(p)を乗算して、一次補正投影データpfstcに加算し、二次補正投影データpcorrを生成する。
本実施形態の高周波成分抽出部230による高周波成分抽出処理および高周波成分復元部240による高周波成分復元処理を、図8(b)に従って、具体例で説明する。ここでは、一例として、平滑化を、異なる2種の平滑化フィルタを用いて、2回行う場合を例にあげて説明する。なお、同じ平滑化フィルタを用いて平滑化を複数回行っても良い。
例えば、1回目の平滑化処理では、ビュー方向1、列方向3、チャネル方向3のサイズの平滑化カーネルを使用した第一の平滑化フィルタS1を用い、2回目の平滑化処理では、ビュー方向3、列方向5、チャネル方向5のサイズの平滑化カーネルを使用した第二の平滑化フィルタS2を用いることとする。
まず、高周波成分抽出部230は、第一の平滑化フィルタS1を誤差投影データperrに適用し、平滑化誤差投影データS1(perr)を生成する(ステップS3101)。そして、誤差投影データperrからその平滑化誤差投影データS1(perr)を減算することにより、第一の高周波成分投影データphfrq1を生成する(ステップS3102)。ステップS3101およびステップS3102の処理は、以下の式(28)で表される。
phfrq1=perr−S1(perr) ・・・(28)
そして、高周波成分復元部240は、重み算出に用いる投影データとして、撮影投影データporgを選択し、この撮影投影データporgの投影値に応じた重みWprj(porg)を、以下の式(29)に示すように生成する(ステップS3103)。
Figure 0006371467
tmin1およびtmax1は、tmin1<tmax1を満たす、撮影投影データporgの投影値である。これらは、第一の重みWprj(porg)を決定するための閾値である。
第一の平滑化フィルタS1を用いる1回目の平滑化処理では、ノイズ成分が主として抽出される。一般に、投影データ上のノイズは、撮影投影データporgの投影値の大きさに依存する。もし、金属部での減弱を無視するなら投影データ上のノイズは、組織分類投影データppriorの大きさに依存する。このため、ノイズ成分が主である第一の高周波成分投影データphfrq1については、撮影投影データporgの投影値や、組織分類投影データppriorの大きさに応じた第一の重みWprj(porg)を乗じる。
そして、高周波成分復元部240は、以下の式(30)に示すように、生成した重みWprj(porg)を第一の高周波成分投影データphfrq1に乗算し、誤差投影データperrから減算することにより、反映後の誤差投影データperr1を生成する(ステップS3104)。これにより、高周波成分復元部240は、誤差投影データperrに、抽出した第一の高周波成分投影データphfrq1を反映する。
perr1=perr−Wprj(porg)phfrq1 ・・・(30)
次に、高周波成分抽出部230は、第二の平滑化フィルタS2を、反映後の誤差投影データperr1に適用し、平滑化誤差投影データS2(perr1)を生成する(ステップS3105)。そして、誤差投影データperr1からその平滑化誤差投影データS2(perr1)を減算することにより、第二の高周波成分投影データphfrq2を生成する(ステップS3106)。ステップS3105およびステップS3106の処理は、以下の式(31)で表される。
phfrq2=perr1−S2(perr1) ・・・(31)
そして、高周波成分復元部240は、重み算出に用いる投影データとして、金属投影データpmtlを選択し、この金属投影データpmtlの投影値に応じた重みWprj(pmtl)を、以下の式(32)に示すように生成する(ステップS3107)。
Figure 0006371467
ここで、tmin2およびtmax2は、それぞれ、tmin2<tmax2を満たす、金属投影データpmtlの投影値である。これらは、第二の重みWprj(pmtl)を決定するための閾値である。
第二の平滑化フィルタS2を用いる2回目の平滑化処理では、構造物成分、離散誤差成分、金属アーチファクト成分が主として抽出される。金属アーチファクト成分は金属投影データpmtlの投影値の大きさに依存する。このため、金属アーチファクト成分を含む第二の高周波成分投影データphfrq2には、金属投影データpmtlの投影値の大きさに応じた第二の重みWprj(pmtl)を乗じる。
そして、高周波成分復元部240は、第一の実施形態と同様に、以下の式(33)に示すように、抽出した第一の高周波成分投影データphfrq1に、撮影投影データporgに応じた第一の重みWprj(porg)を乗算し、また、抽出した第二の高周波成分投影データphfrq2に、金属投影データpmtlに応じた第二の重みWprj(pmtl)を乗算し、一次補正投影データpfstcに加算することにより、高周波成分を復元した二次補正投影データpcorrを算出する(ステップS3108)。
pcorr=pfstc+Wprj(porg)phfrq1+Wprj(pmtl)phfrq2 ・・・(33)
