JP6172437B2 - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特に液体としてインクを噴射するインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
従来、圧電素子などのアクチュエーター装置により圧力発生室内の液体に圧力変動を生じさせることで、圧力発生室に連通するノズルから液滴を噴射する液体噴射ヘッドが知られている。その代表例としては、液滴としてインク滴を噴射するインクジェット式記録ヘッドがある。
インクジェット式記録ヘッドは、例えば、ノズル開口に連通する圧力発生室が設けられた流路形成基板の一方面側に圧電素子を備え、この圧電素子の駆動によって振動板を変形させて圧力発生室に圧力変化を生じさせることで、ノズルからインク滴を噴射させる(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−172878号公報
ここで、振動板は、圧電素子に電圧を印加しないときにおいて、圧電素子側又は圧力発生室側に撓んだ状態となることがある。このような圧電素子の初期撓みは、製造工程や材料など様々な要因により生じる。
圧電素子が動作して振動板を最大限に変形させたときの振動板の撓みを到達撓みと称する。到達撓みと初期撓みとの差を変位量と称する。
振動板は、初期撓みが大きいほど、圧電素子による到達撓みも大きくなるが、変位量はそれほど増大しない。このように、圧電素子を変形させて到達撓みが大きくなるほど変位量がそれほど増加しないのであるから、圧電素子による変位量に比して圧電素子に印加するエネルギーの効率がよくないという問題がある。
なお、このような問題はインクジェット式記録ヘッドだけではなく、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、効率よく振動板を変位させて液体を吐出することで高効率な液体吐出特性を有する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、液体を吐出するノズル開口に連通する複数の圧力発生室を備える流路形成基板と、該流路形成基板上に設けられた振動板を介して前記圧力発生室に圧力を付与するアクチュエーター装置と、前記流路形成基板に接合されて前記アクチュエーター装置を封止する封止空間を形成する接合基板とを備え、前記封止空間内の圧力は、前記振動板が前記圧力発生室側に押し下げられるように調圧されていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、封止空間内を正圧に調整して振動板の初期撓みを調整することで、調圧前に比べて、圧電素子の変形による到達撓みを低減しながらも、十分な変位量が得られるので圧電素子の効率を高めることができる。これにより、本発明に係る液体噴射ヘッドは、このように効率よく振動板を変形させて液体を吐出するので、高効率な液体吐出特性を有する。
また、液体を吐出するノズル開口に連通する複数の圧力発生室を備える流路形成基板と、該流路形成基板上に設けられた振動板を介して前記圧力発生室に圧力を付与するアクチュエーター装置と、前記流路形成基板に接合されて前記アクチュエーター装置を封止する封止空間を形成する接合基板とを備え、前記封止空間内の圧力は、前記振動板が前記アクチュエーター側に引き上げられ、又は前記圧力発生室側に押し下げられるように調圧されている液体噴射ヘッドであって、前記アクチュエーター装置の非動作時における振動板が前記アクチュエーター装置側に撓み、前記アクチュエーター装置の動作時における振動板が前記アクチュエーター装置側に撓み、前記封止空間内は大気圧よりも高い圧力に調圧されていることが好ましい。これによれば、封止空間内を正圧にすることでアクチュエーター装置の動作時(初期撓み)及び非動作時(到達撓み)における振動板をアクチュエーター装置側に撓ませた状態とする。この場合においても、調圧前に比べて、圧電素子の変形による到達撓みを低減しながらも、十分な変位量が得られるので圧電素子の効率を高めることができる。
また、液体を吐出するノズル開口に連通する複数の圧力発生室を備える流路形成基板と、該流路形成基板上に設けられた振動板を介して前記圧力発生室に圧力を付与するアクチュエーター装置と、前記流路形成基板に接合されて前記アクチュエーター装置を封止する封止空間を形成する接合基板とを備え、前記封止空間内の圧力は、前記振動板が前記アクチュエーター側に引き上げられ、又は前記圧力発生室側に押し下げられるように調圧されている液体噴射ヘッドであって、前記アクチュエーター装置の非動作時における振動板が前記アクチュエーター装置側に撓み、前記アクチュエーター装置の動作時における振動板が前記圧力発生室側に撓み、前記流路形成基板及び前記振動板との接合面を基準面として、前記アクチュエーター装置の非動作時における振動板の位置を第1変位とし、前記アクチュエーター装置の動作時における振動板が前記圧力発生室側に最も撓んだ位置を第2変位とし、前記第1変位の大きさが前記第2変位の大きさ以上となるように、前記封止空間内は大気圧よりも低い圧力に調圧されていることが好ましい。これによれば、封止空間内を負圧にすることでアクチュエーター装置の非動作時(初期撓み)における振動板をアクチュエーター装置側に撓ませ、動作時(到達撓み)における振動板を圧力発生室側に撓ませた状態とする。この場合においても、調圧前に比べて、圧電素子の変形による到達撓みを低減しながらも、十分な変位量が得られるので圧電素子の効率を高めることができる。
また、液体を吐出するノズル開口に連通する複数の圧力発生室を備える流路形成基板と、該流路形成基板上に設けられた振動板を介して前記圧力発生室に圧力を付与するアクチュエーター装置と、前記流路形成基板に接合されて前記アクチュエーター装置を封止する封止空間を形成する接合基板とを備え、前記封止空間内の圧力は、前記振動板が前記アクチュエーター側に引き上げられ、又は前記圧力発生室側に押し下げられるように調圧されている液体噴射ヘッドであって、前記アクチュエーター装置の非動作時における振動板が前記アクチュエーター装置側に撓み、前記アクチュエーター装置の動作時における振動板が前記圧力発生室側に撓み、前記流路形成基板及び前記振動板との接合面を基準面として、前記アクチュエーター装置の非動作時における振動板の位置を第1変位とし、前記アクチュエーター装置の動作時における振動板が前記圧力発生室側に最も撓んだ位置を第2変位とし、前記第2変位の大きさが前記第1変位の大きさ以上となるように、前記封止空間内は大気圧よりも高い圧力に調圧されていることが好ましい。これによれば、封止空間内を正圧にすることでアクチュエーター装置の非動作時(初期撓み)における振動板をアクチュエーター装置側に撓ませ、動作時(到達撓み)における振動板を圧力発生室側に撓ませた状態とする。この場合においても、調圧前に比べて、圧電素子の変形による到達撓みを低減しながらも、十分な変位量が得られるので圧電素子の効率を高めることができる。
さらに、本発明の他の態様は、上記態様に記載する液体噴射ヘッドを備える液体噴射装置にある。
かかる態様では、高効率な液体吐出特性を有する液体噴射装置が提供される。
