JP6245656B2 - 半導体レーザ素子 - Google Patents

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Description

本発明は、中長距離の光ファイバ通信用光源として用いられる単一モードで動作する半導体レーザ素子に関するものである。
近年、光通信システムの大容量化に伴い、多値位相振幅変調を用いたデジタル・コヒーレント通信方式が普及し始めている。この通信方式は、光の位相情報を用いてデジタル信号を伝達する方式であるため、光源としては、位相雑音が少なく、スペクトル線幅が狭いレーザ光源が必要になる。
半導体レーザは小型で低コストなため、光通信用光源として広く普及しているが、特に中・長距離の光通信システムでは、単一モードで動作する分布帰還型(DFB:Distributed Feedback)レーザなどが広く用いられている。また、中・長距離の光通信システムでは、光ファイバ1本あたりの伝送容量を増大させるために、波長多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)技術を用いることが一般的であり、光源にはどの波長チャネルでも出力できるような、波長可変特性も必要とされている。一般に、半導体レーザは、他の固体レーザやガス・レーザなどと比べると、共振器サイズが小さいため、位相ノイズは相対的に大きい。通常の数百μmの共振器サイズの半導体レーザのスペクトル線幅はMHzオーダーとなっている。
現在、普及が進んでいる100Gbit/sのデジタル・コヒーレント通信システムにおいては、偏波多重QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)変調方式が用いられており、数百kHzのスペクトル線幅が要求されている。そこでは、共振器長を1mm程度まで長くして狭線幅化した波長可変DFBレーザアレイや外部共振器型レーザなどが用いられている。今後、より多値度の大きな大容量通信を実現するためには、よりスペクトル線幅の狭い光源の実現が期待されている。
スペクトル線幅を10kHz程度まで狭める構成としては、半導体チップの外側に光学共振器を構成する、いわゆる外部共振器型レーザがある。例えば、半導体アンプと外部反射器と波長を選択するためのエタロン・フィルタとレンズなどで構成される外部共振器型レーザにより、1550nmのC帯全域をカバーする波長可変特性と数10kHzのスペクトル線幅特性が得られている(非特許文献1)。
M.Finot,et al.,"Thermally tuned external cavity laser with micromachined silicon etalons:design,process and reliability",Electronic Components and Technology Conference 2004 Proceedings,Vol.1,pp.818-823,2004
外部共振器型レーザは、半導体チップ以外にも多数の部品を必要とし、なおかつ、高精度に組み立てる必要があるという課題があった。また、多数の共振モードの中から一つの波長を選択するために、少なくとも2以上の波長フィルタを制御しなければならず、制御回路が複雑になり、また波長特性の検査が複雑になるという課題があった。
一方、DFBレーザをベースとした波長可変レーザでは、原理的に同じ発振モードを保ったまま、温度制御などを用いてより波長を変えることができるため、制御は簡単であるが、狭スペクトル線幅化には限界があるという課題があった。1mm程度までの長共振器化により、100kHz程度までのスペクトル線幅は得られているが、これ以上共振器長を長くすると、製造ゆらぎにより均一な共振器を形成することが難しくなるという課題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、外部に共振器を構成する部品を用いることなく、半導体チップのみで構成される小型の狭スペクトル線幅の半導体レーザ素子を実現するものである。