なお、上記処理において、第一の平滑化処理および第二の平滑化処理は、いずれを先に行ってもよい。
また、他の処理は、第一の実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
以上説明したように、本実施形態のX線CT装置100は、第一の実施形態と同様に、X線管(X線発生装置)111と、X線検出器113と、中央制御装置125と、信号処理装置116と、再構成演算装置132と、を備える。そして、再構成演算装置132は、一次補正投影データ生成部210と、誤差投影データ生成部220と、高周波成分抽出部230と、高周波成分復元部240と、補正後画像データ生成部250と、反復処理部260と、を備える。
そして、前記一次補正投影データ生成部210は、初期画像データ生成部211と、組織分類画像データ生成部217と、組織分類投影データ生成部218と、金属透過領域置換部219と、を備え、前記初期画像データ生成部211は、撮影画像データ生成部212と、金属画像データ生成部213と、金属投影データ生成部214と、非金属投影データ生成部215と、非金属画像データ生成部216と、を備える。
そして、前記高周波成分抽出部230は、前記誤差投影データを平滑化する際、2以上の異なる種類の平滑化フィルタを用い、前記高周波成分復元部240は、用いた平滑化フィルタの種類に応じた投影データを用いて前記乗算する重みを生成する。
本実施形態によれば、第一の実施形態と同様の構成を備えるため、第一の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、本実施形態によれば、高周波成分抽出処理および高周波成分復元処理において、異なる複数の平滑化フィルタを用いて高周波成分を抽出する。そして、抽出後の高周波成分に、当該成分の特性に応じた投影データに基づく重みを乗算し、高周波成分を復元する。これにより、線量不足によるノイズを低減しつつ、金属アーチファクトを低減でき、かつ金属投影データに埋もれた構造物や離散誤差成分を効率的に回復することができる。
なお、説明を簡単にするため、本実施形態では、平滑化フィルタとして、カーネルサイズのみにより平滑化の程度が変化する単純な平滑化フィルタを用いた。しかし、用いる平滑化フィルタはこれに限定されない。メディアンフィルタやガウシアンフィルタ、TVフィルタ、Wavelet処理を用いたフィルタなど、より非線形な特性を有する如何なる平滑化フィルタを用いてもよい。本実施形態の平滑化処理は誤差投影データにおけるトレンド成分を抽出するために行うものであるため、この目的を達成可能なフィルタであればよい。
また、本実施形態では、第一の実施形態に適用する場合を例にあげて説明したが、本実施形態は、第二の実施形態に適用してもよい。すなわち、得られた二次補正投影データpcorrを非金属投影データplinに置き換え、所定回数、反復処理を繰り返してもよい。
<変形例>
なお、上記各実施形態において、初期画像データは、撮影画像データであってもよい。
この場合、初期画像データ生成部211は、撮影投影データporgを再構成し、撮影画像データforgを生成する撮影画像データ生成部212を備え、その他の、金属画像データ生成部213と、金属投影データ生成部214と、非金属投影データ生成部215と、非金属画像データ生成部216とを備えなくてもよい。
さらに、上記各実施形態では、補正後画像データ生成部250は、二次補正投影データpcorrから補正後画像データfcormを生成する際、投影データ(二次補正投影データpcorr)上で、金属情報を付加(復元)している。しかしながら、この手法に限定されない。
例えば、再構成後、金属情報を付加してもよい。この場合、補正後画像データ生成部250は、二次補正投影データpcorrを再構成して二次補正後画像データを得、当該二次補正後画像データに、撮影画像データの金属領域のCT値を付加することにより、補正後画像データfcormを得る。なお、金属領域のCT値は、金属画像データfmtl作成時に得られる。
さらに、補正後画像データ生成部250は、二次補正投影データpcorrから補正後画像データfcormを生成する際、金属情報を付加しなくてもよい。これは、再構成画像内で金属部が診断対象でない場合には金属情報は不要であるためである。
また、上記各実施形態では、重みの算出に、撮影投影データporg、金属投影データpmtl、あるいは、組織分類投影データppriorの投影値をそのまま用いている。しかしながら、重みの算出手法は、これに限定されない。例えば、以下の式(34)に示すように、各投影データの各投影値を逆対数変換したリニア値pに応じて重みWprj(p)を決定してもよい。すなわち、リニア値pが大きくなるほど、重み値が小さくなるように重みWprj(p)を決定する。
Figure 0006371467
ここで、tmin3およびtmax3は、それぞれ、tmin3<tmax3を満たす、逆対数変換したリニア値pである。これらは、この重みWprj(p)を決定するための閾値である。この場合の、重みの変化態様のグラフ420を図7(b)に示す。