上記課題を解決する本発明の他の態様は、液体を吐出するノズル開口に連通する複数の圧力発生室を備える流路形成基板と、該流路形成基板上に設けられた振動板を介して前記圧力発生室に圧力を付与するアクチュエーター装置と、前記流路形成基板に接合されて前記アクチュエーター装置を封止する封止空間を形成する接合基板とを備え、前記封止空間内の圧力は、前記振動板が前記アクチュエーター側に引き上げられ、又は前記圧力発生室側に押し下げられるように調圧されていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、封止空間内を正圧又は負圧に調整して振動板の初期撓みを調整することで、調圧前に比べて、圧電素子の変形による到達撓みを低減しながらも、十分な変位量が得られるので圧電素子の効率を高めることができる。これにより、本発明に係る液体噴射ヘッドは、このように効率よく振動板を変形させて液体を吐出するので、高効率な液体吐出特性を有する。
ここで、前記アクチュエーター装置の非動作時における振動板が前記圧力発生室側に撓み、前記アクチュエーター装置の動作時における振動板が前記圧力発生室側に撓み、前記封止空間内は大気圧よりも低い圧力に調圧されていることが好ましい。これによれば、封止空間内を負圧にすることでアクチュエーター装置の非動作時(初期撓み)及び動作時(到達撓み)における振動板を圧力発生室側に撓ませた状態とする。この場合においても、調圧前に比べて、圧電素子の変形による到達撓みを低減しながらも、十分な変位量が得られるので圧電素子の効率を高めることができる。
また、前記アクチュエーター装置の非動作時における振動板が前記アクチュエーター装置側に撓み、前記アクチュエーター装置の動作時における振動板が前記アクチュエーター装置側に撓み、前記封止空間内は大気圧よりも高い圧力に調圧されていることが好ましい。これによれば、封止空間内を正圧にすることでアクチュエーター装置の動作時(初期撓み)及び非動作時(到達撓み)における振動板をアクチュエーター装置側に撓ませた状態とする。この場合においても、調圧前に比べて、圧電素子の変形による到達撓みを低減しながらも、十分な変位量が得られるので圧電素子の効率を高めることができる。
また、前記アクチュエーター装置の非動作時における振動板が前記アクチュエーター装置側に撓み、前記アクチュエーター装置の動作時における振動板が前記圧力発生室側に撓み、前記流路形成基板及び前記振動板との接合面を基準面として、前記アクチュエーター装置の非動作時における振動板の位置を第1変位とし、前記アクチュエーター装置の動作時における振動板が前記圧力発生室側に最も撓んだ位置を第2変位とし、前記第1変位の大きさが前記第2変位の大きさ以上となるように、前記封止空間内は大気圧よりも低い圧力に調圧されていることが好ましい。これによれば、封止空間内を負圧にすることでアクチュエーター装置の非動作時(初期撓み)における振動板をアクチュエーター装置側に撓ませ、動作時(到達撓み)における振動板を圧力発生室側に撓ませた状態とする。この場合においても、調圧前に比べて、圧電素子の変形による到達撓みを低減しながらも、十分な変位量が得られるので圧電素子の効率を高めることができる。
また、前記アクチュエーター装置の非動作時における振動板が前記アクチュエーター装置側に撓み、前記アクチュエーター装置の動作時における振動板が前記圧力発生室側に撓み、前記流路形成基板及び前記振動板との接合面を基準面として、前記アクチュエーター装置の非動作時における振動板の位置を第1変位とし、前記アクチュエーター装置の動作時における振動板が前記圧力発生室側に最も撓んだ位置を第2変位とし、前記第2変位の大きさが前記第1変位の大きさ以上となるように、前記封止空間内は大気圧よりも高い圧力に調圧されていることが好ましい。これによれば、封止空間内を正圧にすることでアクチュエーター装置の非動作時(初期撓み)における振動板をアクチュエーター装置側に撓ませ、動作時(到達撓み)における振動板を圧力発生室側に撓ませた状態とする。この場合においても、調圧前に比べて、圧電素子の変形による到達撓みを低減しながらも、十分な変位量が得られるので圧電素子の効率を高めることができる。
さらに、本発明の他の態様は、上記態様に記載する液体噴射ヘッドを備える液体噴射装置にある。
かかる態様では、高効率な液体吐出特性を有する液体噴射装置が提供される。
実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの斜視図である。 実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの平面図及び断面図である。 封止空間内の圧電素子の要部を拡大した断面図である。 初期撓み、到達撓み、変位量の関係を示す概略図である。 封止空間内の圧電素子の要部を拡大した断面図である。 封止空間が大気圧又は調圧された場合の振動板の状態を示す概略図である。 封止空間内の調圧前後における振動板を模式的に示す概略図である。 封止空間内の調圧前後における振動板を模式的に示す概略図である。 実施形態2に係るインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図である。 実施形態2に係るインクジェット式記録ヘッドの断面図である。 実施形態2に係るインクジェット式記録ヘッドの要部断面図である。 インクジェット式記録装置の概略図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
〈実施形態1〉
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの斜視図であり、図2は、インクジェット式記録ヘッドの平面図及び断面図である。
図示するように、本実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドIは、流路形成基板10を備えている。流路形成基板10には、複数の隔壁11によって区画された圧力発生室12が形成されている。圧力発生室12は、インクを吐出する複数のノズル開口21が並設される方向に沿って並設されている。以降、この方向を圧力発生室12の並設方向、又は第1の方向Xと称する。また、流路形成基板10平面内において、第1の方向Xに直交する方向を第2の方向Yとする。さらに、第1の方向X及び第2の方向Yに直交する方向を第3の方向Zとする。図には、第1の方向Xに並設された圧力発生室12の列は1列分示されているが、圧力発生室12の列を第2の方向Yに複数並設してもよい。
流路形成基板10の圧力発生室12の第2の方向Yの一端部側には、インク供給路13と連通路14とが複数の隔壁11によって区画されている。連通路14の外側(第2の方向Yにおいて圧力発生室12とは反対側)には、各圧力発生室12の共通のインク室(液体室)となるマニホールド100の一部を構成する連通部15が形成されている。すなわち、流路形成基板10には、圧力発生室12、インク供給路13、連通路14及び連通部15からなる液体流路が設けられている。
流路形成基板10の一方面側、すなわち圧力発生室12等の液体流路が開口する面には、各圧力発生室12に連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が、接着剤や熱溶着フィルム等によって接合されている。
流路形成基板10の他方面側には、振動板50が形成されている。本実施形態に係る振動板50は、流路形成基板10上に形成された弾性膜51と、弾性膜51上に形成された絶縁体膜52とで構成されている。また、流路形成基板10の一部を薄く加工して振動板の弾性膜として使うことも可能である。なお、圧力発生室12等の液体流路は、流路形成基板10を一方面から異方性エッチングすることにより形成されており、圧力発生室12等の液体流路の他方面は、振動板50(弾性膜51)で構成されている。