本発明の半導体レーザ素子は、単一モードで発振する半導体レーザ部と、この半導体レーザ部の発振光を2つに分岐させる光分岐回路部と、この光分岐回路部で分岐させた一方の光を増幅して出力する第1の半導体増幅器を備えた光出力導波路部と、前記光分岐回路部で分岐させた他方の光を増幅する第2の半導体増幅器、および第2の半導体増幅器で増幅された光を反射させる反射器を備えた光帰還導波路部とを、同一半導体基板上に形成し、前記第2の半導体増幅器で増幅され前記反射器で反射された光を前記光分岐回路部を介して前記半導体レーザ部に帰還させることを特徴とするものである。
また、本発明の半導体レーザ素子の1構成例において、前記半導体レーザ部は、分布帰還型の半導体レーザもしくは分布反射型の半導体レーザである。
また、本発明の半導体レーザ素子の1構成例において、前記半導体レーザ部は、N個(Nは2以上の整数)の半導体レーザが並列に形成されたレーザアレイであり、前記光分岐回路部は、入力が前記レーザアレイと接続され、出力が前記光出力導波路部および光帰還導波路部と接続された、N入力2出力の光合分波器である。
また、本発明の半導体レーザ素子の1構成例において、前記光帰還導波路部は、さらに、前記半導体レーザ部に帰還させる光の位相を制御することが可能な位相調整領域を備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、半導体レーザ部と光分岐回路部と光出力導波路部と光帰還導波路部とを同一半導体基板上に形成し、光帰還導波路部の第2の半導体増幅器で増幅され反射器で反射された光を光分岐回路部を介して半導体レーザ部に帰還させることにより、外部共振器を用いずに、半導体チップのみの小型な構成で狭スペクトル線幅の半導体レーザ素子を実現することができる。また、本発明では、第2の半導体増幅器に注入する電流により、第2の半導体増幅器の利得を調整することによって、半導体レーザ部を最適な動作状態にすることが可能である。
また、本発明では、半導体レーザ部をN個の半導体レーザが並列に形成されたレーザアレイとし、光分岐回路部をN入力2出力の光合分波器とすることにより、レーザの発振波長を変えることが可能となる。
また、本発明では、光帰還導波路部に位相調整領域を設けることにより、半導体レーザ部に戻す光の強度と位相を独立に制御することが可能となるので、レーザの発振状態をより最適な状態にすることが可能となる。
本発明の第1の実施の形態に係る半導体レーザ素子の構造を示す平面図および断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る半導体レーザ素子のスペクトル線幅特性を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る半導体レーザ素子の構造を示す平面図である。
[発明の原理]
本発明では、半導体レーザの出力光の一部を光帰還用の導波路を用いて半導体レーザ自体に戻すことにより、狭スペクトル線幅動作を可能とする。以下に、動作原理について示す。半導体レーザの発振光の一部を外部から帰還することによって、狭スペクトル線幅化の効果が得られることは、よく知られている。
例えば、文献「K.Petermann,“External optical feedback phenomena in semiconductor lasers”,IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics,vol.1,No.2,pp.480-489,1995」では、光ファイバを用いて、半導体レーザに光を帰還する構成が示されている。外部から一部の光を帰還することにより、2桁程度スペクトル線幅を狭窄化することが可能である。但し、光の帰還量には最適値があり、帰還量が大きすぎると、半導体レーザの発振が不安定になってしまう。
本発明の構成では、光帰還用導波路に増幅作用を持つ半導体アンプを設けるようにしており、半導体アンプの利得を調整することによって、半導体レーザを最適な動作状態にすることが可能である。
[第1の実施の形態]