また、上記各実施形態では、再構成演算装置132は、X線CT装置100が備えるものとして記載したが、これに限定されない。例えば、CPUとメモリと記憶装置とを備える、X線CT装置100とは独立した情報処理装置であって、信号処理装置116からデータを受信可能な情報処理装置上に構築されていてもよい。
本発明の様々な実施形態に関する以上の記述から、本発明の目的が達成されることは明らかである。本発明の実施形態を詳細に記述すると共に図示したが、これらは、本発明の実施形態の一例の説明及び例示のみを意図したものであって、これらに限定されるものではない。
100 X線CT装置、101 被検体、111 X線発生装置、112 高電圧発生装置、113 X線検出器、114 コリメータ、115 プリアンプ、116 信号処理装置、117 寝台移動計測装置、118 駆動装置、121 X線制御装置、122 スキャナ制御装置、123 コリメータ制御装置、124 寝台制御装置、125 中央制御装置、130 操作ユニット、131 演算装置、132 再構成演算装置、133 画像処理装置、141 入出力装置、142 入力装置、143 表示装置、144 記憶装置、150 寝台、210 一次補正投影データ生成部、211 初期画像データ生成部、212 撮影画像データ生成部、213 金属画像データ生成部、214 金属投影データ生成部、215 非金属投影データ生成部、216 非金属画像データ生成部、217 組織分類画像データ生成部、218 組織分類投影データ生成部、219 金属透過領域置換部、220 誤差投影データ生成部、230 高周波成分抽出部、240 高周波成分復元部、250 補正後画像データ生成部、251 金属投影データ付加部、260 反復処理部、300 再構成画像、301 金属アーチファクト、310 補正後画像データ、410 重みグラフ、420 重みグラフ

Claims (18)

  1. CTスキャンにより得られた投影データである撮影投影データから、金属に起因するアーチファクト成分の少なくとも一部を取り除いて一次補正投影データを生成する一次補正投影データ生成部と、
    前記一次補正投影データを、前記撮影投影データから減算し、誤差投影データを生成する誤差投影データ生成部と、
    前記誤差投影データから高周波成分を抽出し、高周波成分投影データとして生成する高周波成分抽出部と、
    前記高周波成分投影データに予め定めた投影データに応じた重みを乗算して前記一次補正投影データに加算することにより、二次補正投影データを生成する高周波成分復元部と、
    前記二次補正投影データに基づいて、補正後画像データを生成する補正後画像データ生成部と、を備えること
    を特徴とする再構成演算装置。
  2. 請求項1記載の再構成演算装置であって、
    前記一次補正投影データ生成部は、
    前記撮影投影データから初期画像データを生成する初期画像データ生成部と、
    前記初期画像データから組織分類画像データを生成する組織分類画像データ生成部と、 前記組織分類画像データを順投影し組織分類投影データを生成する組織分類投影データ生成部と、
    前記撮影投影データの金属透過領域の投影値を、前記組織分類投影データの当該金属透過領域の投影値に置き換え、前記一次補正投影データを生成する金属透過領域置換部と、を備え、
    前記組織分類画像データ生成部は、前記初期画像データの各画素を、予め定めた複数の組織に分類し、組織毎に予め定めたCT値に置換することにより、前記組織分類画像データを生成すること
    を特徴とする再構成演算装置。
  3. 請求項2記載の再構成演算装置であって、
    前記初期画像データは、非金属画像データであり、
    前記初期画像データ生成部は、
    前記撮影投影データを再構成し、撮影画像データを生成する撮影画像データ生成部と、 前記撮影画像データから金属領域を抽出して得た金属画像データを生成する金属画像データ生成部と、
    前記金属画像データを順投影し金属投影データを生成する金属投影データ生成部と、
    前記撮影投影データの前記金属透過領域に対し、補間処理を行い、非金属投影データを生成する非金属投影データ生成部と、
    前記非金属投影データを再構成し、非金属画像データを生成する非金属画像データ生成部と、を備え、
    前記金属透過領域は、前記金属投影データの投影値が所定の閾値以上の領域であること を特徴とする再構成演算装置。
  4. 請求項2記載の再構成演算装置であって、
    前記初期画像データは、撮影画像データであり、
    前記初期画像データ生成部は、前記撮影投影データを再構成し、前記撮影画像データを生成する撮影画像データ生成部を備えること
    を特徴とする再構成演算装置。
  5. 請求項3記載の再構成演算装置であって、
    前記金属透過領域置換部は、前記組織分類投影データの前記金属透過領域に対し、前記補間処理を行い、組織分類補間投影データを得、前記組織分類投影データと前記組織分類補間投影データとの差分を前記非金属投影データに加算することにより、前記一次補正投影データを生成すること