絶縁体膜52上には、第1電極60と、圧電体層70と、第2電極80とで構成される圧電素子300が形成されている。この流路形成基板10に設けられた圧電素子300は、本実施形態ではアクチュエーター装置として機能する。
第1電極60は圧力発生室12毎に切り分けられ、圧電素子300毎に独立する個別電極を構成する。そして第1電極60は、圧力発生室12の第1の方向Xにおいては、圧力発生室12の幅よりも狭い幅で形成されている。すなわち圧力発生室12の第1の方向Xにおいて、第1電極60の端部は、圧力発生室12に対向する領域の内側に位置している。圧力発生室12の第2の方向Yにおいては、第1電極60の両端部は、それぞれ圧力発生室12の外側まで延設されている。なお、第1電極60の材料は、金属材料または導電性酸化物、またはこれらの積層材料であれば特に限定されないが、例えば、Ti、Pt、Ta、Ir、Sr、In、Sn、Au、Al、Fe、Cr、Ni、Cuなどの金属や、これらの材料の1種のみ、又はこれらの2種以上を混合又は積層したもの、またはLaNiOやSrRuOなどの導電性酸化物およびこれらと金属材料の積層したものを第1電極60としてもよい。
圧電体層70は、第2の方向Yが所定の幅となるように第1の方向Xに亘って連続して設けられている。圧電体層70の第2の方向Yの幅は、圧力発生室12の第2の方向Yの長さよりも広い。このため、圧力発生室12の第2の方向Yでは、圧電体層70は圧力発生室12の外側まで設けられている。
また、圧電体層70には、各隔壁11に対向する凹部71が形成されている。圧電体層70は、第1の方向Xに沿って各圧力発生室12に亘り連続的に形成され、各隔壁11に対向する一部が除去されて凹部71が形成されている。この凹部71により、振動板50の圧力発生室12の幅方向端部に対向する部分(振動板50の腕部)の剛性が抑えられるため、圧電素子300を良好に変位させることができる。
圧力発生室12の第2の方向Yの一端部側(本実施形態では、インク供給路13側)における圧電体層70の端部は、第1電極60の端部よりも外側に位置している。すなわち、第1電極60の端部は圧電体層70によって覆われている。圧力発生室12の第2の方向Yの他端側における圧電体層70の端部は、第1電極60の端部よりも内側(圧力発生室12側)に位置している。
なお、圧電体層70の外側まで延設された第1電極60には、例えば、金(Au)等からなるリード電極90が接続されている。図示は省略するが、このリード電極90は、駆動回路等に繋がる接続配線が接続される端子部を構成する。
圧電体層70としては、第1電極60上に形成される電気機械変換作用を示す強誘電性セラミックス材料からなるペロブスカイト構造の結晶膜(ペロブスカイト型結晶)が挙げられる。圧電体層70の材料としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の強誘電性圧電材料や、これに酸化ニオブ、酸化ニッケル又は酸化マグネシウム等の金属酸化物を添加したもの等を用いることができる。具体的には、チタン酸鉛(PbTiO)、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O)、ジルコニウム酸鉛(PbZrO)、チタン酸鉛ランタン((Pb,La),TiO)、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン((Pb,La)(Zr,Ti)O)又は、マグネシウムニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛(Pb(Zr,Ti)(Mg,Nb)O)等を用いることができる。本実施形態では、圧電体層70として、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いた。
また、圧電体層70の材料としては、鉛を含む鉛系の圧電材料に限定されず、鉛を含まない非鉛系の圧電材料を用いることもできる。非鉛系の圧電材料としては、例えば、鉄酸ビスマス((BiFeO)、略「BFO」)、チタン酸バリウム((BaTiO)、略「BT」)、ニオブ酸カリウムナトリウム((K,Na)(NbO3)、略「KNN」)、ニオブ酸カリウムナトリウムリチウム((K,Na,Li)(NbO3))、ニオブ酸タンタル酸カリウムナトリウムリチウム((K,Na,Li)(Nb,Ta)O3)、チタン酸ビスマスカリウム((Bi1/21/2)TiO3、略「BKT」)、チタン酸ビスマスナトリウム((Bi1/2Na1/2)TiO3、略「BNT」)、マンガン酸ビスマス(BiMnO3、略「BM」)、ビスマス、カリウム、チタン及び鉄を含みペロブスカイト構造を有する複合酸化物(x[(Bi1−x)TiO3]−(1−x)[BiFeO3]、略「BKT−BF」)、ビスマス、鉄、バリウム及びチタンを含みペロブスカイト構造を有する複合酸化物((1−x)[BiFeO]−x[BaTiO]、略「BFO−BT」)や、これにマンガン、コバルト、クロムなどの金属を添加したもの((1−x)[Bi(Fe1−y)O]−x[BaTiO](Mは、Mn、CoまたはCr))等が挙げられる。
第2電極80は、圧力発生室12の第1の方向Xにおいて、圧電体層70上に連続して設けられ、複数の圧電素子300に共通する共通電極を構成する。第2電極80の材料は、金属材料または導電性酸化物、またはこれらの積層材料であれば特に限定されず、例えば、第1電極60と同様の材料を用いることができる。
圧力発生室12の第2の方向Yの一端側における第2電極80の端部は、圧電体層70の端部よりも外側に位置している。つまり圧電体層70の端部は第2電極80によって覆われている。また、圧力発生室12の第2の方向Yの他端側における第2電極80の端部は、圧電体層70の端部よりも内側(圧力発生室12側)に位置している。
このような構成の圧電素子300は、第1電極60と第2電極80との間に電圧を印加することで変位が生じる。すなわち両電極の間に電圧を印加することで、第1電極60と第2電極80とで挟まれている圧電体層70に圧電歪みが生じる。両電極に電圧を印加した際に、圧電体層70に圧電歪みが生じる部分を能動部320と称する。これに対して、圧電体層70に圧電歪みが生じない部分を非能動部と称する。また、圧電体層70に圧電歪みが生じる能動部320において、圧力発生室12に対向する部分を可撓部と称し、圧力発生室12の外側の部分を非可撓部と称する。
本実施形態では、第1電極60、圧電体層70及び第2電極80の全てが圧力発生室12の第2の方向Yにおいて圧力発生室12の外側まで連続的に設けられている。すなわち能動部320が圧力発生室12の外側まで連続的に設けられている。このため、能動部320のうち圧電素子300の圧力発生室12に対向する部分が可撓部となり、圧力発生室12の外側の部分が非可撓部となっている。
圧電素子300が形成された流路形成基板10上には、接合基板の一例である保護基板30が接着剤35によって接合されている。
保護基板30は、圧電素子300を保護する部材であり、凹部である圧電素子保持部31が設けられている。圧電素子保持部31と流路形成基板10とで画成された封止空間34には、圧電素子300(能動部320)が封止されている。詳細は後述するが、封止空間34内は所定圧力に調圧され、これにより圧電素子300による振動板50の変位が効率化されている。