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1(A)は本発明の第1の実施の形態に係る半導体レーザ素子の構造を示す平面図、図1(B)は図1(A)の半導体レーザ素子のA−A’線断面図、図1(C)は図1(A)の半導体レーザ素子のB−B’線断面図である。なお、図1(A)の平面図では、半導体レーザ素子の構造を分かり易くするため、半導体レーザ素子の内部を透視して、導波路のコア層(半導体レーザの活性層および半導体増幅器の活性層)の平面形状を記載している。
本実施の形態に係る半導体レーザ素子は、半導体レーザ部1と、レーザ光を2つの導波路に分岐するための光分岐回路部2と、光を増幅して出力するための光出力導波路部3と、光を半導体レーザ部1に戻すための光帰還導波路部4とから構成されている。
半導体レーザ部1は、導波路構造5により構成されている。この導波路構造5には、電流を注入することにより増幅作用を持つ活性層12の直上に、回折格子14が形成されているガイド層13が設けられている。活性層12の材料は例えばInGaAsPである。ガイド層13には、例えばInGaAsP層が活性層12に沿って所定の周期で離散的に配置されることで回折格子14が形成されている。これら活性層12とガイド層13とがn型InPクラッド層16(半導体基板)とp型InPクラッド層17で挟み込まれた構成となっている。
n型InPクラッド層16の下面にはn側電極19が形成されている。p型InPクラッド層17の上面には、例えばp型InGaAsPからなるp型コンタクト層18を介してp側電極20が形成されている。n側電極19を接地し、p側電極20に正の電圧を加えることによって、活性層12に電流を注入し、レーザ発振を得ることができる。その際、回折格子14の周期で定まる波長のみが強く帰還されるため、この波長付近で単一モード発振する。
なお、導波路構造5は、図1(C)に示すように、活性層12とガイド層13の周りがInPで埋め込まれた、いわゆる埋め込み型の構造となっている。n型InP電流ブロック層21は、活性層12に効率よく電流を注入するために設けられている。また、半導体レーザ部1の一方の端面(図1(A)、図1(B)の半導体チップの左側の端面)には、例えば誘電体多層膜からなる反射防止膜10−1が形成されている。
光分岐回路部2は、1入力2出力の多モード干渉型光合分波器7を構成する導波路構造になっている。この導波路構造の透明コア層15は、半導体レーザ部1のレーザ発振光に対して透明な組成のInGaAsP混晶により形成されている。半導体レーザ部1の導波路構造5と同様に、透明コア層15は、n型InPクラッド層16とp型InPクラッド層17で挟み込まれた構成となっている。透明コア層15の入力側(図1(A)、図1(B)の左側)の端面は半導体レーザ部1の活性層12の端面と接している。この光分岐回路部2は、半導体レーザ部1のレーザ発振光を2つに分岐させ、また後述のように光帰還導波路部4で増幅された光を半導体レーザ部1に戻す役割を果たす。
光出力導波路部3は、半導体増幅器8を構成する導波路構造になっている。この導波路構造は、図1(B)、図1(C)に示した半導体レーザ部1を構成する導波路構造5と同様である。ただし、回折格子14が形成されるガイド層13がない点が導波路構造5と異なる。光が半導体チップ端面で反射するのを防ぐために、導波路が半導体チップ端面(図1(A)の右側の端面)に対して斜めになるように形成されており、なおかつ半導体チップの端面には、例えば誘電体多層膜からなる反射防止膜10−2が形成されている。
半導体レーザ部1と同様に、半導体増幅器8の活性層はn型InPクラッド層16とp型InPクラッド層17で挟み込まれた構成となっている。n型InPクラッド層16の下面にはn側電極19が形成され、半導体増幅器8の活性層上のp型InPクラッド層17の上部にはp型コンタクト層18を介してp側電極(不図示)が形成されている。このp側電極は、半導体レーザ部1のp側電極20とは別個に設けられている。
この半導体増幅器8のp側電極に正の電圧を印加し、n側電極19を接地して、半導体増幅器8の活性層に電流を注入することにより、半導体レーザ部1からのレーザ発振光を増幅する作用を得ることができる。したがって、半導体増幅器8に流す電流量を制御することにより、半導体増幅器8の光出力を調整することが可能となっている。