    を特徴とする再構成演算装置。
  6. 請求項1記載の再構成演算装置であって、
    前記高周波成分抽出部は、前記誤差投影データを平滑化し、平滑化誤差投影データを得、前記誤差投影データから当該平滑化誤差投影データを減算することにより、前記高周波成分投影データを生成すること
    を特徴とする再構成演算装置。
  7. 請求項3記載の再構成演算装置であって、
    前記補正後画像データ生成部は、前記二次補正投影データに前記金属投影データを付加し、補正後投影データを生成し、当該補正後投影データを再構成することにより前記補正後画像データを得ること
    を特徴とする再構成演算装置。
  8. 請求項3記載の再構成演算装置であって、
    前記補正後画像データ生成部は、前記二次補正投影データを再構成して二次補正後画像データを得、当該二次補正後画像データに前記撮影画像データの金属領域のCT値を付加することにより、前記補正後画像データを得ること
    を特徴とする再構成演算装置。
  9. 請求項3記載の再構成演算装置であって、
    前記二次補正投影データが生成される毎に、前記非金属投影データを当該二次補正投影データで置き換え、前記一次補正投影データおよび前記二次補正投影データの生成を、予め定めた回数繰り返す反復処理部をさらに備えること
    を特徴とする再構成演算装置。
  10. 請求項6記載の再構成演算装置であって、
    前記高周波成分抽出部は、前記誤差投影データを平滑化する際、平滑化フィルタを用いること
    を特徴とする再構成演算装置。
  11. 請求項10記載の再構成演算装置であって、
    前記高周波成分抽出部は、2以上の平滑化フィルタを用い、
    前記高周波成分復元部は、用いた平滑化フィルタの種類に応じた投影データを用いて前記重みを生成すること
    を特徴とする再構成演算装置。
  12. 請求項1記載の再構成演算装置であって、
    前記重みの値は、所定の投影値の範囲で、投影値が大きくなるほど、大きくなるよう定められること
    を特徴とする再構成演算装置。
  13. 請求項1記載の再構成演算装置であって、
    前記重みの値は、前記投影データの各投影値を逆対数変換したリニア値を用いて、所定のリニア値の範囲で、前記リニア値が大きくなるほど、小さくなるように定められること を特徴とする再構成演算装置。
  14. 請求項3記載の再構成演算装置であって、
    前記非金属画像データ生成部が前記非金属画像データを生成する際、用いられる再構成FOVは最大FOVであり、再構成中心位置は前記CTスキャン時の回転中心であること を特徴とする再構成演算装置。
  15. 請求項2記載の再構成演算装置であって、
    前記予め定めた複数の組織は、空気、軟部組織、金属を含み、
    前記組織分類画像データ生成部は、前記空気に分類された空気領域のCT値を当該空気領域の平均CT値に、前記軟部組織に分類された軟部組織領域のCT値を当該軟部組織領域の平均CT値に、前記金属に分類された金属領域のCT値を前記軟部組織領域の平均CT値に、それぞれ置換すること
    を特徴とする再構成演算装置。
  16. 請求項2記載の再構成演算装置であって、
    前記予め定めた複数の組織は、軟部組織および金属を含み、
    前記組織分類画像データ生成部は、前記軟部組織に分類された軟部組織領域のCT値を、組織構造を保存し、かつ、予め定めた閾値以下の振動成分を除去された値とし、前記金属に分類された金属領域のCT値を、前記軟部組織のCT値とすること
    を特徴とする再構成演算装置。
  17. X線を照射するX線管と、
    被検体を挟んで対向する位置に設置され、前記被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、
    前記被検体に対しCTスキャンを行うよう前記X線管と前記X線検出器とを制御する中央制御装置と、
    前記X線検出器で検出したX線から撮影投影データを得る信号処理装置と、
    前記撮影投影データから再構成画像を生成する請求項1記載の再構成演算装置と、を備えること
    を特徴とするX線CT装置。
  18. CTスキャンによって得られた投影データである撮影投影データから金属に起因するアーチファクト成分の少なくとも一部を取り除いて一次補正投影データを生成し、
    前記生成した一次補正投影データを前記撮影投影データから減算し、誤差投影データを生成し、
    前記誤差投影データから高周波成分を抽出して高周波成分投影データとし、
    前記高周波成分投影データに予め定めた投影データに応じた重みを乗算して前記一次補正投影データに加算することにより、二次補正投影データを生成し、
    前記二次補正投影データに基づいて補正後画像データを再構成すること
    を特徴とするX線CT画像生成方法。
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