また、保護基板30には、マニホールド100の一部を構成するマニホールド部32が設けられている。マニホールド部32は、保護基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、上述のように流路形成基板10の連通部15と連通している。また保護基板30には、保護基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられている。各圧電素子300の第1電極60に接続されたリード電極90は、この貫通孔33内に露出している。各圧電素子300の第1電極60に接続されたリード電極90には、図示しない駆動回路に接続される接続配線の一端がこの貫通孔33内で接続されている。
保護基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料からなり、この封止膜41によってマニホールド部32の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料で形成される。この固定板42のマニホールド100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、マニホールド100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドIでは、図示しない外部インク供給手段と接続したインク導入口からインクを取り込み、マニホールド100からノズル開口21に至るまで液体流路の内部をインクで満たした後、駆動回路からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの第1電極60と第2電極80との間に電圧を印加する。これにより圧電素子300と共に振動板50がたわみ変形して各圧力発生室12内の圧力が高まり、各ノズル開口21からインク滴が噴射される。
ここで、圧電素子保持部31と流路形成基板10とで画成された封止空間34の圧力及び振動板50について詳細に説明する。
図3は、封止空間内の圧電素子の要部を拡大した断面図である。なお、圧電素子300は点線で示している。図3(a)には、電圧が印加されていない状態における圧電素子300が示されている。圧電素子300は、封止空間34内に封止されている。封止空間34内は大気と遮断された密閉空間であり、後述するように所定圧力に調圧されている。
振動板50は、圧力発生室12に対向する領域が圧力発生室12側に撓んでいる。圧電素子300の非動作時(電圧が印加されていない状態)における振動板50の撓みを初期撓みと称する。
一方、振動板50と流路形成基板10との接合面を基準面Oとする。基準面Oに対する初期撓みの状態の振動板50の位置を第1変位Xとする。すなわち、第1変位Xとは、基準面Oに垂直な方向において、基準面Oを基準とする、初期撓みの状態にある振動板50の最も撓んだ頂点部分の位置(基準面Oから当該頂点部分までの長さ)をいう。
なお、第1変位Xは、圧電素子300側を正とし、圧力発生室12側を負とする。
図3(b)には、電圧が印加され、最も撓んだ状態における圧電素子300が示されている。このように圧電素子300の動作時において最も撓んだ状態における振動板50の撓みを到達撓みと称する。
基準面Oに対する到達撓みの状態の振動板50の位置を第2変位Yとする。すなわち、第2変位Yとは、基準面Oに垂直な方向において、基準面Oを基準とする、到達撓みの状態にある振動板50の最も撓んだ頂点部分の位置(基準面Oから当該頂点部分までの長さ)をいう。
第1変位Xと第2変位Yとの差の絶対値を変位量δとする。なお、同図は、第1変位X及び第2変位Yが何れも負である場合を示しているが、双方が正、又は一方が正で他方が負である場合についても、同様に変位量δが定義される。
図4は、初期撓み(第1変位X)、到達撓み(第2変位Y)、変位量δの関係を示す概略図である。横軸は、初期撓みの量、すなわち第1変位Xの大きさを示している。縦軸は、到達撓みの量、すなわち第2変位Yの大きさ又は変位量の大きさを示している。これらが大きいほど振動板50は圧力発生室12側に大きく撓んでいることを示す。
図示するように、振動板50は、初期撓み量が増大するほど、到達撓み量も増大する傾向にある。一方、初期撓み量が増大するほど、変位量δは低減している。
このように振動板50は、初期撓みが大きいほど、すなわち初期撓みが基準面Oから離れるほど、圧電素子300による到達撓みも大きくなるが、変位量δは増大しない。このように、圧電素子300を変形させて到達撓みをより大きくしても変位量δが増大しないのであるから、初期撓みが大きい状態から圧電素子300を動作させて変位量を得ようとしても、効率が悪いといえる。このことは、振動板50の初期撓みが圧電素子300側に撓んでいても同様である。
そこで、図5に示すように、本実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドIは、十分な変位量δを得るとともに、振動板50の初期撓みの位置を調整することで効率を改善することができる。
図5は、封止空間内の圧電素子の要部を拡大した断面図である。なお、圧電素子300は点線で示している。
同図に示すように、振動板50の初期撓みは、圧電素子300側に撓んだ状態である。一方、振動板50の到達撓みは圧力発生室12側に撓んでいる。ここでは、初期撓み、到達撓みは基準面Oに対して対称となっている。
初期撓みの第1変位Xと到達撓みの第2変位Yとの差である変位量δは、図3に示したものと同じ大きさである。しかしながら、第1変位Xが圧電素子300側にある分、第2変位Yの大きさとしては図3に示したものよりも小さい。
図4で説明したように、初期撓みが小さいほど、振動板50を変形させた際の変位量δは大きい。したがって、圧電素子300の変形による到達撓み(第2変位Y)は小さくても、十分な変位量δが得られるので圧電素子300の効率を高めることができる。
振動板50は、理想的には、図5に示したように初期撓みと到達撓みとが基準面Oを挟んで対称となることが最も効率的で好ましい。しかしながら、このような場合に限定されず、初期撓みと到達撓みとが基準面Oを挟んで対称に近くなるように振動板50の初期撓みを調整すればよい。
振動板50の初期撓みの調整は、封止空間34を大気圧よりも高い圧力(正圧)、又は低い圧力(負圧)にすることにより行うことができる。封止空間34が正圧である場合は、振動板50の初期撓みを圧力発生室12側に撓ませ、負圧である場合は、振動板50の初期撓みを圧電素子300側に撓ませることができる。
なお、封止空間34内を正圧にする方法としては、例えば、大気圧よりも高い圧力の不活性ガス雰囲気の下で、圧電素子300等を形成した流路形成基板10と、保護基板30とを接合して封止空間34を形成する。その後、大気圧に戻すことで、封止空間34を正圧に調整することができる。封止空間34内を負圧にする方法としては、例えば、大気圧よりも低い圧力の雰囲気(又は真空)の下で、圧電素子300等を形成した流路形成基板10と、保護基板30とを接合して封止空間34を形成する。その後、大気圧に戻すことで、封止空間34を負圧に調整することができる。
振動板50の初期撓みの調整は、封止空間34内が大気圧である場合の振動板50の状態に基づいて行う。封止空間34内の圧力調整を場合分けして説明するに先立ち、図6に、封止空間の調圧前後における振動板の撓みを模式的に示す。