多モード干渉型光合分波器7と半導体増幅器8との間は、透明導波路6−1によって接続され、半導体レーザ部1から放射され多モード干渉型光合分波器7によって分岐されたレーザ発振光を半導体増幅器8に導くようになっている。透明導波路6−1は、多モード干渉型光合分波器7を構成する導波路構造と同様に、透明コア層15とn型InPクラッド層16とp型InPクラッド層17とからなる。透明導波路6−1の透明コア層15は多モード干渉型光合分波器7の透明コア層15と一体で形成されている。透明導波路6−1の透明コア層15の出力側(図1(A)の右側)の端面は半導体増幅器8の活性層の端面と接している。
光帰還導波路部4は、半導体増幅器9を構成する導波路構造と、透明導波路6−3と、反射器11とから構成される。半導体増幅器9を構成する導波路構造は、半導体増幅器8を構成する導波路構造と同じである。半導体増幅器8と同様に、半導体増幅器9の活性層はn型InPクラッド層16とp型InPクラッド層17で挟み込まれた構成となっている。n型InPクラッド層16の下面にはn側電極19が形成され、半導体増幅器9の活性層上のp型InPクラッド層17の上部にはp型コンタクト層18を介してp側電極(不図示)が形成されている。このp側電極は、半導体レーザ部1のp側電極20および半導体増幅器8のp側電極とは別個に設けられている。この半導体増幅器9のp側電極に正の電圧を印加し、n側電極19を接地して、半導体増幅器9の活性層に電流を注入することにより、半導体レーザ部1からのレーザ発振光を増幅する作用を得ることができる。
透明導波路6−3は、透明導波路6−1と同じ構造である。透明導波路6−3の透明コア層の入力側の端面は半導体増幅器9の活性層の端面と接しており、この透明コア層の出力側の端面は半導体チップの側面に露出する劈開面となっており、この劈開面が反射器11として機能する。半導体レーザ部1からのレーザ発振光は、半導体増幅器9で増幅され、反射器11で反射される。
多モード干渉型光合分波器7と半導体増幅器9との間は、透明導波路6−2によって接続され、半導体レーザ部1から放射され多モード干渉型光合分波器7によって分岐されたレーザ発振光を半導体増幅器9に導き、また半導体増幅器9で増幅され反射器11で反射された光を多モード干渉型光合分波器7に戻すようになっている。
透明導波路6−2は、透明導波路6−1と同じ構造である。透明導波路6−2の透明コア層15は多モード干渉型光合分波器7の透明コア層15と一体で形成されている。透明導波路6−2の透明コア層15の出力側(図1(A)の右側)の端面は半導体増幅器9の活性層の端面と接している。上記のとおり、半導体増幅器9に電流を流すことで、半導体レーザ部1からのレーザ発振光を増幅することができるので、半導体増幅器9に流す電流量を調整することにより、半導体レーザ部1に戻す光の量を制御することが可能である。
図2は、本実施の形態の半導体レーザ素子において、光帰還導波路部4の半導体増幅器9に流す電流を変えたときの半導体レーザ素子のスペクトル線幅を示す図である。なお、このとき、半導体レーザ部1に流す電流の値を150mA、光出力導波路部3の半導体増幅器8に流す電流の値を200mA、図1(A)〜図1(C)の半導体チップの温度を25℃とし、半導体チップの端面からおよそ40mWの光出力が出ている状態とする。回折格子14の周期は240nm前後に設定されており、光通信で用いられる1550nm帯で発振動作している。
半導体増幅器9の電流が0の場合、すなわち、半導体レーザ部1へ光が全く戻らない場合、スペクトル線幅は半導体レーザ部1のもともとのスペクトル線幅となっており、およそ1.5MHzとなっている。半導体増幅器9の電流値を増していくと、半導体レーザ部1への光帰還量が増していくため、スペクトル線幅は減少していき、半導体増幅器9の電流値が35mAの場合で10kHzにまでスペクトル線幅が狭窄化されていることが分かる。半導体増幅器9の電流値が40mA以上の領域では、光帰還量が大き過ぎるため、レーザ発振が不安定な状態となる。
よって、本実施の形態では、最適な半導体増幅器9の電流値は35mA付近となっている。なお、本実施の形態においては、光出力導波路部3の光増幅器8への電流値を制御することにより、スペクトル線幅特性を一定にしたまま光出力を変化させることが可能である。これは、光出力導波路部3と光帰還導波路部4がそれぞれ独立した機能を持っていることによるものである。
本実施の形態では、半導体レーザ部1の構造として、利得を持つ導波路上に回折格子が形成された構造、いわゆるDFB構造を用いているが、回折格子が、利得を持たない導波路に形成された、いわゆるDBR(Distributed Bragg Reflector)型の構造を用いてもよい。また、本実施の形態では、光分岐回路部2を多モード干渉型としているが、Y分岐型や方向性結合器などでもよい。また、導波路の構造としては、埋め込み型の構造となっているが、リッジ型の構造にも、本発明は適用可能である。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図3は本発明の第2の実施の形態に係る半導体レーザ素子の構造を示す平面図であり、図1(A)〜図1(C)と同一の構成には同一の符号を付してある。図1(A)と同様に、図3では、半導体レーザ素子の内部を透視して、導波路のコア層(半導体レーザの活性層および半導体増幅器の活性層)の平面形状を記載している。
本実施の形態に係る半導体レーザ素子は、半導体レーザ部1aと、光分岐回路部2aと、光出力導波路部3と、光帰還導波路部4aとから構成されている。
第1の実施の形態の半導体レーザ素子と異なる点は、半導体レーザ部1aが4つのDFBレーザが並列に形成されたレーザアレイになっている点と、光分岐回路部2aが4入力2出力の光合分波器になっている点と、光帰還導波路部4aに位相調整領域22が設けられている点である。
半導体レーザ部1aの4つのDFBレーザは、独立した4つの導波路構造5−1,5−2,5−3,5−4により構成されている。この導波路構造5−1〜5−4は、導波路構造5と同様である。ただし、4つの導波路構造5−1〜5−4には、それぞれ異なる周期の回折格子が設けられている。そのため、DFBレーザによって発振波長が異なるように設計されている。また、n側電極は各導波路構造5−1〜5−4に共通に設けられているが、p側電極については、導波路構造5−1〜5−4ごとに別個に設けられている。したがって、どのDFBレーザを光らせるかを任意に選択することができ、どのDFBレーザを光らせるかを選択することにより、発振波長を変えることが可能となる。
光分岐回路部2aには、スラブ導波路を用いた4入力2出力の光合分波器7aが設けられている。この光合分波器7aの透明コア層は、4つのDFBレーザの発振光に対して透明な組成のInGaAsP混晶により形成されており、多モード干渉型光合分波器7と同様に、n型InPクラッド層16とp型InPクラッド層17で挟み込まれた構成となっている。
導波路構造5−1〜5−4と光合分波器7aとの間は、透明導波路6−4,6−5,6−6,6−7によって接続されている。透明導波路6−4〜6−7は、透明導波路6−1〜6−3と同じ構造である。透明導波路6−4〜6−7の透明コア層は、光合分波器7aの透明コア層と一体で形成されている。透明導波路6−4〜6−7の透明コア層の入力側(図3の左側)の端面は、それぞれ導波路構造5−1〜5−4の活性層の端面と接している。光出力導波路部3は、第1の実施の形態で説明したとおりである。
光帰還導波路部4aは、位相調整領域22と、半導体増幅器9を構成する導波路構造と、透明導波路6−3と、反射器11とから構成される。位相調整領域22のコア層は、レーザ発振光に対して透明な組成となるInGaAsPで形成されている。このコア層は、n型InPクラッド層16とp型InPクラッド層17で挟み込まれた構成となっている。n型InPクラッド層16の下面にはn側電極19が形成され、位相調整領域22のコア層上のp型InPクラッド層17の上部にはp型コンタクト層18を介してp側電極(不図示)が形成されている。このp側電極は、半導体レーザ部1aのp側電極および半導体増幅器8,9のp側電極とは別個に設けられている。