図6(a)は、封止空間34内が大気圧である場合の振動板50の状態を示している。同図に示す黒線は、振動板50の初期撓みを表しており、Aは第1変位を表している(以降、第1変位A)。一点鎖線は、振動板50の到達撓みを表しており、A’は第2変位を表している(以降、第2変位A’)。
図6(b)は、封止空間34内を調圧して正圧又は負圧である場合の振動板50の状態を示している。同図に示す黒線は、振動板50の初期撓みを表しており、Bは第1変位を表している(以降、第1変位B)。一点鎖線は、振動板50の到達撓みを表しており、B’は第2変位を表している(以降、第2変位B’)。
これらの第1変位A、第2変位A’、第1変位B、第2変位B’の正負の意味は図5と同様である。以降、これらの記号を用いて、封止空間34内の調圧前後における振動板を模式的に示す。
(1)第1変位Aが負(A<0)、第2変位A’が負(A’<0)の場合
図7(1)左図に示すように、封止空間34内が大気圧である際には、振動板50は、初期撓み及び到達撓みの何れもが圧力発生室12側に撓んでいる場合である。
この場合は、図7(1)右図に示すように、封止空間34内を負圧とする。負圧に調圧することで、振動板50は、圧電素子300側に引き上げられる。すなわち、初期撓みの第1変位Bは、調圧前の第1変位Aよりも圧電素子300側に位置する。
調圧により、振動板50の第1変位Aが第1変位Bに移動した。これにより、調圧前と同じ変位量δを確保するためには、調圧後における到達撓みの第2変位B’は、調圧前における到達撓みの第2変位A’よりも圧電素子300側にすることができる。換言すれば、調圧後の第2変位B’を調圧前の第2変位A’よりも小さくしても(基準面Oに近づけても)、調圧前と同じ変位量δを得ることができる。
このように、到達撓みの第2変位B’を調圧前より小さくしても、調圧前と同等の変位量δを確保することができるので、圧電素子300を効率的に駆動することができる。
なお、封止空間34内は、理想的には基準面Oを挟んで初期撓みと到達撓みとが対称となるように負圧にすることが好ましい。少なくとも、振動板50の調圧後の第1変位B及び第2変位B’が調圧前の第1変位A及び第2変位A’よりも圧電素子300側であればよい。ただし、調圧後の第2変位B’の大きさ|B’|は、第1変位Bの大きさ|B|よりも大きくする。これと逆に大きさ|B|が大きさ|B’|よりも大きくなると、調圧後の振動板50の初期撓みが圧電素子300側に大きく偏って撓んだ状態となってしまうからである。
(2)第1変位Aが正(A>0)、第2変位A’が正(A’>0)の場合
図7(2)左図に示すように、封止空間34内が大気圧である際には、振動板50は、初期撓み及び到達撓みの何れもが圧電素子300側に撓んでいる場合である。
この場合は、図7(2)右図に示すように、封止空間34内を正圧とする。正圧に調圧することで、振動板50は、圧力発生室12側に押し下げられる。すなわち、初期撓みの第1変位Bは、調圧前の第1変位Aよりも圧力発生室12側(基準面O側)に位置する。
調圧により、振動板50の第1変位Aが第1変位Bに移動した。これにより、調圧前と同じ変位量δを確保するためには、調圧後における到達撓みの第2変位B’は、調圧前における到達撓みの第2変位A’よりも圧力発生室12側にすることができる。換言すれば、調圧後の第2変位B’を調圧前の第2変位A’よりも小さくしても(基準面Oに近づけても)、調圧前と同じ変位量δを得ることができる。
このように、初期撓みの第1変位Bを調圧前より小さくしても、調圧前と同等の変位量δを確保することができるので、圧電素子300を効率的に駆動することができる。
なお、封止空間34内は、理想的には基準面Oを挟んで初期撓みと到達撓みとが対称となるように正圧にすることが好ましい。少なくとも、振動板50の調圧後の第1変位B及び第2変位B’が調圧前の第1変位A及び第2変位A’よりも圧力発生室12側であればよい。ただし、調圧後の第2変位Bの大きさ|B|は、第1変位B’の大きさ|B’|よりも大きくする。これと逆に大きさ|B’|が大きさ|B|よりも大きくなると、調圧後の振動板50の初期撓みが圧力発生室12側に大きく偏って撓んだ状態となってしまうからである。
(3)第1変位Aが正(A>0)、第2変位A’が負(A’<0)、第2変位A’の大きさが第1変位Aの大きさよりも大きい場合(|A’|>|A|)
図8(3)左図に示すように、封止空間34内が大気圧である際には、振動板50の初期撓みが圧電素子300側に、到達撓みが圧力発生室12側に撓んでいる場合である。また、到達撓みの変位の大きさ(第2変位A’の大きさ|A’|)が初期撓みの変位の大きさ(第1変位Aの大きさ|A|)よりも大きい。
この場合は、図8(3)右図に示すように、封止空間34内を負圧とする。負圧に調圧することで、振動板50は、圧電素子300側に引き上げられる。すなわち、初期撓みの第1変位Bは、調圧前の第1変位Aよりも圧電素子300側に位置する。
調圧により、振動板50の第1変位Aが第1変位Bに移動した。これにより、調圧前と同じ変位量δを確保するためには、調圧後における到達撓みの第2変位B’は、調圧前における到達撓みの第2変位A’よりも圧電素子300側にすることができる。換言すれば、調圧後の第2変位B’を調圧前の第2変位A’よりも小さくしても(基準面Oに近づけても)、調圧前と同じ変位量δを得ることができる。
このように、到達撓みの第2変位B’を調圧前より小さくしても、調圧前と同等の変位量δを確保することができるので、圧電素子300を効率的に駆動することができる。
なお、封止空間34内は、理想的には基準面Oを挟んで初期撓みと到達撓みとが対称となるように負圧にすることが好ましい。少なくとも、振動板50の調圧後の第1変位B及び第2変位B’が調圧前の第1変位A及び第2変位A’よりも圧電素子300側であればよい。ただし、調圧後の第2変位B’の大きさ|B’|は、第1変位Bの大きさ|B|よりも大きくする。これと逆に大きさ|B|が大きさ|B’|よりも大きくなると、調圧後の振動板50の初期撓みが圧電素子300側に大きく偏って撓んだ状態となってしまうからである。
(4)第1変位Aが正(A>0)、第2変位A’が負(A’<0)の場合、第1変位Aの大きさが第2変位A’の大きさよりも大きい場合(|A|>|A’|)
図8(4)左図に示すように、封止空間34内が大気圧である際には、振動板50の初期撓みが圧電素子300側に、到達撓みが圧力発生室12側に撓んでいる場合である。また、初期撓みの変位の大きさ(第1変位Aの大きさ|A|)が到達撓みの変位の大きさ(第2変位A’の大きさ|A’|)よりも大きい。
この場合は、図8(4)右図に示すように、封止空間34内を正圧とする。正圧に調圧することで、振動板50は、圧力発生室12側に押し下げられる。すなわち、初期撓みの第1変位Bは、調圧前の第1変位Aよりも圧力発生室12側(基準面O側)に位置する。
調圧により、振動板50の第1変位Aが第1変位Bに移動した。これにより、調圧前と同じ変位量δを確保するためには、調圧後における到達撓みの第2変位B’は、調圧前における到達撓みの第2変位A’よりも圧力発生室12側にすることができる。換言すれば、調圧後の第2変位Bを調圧前の第2変位Aよりも小さくしても(基準面Oに近づけても)、調圧前と同じ変位量δを得ることができる。
このように、初期撓みの第1変位Bを調圧前より小さくしても、調圧前と同等の変位量δを確保することができるので、圧電素子300を効率的に駆動することができる。