この位相調整領域22のp側電極に正の電圧を印加し、n側電極19を接地して、位相調整領域22のコア層に電流を注入することにより、光の位相を制御することが可能となる。位相調整領域22のコア層の入力側の端面は透明導波路6−2の透明コア層の端面と接しており、位相調整領域22のコア層の出力側の端面は半導体増幅器9の活性層の端面と接している。
第1の実施の形態のように、半導体レーザ部に光を帰還させた場合、半導体レーザ部に戻す光の位相状態によってレーザの発振モードの状態が変化する。最悪の場合、レーザの発振状態が不安定になることがあるため、位相調整領域22に流す電流により、光の位相を制御し、最適な発振状態にすることが可能となる。
なお、第1の実施の形態のように、位相調整領域22がなくても、半導体増幅器9の電流値によっても光の位相は変化するので、必ずしも位相調整領域22がなくてもよい。しかし、位相調整領域22があると、半導体レーザ部1aに戻す光の量を半導体増幅器9で制御し、半導体レーザ部1aに戻す光の位相を位相調整領域22で制御するというように、光の強度と位相を独立に制御することが可能となるので、レーザの発振状態をより最適な状態にすることが可能となる。
本実施の形態でも、第1の実施の形態と同様に、半導体増幅器9と位相調整領域22に適切な電流値を注入することにより、スペクトル線幅を2桁程度狭窄化することが可能となる。
なお、本実施の形態では、半導体レーザ部1aを4つのDFBレーザが並列に形成されたレーザアレイとし、光分岐回路部2aを4入力2出力の光合分波器としているが、これに限るものではなく、半導体レーザ部1aをN個(Nは2以上の整数)のDFBレーザまたはN個のDBRレーザが並列に形成されたレーザアレイとし、光分岐回路部2aをN入力2出力の光合分波器としてもよい。
本発明は、一般的に光通信システムに利用することができる。特に、光通信システムの送信器に利用できる。
1,1a…半導体レーザ部、2,2a…光分岐回路部、3…光出力導波路部、4,4a…光帰還導波路部、5…導波路構造、6−1〜6−7…透明導波路、7…多モード干渉型光合分波器、7a…光合分波器、8,9…半導体増幅器、10−1,10−2…反射防止膜、11…反射器、12…活性層、13…ガイド層、14…回折格子、15…透明コア層、16…n型InPクラッド層、17…p型InPクラッド層、18…p型コンタクト層、19…n側電極、20…p側電極、21…n型InP電流ブロック層、22…位相調整領域。

Claims (4)

  1. 単一モードで発振する半導体レーザ部と、
    この半導体レーザ部の発振光を2つに分岐させる光分岐回路部と、
    この光分岐回路部で分岐させた一方の光を増幅して出力する第1の半導体増幅器を備えた光出力導波路部と、
    前記光分岐回路部で分岐させた他方の光を増幅する第2の半導体増幅器、および第2の半導体増幅器で増幅された光を反射させる反射器を備えた光帰還導波路部とを、同一半導体基板上に形成し、
    前記第2の半導体増幅器で増幅され前記反射器で反射された光を前記光分岐回路部を介して前記半導体レーザ部に帰還させることを特徴とする半導体レーザ素子。
  2. 請求項1記載の半導体レーザ素子において、
    前記半導体レーザ部は、分布帰還型の半導体レーザもしくは分布反射型の半導体レーザであることを特徴とする半導体レーザ素子。
  3. 請求項1または2記載の半導体レーザ素子において、
    前記半導体レーザ部は、N個(Nは2以上の整数)の半導体レーザが並列に形成されたレーザアレイであり、
    前記光分岐回路部は、入力が前記レーザアレイと接続され、出力が前記光出力導波路部および光帰還導波路部と接続された、N入力2出力の光合分波器であることを特徴とする半導体レーザ素子。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体レーザ素子において、
    前記光帰還導波路部は、さらに、前記半導体レーザ部に帰還させる光の位相を制御することが可能な位相調整領域を備えることを特徴とする半導体レーザ素子。
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