なお、封止空間34内は、理想的には基準面Oを挟んで初期撓みと到達撓みとが対称となるように正圧にすることが好ましい。少なくとも、振動板50の調圧後の第1変位B及び第2変位B’が調圧前の第1変位A及び第2変位A’よりも圧力発生室12側であればよい。ただし、調圧後の第2変位Bの大きさ|B|は、第1変位B’の大きさ|B’|よりも大きくする。これと逆に大きさ|B’|が大きさ|B|よりも大きくなると、調圧後の振動板50の初期撓みが圧力発生室12側に大きく偏って撓んだ状態となってしまうからである。
以上の(1)〜(4)の各態様に説明したように、封止空間34内を正圧又は負圧に調整して振動板50の初期撓みを調整することで、調圧前に比べて、圧電素子300の変形による到達撓みを低減しながらも、十分な変位量δが得られるので圧電素子300の効率を高めることができる。
本実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドIは、上述したように効率よく振動板50を変形させてインクを吐出するので、高効率なインク吐出特性を有する。
〈実施形態2〉
実施形態1に係る封止空間34は、流路形成基板10と保護基板30とが接着剤35により接合されることで形成されていたが、このような態様に限定されない。封止空間の密閉性をより向上させるべく、接着剤35を用いずに、金属を介した直接的な接合により封止空間を形成してもよい。
図9は、実施形態2に係るインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であり、図10は、実施形態2に係るインクジェット式記録ヘッドの断面図であり、図11は、実施形態2に係るインクジェット式記録ヘッドの要部を拡大した断面図である。
図示するように、本実施形態の液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドIIは、ヘッド本体111、ケース部材140等の複数の部材を備え、これら複数の部材が接合されている。本実施形態では、ヘッド本体111は、流路形成基板110と、連通板115と、ノズルプレート120と、保護基板130と、コンプライアンス基板145と、を具備する。
流路形成基板110は、例えば、シリコン単結晶基板からなる。流路形成基板110には、一方面側から異方性エッチングすることにより、複数の隔壁によって区画された圧力発生室112がインクを吐出する複数のノズル開口121が並設される方向に沿って並設されている。以降、この方向を圧力発生室112の並設方向、又は第1の方向Xと称する。また、流路形成基板110には、圧力発生室112が第1の方向Xに並設された列が複数列、本実施形態では、2列設けられている。この圧力発生室112が第1の方向Xに沿って形成された圧力発生室112の列が複数列設された列設方向を、以降、第2の方向Yと称する。
また、流路形成基板110には、圧力発生室112の第2の方向の一端部側(ノズル開口121に連通する側とは反対側)で連通する供給路113と、供給路113に圧力発生室112とは反対側で連通する連通路114と、が設けられている。
すなわち、本実施形態の流路形成基板110には、各ノズル開口121に連通する個別流路として、圧力発生室112、供給路113及び連通路114が隔壁によって区画されて第1の方向Xに並設されている。
また、このような流路形成基板110の一方面側には、振動板150が設けられており、圧力発生室112等の流路は、振動板150によって封止されている。
また、流路形成基板110の他方面側(振動板150とは反対側)には、連通板115が接合されている。また、連通板115には、各圧力発生室112に連通する複数のノズル開口121が穿設されたノズルプレート120が接着剤で接着されている。
連通板115には、圧力発生室112とノズル開口121とを繋ぐノズル連通路116が設けられている。連通板115は、流路形成基板110よりも大きな面積を有し、ノズルプレート120は流路形成基板110よりも小さい面積を有する。このようにノズルプレート120の面積を比較的小さくすることでコストの削減を図ることができる。なお、本実施形態では、ノズルプレート120のノズル開口121が開口されて、インク滴が吐出される面を液体噴射面と称する。
また、連通板115には、マニホールド100の一部を構成する第1マニホールド部117と、第2マニホールド部118とが設けられている。
第1マニホールド部117は、連通板115を厚さ方向(連通板115と流路形成基板110との積層方向)に貫通して設けられている。
また、第2マニホールド部118は、連通板115を厚さ方向に貫通することなく、連通板115のノズルプレート120側に開口して設けられている。
さらに、連通板115には、圧力発生室112の第2の方向Yの一端部に連通する供給連通路119が、各圧力発生室112毎に独立して設けられている。この供給連通路119は、第2マニホールド部118と連通路114とを連通する。
また、ノズルプレート120には、各圧力発生室112とノズル連通路116を介して連通するノズル開口121が形成されている。すなわち、ノズル開口121は、第1の方向Xに並設された列が、第2の方向Yに複数列、本実施形態では、2列形成されている。
このようなノズルプレート120としては、例えば、ステンレス鋼(SUS)等の金属、又はシリコン単結晶基板等を用いることができる。なお、ノズルプレート120としてシリコン単結晶基板を用いることで、ノズルプレート120と連通板115との線膨張係数を同等として、加熱や冷却されることによる反りの発生を抑制することができる。
一方、流路形成基板110の連通板115とは反対面側には、振動板150が形成されている。本実施形態に係る振動板150は、流路形成基板110上に形成された弾性膜151と、弾性膜151上に形成された絶縁体膜152とで構成されている。なお、圧力発生室112は、流路形成基板110を一方面から異方性エッチングにより形成されており、圧力発生室112の他方面は、振動板(弾性膜151)で構成されている。
振動板150上には、本実施形態の圧力発生手段として、第1電極160と圧電体層170と第2電極180とからなる圧電素子300が設けられている。ここで、圧電素子300は、第1電極160、圧電体層170及び第2電極180を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層170を圧力発生室112毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層170から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。
本実施形態では、第1電極160を圧電素子300の個別電極とし、第2電極180を圧電素子300の共通電極としている。なお、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。なお、上述した例では、振動板150が弾性膜151及び絶縁体膜152で構成されたものを例示したが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、振動板150として弾性膜151及び絶縁体膜152の何れか一方を設けたものであってもよく、また、振動板150として弾性膜151及び絶縁体膜152を設けずに、第1電極160のみが振動板として作用するようにしてもよい。また、圧電素子300自体が実質的に振動板を兼ねるようにしてもよい。ただし、流路形成基板110上に直接第1電極160を設ける場合には、第1電極160とインクとが導通しないように第1電極160を絶縁性の膜で保護する必要がある。
第1電極160、圧電体層170及び第2電極180の材料は、実施形態1と同様であるので説明は省略する。
各第1電極160には、個別リード電極190の一端がそれぞれ接続されている。個別リード電極190の他端には、駆動回路210が設けられた配線基板211、例えば、COF等が接続されている。
一方、共通電極である第2電極180には、第1共通リード電極191が接続されている。本実施形態に係る第1共通リード電極191は、第2電極180と略同形状の外形を有し、中央部が除去された開口部194を有する枠状に形成されている。第1共通リード電極191の開口部194は、圧電素子300の圧電体能動部が露出しており、その変位を妨げないようになっている。第1共通リード電極191は、特に図示しないが、一部が延設されて配線基板211に接続されている。
これらの個別リード電極190、第1共通リード電極191の材料に特に限定はないが、金、白金、アルミニウム、銅などの導電性の高い金属を用いることができる。
流路形成基板110の圧電素子300側の面には、流路形成基板110と略同じ大きさを有する保護基板130が固定されている。保護基板130は、流路形成基板110側が略平坦状に形成されている。保護基板130には、第1共通リード電極191と同形状に形成された第2共通リード電極192が形成されている。第2共通リード電極192は、第1共通リード電極191と同じ材料から形成され、接着剤などを介さずに直接的に第1共通リード電極191に接合されている。以後、接合された第1共通リード電極191及び第2共通リード電極192を総称して共通リード電極193と称する。
このように、第1共通リード電極191と第2共通リード電極192とが接合されることで、封止空間134が形成される。すなわち、封止空間134は、流路形成基板110(圧電素子300)、保護基板130、及び共通リード電極193から画成されている。
第1共通リード電極191及び第2共通リード電極192は、同じ材料から構成されているため、接着剤を介在させずに直接接着する熱圧着を用いることができる。このように第1共通リード電極191及び第2共通リード電極192を直接接着することで、封止空間134の密閉性を、接着剤を用いる場合よりも向上させることができる。接着剤を用いる場合、水分などが接着剤を透過するおそれがあるが、直接接着の場合ではこのようなおそれがより一層低減されるからである。
このように封止空間134の密閉性がより確実なものとなっている。これにより、封止空間134内を正圧又は負圧にして振動板150の初期撓みを調整することができるとともに、正圧又は負圧に調圧した状態を長期に亘り維持することができる。
また、共通リード電極193は、幅(第1の方向X及び第2の方向Y)を変えずに厚さを厚くすることで、電気抵抗を小さくすることができる。これにより、電気抵抗を低減しながらも、幅方向に小型化することができるインクジェット式記録ヘッドIIが提供される。
さらには、共通リード電極193が封止空間134の側面部分を構成するため、保護基板130を平坦状とすることができる。すなわち、保護基板130には、実施形態1の圧電素子保持部31に相当する凹部を設ける必要がない。これにより、保護基板130に凹部を設けるために必要となる工程を省略して低コスト化を図ることができる。
また、保護基板130には貫通孔132が設けられている。個別リード電極190の他端側は、この貫通孔132内に露出するように延設され、個別リード電極190と配線基板211とが貫通孔132内で電気的に接続されている。
このような構成のヘッド本体111には、複数の圧力発生室112に連通するマニホールド100をヘッド本体111と共に画成するケース部材140が固定されている。ケース部材140は、平面視において上述した連通板115と略同一形状を有し、保護基板130に接着剤によって固定されると共に、上述した連通板115にも接着剤によって固定されている。具体的には、ケース部材140は、保護基板130側に流路形成基板110及び保護基板130が収容される深さの凹部141を有する。凹部141に流路形成基板110等が収容された状態で凹部141のノズルプレート120側の開口面が連通板115によって封止されている。
これにより、流路形成基板110の外周部には、ケース部材140とヘッド本体111とによって第3マニホールド部142が画成されている。そして、連通板115に設けられた第1マニホールド部117及び第2マニホールド部118と、ケース部材140と流路形成基板110とによって画成された第3マニホールド部142とによって本実施形態のマニホールド1100が構成されている。
なお、ケース部材140の材料としては、例えば、樹脂や金属等を用いることができる。また、保護基板130の材料は、保護基板130が固定される流路形成基板110と線膨張係数が同等の材料が好ましく、本実施形態では、シリコン単結晶基板を用いた。
また、連通板115の第1マニホールド部117及び第2マニホールド部118が開口する面には、コンプライアンス基板145が設けられている。このコンプライアンス基板145が、第1マニホールド部117と第2マニホールド部118の開口を封止している。
このようなコンプライアンス基板145は、本実施形態では、封止膜146と、固定基板147と、を具備する。封止膜146は、可撓性を有する薄膜(例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)やステンレス鋼(SUS)等により形成された厚さが20μm以下の薄膜)からなり、固定基板147は、ステンレス鋼(SUS)等の金属等の硬質の材料で形成される。この固定基板147のマニホールド1100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部148となっているため、マニホールド1100の一方面は可撓性を有する封止膜146のみで封止された可撓部であるコンプライアンス部となっている。
なお、ケース部材140には、マニホールド1100に連通して各マニホールド1100にインクを供給するための導入路144が設けられている。また、ケース部材140には、保護基板130の貫通孔132に連通して配線基板211が挿通される接続口143が設けられている。
このような構成のインクジェット式記録ヘッドIIでは、インクを噴射する際に、カートリッジ等のインク貯留手段から導入路144を介してインクを取り込み、マニホールド1100からノズル開口121に至るまで流路内部をインクで満たす。その後、駆動回路210からの信号に従い、圧力発生室112に対応する各圧電素子300に電圧を印加することにより、圧電素子300と共に弾性膜151及び絶縁体膜152をたわみ変形させる。これにより、圧力発生室112内の圧力が高まり所定のノズル開口121からインク滴が噴射される。
〈他の実施形態〉
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の基本的な構成は上述したものに限定されるものではない。
また、インクジェット式記録ヘッドI(又はインクジェット式記録ヘッドII)は、例えば、図12に示すように、インクジェット式記録装置IIIに搭載される。インクジェット式記録装置IIIは、装置本体4を備え、装置本体4にキャリッジ軸5が取り付けられている。キャリッジ軸5には、キャリッジ3が軸方向移動可能に設けられている。キャリッジ3には、インク供給手段を構成するカートリッジ2が着脱可能に設けられるとともに、インクジェット式記録ヘッドIが取り付けられている。
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、インクジェット式記録ヘッドIを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラーなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになっている。
本発明では、上述のようにインクジェット式記録ヘッドIは、効率よく振動板50を変形させてインクを吐出するので、高効率なインク吐出特性を有しする。したがって、高効率で印刷することができるインクジェット式記録装置IIIが実現される。
なお、上述した例では、インクジェット式記録装置IIIとして、インクジェット式記録ヘッドIがキャリッジ3に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、その構成は特に限定されるものではない。インクジェット式記録装置IIIは、例えば、インクジェット式記録ヘッドIを固定し、紙等の記録シートSを副走査方向に移動させることで印刷を行う、いわゆるライン式の記録装置であってもよい。
また、上述の実施形態では、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを挙げて本発明を説明したが、本発明は広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものである。液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッドの他、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
さらに本発明は、このような液体噴射ヘッド(インクジェット式記録ヘッド)だけでなく、あらゆる装置に搭載されるアクチュエーター装置に適用することができる。本発明のアクチュエーター装置は、例えば、各種センサー類等にも適用することができる。
I、II インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 III インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 O 基準面、 10、110 流路形成基板、 12、112 圧力発生室、 20、120 ノズルプレート、 21、121 ノズル開口、 30、130 保護基板(接合基板)、 34、134 封止空間、 50、150 振動板、 60 第1電極、 70 圧電体層、 80 第2電極、 90 リード電極、 100、1100 マニホールド、 111 ヘッド本体、 190 個別リード電極、 191 第1共通リード電極、 192 第2共通リード電極、 193 共通リード電極、 300 圧電素子、 320 能動部

Claims (5)

  1. 液体を吐出するノズル開口に連通する複数の圧力発生室を備える流路形成基板と、
    該流路形成基板上に設けられた振動板を介して前記圧力発生室に圧力を付与するアクチュエーター装置と、
    前記流路形成基板に接合されて前記アクチュエーター装置を封止する封止空間を形成する接合基板とを備え、
    前記封止空間内の圧力は、前記振動板が前記圧力発生室側に押し下げられるように調圧されている
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 液体を吐出するノズル開口に連通する複数の圧力発生室を備える流路形成基板と、
    該流路形成基板上に設けられた振動板を介して前記圧力発生室に圧力を付与するアクチュエーター装置と、
    前記流路形成基板に接合されて前記アクチュエーター装置を封止する封止空間を形成する接合基板とを備え、
    前記封止空間内の圧力は、前記振動板が前記アクチュエーター側に引き上げられ、又は前記圧力発生室側に押し下げられるように調圧されている液体噴射ヘッドであって、
    前記アクチュエーター装置の非動作時における振動板が前記アクチュエーター装置側に撓み、
    前記アクチュエーター装置の動作時における振動板が前記アクチュエーター装置側に撓み、
    前記封止空間内は大気圧よりも高い圧力に調圧されている
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  3. 液体を吐出するノズル開口に連通する複数の圧力発生室を備える流路形成基板と、
    該流路形成基板上に設けられた振動板を介して前記圧力発生室に圧力を付与するアクチュエーター装置と、
    前記流路形成基板に接合されて前記アクチュエーター装置を封止する封止空間を形成する接合基板とを備え、
    前記封止空間内の圧力は、前記振動板が前記アクチュエーター側に引き上げられ、又は前記圧力発生室側に押し下げられるように調圧されている液体噴射ヘッドであって、
    前記アクチュエーター装置の非動作時における振動板が前記アクチュエーター装置側に撓み、
    前記アクチュエーター装置の動作時における振動板が前記圧力発生室側に撓み、
    前記流路形成基板及び前記振動板との接合面を基準面として、
    前記アクチュエーター装置の非動作時における振動板の位置を第1変位とし、
    前記アクチュエーター装置の動作時における振動板が前記圧力発生室側に最も撓んだ位置を第2変位とし、
    前記第1変位の大きさが前記第2変位の大きさ以上となるように、前記封止空間内は大気圧よりも低い圧力に調圧されている
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  4. 液体を吐出するノズル開口に連通する複数の圧力発生室を備える流路形成基板と、
    該流路形成基板上に設けられた振動板を介して前記圧力発生室に圧力を付与するアクチュエーター装置と、
    前記流路形成基板に接合されて前記アクチュエーター装置を封止する封止空間を形成する接合基板とを備え、
    前記封止空間内の圧力は、前記振動板が前記アクチュエーター側に引き上げられ、又は前記圧力発生室側に押し下げられるように調圧されている液体噴射ヘッドであって、
    前記アクチュエーター装置の非動作時における振動板が前記アクチュエーター装置側に撓み、
    前記アクチュエーター装置の動作時における振動板が前記圧力発生室側に撓み、
    前記流路形成基板及び前記振動板との接合面を基準面として、
    前記アクチュエーター装置の非動作時における振動板の位置を第1変位とし、
    前記アクチュエーター装置の動作時における振動板が前記圧力発生室側に最も撓んだ位置を第2変位とし、
    前記第2変位の大きさが前記第1変位の大きさ以上となるように、前記封止空間内は大気圧よりも高い圧力に調圧されている
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  5. 請求項1〜請求項の何れか一項に記載する液体噴射ヘッドを備えることを特徴とする液体噴射装置。
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